JP2003002482A - 紙送りローラ - Google Patents
紙送りローラInfo
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- Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
- Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
Abstract
摩耗や紙粉付着によっても搬送不良が生じにくい紙送り
ローラ1の提供。 【解決手段】 給紙ローラ1には、軸芯2が挿入されて
いる。給紙ローラ1は、動的架橋によって得られたエラ
ストマー組成物から成形されている。給紙ローラ1で
は、熱可塑性ポリマーのマトリクスにガラス繊維及び架
橋ゴム粒子が分散している。ガラス繊維含有率は、0.
1質量%以上5.0質量%以下である。ガラス繊維は、
短繊維である。ガラス繊維の太さは1μm以上30μm
以下であり、長さは1.0mm以上6.0mm以下であ
る。ゴム粒子の基材ゴムは、EPDMである。マトリク
スは、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー又はポ
リプロピレンを主成分としている。
Description
される紙送りローラに関するものである。
TM等の事務機器の給紙機構、画像形成機構、定着機
構、排紙機構等には、紙送りローラ(給紙ローラ、搬送
ローラ、排紙ローラ等と呼ばれている)が用いられてい
る。紙送りローラは紙を搬送するものなので、紙との摩
擦係数が高いことが要求され、しかもこの高い摩擦係数
が長期間維持されることが要求される。
いる。この紙送りローラには、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体(EPDM)、ポリウレタン、ポリノル
ボルネン、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレン、天然
ゴム等が用いられる。適切な摩擦係数を発現させる目的
で、研磨等の手段によってゴム製ローラの表面粗度が調
整されることも多い。ゴム製ローラは加熱によっても溶
融しないので、原料ポリマーとしての再利用は不可能で
ある。また、継続的な紙との摺動によって表面が徐々に
摩耗し、表面粗度が低下することがある。表面粗度の低
下により紙送りローラと紙との摩擦係数が低下し、紙の
搬送ができなくなることがある(搬送不良)。
紙粉が付着して蓄積されることがある。この紙粉は、紙
の構成材料であるセルロースや、紙に含まれる添加剤
(タルク、炭酸カルシウム等)が粉体となって紙から離
脱したものである。紙粉が付着すると紙と紙送りローラ
との摩擦係数が低下し、搬送不良が生じる。特に、灰分
の多い紙(例えば中国製の紙)では紙粉発生量が多いの
で、このような紙が用いられた場合の搬送不良が大きな
問題となっている。
提案が、なされてきている。例えば、特開平9−309
653号公報には、ポリウレタン弾性繊維又はポリエー
テルエステル弾性繊維を含むゴムローラが開示されてい
る。また、特開平9−100053号公報には、2種以
上の熱可塑性エラストマーが併用されてなる給紙ローラ
が開示されている。さらに、特開平11−348149
号公報には、動的架橋によって得られた熱可塑性エラス
トマー組成物からなる紙送りローラが開示されている。
しかしながら、要求特性全てを満たす紙送りローラは未
だ得られていないのが実状である。
題に鑑みてなされたものであり、原料ポリマーとしての
再利用が可能であり、摩耗や紙粉付着によっても搬送不
良が生じにくい紙送りローラの提供をその目的とする。
めになされた発明は、単一又は2以上の層からなり、そ
の最外層が、樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴム粒
子とガラス繊維とが熱可塑性ポリマー中に分散したエラ
ストマー組成物から成形されている紙送りローラ、であ
る。
熱可塑性ポリマーなので、最外層は加熱によって溶融す
る。従って、この最外層は、使用後にポリマー原料とし
て再利用されうる。また、マトリクスにゴム粒子が分散
した状態が最外層の表面から内部に渡って達成されてい
るので、摩耗によっても表面状態が大幅には変化しな
い。さらに、この紙送りローラの表面にはガラス繊維が
露出しており、このガラス繊維が紙を掻き送る。ガラス
繊維による掻き送りは紙粉の付着によっても阻害されに
くいので、搬送不良が生じにくい。
は、0.1質量%以上5.0質量%以下である。ガラス
繊維含有率がこの範囲とされることにより、紙粉付着時
の搬送性低下がより抑制される。
m以下でありその長さが1.0mm以上6.0mm以下
であるガラス繊維が用いられる。このガラス繊維は、紙
粉付着時の搬送性低下をより抑制する。
レン−プロピレン−ジエン共重合体を主成分とする。エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体は、紙送りローラ
の耐候性向上に寄与する。
加スチレン系熱可塑性エラストマー又はポリプロピレン
を主成分とする。これにより、紙送りローラの加工性が
向上する。
好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明され
る。
りローラとしての給紙ローラ1が軸芯2とともに示され
た斜視図である。給紙ローラ1が軸芯2に圧入されるこ
とにより、又は両者が接着剤で接合されることにより、
給紙ローラ1が軸芯2に固定されている。給紙ローラ1
の肉厚は、通常1mmから8mm、特には2mmから5
mmとされる。また、給紙ローラ1の全長は、通常10
mmから100mmとされる。
得られたエラストマー組成物から成形されている。動的
架橋では、熱可塑性ポリマーに生ゴム、架橋剤、ガラス
繊維及びその他の添加剤が配合され、混練・加熱され
る。加熱によって生ゴムが架橋され、微細粒子となって
熱可塑性ポリマー中に分散する。このエラストマー組成
物は、マトリクスである熱可塑性ポリマーの長所と分散
質であるゴム粒子の長所とを併せ持つ。
にほぼ均一に分散する。このガラス繊維の一部は、給紙
ローラ1の表面に露出している。紙と接触しつつ給紙ロ
ーラ1が回転する際、露出したガラス繊維が紙を掻き送
る。ガラス繊維は、ポリマー繊維よりも剛直であり、紙
を掻き送る能力が高い。しかも、ガラス繊維は金属繊維
よりは柔軟なので、紙や紙の上に形成されたトナー像を
傷つけることが少ない。
面に紙粉が付着・蓄積することがある。紙粉が付着した
場合でも、ガラス繊維による紙を掻き送る能力はほとん
ど低下しない。しかも、ガラス繊維の分散は給紙ローラ
1の内部にまで渡っているので、給紙ローラ1が多少摩
耗してもガラス繊維が露出した状態が常に継続される。
従って、長期間にわたって摩擦係数低下が抑制され、良
好な搬送力が維持される。
好である短繊維状のガラス繊維が好ましい。ガラス繊維
の太さは、1μm以上30μm以下が好ましい。太さが
上記範囲未満であると、個々のガラス繊維の剛性が不足
し、紙を掻き送る力が不十分となることがある。この観
点から、太さは5μm以上が特に好ましい。太さが上記
範囲を超えると、紙や紙に形成されたトナー像をガラス
繊維が傷つけることがある。この観点から、太さは20
μm以下が特に好ましい。ガラス繊維の太さに分布があ
る場合は、平均値が上記範囲内とされる。
0mm以下が好ましい。長さが上記範囲未満であると、
紙を掻き送る力が不十分となることがある。この観点か
ら、長さは1.5mm以上が特に好ましい。長さが上記
範囲を超えると、給紙ローラ1への分散が不十分となる
ことがある。この観点から、長さは4.0mm以下が特
に好ましい。ガラス繊維の長さに分布がある場合は、平
均値が上記範囲内とされる。
ってもよく、また、複数本の原糸(ストランド)が引き
揃えられてなるガラスロービングが適宜の長さに切断さ
れたチョップドストランドであってもよい。また、ガラ
ス繊維の原料ガラスには、最も一般的なEガラス(無ア
ルカリ−ライム−アルミナ−ボロンシリケート系ガラ
ス)の他、耐酸性であるCガラス、高弾性であるSガラ
ス、耐熱性であるRガラス等が用いられうる。
5.0質量%以下とされている。含有量が上記範囲未満
であると、紙粉付着時の搬送力が不十分となることがあ
る。この観点から、含有量は1.0質量%以上が好まし
く、2.0質量%以上が特に好ましい。含有量が上記範
囲を越えると、給紙ローラ1が硬くなって初期段階から
搬送力が不十分となることがある。この観点から、含有
量は4.5質量%以下が好ましく、4.0質量%以下が
特に好ましい。
ソフトセグメントとハードセグメントとを備えた熱可塑
性エラストマーや、熱可塑性樹脂が用いられうる。好適
な熱可塑性エラストマーとしては、水素添加スチレン系
熱可塑性エラストマーが挙げられる。水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレン末端ブロック
とエラストマー中間ブロックとからなるブロック共重合
体を主成分としているものである。水素添加スチレン系
熱可塑性エラストマーでは中間ブロックが水素添加され
ることによって二重結合が消滅しており、従って動的架
橋時に架橋させてしまうことがない。水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン−
エチレン−スチレン共重合体(SES)、スチレン−エ
チレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、
スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(S
EBS)等の水素添加物が挙げられる。
ある。ポリオレフィンは分子鎖が飽和状態であるので、
動的架橋時に架橋させてしまうことがない。また、ポリ
オレフィンは一般的に安価で入手が容易なので、これが
用いられることにより給紙ローラ1の製造コストが抑え
られる。ポリオレフィンの具体例としては、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ
ート樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、エチレン
−メタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられ
る。また、いわゆるメタロセン触媒によって重合された
ポリプロピレン又はポリエチレンも、好適に用いられ
る。さらに、超高分子量ポリエチレンも、好適に用いら
れ得る。これらのポリオレフィンは単独で用いられても
よく、また、2種以上が併用されてもよい。ポリオレフ
ィンのなかでも、給紙ローラ1の耐摩耗性が向上するこ
と、成形性が良好であること、安価であること等の観点
から、ポリプロピレンが特に好適である。
リマーは、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー又
はポリプロピレンを主成分とする。具体的には、水素添
加スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレンと
の合計量が全熱可塑性ポリマーに占める比率は50質量
%以上が好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
おり、このゴム粒子の一部は給紙ローラ1の表面に露出
している。露出しているゴム粒子によって、給紙ローラ
1の摩擦係数が適正化される。ゴム粒子の分散は給紙ロ
ーラ1の内部にまで渡っているので、給紙ローラ1が多
少摩耗しても、摩擦係数が維持される。
ピレン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリウレタン、ポリクロロプレン、アクリルゴム、
シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、天然
ゴム等が用いられうる。
−ジエン共重合体である。エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体の主鎖は飽和炭化水素からなるので、この主
鎖には二重結合が含まれない。このため、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体は高濃度オゾン雰囲気、光線
照射等の環境下に長時間曝されても分子主鎖切断が起こ
りにくい(すなわち耐候性に優れる)。複写機等では画
像形成時にオゾンが発生することがあるが、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体が用いられることにより給
紙ローラ1のオゾン劣化が抑制される。また、エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体は、熱可塑性ポリマーへ
の分散性にも比較的優れる。
他のゴムとが併用されてもよい。この場合でも、給紙ロ
ーラ1の耐候性維持の観点から、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体が主成分であるのが好ましい。具体的
には、全基材ゴムに占めるエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体の比率が30質量%以上、さらには50質量
%以上、特には80質量%以上とされるのが好ましい。
耐候性の観点から、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体が全ゴムに占める比率は高いほど好ましいので、本
発明ではこの上限値は特には規定されない。
は、ゴム成分のみからなる非油展タイプのものとゴム成
分とともに伸展油を含む油展タイプのものとが存在する
が、給紙ローラ1にはいずれのタイプのものも用いられ
得る。なお、油展タイプのエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体が用いられる場合は、伸展油を除いたゴム成
分が全基材ゴムに占める比率が、上記の範囲内(30質
量%以上、さらには50質量%以上、特には80質量%
以上)とされればよい。
クス中に均一に分散するので好ましい。具体的には、ゴ
ム粒子の平均粒子直径は10μm以下が好ましく、5μ
m以下が特に好ましい。平均粒子直径は小さいほど好ま
しいが、通常得られるゴム粒子の平均粒子直径は0.1
μm以上である。
30/70以上80/20以下が好ましい。質量比が上
記範囲未満であると、給紙ローラ1の摩擦係数が小さく
なることがある。この観点から、質量比は40/60以
上がより好ましく、50/50以上が特に好ましい。質
量比が上記範囲を超えると、熱可塑性ポリマーがマトリ
クスでなくなり、エラストマー組成物の可塑化が困難と
なることがある。この観点から、質量比は70/30以
下が特に好ましい。なお、油展ゴムが用いられる場合
は、この油展ゴム中のゴム成分と熱可塑性ポリマーとの
質量比が、上記範囲内とされる。
ている。樹脂架橋剤が用いられることにより、硫黄と加
硫促進剤とによってゴムが架橋された場合にありがちな
ブルーミングが抑制される。従って、ブルーミングによ
る給紙ローラ1の摩擦係数低下が防止される。好ましい
樹脂架橋剤としては、アルキルフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂が挙げられる。また、このアルキルフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物(塩素化物、
臭素化物、フッ素化物、ヨウ素化物等)も好適に用いら
れる。これらの樹脂架橋剤はゴムとの相溶性に優れてお
り、また、反応性に富んでいて架橋反応開始時間が早く
なるので好ましい。
(油展ゴムの場合は、ゴム成分100部)に対して1部
以上20部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であ
ると、架橋不足が起こって給紙ローラ1の耐久性が低下
することがある。この観点から、配合量は3部以上が特
に好ましい。配合量が上記範囲を超えると、過剰架橋と
なって混練時の異常発熱によるエラストマー組成物の熱
劣化が生じることがある。この観点から、配合量は15
部以下が特に好ましい。本明細書において「部」で示さ
れる数値は、質量が基準とされたときの比を意味する。
等の軟化剤が配合されてもよい。これにより、給紙ロー
ラ1が低硬度となって、その摩擦係数が向上する。配合
されるオイルとしては、例えばパラフィン系鉱物油、ナ
フテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマ
ー等が挙げられる。また、配合される可塑剤としては、
ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルセパケート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。
油展タイプのゴムが用いられる場合は伸展油が軟化剤と
して作用するので、他の軟化剤の配合が省略されてもよ
い。もちろん、必要に応じ、油展タイプのゴムにさらに
軟化剤が添加されてもよい。
填剤、老化防止剤、ワックス、着色剤、架橋助剤等が適
量添加されてもよい。
ー、基材ゴム、樹脂架橋剤及び各種添加剤が、オープン
ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、
二軸押出機等の既知の混練機にて混練されることにより
得られる。混練時に基材ゴムが架橋され、微細粒子とな
って熱可塑性ポリマーマトリクス中に分散する(いわゆ
る動的架橋)。このエラストマー組成物は、マトリクス
が熱可塑性ポリマーなので、加熱によって溶融する。す
なわち、このエラストマー組成物は、いわゆる熱可塑性
エラストマー組成物である。このエラストマー組成物
は、熱可塑成形法に供することができる。給紙ローラ1
は、押出成形、射出成形、圧縮成形等の既知の成形手段
により成形されうる。この給紙ローラ1は架橋を伴う成
形工程を経ることなく得られるので、その製造コストは
低い。
加熱・溶融されることにより、再生ポリマーの原料とし
て利用されうる。この給紙ローラ1は、省資源に寄与し
うる。また、再利用によって給紙ローラ1の廃棄処分や
焼却処分の必要がなくなるので、この給紙ローラ1は地
球環境に悪影響を与えない。
にゴム粒子が分散しているエラストマー組成物からなる
という点において、ポリマーとしての熱可塑性エラスト
マー(ハードセグメントとソフトセグメントとからな
り、ブロック共重合で得られるもの)からなる給紙ロー
ラとは明確に区別される。分散ゴム粒子を備えた給紙ロ
ーラ1は圧縮永久歪みが小さいという長所を有する。
以上の層が積層されて給紙ローラが構成されてもよい。
この場合は、最外層が前述のエラストマーから成形され
る。
給紙機構3が示された模式的断面図である。この給紙機
構3は、給紙ローラ1の他に、分離パッド4及びトレイ
5を備えている。分離パッド4は基板6に固定されてお
り、給紙ローラ1と対向している。給紙ローラ1が図中
の矢印Rで示される方向に回転することにより、トレイ
5の上の紙7が1枚ずつ送り出される。紙は、画像形成
機構及び定着機構へと搬送され、排出される。搬送に
は、搬送ローラが用いられる。また、排出には、排紙ロ
ーラが用いられる。搬送ローラ及び排紙ローラに給紙ロ
ーラ1と同様のエラストマー組成物が用いられることに
より、これらのローラにおいても、紙粉付着や摩耗に起
因する搬送力低下が抑制される。すなわち、本発明の紙
送りローラには、給紙ローラ1の他に搬送ローラ、排紙
ローラ等の、紙の搬送に寄与するローラが含まれる。
かにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限
定的に解釈されるべきではない。
チレン−プロピレン−ジエン共重合体(住友化学社の商
品名「エスプレン670F」)を二軸押出機(モリヤマ
社の「2TR−75」)を用いて押し出し、直径が4m
mで長さが4mmのペレットを得た。このペレット20
0部(ゴム成分100部)、SEPS(クラレ社の商品
名「セプトン4077」)70部、ポリプロピレン(日
本ポリケム社の商品名「ノバテックPP BC6)30
部、酸化亜鉛(三井金属社の商品名「酸化亜鉛2種」)
5部、及び太さが約10μmで長さが約3mmのガラス
繊維(日本板硝子社の商品名「マイクグラスチョップド
ストランドRES03BM38」)0.42部(0.1
質量%)をタンブラーにて混合し、二軸押出機(アイベ
ック社の「HTM38」)に投入した。別の投入口より
パラフィンオイル(出光興産社の商品名「PW−9
0」)100部、及び樹脂架橋剤としての臭素化アルキ
ルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(田岡化学社の商
品名「タッキロール 250−III」)10部を投入し、
180℃で混練して動的架橋を行わせ、エラストマー組
成物を得た。このエラストマー組成物を射出成形機(住
友重機社の商品名「ネスタール SG−25」)に投入
して金型内に射出し、外径が21mmであり内径が9m
mであり長さが38mmである円筒体を成形した。この
円筒体の外周面を円筒研削盤で外径が20mmとなるま
で研磨し、さらに長さ10mmに裁断して、実施例1の
給紙ローラを得た。
ガラス繊維の配合量を下記の表1に示されるように変量
した他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに
比較例1及び2の給紙ローラを得た。
ン共重合体(前述の「エスプレン670F」)200
部、酸化ケイ素(日本シリカ社の商品名「ニプシールV
N3」)10部、炭酸カルシウム(備北粉化社の商品名
「BF300」)30部、酸化チタン(チタン工業社の
商品名「クロノス酸化チタンKR380」)10部、パ
ラフィンオイル(前述の「PW−90」)30部、カー
ボンブラック(東海カーボン社の商品名「シーストS
O」)3部、ステアリン酸(日本油脂社の商品名「つば
き」)1部、硫黄(鶴見化学社の粉末硫黄)2部、加硫
促進剤としてのジベンゾチアジルジスルフィド(大内新
興化学工業社の商品名「ノクセラーDM」)1部、他の
加硫促進剤としてのテトラエチルチウラムジスルフィド
(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーTET」)
3部、酸化亜鉛(前述の「酸化亜鉛2種」)5部及びガ
ラス繊維(前述の「RES03BM38」)15.5部
(5質量%)を密閉式混練機に投入し、混練してゴム組
成物を得た。このゴム組成物を金型に投入して170℃
で20分間加熱し、ゴムを架橋させて円筒体を成形し
た。この円筒体の内径は9mmであり、外径は21mm
であり、長さは38mmであった。この円筒体の外周面
を円筒研削盤で外径が20mmとなるまで研磨し、さら
に長さ10mmに裁断して、比較例3の給紙ローラを得
た。
(北京造紙一の「北京 三一牌 印紙」)を用意し、縦
が60mmで横が210mmの長方形に裁断して測定用
紙とした。この測定用紙を図3に示されるように給紙ロ
ーラとテフロンプレートとの間にはさみ、軸芯に250
gfの荷重Wを加えて給紙ローラをテフロン(登録商
標)プレートに圧接した。次いで、給紙ローラを時計回
りに周速300mm/秒で回転させた。そして、測定用
紙の一端に連結されたロードセルで、図3中矢印Fで示
される方向に発生した力(gf)を測定した。この力F
を荷重Wで除した値を求めて初期摩擦係数とした。測定
は、温度が23℃であり湿度が55%である条件の下で
行った。この結果が、下記の表1に示されている。
ゼロックス社の商品名「VIVACE455」)に装着
した。そして、温度23℃、湿度55%の条件下で、A
4サイズの普通紙(前述の「北京 三一牌 印紙」)を
1000枚通紙し、搬送状況を確認した。搬送不良が全
く生じなかったものを「○」とし、若干生じたものを
「△」とし、多発したものを「×」とした。この結果
が、下記の表1に示されている。
の給紙ローラを用い、初期摩擦係数の測定と同様の方法
で摩擦係数を測定した。そして、下記数式(I)によっ
て摩擦係数保持率Kを算出した。この結果が、下記の表
1に示されている。なお、比較例2の給紙ローラでは通
紙試験において不送りが多発したので、通紙試験後の摩
擦係数の測定を行わなかった。 K=(μ1/μ0)×100 −−−(I) 上記数式(I)においてμ1は通紙後の摩擦係数を表
し、μ0は初期摩擦係数を表している。
ラの製造に要するコストを算出し、比較例3の給紙ロー
ラを100としたときの指数を求めた。この結果が、下
記の表1に示されている。
料ポリマーとして再利用できるものを「○」とし、でき
ないものを「×」とした。この結果が、下記の表1に示
されている。
されていない比較例1の給紙ローラでは、摩擦係数保持
率が低い。また、ガラス繊維が多量に配合された比較例
2の給紙ローラでは、初期摩擦係数が低いため搬送不良
が生じている。さらに、ゴム製である比較例3の給紙ロ
ーラでは製造コストが高く、しかも加熱による再利用が
できない。これに対し、各実施例の給紙ローラでは、搬
送性が良好で、製造コストが低く、再利用も可能であ
る。これらの評価結果から、本発明の優位性は明らかで
ある。
ローラでは、摩耗したり紙粉が付着した場合でも、紙と
の摩擦係数が低下しにくい。この紙送りローラが用いら
れることにより、長期間にわたって良好な搬送能力が維
持される。
ーラとしての給紙ローラが軸芯とともに示された斜視図
である。
構が示された模式的断面図である。
された模式的正面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 単一又は2以上の層からなり、その最外
層が、樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴム粒子とガ
ラス繊維とが熱可塑性ポリマー中に分散したエラストマ
ー組成物から成形されている紙送りローラ。 - 【請求項2】 上記最外層のガラス繊維含有率が、0.
1質量%以上5.0質量%以下である請求項1に記載の
紙送りローラ。 - 【請求項3】 上記ガラス繊維の太さが1μm以上30
μm以下であり、その長さが1.0mm以上6.0mm
以下である請求項1又は請求項2に記載の紙送りロー
ラ。 - 【請求項4】 上記ゴム粒子の基材ゴムの主成分がエチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体である請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載の紙送りローラ。 - 【請求項5】 上記熱可塑性ポリマーの主成分が水素添
加スチレン系熱可塑性エラストマー又はポリプロピレン
である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の紙
送りローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001190081A JP2003002482A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 紙送りローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001190081A JP2003002482A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 紙送りローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003002482A true JP2003002482A (ja) | 2003-01-08 |
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ID=19028905
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