JPH11348149A - 紙送り用弾性ローラ及びその製造方法 - Google Patents

紙送り用弾性ローラ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11348149A
JPH11348149A JP16513698A JP16513698A JPH11348149A JP H11348149 A JPH11348149 A JP H11348149A JP 16513698 A JP16513698 A JP 16513698A JP 16513698 A JP16513698 A JP 16513698A JP H11348149 A JPH11348149 A JP H11348149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
rubber
elastic roller
thermoplastic polymer
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16513698A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Matsushita
裕臣 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP16513698A priority Critical patent/JPH11348149A/ja
Publication of JPH11348149A publication Critical patent/JPH11348149A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト高になることなく、かつ、ローラの性
能を大きく低下させることなく、簡単に再生(リサイク
ル)できるようにする。 【解決手段】 少なくともゴムを含む熱可塑性ポリマー
材料の溶融混練物をローラ状に成形し、実際に紙送り用
ローラとして使用した弾性ローラを裁断してペレットに
した後、該ペレットを溶融混練してローラ状に成形して
再度弾性ローラを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザープリンタ
ー、静電式複写機、及び普通紙ファクシミリ装置等のO
A機器や自動預金支払機(ATM)の紙送り機構に好適
に使用される紙送り用弾性ローラ及びその製造方法に関
し、詳しくは、リサイクルに適した紙送り用弾性ローラ
及びその製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】静電式複写機、レーザプリンタ、ファク
シミリ等のOA機器や、自動預金支払機などの紙送り用
弾性ローラに使用されるゴムを主成分とする弾性組成物
は、優れた耐摩耗性と高い摩擦係数を有することが要求
される。これは、繰り返しの使用によってローラ表面が
摩耗して摩擦係数が低下すると、これによってスリップ
が起こり、紙の搬送力が低下するためである。
【0003】そこで、従来より、上記ゴムとして、機械
的強度に優れたEPDMゴム(エチレン−プロピレン−
ジエン共重合ゴム)、ウレタンゴム、クロロプレンゴ
ム、天然ゴム、ノーソレックスゴム等を用いている。
【0004】しかしながら、紙送り用弾性ローラは多数
枚の紙送りを行うと、上記機械的強度に優れたゴムを用
いたものであっても、ローラの表面が摩耗して、紙との
間の摩擦係数が次第に低下していく。このため、通常、
OA機器や自動預金支払機等においては、紙送り用弾性
ローラは表面の摩耗が激しくなった段階で新品のものに
交換し、表面の摩耗が激しいローラは廃棄するようにし
ている。
【0005】近年、産業廃棄物等の問題が大きく取り上
げられており、上記OA機器や自動預金支払機等の紙送
り用弾性ローラについても劣化したものを廃棄せずにリ
サイクルできるようにすることが要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記紙送り用弾性ロー
ラとは異なる部材であるが、特開平9−311518号
公報には、電子写真方式の画像記録装置における感光体
等の被帯電体への電位(電荷)付与等に用いる導電性弾
性部材を再生(リサイクル)するために、劣化が生じた
導電性弾性部材の表面を研磨して除去した後、新たな導
電性弾性層で被覆する方法が提案されている。
【0007】しかしながら、該導電性弾性部材のリサイ
クルの手法は、表面研磨した後導電性弾性層を被覆する
という繁雑な工程を伴うためにリサイクルに要するコス
トが高くなる。また、再生(リサイクル)された部材は
表面研磨された母材と新たに設けた表面層とからなる積
層構造になるため、機械的な外力を受けると表面層が母
材から分離する危険性がある。かかる導電性弾性部材に
おけるリサイクル手法を紙送りローラに適用した場合も
やはり同様の問題が起こってしまう。特に、ゴムを主成
分とする弾性組成物からなり、紙に対して大きな接触面
積が得られるように加圧変形させて紙送りを行う紙送り
ローラにおいては、上記母材(ローラ)と表面層が分離
しやすいという欠点は無視することができない。
【0008】このように、紙送りローラのリサイクル手
法については、未だコスト及びローラの性能面において
満足できる手法が確立されていないのが現状である。
【0009】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、静電式複写機等のOA機器や自動預金支払機
(ATM)の紙送り機構に用いられる紙送り用弾性ロー
ラを、コスト高になることなく、かつ、ローラの性能を
大きく低下させることなく、簡単に再生(リサイクル)
できるようにすることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究した結果、ゴム以外のポリマ
ー材料に熱可塑性のものを用い、これらゴム及びゴム以
外の熱可塑性ポリマー材料の溶融混練物をローラ状に成
形してなる弾性ローラにおいては、実際に紙送りローラ
として使用した後に、該弾性ローラより採取したゴム組
成物を再度溶融混練してローラ状に成形すると、優れた
紙送り性能の弾性ローラを再生できることを見出だした
ものである。
【0011】すなわち、本発明は、請求項1で、少なく
ともゴムを含む熱可塑性ポリマー材料の溶融混練物から
なる弾性ローラであって、その全体又は一部が、上記少
なくともゴムを含む熱可塑性ポリマー材料を溶融混練し
てローラ状に成形し、紙送り用ローラとして実際に使用
した弾性ローラより採取したリサイクル材料からなるこ
と特徴とする紙送り用弾性ローラを提供している。
【0012】上記本発明の紙送り用弾性ローラは、例え
ば、少なくともゴムを含む熱可塑性ポリマー材料の溶融
混練物をローラ状に成形し、実際に紙送り用ローラとし
て使用した弾性ローラを裁断してペレットにした後、該
ペレットを溶融混練してローラ状に成形する、或いは、
該ペレットと上記熱可塑性ポリマー材料と同一又は近似
の組成の熱可塑性ポリマー材料とを溶融混練してローラ
状に成形することにより製造している(請求項3)。
【0013】上記本発明の紙送り用弾性ローラでは、上
記のように、使用済みのローラを裁断してペレットに
し、該ペレットを原料に溶融混練して得られた混練物を
押し出し成形、射出成形、プレス成形等の成形方法によ
りロール状に成形するだけでよい。よって、従来のよう
な使用済み弾性部材(ローラ)の表面を研磨し、新たな
表面層を被覆するというような繁雑な作業を行う必要が
なく、再生に要するコストが低減する。また、ローラは
母材ロールに表面層を被覆したような多層構造ではな
く、基本的に単層からなる単一物として取得でき、表面
層が分離するというような危険性もない。
【0014】また、使用済みのローラを例えば裁断等し
て作成した小片と、成形に供されていない熱可塑性ポリ
マー材料とを溶融混練し、得られた混練物をロール状に
成形した場合には、部分的にリサイクル材料(使用済み
のローラを例えば裁断等して作成した小片)を使用した
ものとなり、ローラ全体をリサイクル材料(使用済みの
ローラを例えば裁断等して作成した小片)により作成し
たものに比べてコスト的に高くなるが、ローラの性能劣
化はより小さいものとなる。
【0015】なお、上記成形に供されていない熱可塑性
ポリマー材料は、通常は、使用済みのローラの材料とし
て用いた熱可塑性ポリマー材料と同一組成のものを用い
るが、性能劣化の改善のために使用済みのローラの材料
として用いた熱可塑性ポリマー材料とは若干組成を変え
たもの、すなわち、使用済みのローラの材料として用い
た熱可塑性ポリマー材料の組成に近似した組成のものを
用いてもよい。
【0016】上記少なくともゴムを含む熱可塑性ポリマ
ー材料の溶融混練物としては、熱可塑性エラストマー及
び熱可塑性樹脂の少なくとも一方からなる熱可塑性ポリ
マー基材とゴムを溶融混練してゴムを動的架橋により熱
可塑性ポリマー基材中に微粒子状に分散させた混練物を
用いるのが好ましい(請求項2)。これは、該混練物の
弾性力は動的架橋により架橋されたゴム微粒子の存在に
よって支配されており、かつ、架橋されたゴム微粒子は
再度の加熱によってもその弾性が劣化しにくい。このた
め、該混練物をローラ状に成形した弾性ローラを紙送り
ローラとして使用した後、上記のように、該弾性ローラ
を裁断等して小片にし、該小片を再度溶融混練してロー
ラ状に成形して弾性ローラに再生した場合、該再生した
弾性ローラにおける弾性及び耐摩耗性等の機械的特性の
再生前の弾性ローラのそれに対する劣化の程度が極めて
小さくなるためである。
【0017】本発明において使用するゴムとしては、従
来からこの種のローラに用いているゴムを用いることが
でき、例えば、EPDMゴム、ブチルゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、天然ゴム、1,2−ポリブタジエン、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、アクリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレ
ン、及びこれらから選ばれる少なくとも2種の混合物等
を用いることができる。
【0018】ゴム以外の熱可塑性ポリマー材料として
は、例えば、それ自体公知の熱可塑性樹脂及び熱可塑性
エラストマーのいずれか一方または両者を混合して使用
することができる。熱可塑性エラストマーは硬質の樹脂
セグメントと軟質のエラストマーセグメントとからなる
ものである。
【0019】熱可塑性樹脂としてはエチレンエチルアク
リレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−メタクリ
ル酸共重合樹脂、及びアイオノマー樹脂等から選ばれる
1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】熱可塑性エラストマーとしては、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、及びポリ
アミド系熱可塑性エラストマー等から選ばれる1種又は
2種以上を用いることができる。
【0021】熱可塑性エラストマーは、特に、そのJI
S、K−6760で測定される230℃、2.16kg
荷重下におけるMFR(メルトフローレイト)が5g/
10分以上、好ましくは10g/10分以上のものを用
いるのがよい。これは、MFRが5g/10分以上であ
ると溶融混練物の成形性が良化し、再生(リサイクル)
して得られる弾性ローラの紙送り性能がより安定化する
ためでる。かかる好適な熱可塑性エラストマーの具体例
としては、例えば、水素添加スチレン系熱可塑性エラス
トマーである、(株)クラレ製のセプトンシリーズを挙
げることができる。
【0022】上記したように、本発明において、少なく
ともゴムを含む熱可塑性ポリマー材料の溶融混練物は、
好適には、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性樹脂の少
なくとも一方からなる熱可塑性ポリマー基材とゴムを溶
融混練してゴムを動的架橋により熱可塑性ポリマー基材
中に微粒子状に分散させた混練物とするのがよいが、通
常、動的架橋は、上記熱可塑性ポリマー基材とゴム樹脂
とともに樹脂架橋剤を溶融混練することにより行う。
【0023】樹脂架橋剤としては、例えば、アルキルフ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムア
ルデヒド縮合物、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合
物、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂、アルキルフ
ェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メ
ラミン樹脂等を挙げることができる。これらのうち、ア
ルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(反応性のフ
ェノール樹脂)を使用するのが好ましい。アルキルフェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂を使用すると、他の樹脂
架橋剤を使用した場合に比して良好な架橋が得られる
上、架橋されたゴム微粒子の耐熱性及び耐摩耗性が極め
て優れたものとなる。
【0024】本発明において、上記少なくともゴムを含
む熱可塑性ポリマー材料の溶融混練物におけるゴムとゴ
ム以外の熱可塑性ポリマー材料との配合比は、重量比
(ゴム:ゴム以外の熱可塑性ポリマー材料)で、一般に
80:20〜30:70、好ましくは80:20〜4
0:60とするのがよい。
【0025】また、溶融混練物中には上記ゴム及びゴム
以外の熱可塑性ポリマー材料以外に、必要に応じて、プ
ロセスオイル、老化防止剤、充填剤等を配合することが
できる。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブ
ラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜
リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミ
ナ等の粉体を挙げることができる。
【0026】本発明において、少なくともゴムを含む熱
可塑性ポリマー材料の溶融混練物を得る方法としては、
例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、二軸押
し出し機等の公知のゴム混練装置を用いて、ゴム及びゴ
ム以外の熱可塑性ポリマー材料を溶融混練する。また、
実際に紙送り用ローラとして使用した弾性ローラを裁断
して小片にした後、該小片を溶融混練する、或いは、該
小片と成形に供されていない新たな熱可塑性ポリマー材
料とを溶融混練する場合も、上記オープンロール、バン
バリーミキサー、二軸押し出し機等の公知のゴム混練装
置を用いる。
【0027】溶融混練の温度及び時間はゴムの種類及び
ゴム以外の熱可塑性ポリマー材料の種類等によっても異
なるが、一般に160〜200℃、1〜10分間の範囲
から好適な温度及び時間を決定する。なお、溶融混練物
を上記のゴムを動的架橋により熱可塑性ポリマー基材中
に微粒子状に分散させた混練物とする場合は、混練温度
を使用する樹脂架橋剤の反応開始温度以上にする。
【0028】上記混練物をローラ状に成形する方法とし
ては、例えば、上記混練装置の先に口金を取り付けて混
練物を所定の形状に押し出す押し出し成形、混練物をペ
レット化して該ペレットの溶融物を所定形状の金型内に
射出する射出成形、混練物を所定形状の金型内に充填し
て加圧するプレス成形等を用いる。
【0029】本発明において、弾性ローラとする成形物
の形状は、通常、丸棒状又は丸筒状とする。丸棒状であ
る場合、成形物の両端に例えば金属製の芯材を取付けて
これを回転軸芯とし、丸筒状とする場合は成形物の内部
貫通孔に金属製の芯材を嵌挿して、これを回転軸心とす
る。
【0030】なお、本発明の弾性ローラの再生回数(リ
サイクル回数)、すなわち、紙送りローラとして実際に
使用した使用済み弾性ローラからの採取物を原料として
用いて、溶融混練、成形して再度紙送り用弾性ローラと
する回数は、使用するゴム及びゴム以外の熱可塑性ポリ
マーの種類によっても異なるが、概ね、1〜6回程度は
大きな性能劣化を生じることなく実施することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。 (第1実施形態) ・水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー 100重量部 クラレ(株)製、セプトン2002(SEPS系)とセプトン2063(SE PS系)とを1:1の重量比で混合した混合物[MFR(230℃、2.16k g)=30] ここでのSEPS系とは、ポリスチレン相(S)末端ブロックと、ゴム(エラ ストマー)中間ブロックとからなるブロック共重合物であり、ゴム(エラストマ ー)中間ブロックがエチレン/プロピレン(E/P)からなるものである。 ・油展EPDMゴム 200重量部 住友化学工業製、エスプレン670F(EPDMゴム成分50重量%、プロセ スオイル50重量%) ・反応性のフェノール系樹脂架橋剤 12重量部 田岡化学工業(株)製、タッキロール250−III ・酸化亜鉛 5重量部 三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号
【0032】以上の原料を2軸押し出し機、HTM38
(アイペック(株)製)に投入し、160℃〜200℃
で10分間溶融混練して、EPDMゴムが樹脂架橋剤に
より動的架橋して水素添加スチレン系熱可塑性エラスト
マー中に微粒子状に分散したペレット状の混練物(ペレ
ットB)を得、該混練物を単軸押し出し機を用いて、該
単軸押し出し機の先に取り付けた口金より押し出してチ
ューブ状(丸筒状)に成形し、該チューブ状の成形物に
研磨を施した後、所定長さにカットして、外径20m
m、内径9mm、幅10mmの弾性ローラ(R1 )を作
成した。
【0033】次に、上記弾性ローラ(R1 )を市販の電
子写真複写機(VIVACE 富士ゼロックス(株))
に紙送りローラとして搭載して、温度23℃、湿度55
%の条件下で、A4サイズの紙(富士ゼロックスオフィ
スサプライ(株)製のPPC用紙)300,000枚を
連続通紙する通紙試験を行った。そして、通紙前と通紙
300,000枚時におけるローラの重量を測定して、
これらの差からローラの摩耗量(mg)を求めた。ま
た、図1に示す方法で通紙初期の弾性ローラの摩擦係数
と300,000枚通紙後の摩擦係数を測定した。
【0034】すなわち、ゴムローラ1とテフロン(ポリ
テトラフルオロエチレン)プレート3との間に、ロード
セル5に接続したA4サイズのPPC用紙4をはさみ、
図1中、黒矢印で示すように、ゴムローラ1の回転軸2
に荷重W(W=250g)を加え、ゴムローラ1をプレ
ート3に圧接させた。次いで、温度22℃、湿度55%
の条件下で、上記ゴムローラ1を図1中、実線の矢印a
で示す方向に、周速300mm/秒で回転させ、通紙の
前後において、図1中、白矢印で示す方向に発生した力
F(g)をロードセル5によって測定した。そして、こ
の測定値F(g)と荷重W(300g)とから、下記の
式より摩擦係数νを求めた。
【0035】
【数1】ν=F(g)/W(g)
【0036】弾性ローラ(R1 )の摩耗量(mg)は3
90mg、通紙初期の摩擦係数は2.3、300,00
0枚通紙後の摩擦係数は2.1であった。
【0037】次に、上記300,000枚の通紙試験を
行った弾性ローラ(R1 )を裁断してペレット(A)を
作成し、該ペレット(A)と上記ペレット(B)を重量
比(A:B)を20:100にして混ぜ合わせ、これを
上記で用いた単軸押し出し機を用いてペレット(A)と
ペレット(B)を溶融混練して該単軸押し出し機の先に
取り付けた口金より押し出してチューブ状に成形し、該
チューブ状の成形物に研磨を施した後、所定長さにカッ
トして、上記弾性ローラ(R1 )と同一寸法の弾性ロー
ラ(R2 )を作製した。
【0038】次に、この弾性ローラ(R2 )を用いて上
記と同様の通紙試験を行い、ローラの摩耗量(mg)、
通紙初期の弾性ローラの摩擦係数、300,000枚通
紙後の弾性ローラの摩擦係数を測定した。ローラの摩耗
量(mg)は13mg、通紙初期の弾性ローラの摩擦係
数は2.3、300,000枚通紙後の弾性ローラの摩
擦係数は2.1であった。
【0039】以上の結果から、300,000枚の通紙
を行った使用済みの弾性ローラからの採取物をバージン
原料(市販品の原料)と共に溶融混練し、成形して作製
した弾性ローラは、バージン原料(市販品の原料)のみ
で作製した弾性ローラと同等の紙送り性能と耐摩耗性が
得られることを確認できた。
【0040】(第2実施形態)上記第1実施形態の30
0,000枚の通紙を行った使用済みの弾性ローラ(R
1 )を裁断して作成したペレット(A)のみを原料に用
いて上記第1実施形態で用いた単軸押し出し機を用い
て、該単軸押し出し機の先に取り付けた口金より押し出
してチューブ状に成形し、該チューブ状の成形物に研磨
を施した後、所定長さにカットして、第1実施形態と同
寸法の弾性ローラ(R3 )を作製した。そして、この弾
性ローラ(R3 )を用いて上記第1実施形態と同様の通
紙試験を行い、ローラの摩耗量(mg)、通紙初期の弾
性ローラの摩擦係数、300,000枚通紙後の弾性ロ
ーラの摩擦係数を測定した。ローラの摩耗量(mg)は
420mg、通紙初期の弾性ローラの摩擦係数は2.
3、300,000枚通紙後の弾性ローラの摩擦係数は
2.0であった。
【0041】この結果から、原料の全てを、300,0
00枚の通紙を行った使用済み弾性ローラからの採取物
にして、弾性ローラを作製した場合も、該弾性ローラは
バージン原料(市販品の原料)のみで作製した弾性ロー
ラと同等の紙送り性能と耐摩耗性が得られることを確認
できた。
【0042】次に、上記300,000枚の通紙を行っ
た弾性ローラ(R3 )を裁断して作成したペレット
(C)のみを原料に用いて上記第2実施形態と同様の方
法で、押し出し成形を行って、弾性ローラ(R4 )を作
製した。そして、この弾性ローラ(R4 )を用いて30
0,000枚の通紙試験を行い、ローラの摩耗量(m
g)、通紙初期の弾性ローラの摩擦係数、300,00
0枚通紙後の弾性ローラの摩擦係数を測定した。ローラ
の摩耗量(mg)は420mg、通紙初期の弾性ローラ
の摩擦係数は2.1、300,000枚通紙後の弾性ロ
ーラの摩擦係数は1.9であった。
【0043】この結果から、使用済み弾性ローラからの
採取物のみを原料にして再生した弾性ローラを用いて通
紙を行った後、該再生した弾性ローラからの採取物のみ
を原料にして再度弾性ローラを再生した場合も、バージ
ン原料(市販品の原料)のみで作製した弾性ローラに比
して紙送り性能及び耐摩耗性とも大きく劣化することが
なく、紙送りローラとして十分に実用に供せられるもの
であることを確認できた。
【0044】更に、同様の再生工程を繰り返したが、6
回目の再生で作製した弾性ローラまでは紙送りローラと
して十分に実用に供せられるものであった。すなわち、
7回目の再生で作製した弾性ローラは、ローラの摩耗量
(mg)が620mg、通紙初期の弾性ローラの摩擦係
数が1.9、300,000枚通紙後の弾性ローラの摩
擦係数が1.7で、バージン原料(市販品の原料)のみ
で作製した弾性ローラのそれより大きく低下した。な
お、ローラの摩耗量(mg)は600mgを越えた場合
に実使用不可、通紙初期のローラの摩擦係数は2.0よ
り小さく成った場合に実使用不可、300,000枚通
紙後のローラの摩擦係数は1.8より小さく成った場合
に実使用不可と判定した。
【0045】
【発明の効果】以上の説明により明かなように、本発明
によれば、紙送りローラとして使用した使用済みの弾性
ローラからの採取物を原料にして、常法の溶融混練、成
形作業を行うだけで、紙送り用弾性ローラを再生するこ
とができる。よって、従来のような使用済みのローラの
表面を研磨し、新たな表面層を被覆するというような繁
雑な作業を行う必要がなく、再生に要するコストが低減
する。また、再生を複数回行っても、再生した弾性ロー
ラは大きく劣化せず、繰り返し紙送りローラとして実使
用に供することができる。よって、再生回数(リサイク
ル回数)を可能なか限り多くすると、それだけ製造コス
トをより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 紙送り弾性ローラの摩擦係数の測定方法を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 ゴムローラ 2 回転軸 3 プレート 4 PPC用紙 5 ロードセル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともゴムを含む熱可塑性ポリマー
    材料の溶融混練物の成形体からなる弾性ローラであっ
    て、その全体又は一部が、上記少なくともゴムを含む熱
    可塑性ポリマー材料を溶融混練してローラ状に成形し、
    紙送り用ローラとして実際に使用した弾性ローラより採
    取したリサイクル材料からなることを特徴とする紙送り
    用弾性ローラ。
  2. 【請求項2】 上記少なくともゴムを含む熱可塑性ポリ
    マー材料の溶融混練物は、熱可塑性エラストマー及び熱
    可塑性樹脂の少なくとも一方からなる熱可塑性ポリマー
    基材とゴムを溶融混練してゴムを動的架橋により熱可塑
    性ポリマー基材中に微粒子状に分散させた混練物である
    請求項1に記載の紙送り用弾性ローラ。
  3. 【請求項3】 少なくともゴムを含む熱可塑性ポリマー
    材料の溶融混練物をローラ状に成形して実際に紙送り用
    ローラとして使用した弾性ローラを裁断してペレットと
    した後、該ペレットを溶融混練してローラ状に成形す
    る、或いは、該ペレットと上記熱可塑性ポリマー材料と
    同一又は近似の組成の熱可塑性ポリマー材料とを溶融混
    練してローラ状に成形することを特徴とする紙送り用弾
    性ローラの製造方法。
JP16513698A 1998-06-12 1998-06-12 紙送り用弾性ローラ及びその製造方法 Pending JPH11348149A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16513698A JPH11348149A (ja) 1998-06-12 1998-06-12 紙送り用弾性ローラ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16513698A JPH11348149A (ja) 1998-06-12 1998-06-12 紙送り用弾性ローラ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11348149A true JPH11348149A (ja) 1999-12-21

Family

ID=15806590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16513698A Pending JPH11348149A (ja) 1998-06-12 1998-06-12 紙送り用弾性ローラ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11348149A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002020233A1 (fr) * 2000-09-07 2002-03-14 Calp Corporation Procede de production d'une composition de resine thermoplastique et composition de resine thermoplastique ainsi obtenue
JP2002338075A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
JP2003002483A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
JP2003002482A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
EP1316584A2 (en) * 2001-11-30 2003-06-04 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Paper-feeding roller

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002020233A1 (fr) * 2000-09-07 2002-03-14 Calp Corporation Procede de production d'une composition de resine thermoplastique et composition de resine thermoplastique ainsi obtenue
JP2002338075A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
JP2003002482A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
JP2003002483A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd 紙送りローラ
EP1316584A2 (en) * 2001-11-30 2003-06-04 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Paper-feeding roller
EP1316584A3 (en) * 2001-11-30 2003-08-20 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Paper-feeding roller
US6793611B2 (en) 2001-11-30 2004-09-21 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Paper feeding roller
CN100341755C (zh) * 2001-11-30 2007-10-10 住友橡胶工业株式会社 送纸辊筒及送纸辊筒的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101158826B (zh) 导电辊
JP3364162B2 (ja) ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴムローラの製造方法
JP4700746B2 (ja) 導電性ローラ
JP4098663B2 (ja) エラストマー組成物およびゴムローラ
JP3266859B2 (ja) ゴム組成物、該ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴム組成物の製造方法
JPH11348149A (ja) 紙送り用弾性ローラ及びその製造方法
JP4077307B2 (ja) 帯電防止紙送りローラの製造方法及び該製造方法で製造された帯電防止紙送りローラ
JP5080034B2 (ja) ゴムローラ
JP4002450B2 (ja) ゴムローラ及びその製造方法
JP2008037524A (ja) 紙送りローラの製造方法および紙送りローラ
JP4125947B2 (ja) 紙送りローラ
JP3670556B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ
JP5111700B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP4223153B2 (ja) 給紙ローラ
JP2011048188A (ja) 導電性ローラとそれを用いた電子写真装置
JP3600768B2 (ja) 給紙ローラ
JP4084038B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、及び該組成物を用いた紙葉類の重送防止部材、並びに給紙ローラ
JP2003002482A (ja) 紙送りローラ
CN1386690A (zh) 纸张重送防止构件
JP3527467B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ
JP3685599B2 (ja) 印刷用ブランケット
JP2002338075A (ja) 紙送りローラ
JP2003020366A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を用いた表面粗面ゴムローラ
JP4160329B2 (ja) 給紙用ローラの製造方法、該製造方法により製造された給紙用ローラ、及び給紙用ローラの製造装置
JP2004346137A (ja) 弾性部材および紙送りローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040309

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040810