JP4160329B2 - 給紙用ローラの製造方法、該製造方法により製造された給紙用ローラ、及び給紙用ローラの製造装置 - Google Patents

給紙用ローラの製造方法、該製造方法により製造された給紙用ローラ、及び給紙用ローラの製造装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙用ローラの製造方法、該製造方法により製造された給紙用ローラ、及び給紙用ローラの製造装置に関し、詳しくは、特に高品位の印刷をする場合のように、表面が傷つきやすい紙やフィルム等の繊細な印刷媒体を搬送する給紙用ローラに好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等の紙送り機構に用いられる給紙用ローラは、押出製法によってチューブとして押し出し、そのチューブを所定長さにカットすることにより製造されている。この種の給紙用ローラは、良好な給紙性能を得るために、表面が梨地のような押出肌にされたり、表面にローレット面が施されたり、像肌のように研磨目が付けられたりしており、その他、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特開平10−265079号では、耐磨耗性と低硬度を実現するために、熱可塑性エラストマーと、軟化剤と、耐磨耗性樹脂とを含有する熱可塑性材料を用いて形成され、その表面をサンドブラストしたり、あるいは凹凸のパターンを付けた給紙部材が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の給紙用ローラや特開平10−265079号のように、ローラ表面にローレット溝等の凹凸が施された場合には、特にフィルム等の繊細な印刷媒体を搬送する際に、ローラのローレットエッジによって印刷媒体表面が傷つき易くなるため、例えば、インクジェットプリンターの場合においては、インクの乗りが悪くなり、白抜け等の問題が発生しやすいという問題がある。即ち、写真画質の印刷を要求されている光沢紙や光沢フィルムのような表面強度が小さく平滑度が非常に高い繊細な印刷媒体は、表面がシリカやアルミナの微小粒になっているため、そのバインド力が弱く、紙送り時のローラとの摩擦で剥がれやすいため、これにより紙・フィルムの表面が傷つけられやすい。
【0005】
また、ローラ表面を研磨する製造工程を設ければ印刷媒体を傷つけ難くなるものの、研磨工程が必要となりコスト高になる上に、研磨工程は連続処理ができずバッチ処理となるため生産性も悪くなるという問題がある。
【0006】
さらに、表面が梨地となるように、原料として使用する材料を調整することで、紙等の表面を傷つけにくい表面粗さを得ることも考えられるが、摩擦係数等の表面粗さ以外の性能を同時に満足することが困難であり、実用に適する給紙用ローラを得ることができないという問題がある。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、材料の性能を損なうことなく、押出成形後のローラ表面の表面粗さをコントロールできると共に、特に、繊細な印刷媒体の表面を傷つけず、よってインクジェットプリンターの場合における白抜け等の問題が発生しない給紙用ローラを製造することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、熱可塑性エラストマー組成物を押出機内のスクリューにより加熱混練しながら押し出した後に、ダイスにより所定の断面形状でチューブ状に連続的に押出成形し、押出成形後に所定長さにカットしてローラとしている給紙用ローラの製造方法であって、
上記押出機から押し出した後で、上記ダイスにより押出成形する前に、押出軸に垂直な方向におけるスクリューの断面積より断面積の小さな空間部で上記熱可塑性エラストマー組成物を圧縮する工程を含み、
上記空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率を0.04≦L/S≦0.20とすると共に、上記空間部の最小断面積Lとダイスが形成する空間の最大断面積Mとの比率を0.04≦L/M≦0.80としていることを特徴とする給紙用ローラの製造方法を提供している。
【0009】
本発明者は、鋭意研究の結果、上記スクリューを回転させながら押出機から熱可塑性エラストマー組成物よりなる材料を押し出した後に、押出軸に垂直な方向におけるスクリューの断面積より断面積の小さな空間部で材料を圧縮し、その後に上記ダイスから押出成形することにより、押出成形したチューブの表面状態を調整できることを見出した。
【0010】
即ち、押し出された材料が断面積の小さい部分で一度圧縮され、その時に受けた歪みがダイスまで保存され、ダイス内を通って口金から押し出されて排出された瞬間にその歪みが解放される。この時、内部に蓄積された圧力である残存歪みの大きい部分は膨れ(ダイスウェルする)、小さいところはあまり膨れない。このためチューブ表面に凹凸ができ、表面に梨地が発生する。よって、押出機とダイスの間の空間部の断面積を小さくすれば残存歪みを大きくでき、凹凸が大きくなって表面が粗い面を作製することができる。具体的には、上記のように空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率を規定することで、材料の性能を損なうことなく、押出成形後のローラ表面の表面粗さをコントロールすることができ、繊細な印刷媒体の表面を傷つけない給紙用ローラを製造することができる。
【0011】
上記空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率を0.04≦L/S≦0.20としているのは、0.04より小さいと、押出時のヘッド圧力が上昇しすぎてモーターへの負荷が大きくなり押し出しできなくなったり、ヘッドフランジの破壊を引き起こすことがあるためである。一方、0.20より大きいと断面積が小さい空間部での圧縮効果が得られないためである。
【0012】
また、押出軸に垂直な方向において、上記空間部の最小断面積Lと、ダイスが形成する空間の最大断面積Mとの比率は、0.04≦L/M≦0.80としているのが好ましい。これにより、歪みの調整をさらに行いやすくなり、チューブの表面状態をより良好なものとすることができる。
【0013】
さらに、押出軸に垂直な方向において、上記空間部、スクリュー、ダイスの断面形状は円形であることが好ましい。また、上記空間部、スクリュー、ダイスの各断面形状は、押出方向においては、各々同一形状であることが好ましい。なお、各断面形状が、押出方向において変化している場合は、空間部の断面積の最小値を最小断面積Lとし、スクリュー及びダイスの断面積の最大値を各々最大断面積S、断面積Mとする。
【0014】
また、本発明の給紙用ローラの製造方法によりローラ状に製造されてなることを特徴とする給紙用ローラを提供している。これにより、原料として使用した材料の性能に影響を及ぼすことなく、良好な梨地面を有するローラを得ることができ、摩擦係数等も良好であり実用に適する給紙用ローラを得ることができる。
【0015】
上記ローラの室温23℃でのショアA硬度が10以上50以下であることが好ましく、より好ましくは20〜40の範囲としている。これにより、給紙用ローラを比較的小さい圧接力で紙やフィルムに押付けてもローラが充分に変形し、紙やフィルムとの間に大きい接触面積を得ることができる。
また、ショアA硬度が10より小さいと耐摩耗性が悪化しやすくなり、ショアA硬度が50より大きいと、搬送力が不足しやすくなる。
【0016】
上記ローラの外周表面の10点平均表面粗さRzは、15μm以上100μm以下であるのが好ましい。これは、15μmより小さい場合には、ローラ表面に粘着性が出てしまい、この粘着性により繊細な印刷媒体の表面からシリカ等の微粒子が剥がれやすくなり傷つけやすくなるためである。一方、100μmより大きい場合には、外径精度を確保しにくいためである。
なお、上記10点平均表面粗さRzとは、JIS B0601に定義された表面粗さを表すパラメータであり、測定方法については後述する。
【0017】
上記熱可塑性エラストマー組成物とは、ゴムあるいは/及びエラストマーを架橋剤により動的架橋して樹脂マトリクス中に分散させた動的架橋組成物、あるいは熱可塑性エラストマーであることが好ましい。ゴム、樹脂、熱可塑性エラストマーを各々1成分、あるいは複数成分を混合して用いることができる。
【0018】
上記ゴムとしては、EPDMが好ましく、その他、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム、天然ゴム(NR)、1,2―ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン等が好ましい。
【0019】
上記樹脂としては、公知のものを使用でき、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミド(PA)、AS樹脂、ABS樹脂、ポリオキシメチレン(POM)、フッ素樹脂等が好ましい。
【0020】
上記熱可塑性エラストマーとしては、公知のエラストマーを使用でき、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)等のスチレン系エラストマー、塩素化ポリエチレン、塩ビ系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、アイオノマー、エチレンエチルアクリレート樹脂(EEA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等が好ましい。
【0021】
なお、上記熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤、必要に応じてその他の配合剤を2軸押出機、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に投入し、160℃〜200℃に加熱しながら、1〜20分程度混練りされた後に、押出成形されるのが良い。
【0022】
さらに、本発明は、材料を加熱混練するスクリューを有し、その先端から材料を押し出す押出機と、
上記押出機の先端から押し出された材料に所定の断面形状を付与するダイスとを備えた給紙用ローラの製造装置であって、
上記押出機とダイスの間に、押出軸に垂直な方向におけるスクリューの断面積より断面積の小さな空間部を有する継ぎ手を設け、該継ぎ手の空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率が、0.04≦L/S≦0.20となると共に、上記空間部の最小断面積Lとダイスが形成する空間の最大断面積Mとの比率が、0.04≦L/M≦0.80となるような構成としていることを特徴とする給紙用ローラの製造装置を提供している。
【0023】
上記のような構成とすることにより、給紙性能に優れた給紙用ローラを効率良く製造することができる。また、上記押出機は、単軸押出機であることが好ましい。なお、ダイスの先に取り付ける口金はローレットを切ったものではなく、ワイヤーカット、放電加工等で筒状に切った面のものを用いるのが好ましい。なお2軸押出機等の多軸押出機も可能である。多軸押出機の場合は、各スクリューの断面積の合計で規定し、空間部も多軸押出機全体の面積で規定する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の給紙用ローラの製造装置を用い、本発明の給紙用ローラの製造方法によって製造された給紙用ローラ1を示す。給紙用ローラ1は、原料としてEPDMとスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物に樹脂架橋剤、酸化亜鉛を配合した熱可塑性エラストマー組成物を用いて円筒形状に押出成形しており、その中空部に軸芯2を圧入あるいは両者を接着剤で接合して固定している。給紙用ローラ1の室温23℃でのショアA硬度は36であり、外周表面の10点平均表面粗さRzは35μmである。
【0025】
本発明の給紙用ローラの製造装置を図2乃至図4に示す。
給紙用ローラの製造装置10は、原料Gを加熱しながら混練して、混練した材料をその先端から押し出して供給するスクリュー式の短軸の押出機11と、押出機11の先端から押し出された材料に所定の断面形状を付与するダイス12と、押出機11内に配置され材料を加熱混練するスクリュー13と、ダイス12の先端に取り付けられ、材料をチューブ状に押し出す口金14と、押出機11の外筒外周面に配置したヒータ15と、押出機11とダイス12の間に設けられた継ぎ手16と、原料を投入するホッパー18と、チューブ状押出成形品19を所定長さにカットしてローラとする裁断手段(図示せず)とを備えている。
【0026】
押出機11から押し出された材料は、継ぎ手16を通じて連続的にダイス12へ供給される構成としている。押出機11と継ぎ手16とは、フランジ17を介して連結されている。継ぎ手16には、材料が通過しその断面積を押出方向の位置により異ならせた空間部20が設けられている。継ぎ手16の空間部20は、押出方向の中心に位置し、径が細く断面積の小さなストレート部20Aを有しており、押出機11側及びダイス12側に向かって各々円錐形状に拡径した拡径部20Bと連続している。
【0027】
図4に示すように、継ぎ手16の空間部20におけるストレート部20Aとスクリュー13の断面形状は共に円形状とし、押出軸に垂直な方向におけるスクリュー13の断面積よりも、継ぎ手16の空間部20の押出方向中心に位置するストレート部20Aの断面積の方が小さくなっている。具体的には、継ぎ手16の空間部20のストレート部20Aにおける直径D1は10mm、スクリュー13の直径D2は50mmとし、継ぎ手16の空間部20の最小断面積Lとスクリュー13の最大断面積Sとの比率(L/S)が0.04となるような構成としている。
【0028】
また、口金14とダイス12は、所要の空間をあけてマンドレル21を外嵌するような構成としており、マンドレル21とダイス12及び口金14により円筒形状の空間を形成し材料をチューブ状に押出成形する構成としている。口金14の内周側の断面形状は直径D3が22mmの円形状とし、マンドレル21の断面形状は外径D4が18mmの円形状としている。なお、ダイスが形成する空間の断面形状は円形とし、その直径D5を40mmとし、継ぎ手16の空間部20の最小断面積Lとダイス12が形成する空間の最大断面積Mとの比率(L/M)を0.06としている。
【0029】
次に、本発明の給紙用ローラの製造装置を用いた、給紙用ローラの製造方法について詳述する。
上記した原料Gである熱可塑性エラストマー組成物からなるペレットをホッパー18に投入し、押出機11で加熱しながら、スクリュー13により混練した後に、押出機11の先端から、継ぎ手16の空間部20に熱可塑性エラストマー組成物を押し出して供給している。熱可塑性エラストマー組成物は、押出軸に垂直な方向において、スクリュー13の断面積より断面積の小さな空間部20のストレート部20Aを通ることにより、圧縮されている。圧縮された熱可塑性エラストマー組成物は、継ぎ手16の空間部20を通過した後、ダイス12とマンドレル21により所定の断面形状とされ、口金14よりチューブ状に連続的に押出成形されている。押出成形されたチューブ状押出成形品19を裁断手段により所定長さにカットして軸芯2にはめ込んで給紙用ローラ1を作製している。
【0030】
このように、押出機11とダイス12の間に設けた継ぎ手16の空間部20の最小断面積Lとスクリュー13の最大断面積Sとの比率を規定し、スクリュー13により加熱しながら混練された熱可塑性エラストマー組成物を、継ぎ手16内の空間部20におけるストレート部20Aで圧縮することができる。これにより、口金14から押出成形されるチューブの表面粗さを調整することができるため、良好な梨地表面を有する給紙用ローラを得ることができる。
【0031】
なお、スクリューの断面形状は、押出方向において、一定形状であり、断面積が一定であっても良いし、断面形状を変化させ、断面積が変化する構成としても良い。
【0032】
以下、本発明の実施例、比較例について詳述する。
押出機のスクリュー径、押出機とダイスの間に設けた継ぎ手部分の空間部の内径を各々変更し、空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率を下記の表1に示すように設定した。空間部とスクリューの断面形状は共に、円形状とした。
【0033】
【表1】
Figure 0004160329
【0034】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
上記のように(L/S)の値を設定した押出機とダイスを用い、以下に示すように、各給紙用ローラを作製した。(L/S)の値以外は、いずれも同様の条件とした。ダイスの断面形状は外径22mmの円形状とし、ダイス内面はクロムメッキとした。
【0035】
まず、下記の材料を計量して用意した。
・スチレン系エラストマー(セプトンCJK−1、クラレ製)200重量部
・EPDM(エスプレン670F、住友化学製)200重量部
・反応性フェノール樹脂(タッキロール250−III、田岡化学製)12重量部
・酸化亜鉛(三井金属鉱山製、酸化亜鉛2種)5重量部
・色付け用カーボン(東海カーボン製、FEF)1重量部
【0036】
上記材料をタンブラーに投入し混練しながら加熱することによりEPDMゴムを動的加硫し、加硫したEPDMゴムを分散させ、2軸押し出し機により熱可塑性エラストマー組成物を作製し、ペレット化した。
次に、ペレット化した材料を単軸押し出し機(笠松加工研究所製φ50押出機)に投入し、上記実施形態と同様の方法で、押出機とダイスの間に設けた継ぎ手の空間部で材料を一度圧縮して、温度190℃〜230℃でチューブ状に押し出した。チューブ状押出成形品をライン上で、定寸(15mm幅)にカットして、外径22mm、内径18mm、幅15mmの各給紙用ローラを製造した。ショアA硬度は36とした。
【0037】
上記実施例及び比較例の給紙用ローラについて、後述する方法により、10点平均表面粗さRzの測定を行った。測定結果を表1に示す。
【0038】
(ローラ外周表面の10点平均表面粗さRz(μm))
給紙用ローラの外周表面において、測定長2.5mm、カットオフ0.60mm、速度(周速)0.6mm/secにて、表面粗さRz(μm)を回転式で測定した。測定機は、(株)東京精密社製の接触式測定機を用いた。
具体的には、10点平均粗さとは、JIS B0601に示すように、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分において、平均線に平行、かつ、断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差をμmで表したものをいう。10点の測定値の平均値を10点平均表面粗さとした。上記表面粗さは、1個のローラにつき3箇所測定し、その平均値を上記表1に記載した。なお、15μm以上100μm以下を良好とした。
【0039】
表1に示すように、実施例1〜4は、上記(L/S)の値が本発明の規定範囲である装置を用い本発明の製造方法により製造されているため、表面粗さが15〜100μmの範囲であり、いずれも良好な梨地表面を有していた。また、ショアA硬度も36と良好な値であり、実施例1〜3は、給紙用ローラとして実用に適するものであることが確認できた。
【0040】
一方、比較例1〜3は、上記(L/S)の値が本発明の規定範囲から外れていたため、いずれも良好な梨地表面を得ることができなかった。具体的には、比較例1は、ヘッド圧が上昇したため、チューブ状の押し出しが不可能であった。比較例2、3は、表面粗さが各々、14、13と小さな値であり、良好な梨地表面を得ることができなかった。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、スクリューを回転させながら押出機より熱可塑性エラストマー組成物からなる材料を押し出した後に、押出軸に垂直な方向におけるスクリューの断面積より断面積の小さな空間部で材料を圧縮し、その後にダイスから押出成形することにより、押出成形したチューブの表面状態を調整することができる。具体的には、空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率を規定することで、材料に生じる歪みの状態を調整することができ、材料の性能を損なうことなく、押出成形後のローラ表面の表面粗さをコントロールすることができる。
【0042】
よって、光沢紙や光沢フィルム等のような繊細な印刷媒体の表面を傷つけず、インクジェットプリンターの場合における白抜け等の問題が発生しない上に、摩擦係数等の表面粗さ以外の性能を同時に満足することができる実用に適した給紙用ローラを得ることができる。
【0043】
さらに、研磨工程が必要ないため、製造コストを低減することができ、生産性も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の給紙用ローラの概略図である。
【図2】 本発明の給紙用ローラの製造装置の概略図である。
【図3】 本発明の給紙用ローラの製造装置の押出機、継ぎ手、ダイスの関係を示す図である。
【図4】 (A)はスクリューの断面図、(B)は継ぎ手の空間部におけるストレート部の断面図、(C)は口金の断面図、(D)はダイスの断面図である。
【符号の説明】
10 給紙用ローラの製造装置
11 押出機
12 ダイス
13 スクリュー
14 口金
16 継ぎ手
20 空間部
21 マンドレル

Claims (4)

  1. 熱可塑性エラストマー組成物を押出機内のスクリューにより加熱混練しながら押し出した後に、ダイスにより所定の断面形状でチューブ状に連続的に押出成形し、押出成形後に所定長さにカットしてローラとしている給紙用ローラの製造方法であって、
    上記押出機から押し出した後で、上記ダイスにより押出成形する前に、押出軸に垂直な方向におけるスクリューの断面積より断面積の小さな空間部で上記熱可塑性エラストマー組成物を圧縮する工程を含み、
    上記空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率を0.04≦L/S≦0.20とすると共に、上記空間部の最小断面積Lとダイスが形成する空間の最大断面積Mとの比率を0.04≦L/M≦0.80としていることを特徴とする給紙用ローラの製造方法。
  2. 請求項1に記載の給紙用ローラの製造方法によりローラ状に製造されてなることを特徴とする給紙用ローラ。
  3. 上記ローラの室温23℃でのショアA硬度が10以上50以下であり、上記ローラの外周表面の10点平均表面粗さRzが15μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の給紙用ローラ。
  4. 材料を加熱混練するスクリューを有し、その先端から材料を押し出す押出機と、
    上記押出機の先端から押し出された材料に所定の断面形状を付与するダイスとを備えた給紙用ローラの製造装置であって、
    上記押出機とダイスの間に、押出軸に垂直な方向におけるスクリューの断面積より断面積の小さな空間部を有する継ぎ手を設け、該継ぎ手の空間部の最小断面積Lとスクリューの最大断面積Sとの比率が、0.04≦L/S≦0.20となると共に、上記空間部の最小断面積Lとダイスが形成する空間の最大断面積Mとの比率が、0.04≦L/M≦0.80となるような構成としていることを特徴とする給紙用ローラの製造装置。
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