JP2003112833A - 給紙用ローラ - Google Patents

給紙用ローラ

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JP2003112833A
JP2003112833A JP2001308978A JP2001308978A JP2003112833A JP 2003112833 A JP2003112833 A JP 2003112833A JP 2001308978 A JP2001308978 A JP 2001308978A JP 2001308978 A JP2001308978 A JP 2001308978A JP 2003112833 A JP2003112833 A JP 2003112833A
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JP2001308978A
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Toshiaki Matsuo
俊朗 松尾
Hideyuki Okuyama
英之 奥山
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数枚通紙後で、ローラ表面に紙粉が付着し
ている状態であっても、OHPフィルム等の滑りやすく
搬送しにくい用紙を搬送できる給紙用ローラを提供す
る。 【解決手段】 ローラ外周面に軸線方向の山部と谷部と
を周方向に交互に形成してローレット面とし、山部の一
辺の傾斜面を谷部頂点を基準面として25゜〜5゜の範
囲の緩斜面とすると共に、他辺の傾斜面を急斜面とし、
山部頂点のピッチを1.5mm〜0.3mmとし、か
つ、上記山部の頂点にアールを設けている。上記山部の
緩斜面側が回転方向面の順目となるように取り付けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給紙用ローラに関
し、詳しくは、インクジェットプリンター、レーザプリ
ンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動
預金支払機(ATM)等における紙送り機構に使用され、
特に、搬送されにくいOHPフィルム、高品位フォトフ
ィルム等の給紙に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】この種の給紙用ローラにおいては、給紙
時の搬送力は、初期の間はローラ外周面に凹凸のないフ
ラットな平滑面としていると搬送力は最も高くなるが、
繰り返し通紙を行うと、ローラの表面に紙粉が付着し、
搬送力が著しく低下する。そのため、ローラの表面に研
磨による凹凸、シボ加工、梨地加工、ローレット加工を
施して凹凸を付け、凹部に紙粉を逃してローラ回転時に
凹部より紙粉を飛散させて、紙粉対策を施している給紙
用ローラが提供されている。
【0003】上記研磨によりローラ表面にザラザラとし
た研磨目をつけるには、ゴムやエラストマー等からなる
原料組成物の加硫後に研磨機によって研磨目を付けるた
め、製造コストが大きくなる問題がある。また、シボ目
を付けるには、特開平5−221059号で開示されて
いるように、インジェクション成形でローラを成形し、
加硫用金型にシボ形状を設け、加硫時にシボ形状をゴム
外周面に転写することで、シボ目のついたローラを作成
している。しかし、上記方法では、インジェクション金
型で作成する必要があり、大量生産するには金型が多数
必要となり、金型費用が莫大となる。また、梨地目を付
したローラは、ゴムやエラストマー等の原料組成部を押
出成形してチューブを作成し、該チューブを所定寸法で
カットしてローラとする押出加工で梨地目を付すること
ができるが、押出し成形時にチューブ外周面に形成され
る梨地が外周面全体に均一に成形することが困難で表面
安定性がない。
【0004】これに対し、ローラの外周面に軸線方向の
山部と谷部とを周方向に交互に連続させたローレット面
とすると、ゴムやエラストマー等の原料組成物を加熱し
て加硫しながら押出成形し、押出成形機に付設した口金
を通して押し出す時に、ローレット面を賦形することが
でき、上記研磨目やシボ目に比較して容易かつ低コスト
で作製することができると共に、梨地目を設ける場合と
比較してローラの表面安定性にも優れている。
【0005】ローラの外周面をローレット形状とする場
合は、一般に図5に示す形状とされ、略台形状の山部1
00の間に細溝状の谷部200を設けた形状としてい
る。具体的には、ローラ外径が34mmの場合、山部1
00の平坦な上面の幅W1が0.5mm、谷部200の
幅W2が0.5mm、山部100のピッチPは1mmと
している。上記形状とすると、フィルムや紙と接触する
ローラの仮想表面S(図5中に一点鎖線で示す仮想表面
S)に位置する山部100の表面100aの面積を増大
できる。それにより、フィルムや紙との接触面積を多く
できるため、摩擦係数が高められ、所要の搬送力を保持
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すローレット形状とすると、山部表面の接紙面積が大
きいため、該山部表面に、紙に白色を出すために充填さ
れている填料が紙粉となって付着する。このように、紙
粉が山部表面に付着した状態で、OHPフィルムや高品
位フィルム等の滑りやすいPETフィルム系用紙を通紙
すると、ローレット自体の剛性が比較的高くなるため、
紙に対するグリップ力が低下し、通紙不良を起すことが
あった。
【0007】上記問題を解消するため、台形状とした山
部の周方向の幅を小さくすると、山部表面への紙粉の付
着量を低減して搬送性能を高めることができるが、細幅
とした山部が欠落しやすくなり、耐摩耗性が劣ることな
る。
【0008】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、ローレット形状を改良して、紙粉が付着しにく
く、かつ、山部の剛性を低下させて紙とのグリップ力を
高め、搬送しにくいOHPフィルム、高品位フィルム等
の用紙を含め、紙質によらずに安定した搬送力を有する
給紙用ローラを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ローラ外周面に軸線方向の山部と谷部と
を周方向に交互に形成してローレット面とし、上記山部
の一辺の傾斜面を、谷部頂点を基準面として25゜〜5
゜の範囲の緩斜面とすると共に、他辺の傾斜面を急斜面
とし、山部頂点のピッチを1.5mm〜0.3mmと
し、かつ、上記山部の頂点にアールを設けていることを
特徴とする給紙用ローラを提供している。
【0010】上記山部の緩斜面の角度は、好ましくは2
0゜以下であり、山部頂点のピッチは好ましくは0.9
mm以下である。また、谷部の深さ(山部頂点から谷部
頂点までの寸法)は0.3mm〜0.05mmとしてい
ることが好ましい。
【0011】給紙用ローラの表面を上記ローレット形状
とすると、通紙する用紙と接触する山部上面の面積は減
少し、それにより接紙面の紙粉付着量が低減すると共に
山部の形状と相伴って山部の剛性を段階的に低減でき
る。よって、紙粉が付着しても用紙に対するグリップ力
は低減せず、OHPフィルム、高品位フィルム等の滑り
やすく搬送しにくく且つ紙粉が発生しやすい用紙を不送
りなく搬送することができる。また、山部先端にアール
を設けているため、通紙時に山部先端が削り取られるこ
とがなく、耐摩耗性を高めることができる。
【0012】上記給紙用ローラが時計回りで、給紙方向
が左向き方向であるとすると、山部の頂点が紙と接着し
た点より左側が緩斜面、右側が急斜面で、緩斜面側が回
転方向面となる順目となるようにコピー機やプリンター
等の機器に取り付けられるものである。このように、順
目でローラを装着すると、用紙に対して近一に近い接紙
圧を保つことができ、また、不送りの原因おなり易い紙
粉を効果的に排除できるため、不送りの発生をより低減
でき、安定した搬送力を維持することができる。
【0013】上記したローレット形状の山部と谷部の角
度および寸法はローラの大きさが変わっても給紙する用
紙は同様な用紙であるため適用されるが、ローラ外径が
15mm〜50mm、好ましくは40〜30mmの場合
に最も好ましい数値となる。
【0014】また、上記したローレット形状は、ローラ
の製法およびローラの原料組成物の成分が変わっても適
用されるものであが、部分的あるいは全体を架橋された
ゴムからなることが好ましく、特に、動的架橋熱可塑性
エラストマー組成物がを原料組成物とし、押出成形で連
続成形することが、生産性およびコストの点等より好ま
しい。
【0015】具体的には、上記給紙ローラの原料として
は、スチレン系樹脂及び/或いはオレフィン系樹脂中に
EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)及び/
或いはジエン系ゴムを動的架橋にて微分散させた動的架
橋組成物、好ましくは、動的架橋熱可塑性エラストマー
組成物が好ましい。この組成物によると、給紙ローラを
押出成形機によりチューブとして連続的に成形でき、か
つ、口金の外ダイス内周面に凹凸を設けることにより上
記したローレット形状を有するローラを精度よく安価に
作成することができる。
【0016】上記給紙用ローラの原料となる熱可塑性エ
ラストマーとしては、SBS、SIS、SEBS、SE
PS等のスチレン系エラストマー、塩素化ポリエチレ
ン、塩ビ系エラストマー、オレフィン系エラストマー、
ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ア
ミド系エラストマー、アイオノマー、EEA、EVA等
が用いられる。さらに、樹脂と熱可塑性エラストマーの
どちらか1成分か、または2成分以上の混合組成物の中
に架橋したゴム成分を微分散した動的架橋熱可塑性エラ
ストマーを用いても良い。上記動的架橋熱可塑性エラス
トマーの成分として用いる樹脂としては、PE、PP、
PA、PS、PMMA、PET、PBT、PPS、PP
O、PPE、AS樹脂、ABS、POM、フッ素樹脂等
が用いられる。また、上記熱可塑性エラストマーとして
は、上記したSBS、SIS〜EVA等が用いられる。
また、ゴム成分としては、EPDMが好適に用いられる
が、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ス
チレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、
1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、クロ
ロスルフォン化ポリエチレン等も用いられる。添加剤と
しては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク等
の補強剤あるいは充填剤、各種軟化剤、可塑剤、加工助
剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤等が
用いられる。
【0017】上記動的架橋組成物の押出成形時における
押出温度は、150℃以上250℃以下であることが好
ましい。押出温度が150℃より低いと、動的架橋組成
物の粘度が高くなりすぎて成形しにくいことに因る。ま
た、押出温度が250℃より高いと、作成された給紙ロ
ーラの耐摩耗性が大きく劣ることに因る。
【0018】上記ローレット形状を有する給紙用ローラ
はJIS−A硬度を20以上60以下とすることが好ま
しい。上記硬度が20より小さいと摩耗しやすく耐摩耗
性が劣る一方、硬度が60より大きいと、ローラ表面の
摩擦係数が低くなり、搬送力が大きく劣るためである。
【0019】また、上記ローレット形状を有する給紙用
ローラは、室温23℃で、初期伸長10%、動歪み±
0.025%で測定した場合において、損失係数(ta
nδ)が0.02以上0.10以下であることが好まし
い。tanδが0.02より小さいと、押出し成形中に
チューブが切れ易く成形しにくくなる一方、tanδが
0.10より大きいと、作成されたロールの耐摩耗性が
大きく劣ることに因る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の給紙用給紙ローラ
1を示し、その中空部に円柱形状の芯金(シャフト)2
1を圧入して取り付けている。
【0021】上記給紙ローラ1は、その外周面に軸線方
向の山部2と谷部3とを周方向に交互に形成してローレ
ット面5としている。図1(B)に示すように、山部2
の一辺の傾斜面と、谷部頂点を結ぶ基準面Lとがなす角
度θを25゜〜5゜の範囲(本実施形態では20゜)と
した緩斜面2aとし、他辺の傾斜面を70゜〜150゜
(本実施形態では85゜)の急斜面2bとし、山部2の
頂点2cはアールを設けている。山部頂点のピッチPを
1.5mm〜0.3mm(本実施形態では1mm)とし
ている。かつ、上記山部2の頂点2cにアールを設ける
と共に、谷部2bの深さH(山部頂点から谷部頂点の間
の寸法)を1mm〜0.1mm(本実施形態では0.1
mm)としている。なお、ローラ1の外径は34mm、
内径は30mmで、肉厚は20mm、軸線方向の長さを
14.5mmとしている。
【0022】上記ローラの原料となる組成物は、動的架
橋熱可塑性エラストマー組成物からなり、SEPS中に
EPDMを動的架橋にて微分散させたものからなる。上
記ローラ1はJIS−A硬度が20以上60以下(本実
施形態では40)にしている。また、室温23℃で、初
期伸長10%、動歪み±0.025%で測定した場合に
おいて、損失係数(tanδ)を0.02以上0.10
以下とし、本実施形態では0.05としている。
【0023】上記給紙用ローラ1は上記動的架橋熱可塑
性エラストマー組成物を図2に示し押出成形機10によ
り押出成形でチューブとして成形し、該チューブを冷却
後に所定寸法に切断して、給紙用ローラ1を作成してい
る。
【0024】押出成形機10は、スクリュー式の単軸も
しくは2軸の混練押出部11に筒状押出部12を連続さ
せ、該筒状押出部12の先端に口金14を備えている。
ホッパー18より原料を投入し、上記スクリュー式の混
練押出機11の外筒外周面に配置したヒータ15によ
り、原料を加熱しながら混練して筒状押出部12に押し
出し、該筒状押出部12において外筒外周面のヒータ1
9により加熱しながらチューブ状に押し出している。
【0025】上記筒状押出部12の先端よりチューブを
口金14に押し出し、該口金14において、図3に示す
内ダイス(マンドレル)12と外ダイス13の間に押し
出し、チューブの外径、内径を規定すると共に、チュー
ブ外周面に前記図1に示す形状のローレット面に賦形し
ている。
【0026】口金14を構成する内ダイス12は図3
(A)に示すように、筒状押出部12と連続する側
(X)は円錐形状に拡径し、該拡径部12aに連続して
ストレート部12bを備えている。また、内ダイス12
に所要の空間をあけて外嵌する外ダイス13は図3
(B)に示す外観を有する円筒形状で、内ダイス12と
同様に、押出機11と連続する側(X)は段状に拡径
し、該拡径部13aに連続してストレート部13bを備
えている。
【0027】上記外ダイス13の内周面13cは、軸線
方向の凹部15aと凸部15bとを周方向に交互に連続
して形成したローレット面15としている。上記凹部1
5aと凸部15bはローラ1の外周面の山部2に凹部1
5a、谷部3は凸部15bが対応する形状に設けてい
る。
【0028】上記押出成形機によるローラの製造方法を
以下に説明する。原料となる動的熱可塑性エラストマー
組成物(EPDMとスチレン系熱可塑性エラストマー)
をホッパー18に投入し、混練押出部11で加熱しなが
ら混練して筒状押出部12に挿入し、筒状押出部12で
チューブ形状として先端に口金14に押し出している。
口金14において、内ダイス12と外ダイス13の間の
筒形状の空間18内を押し出すことにより、チューブ2
0の内径、外径を所定寸法とし、かつ、外ダイス13の
内周面のローレット面15をチューブ20の外周面に転
写して、チューブ20の外周面20aに軸線方向の山部
と谷部とを周方向の連続させたローレット面を形成して
いる。
【0029】上記口金14を通ってローレット面が賦形
されたチューブ20は、口金14から押し出された後、
冷却された後、所定寸法に切断されて所定寸法の前記図
1に示すローラ1となり、その外周面は山部2と谷部3
とを有するローレット面5となっている。
【0030】上記給紙用ローラ1はコピー機やプリンタ
ーの給紙機構において、図4に示すように、給紙用ロー
ラ1の回転方向Xを時計回り方向とし、給紙方向Yを左
向き方向とすると、ローレット面5の山部2の頂点2c
と用紙30との接触点Aより図中左側が緩斜面2a、右
側が急斜面2bとし、緩斜面2aが回転方向面となるよ
うに取り付けて、所謂、順目に装着している。このよう
に順目に取り付けると、接触面積を増大できるため摩擦
係数を上げて搬送力を高めることが出来ると共に、紙粉
を効果的に除去することができるため、安定した搬送力
を維持することが可能であり、耐摩耗性も良くなる。な
お、順目方向とは逆の逆目方向にセットすると、山部頂
点が欠落し易くなり、耐摩耗性が極端に悪くなると共
に、通紙による搬送力の低下が著しい。
【0031】給紙用ローラ1では、用紙と接触する山部
2の頂点2cの従来の台形状の山部と比較して面積が小
さいため、接紙部分の紙粉の付着量が少なく、また、山
部2の形状を略鋸歯状としているため、用紙と接する部
分の剛性を低く保持でき、その結果、多数枚通紙後にお
いても、用紙に対するグリップ力を低下させない。よっ
て、OHPフィルム、高品位フィルム等の滑りやすく搬
送しにくい用紙を通紙しても不送りを発生を大幅に低減
できる。
【0032】以下、本発明の実施例及び比較例について
詳述する。実施例1、2及び比較例1〜4は、原料の組
成物の配合と表面形状を下記の表1に示すように、変え
ている。ローラ外径は全て34mm、内径30mmとし
て同一とした。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1のローレット形状 は図1(B)
に示す形状とし、山部ピッチを0.5mm、谷部の深さ
を0.1mmとした。また、ローラ原料の組成物Aはス
チレン系熱可塑性エラストマーにEPDMを動的架橋に
て微分散させた動的架橋熱可塑性エラストマーを用い、
スチレン系熱可塑性エラストマーとEPDMとの配合割
合を、スチレン系熱可塑性エラストマー:EPDM=3
5:100とし、ローラのJIS−A硬度を38〜42
とした。実施例2は実施例1と同様のローレット形状
とし、山部ピッチを0.5mm、谷部の深さを0.1m
mとした。ローラ原料の組成物Cは実施例1と同様にス
チレン系熱可塑性エラストマーにEPDMを動的架橋に
て微分散させた動的架橋熱可塑性エラストマーを用いて
いるが、その割合を、スチレン系熱可塑性エラストマ
ー:EPDM=25:100とし、ローラのJIS−A
硬度を35〜40とした。比較例1のローレット形状
は図5に示す台形状の山部と細溝状の谷部を設けた形状
とし、山部の平坦な上面の幅を0.5mm,谷部の幅を
0.5mm、山部のピッチを1.0mmとした。ローラ
原料の組成物Bは実施例1と同様のスチレン系熱可塑性
エラストマーにEPDMを動的架橋にて微分散させた動
的架橋熱可塑性エラストマーからなるが、フィラーを充
填して、ローラのJIS−A硬度を33〜37とした。
比較例2のローレット形状 は比較例1と同様に図5に
示す形状で、山部の平坦な上面の幅を0.25mm,谷
部の幅を0.25mm、山部のピッチを0.5mmとし
た。ローラ原料の組成物は実施例2と同様のCとした。
比較例3はローラの外周面を表面粗さRzが50μmの
梨地目とした。ローラ原料の組成物は比較例2と同様の
Cとした。比較例4はローラの外周面を凹凸を有しない
フラット面とした。ローラ原料の組成物は比較例2と同
様のCとした。
【0035】実施例1、2及び比較例1〜4の給紙用ロ
ーラをそれぞれエプソン製のプリンターのPM780機
に装着し、エプソン指定紙であるOHPを20枚通紙し
た。次にエプソン指定ハガキを200枚通紙し、最後
に、上記OHPを1枚通紙して、各段階における搬送性
能を測定した。このテストは、温度23℃、湿度55%
のもとで行った。テスト結果を前記表1に示す。表中の
「OK」は不送りが0であることを示している。
【0036】表1に示されるように、実施例2及び比較
例2〜4はいずれも組成物が配合Cであるが、表面形状
がそれぞれ異なるため搬送性能もすべて大きく異なっ
た。まず、ローレット形状を本発明の形状とした実施例
2では、いずれの段階でもOKであった。これに対し
て、ローレット形状を従来の形状とした比較例2では特
殊ハガキの段階で100枚でストップした。比較例3の
梨地では特殊ハガキ155枚の段階でストップした。比
較例4のフラット面とした場合は、初期OHP通紙時に
9枚でストップした。
【0037】ローレット形状を本発明の形状とした実施
例1と実施例2は、ローラの配合は異なるが、すべて通
紙することができた。更に、比較例1と比較例2におい
て、B配合の比較例1のローラの方がC配合の比較例2
のローラに比べ低硬度であるため、配合だけで比較すれ
ば搬送性能は比較例1の方が優れているはずである。し
かし、比較例2の山部の幅が比較例1の山部の幅より小
さくしているため、比較例2の方が比較例1よりも搬送
性能が優れていた。以上より、搬送性能は、ローラ原料
の組成物の配合に基づく物性よりも、ローラの表面形状
によってより大きく左右されることが認められた。
【0038】よって、以下表面形状にのみ着目する。比
較例1〜4のローラの表面形状は、いずれも従来から使
用されてきたものであり、すべて途中で通紙不能となっ
た。これに対し、本発明のローレット形状を備えた実施
例1、実施例2は共にすべてのOHPとハガキを通紙す
ることができた。以上より、本発明のローレット形状と
した給紙ローラは搬送性能の優れたローラであることが
確認できた。
【0039】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、給紙用ローラの表面に設けるローレット形状
を、従来の台形状の山部を有する形状とせず、略鋸歯状
とし、山部頂点より一方側の辺を緩斜面、他方側の辺を
急斜面とした形状としているため、段階的に山部の剛性
を下げることができ、紙粉の付着しても摩擦係数を低下
させず、滑りやすいOHP用フィルムや高品位フィルム
等の用紙を搬送する場合においても不送りなく紙送りを
することができる。
【0040】また、上記給紙ローラの原料として、スチ
レン系樹脂及び/或いはオレフィン系樹脂にEPDM及
び/或いはジエン系ゴムを動的架橋させた組成物を用い
ると、連続した押出成形により生産性および精度よくロ
ーレット面を有するローラを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の給紙ローラの概略図、
(B)は要部拡大断面図である。
【図2】 本発明の給紙ローラを製造する製造装置の全
体概略図である。
【図3】 ローレット形状を形成する部分の口金を示
し、(A)は口金の内ダイスの正面図、(B)は外ダイ
スの断面図、(C)は内ダイスと外ダイスを嵌合した状
態の断面図である。
【図4】 上記給紙ローラの装着状態を示す概略図であ
る。
【図5】 従来の給紙ローラのローレット形状を示す図
面である。
【符号の説明】 1 給紙ローラ 2 山部 2a 緩斜面 2b 急斜面 2c 山部の頂点 3 谷部 5 ローレット面 11 押出機 12 内ダイス 13 外ダイス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ外周面に軸線方向の山部と谷部と
    を周方向に交互に形成してローレット面とし、 上記山部の一辺の傾斜面を、谷部頂点を基準面として2
    5゜〜5゜の範囲の緩斜面とすると共に、他辺の傾斜面
    を急斜面とし、山部頂点のピッチを1.5mm〜0.3
    mmとし、かつ、上記山部の頂点にアールを設けている
    ことを特徴とする給紙用ローラ。
  2. 【請求項2】 上記山部の緩斜面の角度は20゜以下、
    山部頂点のピッチは0.9mm以下で、谷部の深さを
    0.3mm〜0.05mmとし、山部の緩斜面側が回転
    方向面の順目となるように取り付けられるものである請
    求項1に記載の給紙用ローラ。
JP2001308978A 2001-10-04 2001-10-04 給紙用ローラ Withdrawn JP2003112833A (ja)

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