JPH07267395A - シート送り機構およびそれに用いる給紙ローラ - Google Patents
シート送り機構およびそれに用いる給紙ローラInfo
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- JPH07267395A JPH07267395A JP6064165A JP6416594A JPH07267395A JP H07267395 A JPH07267395 A JP H07267395A JP 6064165 A JP6064165 A JP 6064165A JP 6416594 A JP6416594 A JP 6416594A JP H07267395 A JPH07267395 A JP H07267395A
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- roller
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Abstract
(57)【要約】
【目的】長期間安定した摩擦係数が維持され、優れた紙
送り性が保持されるシート送り機構とこの機構に用いる
給紙ローラを提供する。 【構成】シート面に当接するシート送り面が弾性体層4
で形成され、かつ上記弾性体層4表面が研磨加工され、
この弾性体層4表面が研磨加工で生じた鱗片状突起9に
より特定の表面粗度を有する粗面状に形成されている給
紙ローラ5,6を備えたシート送り機構である。そし
て、上記研磨加工により生じた弾性体層4表面の鱗片状
突起9の起立方向Aと、上記給紙ローラ5,6によるシ
ート送り方向Bとが、相互に同一方向となるよう設定さ
れている。
送り性が保持されるシート送り機構とこの機構に用いる
給紙ローラを提供する。 【構成】シート面に当接するシート送り面が弾性体層4
で形成され、かつ上記弾性体層4表面が研磨加工され、
この弾性体層4表面が研磨加工で生じた鱗片状突起9に
より特定の表面粗度を有する粗面状に形成されている給
紙ローラ5,6を備えたシート送り機構である。そし
て、上記研磨加工により生じた弾性体層4表面の鱗片状
突起9の起立方向Aと、上記給紙ローラ5,6によるシ
ート送り方向Bとが、相互に同一方向となるよう設定さ
れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、普通紙複写機(以下
「PPC」と略す),ファクシミリ等の紙送り機構部に
おけるシート送り機構およびそれに用いる給紙ローラに
関するものである。
「PPC」と略す),ファクシミリ等の紙送り機構部に
おけるシート送り機構およびそれに用いる給紙ローラに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】PPCやファクシミリ等に使用される給
紙ローラは、その紙等のシートに当接するシート送り面
がゴム等の弾性体で形成されている。そして、上記給紙
ローラ表面は、通常、研磨加工されている。すなわち、
図5に示すように、CまたはD方向に低速回転する給紙
ローラ1に、E方向に高速回転する研磨材10を押圧し
てその表面を研磨加工し、弾性体層表面に鱗片状突起が
形成されるよう処理が行われている。この給紙ローラが
組み込まれた紙送り機構において、従来から、図6に示
すように、給紙される紙2の進行方向に対して、給紙ロ
ーラ1表面の鱗片状突起が寝るよう、すなわち鱗片状突
起の起立方向Pと紙2の進行方向Bとが逆方向となるよ
う、給紙ローラ1が設置されている。これは、給紙ロー
ラ1と紙2との接触面積を出来るだけ大きくするためで
ある。なお、上記給紙ローラ1に研磨加工を施す目的
は、給紙ローラ1の外径精度を出すため、また研磨
加工による鱗片状突起を設けることにより、ローラ1表
面の粘着による摩擦係数を低くして紙粉等の異物の付着
による摩擦係数の低下を極力抑えるため、さらに鱗片
状突起間に紙粉を取り込み摩擦係数の低下を抑えるため
である。このような給紙ローラ1としては、その初期の
摩擦係数が、通常、1.5以上、そして例えば約200
000枚の給紙後の摩擦係数が1.3以上に保持される
ことが要望されている。
紙ローラは、その紙等のシートに当接するシート送り面
がゴム等の弾性体で形成されている。そして、上記給紙
ローラ表面は、通常、研磨加工されている。すなわち、
図5に示すように、CまたはD方向に低速回転する給紙
ローラ1に、E方向に高速回転する研磨材10を押圧し
てその表面を研磨加工し、弾性体層表面に鱗片状突起が
形成されるよう処理が行われている。この給紙ローラが
組み込まれた紙送り機構において、従来から、図6に示
すように、給紙される紙2の進行方向に対して、給紙ロ
ーラ1表面の鱗片状突起が寝るよう、すなわち鱗片状突
起の起立方向Pと紙2の進行方向Bとが逆方向となるよ
う、給紙ローラ1が設置されている。これは、給紙ロー
ラ1と紙2との接触面積を出来るだけ大きくするためで
ある。なお、上記給紙ローラ1に研磨加工を施す目的
は、給紙ローラ1の外径精度を出すため、また研磨
加工による鱗片状突起を設けることにより、ローラ1表
面の粘着による摩擦係数を低くして紙粉等の異物の付着
による摩擦係数の低下を極力抑えるため、さらに鱗片
状突起間に紙粉を取り込み摩擦係数の低下を抑えるため
である。このような給紙ローラ1としては、その初期の
摩擦係数が、通常、1.5以上、そして例えば約200
000枚の給紙後の摩擦係数が1.3以上に保持される
ことが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、給紙ローラ1を、給紙される紙2の進行方向B
に対して、その表面の鱗片状突起が寝るよう設置する
と、初期摩擦係数としては高い値を確保することが可能
であっても、長期間の使用により摩擦係数が低下するた
め、長期的に安定した給紙性能を維持することは困難で
ある。この長期間の使用による摩擦係数の低下は、ロ
ーラ1表面に紙粉等の異物が付着して摩擦係数が急激に
低下する、ローラ表面の研磨加工による鱗片状突起が
摩耗により小さくなり、異物を取り込んで摩擦係数の低
下を抑制することが困難となる、紙類に含まれる炭酸
カルシウム等の充填剤がローラ1表面に付着し、この充
填剤からなる薄層が表面に形成されることに起因すると
考えられる。
ように、給紙ローラ1を、給紙される紙2の進行方向B
に対して、その表面の鱗片状突起が寝るよう設置する
と、初期摩擦係数としては高い値を確保することが可能
であっても、長期間の使用により摩擦係数が低下するた
め、長期的に安定した給紙性能を維持することは困難で
ある。この長期間の使用による摩擦係数の低下は、ロ
ーラ1表面に紙粉等の異物が付着して摩擦係数が急激に
低下する、ローラ表面の研磨加工による鱗片状突起が
摩耗により小さくなり、異物を取り込んで摩擦係数の低
下を抑制することが困難となる、紙類に含まれる炭酸
カルシウム等の充填剤がローラ1表面に付着し、この充
填剤からなる薄層が表面に形成されることに起因すると
考えられる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、長期間安定した摩擦係数が維持され、優れた紙
送り性が保持されるシート送り機構およびそれに用いる
給紙ローラの提供をその目的とする。
もので、長期間安定した摩擦係数が維持され、優れた紙
送り性が保持されるシート送り機構およびそれに用いる
給紙ローラの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、シート面に当接するシート送り面が弾性
体層で形成され、かつ上記弾性体層表面が研磨加工さ
れ、この弾性体層表面が研磨加工で生じた鱗片状突起に
より粗面状に形成されている給紙ローラを備えたシート
送り機構において、上記研磨加工により生じた弾性体層
表面の鱗片状突起の起立方向Aと、上記給紙ローラによ
るシート送り方向Bとが、相互に同一方向に設定されて
いるシート送り機構を第1の要旨とし、軸体の外周に、
表面を研磨加工した弾性体層が形成された給紙ローラで
あって、上記弾性体層の表面粗度が、下記の(A)〜
(C)に設定されている給紙ローラを第2の要旨とす
る。 (A)中心線平均粗さRa=3〜20μm。 (B)十点平均粗さRz=10〜90μm。 (C)研磨加工により生じた鱗片状突起の頂点と基点と
の差が10〜80μm。
め、本発明は、シート面に当接するシート送り面が弾性
体層で形成され、かつ上記弾性体層表面が研磨加工さ
れ、この弾性体層表面が研磨加工で生じた鱗片状突起に
より粗面状に形成されている給紙ローラを備えたシート
送り機構において、上記研磨加工により生じた弾性体層
表面の鱗片状突起の起立方向Aと、上記給紙ローラによ
るシート送り方向Bとが、相互に同一方向に設定されて
いるシート送り機構を第1の要旨とし、軸体の外周に、
表面を研磨加工した弾性体層が形成された給紙ローラで
あって、上記弾性体層の表面粗度が、下記の(A)〜
(C)に設定されている給紙ローラを第2の要旨とす
る。 (A)中心線平均粗さRa=3〜20μm。 (B)十点平均粗さRz=10〜90μm。 (C)研磨加工により生じた鱗片状突起の頂点と基点と
の差が10〜80μm。
【0006】
【作用】すなわち、本発明は、研磨加工された弾性体表
面の粗度が特定の粗さに設定された給紙ローラを用い、
これを紙送り機構に組み込む際に、上記研磨加工により
生じた弾性体層表面の鱗片状突起の起立方向Aと、上記
給紙ローラによるシート送り方向Bとが、相互に同一方
向となるよう給紙ローラを設置する。このように設定す
ると、ローラ表面と紙類等のシートとの接触面積を小さ
くすることが可能となり、紙粉等の異物が付着し難く、
また鱗片状突起間に取り込まれた異物もシートの接触時
に上記突起間の開きに伴い異物が除去され易くなる。し
かも、上記鱗片状突起がシート面を引っ掻くような状態
で給紙ローラが回転し紙送りが行われるため、長期間の
使用による摩擦係数の低下を抑制することができる。し
たがって、長期間にわたり安定した給紙を行うことがで
きる。なお、本発明において、シート送り機構が対象と
するシートとは、普通紙に限定するものではなく、各種
紙製基材およびオーバーヘッドプロジェクター用フィル
ム等のプラスチック製フィルムをも含める趣旨である。
面の粗度が特定の粗さに設定された給紙ローラを用い、
これを紙送り機構に組み込む際に、上記研磨加工により
生じた弾性体層表面の鱗片状突起の起立方向Aと、上記
給紙ローラによるシート送り方向Bとが、相互に同一方
向となるよう給紙ローラを設置する。このように設定す
ると、ローラ表面と紙類等のシートとの接触面積を小さ
くすることが可能となり、紙粉等の異物が付着し難く、
また鱗片状突起間に取り込まれた異物もシートの接触時
に上記突起間の開きに伴い異物が除去され易くなる。し
かも、上記鱗片状突起がシート面を引っ掻くような状態
で給紙ローラが回転し紙送りが行われるため、長期間の
使用による摩擦係数の低下を抑制することができる。し
たがって、長期間にわたり安定した給紙を行うことがで
きる。なお、本発明において、シート送り機構が対象と
するシートとは、普通紙に限定するものではなく、各種
紙製基材およびオーバーヘッドプロジェクター用フィル
ム等のプラスチック製フィルムをも含める趣旨である。
【0007】つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0008】本発明のシート送り機構に用いる給紙ロー
ラは、軸体と、上記軸体の外周に形成される弾性体層と
から構成される。
ラは、軸体と、上記軸体の外周に形成される弾性体層と
から構成される。
【0009】上記軸体は、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体(ABS樹脂),ポリアセター
ル,変性ポリフェニレンエーテル,フッ素樹脂,ポリカ
ーボネート,ポリブチレンフタレート,ポリエチレン,
ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,
不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ジアリルフタ
レート樹脂,ポリウレタン樹脂,ケイ素樹脂等の熱硬化
性樹脂を形成材料とするものが一般に用いられる。ま
た、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にした
金属製の円筒体を用いることも可能である。
ン−スチレン共重合体(ABS樹脂),ポリアセター
ル,変性ポリフェニレンエーテル,フッ素樹脂,ポリカ
ーボネート,ポリブチレンフタレート,ポリエチレン,
ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,
不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ジアリルフタ
レート樹脂,ポリウレタン樹脂,ケイ素樹脂等の熱硬化
性樹脂を形成材料とするものが一般に用いられる。ま
た、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にした
金属製の円筒体を用いることも可能である。
【0010】上記軸体の外周に形成される弾性体層の形
成材料としては、各種ゴム材料と、加硫剤および各種添
加剤等があげられる。
成材料としては、各種ゴム材料と、加硫剤および各種添
加剤等があげられる。
【0011】上記ゴム材料としては、特に限定するもの
ではなく通常ローラの製造に使用される各種ゴムを使用
することができる。例えば、天然ゴム、エチレン−プロ
ピレンゴム(EPM),エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM),スチレン−ブタジエンゴム(SB
R),ブチルゴム(IIR),クロロスルホン化ポリエ
チレン,シリコンゴム,ウレタンゴム,シリコン−エチ
レンプロピレン混合ゴム(SEP)等があげられる。こ
れらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そし
て、加工性が良好で、適当な摩擦係数が得られ易く、し
かも安価であるという点からEPDMを用いることが好
ましい。
ではなく通常ローラの製造に使用される各種ゴムを使用
することができる。例えば、天然ゴム、エチレン−プロ
ピレンゴム(EPM),エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM),スチレン−ブタジエンゴム(SB
R),ブチルゴム(IIR),クロロスルホン化ポリエ
チレン,シリコンゴム,ウレタンゴム,シリコン−エチ
レンプロピレン混合ゴム(SEP)等があげられる。こ
れらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そし
て、加工性が良好で、適当な摩擦係数が得られ易く、し
かも安価であるという点からEPDMを用いることが好
ましい。
【0012】上記加硫剤としては、硫黄,有機過酸化物
等があげられる。
等があげられる。
【0013】上記添加剤としては、充填剤,補強剤,軟
化剤,加硫促進剤等が適宜に用いられる。
化剤,加硫促進剤等が適宜に用いられる。
【0014】上記充填剤としては、酸化マグネシウム,
水酸化カルシウム,酸化カルシウム,酸化鉛,酸化亜
鉛,二塩基性亜リン酸塩(DLP),炭酸カルシウム,
カルシウム−シリケート,炭酸マグネシウム,クレー等
があげられる。上記充填剤の配合割合は、ゴム成分10
0重量部(以下「部」と略す)に対して100部以下に
設定することが好ましい。
水酸化カルシウム,酸化カルシウム,酸化鉛,酸化亜
鉛,二塩基性亜リン酸塩(DLP),炭酸カルシウム,
カルシウム−シリケート,炭酸マグネシウム,クレー等
があげられる。上記充填剤の配合割合は、ゴム成分10
0重量部(以下「部」と略す)に対して100部以下に
設定することが好ましい。
【0015】上記補強剤としては、代表的なものに、カ
ーボンブラックがあげられるが、これ以外に、ホワイト
カーボン,有機系の補強剤等があげられる。
ーボンブラックがあげられるが、これ以外に、ホワイト
カーボン,有機系の補強剤等があげられる。
【0016】上記軟化剤としては、パラフィン系,ナフ
テン系,芳香族系等の鉱物油系軟化剤やジオクチルフタ
レート(DOP),ジブチルフタレート(DBP),ジ
オクチルセバケート(DOS),ジオクチルアジペート
(DOA)等の合成可塑剤等があげられる。
テン系,芳香族系等の鉱物油系軟化剤やジオクチルフタ
レート(DOP),ジブチルフタレート(DBP),ジ
オクチルセバケート(DOS),ジオクチルアジペート
(DOA)等の合成可塑剤等があげられる。
【0017】上記加硫促進剤としては、チアゾール類,
スルフェンアミド類,チウラム類,ジチオカルバミン酸
塩類,グアニジン類等があげられ、単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。
スルフェンアミド類,チウラム類,ジチオカルバミン酸
塩類,グアニジン類等があげられ、単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。
【0018】本発明に用いられる給紙ローラは、上記ゴ
ム材料と加硫剤および各種添加剤等を用いて、例えばつ
ぎのようにして作製することができる。すなわち、上記
ゴム材料と加硫剤および各種添加剤等を所定割合で配合
し、均一に混練する。そして、成形用金型により軸体の
表面に架橋した弾性体層を形成させる。ついで、弾性体
層表面を研磨加工することにより、図1および図2
(a)(図1の部分拡大断面図)に示すような給紙ロー
ラを作製することができる。このように、研磨加工され
た弾性体層4表面には、鱗片状突起9が形成されてい
る。図において、3は軸体(芯金)である。
ム材料と加硫剤および各種添加剤等を用いて、例えばつ
ぎのようにして作製することができる。すなわち、上記
ゴム材料と加硫剤および各種添加剤等を所定割合で配合
し、均一に混練する。そして、成形用金型により軸体の
表面に架橋した弾性体層を形成させる。ついで、弾性体
層表面を研磨加工することにより、図1および図2
(a)(図1の部分拡大断面図)に示すような給紙ロー
ラを作製することができる。このように、研磨加工され
た弾性体層4表面には、鱗片状突起9が形成されてい
る。図において、3は軸体(芯金)である。
【0019】上記研磨加工としては、一般的には、図5
に示すような研磨材10を用いた円筒研磨加工があげら
れるが、これ以外に成形用金型に研磨にて形成されるも
のと同様のパターン形状を作製して形成することもでき
る。
に示すような研磨材10を用いた円筒研磨加工があげら
れるが、これ以外に成形用金型に研磨にて形成されるも
のと同様のパターン形状を作製して形成することもでき
る。
【0020】そして、このようにして得られた給紙ロー
ラは、その表面粗度が、下記の(A)〜(C)に設定さ
れていなければならない。 (A)中心線平均粗さRa=3〜20μm。 (B)十点平均粗さRz=10〜90μm。 (C)鱗片状突起の頂点と基点との差が10〜80μ
m。
ラは、その表面粗度が、下記の(A)〜(C)に設定さ
れていなければならない。 (A)中心線平均粗さRa=3〜20μm。 (B)十点平均粗さRz=10〜90μm。 (C)鱗片状突起の頂点と基点との差が10〜80μ
m。
【0021】上記(A)における中心線平均粗さRaは
3〜20μmの範囲に設定する必要があり、特に好まし
くは5〜15μmである。また、上記(B)における十
点平均粗さRzは10〜90μmの範囲に設定する必要
があり、特に好ましくは30〜60μmである。なお、
上記中心線平均粗さRaおよび十点平均粗さRzはJI
S B 0601−1982に準じて定義される。な
お、上記表面粗度の測定には、例えば触針電気拡大式表
面粗さ測定器(JIS B 0651−1976)が用
いられる。そして、上記(C)においては、図2(b)
に示すように、鱗片状突起9の頂点9bと基点9aとの
差Sが10〜80μmに設定される必要があり、特に好
ましくは頂点9bと基点9aとの差Sが20〜60μm
である。すなわち、給紙ローラ表面の表面粗度が上記
(A)〜(C)を満たすことにより、ローラ表面と紙類
等のシートとの接触面積を適度に小さくすることが可能
となる。また、鱗片状突起9がシート面を引っ掻くよう
な状態で給紙ローラが回転し紙送りを行うことができ
る。
3〜20μmの範囲に設定する必要があり、特に好まし
くは5〜15μmである。また、上記(B)における十
点平均粗さRzは10〜90μmの範囲に設定する必要
があり、特に好ましくは30〜60μmである。なお、
上記中心線平均粗さRaおよび十点平均粗さRzはJI
S B 0601−1982に準じて定義される。な
お、上記表面粗度の測定には、例えば触針電気拡大式表
面粗さ測定器(JIS B 0651−1976)が用
いられる。そして、上記(C)においては、図2(b)
に示すように、鱗片状突起9の頂点9bと基点9aとの
差Sが10〜80μmに設定される必要があり、特に好
ましくは頂点9bと基点9aとの差Sが20〜60μm
である。すなわち、給紙ローラ表面の表面粗度が上記
(A)〜(C)を満たすことにより、ローラ表面と紙類
等のシートとの接触面積を適度に小さくすることが可能
となる。また、鱗片状突起9がシート面を引っ掻くよう
な状態で給紙ローラが回転し紙送りを行うことができ
る。
【0022】そして、上記給紙ローラにおいて、弾性体
層4の厚みは、0.5〜10.0mmの範囲に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは厚み1.0〜7.0m
mである。すなわち、弾性体層4の厚みが0.5mm未
満では、上記(A)〜(C)の表面粗度を形成すること
が困難となり、厚みが10.0mmを超えると、規則正
しい研磨肌(鱗片状突起9)の表面形状を形成し難くな
るからである。また、長期の使用により弾性体層4が摩
耗するため、耐久性を考慮すると0.5mmの厚みは必
要となる。なお、上記弾性体層4の厚みは、その表面が
研磨加工されているため、前述のように、図2(a)に
示すような鱗片状突起9が形成されており、図2(a)
における厚みtを測定し、これを弾性体層4の厚みとす
る。そして、実際には、弾性体層4の厚みtは、例えば
軸体3との外径差をレーザースキャニングマイクロメー
ター等を用いて測定し、その差から算出する。
層4の厚みは、0.5〜10.0mmの範囲に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは厚み1.0〜7.0m
mである。すなわち、弾性体層4の厚みが0.5mm未
満では、上記(A)〜(C)の表面粗度を形成すること
が困難となり、厚みが10.0mmを超えると、規則正
しい研磨肌(鱗片状突起9)の表面形状を形成し難くな
るからである。また、長期の使用により弾性体層4が摩
耗するため、耐久性を考慮すると0.5mmの厚みは必
要となる。なお、上記弾性体層4の厚みは、その表面が
研磨加工されているため、前述のように、図2(a)に
示すような鱗片状突起9が形成されており、図2(a)
における厚みtを測定し、これを弾性体層4の厚みとす
る。そして、実際には、弾性体層4の厚みtは、例えば
軸体3との外径差をレーザースキャニングマイクロメー
ター等を用いて測定し、その差から算出する。
【0023】さらに、上記弾性体層4の硬度Hsは20
〜60(JIS−A)の範囲に設定される。特に好まし
くは硬度Hs20〜50である。すなわち、硬度Hsが
20未満では実際に給紙ローラとしては作製不可能であ
り、硬度Hsが60を超えると、紙送り機構において接
触面積が充分に確保できない。また、給紙ローラ表面の
表面粗度が上記(A)〜(C)を満たすことが困難とな
り、安定した給紙性能が得られない。または、機能上必
要な摩擦係数を得ることが困難となるからである。
〜60(JIS−A)の範囲に設定される。特に好まし
くは硬度Hs20〜50である。すなわち、硬度Hsが
20未満では実際に給紙ローラとしては作製不可能であ
り、硬度Hsが60を超えると、紙送り機構において接
触面積が充分に確保できない。また、給紙ローラ表面の
表面粗度が上記(A)〜(C)を満たすことが困難とな
り、安定した給紙性能が得られない。または、機能上必
要な摩擦係数を得ることが困難となるからである。
【0024】そして、本発明の給紙ローラでは、形成さ
れる弾性体層4の硬度および厚みtの関係において特に
好ましい組み合わせは、弾性体層4の硬度Hsが20〜
50において、厚みが1.0〜7.0mmの組み合わせ
である。
れる弾性体層4の硬度および厚みtの関係において特に
好ましい組み合わせは、弾性体層4の硬度Hsが20〜
50において、厚みが1.0〜7.0mmの組み合わせ
である。
【0025】上記給紙ローラを、例えばピックアップロ
ーラとして用いたパッドリタード方式の紙送り機構を、
図3に示す。すなわち、軸体3より伝わる回転により給
紙ローラ(ピックアップローラ)5はX方向に回転し、
この回転により紙2がB方向に送られる。このとき、図
4に示すように、研磨加工により形成された鱗片状突起
9の起立方向Aと、上記給紙ローラ5による紙の送り方
向Bとは、相互に同一方向となるよう給紙ローラ5を設
置しなければならない。
ーラとして用いたパッドリタード方式の紙送り機構を、
図3に示す。すなわち、軸体3より伝わる回転により給
紙ローラ(ピックアップローラ)5はX方向に回転し、
この回転により紙2がB方向に送られる。このとき、図
4に示すように、研磨加工により形成された鱗片状突起
9の起立方向Aと、上記給紙ローラ5による紙の送り方
向Bとは、相互に同一方向となるよう給紙ローラ5を設
置しなければならない。
【0026】さらに、上記給紙ローラを、上記紙送り機
構におけるフィードローラ6として用いてもよい。すな
わち、図3に示すように、給紙ローラ(フィードロー
ラ)6はY方向に回転し、この回転により、ピックアッ
プローラ5より送られてきた紙2をB方向に送る。そし
て、そのまま紙2は対峙した2個のレジストローラ8間
を通り順次紙2が送られる。図において、7は捌きパッ
ドである。この場合も、上記ピックアップローラ5の設
置態様と同様、図4に示すように、研磨加工により形成
された鱗片状突起9の起立方向Aと、上記給紙ローラ
(フィードローラ)6による紙の送り方向Bとは、相互
に同一方向となるよう給紙ローラ(フィードローラ)6
を設置しなければならない。
構におけるフィードローラ6として用いてもよい。すな
わち、図3に示すように、給紙ローラ(フィードロー
ラ)6はY方向に回転し、この回転により、ピックアッ
プローラ5より送られてきた紙2をB方向に送る。そし
て、そのまま紙2は対峙した2個のレジストローラ8間
を通り順次紙2が送られる。図において、7は捌きパッ
ドである。この場合も、上記ピックアップローラ5の設
置態様と同様、図4に示すように、研磨加工により形成
された鱗片状突起9の起立方向Aと、上記給紙ローラ
(フィードローラ)6による紙の送り方向Bとは、相互
に同一方向となるよう給紙ローラ(フィードローラ)6
を設置しなければならない。
【0027】このように、本発明においては、給紙ロー
ラ5,6表面に形成された鱗片状突起9の起立方向Aと
紙の送り方向Bとが、相互に同一方向となるよう給紙ロ
ーラ5,6を設置する必要がある。このような状態に給
紙ローラ5,6を設置することにより、鱗片状突起9の
起立方向Aと紙の送り方向Bが同一方向であることか
ら、ローラ5,6の紙2面に対する接触面積が小さくな
るため、紙粉等の異物が付着し難い。また、ローラ5,
6の単位面積当たりの接触圧が大きいためにローラ5,
6の回転により鱗片状突起9間が開き易く、上記突起9
間に取り込まれた紙粉等の異物は除かれ易くなる。した
がって、初期の摩擦係数に対する大幅な摩擦係数の低下
を防止することができる。また、上記単位面積当たりの
接触圧が高いため、ローラ5,6表面は摩耗し易く、劣
化した弾性体層4が削られリフレッシュ効果により摩擦
係数の低下が防止できる。
ラ5,6表面に形成された鱗片状突起9の起立方向Aと
紙の送り方向Bとが、相互に同一方向となるよう給紙ロ
ーラ5,6を設置する必要がある。このような状態に給
紙ローラ5,6を設置することにより、鱗片状突起9の
起立方向Aと紙の送り方向Bが同一方向であることか
ら、ローラ5,6の紙2面に対する接触面積が小さくな
るため、紙粉等の異物が付着し難い。また、ローラ5,
6の単位面積当たりの接触圧が大きいためにローラ5,
6の回転により鱗片状突起9間が開き易く、上記突起9
間に取り込まれた紙粉等の異物は除かれ易くなる。した
がって、初期の摩擦係数に対する大幅な摩擦係数の低下
を防止することができる。また、上記単位面積当たりの
接触圧が高いため、ローラ5,6表面は摩耗し易く、劣
化した弾性体層4が削られリフレッシュ効果により摩擦
係数の低下が防止できる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明は、研磨加工され
た弾性体層表面の粗度が前記(A)〜(C)に設定され
た給紙ローラを用い、これをシート送り機構に組み込む
際、上記研磨加工により生じた弾性体層表面の鱗片状突
起の起立方向Aと、上記給紙ローラによるシート送り方
向Bとが、相互に同一方向となるよう上記給紙ローラを
設置したシート送り機構である。このため、ローラ表面
と紙等のシートとの接触面積を小さくすることが可能と
なり、例えば、紙粉等の異物が付着し難い。また、鱗片
状突起間に取り込まれた異物はシートの接触時に上記突
起間が開き異物が容易に除去される。しかも、上記鱗片
状突起がシート面を引っ掻くような状態で給紙ローラが
回転しシート送りが行われるため、長期間の使用による
摩擦係数の低下を抑制することができる。したがって、
長期間にわたり安定した給紙を行うことができる。この
ことから、良好な紙送りが長期間にわたって行われ、ロ
ーラの交換頻度を大幅に少なくさせることが可能とな
る。
た弾性体層表面の粗度が前記(A)〜(C)に設定され
た給紙ローラを用い、これをシート送り機構に組み込む
際、上記研磨加工により生じた弾性体層表面の鱗片状突
起の起立方向Aと、上記給紙ローラによるシート送り方
向Bとが、相互に同一方向となるよう上記給紙ローラを
設置したシート送り機構である。このため、ローラ表面
と紙等のシートとの接触面積を小さくすることが可能と
なり、例えば、紙粉等の異物が付着し難い。また、鱗片
状突起間に取り込まれた異物はシートの接触時に上記突
起間が開き異物が容易に除去される。しかも、上記鱗片
状突起がシート面を引っ掻くような状態で給紙ローラが
回転しシート送りが行われるため、長期間の使用による
摩擦係数の低下を抑制することができる。したがって、
長期間にわたり安定した給紙を行うことができる。この
ことから、良好な紙送りが長期間にわたって行われ、ロ
ーラの交換頻度を大幅に少なくさせることが可能とな
る。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
明する。
【0030】〔給紙ローラの作製〕まず、軸体としてポ
リアセタール樹脂(POM)製芯金を準備した。一方、
下記の表1に示す各原料を同表に示す割合で配合して均
一に混練し、所定の厚みとなるように加熱加硫を行うこ
とによって、所定の硬度Hsの弾性体層を形成した。そ
して、この弾性体層表面に、図5に示す研磨加工を施
し、その表面を粗面に形成して目的とする4種類の給紙
ローラ(直径30mm×長さ40mm)a〜dを得た。
なお、形成された弾性体層の厚みは、レーザースキャニ
ングマイクロメーターを用いて、POM製芯金と弾性体
層との外径差を測定し算出した。また、粗面化された弾
性体層の表面粗度を触針電気拡大式表面粗さ測定器を用
いて測定した。
リアセタール樹脂(POM)製芯金を準備した。一方、
下記の表1に示す各原料を同表に示す割合で配合して均
一に混練し、所定の厚みとなるように加熱加硫を行うこ
とによって、所定の硬度Hsの弾性体層を形成した。そ
して、この弾性体層表面に、図5に示す研磨加工を施
し、その表面を粗面に形成して目的とする4種類の給紙
ローラ(直径30mm×長さ40mm)a〜dを得た。
なお、形成された弾性体層の厚みは、レーザースキャニ
ングマイクロメーターを用いて、POM製芯金と弾性体
層との外径差を測定し算出した。また、粗面化された弾
性体層の表面粗度を触針電気拡大式表面粗さ測定器を用
いて測定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例1〜4、比較例1〜4】このようにして得られ
た上記給紙ローラをパッドリタード方式の複写機(図3
参照)のフィードローラ6として組み込みフィードロー
ラ6の上方から400gfの荷重をかけた。そして、各
々250mm/secの速度で紙送りを行った。なお、
実施例の場合は、図4に示すように、研磨加工により生
じた弾性体層表面の鱗片状突起9の起立方向Aと、上記
給紙ローラによる紙2の送り方向Bとが、相互に同一方
向となるよう給紙ローラを組み込んだ(実施例)。ま
た、比較例の場合は、実施例品とは逆に、図6に示すよ
うに、研磨加工により生じた弾性体層表面の鱗片状突起
の起立方向Pと、給紙ローラによる紙2の送り方向Bと
が、相互に逆方向となるよう給紙ローラを組み込んだ
(比較例)。そして、上記給紙ローラの初期の摩擦係数
および上記条件下で100000枚給紙した後の摩擦係
数をそれぞれ測定し、摩擦係数保持率(%)を算出し
た。この保持率に基づいて長期間の使用の可否を評価し
た。これらの結果を下記表2に示す。すなわち、長期間
の使用において摩擦係数の低下が非常に小さく給紙が特
に良好に行われたものは◎、長期間の使用において摩擦
係数の低下があまりみられず給紙が良好に行われたもの
は○、長期間の使用において摩擦係数の著しい低下がみ
られず給紙が普通に行われたものは△、長期間の使用に
おいて摩擦係数の著しい低下がみられ給紙に支障の生じ
たものを×として表示した。
た上記給紙ローラをパッドリタード方式の複写機(図3
参照)のフィードローラ6として組み込みフィードロー
ラ6の上方から400gfの荷重をかけた。そして、各
々250mm/secの速度で紙送りを行った。なお、
実施例の場合は、図4に示すように、研磨加工により生
じた弾性体層表面の鱗片状突起9の起立方向Aと、上記
給紙ローラによる紙2の送り方向Bとが、相互に同一方
向となるよう給紙ローラを組み込んだ(実施例)。ま
た、比較例の場合は、実施例品とは逆に、図6に示すよ
うに、研磨加工により生じた弾性体層表面の鱗片状突起
の起立方向Pと、給紙ローラによる紙2の送り方向Bと
が、相互に逆方向となるよう給紙ローラを組み込んだ
(比較例)。そして、上記給紙ローラの初期の摩擦係数
および上記条件下で100000枚給紙した後の摩擦係
数をそれぞれ測定し、摩擦係数保持率(%)を算出し
た。この保持率に基づいて長期間の使用の可否を評価し
た。これらの結果を下記表2に示す。すなわち、長期間
の使用において摩擦係数の低下が非常に小さく給紙が特
に良好に行われたものは◎、長期間の使用において摩擦
係数の低下があまりみられず給紙が良好に行われたもの
は○、長期間の使用において摩擦係数の著しい低下がみ
られず給紙が普通に行われたものは△、長期間の使用に
おいて摩擦係数の著しい低下がみられ給紙に支障の生じ
たものを×として表示した。
【0033】なお、給紙ローラの摩擦係数は、図7に示
すローラ摩擦係数測定機で測定した。すなわち、給紙ロ
ーラ11の下方からPPC用紙12を介して荷重(W)
300gfをかけ荷重変換器(ロードセル)13によっ
てPPC用紙12を引っ張った。そのときの引張力
(F)を測定した。その測定結果から、つぎの式、摩擦
係数=F/Wにより算出した。
すローラ摩擦係数測定機で測定した。すなわち、給紙ロ
ーラ11の下方からPPC用紙12を介して荷重(W)
300gfをかけ荷重変換器(ロードセル)13によっ
てPPC用紙12を引っ張った。そのときの引張力
(F)を測定した。その測定結果から、つぎの式、摩擦
係数=F/Wにより算出した。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2の結果から、各比較例での初期摩
擦係数は高いものであるが、摩擦係数保持率は非常に低
く、長期間の使用において安定した給紙を行えるもので
はないことがわかる。これに対して各実施例では、ある
程度の初期摩擦係数が得られ、しかも摩擦係数保持率も
非常に高く、長期間の使用において安定した給紙が行え
ることがわかる。
擦係数は高いものであるが、摩擦係数保持率は非常に低
く、長期間の使用において安定した給紙を行えるもので
はないことがわかる。これに対して各実施例では、ある
程度の初期摩擦係数が得られ、しかも摩擦係数保持率も
非常に高く、長期間の使用において安定した給紙が行え
ることがわかる。
【0036】
【実施例5〜7、比較例5〜7】さらに、前記表1の給
紙ローラaを準備した。そして、上記給紙ローラaをパ
ッドリタード方式の複写機(図3参照)のピックアップ
ローラ5として組み込みピックアップローラ5の上方か
ら200gfの荷重をかけた。そして、各々250mm
/secの速度で紙送りを行った。なお、実施例の場合
は、図4に示すように、研磨加工により生じた弾性体層
表面の鱗片状突起9の起立方向Aと、上記給紙ローラに
よる紙2の送り方向Bとが、相互に同一方向となるよう
給紙ローラを組み込んだ(実施例)。また、比較例の場
合は、実施例品とは逆に、図6に示すように、研磨加工
により生じた弾性体層表面の鱗片状突起の起立方向P
と、給紙ローラによる紙2の送り方向Bとが、相互に逆
方向となるよう給紙ローラを組み込んだ(比較例)。そ
して、上記給紙ローラの初期の摩擦係数および上記条件
下で20000枚,60000枚,90000枚および
160000枚給紙した時点での給紙ローラの外周径お
よび摩擦係数をそれぞれ測定し、その減少の度合いを評
価した。同時に摩擦係数保持率(%)を算出した。これ
らの結果を下記の表3に示す。
紙ローラaを準備した。そして、上記給紙ローラaをパ
ッドリタード方式の複写機(図3参照)のピックアップ
ローラ5として組み込みピックアップローラ5の上方か
ら200gfの荷重をかけた。そして、各々250mm
/secの速度で紙送りを行った。なお、実施例の場合
は、図4に示すように、研磨加工により生じた弾性体層
表面の鱗片状突起9の起立方向Aと、上記給紙ローラに
よる紙2の送り方向Bとが、相互に同一方向となるよう
給紙ローラを組み込んだ(実施例)。また、比較例の場
合は、実施例品とは逆に、図6に示すように、研磨加工
により生じた弾性体層表面の鱗片状突起の起立方向P
と、給紙ローラによる紙2の送り方向Bとが、相互に逆
方向となるよう給紙ローラを組み込んだ(比較例)。そ
して、上記給紙ローラの初期の摩擦係数および上記条件
下で20000枚,60000枚,90000枚および
160000枚給紙した時点での給紙ローラの外周径お
よび摩擦係数をそれぞれ測定し、その減少の度合いを評
価した。同時に摩擦係数保持率(%)を算出した。これ
らの結果を下記の表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3の結果から、比較例品は給紙枚数が増
えるにしたがって、摩擦係数が著しく低下し、ロール表
面に光沢が発生した。これに対して実施例品は経時的な
摩擦係数の大幅な低下が抑制され、その減少の度合いも
比較例品の1/2以下である。
えるにしたがって、摩擦係数が著しく低下し、ロール表
面に光沢が発生した。これに対して実施例品は経時的な
摩擦係数の大幅な低下が抑制され、その減少の度合いも
比較例品の1/2以下である。
【0039】
【実施例8〜10、比較例8〜10】前記表1の給紙ロ
ーラaを準備した。そして、上記給紙ローラaをパッド
リタード方式の複写機(図3参照)のフィードローラ6
として組み込みフィードローラ6と対峙する捌きパッド
7の下方から400gfの荷重をかけた。そして、各々
250mm/secの速度で紙送りを行った。なお、実
施例の場合は、図4に示すように、研磨加工により生じ
た弾性体層表面の鱗片状突起9の起立方向Aと、上記給
紙ローラによる紙2の送り方向Bとが、相互に同一方向
となるよう給紙ローラを組み込んだ(実施例)。また、
比較例の場合は、実施例品とは逆に、図6に示すよう
に、研磨加工により生じた弾性体層表面の鱗片状突起の
起立方向Pと、給紙ローラによる紙2の送り方向Bと
が、相互に逆方向となるよう給紙ローラを組み込んだ
(比較例)。そして、上記給紙ローラの初期の摩擦係数
および上記条件下で20000枚,60000枚,90
000枚および160000枚給紙した時点での給紙ロ
ーラの外周径および摩擦係数をそれぞれ測定し、その減
少の度合いを評価した。同時に摩擦係数保持率(%)を
算出した。これらの結果を下記の表4に示す。
ーラaを準備した。そして、上記給紙ローラaをパッド
リタード方式の複写機(図3参照)のフィードローラ6
として組み込みフィードローラ6と対峙する捌きパッド
7の下方から400gfの荷重をかけた。そして、各々
250mm/secの速度で紙送りを行った。なお、実
施例の場合は、図4に示すように、研磨加工により生じ
た弾性体層表面の鱗片状突起9の起立方向Aと、上記給
紙ローラによる紙2の送り方向Bとが、相互に同一方向
となるよう給紙ローラを組み込んだ(実施例)。また、
比較例の場合は、実施例品とは逆に、図6に示すよう
に、研磨加工により生じた弾性体層表面の鱗片状突起の
起立方向Pと、給紙ローラによる紙2の送り方向Bと
が、相互に逆方向となるよう給紙ローラを組み込んだ
(比較例)。そして、上記給紙ローラの初期の摩擦係数
および上記条件下で20000枚,60000枚,90
000枚および160000枚給紙した時点での給紙ロ
ーラの外周径および摩擦係数をそれぞれ測定し、その減
少の度合いを評価した。同時に摩擦係数保持率(%)を
算出した。これらの結果を下記の表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】上記表4の結果から、比較例品は給紙枚数
が増えるにしたがって、摩擦係数が著しく低下し、ロー
ル表面に光沢が発生した。これに対して実施例品は経時
的な摩擦係数の大幅な低下が抑制され、その減少の度合
いも比較例品の1/3以下である。また、実施例品の外
径が減少していることから、ローラ表面は摩耗して弾性
体層の削れによるリフレッシュ効果により摩擦係数の低
下が防止されていることがわかる。
が増えるにしたがって、摩擦係数が著しく低下し、ロー
ル表面に光沢が発生した。これに対して実施例品は経時
的な摩擦係数の大幅な低下が抑制され、その減少の度合
いも比較例品の1/3以下である。また、実施例品の外
径が減少していることから、ローラ表面は摩耗して弾性
体層の削れによるリフレッシュ効果により摩擦係数の低
下が防止されていることがわかる。
【0042】以上、パッドリタード方式の紙送り機構に
ついて述べてきたが、本発明は、図8に示すような紙2
を取り出すピックアップローラ14と、フィードローラ
15に重送防止用の捌きローラ16を対設したフィード
アンドリタードローラ方式(FRR方式)にも適用でき
ることは言うまでもない。
ついて述べてきたが、本発明は、図8に示すような紙2
を取り出すピックアップローラ14と、フィードローラ
15に重送防止用の捌きローラ16を対設したフィード
アンドリタードローラ方式(FRR方式)にも適用でき
ることは言うまでもない。
【図1】本発明の給紙ローラを示す断面図である。
【図2】(a)は上記給紙ローラの弾性体層表面の部分
拡大断面図であり、(b)は(a)中Zで囲まれた部分
をさらに拡大した部分拡大断面図である。
拡大断面図であり、(b)は(a)中Zで囲まれた部分
をさらに拡大した部分拡大断面図である。
【図3】上記給紙ローラを組み込んだ紙送り機構の一例
を示す模式図である。
を示す模式図である。
【図4】上記給紙ローラと紙との接触部分を示す部分拡
大図である。
大図である。
【図5】給紙ローラ表面の研磨加工方法を示す側面図で
ある。
ある。
【図6】従来の給紙ローラと紙との接触部分を示す部分
拡大図である。
拡大図である。
【図7】給紙ローラの摩擦係数の測定方法を示す説明図
である。
である。
【図8】FRR方式による紙送り機構部の態様を示す説
明図である。
明図である。
3 軸体 4 弾性体層 5,6 給紙ローラ 9 鱗片状突起
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
Claims (2)
- 【請求項1】 シート面に当接するシート送り面が弾性
体層で形成され、かつ上記弾性体層表面が研磨加工さ
れ、この弾性体層表面が研磨加工で生じた鱗片状突起に
より粗面状に形成されている給紙ローラを備えたシート
送り機構において、上記研磨加工により生じた弾性体層
表面の鱗片状突起の起立方向Aと、上記給紙ローラによ
るシート送り方向Bとが、相互に同一方向に設定されて
いることを特徴とするシート送り機構。 - 【請求項2】 軸体の外周に、表面を研磨加工した弾性
体層が形成された給紙ローラであって、上記弾性体層の
表面粗度が、下記の(A)〜(C)に設定されているこ
とを特徴とする給紙ローラ。 (A)中心線平均粗さRa=3〜20μm。 (B)十点平均粗さRz=10〜90μm。 (C)研磨加工により生じた鱗片状突起の頂点と基点と
の差が10〜80μm。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6064165A JPH07267395A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | シート送り機構およびそれに用いる給紙ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6064165A JPH07267395A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | シート送り機構およびそれに用いる給紙ローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267395A true JPH07267395A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13250185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6064165A Pending JPH07267395A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | シート送り機構およびそれに用いる給紙ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07267395A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08238787A (ja) * | 1995-03-03 | 1996-09-17 | Toppan Printing Co Ltd | 画像形成装置 |
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JPH10273238A (ja) * | 1997-03-29 | 1998-10-13 | Tokai Rubber Ind Ltd | 給紙ローラおよびその製造方法 |
JPH115638A (ja) * | 1997-04-17 | 1999-01-12 | Lexmark Internatl Inc | 紙移送ローラとそれを用いた紙の移送方法 |
EP0924258A2 (en) * | 1997-12-17 | 1999-06-23 | Sumitomo Rubber Industries Limited | Rubber composition and method of manufacturing rubber compositions |
JP2004277025A (ja) * | 2003-03-12 | 2004-10-07 | Ricoh Co Ltd | 給紙装置及びその給紙装置を具備する画像形成装置 |
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JP2008143609A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Konica Minolta Business Technologies Inc | シート搬送装置及び画像形成装置 |
JP2018016323A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | 理想科学工業株式会社 | シート状物 |
WO2019073560A1 (ja) * | 2017-10-11 | 2019-04-18 | 三菱電機株式会社 | エレベータ及びその釣合車ガイドシュー |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6064165A patent/JPH07267395A/ja active Pending
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WO2019073560A1 (ja) * | 2017-10-11 | 2019-04-18 | 三菱電機株式会社 | エレベータ及びその釣合車ガイドシュー |
JP6576599B1 (ja) * | 2017-10-11 | 2019-09-18 | 三菱電機株式会社 | エレベータ及びその釣合車ガイドシュー |
CN111164040A (zh) * | 2017-10-11 | 2020-05-15 | 三菱电机株式会社 | 电梯及其平衡轮导靴 |
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