JP5489608B2 - 導電性ローラ及び該導電性ローラの製造方法 - Google Patents

導電性ローラ及び該導電性ローラの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、デジタル印刷機、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される導電性ローラ及び該導電性ローラの製造方法に関する。具体的には、感光体を均一に帯電させるための帯電ローラ、感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させるための現像ローラ、静電潜像上のトナー像を紙等の記録材へ転写するための転写ローラ、残留トナーを除去するためのクリーニングローラ等の電子写真装置用導電性ローラ及び該導電性ローラの製造方法に関する。
従来から、電子写真装置においては体積抵抗で10〜1011Ω・cm程度の半導電領域の電気抵抗を示す前記のような多種の導電性ローラが使用されてきた。これらの導電性ローラは、ローラ表面の表面粗さが大きいと、トナーなどの汚れがローラの表面に付着し易くなり、結果として紙などの記録材に汚れを生じる原因となる。このため電子写真装置用導電性ローラは、トナーなどによる汚れを防止する目的から、表面粗さは小さいほうが好ましいとされていた。
一般に導電性ローラの表面粗さを小さくするために、ゴム表面の粗さを表面研磨などによって小さくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ゴム表面の精密研磨には時間を要するという問題がある上に、ゴム表面の粗さを小さく出来る限界があった。一般的に、導電性ローラとしては他の部材とニップをもって接する使い方をするため、ゴム硬度は低いほうがニップ幅は得やすく用途に合った設計といえる。しかしながら、研磨速度を一定にした場合、ローラゴム硬度が低いほど研磨によって得られる表面粗さは大きくなってしまうため、ローラゴム硬度が低い場合には表面粗さを十分に小さくするのは難しい、という問題があった。
さらに、表面層を熱可塑性樹脂によって構成するとともに、導電性ローラ成形体を熱可塑性樹脂の軟化温度に加熱した鏡面体に回転させつつ当接して表面仕上げを行うことで表面粗さを小さくすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2においては、表面層の厚みをある程度厚く設定する必要があるため、上記の適正ニップ幅を得るのが難しくなる。また導電性ローラの表面から加熱するため、ローラを構成するゴムの耐熱温度以下で軟化する樹脂を表面層材料に選定する必要があり、材料選択の上で制限があった。
また、導電性ローラのゴム表面上にウレタン樹脂やフッ素樹脂からなる表面層をスプレーや浸漬塗装などのコーティングによって形成し、トナーとの離型性を向上させる技術が知られている。但し、こういった樹脂材料はゴムに比較して硬度が硬いため、ゴムローラとしての柔軟さを犠牲にしてしまいニップが取りづらくなる。さらに表面層を形成する樹脂材料の硬度を下げるとゴムローラとしての柔軟さを阻害しない反面、ローラ表面の摩擦係数が上がってしまう。導電性ローラの中で転写ローラなどにおいてはその表面にウレタンゴムなどからなるクリーニングブレードを当てるケースがあり、ローラ表面の摩擦係数は低いほうが望ましい。例えば、特許文献3には、表面層材料に微粒子を配合して凹凸を付与して摩擦係数を低くした導電性ローラが提案されている。しかしながら、特許文献3の導電性ローラでは、凹凸を有する故に表面粗さは粗くなってしまう欠点を有する。
また昨今の液体トナーを用いた湿式電子写真装置においては、乾式電子写真装置に比べトナー粒径が数分の一の大きさであり、導電性ローラの表面にトナーが入り込まないようにするにはローラの表面粗さはトナー粒径以下にすることが望ましい。スプレー塗装などのコーティング表面にてこれに対処する場合でも、塗装で形成された表面には液滴を飛ばす際の液滴凹凸の一部が塗装面に跡を残すため平滑性に限界があり表面粗さは十分に小さくはならず、湿式電子写真用には使用に適さない。
さらに、乾式・湿式問わず電子写真装置に用いられる転写ローラにおいては、一次転写時の画像の中抜けを防止する目的と二次転写時の紙などの記録材の凹凸への追従性を上げる目的から、極めて薄い離型性の高い表面層を持った多層構造とし且つゴム硬度は低いほうが望ましい。しかしながら、従来の技術においては、表面層を薄くしゴム硬度を低くして且つ導電性ローラの表面粗さを小さくすることは不可能であった。
特開2007−86318号公報 特開2003−131460号公報 特開2001−100549号公報
本発明の目的は、表面粗さが小さく且つトナーとの離型性が高い表面層を有し、他部材とニップが容易に得られる、あるいは転写ローラとして使用した場合でも十分な機能を有するよう弾性層が低硬度を有する電子写真装置用の導電性ローラおよびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために研究を行った結果、円筒状金型内面において表面層を成型することで、導電性ローラの表面粗さを究極的に小さくすることができることを見出した。本発明においては、表面層が金型内面において成型製膜されてなるため表面層の表面状態は金型内面の状態が転写する。すなわち鏡面金型を使用すれば、表面層は鏡面に出来る。次に、表面層内側には弾性層が形成されるため、弾性層の硬度を低く設定することで転写ローラに用いても画像の中抜け防止効果や記録材表面の凹凸への追従性の向上が図れることを見出した。
かかる知見に基づき導電性ローラに要求される、表面の離型性と表面平滑性、ニップが得やすい弾性層硬度を実現し最適なバランスを実現させるには、どのようにすれば良いか、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の導電性ローラ及び該ローラの製造方法を提供する。
項1.軸芯体の外周上にゴム層を備えたゴムローラの外周面に、弾性層及び表面層がこの順に被覆された導電性ローラであって、
前記表面層が円筒状金型内面において製膜されたものであり、かつ、
前記導電性ローラの表面粗さが、Rzjisにて2.5μm以下であることを特徴とする導電性ローラ。
項2.前記表面層の厚みが、10μm以下である上記項1に記載の導電性ローラ。
項3.前記表面層が、フッ素樹脂材料を含む層である上記項1又は2に記載の導電性ローラ。
項4.前記弾性層が、ポリウレタンエラストマー材料を含む層である上記項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
項5.前記弾性層の硬度が、ゴムローラのゴム層のゴム硬度よりも低いことを特徴とする上記項1〜4のいずれかに記載の導電性ローラ。
項6.前記弾性層のタイプAゴム硬度が、60°以下である上記項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラ。
項7.軸芯体の外周上にゴム層を成型してなるゴムローラを製造する第1工程、
円筒状金型内面に表面層、弾性層をこの順に回転成型し、少なくとも2層からなるチューブを製造する第2工程、及び
第1工程で製造したゴムローラの外周上に、第2工程で製造したチューブを被覆接着する第3工程、
を含む上記項1〜6のいずれかに記載の導電性ローラの製造方法。
項8.前記円筒状金型の内面の表面粗さが、Rzjisにて2μm以下である上記項7記載の導電性ローラの製造方法。
本発明の導電性ローラ及び該導電性ローラの製造方法によれば、これまでトレードオフの関係から成し得なかった表面の離型性と表面平滑性、弾性層の低硬度化の全てを実現することが可能となった。
従って、本発明の導電性ローラは、電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される転写ローラ等の導電性ローラに好適に使用できる。
本発明のチューブ被覆導電性ローラの断面模式図である。 実施例における被覆チューブを構成する各層の製膜に用いた装置の模式図である。
本発明の導電性ローラは、軸芯体の外周上にゴム層を備えたゴムローラの外周面に、弾性層及び表面層がこの順に被覆された導電性ローラであって、前記表面層が円筒状金型内面において製膜されたものであり、かつ、前記導電性ローラの表面粗さが、Rzjisにて2.5μm以下であることを特徴とするものである。本発明においては、前記表面層が円筒状金型内面において製膜されることによって、金型内面の表面形状が転写された表面を有する導電性ローラとなる。
ここで、金型内面の表面形状が転写された表面とは、金型内面の表面形状が、表面層の外面(金型に直接接している面)に転写されることを意味するものである。より具体的には、表面層の表面粗さが金型内面の表面粗さと同程度(金型の表面粗さ+0.7μm以下程度)になったことを意味するものである。つまり、鏡面金型を使用すれば、表面層を鏡面にすることができるものである。
以下、本発明の実施の形態の転写ローラを例にし、製造方法とともに説明する。
1.ゴムローラの製造(第1工程)
本発明においてゴムローラとは、後述する表面層と弾性層の少なくとも二層からなるチューブ被覆前のローラ本体を意味するものであり、軸芯体(芯金ということもある)の外周上にゴム層を備えたローラである。
1.1 軸芯体
軸芯体を形成する材料としては、SUS(ステンレス鋼)、アルミニウム合金、表面に無電解ニッケルメッキなどの錆止めを施した鉄鋼などからなる導電性シャフト、あるいは導電性パイプ等を挙げることができる。これらのなかでも、直径がφ100mmを超えるようなサイズが大きい転写ローラの場合、重量を軽減できる点からアルミニウム合金のパイプを用いることが好ましい。アルミニウム合金の材質としては、A6063、A5056などが加工性、入手性やコストの面から一般的である。
1.2 ゴム層
軸芯体上のゴム層はゴム組成物から形成される。前記ゴム組成物は、ベースゴム、加硫剤を含むものであり、さらに必要に応じて、加硫促進剤、その他添加剤(軟化剤、サブ、補強剤、増量充填剤、導電性付与剤、滑剤、内部離型剤等)を含むことができる。以下、ゴム組成物を構成する各成分について説明する。
1.2.1 ベースゴム
ローラ本体を形成するベースゴムとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム及びウレタンゴム等が例示される。これらのなかでも、NBR及びエピクロルヒドリンゴムが好ましい。
上記NBRは、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体であり、カルボキシル基含有品、部分架橋品、塩化ビニルとのブレンド品などであってもよい。
NBRの具体的なグレードとしては、ニポール DN003、1041L、1031、1001、DN101L、DN103、DN115、1042AL、1052J、PB5501NF、PB5502NF、VN1000(以上、商品名、日本ゼオン(株)製)、JSRN215L、N222L、N222SH、N220S、N230SL、N230S、N230SH、N520、N640H、PN30A(以上、商品名、JSR(株)製)などが例示される。
前記エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの共重合体;上記成分の他に第3成分として、不飽和結合を有したアリルグリシジルエーテルを含む三元共重合体;エピクロルヒドリンのホモポリマー;エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの共重合体を包含する。
このエピクロルヒドリンゴムの具体的なグレードとしては、エピクロマーH、C、D、CG、CG−102、CG−104、CG−105、CG−107、CG−109(以上、商品名、ダイソー(株)製)、ゼクロン1000、1100、2000、3100、3101、3102(以上、商品名、日本ゼオン(株)製)などが例示される。
ゴムローラのゴム層は、エピクロルヒドリンゴムまたはNBRを単独で用いてもよいし、あるいは、電気抵抗値、加硫速度などの調整目的で、2種類以上のエピクロルヒドリンゴム同士のブレンド、またはエピクロルヒドリンゴムとNBRとのブレンドを用いてもよい。また、必要に応じて、前記したもの以外のスチレンブタジエンゴム(SBR)やエチレンプロピレンゴム(EPDM)等の他の種類のゴムをブレンドしてもよい。
1.2.2 加硫剤
本発明で用いるゴム組成物は加硫剤を含むものであり、該組成物は加硫されて軸芯体上にゴム層を形成するものである。
加硫(架橋)系としては、特に限定されるものではないが、ベースゴムが不飽和結合を有するゴムである場合、通常の硫黄加硫系を適用することができる。
前記硫黄加硫に用いられる硫黄の添加量は、ベースゴム100重量部に対して、通常0〜5重量部程度である。
この硫黄としては、回収硫黄を粉砕し、微粉としたものが使用され、例えば、金華印微粉硫黄150mesh、200mesh、300mesh、325mesh(以上、商品名、鶴見化学工業(株)製)等が例示される。
1.2.3 加硫促進剤
ゴム組成物には、加硫物特性、特に圧縮永久歪みや加工安定性を改善するために、1〜6種類程度の加硫促進剤が添加されることが好ましい。
加硫促進剤の添加量は、ベースゴム100重量部に対して、0.5〜3重量部程度が好ましい。
加硫促進剤としては、チアゾール類、チオウレア類、チラウム類、ジチオカルバミン酸塩類およびグアニジン類が例示される。
チアゾール類としては、アクセルM(商品名、川口化学工業(株)製)の如き2−メルカプトベンゾチアゾール、アクセルDM(商品名、川口化学工業(株)製)の如き2−ベンゾチアゾイルジサルファイド等を挙げることができる。
チオウレア類としては、アクセルEUR(商品名、川口化学工業(株)製)の如きジエチルチオウレア等を挙げることができる。
チラウム類としては、アクセルTMT(商品名、川口化学工業(株)製)の如きテトラメチルチウラムジサルファイド、アクセルTS(商品名、川口化学工業(株)製)の如きテトラメチルチウラムモノサルファイド等を挙げることができる。
ジチオカルバミン酸塩類としては、アクセルPZ(商品名、川口化学工業(株)製)の如きジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等を挙げることができる。
グアニジン類としては、アクセルD(商品名、川口化学工業(株)製)の如きジフェニルグアニジン等が例示される。
加硫促進剤としては、上記化合物を1種単独で、または2種以上を混合して用いることができ、これらの中でも、チアゾール類、チウラム類の2種を含む加硫促進剤が好ましい。
1.2.4 その他添加剤
本発明で用いるゴム組成物には、通常ゴム組成物に添加される各種添加剤を添加することができる。
添加剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、軟化剤、サブ、補強剤、増量充填剤、導電性付与剤、滑剤、内部離型剤等を挙げることができる。
(1)軟化剤
軟化剤をゴム組成物に添加することで、低硬度の組成物を得ることができ、各種添加剤等の混合・分散を助け、押し出しなどの成形作業を容易にし、未加硫ゴムの粘着性を増して成形しやすくすることができるため、好ましい。
軟化剤の添加量としては、ベースゴム100重量部に対して、0〜30重量部程度が好ましく、1〜15重量部程度がより好ましい。軟化剤を必要以上に添加すると、感光体等の汚染を誘発する傾向があり、好ましくない。
軟化剤としては、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体およびリン酸誘導体等を好適に用いることができる。
前記パラフィン系オイルの軟化剤としては、ダイアナプロセスオイルPW−32、PW−90、ナフテン系オイルの軟化剤としては、ダイアナプロセスオイルNS−24、NS−100、NM−26、NF−90、芳香族系オイルの軟化剤としては、ダイアナプロセスオイルAC−460、AE−24、AH−58(以上は全て、商品名、出光興産(株)製)、アジピン酸誘導体の軟化剤としては、BXA(ジブチルジグリコール・アジペート、商品名、大八化学工業(株)製)が例示される。
前記軟化剤は、通常、1〜2種類が適宜使用され、必要に応じてナフテン系オイルとパラフィン系オイルとをブレンドするように異種類のオイルを併用添加してもよい。
(2)サブ
ゴム組成物にサブを添加することが、ゴムローラとした場合のゴム層の表面の研磨性等の点から好ましい。
サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ、ゴールデンファクチス、ネオファクチス、無硫黄ファクチス(以上、商品名、天満サブ化工(株)製)の如きサブ(別名:ファクチス、動・植物油を原料とした加硫油)を挙げることができる。
サブの添加量は、ベースゴム100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、5〜50重量部程度がより好ましい。
(3)補強剤
補強剤の添加量としては、ベースゴム100重量部に対して、0〜80重量部程度が好ましく、0〜40重量部程度がより好ましい。補強剤を80重量部より多く添加すると、低硬度のゴム組成物が得難くなるとともに、ゴムの混練り性が悪くなるため好ましくない。
補強剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカ系充填剤等を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、旭#90(商品名、旭カーボン(株)製)、シースト9(商品名、東海カーボン(株)製)、ダイアブラック−A(商品名、三菱化学(株)製)などのSAFカーボン(平均粒径18〜22μm)、旭#80(商品名、旭カーボン(株)製)、ショウブラックN220(商品名、昭和キャボット(株)製)、シースト6(商品名、東海カーボン(株)製)などのISAFカーボン(平均粒径19〜29μm)、旭#70(商品名、旭カーボン(株)製)、シーストS(商品名、東海カーボン(株)製)、ダイアブラック−H(商品名、三菱化学(株)製)などのHAFカーボン(26〜30μm)、旭#60H(商品名、旭カーボン(株)製)、シースト116(商品名、東海カーボン(株)製)、ダイアブラックN550M(商品名、三菱化学(株)製)などのMAFカーボン(平均粒径30〜35μm)、旭#60、#60U(以上、商品名、旭カーボン(株)製)、シーストSO、FM(以上、商品名、東海カーボン(株)製)、ダイアブラック−E、EY(以上、商品名、三菱化学(株)製)などのFEFカーボン(平均粒径40〜52μm)、旭#50、#50U、#51(以上、商品名、旭カーボン(株)製)、シーストS(商品名、東海カーボン(株)製)、ダイアブラックR(商品名、三菱化学(株)製)などのSRFカーボン(平均粒径58〜94μm)が例示される。
前記シリカ系充填剤としては、アエロジル200、300、380、R972(以上、商品名、日本アエロジル(株)製)やレオロシールQS13、QS30、QS38、QS102(以上、商品名、(株)トクヤマ製)の如き乾式シリカ、カープレックス#67、#80、#100、22S、CS−5(以上、商品名、シオノギ製薬(株)製)やシルトンA(商品名、水沢化学工業(株)製)やトクシールAL−1(商品名、(株)トクヤマ製)やニップシールNA(商品名、日本シリカ(株)製)の如き湿式シリカなどが例示される。
また、補強剤として、前記カーボンブラックやシリカ系充填剤とともに、白艶華CC、DD、O、U(以上、商品名、白石工業(株)製)の如き活性化炭酸カルシウム、白艶華A(商品名、白石工業(株)製)の如き特殊炭酸カルシウム、ミストロンペーパー(商品名、日本ミストロン(株)製)の如きマグネシウム・シリケート、ハイトロン、ミクロライト、ハイラックSS(以上、商品名、竹原化学工業(株)製)の如きけい酸マグネシウム、ウィンナークレーA(ハードクレー:商品名、川茂(株)製)やハードトップクレー、ソフトクレー、クラウンクレー(以上、商品名、白石カルシウム(株)製)の如きクレー(けい酸アルミニウム)、ST−100、ST−200、ST−301(以上、商品名、白石カルシウム(株)製)の如きシラン改質クレーなどを適宜併用してもよい。
(4)増量充填剤
本発明で用いるゴム組成物には、寸法安定性や低価格などを目的として、ベースゴム100重量部に対して、5〜100重量部程度の増量充填剤を添加することができる。
前記増量充填剤としては、Green Ball(商品名、井上石灰工業(株)製)やタマパールTP−121(商品名、奥多摩工業(株)製)やシルバーW(商品名、白石工業(株)製)の如き軽質炭酸カルシウム、ホワイトロンSSB(商品名、白石カルシウム(株)製)やサンライト#100(商品名、竹原化学工業(株)製)やNS#100(商品名、日東粉化工業(株)製)やスーパーS(商品名、丸尾カルシウム(株)製)の如き重質炭酸カルシウム、JET−S(商品名、浅田製粉(株)製)やタルクGTA、CTA1、CTA2、微粉タルク(以上、商品名、クニミネ工業(株)製)やMS、MS−P、MS−A、SS、S(以上、商品名、日本タルク(株)製)などのタルク(滑石)、亜鉛華2種(商品名、堺化学工業(株)製)の如き酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、二硫化モリブデンなどが例示され、通常は1〜数種類の補強剤とともに併用することができる。
(5)導電性付与剤
また転写ローラなどに適用する場合のゴムローラのゴム層には、半導電性付与のために、必要に応じて導電性付与剤を添加することができる。
導電性付与剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンなど電子導電性材料や、各種金属イオン塩、第四級アンモニウム塩、リチウムイオン系の塩などのイオン導電性材料を挙げることができる。
導電性付与剤の添加量としては、添加する導電性付与剤の種類にもよるが、一般に、ベースゴム100重量部に対して、0.5〜30重量部程度である。
(6)滑剤、内部離型剤
ゴム組成物には、ゴム練り性や押し出し性の改善のために、ベースゴム100重量部に対して、0.3〜5重量部程度の滑剤や内部離型剤を添加することができる。しかしながら、滑剤や内部離型剤の過多の添加は、ブルームやブリードや融合不良などを引き起こすので、種類にもよるが通常は0.5〜1重量部程度である。
前記滑剤や内部離型剤としては、三井ハイワックス100P(商品名、三井石油化学工業(株)製)の如き低分子量ポリエチレン、FA−KR(商品名、日本油脂(株)製)、ルナックS−20(商品名、花王(株)製)の如きステアリン酸、プラストロジン(商品名、藤沢薬品工業(株)製)の如き脂肪酸アミド、アーモワックスEBS(商品名、ライオン・アクゾ(株)製)の如き脂肪酸窒素誘導体、レオドールSP−L10(商品名、花王(株)製)の如きソルビタンモノラウレート(ラウリン酸ソルビタンエステル)、StruktolWB222(シール・アンド・ザイラッカー(商品名、Schill& Seillacher)(ドイツ)社製)の如き多価アルコール脂肪酸エステル、KF96(商品名、信越化学工業(株)製)の如きシリコーンオイル、パラフィンワックス、モンタンワックスなどが例示される。
1.2.5 ゴム組成物の配合
ゴム組成物の配合は、加硫後のゴム物性として、体積抵抗率やゴム硬度を優先して決定することが好ましい。
加硫後のゴム層の体積抵抗率は、導電性ローラの本体を構成する材料として電気的な制御によってトナーの受け渡しを補助する点から、通常10〜1012Ω・cm程度、好ましくは10〜1010Ω・cm程度に調整される。
加硫後のゴム層の硬度は、後述する被覆弾性チューブによる導電性ローラ表面の柔軟性を損なわないことを考慮して、通常、タイプA硬さ(JISK6253)80°以下、好ましくは40〜60°とすることが好ましい。
1.2.6 ゴム層の形成
本発明で用いるゴムローラは、前記軸芯体の外周上に、前記ゴム組成物を加硫成型してゴム層を形成したものである。
成型方法は特に規定されるものではなく、常法により作製することができる。例えば、上記ゴム組成物用の混練物を単軸押出機でパイプ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、20〜80分加硫したのち、軸芯体を挿入・接着し、表面を研磨した後、所要寸法にカットしてゴムローラを得る等の従来公知の種々の方法を用いることができる。また、カット時のローラ端部のラッパ状の跳ね返り形状が気になる場合には、カット後に研磨すればよい。
加硫時間は、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。なお、感光体汚染と圧縮永久ひずみを低減させるため、なるべく十分な加硫量を得られる様に条件を設定することが好ましい。
また、ゴムローラの直径がφ100mmを超えるような大きな場合には、ゴム混練物を押し出せる押出機は稀であるため上記方法を採ることが困難である。従って、その場合は、ゴム混練物をシート状に分出しを行い、接着剤を塗布した軸芯体の外周に幾重にか巻きつけておいて2枚割の金型でコンプレッション成型すればよい。その後同じ方法でゴムローラが得られる。
前記接着剤としては、通常用いられる公知の接着剤であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、熱硬化性接着剤メタロックU−20(商品名、(株)東洋化学研究所製)等を好適に用いることができる。
2.チューブの製造(第2工程)
2.1 表面層の形成
本発明の導電性ローラにおける表面層は、ゴムローラに被覆するチューブ(被覆層)のうち外側に形成される層である。導電性ローラ完成体の表面となる層であり、転写ローラの場合直接トナーを乗せ、重ね合わせた4色(イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック)のトナーを紙へ転写、離型するための層である。
表面層は、トナーを離型しやすくする観点から、フッ素樹脂材料を含む層であることが好ましい。
かかるフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ビニリデンフロライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(VDF・HFP共重合体)、又はそれらの混合物が挙げられる。なお、VDFとHFPの共重合体は、HFPの割合が1〜15モル%程度が好ましい。
これらのフッ素樹脂のうち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)を単独で用いた場合、弾性層を構成するゴムとの接着が困難となる場合がある。従って、この場合には、バインダーとしてウレタン樹脂やアクリル樹脂を用いてもよい。具体的にはこれらのバインダーにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)を分散した組成物が使用に供される。このような組成物の具体例としては、エムラロン345ESD、JYL-601ESD(以上、商品名、ヘンケルテクノロジーズジャパン(株)製)等が挙げられる。
一方、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ビニリデンフロライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(VDF・HFP共重合体)、又はそれらの混合物を用いる場合は、固有の表面エネルギーが比較的大きいことから、プライマー等用いることによってゴムとの接着が比較的容易であり、前述のようなバインダーなしでも使用可能である。
更にこれらの材料に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微粒粉体を添加しても良い。PTFEの微粒粉体の添加量は、原料溶液中のフッ素樹脂原料重量に対して、通常20重量%以下であり、10重量%以下程度添加することが好ましい。この場合粉体は後述する原料溶液に直接分散しても良いし、あらかじめ溶剤等で希釈した分散液を使用しても良い。
表面層を形成する材料の体積抵抗率は、通常1013Ω・cm以上であり、1013〜1015Ω・cmが好ましい。また、カーボンブラック等の導電剤を添加することで半導電性の制御は可能であるが、その効果は限定的で均一分散が難しい等のデメリットもあるため、表面層には導電剤を含まなくても良い。かかる表面層は、環境(温度、湿度等)の変化により導電性が左右されないため、安定したトナーの一次及び二次転写が可能となり、高画質化が実現できる。
表面層の厚みは、10μm以下であることが好ましく、1〜5μmがより好ましい。厚みが厚すぎると弾性層のゴム弾性を損なう傾向があり、また、厚みが薄すぎると表面層に穴があきやすい等の耐久性に問題が生じる傾向がある。
導電性ローラの表面層上の静摩擦係数は、二次転写性を考える上で低いほうが好ましいが、クリーニング性確保やクリーニングブレードの鳴き、ブレード破損を防ぐ観点から下限値も設けることが好ましい。このことから静摩擦係数は0.1〜0.8が好ましく、0.15〜0.5がより好ましく、0.2〜0.4であることがさらに好ましい。
また、表面層は柔軟性を有していたほうがトナーを包み込む効果が期待できるため、中抜け防止など一次転写画像の転写効率を向上させる上で好ましい。表面層を形成するフッ素樹脂材料は、具体的にはJISK7202準拠Rスケールにおけるロックウェル硬度で100度以下であることが好ましく、80度以下であることがより好ましく、40〜80度であることが特に好ましい。40度未満であると、下地である弾性層の影響を受けて表面層の静摩擦係数が上昇してしまい、その結果二次転写性が低下してしまう傾向がある。
表面層の製膜について、フッ素樹脂を遠心成型する場合を例とし、以下説明する。
まず、出来上がりの表面層の厚みが1〜5μmの間で目的の厚みとなるように材料の重量を調整する。秤量された表面層材料を溶媒に溶解して液状原料とし、円筒状金型の内面にキャストし遠心成型して行う。
用いる溶媒としては、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、或いはこれらの混合溶媒などが用いられる。
該液状原料は、固形分濃度が2〜30重量%程度であればよい。
表面層の遠心成型は、例えば、円筒状金型等を用いて次のようにして実施できる。
円筒状金型の材料としては、鉄鋼、ステンレス、アルミニウムなどに各種メッキなどの表面処理をしたものを使用する。代表的なものは、S55C、S45Cなどの鉄鋼材料に硬質クロームメッキを10〜40μm程度施したものである。またフッ素樹脂などの耐熱性樹脂を使用した円筒状物単体や、該耐熱性樹脂円筒物を前記金属製円筒状金型内側に固定したものも含めて、総じて円筒状金型と称する。
円筒状金型はその内面が鏡面、具体的には表面粗さ(JIS B0601−1994十点平均粗さ)が2μmRzjis以下、好ましくは1μmRzjis以下、より好ましくは0.5μmRzjis以下であり、この金型の内面状態が導電性ローラの表面層外面に転写される。
また、表面層に一様な所望の凹凸を持たせるよう調節する目的で、金型内面にブラスト処理を施すこともできるが、ブラスト処理を施した後の表面が同粗さ2μmRzjis以下であることが肝要である。金型内面の表面粗さが2μmRzjisを超えると、それから形成される導電性ローラ表面の粗さは2.5μmRzjisを超える場合が生じ、小径の液体トナーなどを電気的に転写、搬送するのに適さなくなる。なお、この金型内面の粗さは、内面凹凸付与時に使用するブラストメディアの番手等により任意に制御できる。
更に円筒状金型内面には離型剤を塗布し、原料硬化後の膜がきれいに金型内面から離型できるようにされている。離型剤としては、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、セミパーマネント系離型剤が用いられる。
円筒状金型は回転ローラ上に載置し、該ローラの回転により間接的に回転が行われる。また金型の大きさは、所望する表面層の大きさすなわちチューブの外径に応じて適宜選択できる。停止している円筒状金型に、最終厚さを得るに相当する量の液状原料を注入した後、遠心力が働く速度にまで徐々に回転速度を上げて遠心力で内面全体に均一に流延する。
その後加熱し、溶媒分を蒸発させ焼成された硬化物を得る。加熱は、該金型の周囲に、例えば遠赤外線ヒータ等の熱源が配置され外側からの間接加熱が行われる。通常、室温から120〜200℃程度まで徐々に昇温し、昇温後の温度で0.5〜2時間程度加熱すればよい。これにより、円筒状金型内面に注入された液状原料は硬化し、円筒状金型内面に継目のない管(シームレスチューブ)状の表面層が製膜できる。
2.2 弾性層の形成
本発明の導電性ローラにおける弾性層は、ゴムローラ本体に被覆するチューブ(被覆層)構成体のうち内側に形成される層であり、前記表面層と一体化されてチューブ(管)状の膜を形成するためのものである。
弾性層は、弾性層材料からなる層であり、より具体的には、該弾性層材料を前記表面層の内面に塗布して、硬化させて製造される。
該弾性層材料は、例えば、液状ウレタンゴム、硬化剤及び必要に応じ該液状ウレタンゴム中に電子導電剤あるいはイオン導電剤等を含むものである。
液状ウレタンゴムとしては、熱硬化性ポリウレタンエラストマーが挙げられ、特にその硬化物のタイプA硬さ(JISK6253)が25〜70°、さらに35〜55°のものが好ましい。具体的には、DIC(株)製のパンデックスやウレハイパー、三井化学ポリウレタン(株)製のタケネート等が例示される。
特に熱硬化性ポリウレタンエラストマーを用いる場合は、末端のイソシアネート基をブロック化剤でブロックしてなる液状ブロック化ウレタンプレポリマーを主成分とすることで、硬化剤を加えても一定温度に達しないと硬化を抑制できるようになり加工上好ましくすることができる。
硬化剤としては、旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート、三井化学ポリウレタン(株)製のタケラック、DIC(株)製のパンデックスEやCLH、日本ポリウレタン工業(株)製ミリオネートやコロネート等を挙げることができる。
硬化剤の添加量としては、液状ウレタンゴムであるイソシアネート基末端プレポリマー(A)と硬化剤(B)の混合割合(配合比)を、主剤(A)を構成するイソシアネート成分の有するイソシアネート基と;硬化剤(B)を構成するポリオール成分の有する活性水素基とのモル比(イソシアネート基/活性水素基)が0.8〜1.6となるような割合であることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.4となるような割合、特に好ましくは1.0〜1.2となるような割合とするのがよい。硬化剤すなわちポリオール成分比が前記割合よりも小さいとゴム硬度が狙い値よりも低くなり反発弾性が低下し、逆に大きいと伸びや圧縮永久歪みなどのゴム物性が低下する傾向がある。
通常、前記液状ウレタンゴムの種類の中には、抵抗調整をせずとも体積固有抵抗率が10〜1011Ω・cm程度の極性を持ったものがあり、弾性層を構成する液状ウレタンゴムとしてそのまま使用できる。但し、更なる導電性を付与したい場合には、カーボンブラックなどの電子導電剤、あるいはリチウムイオン塩などのイオン導電剤にて抵抗調整してもよい。
カーボンブラックとしては、例えば、ゴム層形成の欄に記載したようなゴム組成物用の導電性カーボンブラックであればよい。
カーボンブラックの配合量は、液状ウレタンゴム100重量部に対し、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜30重量部、さらに好ましくは15〜30重量部である。
また、リチウム塩を用いたイオン導電剤としては、例えば、リチウムビスイミド(CFSONLi、リチウムトリスメチド(CFSOCLiが挙げられる。具体例として、例えば、サンコノール(商品名、三光化学工業(株)製)等が挙げられる。
通常のイオン導電剤の種類では、その導電性は吸湿により発現すると考えられ、これがイオン導電の環境依存性の原因となる。しかしリチウムイオンが酸素の分子運動によって移動することで導電性を発現すると考えられているこのイオン導電剤は、環境依存性が小さくなり、本発明の導電性ローラの弾性層構成ゴムに対しても好適に用いられる。
イオン導電剤を添加する場合、その添加量は液状ウレタンゴム100重量部に対し、10重量部以下であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましく、0.1〜3重量部であることが特に好ましい。
こうしていずれかの方法によって抵抗調整した液状ウレタンゴムを含む弾性層材料は、金型の内側にある前記表面層の内面に投入され、遠心成型される。
弾性層材料の粘度が遠心成型をする際に高すぎた場合、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤やトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤で適宜希釈しても良い。
遠心成型の方法は、例えば、前記表面層の成型設備と同じものが用いられる。
成型条件としては、室温から徐々に加熱し、ウレタンゴムの耐熱限界以下の温度である110〜160℃程度にまで上げられ、その状態で0.5〜2時間程度保持されて硬化を完了する。
表面層と弾性層の間の接着性を向上させる目的で、表面層側にプライマーをスプレー等で塗っておく方法や弾性層材料中にシランカップリング剤を添加する方法、その両方を行う方法などを行っても良い。
弾性層材料の体積抵抗率は、導電性ローラとしてトナーを電気的な制御によって受け渡しを行なう点から、通常10〜1011Ω・cm程度、好ましくは10〜1010Ω・cm程度である。
弾性層の厚さは、導電性ローラ表面の柔軟性と、使用時の画像ズレ防止を考慮して、通常50〜1000μm、好ましくは100〜500μm、より好ましくは200〜400μmである。
弾性層のタイプA硬さ(JISK6253)は、60°以下であることが好ましく、10〜50°であることがより好ましい。弾性層のタイプA硬さが前記範囲内にあることで、転写ローラ等に用いた場合、画像の中抜け防止効果や記録材表面の凹凸への追従性向上効果を得ることができるため好ましい。
ここで、弾性層のタイプA硬さとは、弾性層材料を用いて単独膜を形成し、該単独膜(6mm厚)の硬さを測定したものである。
また、弾性層の硬度が、ゴムローラのゴム層の硬度よりも低いことが、導電性ローラとして他の部材とニップをもって接する使い方をした場合にニップ幅は得やすくなる点から好ましい。また、具体的には、タイプA硬さ(JISK6253)で、5度以上低いことが好ましく、5〜30度低いことが好ましい。
本発明においては、前記チューブは、前記表面層と弾性層の少なくとも2層を含むものであるが、前記表面層や弾性層がそれぞれ2層以上であってもよく、また、これらの層以外にも層を含むことができる。表面層と弾性層以外の層としては、接着剤層やプライマー層、両方の層と接着が可能なアンカー層、硬度ギャップを低減するための中間硬度層などを挙げることができる。
3.ゴムローラへのチューブ被覆(第3工程)
ゴムローラ本体に、前記チューブ(被覆膜)を被せて本発明の導電性ローラを形成する。すなわち、ゴムローラと、一体化されている表面層及び弾性層の二層からなる被覆層チューブとを、該ゴムローラ本体の外面(すなわち、ゴム層)と該チューブの内面(弾性層側の面)とが接触するように重ね合わせる。両者の間には、必要に応じて接着剤やプライマーを塗布してもよい。両者の重ね合わせ後は、両者の間が密閉状態となるようにすることが好ましい。
その後、積層体を加熱処理することにより、弾性層の内面とゴムローラ本体の外面とが接着された導電性ローラを得ることができる。
上記、第3工程の具体例を挙げる。
上記円筒金型内面で規制された状態で製膜された表面層及び弾性層からなるチューブ(被覆膜)の内面、すなわち弾性層側の面にプライマーを薄く均一塗布して風乾する。上記別に製造したゴムローラ本体のゴム外面にもラミネート接着剤、あるいはホットメルト接着剤を塗布して風乾した後、これを該弾性層内面に挿入し、位置がずれないよう固定した後円筒金型からチューブ(被覆膜)を静かにはずす。この直後被覆膜は金型の支持を失うことでローラ本体に密着する。
サイズなどの影響でチューブ(被覆膜)の縮みが不足することでゴムローラ本体への密着力が十分でない場合には、双方の間隙の空気を真空にして抜くこともできる。
その後、100℃程度で20〜60分程度加熱処理し、接着剤の硬化と同時にゴムローラ本体と被覆層間の接着が完了する。また、必要に応じ、完成した導電性ローラをさらに120℃程度で3〜5時間程度加熱処理することによりアニール処理を施しても良い。
ラミネート接着剤としては、三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−969やDIC(株)製タイフォースNT−810が例示される。
なお、上記のプライマーの使用は任意であるが、接着強度向上の点から使用するのが好ましい。プライマーとしては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のDY39−067等が例示される。
かくして得られた本発明の導電性ローラは、その表面粗さRzjisが2.5μm以下であり、0.1〜2.5μmであることが好ましく、0.1〜1.5μmであることがより好ましい。前記範囲であることにより、ブレードの鳴きや破壊を防止することができる。表面粗さRzを2.5μm以下としているのは、表面粗さRzが2.5μmを超えると粒径が約1μm程度の液体トナーの場合、トナーが離れにくく画像が劣化したり耐久使用するとトナーがローラ表面に固着する場合があるためである。一方、0.1μmよりも小さいと下地に弾性層があることで密着度が高くなり表面の動摩擦係数が大きくなってしまい、クリーニングブレードなどのゴム製ブレードとの間で鳴きやブレード破壊(めくれ)が生じることがある。
また導電性ローラの体積抵抗率は、前記ローラ本体とチューブの体積抵抗率の組み合わせによって自由に選択でき、通常10〜1011Ω・cm程度、好ましくは10〜1010Ω・cm程度である。範囲内の狙い値については、トナーを電気的な制御によって受け渡しを行なう点から、使用されるマシン設計やトナーの電気的材料設計により適宜決定される。
本発明の導電性ローラは、例えば、画像形成装置に使用される転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラ、クリーニングローラ等の電子写真用ローラとして好適に用いられる。
以下、転写ローラを例にとり実施例と共に比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本明細書に記載の下記の評価は、以下のようにして行った。
<ゴム及び弾性層材料硬度>
ゴムローラのゴム層を構成するゴム組成物や弾性層を構成する弾性層材料を用いて厚み6mmのバルク(塊)を作製した。JISK6253に従い、デュロメーターAを用いて、該バルクの硬度を測定した。
<表面粗さ>
表面粗さの表示に使用したRzjisとは、JIS B0601(1994年)でRzと定義されていたものである。JIS B0601は、2001年の規格改訂でRzが改訂され、1994年時のRy(最大高さ)に置き換わった。1994年時のRzは区別のために、2001年にRzjisと名称変更されている。
本明細書の導電性ローラおよびゴムローラ(多層チューブでの被覆前)の表面粗さ測定方法は、測定する表面をJISB0601(2001年)に準拠して表面粗さ計((株)小坂研究所製、サーフコーダSE−3400)を用い、送り速度0.1mm/s、カットオフ0.8mm、測定長2.5mmの条件により導電性ローラおよびゴムローラ1本につき、中心軸方向に、中央部、両端部からそれぞれ30mmの箇所の計3箇所、各中心軸方向当たり周方向に等角度に4点測定を行い全ての測定値の平均値を算出してローラの表面粗さRzjisの測定値とした。
<ゴムローラのゴム層を構成するゴム組成物の体積抵抗の測定>
ゴムローラのゴム層を構成するゴム組成物の体積抵抗は、印加電圧100Vのもとで測定したJISK6911に記載の体積抵抗率の常用対数値(LogΩ・cm)を体積抵抗とした。
<表面層及び弾性層固形分濃度>
表面層及び弾性層を形成するそれぞれの原料を精秤し、この時の固形あるいは液状原料の重量をCgとする。電子天秤上で原料を溶剤に溶かすために、攪拌しながら溶剤を徐々に加え、最終的な溶液重量をDgとする。固形分濃度は、次式(II)により計算した。
Figure 0005489608
<表面層及び弾性層の厚み>
厚みは、接触式膜厚測定器のフラット型プローブを用いて幅方向3点、周方向8点の合計24点測定し、その平均値として示した。
<表面層及び弾性層の体積抵抗率>
体積抵抗率(Ω・cm)は、三菱化学(株)製の抵抗測定器“ハイレスタUP・URブロ−ブ”を用いて23℃、55%RH環境下で測定した。表面層を構成する表面層材料または弾性層を構成する弾性層材料と同じ原料からバルクを作製してサンプルとし、該サンプルの幅方向に等ピッチで3ヶ所、縦(周)方向に3カ所の合計9ヶ所について、印加電圧100V、10秒後に体積抵抗率を測定し、その平均値の常用対数値(LogΩ・cm)で示した。
なお該測定サンプルは23℃、55%RH環境下で12時間放置してから測定した。
<表面層材料硬度>
表面層を構成するフッ素樹脂材料の硬度は、JIS K7202に従い、Rスケールを使ってロックウェル試験機にて測定した。
<表面層上の静摩擦係数>
表面層上の静摩擦係数は、ゴムローラとチューブを一体化する前のチューブにおける表面層側の表面にて測定する。新東科学(株)製のHeidon 94iを用いて、同一チューブ内で異なる表面部位を10箇所測定し、その平均値を静摩擦係数とした。
実施例1
(1)ゴムローラの製造
まず、ベースゴムとなるNBRであるJSR N230S(製品名、JSR(株)製)を100重量部、軟化剤としてのジブチルジグリコール・アジペート(BXA(商品名)、大八化学工業(株)製)を5重量部、増量充填剤として亜鉛華2種(商品名、堺化学工業(株)製)を5重量部、滑剤としてルナックS−20(ステアリン酸、商品名、花王(株)製)を1重量部、加硫剤として金華印微粉硫黄325meshを1.0重量部、加硫促進剤としてアクセルDM(商品名、川口化学工業(株)製)を1.0重量部とアクセルTS(商品名、川口化学工業(株)製)を0.5重量部、カーボンブラックとして旭#50(商品名、旭カーボン(株)製)を15重量部、を計量した。各成分を、周知のゴム練りロールで混練りして、未加硫のローラ用ゴム組成物を得た。
一方、外径がφ164mm、ゴム接着部の全長が320mmのアルミニウム合金A6063パイプ芯金(軸芯体)の表面には熱硬化性接着剤メタロックU−20(商品名、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、室温で30分間乾燥した後、120℃で30分加熱乾燥した。
次に、得られたローラ用ゴム組成物を5mm厚のシート状に分出しし、その芯金に2回転ほどになるよう巻きつけ、2枚割の金型を使い100トンの真空プレス機(コータキ精機(株)製)にて熱盤温度170℃設定で45分コンプレッション成型し、芯金の外周にゴム層を加硫成型した。
次に、このゴムローラのゴム層を、研磨機にGC120Eの砥石を取り付け2000RPMの速度で砥石を回転させ200mm/分の送り速度(トラバース)の条件でローラ外径がφ179.4mmになるまで数回研磨して、ゴムローラを製造した。
なお、該ゴムローラのタイプA硬度は53°、表面粗さは6.3μmRzjis、体積抵抗率7.5(Log(Ω・cm))であった。
(2)表面層の製膜
ビニリデンフロライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるVDF−HFP共重合樹脂(カイナー#2821、アルケマ製:HFP5モル%、ロックウェル硬度R75)30gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)270gとメチルエチルケトン(MEK)300gの混合溶媒に溶解させ固形分濃度5重量%の溶液を作製した。
そして該溶液から150gを採取し、表面層及び弾性層からなるチューブ成型用金型によって、次の条件で成形した。
成型装置・・・表面層及び弾性層からなるチュ−ブ成型用金型は、内径φ180.5mm、幅700mmの内面鏡面仕上げのS45C製(表面に30μmの硬質クロムメッキ)円筒状金型であり、該金型が2本の回転ローラ上に載置され、該ローラの駆動回転とともに回転する状態に配置した(例えば、図2を参照)。金型内面の表面粗さは円周方4点×中心軸方向10点で均等に40点測定した結果、平均0.25μmRz、最大0.33μmRzjis、最小0.20μmRzjisであった。
金型を回転した状態で金型内面に均一に塗布し加熱を開始した。加熱は2℃/分で140℃まで昇温して、その温度で60分間その回転を維持しつつ加熱し、金型内面に表面層を形成した後、金型を常温まで冷却した。金型内面に形成された表面層の厚みを渦電流式厚み計にて測定したところ5μmであった。
予備試験としてこの表面層材料からバルクを作製し、体積抵抗率を測定したところ、13.78(Log(Ω・cm))であった。
(3)弾性層の製膜
キシレン1300gにポリウレタンエラストマー(ウレハイパーRUP1627、DIC(株)製)を1000g溶解させた溶液に酸性カーボン(PH3.5)300gを加え、ボールミルにて均一分散を行い、固形分濃度50重量%、該固形分中のカーボンブラック(CB)濃度は23重量%のマスターバッチ溶液を作製した。このマスターバッチ209gに硬化剤CLH−5(DIC(株)製)を9.0g(イソシアネート基/活性水素基=1.0(モル比))添加し撹拌を行った。
この溶液を先に製膜した表面層内面に金型を回転した状態で均一に塗布し、加熱を開始した。加熱は2℃/分で130℃まで昇温して、その温度で80分間その回転を維持しつつ加熱し、表面層内面に厚さ245μmの弾性層を形成した。
予備試験としてこのウレタンゴムマスターバッチ溶液にて作製したウレタンゴム単膜のゴム硬度を測定したところタイプA(JIS K6253)にて44°であった。同様に体積抵抗率を測定したところ、8.52(Log(Ω・cm))であった。
また、製膜したチューブにおける表面層上から測定した静摩擦係数は0.33であった。
(4)ゴムローラへの多層チューブの被覆接着
上記(3)で製膜したチューブの弾性層内面にプライマーDY39−067(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)を塗布・風乾した後に、ドライラミ接着剤タケラックA−969(商品名、三井化学ポリウレタン(株)製)を薄くゴム外面に塗布した(1)のゴムローラを挿入し重ね合わせた。
次に表面層外側から加圧した状態で加熱(80〜120℃)を1時間行い、被覆接着を完了させた。最後にローラの両端部をカットしゴム面長幅360mmの導電性ローラを得た。得られた導電性ローラの表面粗さは0.88μmRzjisであった。
実施例2
実施例1(2)の表面層及び弾性層からなるチューブを成型するための金型内面に#500のセラミックメディアによる精密ショットピーニング(WPCブラスト:(株)不二機販社登録商標)加工を施した。
金型内面の表面粗さは円周方4点×中心軸方向3点で均等に12点測定した結果、平均0.87μmRzjis、最大1.28μmRzjis、最小0.62μmRzjisであった。それ以外は、実施例1と同様に導電性ローラを作製した。
製膜したチューブにおける表面層上から測定した静摩擦係数は0.29であった。また、得られた導電性ローラの表面粗さは1.36μmRzjisであった。
実施例3
実施例1(2)の表面層材料である固形分濃度5重量%の溶液の投入量を315g採取して出来上がりの表面層厚みを10μmにした以外は、実施例1と同様に導電性ローラを作製した。
製膜したチューブにおける表面層上から測定した静摩擦係数は0.26であった。また、得られた導電性ローラの表面粗さは0.69μmRzjisであった。
実施例4
酸性カーボン(PH3.5)300gの代わりに、イオン導電剤としてサンコノールBUAC−30R(商品名、三光化学工業(株)製)を40g(固形分中のイオン導電剤濃度は1.2重量%)を使用した以外は、実施例1と同様に導電性ローラを作製した。
製膜したチューブにおける表面層上から測定した静摩擦係数は0.35であった。また、得られた導電性ローラの表面粗さは0.73μmRzjisであった。
比較例1
実施例1において(1)で得られたゴムローラ本体の表面に、実施例1における(2)の表面層材料をスプレーコーティングにより5μm厚みになるよう塗布し、室温乾燥後130℃で1時間焼成し、VDF・HFP共重合樹脂の表面層を持った導電性ローラを得た。
得られた導電性ローラの表面粗さは、5.40μmRzjisであった。
比較例2
実施例1において(1)のローラ本体の表面研磨を、研磨(テーブル)の送り速度を100mm/分としたところ、研磨後の表面粗さは3.07μmRzjisとなった。このローラ本体表面に比較例1と同様の表層材料をスプレーコーティングしてVDF・HFP共重合樹脂の表面層を持った導電性ローラを得た。
得られた導電性ローラの表面粗さは3.15μmRzjisで、スプレーコーティング前とほぼ変わらなかった。
上記実施例1〜3、比較例1〜2の各試料導電性ローラを液体トナー転写ユニットに組み込んで画像評価した結果を表1に示す。
<一次及び二次転写効率>
一次転写効率は、転写前及び転写後の感光体上のトナー重量を測定し下記式から求めた。また、二次転写効率は、転写前及び転写後の転写ローラ上のトナー重量を測定し下記式から求めた。
Figure 0005489608
各転写効率は次の基準で評価した。
(一次転写効率)
○:97%より高い、
△:95〜97%、
×:95%未満。
(二次転写効率)
○:95%より高い、
△:90〜95%、
×:90%未満。
<細線中抜け>
細線画像の中抜けを二次転写前の転写ローラ上にて観察し評価した。細線は約0.05mmの転写ローラ進行方向と平行なY、Mの二色によるベタ画像細線をレーザ顕微鏡にて300倍の倍率で観察し、細線長さ1mm内にいくつの中抜けが発生しているかを次の基準で評価した。
○:中抜けが全くない、
△:中抜けが1〜4箇所、
×:中抜けが5箇所以上存在する。
<紙の凹凸追従性(ラフ紙転写性)>
凹凸の大きな紙として富士ゼロックスオフィスサプライ社の「レザック66」(表面凹凸差80μm、151g/m)を用い、シアンでベタ印刷を行って、最深部(凹部)のトナーの乗りを目視で判断し、次の基準で評価した。
○:ムラなく転写できているもの、
△:僅かに白抜けしているもの、
×:トナーの乗りがなく白抜けしているもの。
Figure 0005489608
実施例1〜4においては、表面粗さが小さくかつ表面近傍の硬度も十分柔らかいことから、各転写効率は良好で、一次転写での細線中抜け不具合がなく、二次転写における紙の凹凸への追従性も良好であった。
比較例1では表面粗さが大きく一次転写効率が低く細線中抜けも発生したが、これは転写ローラの荒れた表面にトナーが奪われてしまうためである。比較例2では表面層コーティング前のゴムローラ表面粗さを小さくしたが、仮にどんなに小さくできたとしてもコーティングによる表面形成ではこの程度の表面粗さが小さくできる限界であることを示しており、各転写性能は不十分である。
このように本発明の導電性ローラは、金型面の転写によって形成された表面を持つため、ローラの表面粗さが小さくできる。これによりトナーがローラの表面の荒れに奪われることがなくトナーの受け渡しができるためトナーの転写や搬送の特性は良好で、離型性やクリーニング性なども良い優れた機能バランスを持ったローラとして使用できる。
1:表面層
2:弾性層
3:チューブ
4:ゴム層
5:芯軸体(芯金)
6:表面層及び弾性層製膜箇所
7:円筒状金型
8:回転ローラ(駆動ローラ)

Claims (8)

  1. 軸芯体の外周上にゴム層を備えたゴムローラの外周面に、弾性層及び表面層がこの順に被覆された、直径がφ100を超える導電性ローラであって、
    前記表面層が円筒状金型内面において製膜されたものであり、かつ、
    前記導電性ローラの表面粗さが、Rzjisにて2.5μm以下であることを特徴とする導電性ローラ。
  2. 前記表面層の厚みが、10μm以下である請求項1に記載の導電性ローラ。
  3. 前記表面層が、フッ素樹脂材料を含む層である請求項1又は2に記載の導電性ローラ。
  4. 前記弾性層が、ポリウレタンエラストマー材料を含む層である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
  5. 前記弾性層の硬度が、ゴムローラのゴム層のゴム硬度よりも低いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ローラ。
  6. 前記弾性層のタイプAゴム硬度が、60°以下である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラ。
  7. 軸芯体の外周上にゴム層を成型してなるゴムローラを製造する第1工程、
    円筒状金型内面に表面層、弾性層をこの順に回転成型し、少なくとも2層からなるチューブを製造する第2工程、及び
    第1工程で製造したゴムローラの外周上に、第2工程で製造したチューブを被覆接着する第3工程、
    を含む請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ローラの製造方法。
  8. 前記円筒状金型の内面の表面粗さが、Rzjisにて2μm以下である請求項7記載の導電性ローラの製造方法。
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