JP2009145734A - 導電性ゴムローラ及び転写ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】転写ローラ等に有用な、低硬度かつ表面凹凸が小さく、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が小さい導電性ゴムローラを提供する。
【解決手段】発泡ゴム層のゴム成分の主成分が極性ゴムであり、発泡ゴム層中には、少なくとも充填剤としてタルクが、該ゴム成分100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下、かつ、発泡ゴム層中の全充填剤の50質量%であり、該発泡ゴム層の平均表面粗さが70μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において使用される導電性ゴムローラ及び転写ローラに関するものである。
電子写真複写機、静電記録装置等の画像形成装置においては、電圧印加した導電性ゴムローラを電子写真感光体表面に押し当て帯電する接触帯電方式が主流となっており、転写方式も、導電性ゴムローラを用いた接触転写方式が主流となっている。
また、カラー出力が可能な電子写真方式の画像形成装置の多くでは、複数色から成るカラー画像を形成するため、感光体上のトナーを紙等の画像記録体に直接転写せず、中間転写ベルトや転写搬送ベルトを使用している。つまり、中間転写ベルトや転写搬送ベルト上にトナー像を重ねて転写(一次転写)し、この複数色のトナー像を一括して紙等の画像記録体に転写(二次転写)している。この各転写工程において、転写のために導電性ゴムローラ(転写ローラ)が配置されているのが一般的である。
近年、このような導電性ゴムローラの弾性体層(以下、「ゴム層」ともいう)のゴム成分として、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリン系ゴム等の極性ゴムが用いられている。極性ゴムは分子鎖内の極性基によりイオン導電性を有し、カーボンブラック等の導電性フィラーを充填する電子導電系とは異なり、電気抵抗のばらつきや電気抵抗の電圧依存性が小さく、導電性ゴムローラの弾性体層に適している。
また、感光体周りで使用される導電性ゴムローラでは、弾性体層は体積固有抵抗が2×109Ω・cm以下である場合が多い。例えば、NBRのみでは、その加硫物の体積固有抵抗は2×109Ω・cmから1×1010Ω・cmの範囲であり、弾性体層としたときは導電性が不十分となってしまう。
そのため、加硫物の体積固有抵抗が1×107Ω・cmから3×109Ω・cmの範囲であるエピクロルヒドリン系ゴムをNBRにブレンドして、所望の体積固有抵抗が得られるように調整する方法が一般に採られている(例えば、特許文献1)。
また、画像形成装置に用いられる導電性ゴムローラには、電子写真感光体や中間転写ベルトのような相手部材との密着性を高めるために適度に柔軟(低硬度)であることが望まれている。ローラ硬度が高い場合、電子写真感光体等とのニップ幅が小さくなるため、例えば、転写ローラの場合、転写率が低下したり、感光体の表面を摩耗や損傷させ、画像の欠陥を生じたりしやすい。また、硬度が低すぎる場合は、圧縮永久歪みが大きくなりやすく、耐久性に劣るほか、転写ローラでは搬送力が強くなりすぎ画像に欠陥を生じやすい。
導電性ゴムローラを低硬度化する方法としては、軟化剤、可塑剤等の各種添加剤を用いる方法がある。しかし、軟化剤や可塑剤を含む導電性ゴムローラでは電子写真感光体や中間転写ベルトのような相手部材と接触使用した場合、導電性ゴムローラ内から低分子量の各種添加剤がブリードアウトし、相手部材に付着し、画像劣化や汚染が起きる問題が生じやすい。そのため、導電性ゴムローラを低硬度化するのに、ゴム層を発泡ゴム層とすることが主流となっている。なお、ゴム層の発泡は、一般的に化学発泡剤を用いて行われている。
しかしながら、このような発泡ゴム層を用いた導電性ゴムローラを転写ローラとして用いた場合、ローラ表面に露出した発泡セルの凹凸により、転写される画像濃度にムラを生じ、画像に欠陥を生じやすい。
そこで、このような問題を解決するために、合成樹脂を主成分とし、短繊維を分散させた塗料により被膜を設け、発泡ゴム層の表面に存在するセル部分を隠蔽して表面を平滑化する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
この特許文献2では、発泡セルの凹凸による濃度ムラを抑えた導電性ゴムローラが得られている。しかしながら、塗料中の短繊維の分散が不均一であることによる塗工ムラ、抵抗ムラ等が発生する可能性があり、十分な解決策となってはいない。
また、その他、発泡ゴム層表面を平滑化する方法として、発泡ゴム原料にマイカやグラファイトを配合する方法も提案されている(例えば、特許文献3)
この特許文献3では、製造された導電性ゴムローラは、発泡セルの凹凸による濃度ムラを抑えたゴムローラが得られている。しかしながら、電子導電性のグラファイトをイオン導電系のゴムに配合した場合、分散状態により抵抗値が変動するため、材料ロットによる抵抗値のばらつきや導電性ゴムローラ内での抵抗ばらつきを生じ、イオン導電系ゴムの特長を損ねてしまう。また、イオン導電系のゴムにマイカを配合した場合は、マイカによる吸湿性の影響により、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が大きくなり(特に高湿環境)、使用環境によっては画像不良を生じる問題を有している。
特許第3656904号公報 特開2001−201962号公報 特開平8−272210号公報
本発明の課題は、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において使用され、低硬度かつ表面凹凸が小さく、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が小さい導電性ゴムローラ、特に転写ローラを提供する。
本発明者らは、ゴム主成分に極性ゴムを用い、充填剤にタルクを用いることで、上記課題が解決できることを見出し、さらに検討して、本発明に至った。
すなわち、本発明は、導電性芯材の上に発泡ゴム層を有する導電性ゴムローラであって、発泡ゴム層のゴム成分の主成分が極性ゴムであり、該発泡ゴム層には、少なくとも充填剤としてタルクが、該ゴム成分100質量部に対し10質量部以上60質量部以下で含まれ、かつ、発泡ゴム層中の全充填剤の50質量%以上であり、該発泡ゴム層の平均表面粗さが70μm以下であることを特徴とする導電性ゴムローラである。
また、本発明は、極性ゴムが、アクリロニトリルブタジエンゴム又はエピクロルヒドリン系ゴムである上記導電性ゴムローラである。
さらに、本発明は、発泡ゴム層が、化学発泡されており、その硬さがアスカーC硬度で20度以上45度以下である上記導電性ゴムローラである。
そして、本発明は、化学発泡に使用する化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド又は4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である上記導電性ゴムローラである。
そして、また、本発明は、電子写真装置に搭載される中間転写ベルト又は転写搬送ベルトの内側に配置される転写ローラであって、上記の導電性ゴムローラであることを特徴とする転写ローラである。
本発明の導電性ゴムローラは、低硬度であり、かつ表面凹凸が小さく、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が小さい導電性ゴムローラである。そのため、本発明の導電性ゴムローラは、電子写真感光体等の像担持体周りの各種導電性ローラ、特に像担持体表面に形成担持されたトナー像を紙等の記録媒体や転写材に転写させる転写装置の転写ローラとして好適である。
以下、本発明の導電性ゴムローラについて詳述する。
図1に本発明の導電性ゴムローラの一例の断面図を示す。
本発明の導電性ゴムローラは、少なくとも表面が導電性である導電性芯材1に対して同心状に導電性の発泡ゴム層2が設けられたものである。なお、導電性芯材1と発泡ゴム層2の間には接着剤層や導電性を調整するための機能層が設けられていてよい。また、発泡ゴム層2は単層である必要はなく、2層以上であっても構わない。
導電性芯材1としては、少なくとも表面が導電性であれば、通常のローラにおいて使用するものが支障なく使用できる。例えば、鉄、銅、青銅、ステンレス、鋳鉄、黄銅、アルミニウム等の棒、パイプが使用可能であり、表面をニッケル等でメッキしておくこともできる。また、カーボンブラック、金属粉、カーボン繊維、金属繊維、金属酸化物、樹脂或いは無機粉末の表面を金属化したもの等の導電性フィラーを含む樹脂組成物からなる棒、パイプ、さらに、樹脂の棒、パイプの表面を金属メッキ等で導電化したものも使用可能である。なお、導電性芯材1の外径としては、使用目的により、また、必要な強度により異なり、適宜決定すればよい。例えば、転写ローラとしての導電性ゴムローラの場合、材料が鉄の表面にニッケルメッキをしたものでは、外径が2mm以上12mm以下、好ましくは4mm以上8mm以下であることが適当である。
発泡ゴム層を形成するゴム材料として、極性ゴムを主成分とするゴム成分に、導電剤、加硫剤(架橋剤)、加硫促進剤、安定剤、フィラー、発泡剤等の添加剤を添加したものが使用される。ここでゴム主成分とは、ゴム成分の総量に対し70質量%以上の場合を意味する。
極性ゴムとしては、エピクロルヒドリン系ゴム及びNBRが好ましく、いずれか一方であっても、混合して用いてもよい。
エピクロルヒドリン系ゴムとしては、特に限定されず、エピクロルヒドリン(ECH)単独重合体、ECH−エチレンオキサイド(EO)共重合体、ECH−アリルグリシジルエーテル(AGE)共重合体、ECH−EO−AGE共重合体等が支障なく使用できる。中でも、イオウ加硫又は有効加硫が可能であるECH−EO−AGE共重合体が好ましい。なお、EOを共重合するエピクロルヒドリン系ゴムでは、EOの共重合割合が38mol%以上であることがより好ましい。特に、ECH−EO−AGE共重合体では、EOの共重合割合が多くなるに従い加硫ゴムの体積固有抵抗値が小さくなる傾向がある。このため、EOの共重合割合が38mol%よりも小さいと導電性ゴムローラの弾性体に必要な電気抵抗値が得にくく、エピクロルヒドリン系ゴムの配合割合が多くなり、環境依存性を高くしてしまう。より好ましくは、エピクロルヒドリン系ゴム中のEOの共重合割合は38mol以上58mol%以下である。なお、上記エピクロルヒドリン系ゴムは、単独であっても、2種以上のブレンドであってもよい。
NBRは特に限定されず、市販のNBRが使用可能であるが、中でもアクリロニトリル含量が15質量%乃至25質量%の範囲にあるNBRがより好ましい。アクリロニトリル含量が15質量%未満では、所定の抵抗値を得ることが難しく、アクリロニトリル含量が25質量%を超えると抵抗の環境依存性が大きくなる傾向にある。なお、NBRは単独であっても、2種以上のブレンドであってもよい。
本発明では、発泡ゴム層には、少なくとも、上記ゴム成分の他に、充填剤としてタルクが配合されていることに特徴がある。すなわち、タルクは吸湿性が小さいので、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が抑えられ、かつ、箔片状のタルクが発泡ゴム層表面の発泡セルを閉口し、発泡セルにより生じるローラ表面の凹凸を効果的に平滑化するのである。
なお、薄片状の充填剤としては、タルク以外にも、マイカ、グラファイト、カオリンクレー等があるが、マイカやカオリンクレーは、吸湿性が大きく、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が大きくなり好ましくない。また、グラファイトは、電子導電性に影響を及ぼし、ローラ抵抗値の調整が困難となる他、材料ロットによる抵抗値のばらつきや導電性ゴムローラ内での抵抗ばらつきを生じやすく、好ましくない。
なお、タルクの配合量は、ゴム成分100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下が適当である。すなわち、10質量部未満では、タルクを用いてもローラ表面の凹凸を十分に平滑化することができず、転写される画像に濃度ムラが生じやすくて、画像に欠陥を生じることがある。また、60質量部超では、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎてしまい、加工性が劣る他、導電性ゴムローラが硬くなりすぎて、画像不良が生じやすい。
また、本発明の導電性ゴムローラは、発泡ゴム層の平均表面粗さが70μm以下であることである。この平均表面粗さが70μmを超えると、ローラ表面に露出した発泡セルの凹凸により、転写される画像濃度にムラを生じ、画像に欠陥を生じやすい。
なお、平均表面粗さは、発泡ゴム層表面をビデオマイクロスコープ「VH−8000」(商品名、キーエンス株式会社製)にて、450倍で周方向に幅5mmで1回転観察し、そのうちの任意の10箇所について凹凸部の最大差を測定し、平均した値である。
また、タルクの配合割合は全充填剤の50質量%以上である。50質量%より少ない場合、他のフィラーの影響を受けてしまう場合があり、表面平滑性に対する効果が得られないことがある。
また、本発明の導電性ゴムローラの発泡ゴム層は、化学発泡されており、アスカーC硬度で20度以上45度以下、好ましくは25度以上40度以下であることが好ましい。なお、発泡ゴム層がアスカーC硬度で20度未満の場合、圧縮永久歪みが大きくなり耐久性が劣る他、搬送力が強すぎて画像不良を生じやすい。また、アスカーC硬度が45度より大きい場合、感光体等とのニップ幅が小さすぎて、例えば、転写ローラでは、転写率が低下したり、感光体の表面の摩耗や損傷により画像の欠陥を生じたりする。
化学発泡とは、ゴム成分に化学発泡剤を配合し、加熱発泡させる方法であり、最も一般的な化学発泡剤は有機発泡剤である。有機発泡剤は、熱の影響下で化学的に分解し、ガスを放出する物質である。この方法では一定の温度範囲で速やかに発生ガスが放出されるため、低硬度かつ弾性に優れた導電性ローラを得ることが可能となる。該化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DTP)等が使用できる。なお、DTPの場合は、分解副生成物として毒性のあるホルムアルデヒドやアミン臭の強いヘキサメチレンテトラミンが発生するので、ADCAやOBSHを使用することが好ましい。
また、発泡ゴム層に使用されるゴム組成物には、一般のゴムに使用されるその他の成分を必要に応じて含有させることができる。例えば、加硫促進剤、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫助剤、尿素等の発泡助剤が挙げられる。
なお、本発明では、発泡ゴム層の導電性は、極性ゴムによりできるだけ発揮させることが好都合であり、カーボンブラックを導電剤として用いた場合、抵抗ムラや抵抗の電圧依存性が大きくなりやすい。そこで、カーボンブラックを配合する場合は、電子導電性が発現し難い品種(SRF、FT、MT等の粒子径が大きく、低ストラクチャーであるカーボンブラック)を、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下ゴム補強材として使用する。また、第4級アンモニウム塩等のイオン導電剤や、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)等の可塑剤、アミン系の老化防止剤等は、直接感光体に触れることのある、例えば転写ローラには、感光体を汚染することがあるので使用は限定される。
本発明では、製造が容易であり、かつ安価に製造できることから、発泡ゴムのチューブに導電性芯材を挿入する方法により、導電性ゴムローラを製造することが望ましい。以下にその方法を示す。
未加硫の導電性ゴム組成物を押出し機によりチューブ状に2m/分から10m/分の間の速度で押出し、加硫缶や熱風炉で140℃から160℃の間で、20分から50分の間加熱し、導電性の発泡ゴム(弾性体)チューブを作成する。次いで、所定長さに切断した導電性ゴムチューブに接着剤を塗布した導電性芯材を挿入して、更に150℃から200℃で、10分から60分の間加熱することにより、ゴム層の発泡加硫を完結すると共に導電性芯材と導電性ゴムチューブを接着する。この導電性芯材に導電性発泡ゴム層が接着されたゴムローラを研磨砥石GC#60からGC#120を取り付けた研磨機にセットし、ローラ回転速度1500RPMから2000RPM、送り速度300mm/分から700mm/分で研磨する。
本発明の導電性ゴムローラは、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体周りに使用される帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ、中間転写ベルト又は転写搬送ベルトの内側に配置される転写ローラ等に好適である。中でも、感光体等の像担持体に電子写真プロセス、静電記録プロセス等の作像手段で形成担持させたトナー像を紙等の被転写材に転写させる画像形成装置に搭載される中間転写ベルト又は転写搬送ベルトの内側に配置される転写ローラとして好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した資材は以下の通りである。
1)原料ゴム
・エピクロルヒドリンゴム
GECO:ECH−EO−AGE3元共重合ゴム「Hydrin T3106S」(商品名、日本ゼオン株式会社製、共重合比率(モル%)=40:56:4)
・アクリロニトリルブタジエンゴム
NBR:AN含有量18質量%のNBR「Nipol DN401LL」(商品名、日本ゼオン株式会社製)
2)充填材
・タルク:「SP−40」(商品名、富士タルク工業株式会社製)
・マイカ:「FTM−5」(商品名、三信鉱工株式会社製)
・カオリンクレー:「IcebergK」(商品名、土屋カオリン工業株式会社製)
・グラファイト:「BF」(商品名、株式会社中越黒鉛工業所製)
・炭酸カルシウム:「スーパーSS」(商品名、丸尾カルシウム株式会社製)
・カーボンブラック(1):FT級カーボンブラック「HTC#20」(商品名、新日化カーボン株式会社製、よう素吸着量19mg/g、DBP吸油量29ml/100g)
・カーボンブラック(2):MT級カーボンブラック「Thermax MT」(商品名、Cancarb株式会社製、よう素吸着量12mg/g、DBP吸油量37ml/100g)
3)硫黄/硫黄供与剤
・S:イオウ「サルファックスPMC」(商品名、鶴見化学工業株式会社製)、硫黄
・DM:ジベンゾチアジルジスルフィド「ノクセラーDM」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)、(加硫促進剤)
・TET:テトラエチルチウラムジスルフィド「ノクセラーTET」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)、硫黄供与剤(加硫促進剤)
4)発泡剤類
・ADCA:アゾジカルボンアミド「ビニホールAC#LQ」(商品名、永和化成株式会社製)、発泡剤
・OBSH:4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)「ネオセルボン1000S」(商品名、永和化成株式会社製)、発泡剤
・尿素:「セルペーストA」(商品名、永和化成株式会社製)、発泡助剤
5)その他
・酸化亜鉛:酸化亜鉛2種(ハクスイテック株式会社製)、加硫促進助剤
・ステアリン酸:「ルナックS20」(商品名、花王株式会社製)、加硫促進助剤
また、実施例、比較例で作製した導電性ゴムローラについて、発泡ゴム層の抵抗、抵抗ムラ、抵抗の環境依存性、ローラ硬度、画像評価を以下の方法により評価した。
1)発泡ゴム層の抵抗測定
作製した導電性ゴムローラを、導電性芯材の両端に各4.9Nの荷重をかけて外径30mmのアルミニウムドラムに圧着した後、アルミニウムドラムを回転させ、導電性ゴムローラを0.5RPMで連れ回りさせた。この状態で導電性芯材とアルミニウムドラムの間に2000Vの電圧を印加して、導電性ゴムローラ一回転にわたり抵抗を測定した。
2)抵抗ムラ
上記1)において、抵抗値の測定を、作製した導電性ゴムローラを23℃/55%RH(N/N)環境で24時間以上置いた後に、23℃/55%RH(N/N)環境で行った。測定値の最大値(Rmax)及び最小値(Rmin)から求めたlog(Rmax/Rmin)を抵抗ムラ桁とする。この値から下記基準で抵抗ムラを評価した。ここで測定した一回転分の測定値の平均が当該ローラの発泡ゴム層の抵抗値(R1000)である。
○:抵抗ムラ桁1.2未満(抵抗ムラ 小)
×:抵抗ムラ桁1.2以上(抵抗ムラ 大)
3)抵抗の環境依存性
導電性ゴムローラの抵抗を、23℃/10%RH(N/L)環境及び30℃/80%RH(H/H)環境で、上記1)に従い、それぞれ抵抗値を測定した。この時の抵抗値をそれぞれRNL、RHHとした時、log(RNL/RHH)の絶対値を環境変動桁とする。この値から下記基準で抵抗の環境依存性を評価した。なお、各測定は、測定の環境条件に24時間置き、測定の温度・湿度条件に馴染ませた後に行った。
○:環境変動桁1.2以下(環境依存性 小)
×:環境変動桁1.2超(環境依存性 大)
4)ローラ硬度
導電性ゴムローラを軸受で受けた状態で、ゴム層表面に総圧500gの荷重とともにアスカーC型スプリング式硬さ試験機(商品名、高分子計器株式会社製)の押し針を押し付けてアスカーC硬度を測定した。なお、測定は中央部、両端から5cmの所について、ローラを120度回転させて測定し、3×3の9箇所の平均値を当該導電性ゴムローラのローラ硬度とした。
5)ローラ平均表面粗さ
ローラ平均表面粗さは、発泡ゴム層表面をビデオマイクロスコープ「VH−8000」(商品名、キーエンス株式会社製)にて、450倍で周方向に幅5mmで1回転観察し、そのうち、任意の10箇所について凹凸部の最大差を測定し、その値を平均して求めた。
6)画像評価
導電性ゴムローラをキヤノン株式会社製のレーザープリンター「LBP5400」(商品名)に1次転写ローラとして組込み、N/L環境下、ベタ黒・ハーフトーンで各30枚印字した。得られた画像を目視にて観察した結果から、濃度ムラを下記基準で評価した。
○:画像に濃度ムラがなく良好
×:画像に濃度ムラがあり実用不可
実施例1〜3
表1に示すゴム成分合計100質量部に対して、下記のゴム原料と共にタルクを表2に示す量比で配合し、発泡ゴム層用のゴム組成物を作成した。
カーボンブラック(1) 10質量部
酸化亜鉛 5質量部
ステアリン酸 1質量部
硫黄 0.5質量部
DM 1質量部
TET 1質量部
ADCA 3質量部
OBSH 3質量部
尿素 1.5質量部
次いで、この組成物を押出し機からチューブ状に押出した後、加硫缶にて160℃で30分間加硫を行い、内径5mm、外形20mmのゴム層用のチューブを作製した。得られたチューブに径6mmのステンレス製の導電性芯体を挿入し、ローラ状の成形体を得た後、外径がφ14mmになるように研磨して、導電性ゴムローラを作製した。作製した導電性ゴムローラの性能を上記により評価し、結果を表1に示した。
比較例1〜3
カーボンブラック(1)及びタルクの配合量を表1に示すように変更する他は、実施例1と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。作成した導電性ゴムローラの性能を評価し、結果を表1に示した。
Figure 2009145734
実施例1〜3及び比較例1以上より、タルクの配合量は、本発明範囲内が適している。すなわち、タルクの配合量が本発明範囲外(比較例1)では、発泡セルの表面凹凸を平滑化する効果が乏しく、画像に濃度ムラが発生した。
実施例1〜3及び比較例2以上より、発泡ゴム層中の充填剤の総量に対するタルクの配合割合は、本発明範囲内が適している。すなわち、タルクの配合割合が本発明範囲外(比較例2)では、他の充填剤の影響を受け、発泡セルの表面凹凸が大きくなり実用可能な画像が得られない。
さらに、実施例1〜3及び比較例3より、発泡ゴム層の平均表面粗さは、本発明範囲内が適している。すなわち、発泡ゴム層の平均表面粗さが本発明範囲外(比較例8)は、ゴムローラ表面の凹凸により、画像に濃度ムラが発生した。
比較例4〜8
タルクをマイカ、カオリンクレー、炭酸カルシウム、グラファイト又はカーボンブラック(2)に変更する他は、実施例1と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。作成した帯電ゴムローラの性能を評価し、結果を表2に示した。
Figure 2009145734
実施例1及び比較例4〜8より、極性ゴムに充填剤としてタルクを用いることが適していることがわかる。すなわち、充填剤にマイカ(比較例4)やカオリンクレー(比較例5)を用いると、ローラ抵抗の環境依存性が大きく、好ましくない。また、グラファイト(比較例6)では、環境依存性の良好な導電性ゴムローラが得られるものの、抵抗周ムラが大きく、画像が実用不可である。充填剤に炭酸カルシウム(比較例4)やカーボンブラック(比較例5)を用いると、環境依存性は良好なものの、平均表面粗さが大きく、画像評価により濃度ムラが発生する。
本発明の導電性ゴムローラの一例の断面図である。
符号の説明
1 導電性芯材
2 発泡ゴム層(弾性体層)

Claims (5)

  1. 導電性芯材の上に発泡ゴム層を有する導電性ゴムローラであって、
    発泡ゴム層のゴム成分の主成分が極性ゴムであり、
    該発泡ゴム層には、少なくとも充填剤としてタルクが、該ゴム成分100質量部に対し10質量部以上60質量部以下で含まれ、かつ、発泡ゴム層中の全充填剤の50質量%以上であり、
    該発泡ゴム層の平均表面粗さが70μm以下である
    ことを特徴とする導電性ゴムローラ。
  2. 極性ゴムが、アクリロニトリルブタジエンゴム又はエピクロルヒドリン系ゴムである請求項1記載の導電性ゴムローラ。
  3. 発泡ゴム層が、化学発泡されており、その硬さがアスカーC硬度で20度以上45度以下である請求項1又は2に記載の導電性ゴムローラ。
  4. 化学発泡に使用する化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド又は4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性ゴムローラ。
  5. 電子写真装置に搭載される中間転写ベルト又は転写搬送ベルトの内側に配置される転写ローラであって、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導電性ゴムローラであることを特徴とする転写ローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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