JP3813480B2 - 給紙用ローラの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙用ローラの製造方法に関し、詳しくは、インクジェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構に使用され、特に、OHPフィルム等を給紙した場合にも不送りを発生させない給紙用ローラを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の給紙用ローラは押出成形、射出成形等で成形されており、押出成形する場合は、押出成形機の内ダイスと外ダイスにより構成される筒形状の空間に、ゴム組成物や熱可塑性エラストマー組成物を加熱しながらチューブ状に押し出し、押出成形機の口金で外ダイスと内ダイス(マンドレル)により寸法規定すると共にチューブ外周面に所要形状を賦形している。この口金より押し出されたチューブ(円筒状成形品)を冷却、研磨した後、所定の長さにカットし、中空部に軸芯を挿入することにより給紙用ローラを製造している。
【0003】
OHPフィルム等の印刷表面が傷つきやすく、また、重ねたときに粘着しないように離型処理を施した紙やフィルム等の繊細な印刷媒体を給紙する際には、特に、インクジェット用のOHPフィルムでは、紙粉の発生量が多いと共に、紙送り時にフィルムや紙が滑り易いために不送りが発生しやすい。
この種のOHPフィルム等の給紙用ローラでは、外周面に軸線方向の凹凸を設けたローレット面として、紙送り時に発生する紙粉を凹部に逃がし、ローラ回転運動によって凹部内に逃がした紙粉を周囲に離散させることにより、紙粉をローラ表面に付着させずに安定した紙送り性能を長期に亙って持続させるようにしている。よって、ローレット面の凹部(ローレット溝)の内面は平滑面として紙粉との滑りを良くし、凹部内に紙粉が付着、蓄積させないようにする必要がある。また、上記ローレット面はフィルム等との摩擦係数を大きくするため、図8(A)(B)に示すように、ローラ1の外周ローレット面では、凸部1aを台形状とすると共に、その間の凹部1bは細溝状として、フィルムとローラとの接触面積を増加して不送りを発生させないようにしている。
【0004】
ローラの外周面を所要形状のローレット面とするため、押出成形機に付設した口金の外ダイス内周面を凹凸のあるローレット面としている。口金の内周面をローレット面とする方法として、従来はSUSやPSL製のワイヤカットを用いてローレット溝を作製した後、バフして口金内周面を平滑化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バフをおこなっても、口金内周面のローレット面の表面粗さRzは4〜5μm程度までしか下げらず、該口金内を押し出されて成形されるローラ外周のローレット面の表面粗さはあまり小さくならない。よって、凸部表面とフィルムや紙との接触面積が増大せず、摩擦係数が低くなり、かつ、凹部に入った紙粉が付着、蓄積しやすくこととあいまって、紙の不送りの発生を確実に防止することができない。
【0006】
上記ローレット溝を設けた外ダイスの内周面に、クロムメッキ、窒化クロムメッキ、ニッケル−ボロンメッキ、ニッケル−タングステンメッキ等のメッキを施して表面粗さを低減することも行われている。
上記メッキを施すことにより、外ダイスのローレット面の表面粗さRzを2μm程度まで下げることができるが、該外ダイスを通して成形されたローラでも、熱可塑性エラストマーのように高粘度の材料では、ローレット面の表面粗さはさほど小さくならず、上記滑りが発生しやすいOHPフィルム等では不送りが発生することがある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、OHPフィルム等の滑りやすくグリップ力を高める必要があると共に、紙粉が発生しやすい印刷媒体を給紙する場合等においても、不送りの発生を無くす給紙用ローラの製造方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、外周面をローレット面とする給紙用ローラを成形する時、口金の外ダイス内周面と、押し出される粘度の大きな熱可塑性エラストマー・チューブの外周面との摩擦係数に着目し、摩擦係数を低くすることにより、ローレット面とした口金内周面の表面粗さを有る程度小さくすると、チューブ外周面に賦形されるローレット面の表面粗さを小さくすることができることを知見した。
【0009】
上記知見に基づいて本発明は為されたものであり、押出成形機により熱可塑性エラストマー組成物をチューブ状に押出成形し、該押出成形機の口金の外ダイス内周面にローレット溝を設け、該口金を通してチューブを押し出すことによりチューブ外周面にローレット面を賦形し、押出後に所定長さにカットしてローラとする給紙用ローラの製造方法であって、
上記口金の外ダイス内周面と上記チューブの外周面との間の最大摩擦係数を2.0以下と小さいすると共に、該外ダイスの内周面は10点平均表面粗さRzを8μm以下と小さくしていることを特徴とする給紙用ローラの製造方法を提供している。
【0010】
上記のように、口金の外ダイス内周面と上記チューブの外周面との間の最大摩擦係数を2.0以下と小さいすると、熱可塑性エラストマー組成物のような高粘度の原料でも押し出しやすくなると共に、外ダイスの内周面はの表面粗さを、10点平均表面粗さRzを8μm以下程度としても、賦形されるチューブの外周面のローレット面の表面粗さを低減して平滑化できる。その結果、凸部表面と送給する紙やフィルムとの接触面積を増加させて摩擦係数を高めることが出来ると共に、凹部内に紙粉が付着しにくくなる。よって、特にOHPフィルムのような、滑り易く且つ印刷表面が傷つきやすくいフィルムを対象とする場合においても不送りの発生をなくすことができる。
【0011】
口金の外ダイス内周面と上記チューブの外周面との間の最大摩擦係数を2.0以下と小さくすると、外ダイス内周面の表面粗さRzを8μm以下とすればよいが、更に外ダイス内周面の表面粗さを小さくすれば、該外ダイスのローレット面からなる内周面に嵌め合わされるローラ外周面のローレット面の表面をより平滑化することができる。よって、外ダイス内周面の表面粗さRzは3μm以下がより好ましい。また、外ダイス内周面とチューブの外周面との間の最大摩擦係数は、好ましくは1.9以下がより好ましい。
【0012】
外ダイス内周面の表面粗さを小さくするために、ローレット面を設けた外ダイスの内周面に、ポリテトラフルオロエチレン( du pont 社の「テフロン(登録商標)」)、ダイアモンドライクカーボンあるいはポリイミド組成物をコーテイングすることが好ましい。
【0013】
上記給紙ローラとなる熱可塑性エラストマーチューブは、室温23℃でのショアA硬度が10以上50以下としている。
上記ショアA硬度を10以上50以下としているのは、ショアA硬度が10より小さい場合には、押出成形時に、口金内でチューブの内周面と内ダイスの外周面、チューブの外周面と外ダイスの内周面の摩擦抵抗が大きくなり、成形されるローラ表面にササクレが発生する。さらに、成形されたローラは摩耗しやすく耐摩耗性に問題があることに因る。一方、ショアA硬度が50より大きい値の場合には、成形されたローラ表面の摩擦係数が低くなり、給紙用ローラとしての性能が十分出せないことに因る。
【0014】
上記外ダイスの内周面のローレット面は、軸線方向の台形状の凹部と細溝状の凸部が周方向に交互に連続する形状とし、上記チューブの外周面に軸線方向の台形状の凸部の間に細溝状の凹部が周方向に交互に連続するローレット面を賦形している。
ローラ外周面に設けるローレット面を上記のように凸部の表面積が大きな形状とすると、OHPフィルム等の大きなグリップ力が必要な場合に好適な形状となる。
【0015】
上記ローラ外周面に形成されるローレット面は、隣接する凹部の下頂点間のピッチが0.3mm〜2mm、好ましくは0.5mm〜1.5mm、凹部幅が0.1mm〜1mm、好ましくは0.2mm〜0.8mm、凹部の深さ(ローレット溝の深さ)は0.03〜2.0mm、好ましくは0.05〜0.5mmである。上記寸法に設定した場合、OHPフィルム等の紙送り時に十分なグリップ力が得られる程度の紙との接触面積を凸部に持たせることができる。
【0016】
本発明の方法により製造された給紙用ローラは、そのローレット面の凸部表面粗さRzを15以下、好ましくは5以下としている。
ローラ外周面の凸部表面粗さをRzが15を越えると、接紙面積が少なく、紙やフィルムとの摩擦係数が小さくなるため、OHPフィルム等の大きなグリップ力が必要な場合に、グリップ力が不足となり不送りが発生する。
【0017】
上記給紙用ローラの原料となる熱可塑性エラストマーとしては、SBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー、塩素化ポリエチレン、塩ビ系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、アイオノマー、EEA、EVA等が用いられる。
【0018】
さらに、樹脂と熱可塑性エラストマーのどちらか1成分か、または2成分以上の混合組成物の中に架橋したゴム成分を微分散した動的架橋熱可塑性エラストマーを用いても良い。
上記動的架橋熱可塑性エラストマーの成分として用いる樹脂としては、PE、PP、PA、PS、PMMA、PET、PBT、PPS、PPO、PPE、AS樹脂、ABS、POM、フッ素樹脂等が用いられる。
また、上記熱可塑性エラストマーとしては、上記したSBS、SIS〜EVA等が用いられる。
また、ゴム成分としては、EPDMが好適に用いられるが、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン等も用いられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図2は本発明のローラの製造方法に使用する押出成形装置を示す。
押出成形機10は、スクリュー式の単軸もしくは2軸の混練押出部11に筒状押出部12を連続させ、該筒状押出部12の先端に口金14を備えている。ホッパー18より原料を投入し、上記スクリュー式の混練押出機11の外筒外周面に配置したヒータ15により、原料を加熱しながら混練して筒状押出部12に押し出し、該筒状押出部12において外筒外周面のヒータ15により加熱しながらチューブ状に押し出している。
【0020】
上記筒状押出部12の先端よりチューブを口金14に押し出し、該口金14において、図2に示す内ダイス(マンドレル)12と外ダイス13の間に押し出し、チューブの外径、内径を規定すると共に、チューブ外周面に前記図1に示す形状のローレット面に賦形している。
【0021】
口金14を構成する内ダイス12は図3(A)に示すように、筒状押出部12と連続する側(X)は円錐形状に拡径し、該拡径部12aに連続してストレート部12bを備えている。また、内ダイス12に所要の空間18をあけて外嵌する外ダイス13は図3(B)に示す外観を有する円筒形状で、内ダイス12と同様に、押出機11と連続する側(X)は段状に拡径し、該拡径部13aに連続してストレート部13bを備えている。
【0022】
上記外ダイス13の内周面は、軸線方向の凹部15aと凸部15bとを周方向に交互に連続して形成したローレット面15としている。凹部15aは台形状に窪ませた凹部とし、凸部15bは細幅で突出した形状としている。
上記凹部のピッチPは0.5mm〜5.0mm(本実施形態では1.0mm)、凹部の深さDは0.05mm〜2.0mm(本実施形態で0.3mm)としている。
上記ローレット面15の表面粗さは、10点平均粗さRzを8μm以下としている。
【0023】
また、図4に示すように、押し出されるチューブ20の外周面20aとローレット面15となっている外ダイス13の内周面との最大摩擦係数が2.0以下となるように設定している。即ち、外ダイス13の内径、内ダイス12の外径、口金14に圧入されるチューブ20の外径D1と内径D2とを、外ダイス13の内周面とチューブ20の外周面との最大摩擦係数が2.0以下となるように表面設定している。
【0024】
上記外ダイス13のローレット面15としている内周面には、チューブとの摩擦係数を低くし、かつ表面の粗さを小さくするために、平滑性を有するコーテイング材16を塗布している。本実施形態ではコーテイング材としてPSL(耐腐触性ステンレス)の表面にNi−ポリテトラフルオロエチレンとの混合材であるNi−ポリテトラフルオロエチレンメッキを施している。
【0025】
上記押出成形機によるローラの製造方法を以下に説明する。
原料となる熱可塑性エラストマー組成物(本実施形態ではEPDMとスチレン系熱可塑性エラストマーの混合組成物)をホッパー18に投入し、混練押出部11で加熱しながら混練して筒状押出部12に挿入し、筒状押出部12でチューブ形状として先端に口金14に押し出している。
口金14において、内ダイス12と外ダイス13の間の筒形状の空間18内を押し出すことにより、チューブ20の内径、外径を所定寸法とし、かつ、外ダイス13の内周面のローレット面15をチューブ20の外周面に転写して、チューブ20の外周面20aに軸線方向の凹部(ローレット溝)21aと凸部21bとを周方向の連続させたローレット面21を形成している。
【0026】
上記口金14に挿入するチューブ20は、室温23℃でのショアA硬度を10以上50以下(本実施形態では35)としている。
【0027】
口金14の外ダイス13の内周面のローレット面15とチューブ20の外周面との最大摩擦係数を2.0以下と小さくしているため、高粘度の熱可塑性エラストマー・チューブであっても摩擦抵抗が大きくならずにスムーズに押し出され、摩擦抵抗により発生するチューブ表面の凹凸が小さくなるのでチューブ20の凸部21bの表面粗さRzを小さくできる。外ダイス13の内周面の表面粗さを8.0以下程度にすると、チューブ20のローレット面21の凸部21bの表面の粗さをRz15以下に低減することができる。
【0028】
また、外ダイス13の内周面にはコーテイング材16を塗布して、その表面粗さを低くしていることと相俟って、チューブ20の凸部21bの表面の平滑度を上げることができる。
【0029】
上記口金14を通ってローレット面21が賦形されたチューブ20は、口金14から押し出された後、冷却された後、所定寸法に切断されて所定寸法のローラ5とされる。該ローラ5には、図5に示すように、その中空部にシャフト6を圧入している。
【0030】
上記方法により製造された給紙用のローラ5は、その外周面に形成されたローレット面21の凸部21bの表面の粗さはRzは15以下となる。
よって、紙粉の発生量が多いOHPフィルム等を紙送りした場合においても、接紙面が平滑になり搬送力がアップして紙の不送りを防止することができる。
【0031】
以下、本発明の実施例と比較例について詳述する。
実施例1〜3及び比較例1〜5は、外ダイスの内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数と外ダイスの内周面の表面粗さRzを、表1に示すように、コーテイング材の有無およびコーテイング材の種類により変えている。
実施例1〜3、比較例1〜5は前記製造装置により製造し、外径30mm、内径25mm、幅15mmで、ローレット面の凹凸ピッチは1mm、凹部の深さは0.3mmとしている。
【0032】
【表1】
Figure 0003813480
【0033】
「外ダイス内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数の測定方法」
図6に示すように、長さ方向で半分に切断したチューブ20を、内ダイス12を取り外した外ダイス13に挿入し、該チューブ20の内周面に200gの重り22を載せた。そして、チューブ20とデジタル・フォースゲージ23を針金24を介して接続し、針金24を75mm/secの速さで引張り、チューブ20を外ダイス13から引き抜いた。その時のピーク値(gt)を測定し、ピーク値(gt)/200(g)を求めた。これを各実施例1〜3、比較例1〜5ともそれぞれにつき20回ずつ行い、20回測定した平均値をμmaxとした。
【0034】
「外ダイス内周面の表面粗さRzの測定方法」
図7に示すように、測定器(東京精密製)50より突出させた測定子51を外ダイス13の内部に挿入してローレット面を測定し、10回測定して平均値を求めた。 測定条件は測定長さを3.0mmとし、カットオフ0.8mmとした。
【0035】
「実機搭載による給紙テスト」
実機はエプソン製PM−780Cを用い、エプソン製インクジェット用OHPフィルムを1枚ずつ送り、20枚送った時の不送り枚数を測定した。
【0036】
表1に示すように、外ダイス内周面とチューブ外周面のとの間の最大摩擦係数が2.0以下であり、かつ、外ダイスの内周面の10点平均粗さRzが8.0μm以下である実施例1〜3では、不送りは1枚も発生しなかった。
これに対し、外ダイス内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数が2より大きく、かつ、外ダイス内周面の10点平均粗さRzが8.0μmより大きい比較例1においては、OHPが1枚も送られず、すべて不送りであった。
また、外ダイス内周面の10点平均粗さRzは8.0μm以下であるが、外ダイス内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数が2.0より大きい比較例2,3,4では、不送りが18枚、5枚、3枚と発生した。
さらに、外ダイス内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数が2.0以下であるが、外ダイス内周面の10点平均粗さRzが8.0μmより大きい比較例5においても、不送りが2枚発生した。
【0037】
以上の結果から、外ダイス内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数が2.0以下で、かつ、外ダイス内周面の10点平均粗さRzが8.0μm以下とすると、紙粉発生量が多いOHPフィルムでも、不送りが発生せず、給紙性能を高く維持できることが確認できた。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、押出成形機の口金を改良し、外ダイス内周面とチューブ外周面との最大摩擦係数を2以下としていることにより、ローレット面を形成した外ダイス内周面の表面粗さを8.0μm以下とすると、チューブ外周面に賦形されるローレット面の表面粗さを小さくでき、その結果、給紙用ローラとして用いた場合に、ローラと紙やフィルムとの接触面積を増大でき、摩擦係数を挙げてローラによるグリップ力を高めることができる。また、ローレット溝に入りこむ紙粉を付着させずにローラ回転時に紙粉を飛散させることができる。
よって、特にOHPフィルムのような、滑り易く、かつ、紙粉が発生しやすいフィルムや紙をおくる時に、不送りを発生させることなく給紙できるローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ローラの外周面に設けるローレット面を示す拡大図である。
【図2】 本発明のゴムローラを製造する製造装置の全体概略図である。
【図3】 (A)は口金部に用いる内ダイスの正面図、(B)は外ダイスの断面図、(C)は内ダイスと外ダイスを嵌合した状態の断面図、(D)は外ダイスの内周部の拡大断面図である。
【図4】 口金とチューブの関係を示す要部拡大断面図である。
【図5】 作成したローラにシャフトを取り付けて給紙ローラとした斜視図である。
【図6】 外ダイス内周面とチューブ外周面の間の最大摩擦係数の測定方法を示す図面である。
【図7】 外ダイス内周面のローレット面の表面粗さを測定する方法を示す図面である。
【図8】 (A)は従来の給紙用ローラの概略図、(B)は要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 ゴムローラ
2 シャフト
12 内ダイス
13 外ダイス
14 口金
15 ローレット面
15a 凹部
15b 凸部
20 チューブ
21 ローレット面
21a 凹部
21b 凸部

Claims (4)

  1. 押出成形機により熱可塑性エラストマー組成物をチューブ状に押出成形し、該押出成形機の口金の外ダイスの内周面にローレット溝を設け、該口金を通してチューブを押し出すことによりチューブの外周面にローレット面を賦形し、押出後に所定長さにカットしてローラとする給紙用ローラの製造方法であって、
    上記口金の外ダイス内周面と上記チューブの外周面との間の最大摩擦係数を2.0以下にしていると共に、該外ダイスの内周面は10点平均表面粗さRzを8μm以下としていることを特徴とする給紙用ローラの製造方法。
  2. 上記ローレット溝を賦形した外ダイスの内周面に、テフロン(登録商標)、ダイアモンドライクカーボンあるいはポリイミド組成物をコーテイングしている請求項1に記載の給紙用ローラの製造方法。
  3. 上記給紙用ローラとなる熱可塑性エラストマーチューブは、室温23℃でのショアA硬度を10以上50以下としている請求項1または請求項2に記載の給紙用ローラの製造方法。
  4. 上記外ダイスの内周面のローレット面は、軸線方向の台形状の凹部と細山状の凸部が周方向に交互に連続する形状とし、上記チューブの外周面に軸線方向の台形状の凸部の間に細溝状の凹部が周方向に交互に連続するローレット面を賦形している請求項1乃至請求項3のいずれか1項の記載の給紙用ローラの製造方法。
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