JP2004322421A - 発泡ローラの製造方法および発泡ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】同一配合材からなる単層でありながら、セル径が小さい外層とセル径の大きな内層を有する二層構造の発泡ローラを提供する。
【解決手段】発泡ゴム層の外層13のセル径が内層12のセル径よりも小さく、かつ研磨後の外層の厚みが0.1mm以上2.0mm以下であるゴム製発泡ローラの製造方法であって、発泡剤を添加した未加硫ゴムを、ムーニースコーチ試験において130℃におけるムーニー粘度が15以上30以下として、押出機から連続的に押し出してチューブ状にした後、加硫速度TC10/発泡速度TP50が0.8以上2.0以下となる加硫条件で加硫する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡ローラの製造方法及び発泡ローラに関し、コピー機、プリンター等の画像形成装置における転写ローラ、帯電ローラ、給紙ローラ等として有効に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
コピー機、プリンター等においては、トナー像を感光体から用紙に転写するための転写ローラ、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、及び転写された用紙を送るための給紙ローラ等として発泡ゴムローラが用いられている。
近年、高画質化に伴いトナーの径もより小さくなる傾向にある。そのため、転写ローラや給紙ローラを使う時に、ゴム硬度が軟らかくて、セル径が小さいローラが望まれる。
即ち、ゴム硬度が硬くなると、転写ローラの場合は感光体を傷つけたり、感光体とのニップの均一な保持が出来なくなるという問題がある。給紙ローラの場合は摩擦係数が小さくなり、紙を送らなくなるという問題がある。
また、セル径が大きくなると、紙粉やトナーがセル内に詰まって抜けなくなり、クリーニング性が悪くなり、直接に画像を乱す要因となる。
【0003】
上記発泡ゴムローラを同一配合材より成形した単層構造の発泡ローラにおいては、セル径を小さくするとゴム成分が大きくなってしまうため、ローラが硬くなる。一方、ローラを柔らかくするために、ゴムを軟らかくするとセル径が大きくなるが、セル径が大きくなると紙粉やトナーがセル内に詰まる上記問題がある。このように、セル径が小さく且つ硬度が柔らかい単層構造の発泡ゴムローラを製造することは困難であった。
【0004】
さらに、単層構造の発泡ローラにおいては、発泡ゴム層のセル径は外周面に近付くほど小さくなり、外周面に0.1mm以下のセル径が非常に小さい密集状態の表面層が生じる。しかしながら、ローラの表面を所要精度とするために表面層は研磨され、セル径の小さい上記表面層は削られ、この表面層の厚みが薄いためセル径の小さい表面層が残らず、セル径が大きい表面が露出することとなり、上記紙粉やトレーがセル内に詰まる問題を解決できない。
【0005】
上記問題に対して、従来、特許第2887922号で、ソリッド表層部を有する二層構造の発泡部材からなる転写ローラが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2887922号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許第2887922号に開示されている転写ローラでは、ローラのシャフト接触面と表面の密度がちゅ凹部より大きくなるように形成され、ソリッド表層部の肉厚を数百μmとすることが開示されている。発明の詳細な説明中には、「軸に加硫接着剤等の手段または軸との一体成形によって発泡部材が形成され」「ソリッド表層部は型中に発泡材料原液を射出注入して反応させる反応射出成型方等により形成できる」と記載されているだけであり、当業者は追試を行うことが出来ない。
しかしながら、上記のように、通常、発泡体のセルは表層に近付くほどセル径は小さくなり、このセル径の小さいソリッド表面層は非常に薄いため、ローラとして表面研磨を行うと除去されてしまう問題がある。
【0008】
また、セル径が相違する二層構造の発泡ローラを製造するため、2種類の相違する配合材料を用い、これら配合材料をそれぞれ二重押出機にて内外層に複合させて押し出し、その後、プレスや加硫缶を用いるバッチ式を採用される場合がある。
しかしながら、上記方法によると、配合材料が2種類必要となり、かつ、バッチ式により加硫して二層構造の発泡ローラを製造すると製造時間がかかり、材料費、製造手間、設備費等からコストが高くなり大きな設備投資が必要となる問題がある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、同一配合材からなる単層のゴム発泡ローラとしながら、表面のセル径が小さく且つ硬度が軟らかい発泡ローラの製造方法および発泡ローラを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、第1に、内層および外層が同一配合の発泡ゴム層からなり、外層のセル径が内層のセル径よりも小さい発泡ローラの製造方法であって、
発泡剤を添加した未加硫ゴムの130℃のムーニー粘度を15以上30以下としてチューブ状に押し出した後、
加硫速度TC10(10%加硫までの時間)/発泡速度TP50(発泡圧上昇50%での時間)が0.8以上2.0以下となる加硫条件で加硫して、
上記セル径の相違する外層と内層との2層を有することを特徴とする発泡ローラの製造方法を提供している。
【0011】
本発明者は鋭意研究の結果、上記製造方法とすることにより、同一配合材料からなる単層の発泡ゴムチューブを加硫成形する際に、セル径の小さい外層の厚さを大とし、成形後にローラとして表面が研磨されても、セル径の小さい外層をローラ表面に設けることができることを知見した。
即ち、所要温度条件後での加硫時に、発泡ゴム層の外層が内層よりも先に加熱されるため外層の温度が高くなると共に内層は温度が低くなる。本発明者は、この外層と内層の間の温度差を拡大することに着目し、温度差により発泡倍率を調整することで、セル径の小さい外層の厚みを成長させることができた。
上記した結果に基づて、本発明はなされたもので、一種類の配合からなる同一材料からなる発泡ゴム層において、セル径の小さい外層とセル径の大きな内層と二層をもうけることができ、ローラの形状を所要精度とするために外層を研磨しても、セル径の小さい外層をローラ表面に設けることができる。
【0012】
このように、本発明方法によれば、研磨後におても、セル径の小さい外層が一定の厚みで残るため、画像形成装置内で転写ローラ、帯電ローラ、給紙ローラとして用いた場合、感光体や紙に当たる外層の小さいセルに紙粉やトナーが詰まるのが防止でき、かつ、研磨量に応じて外層の厚みを調整することでセル径の大きな内層により、発泡ローラの硬さを調整して所要の軟らかさも付与することができる。内外層でセル径の相違する発泡ローラを一種類の配合材を用い、単軸押出機で形成できるため、製造コストを大幅に低減できると共に、表面のセル径が小さく且つ硬度がやわらかい高付加値の発泡ローラを提供することができる。
【0013】
上記発泡剤を添加した未加硫ゴムについて、JIS K6300記載の未加硫ゴム物理試験方法中のムーニースコーチ試験において、130℃におけるムーニー粘度ML(1+4)を15以上30以下としているのは、30より大きい場合には、硬い練り生地を発泡させるため、内層および外層のセル径が共に小さくなり、内層が所要の軟らかさに出来ないためである。一方、15より小さい場合には、純ゴム配合に近づくこととなるので、熱の拡散係数が小さくなり、加硫した際に最初に内層と外層の温度差を拡大できず、外層の厚みが薄くなり、外層を研磨すると、セル径の小さい外層を残すことができないことによる。
【0014】
また、押出機から連続的に押し出してチューブ状にした後、加硫速度TC10(10%加硫までの時間)/発泡速度TP50(発泡圧上昇50%での時間)が0.8以上2.0以下で加硫するのは、2.0より大きい場合には、外層が早く発泡し、ガスの熱拡散係数が小さくなり、加硫した際に最初に内層と外層の温度差が拡大できないからである。一方、0.8より小さい場合には、加硫速度が速くなり、硬い練り生地に発泡することとなり、発泡ローラのセル径が全体的に小さくなるからである。
【0015】
上記発泡速度TP50を0.3〜2.0分として加硫し、上記加硫後のチューブの中空部にシャフトを圧入し固着した後に、その外周面を0.5〜2mm研磨している。
上記発泡速度TP50(発泡圧上昇50%での時間)を0.3分以上2.0分以下としているのは、2.0分より遅いと、加硫速度が速くなり、硬い練り生地に発泡して、セル径が小さくなる一方、0.3分よりも速いと、加硫した際に最初に内層と外層の温度差が拡大できないからである。
【0016】
上記発泡ローラは、常法により作成でき、例えば、所要の添加剤を配合した上記未加硫ゴムの練り生地(混練物)を所要の配合でオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に投入し、100℃で1〜20分程度混練りした後、単軸押出機で中空状のチューブに予備成形し、この予備成形品を140℃以上170℃以下で缶加硫したのち、芯金(シャフト)を挿入し、加硫接着後、表面を研磨した後、所要寸法にカットしている。
加硫時間等の加硫条件は、発泡剤と発泡助剤の種類と量によって異なるが、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決定している。
【0017】
上記発泡ローラは、内層のセル径が120〜300μm、外層のセル径が20〜100μmであり、かつ、上記内層と外層の合計厚さT1に対して外層の厚さT2が10%〜50%としていることが好ましい。
【0018】
外層のセル径を20〜100μmとしているのは、100μmを越えると紙粉やトナーがセル内に入り込みやすくなるからであり、20μm未満は実際上成形できないことによる。外層のセル径は好ましくは、略30μmである。
また、内層のセル径を120〜300μmとしているのは、発泡ローラのアスカーC硬度を23〜37とすることが好ましく、120μm未満、300μmを越えると上記範囲とできないためである。内層のセル径は120〜200μmがより好ましい。
【0019】
また、ローラの厚さに対する外層の厚さT2/T1を10%〜50%としているのは、10%より小さいと研磨時に外層が残存しなくなる一方、50%を越えると、ローラの硬くなり、前記所要の硬度とならないためである。
【0020】
上記外層の厚さT2は研磨後で0.1〜2.0mm、上記合計厚さT1は4.0〜6mmとしている。
上記のように、外層の厚みは0.1mm以上2.0mm以下とし、好ましくは0.3mm以上1.3mm以下としている。0.1mm以上とするのは、通紙中にローラは紙に摩耗され、転写ローラの200K通紙耐久試験結果では200K通紙後約0.06mm摩耗されていたことより、0.1mmは最小必要値であることに因る。2.0mm以下とするのは、これを越えるとローラが感光体や紙との接触面が硬くなり過ぎることによる。
また、ローラの内層と外層との合計厚さT1を4.0〜6mmとしているのは、画像形成装置の転写ローラ、帯電ローラ、給紙ローラとして規定されている外径とシャフト外径に対応させていることによる。
【0021】
上記のように、本発明の発泡ローラは、画像形成装置内に収容されて、転写ローラ、帯電ローラあるいは/および給紙ローラとして好適に用いられる。
【0022】
本発明の発泡ローラは、導電性の発泡ローラとする場合には、ゴム組成物として、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)と特定のエチレンオキサイド量のエピクロルヒドリンゴム(ECO)を特定の混合比で混台した導電性ゴム組成物を用いている。あるいは、上記NBRやECO以外に従来よりこの種の導電性ゴム組成物のゴム成分として用いられているエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDMゴム)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム等を用いてもよい。さらに、カーボンブラックや金属粉等の導電性充填材を配合したゴム組成物も用いることができる。
【0023】
上記ゴム組成物に加硫剤とともに発泡剤を配合し、さらに、老化防止剤、補強剤、充填剤等を必要に応じて配合している。
加硫剤としては、例えば硫黄、有機含硫黄化合物の他、過酸化物なども使用可能である。有機含硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリンなどがあげられる。過酸化物としてはべンゾイルペルオキシド等を挙げることができる。なお、これらのうち、加硫とともに発泡を行う場合に加硫速度と発泡速度のバランスが良くなる点から硫黄を用いるのが好ましい。加硫剤とともに加硫促進剤を配合するの好ましく、加硫促進剤としては、例えば、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、以下に記す有機促進剤を使用することができる。有機促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン等のチアゾール系加硫促進剤や、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、プロピルアミン等の脂肪族第1アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン等の脂肪族第2アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、脂環式第1アミンと2−メルカプトペンゾチアゾールとの酸化縮合物、モリフォリン系化合物と2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物等のスルフェンアミド系加硫促進剤や、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジモノスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジモノスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系加硫促進剤や、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 (ΖnMDC) 、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチルカルバミン酸亜鉛(ΖnBDC)等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを使用することができる。また、加硫促進助剤を配合することもでき、例えば、亜鉛華などの金属化合物やステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸を用いることができる。
【0024】
上記発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、N.N−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系発泡剤が用いられる。発泡剤の配合量は組成物のゴム成分100重量部に対して3〜8重量部程度としている。これは3重量部未満では発泡が不十分になり、8重量部よりも多くなると発泡剤が加硫を阻害して、加硫が不十分になるためである。組成物を発泡体とした場合、柔軟性が向上する。よって、後述するように、組成物をチューブに成形し、該チューブに導電性シャフトを嵌入して導電性弾性ローラとし、これを例えば転写ローラに使用したときに、転写部材を押圧した時のトナー画像の乱れが生じにくく、良好な画質の画像の得ることができる。
【0025】
上記充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合するとゴム組成物の強度が向上する。
【0026】
上記老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン,N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノ一ル類などが挙げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態にかかる発泡ローラ10を示し、発泡ローラ10は円筒形状の内層11に外層12を備えた2層構造で、内装11の中空部に円柱形状の芯金(シャフト)13を取り付けている。
【0028】
内層11と外層12は同一配合からなる単層の発泡ゴム層からなる。
上記内外層の2層を有する発泡ローラ10は、発泡剤を添加した未加硫ゴムを、JIS K6300記載の未加硫ゴム物理試験方法中のムーニースコーチ試験において130℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が15以上30以下として、押出機から連続的に押し出してチューブ状にして、予備成形体を作成している。これを加硫缶にて、加硫速度TC10(10%加硫までの時間)/発泡速度TP50(発泡圧上昇50%での時間)が0.8以上2.0以下となる加硫条件で加硫して製造している。
上記加硫チューブにシャフト13を挿入し、加硫接着したのち、所要寸法に切断してローラ状とし、その後、該ローラの表面を0.1〜2.0mm研磨して発泡ローラ10を製造している。
【0029】
上記した条件で形成した発泡ローラ10は一種類の配合材からなる単層であるが、セル径が120〜300μmと大きな内層11と、セル径が20〜100μm外層13の二層構造の発泡ゴム層を有することとなる。該発泡ローラ10は表面のセル径が小さく、且つ、硬度がアスカーC型で23〜37の軟らかい発泡ローラとなり、画像形成装置の転写ローラ、帯電ローラ、給紙ローラとして好適に用いられるものとなる。
【0030】
以下、本発明の実施例1乃至4及び比較例1乃至4について詳述する。これら実施例および比較例の発泡ローラは導電性発泡ローラからなる。
【0031】
表1の配合材料(アクリロニトリルブタジエンゴムとエピクロルヒドリンゴムからなるゴム成分、酸化亜鉛、ステアリン酸、カーボンブラック、発泡剤、発泡助剤、加硫剤、加硫促進薬剤、充填剤、加工助剤)を、表1に記載の配合比でニーダに投入し、100℃で、1〜20分程度混練りした。
混練後、混練材を中空状のゴムチューブとして押し出した。
次いで、中空状のゴムチューブの予備成形体を加硫缶に充填し、160℃で、30分加硫した。其の際、加硫速度TC10/発泡速度TP50が0.8以上2.0以下となる加硫条件で加硫した。
この加硫チューブを所要長さに切断してローラ状とし、金属製のシャフト(φ8mm)を挿入し、加硫接着した。その後、発泡ローラの表面層を研磨した。
上記研磨により、目標寸法である外径16φ、内径(シャフト径)8φ、軸方向の長さ315mmの発泡ローラを得た。
【0032】
【表1】
Figure 2004322421
【0033】
表中の各配合の数値単位はゴムポリマーを合計100とした場合の重量部(%)である。
【0034】
(実施例1乃至実施例4)
実施例1乃至実施例4はいずれも、表1に示す配合成分からなる未加硫ゴムは、ムーニー粘度が実施例1では25.5、実施例2では19.4、実施例3では20.8、実施例4では17.5とし、本発明の範囲内の15以上30以下とした。 また、加硫時における上記TC10/TC50を、実施例1では1.77、実施例2では1.20、実施例3では1.37、実施例4では1.59とし、本発明の範囲内の0.8以上2.0以下とした。
外径を上記16mmとするために研磨した後の外層の厚みは、実施例1では0.3、実施例2では0.7、実施例3では1.3、実施例4では0.5であった。
上記外層のセル径は、実施例1〜実施例4はいずれも30μmであり、内層のセル径は、実施例1では200μm、実施例2では180μm、実施例3では120μm、実施例4では180μmであった。
【0035】
(比較例1乃至比較例4)
比較例1、比較例2は、表1に示す配合成分からなる未加硫ゴムは、ムーニー粘度は比較例1では32.8、比較例2では13.6で本発明の範囲外とし、比較例3、4は20.4、121.9とした。
加硫時における上記TC10/TC50を、比較例1では1.00、比較例2では1.23、比較例3では0.60、比較例4では2.49とし、比較例3、4は本発明の範囲内の0.8以上2.0以下より外した。
即ち、比較例1、2は未加硫ゴムのムーニー粘度が本発明の範囲から外れ、比較例3,4は加硫時のTC10/TC50が本発明の範囲から外した。
これら比較例1〜比較例4では、成形されたローラのセル径が小さいソリット層となる外層の厚さは0.1〜0.3mmで、外径を16mmとなるように研磨すると、セル径の小さい外層は残存せず、ローラ表面のセル径は内層と同様は50μm〜300μmとなった。
【0036】
上記実施例1乃至4及び比較例1乃至4の発泡ローラについて、後述する方法により、各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2004322421
【0038】
(ムーニー粘度試験)
JIS K6300の未加硫ゴム物理試験方法のムーニー粘度試験の記述に従って試験を行った。
【0039】
(発泡レオメーターでの測定)
ゴムサンプルを85%で充填し、一定温度で加硫させながら、同時に発泡によって、回転トルクを測定した。
TP50は発泡圧力を50%まで上昇させた時の時間を測定し、TC10は加硫トルクを10%まで上昇させた時の時間を測定した。
【0040】
(セル径の測定)
加硫後ゴムチューブを10mm幅でカットして、断面を拡大して顕微鏡で内層及び外層のセル径を測定した。
【0041】
(硬度の測定)
上記のように作製した研磨後のローラについて高分子計器(株)製のゴム硬度計「SRISO101型」を用いて500g荷重をかけたもとでの硬度(アスカーC硬度)を測定した。アスカーC硬度は23°〜37°を適正範囲としている。
【0042】
(感光体との固着性の測定)
上記のように製作したローラと感光ドラムとをニップが5mm程度に加圧接触させ、40℃、95%で10日間放置後、加圧を解除した。其の際、自重で落ちることを適正としている。
【0043】
(画像伸縮率の測定)
上記のように製作したローラでプリンター(キャノン(株)製市販品LBP1510)用転写ローラを試作し、プリンターに取り付けて、画像幅が一定のパタンを絵だしした。絵だし画像伸縮率=(絵だし画像幅−パタン幅)/パタン幅×100%として絵だし画像伸縮率を測定した。
紙サイズがA5、A4、A3で全て絵だし画像伸縮率が±1%以内を適正範囲としている。
【0044】
表2に示すように、ムーニー粘度ML(1+4)が15以上30以下であり、TC10/TP50が0.8以上2.0以下とした実施例1〜4に関しては、外層の厚みは0.1mm〜2.0mm以下となり、硬度もアスカーC硬度で23°〜37°の範囲内であり、感光体固着性も自重で落ち、画像伸縮率も±1%以内となることが確認できた。
【0045】
一方、比較例1〜4については、比較例1、2についてはムーニー粘度ML(1+4)がそれぞれ30より大きく、あるいは15より小さくしたため、また、比較例3、4についてはTC10/TP50がそれぞれ0.8より小さく、あるいは2.0より大きくしているため、発泡ローラとした際に外層が形成されなかった。
そのため、比較例1については硬度が、比較例2については画像伸縮率が、比較例3についても画像伸縮率が、比較例4については感光体との固着性が±1%外のものとなった。
【0046】
このように、実施例1〜4については、1種類の配合で内層と外層からなる二層構造の発泡ローラを製造することができるとともに、内層のセル径は大きく、外層は0.1〜2mmと薄いため、発泡ローラは所要のアスカーC硬度23〜37の範囲となり、ローラとしての所要の柔らかさを保持できる。かつ、外層のセル径は30μmと小さくなるので、紙粉やトナーがセルに詰まることを防止できる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、未加硫ゴムのムーニー粘度を15〜30とし、TC10/TP50の比率を0.8〜2.0として加硫して製造することにより、1種類の配合でセル径の小さく且つ薄い外層とセル径が大きく厚い内層を有する二層構造を有するゴム製発泡ローラが製造することが可能となる。
【0048】
さらに、本発明の製造方法によれば、1種類の配合で二層構造の発泡ゴムローラを製造することができるので、通常の単軸押出機で製造することができ、材料費、設備費、生産性の向上で、発泡ローラのコストを低減することができる。
【0049】
また、本発明の発泡ローラは、表面の外層はセル径が小さく、紙粉やトナーの詰まりがなくと共に所要の硬さを有する一方、内層はセル径が大きく所要の柔らかさを有するため、発泡ローラの全体としては所要の柔らかさを付与でき、カラー用、高画質用のレーザービームプリンター、コピー機、ファクシミリなどのOA機器における電子写真装置に使用される転写ローラ、帯電ローラ、給紙ローラ等に極めて有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の発泡ローラの概略斜視図、(B)は断面構成図である。
【符号の説明】
10 発泡ローラ
11 内層
12 外層
13 芯金

Claims (7)

  1. 内層および外層が同一配合の発泡ゴム層からなり、外層のセル径が内層のセル径よりも小さい発泡ローラの製造方法であって、
    発泡剤を添加した未加硫ゴムの130℃のムーニー粘度を15以上30以下としてチューブ状に押し出した後、
    加硫速度TC10(10%加硫までの時間)/発泡速度TP50(発泡圧上昇50%での時間)が0.8以上2.0以下となる加硫条件で加硫して、
    上記セル径の相違する外層と内層との2層を有することを特徴とする発泡ローラの製造方法。
  2. 上記発泡剤を添加した未加硫ゴムの混練材で中空状のチューブに予備成形し、
    この予備成形品を、缶加硫で140℃以上170℃以下、上記発泡速度TP50を0.3〜2.0分として加硫し、
    上記加硫後のチューブの中空部にシャフトを圧入し固着した後に、その外周面を0.51〜2mm研磨している請求項1に記載の発泡ローラの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の製造方法で製造された発泡ローラ。
  4. 内層および外層が同一配合の発泡ゴム層からなり、上記内層のセル径が120〜300μm、外層のセル径が20〜100μmであり、かつ、上記内層と外層の合計厚さT1に対して外層の厚さT2が10%〜50%である請求項3に記載の発泡ローラ。
  5. 上記外層の厚さT2は研磨後で0.1〜2.0mm、上記合計厚さT1は4.0〜6mmである請求項3または請求項4に記載の発泡ローラ。
  6. 画像形成装置内に収容されて、転写ローラ、帯電ローラあるいは/および給紙ローラとして用いられる請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の発泡ローラ。
  7. 請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の発泡ローラを備えた画像形成装置。
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