JP4125853B2 - ゴムローラの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、OA機器の給紙用ローラとして用いられるゴムローラの製造方法に関し、特に、耐摩耗性が要求される紙等の搬送物をピックアップする分離用のゴムローラの製造に適するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザープリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、ATM等の各種OA機器の給紙機構には、給紙用ゴムローラが用いられている。給紙用ゴムローラは紙・フィルム等のシートを送り出すものであるため、シートとの摩擦係数が高いことが要求される。通常、給紙ローラは、EPDM、天然ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム等のゴム材料で製造されている。
【0003】
この種のゴムローラを押出成形する場合は、押出成形機の口金部において、内側のマンドレルと外側のダイスにより構成される筒形状の空間に、ゴム原料をチューブ状に押し出し、その後、加硫して硬化させた後に、冷却、研磨を行い、ついで、所定長さにカットし、中空部に軸芯を挿入することによりゴムローラを製造している。
【0004】
詳しくは、
第一工程で、未加硫の上記ゴム材料に加硫剤やフィラー、各添加剤、加硫助剤等を加え、ニーダやバンバリー、ロール等の混練機で練る。
第二工程で、ゴム用の押出機に上記ゴム原料を投入し、チューブ状に押し出す。
第三工程で、芯棒をチューブ状の筒体に挿入して加硫缶等で加熱して加硫させる。
第四工程で、冷却し、冷却後、表面を研磨して外径寸法を合わせる。
第五工程で、所定長さにカットして製品としている。
【0005】
しかし、上記製造工程は、工程数が多いうえに、手作業の部分も多いため、全自動化を図ることは容易ではない。また、原料としてゴム材料を用い、押し出し後に加硫するため、ローラの寸法精度を出しにくい。かつ、ゴム原料からなるため押出時に、表面が荒れた状態となり、そのため、必ず表面研磨の行程が必要となり、コスト高になる等の問題が挙げられる。
【0006】
そこで、寸法精度が高く、自動化しやすくなる熱可塑性エラストマーを主成分とする樹脂材料を用い、押出成形によりゴムローラを製造する方法が特開平9−156784号で提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴムローラとして良好な性能を示す熱可塑性エラストマー材料は、高粘度のものが多く、これら高粘度の原料を使うと、押出成形が極端に困難となり、成形されたゴムローラの表面肌が荒れてしまうという問題がある。特に、高摩擦係数が要求される給紙用のゴムローラの場合、高粘度の材料の使用が必須になる。この種の高粘度材料、例えば、見かけの溶融粘度が744Pa*sec(剪断速度100/sec)のオレフィン系熱可塑性エラストマーを押出成形すると、原料を押し出す際に、押出成形機の口金部においてマンドレルおよびダイスに対する摩擦抵抗が大きくなるため、成形されたゴムローラは、その表面がササクレ状になりやすい。よって、一般的なチューブ押出機では、上記高粘度の熱可塑性エラストマーを用いて、表面平滑なゴムローラを作製することは非常に困難となっている。
【0008】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、高粘度の熱可塑性エラストマーを用いて、押出成形により表面平滑なゴムローラを成形することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、押出成形機のホッパーに原料を投入し、加熱しながら混練する工程と、
上記混練した原料をホッパーに連続した口金部に供給し、チューブ状に連続して押し出す工程と、
上記押し出された円筒状成形品を所要長さにカットする工程と、
上記カットされた円筒状成形品の中空部に軸芯を嵌め込む工程と、
のみで給紙用のゴムローラを製造しており、
上記口金部は、内側のマンドレルと外側のダイスより構成される筒形状の空間を備え、該筒形状の空間の長手方向のストレート部の長さLは60mm〜120mm、該長さLと上記ダイスの内径Dとの比率L/Dの値が2以上6以下とし、かつ、上記マンドレル外面及び上記ダイス内面の表面粗さRaの値を6μm以下0.5μm以上としており、
上記押し出し工程では、上記内側のマンドレルと外側のダイスの間の筒形状の空間に、剪断速度100/secの時の溶融粘度ηが217Pa*sec以上856Pa*sec以下である熱可塑性エラストマーを主成分とする上記混練した原料を供給して押し出し、該押し出し成形された上記円筒状成形品は表面を平滑として研磨工程を無くしていることを特徴とするゴムローラの製造方法を提供している。
【0010】
上記比率L/Dの値を2以上としているのは、L/Dの値が2より小さい場合には、押し出しする原料の内部圧力が十分に均一になる前に、原料が押し出されてしまい、ゴムローラ内部の割れや変形が生じてしまうことによる。
【0011】
また、マンドレル外面及びダイス内面の表面粗さRaの値を6μm以下としているのは、Raの値を6μm以下にすると表面に凹凸がほとんどなくなり、表面が平滑な状態となる。このため、原料を押し出す際の抵抗が減少し、原料を押し出しやすくなり、熱可塑性エラストマーのような高粘度の原料でも押出成形が可能となる。上記理由により、表面粗さRaの値は6μm以下であれば、できるだけ小さい値の方が好ましい。なお、表面粗さRaの値が6μmを超えた場合には、押出抵抗が増し、ゴムローラ表面にササクレが発生する。
【0012】
また、上記筒形状の空間のストレート部の長さLの値は60mm以上としている。これは、Lの値が60mmより小さい場合には、押し出しする原料の内部圧力が十分に均一になる前に、原料が押し出されてしまい、ゴムローラ内部の割れや変形が生じてしまうことによる。
【0013】
上記した本発明の製造方法によれば、押出製法により、剪断速度100/secの時の溶融粘度ηが217Pa*sec以上856Pa*sec以下である高粘度の熱可塑性エラストマーからなる原料で表面平滑で、摩擦係数の高いゴムローラを得ることができる。また、熱可塑性エラストマーを主成分とする原料を用いて成形しているため、従来のゴム材料を用いた場合に必要であった加硫缶での加熱による加硫工程が不要となり、かつ、その後の冷却工程も不要となる。さらに、成形されるゴムローラの表面が平滑であるため研磨工程も不要となり、工程数を削減することができる。かつ、従来のように押出工程後に加硫により硬化する場合と比較して、押出工程で形状が規定されるため、寸法精度が出し易く、精度の高いゴムローラを製造することができる。
【0014】
さらに、上記ダイスの内周面の少なくとも搬送終了部分には、軸線方向の複数の微小な溝を設けたローレット溝賦形部を設けてもよい。このローレット溝賦形部を設けると、押し出されるチューブの表面に軸線方向の溝からなるローレット模様を賦形することができる。
上記ローレット溝賦形部によりゴムローラの所要箇所にローレット溝を設けると、ローラ表面に付着する紙粉等が溝に入り込み、紙粉によるローラ表面の摩擦係止の低下を抑えることができる。
【0015】
上記マンドレルとダイスにより形成される筒形状の空間は円筒状で、押出成形機で押し出されてくるチューブは円筒形状であるが、その中空部に挿入する軸芯を断面D形状として、D形状の異形ゴムローラとすることもできる。
【0016】
上記押出成形される原料の熱可塑性エラストマーは剪断速度100/secの時の溶融粘度ηが200Pa*sec以上、具体的には217Pa*sec以上856Pa*sec以下としている。該熱可塑性エラストマーのショアA硬度は50以下10以上としていることが好ましい。
【0017】
上記剪断速度とは、押出成形時にかかる剪断速度であり、この剪断速度を基準に溶融粘度を測定している。熱可塑性エラストマーの溶融粘度が200Pa*secより小さい場合は、粘度が低いため、押出チューブにつぶれが発生し、ゴムローラが変形する。
また、熱可塑性エラストマーの硬度がショアAで50より大きい値の場合には、ゴムローラ表面の摩擦係数が低くなり、給紙用のゴムローラとしての性能が十分出せないためである。硬度が10より小さいと、押出時に、押出成形機のマンドレルとダイスの摩擦抵抗が大きくなため、成形されるローラ表面のササクレの発生し、さらに、ローラとしても、摩耗しやすく耐摩耗性に問題がある。
【0018】
原料となる熱可塑性エラストマーとしては、以下のものが好適に用いられる。
・SBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系熱可塑性エラストマー
・ 塩素化ポリエチレン、塩ビ系熱可塑性エラストマー
・ オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、アイオノマー、EEA、EVA及びこれらの混合物等
・ その他に、上記熱可塑性エラストマー及び熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂中に架橋ゴム、加硫ゴムの粒を動的架橋等の手法及び混練り手法などによって分散させた熱可塑性エラストマーを主成分とする樹脂原料。
【0019】
ゴムローラの硬度を低下させるために、ゴム中にオイルを配合している。オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイル等を用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー等を挙げることができ、特にエチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
【0020】
ゴムローラの機械的強度を向上させるために、必要に応じて、充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤はゴムローラ全体当たり10重量%以下とするのが好ましい。これは充填剤の配合はゴムの引っ張り強度及び引き裂き強度の改善には有効であるものの、余り多く配合するとゴムの柔軟性を大きく低下させるためである。
【0021】
また、ゴムローラ中には上記の配合剤以外に、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を配合することができる。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類などが挙げられる。
【0022】
また、上記ゴムローラの製造方法により製造される給紙用のゴムローラを提供している。該ゴムローラの硬度はJIS6301のA型硬度計で測定した時の硬度が15〜45、好ましくは20〜40の範囲としている。この範囲とすると、ゴムローラを比較的小さな接圧力で紙に押し付けてもゴムローラが十分に変形し、紙との間に大きな接触面積を得ることができる。
【0023】
また、ゴムローラは筒形状に成形した状態で、その肉厚は1mm〜8mm、好ましくは1.5mm〜5mmとしている。これは、ゴムローラの硬度との兼ね合いにもよるが、肉厚を小さくし過ぎると、ゴムローラが変形しても紙との間に大きな接触面積が形成されにくい。一方、肉厚が大きすぎると、ローラを変形させるためにはゴムローラへの接圧力を大きくしなければならず、ゴムローラを下記に圧接させるための機構が大型化する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る製造方法によって製造された給紙用のD形状の異形ゴムローラ1を示す。このゴムローラ1は、熱可塑性エラストマーを主成分とする樹脂原料で、丸形に押し出し成形しており、その中空部にD字形の軸芯2に圧入あるいは両者を接着剤で接合して固定している。
【0025】
図2は上記給紙用ゴムローラ1をインクジェット式プリンターの給紙ローラに適用した模式図であり、ゴムローラ1に対向するように分離パッド3が設けられている。軸芯2を矢印方向に回転させると、ゴムローラ1も回転して、最上面にある紙4を巻き込み、ゴムローラ1とパッド3との隙間を通過させて、プリンターの内部に紙4が供給する。紙4が切れた場合には、ゴムローラ1がパッド3に擦動する。よって、ゴムローラ1には耐摩耗性が要求されると共に摩擦係数が高いことが要求される。
【0026】
上記ゴムローラ1の製造方法の第1実施形態を、図3に示す。
本実施形態において使用する押出成形機10は、スクリュー式の単軸もしくは2軸の押出機11の先端に、口金部14を備えている。ホッパー18より原料を投入し、上記したスクリュー式の押出機11の外筒外周面に配置したヒータ15により、原料を加熱しながら混練して、混練りした原料を口金部14に供給し、チューブ19を押し出している。
【0027】
上記口金部14は、図4に示すように、マンドレル12にダイス13を所要の空間をあけて外嵌するような構成となっている。上記口金部14を構成するマンドレル12は図4(A)に示す如く、押出機と連続する側(X)は円錐形状に拡径し、該拡径部12aに連続してストレート部12bを備えている。また、該マンドレル12に所要の空間をあけて外嵌するダイス13は図4(B)に示す外観を有する円筒形状で、マンドレル12と同様に、押出機と連続する側(X)は段状に拡径し、該拡径部13aに連続してストレート部13bを備えている。
【0028】
上記マンドレル12のストレート部12bとダイス13のストレート部13bとで形成される図4(C)に示す筒形状の空間20の長さLは、L≧60mm、ダイス13の内径Dとは、L/D≧2の関係に設定している。なお、本実施形態では、Lを120mm、Dを30mmとし、L/D=4としている。
【0029】
また、上記筒形状の空間20を囲むダイス13の内周面13cとマンドレル12の外周面12cは表面を研磨して、その表面粗さRaを0.6μm以下の0.5μmとしている。
なお、本実施形態では、マンドレル12およびダイス13はSUS304で形成している。
【0030】
上記マンドレル12とダイス13とからなる口金部14を備えた押出成形機10によるゴムローラの成形は、まず、熱可塑性エラストマーを主成分とし、その他色付マスターバッチ等の各種添加剤からなる全ての原料を、ホッパー18に投入し、押出機11で加熱しながら混練して、口金部14に押し出している。口金部14において、マンドレル12とダイス13の間の筒形状の空間20内を押し出すことにより、寸法を規定し、かつ、その表面を平滑化している。口金部14より押し出された円筒状成形品を所要長さにカットし、D字形の軸芯にはめ込んで、D字形のゴムローラを作製している。
【0031】
図5(A)(B)は第2実施形態を示し、口金部14を構成するダイス13’には、そのストレート部13b’の内周面に、軸線方向の微小な溝13d’を凹設して、ローレット溝賦形部13e’を設けている。なお、ダイス13’の内周面に上記溝13d’を設けているが、該溝の内周面を含む、筒形状の空間20を囲んでいる、ダイス13’の内周面は、第1実施形態と同様に表面粗さRaを0.6μm以下としている。
【0032】
上記ローレット溝賦形部13e’をダイス13’の内周面に設けると、押し出される成形されるローラの外周面に軸線方向の微小な溝からなるローレット溝を賦形することができる。
【0033】
以下に、上記実施形態の装置でゴムローラを製造した実施例1〜6及び比較例1〜3について説明する。実施例1〜6、比較例1〜3は下記の表1に示すように、成形する原料の種類および配合量、押出成形機の口金部のダイスとマンドレルの寸法条件を変えている。
なお、実施例および比較例のダイスは第1実施形態の形状で、その内周面にはローレット賦形溝は設けていない。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例1)
ゴム原料として、PP(ポリプロピレン)とスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物中にEPDMゴムを分散させた熱可塑性エラストマーを主成分とする原料として用い、下記配合比とした。
PP/スチレン系熱可塑性エラストマー/EPDM=比率20/70/100
PP(日本ポリケム社製 ノバテックPP BC6)
スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製 セプトン4055)
EPDM(住友化学工業(株)製 エスプレン670F)
上記材料を用い、ゴムローラを作製した。
上記熱可塑性エラストマーを主成分とする原料を、第1実施形態の口金を取り付けた押出成形機の2軸押出機(HTM−38(アイペック(株)製))に投入し、160℃〜200℃に加熱しながら混練して、原料を口金部よりチューブ状に押し出し、外径φ30mm、内径φ25mmの円管状のローラを得た。これを長さ15mmにカットして、D字形の軸芯にはめ込んで、D字形のゴムローラを作製した。
【0036】
(実施例2)
原料は実施例1と同様の配合であり、押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=180mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=6とした。マンドレル表面及びダイス内面を磨いて、その表面粗さRa=0.5とした。
【0037】
(実施例3)
原料は実施例1と同様の配合であり、押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=60mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=2とした。マンドレル表面及びダイス内面を磨いて、その表面粗さRa=0.5とした。
【0038】
(実施例4)
原料は実施例1と同様の配合であり、押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=60mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=2とした。マンドレル表面及びダイス内面を磨いて、その表面粗さRa=6とした。
【0039】
(実施例5)
原料として、スチレン系熱可塑性エラストマーSEPS樹脂(セプトン CJ−001 (株)クラレ製)を用いた。
押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=120mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=4とした。マンドレル表面及びダイス内面を磨いて、その表面粗さRa=0.5とした。
【0040】
(実施例6)
原料として、PP(ポリプロピレン)とスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物中にEPDMゴムを分散させた熱可塑性エラストマーを主成分とするゴム材料を用い、下記配合比で使用した。
PP/スチレン系熱可塑性エラストマー/EPDM=比率20/70/100
PP(日本ポリケム社製 ノバテックPP BC6)
スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製 セプトン4055)
EPDM(住友化学工業(株)製 エスプレン670F)
なお、パラフィン油を減量して、ショア硬度Hsを調整している。
押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=120mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=4とした。マンドレル表面及びダイス内面を磨いて、その表面粗さRa=0.5とした。
【0041】
(比較例1)
原料は実施例1と同様の配合であり、押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=120mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=4とした。マンドレル表面及びダイス内面はワイヤーカット(放電加工)のままとし、表面粗さRa=10とした。
【0042】
(比較例2)
原料は実施例1と同様の配合であり、押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=30mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=1とした。マンドレル表面及びダイス内面を磨いて、その表面粗さRa=0.5とした。
【0043】
(比較例3)
原料として、スチレン系熱可塑性エラストマーSEPS樹脂(セプトン SC−669 (株)クラレ製)を用いた。
押出成形機の口金部分において、筒形状の空間の長さL=120mm、ダイスの押出口の内径D=30mm、L/D=4とした。マンドレル表面及びダイス内面はワイヤーカット(放電加工)のままとし、表面粗さRa=10とした。
【0044】
実施例1〜6及び比較例1〜3で作製したゴムローラにおいて、まず、目視でゴムローラ500mm分の表面を観察し、ササクレの有無を確認した。次に、実体顕微鏡でゴムローラ100mm分の表面を観察し、ササクレの有無を確認し、ササクレがないものをOKとした。上記観察結果を上記表1に示す。
【0045】
表1に示すように、実施例1〜6のゴムローラでは、表面にササクレは発生せず、良好な表面状態のゴムローラが得られていることが確認できた。また、比較例1、2のゴムローラでは、表面にササクレが発生し、表面肌が荒れていた。比較例3のゴムローラは粘度が低いため、押出チューブにつぶれが発生し、変形した。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の製造方法でゴムローラを成形すると、押出成形機の口金部の押出用空間の長さLとダイスの内径Dとの比率L/Dの値を2以上とし、かつ、マンドレル表面及びダイス内面の表面粗さRaを6μm以下としているため、高粘度の熱可塑性エラストマーを主成分とする原料を用いて押出成形しても、原料を押し出す際の抵抗が少なくなるため、押し出しやすくなり、表面を荒らすことなく押し出し成形が可能となる。
【0047】
よって、成形したゴムローラ表面のササクレの発生を抑えることができ、ゴムローラの表面肌が平滑で、かつ、摩擦係数が高いゴムローラを得ることができ、その結果、従来必要とされた表面の研磨工程を削減でき、ゴムローラの製造工程を簡略化することができる。
さらに、原料押出成形の口金部で、ダイスとマンドレルの間の空間を通して押し出しているため、成形されるローラの寸法精度を上げることができる。即ち、従来のゴム材料で製造する場合に必要であった加硫缶での加硫工程がなくなるため、寸法精度が向上し、品質のよいゴムローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るゴムローラの製造方法により製造されたゴムローラの斜視図である。
【図2】 上記ゴムローラをプリンターに適用した状態を示す模式図である。
【図3】 本発明のゴムローラの製造方法に使用する製造装置の全体概略図である。
【図4】 (A)は口金部に用いるマンドレルの正面図、(B)はダイスの断面図、(C)はマンドレルとダイスを嵌合した状態の断面図である。
【図5】 (A)(B)は第2実施形態の製造方法に使用する製造装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゴムローラ
2 軸芯
11 押出機
12 マンドレル
12b ストレート部
13 ダイス
13b ストレート部
20 筒形状の空間
Claims (2)
- 押出成形機のホッパーに原料を投入し、加熱しながら混練する工程と、
上記混練した原料をホッパーに連続した口金部に供給し、チューブ状に連続して押し出す工程と、
上記押し出された円筒状成形品を所要長さにカットする工程と、
上記カットされた円筒状成形品の中空部に軸芯を嵌め込む工程と、
のみで給紙用のゴムローラを製造しており、
上記口金部は、内側のマンドレルと外側のダイスより構成される筒形状の空間を備え、該筒形状の空間の長手方向のストレート部の長さLは60mm〜120mm、該長さLと上記ダイスの内径Dとの比率L/Dの値が2以上6以下とし、かつ、上記マンドレル外面及び上記ダイス内面の表面粗さRaの値を6μm以下0.5μm以上としており、
上記押し出し工程では、上記内側のマンドレルと外側のダイスの間の筒形状の空間に、剪断速度100/secの時の溶融粘度ηが217Pa*sec以上856Pa*sec以下である熱可塑性エラストマーを主成分とする上記混練した原料を供給して押し出し、該押し出し成形された上記円筒状成形品は表面を平滑として研磨工程を無くしていることを特徴とするゴムローラの製造方法。 - 上記ストレート部のダイスの内周面に軸線方向の溝からなるローレット溝賦形部を設けており、外周面にローレット溝を設けた円筒状成形品として口金部から押し出している請求項1に記載のゴムローラの製造方法。
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