JP2001199569A - 給紙用異形ローラ - Google Patents
給紙用異形ローラInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 D形状の給紙ローラにおいて、磨耗の激しい
搬送終了部分の磨耗を低減する。 【解決手段】 直線状外周面と円弧状外周面とを連続さ
せたD形状で、直線状外周面と円弧状外周面との連続端
の一端がピックアップ部分を構成すると共に他端が搬送
終了位置となり、円弧状外周面が搬送部分となる給紙用
異形ローラにおいて、搬送終了位置から円弧状外周面の
搬送部分にかけた搬送終了部分Yと他の主要搬送部分と
は素材あるいは/および模様を相違させ、搬送終了部分
の素材、模様を耐磨耗性の優れたものとしている。
搬送終了部分の磨耗を低減する。 【解決手段】 直線状外周面と円弧状外周面とを連続さ
せたD形状で、直線状外周面と円弧状外周面との連続端
の一端がピックアップ部分を構成すると共に他端が搬送
終了位置となり、円弧状外周面が搬送部分となる給紙用
異形ローラにおいて、搬送終了位置から円弧状外周面の
搬送部分にかけた搬送終了部分Yと他の主要搬送部分と
は素材あるいは/および模様を相違させ、搬送終了部分
の素材、模様を耐磨耗性の優れたものとしている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンターや複写
機等の給紙機構の給紙用ローラとして用いられるゴムあ
るいはエラストマーからなる異形ローラに関し、特に、
摩耗の激しい部分の耐摩耗性の向上を図るものである。
機等の給紙機構の給紙用ローラとして用いられるゴムあ
るいはエラストマーからなる異形ローラに関し、特に、
摩耗の激しい部分の耐摩耗性の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】レーザープリンター,静電式複写機、普
通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等の
給紙機構にはゴムローラからなる給紙ローラが用いられ
ている。この給紙ローラは、紙、フィルム等を送るもの
であるため、紙等の用紙との摩擦係数が高いことが要求
されると共に、高精度の紙送りを長期間保証するために
耐摩耗性が要求される。
通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等の
給紙機構にはゴムローラからなる給紙ローラが用いられ
ている。この給紙ローラは、紙、フィルム等を送るもの
であるため、紙等の用紙との摩擦係数が高いことが要求
されると共に、高精度の紙送りを長期間保証するために
耐摩耗性が要求される。
【0003】この種の給紙用ゴムローラとして、図5に
示すように、ピックアップ部分と搬送部分とを分けて構
成する場合、円筒形状に成形したローラの中空部にD形
状の芯材2を圧入することにより円筒形状のゴムローラ
を芯材2の断面形状に添わせたD形状とした異形ゴムロ
ーラ1としている。この直線状外周面1aと円弧状外周
面1bとを連続させたD形状異の形ゴムローラ1は、図
6に示すように給紙機構において、直線状外周面1aと
円弧状外周面1bとのエッジとなる連続端1c、1dの
うち、一端1cが紙3をピックアップするピックアップ
部分Xを構成すると共に、他端1dが搬送終了位置とな
り、上記ピックアップ部分Xを除く円弧状外周面が搬送
部分となる。この搬送部分のうち、搬送終了位置となる
他端1dから搬送部分にかけての所要領域が搬送終了部
分Yとなり、 他の領域が主要搬送部分Zとなる。
示すように、ピックアップ部分と搬送部分とを分けて構
成する場合、円筒形状に成形したローラの中空部にD形
状の芯材2を圧入することにより円筒形状のゴムローラ
を芯材2の断面形状に添わせたD形状とした異形ゴムロ
ーラ1としている。この直線状外周面1aと円弧状外周
面1bとを連続させたD形状異の形ゴムローラ1は、図
6に示すように給紙機構において、直線状外周面1aと
円弧状外周面1bとのエッジとなる連続端1c、1dの
うち、一端1cが紙3をピックアップするピックアップ
部分Xを構成すると共に、他端1dが搬送終了位置とな
り、上記ピックアップ部分Xを除く円弧状外周面が搬送
部分となる。この搬送部分のうち、搬送終了位置となる
他端1dから搬送部分にかけての所要領域が搬送終了部
分Yとなり、 他の領域が主要搬送部分Zとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記異形ローラの場
合、搬送終了部分Yは給紙用ローラ1の次の工程のロー
ラ(レジストロール、プラテンロール等)5が回転を始
める瞬間、まだ、該ローラ5により搬送される紙3に接
触して従動して回転している。給紙用ローラ1の周速と
次ぎのローラ5の周速とは、紙3が弛まないように、ロ
ーラ5の周速がローラ1の周速の方が早くなっている。
そのため、紙3とローラ1の搬送終了部分Yとの間にス
リップが発生し、この搬送終了部分Yの表面摩耗が激し
くなっている。
合、搬送終了部分Yは給紙用ローラ1の次の工程のロー
ラ(レジストロール、プラテンロール等)5が回転を始
める瞬間、まだ、該ローラ5により搬送される紙3に接
触して従動して回転している。給紙用ローラ1の周速と
次ぎのローラ5の周速とは、紙3が弛まないように、ロ
ーラ5の周速がローラ1の周速の方が早くなっている。
そのため、紙3とローラ1の搬送終了部分Yとの間にス
リップが発生し、この搬送終了部分Yの表面摩耗が激し
くなっている。
【0005】上記D形状の異形ローラを含め、この種の
ゴムローラからなる給紙用ローラは、コストおよび製法
の問題より単一の素材で形成しており、よって、ローラ
の素材を周方向で部分的に異ならせているものはなく、
全周は同一素材および同一形状となっており、その結
果、耐摩耗性も均質となっている。
ゴムローラからなる給紙用ローラは、コストおよび製法
の問題より単一の素材で形成しており、よって、ローラ
の素材を周方向で部分的に異ならせているものはなく、
全周は同一素材および同一形状となっており、その結
果、耐摩耗性も均質となっている。
【0006】そのため、特に摩耗の激しい搬送終了部分
Yは他の主要搬送部分Zよりも摩耗量が多くなり、搬送
能力が部分的に低下し、その結果、ローラの寿命が短く
なる問題がある。
Yは他の主要搬送部分Zよりも摩耗量が多くなり、搬送
能力が部分的に低下し、その結果、ローラの寿命が短く
なる問題がある。
【0007】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、部分的に摩耗が激しい搬送終了部分の領域の摩耗
量を低減し、ローラの耐久性を高めて、寿命を長くする
ことを課題としている。
ので、部分的に摩耗が激しい搬送終了部分の領域の摩耗
量を低減し、ローラの耐久性を高めて、寿命を長くする
ことを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、直線状外周面と円弧状外周面とを連続さ
せたD形状で、直線状外周面と円弧状外周面との連続端
の一端がピックアップ部分を構成すると共に他端が搬送
終了位置となり、円弧状外周面が搬送部分となる給紙用
異形ローラにおいて、上記搬送終了位置から円弧状外周
面の搬送部分にかけた搬送終了部分と他の部分とは素材
あるいは/および表面模様を相違させ、搬送終了部分の
素材、表面模様を他の部分の素材、表面模様よりも耐摩
耗性を持つ構成としていることを特徴とする給紙用異形
ローラを提供している。
め、本発明は、直線状外周面と円弧状外周面とを連続さ
せたD形状で、直線状外周面と円弧状外周面との連続端
の一端がピックアップ部分を構成すると共に他端が搬送
終了位置となり、円弧状外周面が搬送部分となる給紙用
異形ローラにおいて、上記搬送終了位置から円弧状外周
面の搬送部分にかけた搬送終了部分と他の部分とは素材
あるいは/および表面模様を相違させ、搬送終了部分の
素材、表面模様を他の部分の素材、表面模様よりも耐摩
耗性を持つ構成としていることを特徴とする給紙用異形
ローラを提供している。
【0009】このように、磨耗の激しい搬送終了部分
は、主要搬送部分を含む他の部分よりも耐磨耗性が優れ
た素材を用いて形成し、磨耗を低減することにより、ロ
ーラ全体の耐久性を高めている。あるいは、搬送終了部
分は表面模様を他の部分の表面模様よりは耐磨耗性を有
する模様として耐久性を高めている。なお、素材と表面
模様の両方を変えても良いことは言うまでもない。
は、主要搬送部分を含む他の部分よりも耐磨耗性が優れ
た素材を用いて形成し、磨耗を低減することにより、ロ
ーラ全体の耐久性を高めている。あるいは、搬送終了部
分は表面模様を他の部分の表面模様よりは耐磨耗性を有
する模様として耐久性を高めている。なお、素材と表面
模様の両方を変えても良いことは言うまでもない。
【0010】上記ローラの素材を変える場合には、搬送
終了部分および他の部分とも、その素材として、熱可塑
性エラストマーが好適に用いられる。該熱可塑性エラス
トマーとしては、SBS、SIS、SEBS等のスチレ
ン系エラストマー、塩素化ポリエチリン、塩ビ系エラス
トマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラス
トマー、エステル系エラストマー、アラミド系エラスト
マー、アイオノマー、EEA、EVA等が用いられる。
終了部分および他の部分とも、その素材として、熱可塑
性エラストマーが好適に用いられる。該熱可塑性エラス
トマーとしては、SBS、SIS、SEBS等のスチレ
ン系エラストマー、塩素化ポリエチリン、塩ビ系エラス
トマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラス
トマー、エステル系エラストマー、アラミド系エラスト
マー、アイオノマー、EEA、EVA等が用いられる。
【0011】なお、上記熱可塑性エラストマーに限ら
ず、熱可塑性エラストマー以外の素材としては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、アセ
タール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ
素樹脂、ポリフェニレンエーテル等も用いられる。
ず、熱可塑性エラストマー以外の素材としては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、アセ
タール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ
素樹脂、ポリフェニレンエーテル等も用いられる。
【0012】さらに、上記熱可塑性エラストマーおよび
上記他の熱可塑性樹脂中に、架橋ゴム、加硫ゴムの粒を
動的架橋等の手法および混練り手法などによって分散さ
せた素材も用いられる。
上記他の熱可塑性樹脂中に、架橋ゴム、加硫ゴムの粒を
動的架橋等の手法および混練り手法などによって分散さ
せた素材も用いられる。
【0013】ローラの搬送終了部分と他の部分の素材を
変える場合、具体的には、例えば、搬送終了部分には高
い分子量のスチレン系SEPS樹脂を用いる一方、他の
部分には低分子量のスチレン系SEPS樹脂とを用いて
耐磨耗性を相違させてもよい。 また、上記列挙した熱
可塑性エラストマーあるいはそれ以外の熱可塑性樹脂の
うち、耐磨耗性が相違する異種の素材を組み合わせて用
いてもよい。例えば、搬送終了部分には低硬度エラスト
マー(SBS、SIS、SEDS等、オレフィン系エラ
ストマー)を用い、他の部分にはやや硬めのエラストマ
ー(エステル系、ウレタン系、アラミド系)やポリプロ
ピレン、ABS等の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
変える場合、具体的には、例えば、搬送終了部分には高
い分子量のスチレン系SEPS樹脂を用いる一方、他の
部分には低分子量のスチレン系SEPS樹脂とを用いて
耐磨耗性を相違させてもよい。 また、上記列挙した熱
可塑性エラストマーあるいはそれ以外の熱可塑性樹脂の
うち、耐磨耗性が相違する異種の素材を組み合わせて用
いてもよい。例えば、搬送終了部分には低硬度エラスト
マー(SBS、SIS、SEDS等、オレフィン系エラ
ストマー)を用い、他の部分にはやや硬めのエラストマ
ー(エステル系、ウレタン系、アラミド系)やポリプロ
ピレン、ABS等の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
【0014】上記相違する素材を用いてローラを成形す
る場合、2色インジェクション成形あるいは2色押出成
形からなる2色成形している。例えば、熱可塑性エラス
トマーを用いて2色インジョクション成形の場合は、ロ
ーラ搬送終了部分と、それ以外の部分に分けて同時成形
している。加硫ゴムを用いる場合は2色押出で成形して
いる。上記熱可塑性エラストマーを素材として用いる場
合も2色押出で成形しても良い。
る場合、2色インジェクション成形あるいは2色押出成
形からなる2色成形している。例えば、熱可塑性エラス
トマーを用いて2色インジョクション成形の場合は、ロ
ーラ搬送終了部分と、それ以外の部分に分けて同時成形
している。加硫ゴムを用いる場合は2色押出で成形して
いる。上記熱可塑性エラストマーを素材として用いる場
合も2色押出で成形しても良い。
【0015】また、上記のように、搬送終了位置から円
弧状外周面の搬送部分にかけた搬送終了部分と、他の部
分とは、素材を変えずに、表面模様のみを相違させ、搬
送終了部分の模様は他の部分の模様よりも耐摩耗性を持
つ模様としてもよい。
弧状外周面の搬送部分にかけた搬送終了部分と、他の部
分とは、素材を変えずに、表面模様のみを相違させ、搬
送終了部分の模様は他の部分の模様よりも耐摩耗性を持
つ模様としてもよい。
【0016】即ち、この場合、ローラは全周を同一素材
とする。この素材としては、ゴムあるいは熱可塑性エラ
ストマーが用いられる。ゴムを素材とする場合、EPD
M,NR(天然ゴム),BR(ブタジエンゴム),IR
(イソプレンゴム),IIR(ブチルゴム),シリコー
ンゴム、ノーソレックス、NBR,SBR(スチレンブ
タジエンゴム),CR(クロロプレンゴム),ACM,
フッ素系ゴム、CO、ECO,多硫化ゴム、ウレンタン
ゴムおよびこれらのブレンド等からなるゴムが用いられ
る。また、エラストマーを素材とする場合には、熱可塑
性エラストマーが好適に用いられる。該熱可塑性エラス
トマーとしては、SBS、SIS、SEBS等のスチレ
ン系エラストマー、塩素化ポリエチリン、塩ビ系エラス
トマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラス
トマー、エステル系エラストマー、アラミド系エラスト
マー、アイオノマー、EEA、EVA、およびこれらの
ブレンド物が用いられる。その他に上記エラストマーお
よびエラストマー以外の熱可塑性樹脂中に架橋ゴム、加
硫ゴムの粒を動的架橋等の手法および混練り手法などに
よって分散させたエラストマーを用いることができる。
とする。この素材としては、ゴムあるいは熱可塑性エラ
ストマーが用いられる。ゴムを素材とする場合、EPD
M,NR(天然ゴム),BR(ブタジエンゴム),IR
(イソプレンゴム),IIR(ブチルゴム),シリコー
ンゴム、ノーソレックス、NBR,SBR(スチレンブ
タジエンゴム),CR(クロロプレンゴム),ACM,
フッ素系ゴム、CO、ECO,多硫化ゴム、ウレンタン
ゴムおよびこれらのブレンド等からなるゴムが用いられ
る。また、エラストマーを素材とする場合には、熱可塑
性エラストマーが好適に用いられる。該熱可塑性エラス
トマーとしては、SBS、SIS、SEBS等のスチレ
ン系エラストマー、塩素化ポリエチリン、塩ビ系エラス
トマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラス
トマー、エステル系エラストマー、アラミド系エラスト
マー、アイオノマー、EEA、EVA、およびこれらの
ブレンド物が用いられる。その他に上記エラストマーお
よびエラストマー以外の熱可塑性樹脂中に架橋ゴム、加
硫ゴムの粒を動的架橋等の手法および混練り手法などに
よって分散させたエラストマーを用いることができる。
【0017】上記ローラの表面に模様を付ける手法とし
ては、例えば、素材を円筒形状のローラとして成形した
後、成形された円筒状ゴムローラをトランスファー成形
機で外周面をプレスして、プレス型の表面模様で搬送終
了部分と他の部分との外周面に相違する形状を賦形して
いる。例えば、搬送終了部分の外周面は梨地模様とする
一方、他の部分の外周面はR=0.2のローレット模様
やシボ模様としている。
ては、例えば、素材を円筒形状のローラとして成形した
後、成形された円筒状ゴムローラをトランスファー成形
機で外周面をプレスして、プレス型の表面模様で搬送終
了部分と他の部分との外周面に相違する形状を賦形して
いる。例えば、搬送終了部分の外周面は梨地模様とする
一方、他の部分の外周面はR=0.2のローレット模様
やシボ模様としている。
【0018】搬送終了部分に付する模様を梨地模様とす
ると、ローレットやシボ模様と比較して表面に凹凸が小
さいため耐磨耗性を上げることができる。これに対して
ローレットやシボ模様を施して表面に凹凸を付けると凸
部に応力が集中して磨耗が激しくなる。このように、磨
耗の激しい搬送終了部分は磨耗しにくい形状とする一
方、搬送終了部分よりは磨耗しにくい他の部分は磨耗し
やすい形状として、搬送終了部分と他の部分の磨耗量が
略同一となるようにしている。さらに、主要搬送部分を
含む他の部分をローレットやシボ模様とすると、通紙時
に紙粉の影響が少なく、紙粉による紙のノンフィード現
象を発生させにくい。一方、この主要搬送部分を搬送終
了部分と同一の梨地とすると通紙時に紙粉の影響を受け
やすく、ノンフィードを起こしやすくなるが、搬送終了
部分の外周面のみを梨地としているため、搬送機能を低
下させない。
ると、ローレットやシボ模様と比較して表面に凹凸が小
さいため耐磨耗性を上げることができる。これに対して
ローレットやシボ模様を施して表面に凹凸を付けると凸
部に応力が集中して磨耗が激しくなる。このように、磨
耗の激しい搬送終了部分は磨耗しにくい形状とする一
方、搬送終了部分よりは磨耗しにくい他の部分は磨耗し
やすい形状として、搬送終了部分と他の部分の磨耗量が
略同一となるようにしている。さらに、主要搬送部分を
含む他の部分をローレットやシボ模様とすると、通紙時
に紙粉の影響が少なく、紙粉による紙のノンフィード現
象を発生させにくい。一方、この主要搬送部分を搬送終
了部分と同一の梨地とすると通紙時に紙粉の影響を受け
やすく、ノンフィードを起こしやすくなるが、搬送終了
部分の外周面のみを梨地としているため、搬送機能を低
下させない。
【0019】上記搬送終了部分は搬送終了位置から主要
搬送部分側へ、5゜〜120゜、好ましくは10°〜4
5゜の範囲としている。また、ローラは円筒状に成形し
た後に、この円筒状ローラを所要長さにカットし、その
後、中空にD字形の軸芯をはめ込み、ローラもD字形と
している。このローラの肉厚は1mm〜8mm、好まし
くは1.5mm〜5mmとしている。この厚さは、ゴム
ローラの硬度との兼ね合いにもよるが、肉厚が小さ過ぎ
ると、ゴムローラが変形しても紙との間に大きな接触面
積が形成されにくい。一方、肉厚が大きすぎると、ロー
ラを変形させるためにはゴムローラの紙への圧接力を大
きくしなければならず、ゴムローラを紙に圧接するため
の機構が大型化し、かつ、コスト高になるためである。
搬送部分側へ、5゜〜120゜、好ましくは10°〜4
5゜の範囲としている。また、ローラは円筒状に成形し
た後に、この円筒状ローラを所要長さにカットし、その
後、中空にD字形の軸芯をはめ込み、ローラもD字形と
している。このローラの肉厚は1mm〜8mm、好まし
くは1.5mm〜5mmとしている。この厚さは、ゴム
ローラの硬度との兼ね合いにもよるが、肉厚が小さ過ぎ
ると、ゴムローラが変形しても紙との間に大きな接触面
積が形成されにくい。一方、肉厚が大きすぎると、ロー
ラを変形させるためにはゴムローラの紙への圧接力を大
きくしなければならず、ゴムローラを紙に圧接するため
の機構が大型化し、かつ、コスト高になるためである。
【0020】上記ローラがゴムローラからなる場合、そ
の硬度を低下させるために、ゴム中にオイルを配合して
いる。オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳
香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ
自体公知の合成油、またはプロセスオイル等を用いるこ
とができる。合成油としては、例えば、α−オレフィン
のオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オ
レフィンのオリゴマー等を挙げることができ、特にエチ
レンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好まし
い。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート
(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチ
ルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DO
A)等を用いることができる。
の硬度を低下させるために、ゴム中にオイルを配合して
いる。オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳
香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ
自体公知の合成油、またはプロセスオイル等を用いるこ
とができる。合成油としては、例えば、α−オレフィン
のオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オ
レフィンのオリゴマー等を挙げることができ、特にエチ
レンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好まし
い。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート
(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチ
ルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DO
A)等を用いることができる。
【0021】ゴムローラの機械的強度を向上させるため
に、必要に応じて、充填剤を配合することができる。充
填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、ク
レー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を
配合する場合、充填剤はゴムローラ全体当たり10重量
%以下とするのが好ましい。これは充填剤の配合はゴム
の引っ張り強度及び引き裂き強度の改善には有効である
ものの、余り多く配合するとゴムの柔軟性を大きく低下
させるためである。
に、必要に応じて、充填剤を配合することができる。充
填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、ク
レー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を
配合する場合、充填剤はゴムローラ全体当たり10重量
%以下とするのが好ましい。これは充填剤の配合はゴム
の引っ張り強度及び引き裂き強度の改善には有効である
ものの、余り多く配合するとゴムの柔軟性を大きく低下
させるためである。
【0022】また、ゴムローラ中には上記の配合剤以外
に、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を配合する
ことができる。老化防止剤としては、例えば、2−メル
カプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類など
が挙げられる。
に、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を配合する
ことができる。老化防止剤としては、例えば、2−メル
カプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類など
が挙げられる。
【0023】上記ローラの硬度はJIS6301のA型
硬度計で測定した時の硬度が一般に15〜60、好まし
くは20〜50の範囲としている。この範囲とすると、
ローラを比較的小さな圧接力で紙に押付けてもローラが
充分に変形し、紙との間に大きな接触面積を得ることが
できる。
硬度計で測定した時の硬度が一般に15〜60、好まし
くは20〜50の範囲としている。この範囲とすると、
ローラを比較的小さな圧接力で紙に押付けてもローラが
充分に変形し、紙との間に大きな接触面積を得ることが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1(A)(B)は第一実施形態の給紙用ロ
ーラを示し、該給紙用ローラ10は熱可塑性エラストマ
ーを2色インジェクション成形で円筒形状として形成
し、その中空部にD字形の軸芯11に圧入あるいは両者
を接着剤で接合して固定している。
説明する。図1(A)(B)は第一実施形態の給紙用ロ
ーラを示し、該給紙用ローラ10は熱可塑性エラストマ
ーを2色インジェクション成形で円筒形状として形成
し、その中空部にD字形の軸芯11に圧入あるいは両者
を接着剤で接合して固定している。
【0025】図2は上記給紙用ローラ10をインクジェ
ット式プリンターの紙送ローラに適用した模式図であ
り、12は給紙用カセット、13は紙、14は給紙用ロ
ーラ10に対向するように配置された分離パッド、15
は給紙用ローラ10の次ぎの工程に設けられる上下一対
のローラ(レジストローラ、プラテンローラ)である。
ット式プリンターの紙送ローラに適用した模式図であ
り、12は給紙用カセット、13は紙、14は給紙用ロ
ーラ10に対向するように配置された分離パッド、15
は給紙用ローラ10の次ぎの工程に設けられる上下一対
のローラ(レジストローラ、プラテンローラ)である。
【0026】給紙用ローラ10は、その軸芯11を矢印
方向に回転させると、ローラ10も回転して、ローラ1
0の最上面にある紙13が巻き込まれてローラ10の回
転で矢印方向に搬送され、紙13がローラ10とパッド
14との隙間を通過し、次ぎのローラ15の間に送られ
て、プリンターの内部に紙13が供給される。ローラ1
5に紙13の前端が挿入してローラ15の回転で紙13
が搬送される時、紙13の後端はまだローラ10と接し
た状態となる。
方向に回転させると、ローラ10も回転して、ローラ1
0の最上面にある紙13が巻き込まれてローラ10の回
転で矢印方向に搬送され、紙13がローラ10とパッド
14との隙間を通過し、次ぎのローラ15の間に送られ
て、プリンターの内部に紙13が供給される。ローラ1
5に紙13の前端が挿入してローラ15の回転で紙13
が搬送される時、紙13の後端はまだローラ10と接し
た状態となる。
【0027】上記のように、給紙用ローラ10は直線状
部10aと円弧状部10bとを連続させたD形状の異形
ローラとして、ピックアップ部分Xと搬送部分とを分け
て構成している。直線状部10aと円弧状部10bとの
エッジとなる連続端10c、10dのうち、一端10c
が紙13をピックアップするピックアップ部分Xを構成
すると共に、他端10dが搬送終了位置となり、上記ピ
ックアップ部分Xを除く円弧状部10bが搬送部分とな
る。この搬送部分のうち、搬送終了位置となるエッジの
連続端10dから搬送部分にかけての角度αが搬送終了
部分Yとなり、他の領域が主要搬送部分Zとなる。
部10aと円弧状部10bとを連続させたD形状の異形
ローラとして、ピックアップ部分Xと搬送部分とを分け
て構成している。直線状部10aと円弧状部10bとの
エッジとなる連続端10c、10dのうち、一端10c
が紙13をピックアップするピックアップ部分Xを構成
すると共に、他端10dが搬送終了位置となり、上記ピ
ックアップ部分Xを除く円弧状部10bが搬送部分とな
る。この搬送部分のうち、搬送終了位置となるエッジの
連続端10dから搬送部分にかけての角度αが搬送終了
部分Yとなり、他の領域が主要搬送部分Zとなる。
【0028】上記角度αは、5゜〜120゜の範囲内で
あり、本実施形態では45゜としている。また、ローラ
10はφ32で、厚さは1mm〜8mm、好ましくは
1.5mm〜5mmで、本実施形態では2.5mmとし
ている。
あり、本実施形態では45゜としている。また、ローラ
10はφ32で、厚さは1mm〜8mm、好ましくは
1.5mm〜5mmで、本実施形態では2.5mmとし
ている。
【0029】上記ローラ10は搬送終了部分Yと、この
部分Yを除く主要搬送部分Zを含む他の部分(直線状部
も含む)とは、素材を変え、搬送終了部分Yは他の部分
よりも耐磨耗性の高い材料を用い、上記のように2色成
形(2色インジェクション成形あるいは2色押出成形)
している。ローラ10の素材は前記列挙した素材が用い
られるが、本実施形態では、種類の異なる熱可塑性エラ
ストマーを用いて2色インジェクション成形している。
部分Yを除く主要搬送部分Zを含む他の部分(直線状部
も含む)とは、素材を変え、搬送終了部分Yは他の部分
よりも耐磨耗性の高い材料を用い、上記のように2色成
形(2色インジェクション成形あるいは2色押出成形)
している。ローラ10の素材は前記列挙した素材が用い
られるが、本実施形態では、種類の異なる熱可塑性エラ
ストマーを用いて2色インジェクション成形している。
【0030】具体的には、搬送終了部分Yはスチレン系
SEPS樹脂(クラレ製 セプトン2023)を用いる
一方、主要搬送部分Zを含む他の部分はスチレン系SE
PS樹脂(クラレ製 セプトン2063)を用いてい
る。2色インジェクション成形は、日精樹脂(株)製の
2色インジェクションDC−120を用い、成形温度2
00℃で円筒形状のローラを成形している。このローラ
を軸線方向で所定長さに切断し、D形状の軸芯11を中
空に圧入することにより図1に示すようにD形状として
いる。
SEPS樹脂(クラレ製 セプトン2023)を用いる
一方、主要搬送部分Zを含む他の部分はスチレン系SE
PS樹脂(クラレ製 セプトン2063)を用いてい
る。2色インジェクション成形は、日精樹脂(株)製の
2色インジェクションDC−120を用い、成形温度2
00℃で円筒形状のローラを成形している。このローラ
を軸線方向で所定長さに切断し、D形状の軸芯11を中
空に圧入することにより図1に示すようにD形状として
いる。
【0031】(実施例)上記実施形態の搬送終了部分Y
の角度αを5゜とした実施例1、角度αを45゜とした
実施例2、90゜とした実施例3、120゜とした実施
例3のローラを設けた。また、比較的1として、角度α
を0゜とし、ローラ全体を耐磨耗性の比較的低いスチレ
ン系SEPS樹脂(クラレ製 セプトン2063)で成
形したローラと、比較例2の角度αを360゜とし、ロ
ーラ全体を耐磨耗性が比較的高いスチレン系SEPS樹
脂(クラレ製 セプトン2023)で成形したローラを
設けた。これらローラは実施形態に記載したローラで、
外径34mm、内径29mm、肉厚2,5mm、長さ1
5mmの円筒管で、中空にD形状の軸芯を圧入して給紙
用のD形状のローラとした。
の角度αを5゜とした実施例1、角度αを45゜とした
実施例2、90゜とした実施例3、120゜とした実施
例3のローラを設けた。また、比較的1として、角度α
を0゜とし、ローラ全体を耐磨耗性の比較的低いスチレ
ン系SEPS樹脂(クラレ製 セプトン2063)で成
形したローラと、比較例2の角度αを360゜とし、ロ
ーラ全体を耐磨耗性が比較的高いスチレン系SEPS樹
脂(クラレ製 セプトン2023)で成形したローラを
設けた。これらローラは実施形態に記載したローラで、
外径34mm、内径29mm、肉厚2,5mm、長さ1
5mmの円筒管で、中空にD形状の軸芯を圧入して給紙
用のD形状のローラとした。
【0032】上記実施例1〜4、比較例1、2の給紙用
ローラを、インジェクトプリンターに搭載し、普通紙を
10000枚を30時間かけて通紙し、ローラの磨耗減
量と紙不送り(ノンフィード)数を測定した。その結果
を下記の表1に示す。
ローラを、インジェクトプリンターに搭載し、普通紙を
10000枚を30時間かけて通紙し、ローラの磨耗減
量と紙不送り(ノンフィード)数を測定した。その結果
を下記の表1に示す。
【0033】 (表1) α(゜) 磨耗減量(mg) ノンフィード枚数 比較例1 0 31.0 0 実施例1 5 27.0 0 実施例2 45 19.9 0 実施例3 90 18.6 1 実施例4 120 17.3 8比較例2 360 10.1 35
【0034】表1に示すように、全体を耐磨耗性の低い
材料で成形した比較例1では、紙送りについてはノンフ
ィード枚数が0で問題はなかったが、磨耗減量が多く、
本発明の実施例1〜4と比較して、耐久性が悪く、寿命
が短いことが認められた。また、全体を耐磨耗性の高い
材料で成形した比較例2では、磨耗量はすくないが、ノ
ンフィード枚数が35枚と非常に多くなり、紙送り機能
が悪くなることが認められた。この結果より、実施例1
〜4のα=5〜120゜として、搬送終了部分を耐磨耗
性の高い材料とし、他の部分をそれよりも耐磨耗性の低
い材料とすると、紙送り性能を維持しつつ、磨耗量を減
少でき、耐久性を高めて、寿命の長いローラとすること
が出来ることが確認できた。
材料で成形した比較例1では、紙送りについてはノンフ
ィード枚数が0で問題はなかったが、磨耗減量が多く、
本発明の実施例1〜4と比較して、耐久性が悪く、寿命
が短いことが認められた。また、全体を耐磨耗性の高い
材料で成形した比較例2では、磨耗量はすくないが、ノ
ンフィード枚数が35枚と非常に多くなり、紙送り機能
が悪くなることが認められた。この結果より、実施例1
〜4のα=5〜120゜として、搬送終了部分を耐磨耗
性の高い材料とし、他の部分をそれよりも耐磨耗性の低
い材料とすると、紙送り性能を維持しつつ、磨耗量を減
少でき、耐久性を高めて、寿命の長いローラとすること
が出来ることが確認できた。
【0035】図3(A)(B)は、本発明の第二実施形
態の給紙用ローラ10’を示す。該給紙用ローラ10’
は全体を同一の素材から成形しているが、搬送終了部分
Yと、この部分Yを除く主要搬送部分Zを含む他の部分
(直線状部も含む)とは、表面模様を異ならせ、搬送終
了部分の表面模様を梨地模様とする一方、他の部分の表
面模様をローレット模様としている。第一実施形態と形
状は全体的な形状は同一であるため同様な符号を付して
説明を省略する。
態の給紙用ローラ10’を示す。該給紙用ローラ10’
は全体を同一の素材から成形しているが、搬送終了部分
Yと、この部分Yを除く主要搬送部分Zを含む他の部分
(直線状部も含む)とは、表面模様を異ならせ、搬送終
了部分の表面模様を梨地模様とする一方、他の部分の表
面模様をローレット模様としている。第一実施形態と形
状は全体的な形状は同一であるため同様な符号を付して
説明を省略する。
【0036】具体的には、熱可塑性エラストマーあるい
はゴム組成物から成形している。スチレン系SEPS樹
脂(クラレ製 セプトンCJ−001)からなる熱可塑
性エラストマーを用い、インジェクション成形機(住友
重機械工業製 SG−25)を用いて、成形温度200
゜にて円筒形状に成形している。なお、EPDM(住友
化学工業製 エプソンレンジ670F)に硫黄加硫剤、
亜鉛華、加硫促進剤、フィラー等を配合したゴム組成物
を加硫して成形してもよい。
はゴム組成物から成形している。スチレン系SEPS樹
脂(クラレ製 セプトンCJ−001)からなる熱可塑
性エラストマーを用い、インジェクション成形機(住友
重機械工業製 SG−25)を用いて、成形温度200
゜にて円筒形状に成形している。なお、EPDM(住友
化学工業製 エプソンレンジ670F)に硫黄加硫剤、
亜鉛華、加硫促進剤、フィラー等を配合したゴム組成物
を加硫して成形してもよい。
【0037】上記熱可塑性エラストマーあるいはゴム組
成物を加硫して、円筒形状のローラを成形した後、トラ
ンスファー・プレス成形機で、160℃、20minで
ローラの表面加工を施し、上記のように、搬送終了部分
Yは梨地模様、その他の部分はR=0.2mmの軸線方
向に平行な凸部と凹部とを有するローレット模様を形成
している。なお、ローレット模様は上記模様に限定され
ず、また、ローレット模様にかえてシボ加工によりシボ
模様を施してもよい。
成物を加硫して、円筒形状のローラを成形した後、トラ
ンスファー・プレス成形機で、160℃、20minで
ローラの表面加工を施し、上記のように、搬送終了部分
Yは梨地模様、その他の部分はR=0.2mmの軸線方
向に平行な凸部と凹部とを有するローレット模様を形成
している。なお、ローレット模様は上記模様に限定され
ず、また、ローレット模様にかえてシボ加工によりシボ
模様を施してもよい。
【0038】模様を異ならせている搬送終了部分Yは第
一実施形態と同様に、搬送終了位置から角度αは、5゜
〜120゜の範囲内であり、本実施形態では45゜とし
ている。また、ローラ20は第1実施形態と同様で、φ
32で、厚さは1mm〜8mm、好ましくは1.5mm
〜5mmで、本実施形態では2.5mmとしている。
一実施形態と同様に、搬送終了位置から角度αは、5゜
〜120゜の範囲内であり、本実施形態では45゜とし
ている。また、ローラ20は第1実施形態と同様で、φ
32で、厚さは1mm〜8mm、好ましくは1.5mm
〜5mmで、本実施形態では2.5mmとしている。
【0039】(実施例)以下の実施例5〜9と、比較例
3〜6の給紙用ローラを作成した。実施例5〜8は熱可
塑性エラストマー(クラレ製 セプトンCJ−001)
で成形し、実施例5は搬送終了部分Yの角度αを5゜、
実施例6は45゜、実施例7は90゜、実施例7は12
0゜とした。実施例9はEPDM(住友化学工業製エプ
ソンレンジ670F)を主成分とする加硫ゴムから成形
し、角度αを45゜とした。比較例1は実施例3のロー
ラを設けた。また、比較的3、4,6を熱可塑性エラス
トマー(クラレ製 セプトンCJ−001)で成形し、
比較例3は全周表面にローレット模様を施し、比較例4
は全周表面に梨地模様を施した。また、比較例6は搬送
終了部分にローレット模様を施し、他の部分は梨地模様
とし、実施例6と表面模様を逆とした。比較例5はEP
DM(住友化学工業製 エプソンレンジ670F)を主
成分とする加硫ゴムから成形し、全周表面にローレット
模様を施した。
3〜6の給紙用ローラを作成した。実施例5〜8は熱可
塑性エラストマー(クラレ製 セプトンCJ−001)
で成形し、実施例5は搬送終了部分Yの角度αを5゜、
実施例6は45゜、実施例7は90゜、実施例7は12
0゜とした。実施例9はEPDM(住友化学工業製エプ
ソンレンジ670F)を主成分とする加硫ゴムから成形
し、角度αを45゜とした。比較例1は実施例3のロー
ラを設けた。また、比較的3、4,6を熱可塑性エラス
トマー(クラレ製 セプトンCJ−001)で成形し、
比較例3は全周表面にローレット模様を施し、比較例4
は全周表面に梨地模様を施した。また、比較例6は搬送
終了部分にローレット模様を施し、他の部分は梨地模様
とし、実施例6と表面模様を逆とした。比較例5はEP
DM(住友化学工業製 エプソンレンジ670F)を主
成分とする加硫ゴムから成形し、全周表面にローレット
模様を施した。
【0040】上記実施例5〜9、比較例3〜6の給紙用
ローラを、実施形態1と同様に、インジェクトプリンタ
ーに搭載し、普通紙を10000枚を30時間かけて通
紙して、ローラの磨耗減量と紙不送り(ノンフィード)
数を測定した。その結果を下記の表2に示す。
ローラを、実施形態1と同様に、インジェクトプリンタ
ーに搭載し、普通紙を10000枚を30時間かけて通
紙して、ローラの磨耗減量と紙不送り(ノンフィード)
数を測定した。その結果を下記の表2に示す。
【0041】 (表2) α(゜) 磨耗減量(mg) ノンフィード枚数 実施例5 5 36.0 1 実施例6 45 31.8 0 実施例7 90 31.2 0 実施例8 120 30.0 4 実施例9 45 36.0 0 比較例3 0 40.5 0 比較例4 360 25.1 83 比較例5 0 49.3 0比較例6 ※45 38.9 92 ※搬送終了部分からα゜45が梨地模様
【0042】表2に示すように、全周をローレット模様
とした比較例3、5とも磨耗量は40gを越えていた。
また、全周を梨地模様とした比較例4は磨耗量は最も少
ないが、ノンフィード枚が83枚と多かった。同様に、
搬送終了部分をローレット模様、他の部分を梨地模様と
した比較例6もノンフィード枚数が92枚と非常に多か
った。これに対して、実施例5〜9は磨耗量も比較例
3、5、6と比較して少なく、かつ、ノンフィード枚数
も少なく、よって、搬送終了部分を梨地模様とする一
方、他の部分をローレット模様とすると、磨耗量も少な
く、紙送り機能も優れていることが確認できた。
とした比較例3、5とも磨耗量は40gを越えていた。
また、全周を梨地模様とした比較例4は磨耗量は最も少
ないが、ノンフィード枚が83枚と多かった。同様に、
搬送終了部分をローレット模様、他の部分を梨地模様と
した比較例6もノンフィード枚数が92枚と非常に多か
った。これに対して、実施例5〜9は磨耗量も比較例
3、5、6と比較して少なく、かつ、ノンフィード枚数
も少なく、よって、搬送終了部分を梨地模様とする一
方、他の部分をローレット模様とすると、磨耗量も少な
く、紙送り機能も優れていることが確認できた。
【0043】図4(A)(B)は第三実施形態を示し、
第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせたもので、
搬送終了部分Yは他の部分と素材を変えると共に表面模
様を変えている。即ち、搬送終了部分Yは他の部分より
も耐磨耗性が優れた素材で形成している。具体的には、
搬送終了部分Yはオレフィン系エラストマーを用い、他
の部分はエステル系エラストマーを用いて、2色押出成
形で円筒形状のローラとしている。円筒状ローラとした
後に、第2実施形態と同様にトランスファー・プレス機
により、搬送終了部分Yの表面に梨地模様を賦形すると
共に、他の部分の表面にローレット模様を賦形してい
る。
第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせたもので、
搬送終了部分Yは他の部分と素材を変えると共に表面模
様を変えている。即ち、搬送終了部分Yは他の部分より
も耐磨耗性が優れた素材で形成している。具体的には、
搬送終了部分Yはオレフィン系エラストマーを用い、他
の部分はエステル系エラストマーを用いて、2色押出成
形で円筒形状のローラとしている。円筒状ローラとした
後に、第2実施形態と同様にトランスファー・プレス機
により、搬送終了部分Yの表面に梨地模様を賦形すると
共に、他の部分の表面にローレット模様を賦形してい
る。
【0044】上記のように、搬送終了部分と他の部分と
を素材および表面模様の両方を相異させて耐磨耗性を相
異させ、よって、磨耗の激しい搬送終了部分の磨耗量
と、さほど磨耗しない他の部分の磨耗量とを均一化させ
てもよい。
を素材および表面模様の両方を相異させて耐磨耗性を相
異させ、よって、磨耗の激しい搬送終了部分の磨耗量
と、さほど磨耗しない他の部分の磨耗量とを均一化させ
てもよい。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、ピップアップ部分と他の部分とを区別したD
形状の異形の給紙ローラにおいて、他の部分と比較して
磨耗の激しい搬送終了部分の素材あるいは/および模様
を、主要搬送部分を含む他の部分と変えて、磨耗量の少
ない素材あるいは模様としているため、磨耗の激しい搬
送終了部分の磨耗量を低減でき、他の部分と略同程度の
磨耗とすることができる。その結果、給紙用ローラの耐
久性を高めることができる利点を有する。
によれば、ピップアップ部分と他の部分とを区別したD
形状の異形の給紙ローラにおいて、他の部分と比較して
磨耗の激しい搬送終了部分の素材あるいは/および模様
を、主要搬送部分を含む他の部分と変えて、磨耗量の少
ない素材あるいは模様としているため、磨耗の激しい搬
送終了部分の磨耗量を低減でき、他の部分と略同程度の
磨耗とすることができる。その結果、給紙用ローラの耐
久性を高めることができる利点を有する。
【図1】 (A)は第一実施形態のローラの斜視図、
(B)は断面図である。
(B)は断面図である。
【図2】 上記紙送用ローラをプリンターに適用した状
態を示す概略図である。
態を示す概略図である。
【図3】 (A)(B)は第二実施形態のローラの斜視
図、(C)は断面図である。
図、(C)は断面図である。
【図4】 (A)は第三実施形態のローラの斜視図、
(B)は断面図である。
(B)は断面図である。
【図5】 (A)は従来例のローラを示す斜視図、
(B)は断面図である。
(B)は断面図である。
【図6】 図5のローラをプリンターに適用した状態を
示す概略図である。
示す概略図である。
10 紙送用ローラ 11 軸芯 13 紙 X ピックアップ部分 Y 搬送終了部分 Z 主要搬送部分
Claims (5)
- 【請求項1】 直線状外周面と円弧状外周面とを連続さ
せたD形状で、直線状外周面と円弧状外周面との連続端
の一端がピックアップ部分を構成すると共に他端が搬送
終了位置となり、円弧状外周面が搬送部分となる給紙用
異形ローラにおいて、 上記搬送終了位置から円弧状外周面の搬送部分にかけた
搬送終了部分と他の部分とは素材あるいは/および表面
模様を相違させ、搬送終了部分の素材、表面模様を他の
部分の素材、表面模様よりも耐摩耗性を持つ構成として
いることを特徴とする給紙用異形ローラ。 - 【請求項2】 上記ローラは熱可塑性エラストマーから
なり、上記搬送終了部分と他の部分とは上記熱可塑性エ
ラストマーの種類を相異させ、2色インジェクション成
形あるいは2色押出成形で成形されている請求項1に記
載の給紙用異形ローラ。 - 【請求項3】 上記搬送終了部分と他の部分とは表面模
様を相異させ、搬送終了部分の表面模様を梨地模様等と
し、他の部分の表面模様をローレット模様、シボ模様等
とし、搬送終了部分の表面模様が他の部分の表面模様よ
りも耐磨耗性を持つ模様としている請求項1に記載の給
紙用異形ローラ。 - 【請求項4】 上記搬送終了部分は搬送終了位置から主
要搬送部分側へ、5゜〜120゜の範囲である請求項1
乃至請求項3のいずれか1項に記載の給紙用異形ゴムロ
ーラ。 - 【請求項5】 上記ローラは円筒形状として成形し、そ
の中空部に断面D形状の軸芯を通すことによりD形状と
されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載
の給紙用ゴムローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000012478A JP2001199569A (ja) | 2000-01-21 | 2000-01-21 | 給紙用異形ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000012478A JP2001199569A (ja) | 2000-01-21 | 2000-01-21 | 給紙用異形ローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001199569A true JP2001199569A (ja) | 2001-07-24 |
Family
ID=18540188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000012478A Withdrawn JP2001199569A (ja) | 2000-01-21 | 2000-01-21 | 給紙用異形ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001199569A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016147412A1 (ja) * | 2015-03-19 | 2016-09-22 | 富士通フロンテック株式会社 | 紙葉類分離装置及び紙葉類分離方法 |
CN111806973A (zh) * | 2018-11-07 | 2020-10-23 | 杭州银湖机械弹簧有限公司 | 一种进出口使用的传输带设备 |
-
2000
- 2000-01-21 JP JP2000012478A patent/JP2001199569A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016147412A1 (ja) * | 2015-03-19 | 2016-09-22 | 富士通フロンテック株式会社 | 紙葉類分離装置及び紙葉類分離方法 |
JPWO2016147412A1 (ja) * | 2015-03-19 | 2017-06-01 | 富士通フロンテック株式会社 | 紙葉類分離装置及び紙葉類分離方法 |
CN107209968A (zh) * | 2015-03-19 | 2017-09-26 | 富士通先端科技株式会社 | 纸张分离装置和纸张分离方法 |
US10053316B2 (en) | 2015-03-19 | 2018-08-21 | Fujitsu Frontech Limited | Paper sheet separating device and paper sheet separating method |
CN111806973A (zh) * | 2018-11-07 | 2020-10-23 | 杭州银湖机械弹簧有限公司 | 一种进出口使用的传输带设备 |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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