JP2011026015A - 紙送りローラ - Google Patents

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靖時 伊藤
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Abstract

【課題】紙送りの不良や鳴き等の問題を生じにくく、これまでより長期間に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供する。
【解決手段】紙送りローラ1は、タイプAデュロメータ硬さがA12/S以下の非多孔質体からなる内層3と、前記内層の外周に積層されて前記紙送りローラの外周面6を構成する、アスカーC型硬さがC40以上、C70以下の多孔質体からなる外層2とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電式複写機や各種プリンタ等において紙送りに用いられる紙送りローラに関するものである。
例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、インクジェットプリンタ、自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構には、各種の紙送りローラが組み込まれている。前記紙送りローラとしては、紙(プラスチックフィルム等を含む。以下同様。)と接触しながら回転して摩擦によって紙を搬送する、例えば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
前記紙送りローラとして、従来は、例えば天然ゴム(NR)、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリノルボネンゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等の各種ゴムからなる単層で非多孔質のローラが一般的に用いられている。
しかし前記ローラは、通紙枚数が多くなると摩耗によって表面が平滑になり、摩擦係数が大きく低下して紙送りの不良を生じやすくなるという問題がある。また、摩擦係数が低下したゴムローラの表面を紙がすべることによっていわゆる「鳴き」と呼ばれる現象を生じやすくなるという問題もある。
紙送りローラを、内層と、前記内層の外周に積層されて前記紙送りローラの外周面を構成する外層とを含む2層以上の多層構造とし、そのうち内層を外層よりも軟らかくすることで、紙との接触面積を増加させて紙送りの不良が生じるのを防止するとともに、鳴きを防止することが検討されている(特許文献1〜4等参照)。
しかしこのいずれの特許文献に記載のものも、ローラの外周面を構成する外層は従来の単層構造のゴムローラと同様に非多孔質のゴムからなるため、通紙枚数が多くなると摩耗によって表面が平滑になって摩擦係数が大きく低下することには変わりはなく、前記摩擦係数の低下による紙送りの不良が生じるのを確実に防止することはできない。
前記外層と内層とをともにゴムの多孔質体にて形成するとともに、前記多孔質体のセル径を、外層において内層よりも小さくした紙送りローラが提案されている(特許文献5)。
多孔質体からなる外層は、摩耗しても内部に存在する空隙が次々と表面に露出するため、従来の非多孔質の外層のように表面が平滑化して摩擦係数が大きく低下することはない。そのため、摩擦係数の低下による紙送りの不良が生じるのをある程度は抑制することができる。
しかし前記紙送りローラは、発泡剤を添加した未加硫ゴムを所定の条件で筒状に押出成形したのち特定の条件で加硫させることによって、一つのローラ内で、外周付近の発泡の度合いが内部よりも小さくなるように調整して製造される。
そのため外層および内層の厚み、および両層の厚みの比率を厳密にコントロールするのは容易ではなく、ばらつきを生じやすい。そしてばらつきを生じると、2層構造とし、内層のセル径を大きくして前記内層を軟らかくしたことによる、先に説明した紙との接触面積を大きくして紙送りの不良が生じるのを防止したり、鳴きを防止したりする効果にもばらつきを生じやすいという問題がある。
しかも特許文献5では前記外層のセル径を小さくして耐摩耗性を確保しようとしているが、内層に適度な柔軟性を付与することを考慮すると、全く同じ材料からなりセル径のみが異なる外層に十分なゴム硬さを付与することはできず、十分な耐摩耗性を付与することもできない。
すなわち特許文献5では、紙送りローラの全体のアスカーC型硬さをC23〜C37とするのが好ましいとしているが、全体をこのように軟らかくした場合、外層のゴム硬さも同等程度にしかできない。そのため外層の厚みにもよるが、前記外層が早期に摩耗して失われてしまって短期間で良好な紙送りができなくなるという問題を生じる。
特開2001−341862号公報 特開2002−347972号公報 特開2006−111401号公報 特開2007−137539号公報 特開2004−322421号公報
本発明は、紙送りの不良や鳴き等の問題を生じにくく、これまでより長期間に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供することにある。
本発明は、紙送りローラであって、内層と、前記内層の外周に積層されて前記紙送りローラの外周面を構成する外層とを含み、前記内層は、タイプAデュロメータ硬さがA12/S以下の非多孔質体、前記外層は、アスカーC型硬さがC40以上、C70以下の多孔質体からなることを特徴とする。
前記本発明の紙送りローラにおいては、外層を多孔質体によって形成することで、摩耗しても内部に存在する空隙が次々に表面に露出して初期の表面状態を維持し、前記表面が平滑化して摩擦係数が大きく低下するのを防止できる。しかも前記外層をアスカーC型硬さがC40以上の多孔質体によって形成しているため、その耐摩耗性を向上して早期に摩耗して失われてしまうことも防止できる。
また内層をタイプAデュロメータ硬さがA12/S以下で、外層よりも軟らかい非多孔質体によって形成するとともに、外層を、アスカーC型硬さがC70以下の多孔質体によって形成することで紙送りローラの全体での柔軟性を高めて、紙との接触面積を大きくすることもできる。
そのため本発明によれば、紙送りの不良や鳴き等の問題を生じにくく、これまでより長期間に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供できる。
前記内層と外層とは、あらかじめ筒状に形成した外層内に、別に形成した内層を嵌め合わせることで積層されているのが好ましい。これにより両層の厚みの比率を厳密にコントロールし、前記紙送りの不良や鳴き等を防止する効果にばらつきが生じるのを抑制して、常に一定の効果を有する紙送りローラを提供できる。
また前記両層は、外層の内径を内層の外径より小さく形成して、前記外層内に内層を圧入することで互いに固定されているのが好ましい。これにより、両層の径差と弾性力によって前記両層を互いに固定することができ、使用材料および工程数を少なくできる。
なお両層は、接着剤によって接着して互いに固定してもよい。
本発明によれば、紙送りの不良や鳴き等の問題を生じにくく、これまでより長期間に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供することができる。
本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の紙送りローラ1は、筒状の外層2と、前記外層2内に嵌め合わされた筒状の内層3と、前記内層3の中心の通孔4に挿通されたシャフト5とを含んでいる。前記外層2の外周面6は、紙と接触する紙送りローラ1の表面とされている。
前記外層2は、(社)日本ゴム協会標準規格SRIS 0101「膨張ゴムの物理試験方法」に規定された測定方法により、温度23±1℃、湿度55±1%の環境下での測定によって求められるアスカーC型硬さがC40以上、C70以下の多孔質体によって形成される。
外層2のアスカーC型硬さが前記範囲に限定されるのは、C40未満では、紙送りを繰り返した際に、前記外層2が早期に摩耗して失われてしまって短期間で良好な紙送りができなくなるためである。またC70を超える場合には、紙送りローラ1の全体での柔軟性を高めて鳴きを防止する効果が得られないためである。なお外層2のアスカーC型硬さは、前記範囲内でもC50以上であるのが好ましく、C60以下であるのが好ましい。
また内層3は、日本工業規格JIS K6253:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」に規定された測定方法により、温度23±1℃、湿度55±1%の環境下での測定によって求められるタイプAデュロメータ硬さがA12/S以下の非多孔質体によって形成される。
内層3のタイプAデュロメータ硬さが前記範囲に限定されるのは、A12/Sを超える場合には、紙送りローラ1の全体での柔軟性を高めて鳴きを防止する効果が得られないためである。
なおタイプAデュロメータ硬さは、所定のエラストマを含む組成物によって形成しうる限界まで小さくすることができるが、通常はA3/S以上であるのが好ましい。かかるタイプAデュロメータ硬さの小さい軟らかい内層3であっても非多孔質体からなるため、基本的に、多孔質体からなるもののように過剰に変形することはなく、紙送りローラは、紙に対して適度の接触圧を維持することができる。そのため紙送りの不良を生じるおそれはない。
前記外層2は、例えばEPDM、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム、ポリエステル系熱可塑性エラストマ、スチレン系熱可塑性エラストマ、ウレタン系熱可塑性エラストマ等の熱可塑性エラストマ、ポリエチレン、ポリプロピレン等軟質樹脂等の1種または2種以上によって形成できる。特に外層2は、耐摩耗性等に優れたEPDMによって形成するのが好ましい。
また内層3は、例えばNBR、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、NR、ウレタンゴム等のゴム、スチレン系熱可塑性エラストマ等の熱可塑性エラストマ、ポリエチレン、ポリプロピレン等の軟質樹脂等の1種または2種以上によって形成できる。
特に内層3はブチルゴムの非多孔質体によって形成するのが好ましい。ブチルゴムは、特に室温(5〜35℃)域での振動吸収性能に優れるため、紙との摩擦によって鳴きが生じるのをより一層確実に抑制できる。
外層2を形成するエラストマには、前記外層2を多孔質構造とするために発泡剤や水溶性粒子等を添加すればよい。また前記外層2、内層3を形成するエラストマには、前記エラストマが加硫製のゴムである場合に前記ゴムを加硫させるための加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等、さらには充填剤、補強剤、オイル、可塑剤等を、エラストマの種類等に応じて適宜選択して添加してもよい。
前記外層2および内層3はそれぞれ別個に筒状に形成し、外層2内に内層3を嵌め合わせることで両層を積層して紙送りローラ1を構成するのが好ましい。これにより両層の厚みの比率を厳密にコントロールして、前記紙送りの不良や鳴き等を防止する効果にばらつきが生じるのを抑制し、常に一定の効果を有する紙送りローラを提供できる。
両層は、外層2の内径を内層3の外径よりも僅かに小さく形成して、前記外層2内に内層3を圧入して、両層の径差と弾性力とによって互いに固定するのが、使用材料および工程数を少なくする上で好ましい。
ただし外層2と内層3とは、接着剤によって接着して互いに固定してもよい。
外層2を多孔質体からなる筒状に形成するためには、従来公知の種々の方法が採用できる。例えば素材としてのエラストマを必要に応じて各種の添加剤と混練したのち筒状に成形し、さらにエラストマが加硫性のゴムである場合は加硫して外層2を形成するにあたり、その任意の時点、例えば加硫性のゴムの場合は加硫と同時に、前記エラストマにあらかじめ添加しておいた発泡剤を発泡させることで、多孔質体からなる筒状の外層2を形成できる。また、エラストマにあらかじめ添加しておいた食塩等の水溶性粒子を成形後の任意の時点、例えば加硫性のゴムの場合は加硫後に溶出させることでも前記外層2を形成できる。
外層2のアスカーC型硬さを前記範囲内に調整するためには、多孔質体の気孔構造(連続気孔構造であるか独立気孔構造であるか等)を選択したり、気孔率を調整したりすればよい。
また、素材としてのエラストマを選択したり、さらには2種以上のエラストマを併用してその配合割合を調整したりしてもよい。
また、例えばエラストマが加硫性(架橋性)のゴムである場合には、前記ゴムの種類や分子量(平均分子量、分子量分布等)、分子構造(直鎖状か分岐状か等)、あるいはゴムの加硫度(架橋度)等を調整してもよい。またオイル、可塑剤、補強剤、充填剤等の量を調製してもよい。また加硫度を調整するには、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の種類や配合量を調整すればよい。
例えばEPDMは、エチレン、プロピレン、およびジエンの含有割合、分子量(平均分子量、分子量分布等)、分子構造(直鎖状か分岐状か等)、あるいは加硫度(架橋度)を調整すればよい。
またポリエステル系熱可塑性エラストマ、スチレン系熱可塑性エラストマ等の熱可塑性エラストマは、ハードセグメントおよびソフトセグメントを形成するブロックの種類や長さ、あるいは量セグメントの比率等を調整すればよい。
またエラストマとしては、熱可塑性エラストマおよび/または熱可塑性樹脂と加硫性のゴムとを併用し、前記各成分を混練しながら加熱してゴムを動的加硫させたものを用いることもでき、かかるエラストマ意おいては前記各成分の種類や配合割合等を調整すればよい。
また内層3は、前記発泡剤や水溶性粒子を添加しないエラストマを混練したのち筒状に成形し、さらにエラストマが加硫製のゴムである場合は加硫することで形成できる。
内層3のタイプAデュロメータ硬さを前記範囲内に調整するためには、やはり素材としてのエラストマを選択したり、さらには2種以上のエラストマを併用してその配合割合を調整したりすればよい。
また、例えばエラストマが加硫性(架橋性)のゴムである場合には、前記ゴムの種類や分子量(平均分子量、分子量分布等)、分子構造(直鎖状か分岐状か等)、あるいはゴムの加硫度(架橋度)等を調整してもよい。またオイル、可塑剤、補強剤、充填剤等の量を調製してもよい。また加硫度を調整するには、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の種類や配合量を調整すればよい。
前記外層2、内層3は、外層2が薄く内層3が厚いのが、紙送りローラ1の全体での柔軟性を高めて鳴きを防止するためには効果的であるが、外層2が薄すぎて摩耗によって短期間で失われてしまうのはよくない。そのため外層2と内層3の、紙送りローラ1の径方向の厚みの比(外層)/(内層)は、外層2に内層3を嵌め合わせる前の個別の筒体において(外層)/(内層)=50/50よりも内層3の割合が大きいのが好ましく、特に(外層)/(内層)=50/50〜20/80であるのがさらに好ましい。
また、外層2に内層3を嵌め合わせた紙送りローラ1の全体の外径は、前記紙送りローラ1を組み込む装置の構造等に応じて適宜設定できるが、例えば小型のレーザープリンタ等では、限られたスペース内に組み込むことと、紙送り時に紙との接触面積をできるだけ大きくとることとを併せ考慮すると15mm以上、35mm以下、特に20mm以上、30mm以下であるのが好ましい。
また外径が前記範囲内である紙送りローラ1を構成する外層2、内層3の厚みは、外層2に内層3を嵌め合わせる前の個別の筒体において外層2が1.0mm以上、3.5mm以下、特に2.0mm以上、3.0mm以下であるのが好ましく、内層3が2.0mm以上、5.0mm以下、特に3.5mm以上、4.5mm以下であるのが好ましい。
外層2の厚みが前記範囲未満では、前記外層2が摩耗によって短期間で失われて内層3が露出するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、紙送りローラ1の全体での柔軟性を高めて鳴きを防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また内層3の厚みが前記範囲未満では、紙送りローラ1の全体での柔軟性を高めて鳴きを防止する効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、紙送りローラ1の全体が軟らかくなりすぎて紙に対する接触圧が低下して、却って紙送りの不良を生じやすくなるおそれがある。
紙送りローラ1の外周面6、すなわち外層2の表面に露出した空隙の開口の、前記表面の単位面積あたりに占める割合(開口の面積占有率)は10%以上、40%以下であるのが好ましい。
面積占有率が10%未満では、外層2を多孔質体としたことによる、先に説明した、摩耗しても内部に存在する空隙が次々に表面に露出して初期の表面状態を維持し、前記表面が平滑化して摩擦係数が大きく低下するのを防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また面積占有率が40%を超える場合には、紙送りローラ1の紙との接触面積が小さくなって、紙送りの不良を生じやすくなるおそれがある。
シャフト5は、例えば金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成できる。
〈外層Iの作製〉
表1に示す各成分を170℃×20分間プレス加硫して、内径φ20、外径φ25、長さ65mmの多孔質体からなる筒状体(コット)を得た。次いでこの筒状体を、円筒研削盤を用いて外径φ24に研磨したのち長さ30mmにカットして、前記多孔質体からなる筒状の外層Iを作製した。前記外層IのアスカーC型硬さを、先に説明したSRIS 0101「膨張ゴムの物理試験方法」に規定された測定方法により、温度23±1℃、湿度55±1%の環境下で測定したところC37であった。
〈外層IIの作製〉
表1に示すようにパラフィンオイルの量を20質量部としたこと以外は外層Iと同様にして、同寸法の多孔質体からなる筒状の外層IIを作製した。前記外層IIのアスカーC型硬さを同様にして測定したところC40であった。
〈外層IIIの作製〉
表1に示すように酸化珪素の量を15質量部とし、パラフィンオイルを配合せず、かつ熱膨張性マイクロカプセルの量を5.5質量部としたこと以外は外層Iと同様にして、同寸法の多孔質体からなる筒状の外層IIIを作製した。前記外層IIIのアスカーC型硬さを同様にして測定したところC50であった。
Figure 2011026015
表1中の各成分の詳細は下記のとおり。
(エラストマ)
EPDM:住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)670F
(補強剤、充填剤)
酸化珪素:東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)VN3
炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製のBF300
酸化チタン:チタン工業(株)製の商品名クロノスKR380
カーボンブラック:東海カーボン(株)製の商品名シースト3
(オイル)
パラフィンオイル:出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW-380
(加硫系添加剤)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製の商品名つばき
粉末硫黄:鶴見化学工業(株)製
TET:テトラエチルチウラムジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)TET〕
DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕
(発泡剤)
熱膨張性マイクロカプセル:松本油脂製薬(株)のマツモト マイクロスフェアー(登録商標)F170D
〈外層IVの作製〉
表2に示す各成分のうち熱膨張性マイクロカプセルを除く各成分を、2軸押出機〔アイペック社製のHTM38〕を用いて180℃で混練してEPDMを動的架橋させたのちペレット化して熱可塑性エラストマ組成物のペレットを得た。
次いで前記ペレットと熱膨張性マイクロカプセルとを混合し、φ50の単軸押出機〔(株)笠松化工研究所製〕を用いて180℃で混練し、筒状に押出成形するとともに熱膨張性マイクロカプセルを熱膨張させて、内径φ20、外径φ25の多孔質体からなる筒状体を得た。次いでこの筒状体を、円筒研削盤を用いて外径φ24に研磨したのち長さ30mmにカットして、前記多孔質体からなる筒状の外層IVを作製した。前記外層IVのアスカーC型硬さを同様にして測定したところC59であった。
Figure 2011026015
表1中のEPDM、パラフィンオイル、酸化亜鉛、および熱膨張性マイクロカプセルは外層Iで使用したものと同じとした。また他の成分は下記のとおり。
熱可塑性エラストマ:ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)−ポリスチレン〔(株)クラレ製のセプトン(登録商標)4077〕
熱可塑性樹脂:ポリプロピレン〔日本ポリプロ(株)製のノバテック(登録商標)PP BC6〕
樹脂架橋剤:臭素化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂〔田岡化学工業(株)製のタッキロール(登録商標)250−III〕
〈外層Vの作製〉
表3に示す各成分を170℃×20分間プレス加硫して、内径φ20、外径φ25、長さ65mmの多孔質体からなる筒状体(コット)を得た。次いでこの筒状体を、円筒研削盤を用いて外径φ24に研磨したのち長さ30mmにカットして、前記多孔質体からなる筒状の外層Vを作製した。前記外層VのアスカーC型硬さを同様にして測定したところC70であった。
〈外層VIの作製〉
表3に示すように熱膨張性マイクロカプセルの量を2質量部としたこと以外は外層Vと同様にして、同寸法の多孔質体からなる筒状の外層VIを作製した。前記外層VIのアスカーC型硬さを同様にして測定したところC73であった。
Figure 2011026015
表3中のEPDMは下記のとおり。
EPDM:住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)505A
また他の成分は外層Iで使用したものと同じとした。
〈内層Aの作製〉
表4に示す各成分を160℃×30分間プレス加硫して、内径φ12.6、外径φ21.5、長さ60mmの非多孔質体からなる筒状体(コット)を得た。次いでこの筒状体を長さ30mmにカットして、前記非多孔質体からなる筒状の内層Aを作製した。前記内層AのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明したJIS K6253:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」に規定された測定方法により、温度23±1℃、湿度55±1%の環境下で測定したところA5/Sであった。
〈内層Bの作製〉
表4に示すようにパラフィンオイルの量を55質量部としたこと以外は内層Aと同様にして、同寸法の非多孔質体からなる筒状の内層Bを作製した。前記内層BのタイプAデュロメータ硬さを同様にして測定したところA10/Sであった。
〈内層Cの作製〉
表4に示すようにパラフィンオイルの量を45質量部としたこと以外は内層Aと同様にして、同寸法の非多孔質体からなる筒状の内層Cを作製した。前記内層CのタイプAデュロメータ硬さを同様にして測定したところA15/Sであった。
Figure 2011026015
表4中のブチルゴム、およびTBT−Nは下記のとおり。
ブチルゴム:エクソンモービル社製のブチル268
TBT−N:テトラブチルチウラムジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)TBT−N〕
また他の成分は外層Iで使用したものと同じとした。
〈実施例1〉
前記内層Bの通孔にφ14の樹脂製のシャフト(専用樹脂コア)を圧入したのち、前記内層Cを外層II内に圧入して紙送りローラを製造した。
〈実施例2〜4、比較例1、2〉
前記内層Cと、表5に示す外層とを組み合わせたこと以外は実施例1と同様にして紙送りローラを製造した。
〈実施例5〉
前記内層Aの通孔にφ14の樹脂製のシャフト(専用樹脂コア)を圧入したのち、前記内層Aを外層III内に圧入して紙送りローラを製造した。
〈比較例3〉
前記外層IIIと内層Cとを組み合わせたこと以外は実施例5と同様にして紙送りローラを製造した。
前記各実施例、比較例の紙送りローラについて、下記の各試験を行なってその特性を評価した。
〈摩擦係数試験および通紙状況評価〉
各実施例、比較例の紙送りローラを、テフロン(登録商標)板の上に載置した幅60mm×長さ120mmの紙〔キヤノン(株)製のGF−500〕の上に340gfの鉛直荷重をかけながら圧接させた状態で、前記紙送りローラを周速度105mm/秒で回転させた際に、前記紙に加わる搬送力Fを、ロードセルを用いて測定して、式(1):
摩擦係数=F/340 (1)
により摩擦係数を求めた。測定は紙送りローラの製造直後(初期)と、前記紙送りローラを日本ヒューレットパッカード(株)製のレーザープリンタHP Laser Jet 4300nに組み込んで前記と同じ紙〔キヤノン(株)製のGF−500〕を5万枚通紙した後(耐久後)に実施した。またこの通紙時の通紙状況を観察して、途中で紙送りの不良が生じたものを×、5万枚の通紙をしても紙送りの不良が生じなかったものを○と評価した。また途中で紙送りの不良が生じたものは耐久後の摩擦係数を測定できなかったため摩擦係数の欄に×を記した。
〈鳴き評価〉
各実施例、比較例の紙送りローラを、前記と同じレーザープリンタに装着して同じ紙〔キヤノン(株)製のGF−500〕を1000枚通紙した際に鳴きが生じたものを×、生じなかったものを○と評価した。
以上の結果を表5、6に示す。
Figure 2011026015
Figure 2011026015
表5の比較例1の結果から、内層のタイプAデュロメータ硬さがA12/S以下の範囲内であっても、外層のアスカーC型硬さがC40未満では前記外層の耐久性が不十分で、連続通紙によって早期に摩耗して失われてしまい、紙送りの不良を生じることが判った。また比較例2の結果から、前記外層のアスカーC型硬さがC70を超える場合には紙送りローラの全体での柔軟性が低下して鳴きが生じることが判った。
また表6の比較例3の結果から、外層のアスカーC型硬さがC40以上、C70以下の範囲内であっても、内層のタイプAデュロメータ硬さがA12/Sを超える場合には、紙送りローラ1の全体での柔軟性が低下して鳴きが生じることが判った。
これに対し実施例1〜5の結果から、外層のアスカーC型硬さをC40以上、C70以下の範囲内とし、かつ内層のタイプAデュロメータ硬さをA12/S以下とした場合には、これまでよりも長期間に亘って紙送りの不良や鳴き等の問題が生じるのを防止して、良好な紙送りを維持できることが判った。
1 紙送りローラ
2 外層
3 内層
4 通孔
5 シャフト
6 外周面

Claims (4)

  1. 紙送りローラであって、内層と、前記内層の外周に積層されて前記紙送りローラの外周面を構成する外層とを含み、前記内層は、タイプAデュロメータ硬さがA12/S以下の非多孔質体、前記外層は、アスカーC型硬さがC40以上、C70以下の多孔質体からなることを特徴とする紙送りローラ。
  2. あらかじめ筒状に形成した外層内に、別に形成した内層を嵌め合わせることで、前記両層が積層されている請求項1に記載の紙送りローラ。
  3. 外層の内径を内層の外径より小さく形成して、前記外層内に内層が圧入されている請求項2に記載の紙送りローラ。
  4. 内層と外層とが接着剤によって接着されている請求項1に記載の紙送りローラ。
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