JP2008013295A - 紙葉類重送防止部材 - Google Patents
紙葉類重送防止部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008013295A JP2008013295A JP2006184896A JP2006184896A JP2008013295A JP 2008013295 A JP2008013295 A JP 2008013295A JP 2006184896 A JP2006184896 A JP 2006184896A JP 2006184896 A JP2006184896 A JP 2006184896A JP 2008013295 A JP2008013295 A JP 2008013295A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- rubber
- elastomer
- component
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分に、アクリルビーズが配合されている組成物から成形され、前記アクリルビーズは前記組成物全体に対して10質量%以下の割合で配合されている。
【選択図】図1
Description
詳細には、重送を防止するためには、紙と紙送りローラとの間の摩擦係数μ1、紙と重送防止部材と間の摩擦係数μ2、重ねられた紙同士の間の摩擦係数μ3との間には、μ1>μ2>μ3なる関係が成立していることが要求される。
さらに、紙類の分離性能が安定していることが必要とされると共に、重送防止部材には耐オゾン性等の耐久性及び耐磨耗性に優れていることが要求される。
また、紙送り機構においては普通紙、樹脂コート紙、OHP紙等の種々の紙葉類が使用されるため、重送防止部材はどのような用紙に対しても1枚ずつ確実に紙を分離することが要求される。
さらに、搬送される紙葉類と重送防止部材とが擦れる際に、両者間の摩擦係数が非常に大きくなるため、重送防止部材の磨耗がさらに大きくなるという問題がある。
さらに、コルクを配合する場合には、コルクは粉砕したのち、メッシュに通して篩分けした一定の粒子範囲の粉砕コルクを使用しているものの、該粉砕コルクの粒径のばらつきが大きいため、摩擦係数やパッド表面状態が安定しないという問題がある。そのうえ、コルクは多量に配合しなければOHP紙等の密着防止効果を発揮できないため、コスト的にも問題がある。
即ち、アクリルビーズはゴム成分あるいは/及びエラストマー成分中に分散され、その一部が重送防止部材の表面に露出され、露出したアクリルビーズは紙葉類と直接擦れ合い、OHP紙等の表面が合成樹脂からなる紙葉類と重送防止部材の表面との密着を防止することができる。これにより、普通紙に対する摩擦係数は適切な範囲に保ちつつ、OHP紙等の紙葉類に対しての摩擦係数は適切な範囲に下げることができ、両者に対して重送を防止することができる。また、重送防止部材と各種紙葉類の間には大きな振動が発生しないため、鳴きの発生も防止される。
さらに、アクリルビーズの添加により重送防止部材自体も長時間の使用においても摩耗しにくく、安定した搬送力が維持される。かつ、アクリルビーズは耐熱性、耐薬品性に優れ、分散性にも優れるため、既存の方法により、種々のゴム成分あるいは/及びエラストマー成分、添加剤等と混合、混練等することができ、紙葉類重送防止部材を簡単に形成することができる。
具体的には、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸エチル、架橋ポリメタクリル酸ブチル、架橋ポリアクリル酸メチル、架橋ポリアクリル酸エチル、架橋ポリアクリル酸ブチル等の樹脂が好適に用いられる。
特に、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリメタクリル酸エステル系のアクリルビーズが好適に用いられる。
アクリルビーズは前記モノマーを単独で重合して得られたものでもよいし、2種以上のモノマーを混合重合して得られたものでもよい。
さらに、アクリルビーズは、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂からなるポリマービーズのうち1種以上と混合して用いてもよい。
EPDMはその配合量により摩擦係数の調節が容易とされる。また、EPDMの主鎖は、飽和炭化水素からなり、二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても分子切断が起こりにくい。そのため、紙葉類重送防止部材の耐候性および耐酸化性を高める観点からも、EPDMを主成分とし、ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分100質量部中に50質量部以上90質量部以下で含有されていることが好ましい。EPDMと他のゴムとを併用する場合においても、耐候性および耐酸化性を高める効果を得る観点からは、ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分100質量部中のEPDMの含有量を50質量部以上、さらには80質量部以上としても良いが、70質量部程度とするのが特に好ましい。
EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在するが、本発明ではいずれのタイプのものも使用可能である。油展タイプのEPDMが用いられる場合は、伸展油を除いたゴム成分あるいは/及びエラストマー成分が前記した範囲とされることが好ましい。
前記構成とすれば、ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分は、いわゆる動的加硫型熱可塑性エラストマーとなる。
動的架橋によれば、ゴム成分と熱可塑性ポリマーとの効果的なアロイ化が可能であり、熱可塑性ポリマーからなるマトリックスに、ゴム粒子の島を分散させることができる。このような組成物によれば、熱可塑性ポリマーの利点とゴムの優れた物性とを両立することが可能である。従って、紙葉類重送防止部材の耐摩耗性の更なる向上が可能であり、鳴き防止効果も高められる。
重送防止部材は熱可塑性ポリマーが配合されている場合には摩耗しにくいが、長期間の使用によって表面が摩耗しても、熱可塑性ポリマーのマトリクス中にゴム粒子が分散した状態が表面から内部にまで存在しているため、常にほぼ一定の表面粗度を維持することができ、その結果、摩擦係数の経時変化を抑えることができる。
前記EPDM以外のゴム成分として、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、1,2―ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)等から選択される1種または2種以上を混合使用しても良い。
樹脂架橋剤を用いることにより、硫黄と加硫促進剤とが用いられた場合に発生しがちであるブルーミングが抑制され、ブルーミングに伴って生じる重送防止部材の摩擦係数低下が防止される。
好ましい樹脂架橋剤として、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られる、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。また、このアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物も好適に用いられる。これらの樹脂架橋剤はゴムとの相溶性に優れており、また、反応性に富んでいて架橋反応開始時間が早くなるので好ましい。
樹脂架橋剤の具体的な製品名としては、タッキロール201、タッキロール250−III(以上、田岡化学工業(株)製)、ヒタノール2501(日立化成工業(株)製)などのアルキルフェノール樹脂または臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
これは、ポリオレフィンは分子鎖が飽和状態であるので、動的架橋時に架橋させてしまうことがなく、ポリオレフィンは一般的に安価で入手が容易なため重送防止部材の製造コストが抑えることができるためである。
ポリオレフィンの具体例としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。
また、ナイロン樹脂等のエラストマーを用いてもよい。
ポリプロピレンは安価で、成形性が良好であり、重送防止部材の成分として用いた場合には耐摩耗性が向上する。特に、メルトフローレートが0.5以上10以下(特には0.5以上5.0以下)であるポリプロピレンが用いられれば、重送防止部材の耐摩耗性がさらに良好となる。メルトフローレートは、JIS−K−6758に準拠して測定される。
ポリプロピレンが他の熱可塑性ポリマーと併用される場合でも、ポリプロピレンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、全熱可塑性ポリマーに占めるポリプロピレンの比率が50質量%以上、特には75質量%以上とされるのが好ましい。ポリプロピレンの比率は多いほど好ましいので、その上限は特には定められない。すなわち、理想的には、必須成分であるアクリルビーズを除く全ての熱可塑性ポリマーがポリプロピレン(特にメルトフローレートが0.5以上5.0以下のポリプロピレン)とされる。
前述した理由により、樹脂架橋剤によって動的架橋されたEPDMからなるゴム粒子がポリプロピレンからなる熱可塑性ポリマー中に分散されたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが最も好ましい。
即ち、硬度が高すぎると耐摩耗性は良いが摩擦係数が低くなり重送が発生しやすくなるが、適度に硬度を高くしているため、鳴きの発生を防止しながら重送の発生も防止できる。さらに、引張強度、伸びにも優れ、耐摩耗性も向上する。このように、重送防止と、鳴き防止と、耐摩耗性の向上の3つの要求をバランス良く達成することができる。
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、tanδが低いため反発係数が高い。tanδが低い方が、重送防止部材がスティックおよびスリップしにくく、鳴きが発生しにくくなる。
また、ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、低温特性に優れ、耐油性および耐熱性にも優れている。従って、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含む紙葉類重送防止部材は、低温でも高い摩擦係数を維持し、紙葉類の重送を確実に防止できるとともに、優れた耐久性を有する。
ハードセグメントは、一般に芳香族ジカルボン酸ジエステル基からなる。
ハードセグメントを構成する原料芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸等のフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらのなかでは、特にテレフタル酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸とエステルを形成するアルコールとしては、一般式HO(CH2 )nOH(nは2〜12の整数であり、好ましくは2〜6である)で表される脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール等が好ましい。ハードセグメントの具体例として、例えばポリブチレンテレフタレート基:{CO−C6H4−COO(CH2)4
−O}が挙げられる。
動的架橋によれば、ゴム成分とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの効果的なアロイ化が可能であり、ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなるマトリックスに、ゴム粒子の島を分散させることができる。このような組成物によれば、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの利点と、ゴムの優れた物性とを、両立することが可能である。従って、紙葉類重送防止部材の耐摩耗性の更なる向上が可能であり、鳴き防止効果も高められる。
上記軟化剤としてはオイル、可塑剤が挙げられ、オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
前記充填剤としては、タルク、シリカ、カーボン、酸化チタン、アルミ、ウィスカー、炭酸カルシウム、クレー、グラスファイバー、カーボンファイバー等を挙げることができる。充填剤の添加により、紙葉類重送防止部材の機械的強度を向上させることができる。充填剤の配合量は、ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分100質量部に対して、30質量部以下とするのが好ましい。充填剤の比率が上記範囲を越えると、ゴムの柔軟性が低下してしまうことがあるからである。
例えば、所定の配合物を、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機等の公知の混練装置を用いて混練りすることにより、組成物を得ることができる。混練り中の配合物の温度は、例えば160℃〜220℃である。得られた組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形等の既知の成形手段により、所要の形状に成形される。
よって、インクジェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置等の給紙機構において、紙送りローラと対向させて配置すると、紙葉類の分離性能を安定させることができ、耐久性、耐磨耗性に優れているので良好に使用できる。
図1は、紙葉類重送防止部材としての分離パッド23が用いられた給紙機構が示された模式的断面図である。該給紙機構では、トレイ21と給紙ローラ12とが離間して配置され、給紙ローラ12と対向する位置には、基板22に固定された分離パッド23が設けられている。該分離パッド23が紙葉類重送防止部材となる。
給紙ローラ12が図中の矢印Rで示される方向に回転することにより、トレイ21の上の紙葉類15が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り出される構成としている。
第一実施形態の分離パッド23は、ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分として、EPDMからなるゴム粒子がポリプロピレンからなる熱可塑ポリマー中に樹脂架橋剤により動的架橋されて分散されたエラストマーに、アクリルビーズが配合された組成物から成形している。よって、成形された分離パッド23にはアクリルビーズが分散しており、その一部は分離パッド23の表面に露出している。露出したアクリルビーズの粒子は、紙葉類11と直接擦れ合うことにより、OHP用フィルム、樹脂コート紙等の表面が合成樹脂からなる紙葉類11と分離パッド23の表面との密着を防止できるようにしている。
アクリルビーズとして、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリメタクリル酸エステル系ポリマーを主成分とする平均粒径4〜100μmの球状アクリルビーズを用いている。
また、EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在し、いずれを使用してもよいが本実施形態では油展量50%の油展タイプのEPDMを用いている。
樹脂架橋剤の配合量は、前記エラストマー100質量部に対して、本実施形態では5質量部以上10質量部以下としている。
前記エラストマーとアクリルビーズと共に、組成物中に必要に応じて、軟化剤、充填剤、補強剤、老化防止剤、ワックス、着色剤、架橋助剤等を適量添加してもよい。
混練時にゴム粒子が架橋され、微細なゴム粒子となって熱可塑性ポリマーのマトリックス中に分散し、いわゆる動的架橋型熱可塑性エラストマーとなる。得られた組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形等の既知の成形手段により、所要形状のシート状に成形される。このシートを所望の厚さにスライスした後、さらに所望の大きさの長方形に裁断し、紙葉類の重送防止部材である分離パット23としている。
なお、混練機としては、ゴムの配合量が熱可塑性ポリマーの配合量を多少上回った場合でも熱可塑性ポリマーがマトリックスとされ得るとの理由より、二軸押出機が好ましい。また、アクリルビーズは、他の配合剤が混練された後に投入し、さらに混練してもよい。
第二実施形態の分離パッド23は、ゴム成分あるいは/およびエラストマー成分として、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを単独で用い、組成物全体に対して0.5〜9質量%の割合でアクリルビーズを配合している。
ハードセグメントを構成する原料芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸ジメチルを、芳香族ジカルボン酸とエステルを形成するアルコールとしては、ブタンジオールの組合せで作られる、ポリブチレンテレフタレート基:{CO−C6 H4 −COO(CH2)4
−O}を用いている。
−COO−{(CH2)4O}5−](CO−CH2CH2CH2CH2CH2O)m
等が挙げられる。
さらに、オイル、可塑剤等の軟化剤、老化防止剤、着色剤、補強繊維等を必要に応じ適量配合してもよい。
また、ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、低温特性に優れ、低温でも高い摩擦係数を維持し、紙葉類の重送を確実に防止できるとともに、優れた耐久性を有する。耐油性および耐熱性にも優れている。
なお、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
下記表1に示すように、実施例および比較例について、表1に記載の配合からなる混練物を作成した。
使用した材料の詳細は下記の通りである。
EPDM:住友化学(株)製「エスプレン670F(商品名)」(油展量50質量%,ゴム成分50質量%)
ポリプロピレン:日本ポリケム(株)製「ノバテックMG05BS(商品名)」
ポリエステル系熱可塑性エラストマー:東レ・デュポン(株)製「ハイトレル3046(商品名)」、ハードセグメントとして[CO−C6H4−COO(CH2)4−O−] xを含み、ソフトセグメントとして[CO−C6H4−COO{(CH2)POq}]nを含むものである。
アクリルビーズ:ガンツ化成(株)製「ガンツパールGBX−10S(商品名)」(化粧品グレード、平均粒径4〜100μm)
カーボン:東海カーボン(株)製「シーストSO(商品名)」
樹脂架橋剤:田岡化学工業(株)製「タッキロール250−III(商品名)」
表1の配合でEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、ポリプロピレン、樹脂架橋剤、アクリルビーズを配合し、タンブラを用いてドライブレンドしたのち、2軸押出機に投入し、200℃で混練し、同時に動的架橋を行い、シート状に押し出した。得られたシートをスライスもしくは研磨して、厚さ2.0mmのシート状の紙葉類重送防止部材を得た。
(比較例1)
アクリルビーズを配合しない以外は実施例1乃至実施例3と同様にして紙葉類重送防止部材を作製した。
(比較例2)
アクリルビーズの換わりにコルク粒子を配合した以外は実施例1乃至実施例3と同様にして紙葉類重送防止部材を作製した。
組成物の配合を表1に記載のように変更した以外、実施例1乃至実施例3と同様にして紙葉類重送防止部材を作製した。
(比較例3)
アクリルビーズを配合しない以外は実施例4と同様にして紙葉類重送防止部材を作製した。
ヘイドン14型の摩擦係数測定機(新東科学(株)製「トライボギア」、TYPE:HEIDON―14DR)を用いた。測定紙として普通紙はキャノン(株)製のプロパーボンド紙(商品名)を、OHPはエプソン(株)製のカラーレーザープリンタ用OHPシートを各々使用し、荷重1.96N、速度600mm/分の条件で測定した。
各実施例及び比較例の紙葉類重送防止部材をプリンタ(キャノン(株)製の商品名「LBP1310(商品名)」)に装着し、23℃、相対湿度55%で、OHP紙200枚を通紙している際の異音(鳴き)発生の有無を観察した。鳴きが全く発生しなかった場合を「無」、僅かでも鳴きが発生した場合を「有」とした。
各実施例及び比較例の紙葉類重送防止部材をプリンタ(キャノン(株)製の商品名「LBP1310(商品名)」)に装着し、23℃、相対湿度55%で、普通紙を30000枚通紙している際の通紙状況の観察を行った。重送が全く発生しなかった場合を「良好」、数回でも重合が発生した場合を「重送発生」とした。
磨耗量は、前記通紙試験の前後における重送防止部材の質量差を測定し、単位をmgとして表した。数値が小さいほど試料の耐磨耗性は優れている。
また、アクリルビーズの代わりにコルク粒子30質量%配合した比較例2は、実施例1乃至実施例3と比較して、普通紙、OHP紙とも初期摩擦係数は良好であったが、重送の発生が確認され、実施例の重送防止部材と比べて劣っていた。
よって、実施例1〜4のアクリルビーズを含有する重送防止部材は、優れた重送防止部材となり、特に、紙葉類がOHP紙等の表面が樹脂からなり平滑度が高いものである場合においても、優れた耐磨耗性を有しており、従って各種の紙類において広範に良好に使用できることが確認できた。また、イオウ加硫でないことからブルームの問題もなく、耐酸化性等の耐久性にも優れた高性能の重送防止部材である。
21 トレイ
15 紙葉類
22 基板
23 分離パッド
Claims (5)
- ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分に、アクリルビーズが配合されている組成物から成形され、前記アクリルビーズは前記組成物全体に対して10質量%以下の割合で配合されていることを特徴とする紙葉類重送防止部材。
- 前記ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分100質量部中に、前記ゴム成分としてEPDMが50質量部以上90質量部以下で含有されている請求項1に記載の紙葉類重送防止部材。
- 前記ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分は、樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴム粒子が熱可塑性ポリマー中に分散されたエラストマーからなる請求項1または請求項2に記載の紙葉類重送防止部材。
- 前記ゴム粒子がEPDMからなると共に、前記熱可塑性ポリマーがポリプロピレンからなる請求項3に記載の紙葉類重送防止部材。
- 前記ゴム成分あるいは/及びエラストマー成分が、ポリエステル系熱可塑性エラストマーである請求項1に記載の紙葉類重送防止部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006184896A JP4870486B2 (ja) | 2006-07-04 | 2006-07-04 | 紙葉類重送防止部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006184896A JP4870486B2 (ja) | 2006-07-04 | 2006-07-04 | 紙葉類重送防止部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008013295A true JP2008013295A (ja) | 2008-01-24 |
JP4870486B2 JP4870486B2 (ja) | 2012-02-08 |
Family
ID=39070718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006184896A Expired - Fee Related JP4870486B2 (ja) | 2006-07-04 | 2006-07-04 | 紙葉類重送防止部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4870486B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011057340A (ja) * | 2009-09-08 | 2011-03-24 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2011068462A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2011084394A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2014141326A (ja) * | 2013-01-23 | 2014-08-07 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 給紙部材 |
CN104105745A (zh) * | 2012-02-10 | 2014-10-15 | 日东电工株式会社 | 聚乳酸系薄膜或薄片、及粘合带或片 |
WO2015040901A1 (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-26 | 沖電気工業株式会社 | 媒体繰出装置及び媒体取引装置 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001206579A (ja) * | 2000-01-26 | 2001-07-31 | Seiko Epson Corp | プリンタ |
JP2002096939A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2002255384A (ja) * | 2001-02-26 | 2002-09-11 | Sharp Corp | シート材の送り装置 |
JP2003055472A (ja) * | 2001-08-22 | 2003-02-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いた紙葉類重送防止部材、並びに給紙ローラ |
JP2003321580A (ja) * | 2002-04-26 | 2003-11-14 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、該組成物を用いた紙葉類の重送防止部材、及び給紙ローラ |
JP2004143284A (ja) * | 2002-10-24 | 2004-05-20 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | エラストマー組成物及び該組成物を用いたゴムローラ |
JP2005206303A (ja) * | 2004-01-21 | 2005-08-04 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2005255313A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-09-22 | Tokai Rubber Ind Ltd | 紙送りロールの製法およびそれに用いられる紙送りロール用ウレタン組成物ならびに紙送りロール |
JP2005280859A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2007254122A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Canon Inc | 搬送ローラ対及び該搬送ローラ対を用いる記録装置 |
-
2006
- 2006-07-04 JP JP2006184896A patent/JP4870486B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001206579A (ja) * | 2000-01-26 | 2001-07-31 | Seiko Epson Corp | プリンタ |
JP2002096939A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2002255384A (ja) * | 2001-02-26 | 2002-09-11 | Sharp Corp | シート材の送り装置 |
JP2003055472A (ja) * | 2001-08-22 | 2003-02-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いた紙葉類重送防止部材、並びに給紙ローラ |
JP2003321580A (ja) * | 2002-04-26 | 2003-11-14 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、該組成物を用いた紙葉類の重送防止部材、及び給紙ローラ |
JP2004143284A (ja) * | 2002-10-24 | 2004-05-20 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | エラストマー組成物及び該組成物を用いたゴムローラ |
JP2005206303A (ja) * | 2004-01-21 | 2005-08-04 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2005255313A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-09-22 | Tokai Rubber Ind Ltd | 紙送りロールの製法およびそれに用いられる紙送りロール用ウレタン組成物ならびに紙送りロール |
JP2005280859A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2007254122A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Canon Inc | 搬送ローラ対及び該搬送ローラ対を用いる記録装置 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011057340A (ja) * | 2009-09-08 | 2011-03-24 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2011068462A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
JP2011084394A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙葉類重送防止部材 |
CN102040108A (zh) * | 2009-10-19 | 2011-05-04 | 住友橡胶工业株式会社 | 防止多页进纸部件 |
CN104105745A (zh) * | 2012-02-10 | 2014-10-15 | 日东电工株式会社 | 聚乳酸系薄膜或薄片、及粘合带或片 |
US10118999B2 (en) | 2012-02-10 | 2018-11-06 | Nitto Denko Corporation | Polylactic acid film or sheet, and pressure-sensitive adhesive tape or sheet |
JP2014141326A (ja) * | 2013-01-23 | 2014-08-07 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 給紙部材 |
US9586774B2 (en) | 2013-01-23 | 2017-03-07 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Sheet feeding member |
WO2015040901A1 (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-26 | 沖電気工業株式会社 | 媒体繰出装置及び媒体取引装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4870486B2 (ja) | 2012-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4870486B2 (ja) | 紙葉類重送防止部材 | |
JP4347869B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法及び成形物 | |
EP1160287B1 (en) | Thermoplastic elastomer composition and rubber roller composed thereof | |
JPH11236465A (ja) | ゴム組成物、該ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴム組成物の製造方法 | |
US7367554B2 (en) | Member for preventing feeding of a plurality of sheets at a time | |
US7253233B2 (en) | Elastomer composition and rubber roller | |
JP5080034B2 (ja) | ゴムローラ | |
JP3266859B2 (ja) | ゴム組成物、該ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴム組成物の製造方法 | |
JP2009096841A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物および該組成物からなる防振・防音部材 | |
JP2007106898A (ja) | 紙送りローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物からなる紙送りローラ | |
JP3670556B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ | |
JP4125947B2 (ja) | 紙送りローラ | |
EP1316584A2 (en) | Paper-feeding roller | |
JP2007002015A (ja) | 紙送りロール用ゴム架橋物およびこれを用いた紙送りロール | |
JP3255635B2 (ja) | 紙葉類重送防止部材 | |
JP4575855B2 (ja) | 給紙機構および画像形成装置 | |
JP4223153B2 (ja) | 給紙ローラ | |
JP3919178B2 (ja) | 紙葉類の重送防止部材 | |
JP4250023B2 (ja) | 弾性部材および紙送りローラ | |
JP5410217B2 (ja) | 紙葉類重送防止部材 | |
JP2003055472A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いた紙葉類重送防止部材、並びに給紙ローラ | |
JP3581068B2 (ja) | 紙葉類重送防止部材 | |
JP3254197B2 (ja) | 紙葉類重送防止部材 | |
JP2002332131A (ja) | 紙葉類重送防止部材及びその製造方法 | |
JP2003183472A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、及び該組成物を用いた紙葉類の重送防止部材、並びに給紙ローラ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090605 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110726 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111115 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4870486 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |