JP2001163468A - 紙葉類重送防止部材 - Google Patents

紙葉類重送防止部材

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JP2001163468A
JP2001163468A JP35540399A JP35540399A JP2001163468A JP 2001163468 A JP2001163468 A JP 2001163468A JP 35540399 A JP35540399 A JP 35540399A JP 35540399 A JP35540399 A JP 35540399A JP 2001163468 A JP2001163468 A JP 2001163468A
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靖時 伊藤
Shuichi Sakamoto
秀一 坂本
Takeo Nakazono
健夫 中園
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性に優れ、製造が容易であり、しかも原
料ポリマーとしての再利用が可能な紙葉類重送防止部材
の提供。 【解決手段】 給紙ローラ2とトレイ4とから、給紙機
構が形成されている。トレイ4は、その上面の給紙ロー
ラ2寄りに、紙葉類重送防止部材としての分離シート6
を備えている。分離シート6は、ポリマー組成物から成
形されている。このポリマー組成物では、樹脂架橋剤に
よって動的架橋されたゴムの粒子が熱可塑性ポリマー中
に分散している。この熱可塑性ポリマーは、メルトフロ
ーレートが0.5以上10以下のポリプロピレンを主成
分として含んでいる。ゴムは、EPDMを主成分として
含んでいる。ゴムと熱可塑性ポリマーとの質量比は、3
0/70以上80/20以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の給紙機構に用いられる、分離シー
ト、分離パッド、分離ローラ等の紙葉類重送防止部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】給紙機構では、PPC用紙、OHP用フ
ィルム等の紙葉類が多数枚トレイに蓄えられ、この紙葉
類が給紙ローラによって画像形成機構に送られる。この
給紙ローラと紙葉類との摩擦係数は、ある程度大きめで
ある必要がある。具体的には、紙葉類と給紙ローラとの
摩擦係数が、紙葉類同士の摩擦係数よりも大きくなけれ
ばならない。これによって、紙葉類が一枚ずつ確実に分
離されて画像形成機構に送られ、いわゆる重送が防止さ
れる。
【0003】この給紙機構において、如何に紙葉類と給
紙ローラとの摩擦係数が大きくても、トレイ内の紙葉類
の残り枚数が少なく(例えば数枚程度と)なると、残り
の紙葉類すべてが一度に送られて重送が発生してしまう
ことがある。これは、トレイと紙葉類との摩擦係数が紙
葉類同士の摩擦係数よりも小さいため、紙葉類が一枚ず
つ確実に分離されないことに起因する。紙葉類の残り枚
数が少なくなった場合の重送を防止するには、トレイと
紙葉類との摩擦係数がある程度大きめである必要があ
る。
【0004】ところが、トレイと紙葉類との摩擦係数が
大きすぎて、給紙ローラと紙葉類との摩擦係数よりも大
きくなると、トレイ内の最後の紙葉類が送られなくなっ
ていわゆる紙残りが発生してしまう。紙残りを防止する
には、トレイと紙葉類との摩擦係数が給紙ローラと紙葉
類との摩擦係数よりも小さいことが必要である。すなわ
ち、この種の給紙機構において、重送防止と紙残り防止
とを両立させるには、給紙ローラと紙葉類との摩擦係数
μF、トレイと紙葉類との摩擦係数μR及び紙葉類同士
の摩擦係数μPは、下記数式 μF>μR>μP −−−(I) で表される関係にある必要がある。
【0005】紙葉類がPPC用紙である場合、μFは
1.5から2.5程度であり、μPは0.3から0.3
5程度である。従って、μRは0.5以上1.2以下程
度とされる必要がある。ところが、トレイの本体は通常
合成樹脂製であり、この合成樹脂の表面は摩擦係数が小
さいので、本体のみではμRを上記範囲内とすることは
困難である。
【0006】上記数式(I)で表される範囲内のμRを
達成するため、トレイ本体の給紙ローラと対向する位置
に、分離シートが設けられることがある。分離シートは
通常はゴム製であり、また、表面が研磨されることによ
って表面粗度が高められ、摩擦係数が調整されている。
このような分離シートは、例えば特開平5−17034
8号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分離シートが長期間使
用されると、表面が摩耗して摩擦係数が低下してしまう
ことがある。また、摩耗量が大幅であると、給紙ローラ
がトレイ本体と接触してしまうおそれもある。また、こ
の分離シートでは表面研磨工程が必要であり、しかもこ
の表面研磨工程で所定範囲の摩擦係数となるように微妙
に表面粗度を調整しなければならないので、製造コスト
が上昇してしまう。さらに、この分離シートはゴム製で
あるので加熱されても溶融せず、このため原料ポリマー
としての再利用が図れないものである。
【0008】複写機の機種によっては、トレイと給紙ロ
ーラとが離間しており、給紙ローラと対向する位置に分
離パッドや分離ローラが設けられる給紙機構もある。こ
れら分離パッドや分離ローラにおいても、前述の分離シ
ートと同様に、摩耗による摩擦係数の低下、製造の困難
性、再利用の困難性等の問題がある。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、耐摩耗性に優れ、製造が容易であり、しか
も原料ポリマーとしての再利用が可能な紙葉類重送防止
部材の提供をその目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成のために
なされた発明は、樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴ
ムの粒子が、メルトフローレートが0.5以上10以下
のポリプロピレンを主成分とする熱可塑性ポリマー中に
分散しているポリマー組成物から成形された紙葉類重送
防止部材、である。
【0011】この紙葉類重送防止部材は、熱可塑性ポリ
マーの主成分としてポリプロピレンが用いられており、
しかもこのポリプロピレンのメルトフローレート(MF
R)が0.5以上10以下であるので、耐摩耗性に優れ
る。従って、長期間の使用によっても摩耗しにくく、良
好な摩擦係数が長期間維持される。また、この紙葉類重
送防止部材では表面研磨の必要がないので、製造工程が
簡略化される。しかも、この紙葉類重送防止部材は熱可
塑性であるので加熱によって溶融し、従って原料ポリマ
ーとして再利用されうる。
【0012】好ましくは、ゴムはエチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)を主成分とする。これに
より、紙葉類重送防止部材の耐候性が向上する。
【0013】好ましくは、ゴムと熱可塑性ポリマーとの
質量比は30/70以上80/20以下である。これに
より、紙葉類重送防止部材の良好な摩擦係数と熱可塑性
との両立が達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
本発明の実施形態が詳説される。
【0015】図1は、本発明の一実施形態にかかる紙葉
類重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機
構が示された模式的断面図である。この給紙機構は、給
紙ローラ2とトレイ4とを備えている。トレイ4は、そ
の上面の給紙ローラ2寄りに分離シート6を備えてい
る。トレイ4の上面には、多数枚の紙葉類8が重ねられ
て蓄えられている。トレイ4の給紙ローラ2寄りは、そ
の下面に当接するバネ(図示されず)によって上方に押
し上げられ、給紙ローラ2に向かって押しつけられてい
る。分離シート6と給紙ローラ2との間には、紙葉類8
の先端部分10が挟まれている。給紙ローラ2が図中の
矢印Rで示される方向に回転することにより、紙葉類8
が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り出される。
【0016】この分離シート6は、動的架橋によって得
られたポリマー組成物から成形されている。このポリマ
ー組成物では、熱可塑性ポリマーのマトリクス中に架橋
されたゴムの粒子が分散している。
【0017】分散質として好適なゴムは、EPDMであ
る。EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二
重結合を含まない。このため、高濃度オゾン雰囲気、光
線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が
起こりにくく、耐候性に優れるものである。従って、こ
のEPDMは画像形成時にオゾンが発生する複写機等の
分離シート6に好適である。また、EPDMは、熱可塑
性ポリマーへの分散性も比較的良好である。
【0018】分散質には、EPDMとともに他のゴムが
併用されてもよい。用いられるゴムとしては、天然ゴ
ム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等が
挙げられる。他のゴムがEPDMと併用される場合で
も、分離シート6の耐候性維持等の観点から、全ゴムに
占めるEPDMの比率が50質量%以上、特には80質
量%以上とされるのが好ましい。耐候性の観点からは全
ゴム中においてEPDMの占める比率は高いほど好まし
いので、本発明ではこの上限値は特には規定されない。
EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのE
PDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのE
PDMとが存在するが、本発明ではいずれのタイプのE
PDMも用いられ得る。なお、油展タイプのEPDMが
用いられる場合、親展油を除いたゴム成分が全ゴム中に
占める比率が、上記の50質量%以上(好ましくは80
質量%以上)とされればよい。
【0019】ゴムは、樹脂架橋剤によって架橋されてい
る。樹脂架橋剤が用いられることにより、硫黄と加硫促
進剤とが用いられた場合にありがちなブルーミングの問
題が生じない。従って、ブルーミングによる分離シート
6の摩擦係数低下が防止される。好ましい樹脂架橋剤と
して、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結
合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反
応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂が挙げられ、また、このハロゲン化物も好適に
用いられる。これらの樹脂架橋剤はゴムとの相溶性に優
れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間が
早くなるので好ましい。
【0020】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100部に対
して1部以上20部以下が好ましく、8部以上15部以
下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架
橋不足が起こり、分離シート6の耐久性が低下してしま
うことがある。逆に、配合量が上記範囲を越えると、過
剰架橋となって動的架橋時の異常発熱によるポリマー組
成物の熱劣化が生じてしまうしまうことがある。なお、
本明細書において「部」で示される数値は、質量が基準
とされたときの比を意味する。
【0021】マトリックスである熱可塑性ポリマーは、
主成分として、メルトフローレートが0.5以上10以
下であるポリプロピレン含む。ポリプロピレンは安価で
経済的であり、しかも成形性に優れる。メルトフローレ
ートが10以下であるポリプロピレンが用いられること
により、経済性及び成形性という一般的なポリプロピレ
ンの長所に加えて、分離シート6の耐摩耗性が向上する
という長所が得られる。耐摩耗性向上の観点から、ポリ
プロピレンのメルトフローレートは、5以下が特に好ま
しい。耐摩耗性向上の観点からはポリプロピレンのメル
トフローレートは小さいほど好ましいが、メルトフロー
レートが0.5未満のポリプロピレンが用いられた場
合、加工性低下の問題が生ずるおそれがある。なお、メ
ルトフローレートは、JIS−K−6758に準拠して
測定される。
【0022】マトリックスの熱可塑性ポリマーは、メル
トフローレートが0.5以上10以下のポリプロピレン
単体から構成されてもよく、また、このポリプロピレン
と他の熱可塑性ポリマーとが併用されてもよい。好適な
他の熱可塑性ポリマーはポリオレフィンであり、具体的
にはポリエチレン、メルトフローレートが10を越える
ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート樹脂、
エチレン−ビニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリ
ル酸樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらは
単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて
用いられてもよい。ポリオレフィンは分子鎖が飽和状態
であるので、動的架橋時に架橋させてしまうことがな
い。また、ポリオレフィンは一般的に安価で入手が容易
であるので、これが用いられることにより分離シート6
の製造コストが抑えられる。
【0023】また、他の熱可塑性ポリマーとして、ポリ
オレフィンに代えて、又はポリオレフィンとともに、ソ
フトセグメントとハードセグメントとを備えた熱可塑性
エラストマーが用いられてもよい。好適な熱可塑性エラ
ストマーとしては、水素添加スチレン系熱可塑性エラス
トマーが挙げられる。水素添加スチレン系熱可塑性エラ
ストマーは、ポリスチレン末端ブロックとエラストマー
中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分とし
ているものである。中間ブロックが水素添加されること
によって二重結合が消滅しており、従って動的架橋時に
架橋させてしまうことがない。用いられる水素添加スチ
レン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン
−エチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/
プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/
ブチレン−スチレン共重合体等が挙げられる。
【0024】他の熱可塑性ポリマーが併用される場合で
も、分離シート6の耐摩耗性維持の観点から、メルトフ
ローレートが0.5以上10以下のポリプロピレンが主
成分とされる必要がある。具体的には、全熱可塑性ポリ
マーに占めるメルトフローレートが0.5以上10以下
のポリプロピレンの比率は、50質量%以上、特には7
0質量%以上が好ましい。
【0025】ゴムと熱可塑性ポリマーとの質量比は、3
0/70以上80/20以下が好ましく、50/50以
上75/25以下が特に好ましい。質量比が上記範囲未
満であると、分離シート6の摩擦係数が小さくなってし
まうことがある。逆に、質量比が上記範囲を超えると、
熱可塑性ポリマーがマトリックスでなくなってしまい、
ポリマー組成物の可塑化が困難となってしまうことがあ
る。
【0026】ポリマー組成物には、オイル、可塑剤等の
軟化剤が配合されてもよい。これにより、分離シート6
が低硬度となって、その摩擦係数が向上する。配合され
るオイルとしては、例えばパラフィン系鉱物油、ナフテ
ン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマー等
が挙げられる。また、配合される可塑剤としては、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセ
パケート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。な
お、油展タイプのゴムが用いられる場合は親展油が軟化
剤として作用するので、他の軟化剤の配合が省略されて
もよい。もちろん、必要に応じ、油展タイプのゴムにさ
らに軟化剤が添加されてもよい。
【0027】ポリマー組成物には、必要に応じて充填
剤、老化防止剤、ワックス、着色剤、架橋助剤等が適量
添加されてもよい。
【0028】ポリマー組成物は、例えばオープンロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸
押出機等の既知の混練機にて混練されることにより得ら
れる。混練時にゴムが架橋され、微細粒子となって熱可
塑性ポリマーマトリックス中に分散する(いわゆる動的
架橋)。得られたポリマー組成物は、押出成形、射出成
形、圧縮成形等の既知の成形手段により、分離シート6
とされる。なお、混練機は、ゴムの配合量が熱可塑性ポ
リマーの配合量を多少上回った場合でも熱可塑性ポリマ
ーがマトリックスとされ得るとの理由より、二軸押出機
が好ましい。
【0029】この分離シート6が用いられた給紙機構で
は、給紙ローラ2と紙葉類8との摩擦係数μF、トレイ
4(すなわち分離シート6)と紙葉類8との摩擦係数μ
R及び紙葉類8、8同士の摩擦係数μPは、下記数式 μF>μR>μP −−−(I) で表される関係にある。これにより、紙葉類の重送及び
紙残りが防止される。
【0030】この分離シート6は動的架橋されたゴム粒
子が熱可塑性ポリマー中に分散しているので、表面研磨
工程が省略されたり、表面研磨工程における研磨時間が
短縮されても、容易にμRが上記数式(I)で表される
範囲内に設定され得る。また、この分離シート6はメル
トフローレートが0.5以上10以下のポリプロピレン
を主成分としているので摩耗しにくいが、もし長期間の
使用によって表面が摩耗しても、熱可塑性ポリマーのマ
トリクス中にゴム粒子が分散した状態が表面から内部に
まで渡っているので、常にほぼ一定の表面粗度が維持さ
れる。従って、摩擦係数の経時変化が抑えられる。
【0031】図2は、本発明の他の実施形態にかかる紙
葉類重送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙
機構が示された模式的断面図である。この給紙機構で
は、トレイ12と給紙ローラ2とが離間している。給紙
ローラ2と対向する位置には、基板14に固定された分
離パッド16が設けられている。給紙ローラ2が図中の
矢印Rで示される方向に回転することにより、トレイ1
2の上の紙葉類8が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り
出される。
【0032】分離パッド16は、図1に示された分離シ
ート6と同様に、メルトフローレートが0.5以上10
以下のポリプロピレンを主成分とする熱可塑性ポリマー
中にゴム粒子が分散した、ポリマー組成物から成形され
ている。従って、この分離パッド16は耐摩耗性に優
れ、また、加熱によって原料ポリマーとしての再利用が
可能である。
【0033】分離パッド16に代えて、分離ローラが設
けられた給紙機構も存在する。また、分離パッドと分離
シートとの両方を備えた給紙機構も存在する。いずれの
場合でも、これら紙葉類重送防止部材(分離シート、分
離パッド、分離ローラ等)に図1の分離シート6と同様
のポリマー組成物が用いられることにより、その耐摩耗
性、生産性、再利用性等が高められる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
されるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的
に解釈されるべきでないことはもちろんである。
【0035】[実施例1]50質量%の親展油が油展さ
れたEPDM(住友化学社の商品名「670F」)を二
軸押出機(モリヤマ社の「2TR−75」)を用いて押
し出し、直径が4mmで長さが4mmのペレットを得
た。このペレット140部(ゴム成分70部)と、MF
Rが0.5であるポリプロピレン(日本ポリケム社の商
品名「ノバテックPP EC9」)30部とをタンブラ
ーにて混合し、二軸押出機(アイベック社の「HTM3
8」)に投入した。別の投入口より樹脂架橋剤としての
臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(田
岡化学社の商品名「タッキロール 250−III」)8.
4部を投入し、180℃で混練してリボン状(幅30m
m、厚み3mm)に押し出した。これを冷却後、厚みが
半分となるようにスライスし、幅10mm、長さ60m
mの長方形に裁断して、実施例1の紙葉類重送防止部材
を得た。
【0036】[実施例2から6並びに比較例1及び2]
ポリプロピレンの種類を下記の表1に示されるものと
し、また、EPDM及びポリプロピレンの配合量を同表
に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施
例2から6並びに比較例1及び2の紙葉類重送防止部材
を得た。なお、実施例2及び6ではメルトフローレート
が2.7のポリプロピレン(日本ポリケム社の商品名
「ノバテックPP BC6」)を用い、実施例3及び5
ではメルトフローレートが10のポリプロピレン(日本
ポリケム社の商品名「ノバテックPPBC3M」)を用
い、比較例1ではメルトフローレートが16のポリプロ
ピレン(日本ポリケム社の商品名「ノバテックPP B
C2E」)を用い、比較例2ではメルトフローレートが
45のポリプロピレン(日本ポリケム社の商品名「ノバ
テックPP MG05BS」)を用い、実施例4ではメ
ルトフローレートが0.5のポリプロピレン(前述の
「ノバテックPP EC9」)を用いた。
【0037】[比較例3]EPDM(前述の「670
F」)100部(ゴム成分50部)、ポリブタジエン
(日本合成ゴム社の商品名「BR11」)50部及び硫
黄(鶴見化学社の商品名「粉末硫黄」)5.0部を密閉
式混練機で混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物
をオープンロールでシーティングし、金型に投入して加
圧・加熱して架橋反応を起こさせ、ゴム片を得た。この
ゴム片を実施例1と同一寸法に裁断し、比較例3の紙葉
類重送防止部材を得た。
【0038】[初期摩擦係数の測定]ヘイドン14型の
摩擦係数測定機(新東科学社の商品名「トライボギア
TYPE:HEIDON−14DR」)を用意し、測定
紙としてキャノン社のプロパーボンド紙を用いて、初期
摩擦係数を測定した。条件は、荷重が1.96Nで、速
度が600mm/minであった。この結果が、下記の
表1に示されている。
【0039】[通紙試験]紙葉類重送防止部材を分離パ
ッドとして装着したプリンター(キャノン社の商品名
「LBP750」)にて、PPC用紙を10万枚通紙し
た。そして、この通紙の前後の紙葉類重送防止部材の質
量を測定し、摩耗量を求めた。また、通紙の初期段階と
最終段階とで、通紙状況を観察した。これらの結果が、
下記の表1に示されている。なお、比較例2の紙葉類重
送防止部材では摩耗が激しく、給紙ローラが基板に接触
して重送が多発したので、通紙を途中で中止した。
【0040】
【表1】
【0041】表1において、各実施例の紙葉類重送防止
部材では、メルトフローレートが0.5以上10以下の
ポリプロピレンが配合されていない各比較例の紙葉類重
送防止部材に比べて摩耗が少ない。このことより、メル
トフローレートが0.5以上10以下のポリプロピレン
が紙葉類重送防止部材の耐摩耗性向上に寄与することが
解る。この評価結果より、本発明の優位性が確認され
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の紙葉類
重送防止部材は耐摩耗性に優れる。この紙葉類重送防止
部材が給紙機構に用いられることにより、長期間に渡っ
て紙葉類の重送が防止される。また、この紙葉類重送防
止部材は、ゴム製の紙葉類重送防止部材に比べて製造が
容易である。しかも、この紙葉類重送防止部材は全体と
して熱可塑性であるので、原料ポリマーとしての再利用
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施形態にかかる紙葉類
重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機構
が示された模式的断面図である。
【図2】 図2は、本発明の他の実施形態にかかる紙葉
類重送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙機
構が示された模式的断面図である。
【符号の説明】
2・・・・・・給紙ローラ 4、12・・・トレイ 6・・・・・・分離シート 8・・・・・・紙葉類 10・・・・・先端部分 14・・・・・基板 16・・・・・分離パッド
フロントページの続き (72)発明者 中園 健夫 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3F343 FA02 FB02 FB03 FB04 FC01 GA02 GB01 GD01 JD08 JD37 4F071 AA13 AA20 AA88 AF28 AH16 DA06 4J002 AC01Y AC03Y AC08Y AC09Y BB03W BB06W BB07W BB08W BB12W BB15X BB15Y BB27Y BG04Y BP01W FD020

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴム
    の粒子が、メルトフローレートが0.5以上10以下の
    ポリプロピレンを主成分とする熱可塑性ポリマー中に分
    散しているポリマー組成物から成形された紙葉類重送防
    止部材。
  2. 【請求項2】 上記ゴムの主成分がエチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体である請求項1に記載の紙葉類重送
    防止部材。
  3. 【請求項3】 上記ゴムと熱可塑性ポリマーとの質量比
    が30/70以上80/20以下である請求項1又は請
    求項2に記載の紙葉類重送防止部材。
JP35540399A 1999-12-15 1999-12-15 紙葉類重送防止部材 Expired - Fee Related JP3581068B2 (ja)

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