JP2000034375A - 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法 - Google Patents

架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000034375A
JP2000034375A JP10205276A JP20527698A JP2000034375A JP 2000034375 A JP2000034375 A JP 2000034375A JP 10205276 A JP10205276 A JP 10205276A JP 20527698 A JP20527698 A JP 20527698A JP 2000034375 A JP2000034375 A JP 2000034375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
roller
rubber composition
crosslinked
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10205276A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2971861B1 (ja
Inventor
Kenichi Kamisaka
憲市 上坂
Hiroshi Tajima
啓 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP10205276A priority Critical patent/JP2971861B1/ja
Priority to EP99112369A priority patent/EP0974618B1/en
Priority to DE69912889T priority patent/DE69912889T2/de
Application granted granted Critical
Publication of JP2971861B1 publication Critical patent/JP2971861B1/ja
Publication of JP2000034375A publication Critical patent/JP2000034375A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/24Acids; Salts thereof
    • C08K3/26Carbonates; Bicarbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/16Elastomeric ethene-propene or ethene-propene-diene copolymers, e.g. EPR and EPDM rubbers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐オゾン性に優れ、配合剤のブルーミングがな
く、適度な柔軟性と優れた機械的強度を有する架橋ゴム
組成物を提供する。 【解決手段】EPDMゴムを主成分とするゴムと、該ゴ
ム100重量部当たり1〜20重量部の樹脂架橋剤と、
該ゴム100重量部当たり0.01〜10重量部の炭酸
亜鉛とを混練し、架橋する。これにより、配合剤のブル
ーミングがなく適度な柔軟性と優れた機械的強度を有す
る架橋ゴム組成物が得られ、例えばローラ状に成形して
画像形成装置の紙送りローラとして用いると、長期間安
定した紙送り性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐オゾン性に優れ、
配合剤のブルーミングがなく、適度な硬度と優れた機械
的強度を有する架橋ゴム組成物に関し、詳しくは、成形
して電気部品、電線被覆、パッキン、シール用ガスケッ
ト、防水シート、ホース、OA機器のゴム部品、静電気
式複写機,レーザープリンター,及びファクシミリ等の
画像形成装置の紙送りローラに好適に使用されるように
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気部品、電線被覆、パッキ
ン、シール用ガスケット、防水シート、ホース等の産業
用及び生活用の各種ゴム製品は、耐オゾン性が要求され
る場合、EPDMゴム(エチレン−プロピレン−ジエン
共重合ゴム)を主成分とするゴムを用いる場合が多い。
これは、EPDMゴムの主鎖が化学的に安定な飽和炭化
水素からなり、日光や高濃度オゾン中に長時間晒されて
も主鎖が切断しにくく、劣化しにくいためである。
【0003】また、静電気式複写機,レーザープリンタ
ー,及びファクシミリ等の画像形成装置はその構成上、
装置内にオゾンを発生する場合があり、該画像形成装置
に使用される紙送り用ゴムローラ(以下、単に紙送りロ
ーラと称する。)にも耐オゾン性に優れたEPDMゴム
を材料として用いる場合が多い。
【0004】上記産業用及び生活用の各種ゴム製品で
は、その硬度を下げるためにプロセスオイル等の各種オ
イルや可塑剤等をゴム中に配合したり、ゴムに油展ゴム
を用いい場合がある。また、圧縮永久歪みを小さくする
ためにゴムを架橋(加硫)する場合がある。
【0005】一方、静電気式複写機,レーザープリンタ
ー,及びファクシミリ等の画像形成装置に用いる紙送り
ローラは、良好な紙送り性能を長期間維持するために
は、紙との間に大きな接触面積を確保できる柔軟性とロ
ーラ表面が摩耗しにくい耐摩耗性が要求される。このた
め、ゴムにプロセスオイル等の各種オイルや可塑剤配合
したり、ゴムに油展ゴムを用いると共に、ゴムを架橋
(加硫)している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、ゴムを架橋(加
硫)する場合、加硫(架橋)剤として硫黄や有機過酸化
物が使用されるが、上記オイルや可塑剤を配合した系で
は、有機過酸化物はこれらのオイルや可塑剤によりその
反応が阻害される。よって、実際には硫黄を用いる場合
が多い。しかし、EPDMゴムを架橋(加硫)する場
合、EPDMゴムの主鎖には二重結合がなく、二重結合
はジエン成分として配合するDCPD(ジシクロペンタ
ジエン)、1,4−HD(1,4−ヘキサジエン)、E
NB(エチリデンノルボルネン)等の第三成分にしか存
在せず、また、これらの第三成分をポリマーに重合させ
る技術にも限界がある。このため、既存のEPDMゴム
のうちで最も大きいヨウ素価(ヨウ素価35)のEPD
Mゴムを用いて硫黄により加硫しても、NR(天然ゴ
ム)、BR(ブタジエンゴム)等のジエン系ポリマーと
比較して加硫速度が遅く、ゴム成分の機械的強度を十分
に向上させることができないという問題がある。そこで
従来、加硫剤である硫黄とともに加硫促進剤を配合し、
加硫促進剤の種類及び配合量の最適化を行うことによ
り、加硫速度の向上を図っていた。
【0007】しかしながら、加硫促進剤は極性が高く、
極性の低いEPDMゴム中には存在しにくい。このた
め、未加硫(架橋)のEPDMゴム中で加硫促進剤が均
一に分散せず、加硫後のゴム組成物において加硫促進剤
や加硫促進剤の反応生成物がブルーミングするという問
題が発生した。そして、このような加硫後のゴム組成物
におけるブルーミングは、かかるゴム組成物を所望の形
状に成形して各種ゴム製品(紙送りローラを含む)とし
た場合、製品に要求される諸特性が低下してしまう。例
えば、紙送りローラの場合、紙との間の摩擦係数を低下
させてしまう。
【0008】そこで、吸着性の良好なシリカ等の充填剤
をEPDMゴムを主成分とするゴムに配合してブルーミ
ングを抑制する手法も試みられている。しかしながら、
この場合は、加硫促進剤や加硫促進剤の反応生成物のブ
ルーミングを抑制できるものの、充填剤の配合量が多く
なるにつれてゴム組成物の硬度が大きくなり、ゴム組成
物の柔軟性が損なわれる場合がある。
【0009】特開昭57−73035号公報や特開昭5
7−180647号公報等ではポリアルキレングリコー
ルやエチレンアルキルエーテルをEPDMゴムに少量配
合して加硫促進剤のブルーミングを抑制することが提案
されている。しかしながら、この方法を用いても、満足
いくブルーミングの抑制効果は得られておらず、また、
ポリアルキレングリコールやエチレンアルキルエーテル
が加硫後のゴム組成物から析出して、新たな問題点を生
じてしまう。
【0010】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、耐オゾン性に優れ、配合剤のブルーミングが
なく、適度な柔軟性と優れた機械的強度を有する架橋ゴ
ム組成物を提供することを課題としている。
【0011】また、各種ゴム製品(紙送りローラを含
む)は金属部材と接触して用いられることが多く、金属
を腐蝕させないものであることが好ましい。よって、本
発明は、耐オゾン性に優れ、配合剤のブルーミングがな
く、適度な柔軟性と優れた機械的強度を有すると共に、
金属と接触した時に金属を腐蝕させにくい架橋ゴム組成
物を提供することを課題としている。
【0012】また、本発明は、上記好ましい諸特性を有
する架橋ゴム組成物により紙送りローラを生産性良く製
造することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、請求項1で、EPDMゴムを主成分と
するゴム100重量部当たり1〜20重量部の樹脂架橋
剤とともに0.01〜10重量部の炭酸亜鉛を配合して
架橋してなる架橋ゴム組成物を提供している。
【0014】すなわち、本発明は、樹脂架橋剤を用い、
EPDMゴムを主成分とするゴムに対して樹脂架橋剤と
共に炭酸亜鉛を特定量を配合して架橋すると、耐オゾン
性に優れ、ブルーミングがなく、適度な柔軟性と優れた
機械的強度を有する架橋ゴム組成物を生産性良く得るこ
とができることを見出したものである。
【0015】上記本発明の架橋ゴム組成物では、EPD
Mゴムに対して相溶性の良い樹脂架橋剤を用いて架橋し
ているのでブルーミングを生じない。
【0016】樹脂架橋剤としては、通常、フェノール樹
脂、ハロゲン化フェノール樹脂を用いる。また、トリア
ジン・ホルムアルデヒド樹脂、ヘキサメトキシメチル・
メラミン樹脂等の上記(ハロゲン化)フェノール樹脂以
外の他の付加縮合型樹脂を用いることもできる。通常、
フェノール樹脂やハロゲン化フェノール樹脂を用いるの
は、これらはEPDMゴムへの相溶性が特に良好で、ま
た、分子量、物性及び反応性の均一性に優れており、E
PDMゴムを主成分とするゴムをより均一に架橋できる
ためである。
【0017】上記フェノール樹脂はフェノール類とアル
デヒド類の付加反応と縮合反応の2段階反応(付加縮合
反応)で得られるものである。また、ハロゲン化フェノ
ール樹脂とは、フェノール樹脂中のアルデヒドユニット
に少なくとも一個のハロゲン原子が結合したものであ
り、下記の構造式(化1)により表されるものである。
【0018】
【化1】
【0019】上記フェノール樹脂の具体例としては、フ
ェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノ
ール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類
との反応(付加反応と縮合反応)により合成された各種
フェノール樹脂を用いることができる。
【0020】フェノール類としてはベンゼン環のオルト
位(o−)又はパラ位(p−)にアルキル基が結合した
アルキルフェノールが好ましい。これは、アルキルフェ
ノールはEPDMゴムとの相溶性が特に良好であるため
である。よって、フェノール樹脂としてはアルキルフェ
ノールを用いたアルキルフェノール樹脂を用いるのが好
ましい。また、アルデヒド類としてはホルムアルデヒド
が好ましい。これは、ホルムアルデヒドを用いたフェノ
ール樹脂は反応性が高く低コストであり、ゴム組成物
(製品)のコスト低減を図れるためである。よって、ア
ルキルフェノール・ホルムアルデヒド付加縮合物を用い
るのがより好ましい。アルキルフェノールのアルキル基
は、通常、炭素数が1〜10のアルキル基で、具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を挙げ
ることができる。
【0021】また、ハロゲン化フェノール樹脂はフェノ
ール樹脂よりも反応性が良く、より好ましい結果が得ら
れる。よって、本発明では、ハロゲン化したアルキルフ
ェノール・ホルムアルデヒド付加縮合物を用いるのが最
も好ましい。なお、ハロゲン化フェノール樹脂はフェノ
ール樹脂を合成した後、該フェノール樹脂中のアルデヒ
ドユニットとハロゲン化水素(HX)を反応させ、アル
デヒドユニット中の水酸基とハロゲン原子を置換させた
ものを用いることができる。また、ゴム組成物中に上記
ハロゲン原子を含まない通常のフェノール樹脂とともに
ハロゲン化金属等のハロゲン供与性物質を配合し、架橋
段階でフェノール樹脂中のアルデヒドユニット中の水酸
基とハロゲン原子を置換させてハロゲン化フェノール樹
脂としてもよい。ハロゲン化フェノール樹脂のハロゲン
原子は、塩素である場合が多いが、臭素、フッ素、ヨウ
素等の塩素以外の他のハロゲン原子であってもよい。ま
た、上記ハロゲン供与性物質としては、例えば、塩化ス
ズ(塩化第2スズ)、塩化鉄(塩化第2鉄)、塩化銅
(塩化第2銅)等のハロゲン化金属、塩素化ポリエチレ
ン等のハロゲン化樹脂を用いることができる。
【0022】フェノール樹脂及びハロゲン化フェノール
樹脂の重合度n(繰り返し単位の結合数)は一般に1〜
10、好ましくは、3〜6である。これは、重合度が小
さ過ぎると反応性が高くなり過ぎ(架橋反応速度が速く
なり過ぎ)、大きすぎると反応性が低くなり過ぎ(架橋
反応速度が遅くなり過ぎ)、好ましい結果が得難くなる
ためである。
【0023】なお、硫化−p−第三ブチルフェノールと
アルデヒド類を付加縮合させた変性アルキルフェノール
樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も本発明
の樹脂架橋剤として使用可能である。
【0024】本発明において樹脂架橋剤の配合量はEP
DMゴムを主成分とするゴム(ポリマー分)100重量
部当たり1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部配
合するのがよい。これは、樹脂架橋剤の配合量が20重
量部を越えると、過度に架橋が進行して架橋ゴム組成物
が硬く成り過ぎ、1重量部未満ではゴム組成物が十分に
架橋されず、架橋ゴム組成物に耐摩耗性を付与したり、
架橋ゴム組成物の圧縮永久歪み低減することが困難とな
る。
【0025】炭酸亜鉛(ZnCO )は樹脂架橋剤の
反応触媒であり、上記特定量の樹脂架橋剤と共にEPD
Mゴムを主成分とするゴム100重量部当たり0.01
〜10重量部を配合することで、架橋反応速度が速くな
り、短時間でより均質な架橋構造の架橋ゴム組成物を得
ることができる。よって、機械的強度がより向上した
(耐摩耗性がより向上した、または、圧縮永久歪みがよ
り低減した)架橋ゴム組成物を生産性よく製造できる。
炭酸亜鉛の配合量が0.01重量部未満では上記効果が
得られず、また、10重量部を越えると架橋反応速度が
速くなりすぎ、例えば、射出成形、プレス成形等により
混練ゴム組成物を加熱した金型内に充填して成形と同時
に架橋して架橋ゴム組成物の成形品を得る場合に、金型
内にゴム組成物が隙間なく充填される前に架橋反応が進
行し、成形不良等を発生する場合がある。また、樹脂架
橋剤としてハロゲン化フェノール樹脂を用いた場合、架
橋ゴム組成物中の残留ハロゲンにより架橋ゴム組成物
(の成形品)に接触する金属を腐蝕させる場合がある
が、炭酸亜鉛(ZnCO )を0.1〜10重量部の
配合量で使用するとかかる不具合を解消できる。よっ
て、炭酸亜鉛(ZnCO)はEPDMゴムを主成分と
するゴム(ポリマー分)100重量部に対して好ましく
は0.1〜8重量部、さらに好ましくは1〜5重量部配
合するのがよい。
【0026】上記樹脂架橋剤及び炭酸亜鉛の配合量はE
PDMゴムを主成分とするゴム全体が非油展ゴムからな
る場合、非油展ゴム100重量部当たりの配合量であ
り、EPDMゴムを主成分とするゴムが油展ゴムを含む
ものである場合、油展ゴム中のオイル成分を差し引いた
ゴム全体のポリマー分100重量部当たりの配合量であ
る。
【0027】EPDMゴムを主成分とするゴムは、EP
DMゴム(ポリマー分)を50重量%以上、好ましくは
80重量%以上、より好ましくは95重量%以上含んで
いるのがよい。EPDMゴム(ポリマー分)を50重量
%以上含むことにより、架橋ゴム組成物に良好な耐オゾ
ン性を付与することができる。なお、EPDMゴムのジ
エン成分は特に限定はなく、エチリデンノルボルネン
(ENB)、ジクロロペンタジエン(DCPD)等が使
用可能である。
【0028】EPDMゴムを主成分とするゴム中のEP
DMゴム以外の他のゴムとしては、例えば、ブチルゴ
ム、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(C
R)、天然ゴム(NR)、クロロスルホン化ポリエチレ
ンゴム(CSM)、エピクロヒドリン−エチレンオキシ
ド共重合ゴム(CIIC)、エピクロヒドリン単独重合
ゴム(CHR)、ニトリルゴム(NBR)の水素化物、
塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シリコン−エチレ
ンプロピレン混合ゴム、1,2−ポリブタジエン、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、アクリルゴム、及びクロロスルフォン化
ポリエチエンから選ばれる1種又は2種以上を用いるこ
とができる。
【0029】架橋ゴム組成物の硬度を低下させるため
に、組成物中にオイルや可塑剤の軟化剤を配合してもよ
い。オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香
族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自
体公知の合成油、またはプロセスオイル等を用いること
ができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンの
オリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレ
フィンのオリゴマー等を挙げることができ、特にエチレ
ンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパ
ケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等
を用いることができる
【0030】オイルを配合する場合、通常、ゴム100
重量部当たり1〜200重量部程度配合し、可塑剤を配
合する場合、通常ゴム100重量部当たり1〜20重量
部程度配合する。
【0031】なお、EPDMゴムを主成分とするゴムの
一部または全体に油展ゴムを用いることにより、油展ゴ
ム中のオイルが軟化剤として作用する。よって、油展ゴ
ムを用いる場合は、ゴムとは別にオイルや可塑剤を配合
しなくても、架橋ゴム組成物の硬度を低下させることが
できる。もちろん、油展ゴムを用いると共に、別途オイ
ルや可塑剤を配合してもよい。
【0032】架橋ゴム組成物の機械的強度を向上させる
ために、必要に応じて、充填剤を配合することができ
る。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラッ
ク、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン
酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等
の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、
充填剤はゴム組成物全体当たり10重量%以下とするの
が好ましい。これは充填剤の配合はゴムの引っ張り強度
及び引き裂き強度の改善には有効であるものの、余り多
く配合するとゴム組成物の柔軟性を大きく低下させてし
まうためである。
【0033】また、架橋ゴム組成物中には上記の配合剤
以外に、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を配合
することができる。老化防止剤としては、例えば、2−
メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、
フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフ
チル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−
イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン
類、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン
化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。
【0034】本発明の架橋ゴム組成物は、通常、EPD
Mゴムを主成分とするゴム、樹脂架橋剤、及び炭酸亜鉛
と、必要に応じて配合する各種配合剤を溶融混練し、該
混練物を架橋することにより製造する。混練は通常の方
法で行うことができ、例えば、オープンロール、バンバ
リミキサー等の公知のゴム混練装置を用いて80℃〜1
50℃で5〜20分程度、混練りするのがよい。架橋ゴ
ム組成物は架橋の前段階または架橋と同時に所望の製品
に適した形状に成形加工して使用する。例えば、押出成
形、射出成形、プレス成形等により、ローラ状、シート
状、ホース状、リング状等の形状に成形する。なお、混
練物の架橋は混練物の成形前又は成形後に行っても、ま
た、作業時間を短縮するために混練物の成形と同時に行
ってもよい。なお、架橋温度と時間は使用する樹脂架橋
剤の種類によっても異なるが、一般に150℃〜180
℃の温度下、5〜40分程度とする。
【0035】例えば、混練物の成形後に架橋を行う手法
で画像形成装置の紙送り用ゴムローラを作製する場合、
図1に示すように、上記混練物の中空のローラ形状に成
形した成形品Rに軸Sを挿入して、該軸Sを支持体Cに
より回転可能に支持し、軸Sを中心にして、ローラ形状
の成形品Rを所定の回転速度で回転させながら、電子線
照射装置Eにより、所定の吸収線量の電子線を照射し
て、ロール形状の成形品Rの表層部を予備架橋し、しか
る後、架橋缶にローラ形状の成形品Rを入れて本架橋す
る。
【0036】また、混練物の成形と同時に架橋を行う手
法で画像形成装置の紙送り用ゴムローラを作製する場
合、型部を所望のロール形状にした金型を加熱し、該加
熱した金型内に上記混練物を予備成形した予備成形物を
充填し、圧縮成形(プレス成形)する。この場合、混練
物の架橋は混練物を予備成形した予備成形物を加熱した
金型内に仕込むと同時に始まり、成形工程の終了前に完
了する。また、型部を所望のロール形状にした金型を加
熱し、該加熱した金型内に上記混練物を射出成形する。
この場合、混練物の架橋は混練物を加熱した金型内に射
出する前に混練物を予備加熱する段階からまり、成形工
程の終了前に完了する。
【0037】本発明の架橋ゴム組成物により画像形成装
置の紙送り用ゴムローラを作製した場合、給紙ローラ、
紙搬送ローラ、定着装置後断の排紙ローラ等に使用し得
るが、紙との摩擦係数の変動がその紙送り性能に大きく
影響し、長期間長期に渡って給紙性能を保つ必要のある
給紙ローラに使用した場合に大きな効果を得ることがで
きる。
【0038】図2は上記本発明の架橋ゴム組成物により
作製した紙送り用ゴムローラを静電式複写機の給紙ロー
ラに適用した模式図であり、ゴムローラ1の中心円筒部
には軸芯2が挿嵌され、ゴムローラ1に対設するように
パッド3が設けられている。軸芯2を矢印方向に回転さ
せると、ゴムローラ1も回転して、ゴムローラ1近傍に
ある紙4が巻き込まれ、これがゴムローラ1とパッド3
との隙間を通過し、コピー機の内部に紙4が供給され
る。
【0039】図3は上記本発明の架橋ゴム組成物により
作製した紙送り用ゴムローラを静電式複写機の紙分離を
行いながら給紙を行う給紙ローラ(上側ローラと下側ロ
ーラ)に適用した模式図であり、下側のゴムローラ10
aの中心円筒部には軸芯2が挿嵌され、下側のゴムロー
ラ10aには軸芯2と一体に常に紙送り方向と逆方向の
トルク11がかけられている。一方、上側ゴムローラ1
0bの中心円筒部には軸芯2が挿嵌され、該軸芯2の回
転により上側ゴムローラ10bが矢印A方向に回転す
る。上側ゴムローラ10bが矢印A方向に回転すると、
下側のゴムローラ10aにトルク11がかけられている
ことにより、紙束12の最上部の紙13がその下の紙か
ら分離し、上側ローラ10bと下側ローラ10aの間を
通過して、コピー機の内部に紙13が供給される。
【0040】上記軸芯2としては通常金属や樹脂からな
る丸棒材を使用し、該丸棒材をゴムローラ10a(10
b)の内部貫通穴に嵌入する。また、軸芯2とゴムロー
ラ10a(10b)との間に接着層等を設けることもで
きる。なお、この場合、ゴムローラの肉厚は0.5mm
未満では弾性が不足し、給紙性能が低下しやすいので、
0.5mm〜20mmとするのがよい。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例と比較例に
より更に詳しく説明する。 (実験例1)下記表1の上段に示す処方からなる実施例
1〜実施例7及び比較例1〜比較例5の架橋ゴム組成物
を作製し、それぞれについて、通紙試験用のローラサン
プルとブルーム試験用の板サンプルを作製した。表1の
上段における数値は重量部である。
【0042】ハイシスポリブタジエンゴムは日本合成ゴ
ム製のBRII(商品名)を用いた。油展EPDMゴム
は出光DSM製のパラフィン系油展EPDMゴムである
KELTAN509×100(商品名)を用いた。ハロ
ゲン化アルキルフェノ一ル樹脂は田岡化学製のタッキロ
ール25(ハロゲン化アルキルフェノ一ル・ホルムアル
デヒド付加縮合物、アルキルフェノ一ルのアルキル基の
炭素数:5、重合度:4)を用いた。炭酸亜鉛(ΖnC
)は堺化学工業製のものを用いた。硫黄は鶴見化
学工業製のものを用いた。加硫促進剤は大内新興化学製
のノクセラーM(商品名)とノクセラーTET(商品
名)を用いた。ノクセラーMはメルカプトベンゾチアゾ
ール、ノクセラ−TETはテトラエチルチウラムジスル
フィドである。
【0043】なお、上記油展EPDMゴム(KELTA
N509×100)はEPDMポリマ−100重量部に
対してプロセスオイル100重量部を含有する。よっ
て、表中の数値の半分が実際のポリマー分(ゴム分)の
重量部である。
【0044】全ての原料を混練機(55Lニーダー)に
より、100℃で、45分間混練し、得られた混練物
を、プレス成形により、160℃、圧力20kg/cm
の条件で30分間かけて成形と同時に架橋して、外
径20mm、内径9mm、幅10mmのゴムローラを作
成した。
【0045】また、ブルーム試験用サンプルとして、上
記混練物を電気プレス機で160℃、圧力100kg/
cm の条件で20分間かけて成形と同時に架橋し
て、縦100mm、横100mm厚さ2mmのゴム板を
作成した。
【0046】全ての実施例及び比較例のそれぞれについ
て以下の試験を行った。
【0047】[成形加工性]振動式架橋試験機であるキ
ュラストメーター(島津製作所製のキュラストメータ−
V型)を用いて、温度170℃、サンプル形状(φ44
m×厚さ2mm)、振幅角度±1度、周期100cpm
(1分間で100往復)の条件で、サンプル(上記混練
物)を架橋し、サンプルに与えられる振動に応答する応
力(トルク)を測定し、図4に示す様に横軸を時間、縦
軸をトルク値したグラフにトルク曲線(架橋曲線)を描
き、架橋が完了してトルク値が最大となったところのそ
のトルク値をTMax とし、架橋開始からT1O=T
Max ×0.1のトルク値に達するまでの時間t10
(分)を求めて、各サンプルの結果とした。
【0048】t10は架橋反応の速さを示し、これが小
さくなりすぎると架橋反応が速すぎて、金型中で混練物
を成形すると同時に架橋する際に金型中に混練物が隙間
なく充填される前に架橋が進んで成形不良を起こしやす
くなる。逆にt10が長すぎると架橋反応が遅すぎて、
混練物全体を架橋するのに時間が掛かり、生産性が悪く
なる。また、生産性を上げるために、架橋工程の時間を
短縮すると、架橋不足となって、ゴム組成物の強度が不
足して耐摩耗性等が低下してしまう。ゴムローラを上記
の成形条件でプレス成形により作成する本実験例の場
合、t 10の適正範囲は0.3〜1.0分であり、この
範囲にある時に、成形不良を起こすことなく、十分に架
橋が進行して機械的強度が向上した成形品を再現性よく
作成できる。
【0049】[硬度測定試験]ゴムローラの硬度をJI
S6301のA型硬度計で測定した。
【0050】[耐摩耗性試験]市販の複写機にゴムロー
ラを取り付けて、温度22℃、湿度55%の条件下で、
A4サイズの紙(富士ゼロックスオフィスサプライ
(株)製のPPC用紙)1000,000枚を5時間か
けて通紙させる通紙試験を行った。そして、通紙試験前
後の各ゴムローラの重量を測定することにより、摩耗量
(mg)を求めた。
【0051】[摩擦係数測定試験]上記通紙試験におい
て、ローラの摩擦係数を図5に示す方法で測定した。す
なわち、図5に示す様に、ゴムローラ21とプレ−ト2
3との間にロードセル25に接続したA4サイズのPP
C用紙24をはさみ、図中、黒矢印で示すように、ゴム
ローラ21の軸芯(回転軸)22に荷重W(W=250
g)を加え、ゴムローラ21をプレート23に圧接させ
た。次いで、温度23℃、湿度55%の条件下で、上記
ゴムローラ21を図中実線の矢印aで示す方向に、周速
300mm/秒で回転させ、通紙の前後において、図
中、白矢印で示す方向に発生した力F(g)をロードセ
ル25によって測定した。そして、この測定値F(g)
と荷重W(250g)とから、下記の式(数1)より摩
擦係数を求めた。
【0052】
【数1】ν=F(g)/W(g)
【0053】また、摩擦係数の経時的変化を調べるた
め、初期摩擦係数測定後、通紙試験は行わずに、温度2
3℃、湿度55%の条件下で、ゴムローラを放置し、1
カ月後、3カ月後及び6カ月後における摩擦係数を上記
と同じ方法で測定した。
【0054】[ブルーミング試験]温度23℃、湿度5
5%の条件下にゴムローラを6カ月間放置し、6力月後
のゴムローラの表面析出物の有無を目視で判断し、○:
表面析出物が認められず良好、△:表面析出物が若干認
められるが問題のないレベル、×:表面析出物が多く不
良、の3段階評価を行った。
【0055】[耐オゾン性試験]温度4O ℃、湿度10
%、オゾン濃度50pphmの条件下にゴムローラを4
日間放置して、クラックの有無を目視で判断し、○:ク
ラックが認められず良好、△:クラックが若干認められ
るが問題のないレベル、×:クラックが多く不良の3段
階評価を行った。以上の各試験の結果を表1の下段に示
した。
【0056】
【表1】
【0057】表1から分かるように全ての実施例の架橋
ゴム組成物は成形性に優れ(t10が0.3〜1.0分
の範囲内)、しかも、その成形品(ゴム板)にはブルー
ミングの発生が認められなかった。ゴムローラにおいて
は、比較的低硬度で、耐摩耗性に優れ、長期に渡って高
い摩擦係数が得られ、良好な紙搬送性を得ることができ
た。また、経時による摩擦係数の低下も認められなかっ
た。また、耐オゾン性はゴム全体当たりEPDMゴムの
含有量を40重量%としている実施例3ではローラ表面
にクラックが認められたがこれも問題のないレベルであ
り、EPDMゴムの含有量を50重量%以上としている
他の実施例はいずれもローラ表面にクラックが発生せ
ず、良好な耐オゾン性が得られた。
【0058】これに対し、比較例1は樹脂架橋剤を用い
ず、硫黄及び架橋促進剤により架橋した架橋ゴム組成物
であり、架橋時間が実施例よりも長くかかった(t10
=1.8分)。また、その成形品はブルーミングがひど
く、また、ゴムローラにおける1000,000枚通紙
後及び経時後の摩擦係数が大きく低下していた。
【0059】比較例2は炭酸亜鉛を用いない以外は実施
例1と同じ処方で作成した架橋ゴム組成物である。架橋
時間が実施例よりも長くかかった(t10=1.5
分)。また、ゴムローラにおける1000,000枚通
紙後及び経時後の摩擦係数の低下は比較的小さかった
が、1000,00O 枚通紙後のローラ表面の摩耗量が
多く、1000,000枚よりも更に長期に使用するこ
とが困難であった。
【0060】比較例3は炭酸亜鉛の配合量を15重量部
とした以外は実施例1と同じ処方で作成した架橋ゴム組
成物である。炭酸亜鉛の配合量が多すぎてt10が小さ
すぎ(t10=0.1分)、成形不良を起こしやすいも
のとなった。
【0061】比較例4はハロゲン化アルキルフェノ一ル
樹脂の配合量を0.5重量部とした以外は実施例1と同
じ処方で作成した架橋ゴム組成物である。ハロゲン化ア
ルキルフェノ一ル樹脂の配合量が少なすぎるために架橋
不足が起こり、耐摩耗性が悪く、ゴムローラはl00
0,000枚通紙後にローラ表面が大きく磨り減ってい
た。よって、1000,000枚よりも更に長期に使用
することが困難であった。
【0062】比較例5はハロゲン化アルキルフェノ一ル
樹脂の配合量が22重量部である点のみが実施例1の処
方と異なっている。ハロゲン化アルキルフェノ一ル樹脂
の配合量が20重量部を越えて多すぎるために架橋が過
剰に起こり、硬度が著しく大きくなった。よって、ゴム
ローラにおいては初期から低い摩擦係数しか得ることが
できなかった。
【0063】(実験例2)下記表2、表3の上段に示す
処方からなる実施例8〜実施例17及び比較例6〜比較
例10の架橋ゴム組成物を作製し、それぞれについて、
試験用のスラブ状ゴム部品を成形した。表2、3の上段
における数値は重量部である。
【0064】油展EPDMゴムは住友化学工業製のEN
B系油展EPDMゴムであるエスプレン670F(商品
名)を用いた。非油展EPDMゴムは住友化学工業製の
ENB系非油展EPDMゴムであるエスプレン505A
(商品名)を用いた。ハイシスホリプタジエンゴムは日
本合成ゴム製のBR11(商品名)を用いた。ハロゲン
化アルキルフェノ一ル樹脂は田岡化学製のタッキロール
250III (ハロゲン化アルキルフェノ一ル・ホルムア
ルデヒド付加縮合物、アルキルフェノ一ルのアルキル基
の炭素数:5、重合度:4)を用いた。炭酸亜鉛 (Zn
CO) は堺化学工業製のものを用いた。酸化マグネシ
ウム(MgO)は協和化学工業製のキョーワマグ150
(商品名)を用いた。水酸化カルシウムは井上石灰製の
ものを用いた。カーボンブラックは三菱化学製のISA
F(商品名)を用いた。硫黄は鶴見化学工業製のものを
用いた。加硫促進剤は大内新興化学製のノクヤラーM
(商品名)とノクセラーTET(商品名)を用いた。ノ
クセラーMはメルカプトベンゾチアゾール、ノクセラー
TETはテトラエチルチウラムジスルフィドである。
【0065】なお、上記油展EPDMゴム(エスプレン
670F)はEPDMポリマ−100重量部に対してプ
ロセスオイル100重量部を含有する。よって、表申の
数値の半分が実際のポリマー分(ゴム分)の重量部であ
る。
【0066】全ての原料を混練機 (55L二−ダー)に
より混練し、得られた混練物をシート状に押し出し成形
した後、更にプレス成形(170℃×20分×圧力10
0kg/cm )にてスラブ状に成形し、試験用のス
ラブ状ゴム部品(20mm×30mm×2mm)を作成
した。なお、プレス成形時に混練物は架橋された。
【0067】全ての実施例及び比較例のそれぞれについ
て以下の試験を行った。
【0068】[成形加工性]上記実験例1と同様にして
架橋開始からT10=TMax ×0.1のトルク値に
達するまでの時間t10(分)を求めて、各サンプルの
結果とした。
【0069】スラブ状ゴム部品を上記条件のプレス成形
により作成する本実験例の場合、t10の適正範囲は
0.3〜2.0分であり、この範囲にある時に、成形不
良を起こすことなく、十分に架橋が進行して機械的強度
が向上した成形品を再現性よく作成できる。
【0070】[硬度測定試験]スラブ状ゴム部品の硬度
(Hs)をスプリング硬さ試験機(A型)により測定し
た。
【0071】[圧縮永久歪み測定試験]スラブ状ゴム部
品を70℃×22時間×25%圧縮後、残留歪み(%)
を測定した。
【0072】[接触金属のサビ発生試験]サンプルのス
ラブ状ゴム部品に接触する金属面をショットブラストし
た後、該金属面をスラブ状ゴム部品に接触させ、ギャー
オーブンに2週間熱老化させた。その後、スラブ状ゴム
部品のみを取り出し、サンプルのみを7日間常温放置し
てサビの発生の有無を目視で確認した。
【0073】[ブルーミング試験]温度23℃、湿度5
5%の条件下にゴムローラを6カ月間放置し、6力月後
のゴムローラの表面析出物の有無を目視で判断した。
【0074】[耐オゾン性試験]スラブ状ゴム部品を1
0%伸張させた後、温度40℃、オゾン濃度50pph
mの条件下にゴムローラを300時間放置して、クラッ
クの発生の有無を目視で判断した。以上の各試験の結果
を表2の下段に示した。
【0075】
【表2】
【0076】表2から分かるように全ての実施例8〜1
0、実施例12〜17は架橋ゴム組成物は成形性に優れ
(t10が0.3〜2.0分の範囲内)、その成形品で
あるスラブ状ゴム部品はブルーミングの発生がなく、し
かも、圧縮永久歪みが小さく、接触する金属に対してサ
ビを発生させず、耐オゾン性にも優れたものであった。
なお、実施例11は炭酸亜鉛(ΖnCO )の配合量
が0.01重量部と少なくしていることから架橋の程度
が他の実施例に比べて小さく圧縮永久歪みが大きくなっ
たが問題のないレベルであった。また、接触する金属に
対するサビ発生の防止効果が得られなかった。
【0077】これに対し、比較例6は炭酸亜鉛の配合量
を15重量部とした以外は実施例8と同じ処方で作成し
た架橋ゴム組成物である。炭酸亜鉛の配合量が多すぎて
t10が小さくなりすぎ(t10=0.2分)、成形不
良を起した。
【0078】比較例7、8は、炭酸亜鉛以外の金属化合
物である酸化マグネシウム、水酸化カルシウムの配合量
を5重量部とした以外は実施例8と同じ処方で作製した
架橋ゴム組成物である。炭酸亜鉛以外の金属化合物では
架橋が進まず、成形品であるスラブ状ゴム部品の圧縮永
久歪みが25%を越える程度まで大きくなってしまっ
た。
【0079】比較例9はハロゲン化アルキルフェノ一ル
樹脂の配合量を0.5重量部とした以外は実施例14と
同じ処方で作成した架橋ゴム組成物である。ハロゲン化
アルキルフェノ一ル樹脂の配合量が少なすぎ、成形品で
あるスラブ状ゴム部品の圧縮永久歪みが25%を越える
程度まで大きくなってしまった。
【0080】比較例10はハロゲン化アルキルフェノ一
ル樹脂の配合量を25重量部とした以外は実施例14と
同じ処方で作成した架橋ゴム組成物である。ハロゲン化
アルキルフェノ一ル樹脂の配合量が多すぎてt10が小
さくなりすぎ(t10=0.1分)、成形不良を起こし
た。
【0081】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によれば、配合剤のブルーミングがなく、耐オゾン性
に優れ、適度な柔軟性と優れた機械的強度を有する架橋
ゴム組成物を得ることができる。更に、これら好ましい
諸特性を有すると共に接触する金属に対してサビを発生
させない防サビ性を有する架橋ゴム組成物を得ることが
できる。
【0082】よって、例えば、ローラ状に成形して、静
電気式複写機等の画像形成装置の紙送りローラとして使
用した場合に、多量枚数の通紙においても安定した紙送
り性能が得られ、かつ、経時による性能変化の小さい紙
送りローラを得ることができる。また、電気部品、電線
被覆、パッキン、シール用ガスケット、防水シート、ホ
ース等の産業用又は生活用のゴム製品に成形した場合
に、耐久性、耐候性に優れたゴム製品を得るこができ
る。
【0083】また、架橋反応時の架橋反応速度が速く、
短時間で架橋不足を起こすことなくゴム組成物全体が均
質に架橋した架橋ゴム組成物を得ることができるので、
生産コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 混練ゴム組成物をローラ状に成形して架橋す
る工程の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の架橋ゴム組成物より成形したゴムロ
ーラを静電式複写機の給紙ローラに適用した状態を示す
模式図である。
【図3】 本発明の架橋ゴム組成物より成形したゴムロ
ーラを静電式複写機の紙分離を行いながら給紙を行う給
紙ローラに適用した状態を示す模式図である。
【図4】 架橋ゴム組成物の架橋反応により得られる架
橋曲線(トルク曲線)の架橋開始からT10=TMax
×0.l(TMax :最大トルク値)に達するまでの
時間t10(分)を説明する図である。
【図5】 ゴムローラ摩擦係数の測定方法を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ 2 軸体 3 パッド 4 紙 10a 下側ローラ 10b 上側ローラ 11 トルク 12 紙束 13 紙 22 ゴムローラ 23 プレート 24 PPC用紙 25 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 61/06 C08L 61/06 Fターム(参考) 3F343 FA01 FB02 FB03 FB04 JA01 KB04 KB05 KB06 KB16 4J002 AC013 AC033 AC063 AC073 AC083 AC093 BB151 BB183 BB243 BB273 BG043 CC032 CC152 CC182 DE246 FD010 FD020 FD030 FD142 FD206 GQ00 4J100 AA02P AA03Q AR22R AS11R AS15R BC08R CA05 DA49 HA53 HB37 HC10 HE17 JA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDMゴムを主成分とするゴム100
    重量部当たり1〜20重量部の樹脂架橋剤とともに0.
    01〜10重量部の炭酸亜鉛を配合して架橋してなる架
    橋ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 EPDMゴムを主成分とするゴム100
    重量部当たり炭酸亜鉛を0.1〜10重量部配合してい
    る請求項1に記載の架橋ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記樹脂架橋剤がフェノール樹脂又はハ
    ロゲン化フェノール樹脂である請求項1又は請求項2に
    記載の架橋ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 上記フェノール樹脂がフェノール類にア
    ルキルフェノールを用いたアルキルフェノール樹脂であ
    り、上記ハロゲン化フェノール樹脂がフェノール類にア
    ルキルフェノールを用いたハロゲン化アルキルフェノー
    ル樹脂である請求項3に載の架橋ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 上記EPDMゴムを主成分とするゴムは
    EPDMゴムを50重量%以上含むものである請求項1
    乃至請求項4のいずれか一項に記載の架橋ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の架橋ゴム組成物をロール状に成形してなる紙送り
    ローラ。
  7. 【請求項7】 EPDMゴムを主成分とするゴムと該ゴ
    ム100重量部当たり1〜20重量部の樹脂架橋剤及び
    0.01〜10重量部の炭酸亜鉛を混練した後、該混練
    組成物を金型内に充填してロール状に成形すると同時に
    架橋することを特徴とする紙送りローラの製造方法。
JP10205276A 1998-07-21 1998-07-21 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2971861B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10205276A JP2971861B1 (ja) 1998-07-21 1998-07-21 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法
EP99112369A EP0974618B1 (en) 1998-07-21 1999-06-28 Cross-linked rubber composition, rubber roller, and method of manufacturing rubber roller
DE69912889T DE69912889T2 (de) 1998-07-21 1999-06-28 Vernetzte Kautschuk-Zusammensetzung und Verfahren zur Herstellung von halbleitender Gummirolle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10205276A JP2971861B1 (ja) 1998-07-21 1998-07-21 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2971861B1 JP2971861B1 (ja) 1999-11-08
JP2000034375A true JP2000034375A (ja) 2000-02-02

Family

ID=16504305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10205276A Expired - Fee Related JP2971861B1 (ja) 1998-07-21 1998-07-21 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0974618B1 (ja)
JP (1) JP2971861B1 (ja)
DE (1) DE69912889T2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019163360A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 三井化学株式会社 ポリアミド系熱可塑性エラストマー組成物、成形体および中空成形体
JP2019172829A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 三井化学株式会社 ポリアミド系熱可塑性エラストマー組成物、成形体および中空成形体
JP2020064789A (ja) * 2018-10-18 2020-04-23 株式会社三ツ星 キャブタイヤケーブルおよびキャブタイヤケーブルの製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3828410B2 (ja) * 2001-11-30 2006-10-04 住友ゴム工業株式会社 紙送りローラ及び紙送りローラの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3887756A (en) * 1972-12-26 1975-06-03 Exxon Research Engineering Co Polymer-base painted resin cured unsaturated elastomeric substrates
JPS5949956A (ja) * 1982-09-15 1984-03-22 Tokai Kogyo Kk 表面にナイロン被膜を有するゴムロ−ルの製造方法
BR9206451A (pt) * 1991-09-03 1995-04-25 Exxon Chemical Patents Inc Processo de vulcanização.

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019163360A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 三井化学株式会社 ポリアミド系熱可塑性エラストマー組成物、成形体および中空成形体
JP2019172829A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 三井化学株式会社 ポリアミド系熱可塑性エラストマー組成物、成形体および中空成形体
JP7289615B2 (ja) 2018-03-28 2023-06-12 三井化学株式会社 ポリアミド系熱可塑性エラストマー組成物、成形体および中空成形体
JP2020064789A (ja) * 2018-10-18 2020-04-23 株式会社三ツ星 キャブタイヤケーブルおよびキャブタイヤケーブルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE69912889D1 (de) 2003-12-24
JP2971861B1 (ja) 1999-11-08
EP0974618A1 (en) 2000-01-26
DE69912889T2 (de) 2004-08-26
EP0974618B1 (en) 2003-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3364162B2 (ja) ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴムローラの製造方法
CN110655723B (zh) 橡胶组合物及使用其的送纸辊
JP2008038059A (ja) ゴム組成物、その複合体、およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2004331781A (ja) エラストマー組成物およびゴムローラ
JP2971861B1 (ja) 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法
JP3053372B2 (ja) ゴム組成物及びこれを用いた弾性体ローラ
JP3382514B2 (ja) 紙送り用ゴムローラ
JP3828410B2 (ja) 紙送りローラ及び紙送りローラの製造方法
JP7157901B2 (ja) ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ
JP2007106898A (ja) 紙送りローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物からなる紙送りローラ
JPH11228708A (ja) ゴム組成物、該ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴム組成物の製造方法
JP4786062B2 (ja) ゴムローラ
JP3447593B2 (ja) 紙送りローラ
JP2001342301A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ
JP3332873B2 (ja) 架橋ゴムを用いた紙送り用ゴムローラ
JP3304301B2 (ja) 架橋ゴム組成物、並びに、ゴムローラ及びその製造方法
JP2530602B2 (ja) 接着性ゴム組成物
JP4429688B2 (ja) ゴム組成物、該ゴム組成物の製造方法およびゴム部材
JP3291228B2 (ja) ゴムローラ
JP2006016552A (ja) ゴム組成物および紙送りローラ
JP3330302B2 (ja) Epdmポリマーを主成分とするゴム組成物及びこれを用いたゴムローラ
JP4388207B2 (ja) 紙葉類の重送防止ゴム部材
JP2876697B2 (ja) スポンジ用ゴム組成物
JP2018141040A (ja) Oa機器ロール用共重合体組成物
JP2001026673A (ja) ゴム組成物及びこれを用いた紙送りローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990817

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees