JP2006016552A - ゴム組成物および紙送りローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】過酸化物により架橋剤される紙送りローラ用ゴム組成物の成形品の臭気を軽減するとともに、成形品の引裂き強度を飛躍的に向上させる。
【解決手段】 架橋剤として過酸化物が用いられる紙送りローラ用ゴム組成物であって、硫黄および硫黄化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の硫黄成分が配合され、該硫黄成分がゴム100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下で、配合され、かつ、前記ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙送りローラ用ゴム組成物および紙送りローラの製造方法に関し、詳しくは、過酸化物架橋されるゴム組成物からなる紙送りローラにおいて、製造時および製造品に生じる臭気を軽減し、かつ、物理的特性に優れた紙送りローラに関するものである。
各種プリンタ、静電式複写機、ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等の内部には、種々の紙送りローラが部品として組み込まれている。
ゴム組成物を成形および架橋(加硫)してゴム製品を得る場合、従来、架橋剤として硫黄が用いられている場合が多い。しかし、硫黄を配合したゴム組成物からなる成形品は、圧縮永久歪、永久伸び、引張り伸び等の観点から、物理的特性が低くなることがある。
このような点を改善するために、硫黄の代わりに過酸化物を用い、過酸化物によりゴムを架橋させることが提案されている。過酸化物を架橋剤として用いることにより、硫黄を用いる場合に比べて、成形品の圧縮永久歪や永久伸びは大幅に改善される。
しかしながら、過酸化物を用いると、圧縮永久歪、永久伸びおよび引張り伸び等の観点からは、成形品の物理的特性は向上するが、引裂き強度は硫黄を用いる場合に比べて大きく劣る傾向がある。従って、引裂き強度が要求される紙送りローラ等の用途では、過酸化物は架橋剤として適切ではない。
また、過酸化物による架橋は、ゴム分子からの水素引きを含むラジカル反応により進行する。ラジカル反応は、酸素存在下では進行しないため、架橋進行中に酸素と接触する部分では、ゴムが架橋されない。その結果、成形品中に過酸化物の未反応物が残存することになる。過酸化物の未反応物が残存した状態で成形品のポスト加硫(二次加硫)を行うと、ゴム分子の主鎖切断を含む酸化劣化現象が発生する問題がある。
一方、架橋剤として硫黄と過酸化物とを併用することも提案されている。
例えば、導電性弾性ゴム部材の分野では、硫黄の配合量をA質量部、有機過酸化物の配合量をB質量部とするとき、0.5≦A/B≦10の関係を満たすように、両者を配合することが提案されている。A/Bが0.5未満になると、電気抵抗値は安定しなくなる。この提案は、ゴムの架橋密度を高めることと、硬度以外の物性の維持を意図したものであり、導電性弾性ゴム部材の電気抵抗値の安定性を高く維持することを主目的としている(特許文献1参照)。
また、発泡剤を含むゴム組成物の分野では、有機過酸化物を主な架橋剤として用い、硫黄を副次的な架橋剤として用いることが提案されている。この提案では、硫黄が過酸化物による架橋のリターダとして用いられている。すなわち、ゴム組成物に硫黄を少量配合することにより、過酸化物による架橋速度が過度に速くなることを防止し、局所的な発泡不足や過発泡を回避することを意図したものである。(特許文献2参照)。
特許第3299914号公報 特開2002−249627号公報
前記した過酸化物と硫黄とを併用する場合、硫黄の配合割合を増していくと、成形品の引裂き強度は向上するが、圧縮永久歪と永久伸び等の観点からは物理的特性が不十分になる。一方、硫黄の配合割合を減らしていくと、成形品の圧縮永久歪と永久伸びは向上するが、引裂き強度は不十分になる。従って、圧縮永久歪、永久伸び、引張り伸びおよび引裂き強度のいずれにおいても良好な物理的特性を達成することは困難である。物理的特性のバランスに優れた成形品を得るには、過酸化物と硫黄との配合割合を、前記従来の提案よりも更に高度に制御する必要がある。
また、過酸化物を架橋剤として用いた場合、過酸化物の分解により、独特の臭気が発生するという問題もある。ゴム組成物に配合される架橋剤、オイル、充填剤等は、それぞれ独特の臭気を有するが、過酸化物から発生する臭気は、全般的に刺激臭を伴う。臭気に対して不快感を感じる程度は、人の感性によって異なるが、例えばレーザプリンタ等の紙送り機構のゴムローラは、硫黄による加硫が行われていることが多い。そのため、ユーザは硫黄の臭気には慣れているが、過酸化物の刺激臭には違和感を覚えるのである。
前記した特許文献1、2では、過酸化物から発生する臭気の問題に対する考慮がなされていない。しかしながら、臭気の問題を解決し、ゴム組成物の製造等に携わる者および最終製品のユーザに対する不快感を払拭することも重要な課題である。
過酸化物により架橋された成形品に残存する臭気を軽減するには、成形品を暫く放置するか、短時間で臭気軽減を図るには過酸化物の融解温度まで成形品を加熱する必要がある。
しかし、過酸化物の沸点は通常150℃以上である。そのような高温まで成形品を加熱すると、成形品の架橋状態に悪影響を与える問題がある。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、過酸化物架橋する場合において、製造時および製品に発生する臭気を軽減し、かつ、成形されるゴム製品の引き裂き強度と圧縮永久歪みとのバランスが優れたものとすることを課題としている。
前記課題を解決するため、第一の発明として、架橋剤として過酸化物が用いられる紙送りローラ用のゴム組成物であって、
硫黄および硫黄化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の硫黄成分が配合され、該硫黄成分がゴム100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下で配合され、
かつ、前記ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係が満たされることを特徴とするゴム組成物を提供している。
本発明では、過酸化物を架橋剤として用いた過酸化物架橋を採用することによって、前記ゴム組成物から製造されるゴム製品の物理特性、特に、圧縮永久歪や永久歪みを硫黄架橋の場合と比較して大幅に改善でしている。
過酸化物架橋した場合に発生する前記過酸化物による刺激臭の問題は、過酸化物の未反応物および分解反応生成物(残査)によるものと考えられる。そこで、本発明は、残査や未反応物と反応するトラップ剤として硫黄成分を配合することにより、過酸化物による臭気を軽減している。
前記トラップ剤としては、硫黄化合物、オキシムニトロソ化合物、モノマー類、ポリマー類があるが、これらトラップ剤の中でも硫黄もしくは硫黄化合物を添加すると臭気の軽減だけでなく、過酸化物架橋の欠点であった引き裂き強度も改善されることを、本発明者は研究および実験によって知見した。なお、硫黄成分としてオイル等の中に不純物として含まれ、よって、硫黄を不純物として含むオイルを添加してもよい。
さらに、ゴム成分に対するトラップ剤としての硫黄成分の前記配合量および、架橋剤の過酸化物に対する前記配合比も、本発明者が研究および実験によって知見した最適範囲である。
即ち、前記ゴム100質量部に対して硫黄成分を0.05質量部以上1.5質量部以下としているのは、硫黄成分の配合量が前記0.05質量部未満であると、過酸化物による刺激臭を軽減することができない一方、1.5質量部を越えると圧縮永久歪や永久伸びが悪化し、かつ、硫黄の添加による悪臭が発生することとなる。
前記した観点から、硫黄成分の下限は好ましくは、0.1質量部以上が好ましく、上限は0.2質量部以下がより好ましい。
一方、架橋剤の過酸化物はゴム100質量部あたり1質量部以上3質量部以下とすることが好ましい。過酸化物の配合量が前記1質量部未満であるとゴム組成物の架橋が十分に進行しないことがあり、3質量部を越えると引き裂き強度の低下が著しくなり、かつ、発生する異臭も強くなる。
ゴム組成物における硫黄成分と過酸化物との合計含有量は、ゴム100質量部あたり0.5質量部以上3質量部以下とすることが好ましく、0.5質量部以上1質量部以下とすることが更に好ましい。
前記したように、ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係に設定している。これは、A/Bが0.05未満では、硫黄成分の配合割合が過酸化物に対して小さすぎるため、過酸化物による臭気を十分に軽減することができず、かつ、成形品の引裂き強度が小さくなることに因る。一方、A/Bが0.5をこえると、圧縮永久歪みや永久伸びが悪化することとなり、過酸化物と硫黄との併用加硫独特の臭気が激しくなる。
臭気を十分に軽減すると同時に、十分な引き裂き強度を確保する観点からは、より好ましくは、0.1≦A/B≦0.2の範囲である。
第二の発明として、ゴムおよび過酸化物に、硫黄および硫黄化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の硫黄成分が配合され、該硫黄成分がゴム100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下で、かつ、前記ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係とされ、これら成分を含む配合物を混練し、
ついで、前記混練物を、150〜190度で5分〜30分、一次加硫し、
前記一次加硫後、120〜200℃の温度で30分〜3時間、二次加硫している紙送りローラの製造方法を提供している。
過酸化物架橋のゴム製品から臭気を除去するには、前記したように、過酸化物の融解温度まで加熱することが有効であるが、一次加硫時に過酸化物の融解温度まで加熱すると架橋に影響を与え、ゴム製品の物性を低下させる問題がある。よって、臭気の除去には二次加硫を行って過酸化物を融解させることが有効であるが、過酸化物の残渣や未反応物がある状態で二次加硫すると、ポリマーの主鎖の切断する酸化劣化現象が発生し、バリ等による金型の汚染を発生する問題があり、よって、二次加硫を行うことが出来なかった。
この問題に対して、本発明では、硫黄成分を配合することによって、該硫黄成分の作用により酸素と接触する部分でも架橋が進行するため、前記酸化劣化現象の発生を防止し、金型汚染を発生させない。従って、金型のメンテナンスサイクルを長くすることができ、経済的にも有利である。
前記紙送りローラは、引裂き強度がJIS−K6252に準拠した測定で5.0以上、圧縮永久歪みがJIS−K6262に準拠した測定で25%以下としている。
紙送りローラでは圧縮永久歪が25%以下であることが必須条件とされており、この条件を満たすことが出来る。また、紙送りローラでは引き裂き強度が高い程、耐摩耗性が高められる。従来の過酸化物架橋からなるゴムローラでは引き裂き強度が紙送りローラとしては十分でなかったが、前記のように引き裂き強度が5.0以上であるため、紙送りローラとして好適なものとなる。
さらに、本発明は前記紙送りローラを備えた画像形成装置を提供している。
前記画像形成装置としては、プリンタ、コピー機、ファクシミリ、ATM等が挙げられる。前記紙送りローラは圧縮永久歪みが小さく且つ引き裂き強度を高いため、耐久性、紙送り機能が優れた紙送りローラを備えた画像形成装置となる。
上述したように、本発明によれば、過酸化物により架橋された紙送りローラの製造時および製品に発生する臭気を、架橋直後の時点から軽減することができる。また、過酸化物による臭気の軽減だけでなく、過酸化物により架橋されたゴム製品の引裂き強度を飛躍的に向上させることができ、かつ圧縮永久歪等の観点からも十分な物理的特性を達成することが可能である。さらに、製造時において、ポスト加硫(二次加硫)を実施することにより、臭気の更なる軽減を短時間で実現することが可能である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の紙送りローラ用ゴム組成物は、過酸化物架橋されるゴム組成物で、その成分は、ゴム、架橋剤の過酸化物、およびトラップ剤として配合する硫黄成分を含む。該硫黄成分は、硫黄、硫黄化合物あるいは硫黄を不純物として含むオイル等から選択される。
さらに、前記ゴム組成物は、各種添加剤を含み、添加剤としては、充填剤、短繊維、軟化剤、補強剤等が挙げられる。
前記ゴム組成物中において、硫黄成分はゴム100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下としている。
一方、架橋剤の過酸化物はゴム100質量部あたり1質量部以上3質量部以下としている。
ゴム組成物における硫黄成分と過酸化物との合計含有量は、ゴム100質量部あたり1.05質量部以上3.5質量部以下としている。
かつ、ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係に設定している。
本発明で用いるゴムの種類は、特に限定されないが、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリノルボルネン、塩素化ポリエチレン、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム(ACM)、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリトランスペンテナマー(PTPR)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、塩素化ポリエチレン(CPE)等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明においては、ゴム成分のみからなる非油展タイプおよびゴム成分とともに伸展油を含む油展タイプのいずれのゴムでも使用可能である。
上記ゴム成分のうち特にエチレン−プロピレン−ジエンゴム等が好ましい。
紙送りローラの耐候性および耐酸化性を高める観点からは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを用いることが好ましい。エチレン−プロピレン−ジエンゴムの主鎖は、飽和炭化水素からなり、二重結合を含まないため、劣化が起こりにくいからである。従って、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを用いたゴムローラは、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても劣化しにくい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムと他のゴムとを併用する場合においても、ゴムローラの耐候性および耐酸化性を高める効果を得る観点からは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムがゴム成分全体の50重量%以上、さらには80重量%以上とすることが好ましい。
硫黄成分としては、前記したように、単体の硫黄を用いてもよく、硫黄化合物を用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。硫黄化合物としては、硫黄原子を含む化合物を特に限定なく用いることができる。例えば、硫黄原子を含む加硫促進剤、老化防止剤等を用いることができる。また、水素添加されていないパラフィンオイル等は、硫黄を不純物として含んでいる。これらのオイルをゴム組成物に配合することによって、ゴム組成物に硫黄を含ませることもできる
硫黄化合物の具体例としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(CMBT)、2−(2’4−デニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール(DPBT)等のチアゾール系化合物;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸塩、ペンタメチレンジチオカルバミン酸塩、エチルフェニルジチオカルバミン酸塩等のジチオカルバミン酸金属塩系化合物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤として用いる過酸化物としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物の具体例としては、例えばジクミルパーオキサイド(DCP)、ジクティブチルパーオキサイド(DBP) 1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t(ブチルパーオキシ)ヘキシン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エチレン−プロピレン−ジエンゴムを架橋する場合には、架橋効率が高いことから、特にジクミルパーオキサイドが好適である。
ゴム組成物に含ませ得る充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム等の無機充填剤、セラミック粉、木粉等を挙げることができる。充填剤の添加により、ゴムローラ等のゴム製品の機械的強度を向上させることができる。充填剤の配合量は、ゴム100質量部あたり、例えば5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
ゴム組成物に含ませ得る軟化剤としては、オイル、可塑剤等が用いられる。軟化剤の添加により、成形品の硬度を調整することが可能である。オイルとしては、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油、炭化水素系オリゴマーからなる合成油、プロセスオイル等を用いることができる。ここで、合成油としては、例えばα−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマー等が好ましい。また、可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
ゴム組成物に含ませ得る補強剤としては、カーボンブラック等が用いられる。カーボンブラックの添加により、成形品の耐摩耗性を向上させることが可能である。カーボンブラックとしては、例えばHAF、MAF、FEF、GPF、SRF、SAF、MT、FT等を用いることができる。なお、ゴム組成物への分散性の観点から、カーボンブラックの粒径は10μm以上100μm以下であることが好ましい。カーボンブラックの配合量は、ゴム100質量部あたり、例えば、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
ゴム組成物の調製は、従来から行われている通常の方法で行えばよい。例えば、ゴム、硫黄成分、過酸化物、必要な添加剤等からなる配合物を、オープンローラ、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知のゴム混練装置を用いて混練りすることにより、ゴム組成物を得ることができる。混練り中の配合物の温度は、例えば80℃〜100℃であり、混練り時間は、例えば5分〜15分である。
ゴム組成物の加硫・成形方法としては、プレスによる押出し成形およびトランスファ成形が好適に用いられる。例えば、未加硫のゴム組成物を、押出温度80℃〜110℃、押出圧 120kg/cm〜180kg/cmの条件で押出した後、150℃〜190℃の温度で、5分〜30分程度の加熱を行えば、ゴム組成物の成形品を得ることができる。また、未加硫のゴム組成物を、所定のトランスファ成形用金型に導入し、例えば160℃〜180℃の温度で、5分〜30分間程度の加熱を行うことにより、ゴム組成物の加硫と成形とを同時に行うことができる。
また、加硫缶を用いてオープン状態で加硫する場合と比較して、前記プレス加硫を行うと、過酸化物と硫黄とが複合された異臭が外部に放散されることを抑制でき、製造工程での異臭発生抑制することができる。
前記一次加硫のあと、ポスト加硫(二次加硫)を行っている。二次加硫を行うことにより、過酸化物による臭気の更なる除去が可能となる。ポスト加硫の温度は120℃以上200℃以下が好ましく、140℃以上160℃以下が更に好ましい。
成形品が、例えば紙送りローラのゴムローラのように、円筒状である場合には、ゴム組成物を所定のトランスファ成形用金型に導入し150℃〜180℃の温度で、5分〜30分間程度の加熱を行えば、ゴム組成物のコットを得ることができる。その後、必要に応じてポスト加硫を行い、得られたコットを円筒研削盤で所望の外径になるまで研磨する。その後、所望の長さにカットして得られたゴムローラに、専用の芯金を填め込めば、紙送りローラが完成する。
図1は、本発明のゴム組成物を用いて作製された紙送りローラ1の斜視図である。紙送りローラ3は、円筒状のゴムローラ1と、その中空に挿入された円柱状の芯金(シャフト)2からなる。芯金2は、前記中空に圧入することでゴムローラ1と固定してもよく、接着剤を用いてゴムローラ1の中空内面に接合してもよい。ゴムローラ1の肉厚は、特に限定されないが、例えば1mm以上5mm以下である。また、ゴムローラ1の長さは、特に限定されないが、例えば10mm以上50mm以下である。
図2の断面模式図は、図1の紙送りローラ3を用いた給紙機構の一例を示している。この給紙機構は、紙送りローラ3、分離パッド4およびトレイ5を備えている。分離パッド4とトレイ5とは、一定間隔を介して設定され、分離パッド4の上面とトレイ5の上面とは、仰角を成している。分離パッド4は基板6に固定されており、分離パッド4と紙送りローラ3とは、互いに対向している。紙送りローラ3が図中の矢印Rで示される方向に回転することにより、ゴムローラ1の表面と接触しているトレイ5の上の紙7が、1枚ずつ送り出される。
以下、本発明の実施例1〜7および比較例1〜5について詳述する。
実施例および比較例の成分および配合量は下記の表1に示す。該表1中、成分量を示す数値の単位は質量部である。
表中に記載の各成分は以下の通りである。
EPDM:住友化学工業(株)製の「エスプレン505A(商品名)」
炭酸カルシウム:白石工業(株)製の「白艶華CC(商品名)」
酸化ケイ素:日本シリカ工業(株)製の「ニプシルVN3(商品名)」
酸化チタン:チタン工業(株)製の「KR−380(商品名)」
カーボン:東海カーボン(株)製の「シースト3(商品名)」
オイル:出光興産(株)製の「PW90(商品名)」
過酸化物
DCP:日本油脂(株)製のジクミルパーオキサイド(DCP)である「パークミル D(商品名)」
DBP:日本油脂(株)製のDi-t-butly-peroxide(DBP)である。
硫黄:鶴見化学社製の粉末硫黄

老化防止剤
ノクラックMB:大内新興化学工業(株)製 下記の化学式1で表される。
N310:大内新興化学工業(株)製 下記の化学式2で表される。
Figure 2006016552
Figure 2006016552
Figure 2006016552
[実施例1]
エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム100質量部、炭酸カルシウム10質量部、酸化ケイ素15質量部、酸化チタン10質量部、カーボンブラック3質量部、オイル50質量部、過酸化物(DCP)2質量部および硫黄0.1質量部を、密閉式混練機に投入し、混練してゴム組成物を得た。
次いで、得られたゴム組成物を、100トンのプレス装置を用いて、トランスファー成形により、スラブ形状に成形すると同時に架橋(加硫)を行った。加硫時の温度は170℃とし、加硫時間は10分間とした。次いで、得られた成形品を150℃に設定された熱風循環式のオーブンに入れ、1時間のポスト加硫を行った。
[実施例2〜7および比較例1〜5]
ゴム組成物の組成を表1記載のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2〜7および比較例1〜5のスラブ形状の成形品を作製した。
[評価]
上記のように作製した各実施例および各比較例の成形品について、下記の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。
(臭気)
24時間自然放置後の成形品から発せられる臭気を、硫黄のみを用いて加硫した成形品(評価基準品)と比較した。
臭気の程度は、◎:評価基準品より臭気が少ない、○:評価基準品と同等、△:評価基準品よりやや臭気が強い、×:強い臭気あり、××:悪臭、の5段階で評価した。
(引裂き強度)
引裂き強度は、成形品を切り出して、JIS−K6252に記載の「切込み有りアングル型」の試験片を作製した。
次いで、試験片の引裂き強度TR(N/mm)を、JIS−K6252に準拠して測定した。引裂き強度が高いほど成形品として優れている。
(圧縮永久歪)
圧縮永久歪は、JIS−K6262に準拠して測定した。圧縮永久歪が25%以下の成形品は、例えば紙送りローラのゴムローラに要求される物性を満足しない。
[結果考察]
表1に示されるように、過酸化物だけを架橋剤として用いた比較例1では、圧縮永久歪は小さく良好であったが、引裂き強度が極めて小さく不十分であり、過酸化物による強い臭気が感じられた。
一方、ゴム組成物における硫黄成分の含有量をA質量部とし、過酸化物の含有量をB質量部としたとき、A/B=0.05の実施例1、A/B=0.1の実施例2、A/B=0.25の実施例3と実施例4では、いずれも圧縮永久歪と引裂き強度とのバランスが良好であり、過酸化物による臭気も軽減されていた。特に、0.05≦A/B≦0.25の範囲では、臭気と物理的特性とのバランスが良好であった。
A/B=0.025の比較例2、A/B=0.04の比較例5では、硫黄成分の配合割合が小さすぎたため、臭気の軽減が不十分であり、引裂き強度もかなり小さくなった。一方、A/B=0.6の比較例3とA/B=0.75の比較例4では、逆に、硫黄成分の配合割合が多すぎたため、過酸化物の臭気が激しく、圧縮永久歪も25%をこえる結果であった。
本発明は、各種プリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等の紙送り機構等に用いられるゴム製品であって、過酸化物を架橋剤として用い、かつ引裂き強度が要求されるゴム製品において極めて有用である。本発明は、特に、過酸化物を架橋剤として用いる場合の臭気を大幅に軽減できる点において有益である。
紙送りローラ1の斜視図である。 図1の紙送りローラを用いた給紙機構の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1 ゴムローラ
2 芯金(シャフト)
3 紙送りローラ
4 分離パッド
5 トレイ
6 基板
7 紙

Claims (5)

  1. 架橋剤として過酸化物が用いられる紙送りローラ用のゴム組成物であって、
    硫黄および硫黄化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の硫黄成分が配合され、該硫黄成分がゴム100質量部に対して、0.05質量部以上1.5質量部以下で配合されており、
    前記ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係が満たされることを特徴とするゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のゴム組成物から形成された紙送りローラ。
  3. 引裂き強度がJIS−K6252に準拠した測定で5.0以上、圧縮永久歪みがJIS−K6262に準拠した測定で25%以下である請求項2に記載の紙送りローラ。
  4. 請求項3に記載の紙送りローラを備えた画像形成装置。
  5. ゴムおよび過酸化物に、硫黄および硫黄化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の硫黄成分が配合され、該硫黄成分がゴム100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下で、かつ、前記ゴム100質量部に対する前記硫黄成分の配合量をA質量部とし、前記過酸化物の配合量をB質量部としたとき、0.05≦A/B≦0.5の関係とされ、これら成分を含む配合物を混練りし、
    ついで、前記混練物を、150〜190度で5分〜30分、一次加硫し、
    前記一次加硫後に、120〜200℃の温度で30分〜3時間、二次加硫している紙送りローラの製造方法。
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