JP3861204B2 - Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ - Google Patents

Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EPM(エチレン−プロピレン共重合体)を主成分とするノンオイルゴム組成物、とくに軟化剤としてオイル成分を含有しないタイプのノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー写真の普及と共に需要が増大し、手軽にかつ迅速にプリントして、ユーザーが手にすることのできるプリクラ(登録商標「プリント倶楽部」の通称)作成装置や自動証明写真作成装置などが多数設置されている。
【0003】
これらのプリクラ作成装置や自動証明写真作成装置などにおいて、現像処理後のカットシート状印画紙すなわち写真プリントを搬送するゴムローラに使用される材料としては、写真プリントとの摩擦力が大きく、低硬度であること、繰り返しの写真プリントの搬送(送り)に対して摩耗が少ないことが重要である。
【0004】
このようなゴムローラを製造するためのゴム組成物としては、従来より、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)を主成分とするゴム組成物が使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、低硬度のゴムローラを得るために、多量のオイルを軟化剤として配合しており、このようなオイル含有EPDMを主成分とするゴム組成物からなるゴムローラを写真プリントの搬送(送り)用ゴムローラとした場合、ゴムローラの表面に析出(ブリード)したオイルが写真プリントの表面に付着し、プリントの表面が汚れるという問題があった。
【0006】
また、低硬度のゴムローラを得るために、EPDMを主成分とするゴム組成物に軟化剤としてのオイルを配合すると、耐摩耗性を著しく低下させるという問題があった。一方、EPDMにオイルを配合しなかった場合には、デュロメータ硬さA55以下のゴムローラを得ることは、非常に困難であった。
【0007】
一方、従来より、ゴム組成物に対しては、加硫操作によりゴムを硬化させるための硬化剤として、加硫剤や加硫促進剤が添加配合されているが、これらの加硫剤及び加硫促進剤がゴム表面に析出してくる現象(ブルーム)を起こすという問題がある。ブルームが発生すると、ゴムローラと写真プリントとの摩擦力が極端に低下するために、ゴムローラがすべってしまい、写真プリントを搬送できないという問題や、写真プリントの表面を汚染するという問題があった。
【0008】
本発明者は、上記問題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、EPM(エチレン−プロピレン共重合体)を主成分とするゴム組成物であって、オイル等の軟化剤を全く用いることなく、いわゆるノンオイルのゴム組成物とすることにより、低硬度であり、優れた写真プリント等の搬送(送り)特性を有し、しかも写真プリント等の相手材に対する汚染がない写真プリント等搬送用ゴムローラを形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、EPMを主成分とするゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラであって、オイル等の軟化剤を全く用いることなく、いわゆるノンオイルタイプで、低硬度であり、このため、プリント等の表面を汚すことが全くなく、写真プリントとの間に、より高い摩擦力を得ることができて、安定した写真プリント等搬送特性を長期間維持することができる、EPMを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラを提供しようとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1記載の写真プリント等搬送用ゴムローラの発明は、ムーニ粘度ML1+4(100℃)35〜75のEPM100重量部と、充填剤3〜20重量部と、架橋剤としての有機過酸化物2.5〜4重量部と、架橋助剤0.1〜5重量部と、EPM以外のゴム0〜5重量部とを配合してなるノンオイルゴム組成物を、筒状に成形してなる弾性体層と、軸芯とよりなることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明による写真プリント等搬送用ゴムローラに用いるEPMを主成分とするノンオイルゴム組成物は、ムーニ粘度ML1+4(100℃)35〜75、好ましくは38〜50のEPMを含有している。
【0013】
ここで、EPMのムーニ粘度ML1+4(100℃)が35未満であれば、圧縮永久歪み及び耐摩耗性が悪化するので、好ましくない。またEPMのムーニ粘度ML1+4(100℃)が75を越えると、硬さがアップし、写真プリント等の搬送(送り)特性が低下するので、好ましくない。
【0014】
上記充填剤には、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー及びタルクよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの物質を用いる。ここで、充填剤の配合量は、EPM100重量部に対し、3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。充填剤の配合量が、EPM100重量部に対し、3重量部未満であれば、成形によって得られるゴムローラの機械的強度が充分でないので、好ましくない。また充填剤の配合量が、EPM100重量部に対し、20重量部を越えると、硬さがアップし、写真プリント等の搬送(送り)特性が低下するので、好ましくない。
【0015】
また、上記架橋剤としての有機過酸化物は、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、エチル−3,3−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、t−ブチルクミルパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、及び(t−ブチルパーオキシイソプロピル)カルボナートよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの化合物を用いる。とくに、低い圧縮永久歪みが得られる、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いるのが好ましい。上記架橋剤としての有機過酸化物は、これらは単独であるいは2種を混合して使用してもよい。
【0016】
架橋剤としての有機過酸化物の配合量は、EPM100重量部に対し、2.5〜4重量部、好ましくは2.8〜3.4重量部である。ここで、架橋剤としての有機過酸化物の配合量が、EPM100重量部に対し2.5重量部未満であれば、EPMの縮合重合のさいの架橋が不充分であるため、成形によって得られるゴムローラの機械的強度、圧縮永久歪、耐摩耗性が充分でないので、好ましくない。また有機過酸化物の配合量が、EPM100重量部に対し4重量部を越えると、EPMの硬さアップとともに、過剰の架橋剤やその分解物の量が増えて、好ましくない。
【0017】
本発明においては、このような有機過酸化物とともに、硫黄、N,N′−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、多官能性メタクリレートモノマ、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴムなどの架橋助剤を、0.1〜5重量部配合する。このような架橋助剤を配合することにより、耐摩耗性や圧縮永久歪み特性を向上させることができる。
【0018】
ここで、架橋助剤の配合量が0.1重量部未満であれば、ゴムの成形が困難となるうえ、耐摩耗性や圧縮永久歪み等のゴム物性が劣ったものとなるので、好ましくない。また架橋助剤の配合量が5重量部を超えると、ゴムロールの低硬度化が困難となるうえ、最大伸びの低下、圧縮永久歪みの増大等の問題が発生するので、好ましくない。
【0019】
上記ノンオイルゴム組成物の架橋助剤としては、低硬度、圧縮永久歪み、伸び等の物性上のバランスに優れた架橋ゴムを得るためには、硫黄を用いるのが好ましい。硫黄の好ましい配合量は、EPM100重量部に対し、0.1〜1.0重量部、より好ましくは0.4〜0.6重量部である。ここで、架橋助剤としての硫黄の配合量が、EPM100重量部に対して0.1重量部未満では、充分に架橋ができず、耐摩耗性が悪くなる。また、架橋助剤としての硫黄の配合量が、EPM100重量部に対して1重量部を超えると、架橋助剤としての硫黄がリターダー(加硫阻害剤)として作用し、加硫速度低下、架橋密度低下をもたらす。また、架橋に使われなかった未反応の硫黄がゴム表面にブルームしてきて摩擦係数を低下させるため、写真プリント等の搬送特性が低下するので、好ましくない。
【0020】
上記ノンオイルゴム組成物には、さらに、その他のゴム、例えばエチレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等を、EPM100重量部に対して5重量部以下含有することができる。
【0021】
上記その他のゴムの配合量が、EPM100重量部に対し、5重量部を越えると、圧縮永久歪が大きくなり、写真プリント等の搬送(送り)特性が低下するので、好ましくない。
【0022】
その他、加工助剤、老化防止剤等の、一般にゴムの配合に用いられる配合剤を、必要に応じて配合することができる。
【0023】
発明の写真プリント等搬送用ゴムローラは、上記のノンオイルゴム組成物を、筒状に成形してなる弾性体層と、これの中心軸に装着されかつ通常金属製である軸芯とよりなるものである。
【0024】
ゴムローラの弾性体層のデュロメータ硬さは、A45〜A52の範囲にあるのが好ましい。ここで、ゴムローラの弾性体層の硬さがA45未満であれば、耐摩耗性が充分でなく、またゴムローラの弾性体層の硬さがA52を越えると、硬さがアップし、摩擦係数が下がるため、写真プリント等の搬送特性が低下するので、好ましくない。
【0025】
本発明においては、上記EPMを主成分とするノンオイルゴム組成物を混練し、これを常法により加硫して、厚肉筒形のローラ形状に成形して弾性体層を得、この弾性体層の中心軸に、例えばステンレス鋼製の軸芯を装着することにより、写真プリント等搬送用のゴムローラを製造することができる。
【0026】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1
ムーニ粘度ML1+4(100℃)40のEPM〔JSR株式会社製、商品名・EP11:表中にEPM(1)と記載〕100重量部に、ジクミルパーオキシド〔有機過酸化物架橋剤:表中に架橋剤(1)と記載〕(日本油脂株式会社製)3.2重量部、充填剤としてのシリカ(日本シリカ工業株式会社製、商品名ニプシールER)5重量部、酸化チタン(TiO)(正同化学株式会社製)5重量部、及び架橋助剤としての硫黄(鶴見化学工業株式会社)0.5重量部を配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成物を製造した。
【0028】
そして、上記ノンオイルゴム組成物を押し出した後、ゴムローラの形状に対応する金型を用いて、170℃、10分間の条件で加硫成形して、外径11mm、内径2mm、長さ17mmのゴム弾性体層をつくり、さらに、この弾性体層の軸孔に金属製軸芯を嵌め入れ、ゴムローラを製作した。
【0029】
実施例2
実施例1と同様に実施するが、実施例1のゴム組成物に、さらにムーニ粘度ML1+4(100℃)43、ヨウ素価15、及びプロピレン含有率43%を有するEPDM(JSR株式会社製、商品名・EP33)5重量部を配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成物を製造した。また、このノンオイルゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0030】
実施例3と4
実施例1と同様に実施するが、EPM(1)100重量部に対し、架橋助剤として、硫黄に代えて、SBR(JSR株式会社製、商品名・SBR1502)3重量部、及び5重量部をそれぞれ配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成物を製造した。また、これらのノンオイルゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0031】
実施例5
実施例1と同様に実施するが、EPM(1)100重量部に対し、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン〔有機過酸化物架橋剤:表中には架橋剤(2)と記載〕(化薬アクゾ株式会社製)3.2重量部、充填剤としてのシリカ5重量部、酸化チタン(TiO)10重量部、及び架橋助剤としての硫黄0.5重量部を配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成物を製造した。また、これらのノンオイルゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0032】
実施例6
実施例1と同様に実施するが、ムーニ粘度ML1+4(100℃)74のEPM〔JSR株式会社製、商品名・T7971:表中にEPM(2)と記載〕100重量部に、ジクミルパーオキシド〔架橋剤(1)〕3.2重量部、充填剤としてのシリカ5重量部、酸化チタン(TiO)10重量部、及び架橋助剤としての硫黄0.5重量部を配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成物を製造した。また、これらのノンオイルゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0033】
比較例1
実施例1と同様に実施するが、EPM(1)90重量部に対し、EPDM(日本合成ゴム株式会社製、商品名・EP33)10重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム組成物を製造した。また、このゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0034】
比較例2
実施例1と同様に実施するが、EPM(1)100重量部に対し、架橋助剤として、硫黄に代えて、上記SBR10重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム組成物を製造した。また、これらのゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0035】
比較例3
実施例1と同様に実施するが、EPMに代えて、EPDM(日本合成ゴム株式会社製、商品名・EP33)100重量部に、ジクミルパーオキシド〔架橋剤(1)〕2.8重量部、充填剤としてのシリカ5重量部、及び酸化チタン(TiO)5重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム組成物を製造した。また、このゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0036】
比較例4
比較例3のゴム組成物に、パラフィン系オイル(出光興産株式会社製、商品名・PW380)5重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム組成物を製造した。また、これらのゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0037】
比較例5
実施例1と同様に実施するが、実施例1のゴム組成物に、パラフィン系オイル(出光興産株式会社製、商品名・PW380)5重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム組成物を製造した。また、これらのゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0038】
評価試験
上記実施例1〜6及び比較例1〜5において作製したゴムローラについて、ゴムローラとしての弾力性、機械的強度、耐摩耗性等の諸特性を評価するために、(1)デュロメータ硬さ、(2)反発弾性(%)、(3)圧縮永久歪み(%)、(4)引張り弾性(MPa)、(5)最大伸び(%)、(6)引裂き強度(kN/m)を、それぞれJIS規格に基づいて測定し、試験を行った。
【0039】
また、写真プリント用カラープリンタ装置の実機に、上記実施例1〜6及び比較例1〜5のゴムローラを取りつけ、写真プリントの耐汚染性、写真プリントの搬送特性を評価した。
【0040】
なおここで、写真プリントの耐汚染性、及び写真プリントの搬送特性の評価テストは、つぎのようにして行なった。
【0041】
上記実施例1〜6及び比較例1〜5のゴムローラを取りつけたカラープリンタ装置の実機に、写真プリントを通過させ、通過した写真プリントの印字画像にローラ跡が発生していないか、どうかを目視により観察した。
【0042】
そして、ゴムローラを通過した写真プリントの印字画像に、ローラ跡が無いものを「○」、ローラ跡があるものを「×」として、表中に記載した。
【0043】
またこのとき、ゴムローラの作用により、カラープリンタ装置内を搬送される写真プリントの搬送力の評価を下記のように行なった。
【0044】
写真プリント搬送特性
◎:搬送力が非常に高い
○:搬送力が高い
△:搬送が不安定
×:ミスフィードが発生した
得られた結果を、下記の表1にまとめて示した。
【0045】
【表1】
Figure 0003861204
表1の結果から明かなように、本発明の実施例1〜6のゴムローラでは、従来のようなオイルブリードが全くなく、写真プリントの汚染が防止され、いわゆるノンオイルタイプであるため、写真プリント等の搬送過程において、プリント等の表面を汚すことが全くなく、耐汚染性に優れていた。また写真プリントの搬送特性は、実施例1〜6のゴムローラでは、いずれも優れているが、特に、実施例1と2のゴムローラにおいて優れていた。また実施例1〜6のゴムローラでは、ゴムローラとしての弾力性、機械的強度、耐摩耗性等の諸特性に優れたゴム弾性体層を有していた。さらに、実施例1〜6のゴムローラでは、ノンオイルゴム組成物の段階では、物性及び加工性、作業性において非常に優れており、従来技術の欠点が解消されることが確認された。
【0046】
一方、比較例1〜3のゴムローラについては、それぞれ耐汚染性を有しているが、比較例1と2では、EPMに対するEPDMあるいはSBRの配合量が多いため、圧縮永久歪が大きいものであり、写真プリントの搬送特性が劣るものであった。比較例3では、EPMに代えてEPDMを使用しているため、ノンオイル配合では低硬度化することができず、写真プリントの搬送特性が非常に劣るものであった。比較例4では、EPMに代えてEPDMを使用した比較例3のゴム組成物に、さらに硬度を下げるためにオイルを添加しているため、写真プリントの耐汚染性が非常に劣るものであった。比較例5では、実施例1のゴム組成物に、さらにオイルを添加しているため、写真プリントの耐汚染性が非常に劣るものであった。
【0047】
なお、上記実施例においては、本発明のノンオイルゴム組成物を用いて作成した写真プリント搬送用ゴムローラについて説明したが、本発明は、プリクラや証明写真などの写真プリントだけでなく、その他、合成紙、プラスチックス等の材料によって作成された各種カード、シート、シール等の搬送用ゴムローラとしても適用可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明によるEPMを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラは、上述のように、ムーニ粘度ML1+4(100℃)35〜75のEPM100重量部と、充填剤3〜20重量部と、架橋剤としての有機過酸化物2.5〜4重量部と、架橋助剤0.1〜5重量部と、EPM以外のゴム0〜5重量部とを配合してなるノンオイルゴム組成物を、筒状に成形してなる弾性体層と、軸芯とよりなるもので、本発明によれば、写真プリント等搬送用ゴムローラに用いるゴム材料に要求される諸特性を充分に備えたノンオイルゴム組成物を得ることができ、そして、このようなノンオイルゴム組成物を用いて成形したゴムローラは、低硬度であって、写真プリント等との間に高い摩擦係数を得ることができ、安定した写真プリント等搬送特性を長期間維持することができるとともに、いわゆるノンオイルタイプであるため、写真プリント等の搬送過程において、プリント等の表面を汚すことが全くなく、耐汚染性に優れているという効果を奏する。

Claims (7)

  1. ムーニ粘度ML1+4(100℃)35〜75のEPM100重量部と、充填剤3〜20重量部と、架橋剤としての有機過酸化物2.5〜4重量部と、架橋助剤0.1〜5重量部と、EPM以外のゴム0〜5重量部とを配合してなるノンオイルゴム組成物を、筒状に成形してなる弾性体層と、軸芯とよりなることを特徴とする、写真プリント等搬送用ゴムローラ。
  2. 上記EPMのムーニ粘度ML1+4(100℃)が38〜50である、請求項1記載の写真プリント等搬送用ゴムローラ
  3. 上記充填剤が、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー及びタルクよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの物質である、請求項1または2記載の写真プリント等搬送用ゴムローラ
  4. 上記架橋剤としての有機過酸化物が、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、エチル−3,3−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、t−ブチルクミルパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、及び(t−ブチルパーオキシイソプロピル)カルボナートよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの化合物である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の写真プリント等搬送用ゴムローラ
  5. 上記架橋助剤が、硫黄、N,N′−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、多官能性メタクリレートモノマ、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴムよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの物質である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の写真プリント等搬送用ゴムローラ
  6. 上記架橋助剤として硫黄0.1〜1.0重量部を含有してなる、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の写真プリント等搬送用ゴムローラ
  7. 弾性体層のデュロメータ硬さが、A45〜A52の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の写真プリント等搬送用ゴムローラ。
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