JP2000109704A - 紙送りローラ用ゴム組成物及び紙送りローラ - Google Patents

紙送りローラ用ゴム組成物及び紙送りローラ

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JP2000109704A
JP2000109704A JP10281438A JP28143898A JP2000109704A JP 2000109704 A JP2000109704 A JP 2000109704A JP 10281438 A JP10281438 A JP 10281438A JP 28143898 A JP28143898 A JP 28143898A JP 2000109704 A JP2000109704 A JP 2000109704A
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polynorbornene
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softener
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Shunichi Yabushita
俊一 籔下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オゾン性、加工性に優れ、且つ優れた搬送
力を長期間にわたって維持できる搬送力耐久性に優れた
紙送りローラ用ゴム組成物及びこれを用いた紙送りロー
ラを提供する。 【解決手段】 軟化剤を添加して100℃におけるムー
ニー粘度を70以下とした軟化剤添加ポリノルボルネ
ン、及び耐オゾン性ポリマーを主成分とする紙送りロー
ラ用ゴム組成物であって、軟化剤添加前のポリノルボル
ネンと前記耐オゾン性ポリマーとの含有量比率(ポリノ
ルボルネン/耐オゾン性ポリマー)は、85/15〜6
0/40である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームプ
リンタ、複写機、ファクシミリ等のOA機器の紙送り機
構に用いられる紙送り用の弾性体ローラ(以下「紙送り
ローラ」)に好適なゴム組成物及びこれを用いた紙送り
ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙送りローラとしては、ローラが紙に
対してスリップを起こした時にその紙を汚さないように
すること(非汚染性)、ローラが紙に対してスリップ
を起こさないように、すなわち所定の搬送力を確保でき
る摩擦係数を保持していること、更に、所望とする搬
送力を長期間にわたって維持し得る搬送力耐久性を有す
ること、複写機等の電子写真装置の内部には転写帯電
を行なうためのコロナチャージが内蔵されていて、装置
内部には高濃度のオゾンが発生するので、紙送りローラ
がオゾンに侵されないように耐オゾン性を有することが
必要とされる。
【0003】ここで、耐オゾン性を確保するためには、
耐オゾン性に優れているエチレン−プロピレン−ジエン
3元共重合体(EPDM)を用いたローラ用ゴム組成物
及び当該組成物で作製した紙送りローラが提案されてい
る。例えば、特開平5−77508号公報に、EPDM
の加工性及び所望の摩擦係数(普通紙に対する摩擦係数
2.0以上)を確保するために、EPDMにプロセスオ
イルを添加してムーニー粘度を50以上とした油展EP
DMを主成分としたゴム組成物及びローラが開示されて
いる。また、特開平7−242779号公報には、エチ
レン含有率を特定したEPDMをパラフィン系油で伸展
した油展EPDMにエステル系可塑剤を添加してなるゴ
ム組成物を用いたローラが提案されている。
【0004】しかし、これらのローラは、硬度や摩擦係
数を調整するために、多量のプロセスオイルや可塑剤が
添加されているため、ローラ表面にオイルや可塑剤がブ
リードして紙を汚したり、摩擦係数を変化させてしま
う。このため、ローラ製造初期の摩擦係数を調整して所
定の搬送力を確保していたとしても、その搬送力を長期
間維持できないという問題がある。特定の可塑剤を併用
することによって、初期の摩擦係数を維持することも考
えられているが、長期間にわたる維持効果はなく、近
年、長期化傾向にあるOA機器製品の耐用年数の間、初
期の搬送力を維持し続けることが困難であった。
【0005】一方、可塑剤やオイルとの相溶性が高く、
軟らかいゴムローラ即ち搬送力に必要な摩擦係数を有す
るゴムローラの作製が容易で、しかも配合したプロセス
オイルや可塑剤のブリードが少ないゴムとしてポリノル
ボルネンが注目されている。例えば、特開平4−933
46号公報には、EPDM及びシリコーンゴムという耐
オゾン性ゴム、ポリノルボルネン、及び油を配合した紙
送りローラ用ゴム組成物が開示されている。これは、ポ
リノルボルネンを用いて初期の搬送、更には初期の搬送
力を長期間にわたって維持できる搬送力耐久性を確保
し、EPDM及びシリコーンゴムなどの耐オゾン性に優
れたゴム(耐オゾン性ゴム)により耐オゾン性を確保し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載の発明は、ポリノルボルネンと耐オゾン性ゴムとの関
係について混合比率が規定されているだけである。とこ
ろが、耐オゾン性ゴムとポリノルボルネンとの組合わせ
によっては、必ずしも所望の搬送力が得られていないと
いうのが実情である。また、ポリノルボルネンと添加す
る軟化剤量との関係についても特に言及されていない
が、軟化剤の添加量によって搬送力、搬送力耐久性が変
動するというのが実情である。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、耐オゾン性、
加工性に優れ、且つ優れた搬送力を長期間にわたって維
持できる搬送力耐久性に優れた紙送りローラ用ゴム組成
物及びこれを用いた紙送りローラを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の紙送り
ローラ用ゴム組成物は、軟化剤を添加して100℃にお
けるムーニー粘度を70以下とした軟化剤添加ポリノル
ボルネン、及び耐オゾン性ポリマーを主成分とする紙送
りローラ用ゴム組成物であって、軟化剤添加前のポリノ
ルボルネンと前記耐オゾン性ポリマーとの含有量比率
(ポリノルボルネン/耐オゾン性ポリマー)は、85/
15〜60/40であることを特徴とする。
【0009】前記耐オゾン性ポリマーの100℃におけ
るムーニー粘度は、前記軟化剤添加ポリノルボルネンの
100℃におけるムーニー粘度よりも小さいことが好ま
しく、前記耐オゾン性ポリマーは、エチレン−プロピレ
ン−ジエン3元共重合体であることが好ましい。
【0010】また、ポリノルボルネン及び耐オゾン性ポ
リマー以外のポリマーは、全ポリマー中の10重量%以
下であることが好ましい。
【0011】本発明の紙送り用ローラは、本発明のゴム
組成物を用いて紙送り面が構成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の紙送りローラ用ゴ
ム組成物について説明する。本発明の紙送りローラ用ゴ
ム組成物は、ポリマー成分として、軟化剤添加ポリノル
ボルネンと耐オゾン性ポリマーとを含んでいる。
【0013】軟化剤添加ポリノルボルネンとは、ゴム組
成物の調製に先立って、粉末状のポリノルボルネンに軟
化剤を混合して粘土状にしたものをいう。本発明に用い
られる軟化剤添加ポリノルボルネンは、100℃におけ
るムーニー粘度(ML1+4 )が70以下、好ましくは5
5以下となるように、軟化剤が添加されたものである。
【0014】ポリノルボルネンとは、エチレンとシクロ
ペンタジエンとのディールス・アルダー反応により合成
されるノルボルネンを開環重合して得られるポリマー
で、軟化剤と優れた相溶性を示し、一般的にゴムに添加
できる量よりも遥かに多量の軟化剤を添加することがで
きる。よって、組成物の主体として用いることにより多
量の軟化剤を含有しつつ、耐ブリード性に優れた加硫成
形体を提供することが可能となる。
【0015】軟化剤添加ポリノルボルネンに用いられる
軟化剤は、一般にプロセスオイルや可塑剤として知られ
ているものを包含する概念で、石油系油として従来より
公知のもの(具体的には、アルキルベンゼン等のアロマ
系油、シクロヘキサン等のナフテン系油、パラフィン系
油など)やプラスチックの可塑剤として従来より公知の
もの(具体的には、ジブチルフタレート、ジヘプチルフ
タレート等のフタレート系;ジオクチルアジペート等の
アジペート系;ジオクチルセバケート等のセバケート
系;クレジルジフェニルフォスフェート、トリオクチル
フォスフェート等のフォスフェート系)などが挙げられ
る。これらのうち、アロマ系オイル、特にアルキルベン
ゼンが、ポリノルボルネンとの相溶性に優れ、ブリード
の発生が少なく、紙汚染性が少なくて済むことから好ま
しく用いられる。
【0016】尚、アルキルベンゼンとしては、ドデシル
ベンゼン、1−ドデシル−4−ヘキシルベンゼンなどが
挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上混合し
て用いてもよい。
【0017】このような軟化剤を、所定のムーニー粘度
となるようにポリノルボルネンと混合して軟化剤添加ポ
リノルボルネンとする。軟化剤の添加量は、使用する軟
化剤の種類により異なるが、100℃におけるムーニー
粘度(ML1+4 )が70以下、好ましくは55以下とな
るように選択すればよい。ゴム組成物の主体である軟化
剤添加ポリノルボルネンのムーニー粘度が高い程、得ら
れる加硫成形体が硬くなって搬送力耐久性が低下する傾
向にあり、ムーニー粘度(ML1+4 )が70より大きく
なると、得られる加硫成形体が硬くなりすぎて、搬送力
耐久性が低下するからである。
【0018】尚、ムーニー粘度の値は、ポリマーの種
類、軟化剤の添加量、充填剤等の組成物の配合組成だけ
でなく、同じ配合組成であっても測定温度にも依存す
る。本明細書においては、100℃におけるムーニー粘
度をいう。
【0019】本発明に用いられる耐オゾン性ポリマーと
しては、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ブ
チルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エピ
クロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体の水素化物、スチレン−ブタジエン
共重合体の水素化物等の非ジエン系の合成ゴム;シンジ
オタクチック1,2−ポリブタジエンのようにジエン系
であっても耐オゾン性に優れた合成ゴム;塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルアル
コール樹脂、ビニルアセタール樹脂、アクリル酸系樹
脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−アクリレート樹脂、ポリイソブチレン樹
脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテル樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート、6−
ナイロン、6,6−ナイロン、シリコーン樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂類が挙げられ
る。これらは1種類だけ使用してもよいし、2種類以上
混合して使用してもよいが、コスト、加工性、耐オゾン
性レベルの点から、エチレン−プロピレン−ジエン3元
共重合体(EPDM)が好ましく用いられる。尚、これ
らの耐オゾン性ポリマーは、予めプロセスオイルや可塑
剤などが添加されたもの、添加されていないもののいず
れを用いてもよいが、ゴム組成物の主体となる軟化剤添
加ポリノルボルネンによりある程度の加工性が確保でき
ること、加硫成形体の耐ブリード性の点から、耐オゾン
性ポリマーとしては、プロセスオイルや可塑剤を添加し
ていない耐オゾン性ポリマーを用いる方が好ましい。
【0020】また、耐オゾン性ポリマーとしては、軟化
剤を添加していないときの耐オゾン性ポリマーのムーニ
ー粘度が、軟化剤添加ポリノルボルネンの100℃にお
けるムーニー粘度(ML1+4 )よりも低いものが、搬送
力耐久性に特に優れているので好ましい。軟化剤添加ポ
リノルボルネンのムーニー粘度よりも高いムーニー粘度
を示す耐オゾン性ポリマーでは、軟化剤添加ポリノルボ
ルネンにおける耐オゾン性ポリマーの分散性が低下し、
この結果、作製されたローラにおいて、耐オゾン性ポリ
マーがリッチな相(耐オゾンポリマー相)が大きく点在
したようなローラ表面が形成され、搬送力耐久性が悪く
なるばかりか、ひどい場合には加硫成形を満足に行なう
ことができないからである。
【0021】このような耐オゾン性ポリマー及び軟化剤
添加ポリノルボルネンとは、耐オゾン性ポリマーに対す
る軟化剤添加前のポリノルボルネンの含有量比率(ポリ
ノルボルネン/耐オゾン性ポリマー)が90/10〜6
0/40となるように配合される。90/10より大き
いと、耐オゾン性ポリマーの含有量が少なすぎて、ロー
ラの耐オゾン性を確保できないからである。一方、60
/40より小さい場合、本来、耐オゾン性ポリマーと軟
化剤を添加したポリノルボルネンとの相溶性は良くない
ことから、加硫成形時にはオイルとの相溶性に優れた加
硫促進剤の大部分がポリノルボルネン相で利用されるこ
ととなって、架橋が不均一な成形体が得られるなど成形
加工性が低下するからである。
【0022】本発明のゴム組成物は、ポリマー成分とし
て、ポリノルボルネン及び耐オゾン性ポリマー以外のポ
リマーを、ポリマー成分全量に対して10重量%以下で
あれば含有してもよいが、ポリマー成分の全てがポリノ
ルボルネンと耐オゾン性ポリマーで構成されることが好
ましい。
【0023】本発明のローラ用ゴム組成物には、上記ポ
リマー成分の他、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、
老化防止剤、充填剤、補強剤、発泡剤等が必要に応じて
適宜添加される。
【0024】加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、不
溶性硫黄、有機過酸化物等が挙げられ、これらのうち、
加工性の点から、粉末硫黄が適している。加硫剤の配合
量は、加硫成形体の硬度の点から、ポリマー成分100
重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0025】加硫促進剤としては、例えば、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスル
フィド等のチウラム類;ジブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類;2−
メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルスルフ
ィド等のチアゾール類;N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル
−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ
シクロヘキシル−2−ベンゾチアオゾリルスルフェンア
ミド等のスルフェンアミド類;N,N′−ジフェニルグ
アニジン、N,N′−ジ−o−トリルグアニジン等のグ
アニジン類などが挙げられる。
【0026】加硫促進助剤としては、例えば、亜鉛華等
の金属塩;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の
脂肪酸;その他公知の加硫促進助剤が挙げられる。
【0027】スコーチ防止剤としては、フタル酸系やス
ルフェンアミド系、安息香酸系等が挙げられる。
【0028】老化防止剤としては、例えば、2−メルカ
プトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル−p
−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロ
ピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;2,2メ
チレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール等のフェノール類等が挙げられる。
【0029】充填剤や補強剤としては、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、ケイソウ
土などが挙げられる。これらのうち、着色力、加工性、
コストの点からカーボンブラックが好ましく用いられる
が、カーボンブラックの添加量は、紙を汚さない様にす
る観点から、10重量部未満とすることが好ましい。
【0030】本発明の紙送りローラは、以上のような配
合組成を有する本発明のゴム組成物の加硫成形体で紙送
り面が形成されたものである。本発明のゴム組成物をバ
ンバリーミキサー等で均一に混練し、 カレンダーロール
等を用いてシート状にした練りゴムシートを芯棒に巻付
け、加硫成形することにより製造することができる。
【0031】本発明の紙送りローラは、原料となるゴム
組成の配合組成に応じた硬度を示すが、いずれの場合で
あっても、普通紙に対して所定の搬送力を確保するのに
必要な摩擦係数を有しており、しかも長期間使用して
も、ブリード等のよる表面性状の変化が少ないので、初
期の搬送力を維持できる。
【0032】
【実施例】〔評価方法〕 搬送力耐久性 作製直後の紙送りローラの搬送力、及び該ローラをヒュ
ーレットパッカード社製のレーザービームプリンタ(L
aser Jet 4Plus)に装着し、A4サイズ
の紙(富士ゼロックス社のP−A4)を2000枚通枚
した後の搬送力を測定した。搬送力の測定は、図1に示
すように、紙送りローラ1とテフロン板2との間にA4
サイズの紙3をセットし、紙3に対して250gの鉛直
荷重Wをかけ、周速度255mm/secでローラ1を
矢印a方向に回転させ、その時の紙3の搬送力をロード
セル4で測定することにより行なった。
【0033】初期の搬送力及び2000枚通枚後の搬送
力とから、下記式により搬送力低下率を求め、その低下
率が1 .0%の場合を「○」、1〜1.5%の場合を
「△」、1.5%超の場合を「×」として評価した。
【0034】
【数1】
【0035】式中、F0 は初期搬送力(g)を示し、F
2000は2000枚搬送させた後の搬送力(g)を示して
いる。
【0036】耐オゾン性 10cm×10cm×0.2cmのゴム試験片を作製
し、それをJIS K6301に規定するダンベル1号
形に打ち抜いた。このダンベル試験片を10%伸長させ
た状態で、40℃、オゾン濃度50pphmの雰囲気の
試験機の中に96時間放置した。放置後のゴム表面の亀
裂の有無を目視で確認し、ゴム表面に亀裂が認められな
かったものを「○」、亀裂が認められたものを「×」と
した。
【0037】加工性 ゴム組成物を常法に従って混練したあと、ローラ状に巻
いてプレス加硫成形したとき、きれいにローラ状に成形
できたものを「○」、割れが生じていたり、ローラ状に
ならなかった場合を「×」とした。
【0038】〔紙送りローラの作製〕表1に示すような
配合組成において、ポリマー組成を表2に示すように変
えたゴム組成物No.1〜10を調製した。ここで、組
成物の調製は、まず、ポリノルボルネンと軟化剤を混合
して軟化剤添加ポリノルボルネンを調製し、次いで他の
ポリマー、加硫剤、補強材等の他の配合剤を配合するこ
とにより行なった。
【0039】尚、表1中、ポリノルボルネンとしては日
本ゼオン社の「ノーソレックス」、軟化剤添加ポリノル
ボルネン調製用の軟化剤としては三菱化学のアルキルベ
ンゼンである「パンソルブHS−4」、カーボンブラッ
クとしては東海カーボン社の「シーストSO」(これは
FEFの商品名)、酸化亜鉛としては三井金属の酸化亜
鉛第2種、ステアリン酸としては日本油脂社のもの、老
化防止剤としては大内新興化学の「ノクラックNS−
6」、粉末硫黄としては鶴見化学工業社製のもの、加硫
促進剤としては大内新興化学社の「ノクセラーDM」
(ジベンゾチアジルジスルフィド)及び「ノクセラーT
ET」(テトラエチルチウラムジスルフィド)を使用し
た。また、ポリノルボルネン以外に用いたポリマーは、
住友化学社製の「エスプレン505A」(EPDMの商
品名で、ムーニー粘度は45)、JSR社の「EP2
4」(EPDMの商品名で、ムーニー粘度は65)、ク
ロロプレンゴム(デユポンダウエラストマー社のネオプ
レンWRT)及びブタジエンゴム(JSR社のBR11
でシス−1,4結合含有率が90%以上)であり、これ
らのうち耐オゾン性ポリマーに属するポリマーはEPD
Mとクロロプレンゴムである。上記2種類のEPDM
は、主として数平均分子量が異なることに基づいてムー
ニー粘度が異なっている。
【0040】
【表1】
【0041】調製したゴム組成物を芯棒に巻付けてロー
ラ状とし、160℃で10分間、加硫成形して、ローラ
No.1〜10を作製した。作製したローラについて、
上記評価方法に基づいて、搬送力耐久性、及び加工性を
評価するとともに、加硫成形体から試験変を切り取って
耐オゾン性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】ポリマー成分が軟化剤添加ポリノルボルネ
ン単独であるゴム組成物(No.8)、及び耐オゾン性
を有しないジエン系ゴムを混合したゴム組成物(No.
10)は、耐オゾン性を満足できない。
【0044】また、耐オゾン性ポリマーの含有率が、軟
化剤添加ポリノルボルネンに比して多すぎると(ポリノ
ルボルネン/耐オゾン性ポリマーの比率が60/40未
満)、ゴム相が分離したようになって所々に割れが生
じ、使用できるようなローラを作製できなかった(N
o.9)。
【0045】耐オゾン性ポリマーと軟化剤添加ポリノル
ボルネンとをバランスよくブレンドしたとしても、軟化
剤の添加量が少ないためにムーニー粘度が高くなってい
る軟化剤添加ポリノルボルネンを用いた場合には、搬送
力耐久性が低下する。よって、初期の搬送力を長期間に
わたって維持し続けるためには、軟化剤添加ポリノルボ
ルネンのムーニー粘度が70以下でなければならないこ
とがわかる(No.7参照)。
【0046】また、No.1,4,5の比較から、軟化
剤添加ポリノルボルネンのムーニー粘度、及び軟化剤添
加前のポリノルボルネンの耐オゾン性ポリマーに対する
含有量比率を同一とすることにより初期の搬送力を確保
した場合であっても、ブレンドする耐オゾン性ポリマー
のムーニー粘度が異なると、搬送力耐久性が異なること
がわかる。そして、より優れた搬送力耐久性を得るため
には、軟化剤添加ポリノルボルネンのムーニー粘度より
も低いムーニー粘度の耐オゾン性ポリマーとブレンドす
ることが好ましいことがわかる(No.5,6参照)。
【0047】
【発明の効果】本発明の紙送りローラ用ゴム組成物は、
耐オゾン性、加工性に優れ、且つブリードが少ない。
【0048】従って、本発明のゴム組成物を用いて作製
した紙送りローラは、耐オゾン性、非汚染性に優れ、し
かも紙送りに必要な搬送力を長期間保持して、安定に紙
送りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送力の測定方法を説明するための図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3F049 CA16 LA02 LA05 LA07 LB02 LB03 4J002 AC072 AC092 AC112 BB032 BB062 BB072 BB152 BB182 BB272 BC032 BC052 BD032 BD102 BD122 BE022 BE062 BF022 BG012 BG042 CC182 CC212 CD002 CE001 CG002 CH002 CH042 CK022 CL012 CL032 CP032 GM00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化剤を添加して100℃におけるムー
    ニー粘度を70以下とした軟化剤添加ポリノルボルネ
    ン、及び耐オゾン性ポリマーを主成分とする紙送りロー
    ラ用ゴム組成物であって、 軟化剤添加前のポリノルボルネンと前記耐オゾン性ポリ
    マーとの含有量比率(ポリノルボルネン/耐オゾン性ポ
    リマー)は、85/15〜60/40であることを特徴
    とする紙送りローラ用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記耐オゾン性ポリマーの100℃にお
    けるムーニー粘度が、前記軟化剤添加ポリノルボルネン
    の100℃におけるムーニー粘度よりも小さい請求項1
    に記載の紙送りローラ用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記耐オゾン性ポリマーは、エチレン−
    プロピレン−ジエン3元共重合体である請求項1 又は2
    に記載の紙送りローラ用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 ポリノルボルネン及び耐オゾン性ポリマ
    ー以外のポリマーは、全ポリマー中の10重量%以下で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の紙送り用ローラゴ
    ム組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組
    成物の加硫成形体で紙送り面が構成されている紙送り用
    ローラ。
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CN101205336B (zh) * 2006-12-18 2010-06-16 上海华向橡胶制品有限公司 一种用于制造低硬度橡胶材料的组合物
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