JP2003261728A - Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物及びこれを用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ - Google Patents

Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物及びこれを用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ

Info

Publication number
JP2003261728A
JP2003261728A JP2002375939A JP2002375939A JP2003261728A JP 2003261728 A JP2003261728 A JP 2003261728A JP 2002375939 A JP2002375939 A JP 2002375939A JP 2002375939 A JP2002375939 A JP 2002375939A JP 2003261728 A JP2003261728 A JP 2003261728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber composition
weight
oil
rubber
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002375939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3861204B2 (ja
Inventor
Akitoshi Tawara
章年 田原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamauchi Corp
Original Assignee
Yamauchi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamauchi Corp filed Critical Yamauchi Corp
Priority to JP2002375939A priority Critical patent/JP3861204B2/ja
Publication of JP2003261728A publication Critical patent/JP2003261728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3861204B2 publication Critical patent/JP3861204B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 EPM(エチレン−プロピレン共重合体)を
主成分とするゴム組成物、とくに軟化剤としてオイル成
分を含有しないタイプのゴム組成物及びこれを用いた写
真プリント等搬送用ゴムローラを提供する。いわゆるノ
ンオイルタイプであるため、プリクラ(登録商標「プリ
ント倶楽部」の通称)作成装置や自動証明写真作成装置
などにおいて、写真プリント等の搬送過程においても、
プリント等の表面を汚すことが全くなく、写真プリント
との間に、より高い摩擦力を得ることができて、安定し
た写真プリント等搬送特性を長期間維持する。 【解決手段】 ノンオイルゴム組成物は、ムーニ粘度M
1+4(100℃)35〜75のEPM100重量部
と、充填剤3〜20重量部と、架橋剤としての有機過酸
化物2.5〜4重量部と、架橋助剤0.1〜5重量部と
を配合してなるものである。写真プリント等搬送用ゴム
ローラは、該ゴム組成物を筒状に成形してなる弾性体層
と、軸芯とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EPM(エチレン
−プロピレン共重合体)を主成分とするノンオイルゴム
組成物、とくに軟化剤としてオイル成分を含有しないタ
イプのノンオイルゴム組成物及びこれを用いた写真プリ
ント等搬送用ゴムローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー写真の普及と共に需要が増
大し、手軽にかつ迅速にプリントして、ユーザーが手に
することのできるプリクラ(登録商標「プリント倶楽
部」の通称)作成装置や自動証明写真作成装置などが多
数設置されている。
【0003】これらのプリクラ作成装置や自動証明写真
作成装置などにおいて、現像処理後のカットシート状印
画紙すなわち写真プリントを搬送するゴムローラに使用
される材料としては、写真プリントとの摩擦力が大き
く、低硬度であること、繰り返しの写真プリントの搬送
(送り)に対して摩耗が少ないことが重要である。
【0004】このようなゴムローラを製造するためのゴ
ム組成物としては、従来より、エチレン−プロピレン−
ジエン三元共重合体(EPDM)を主成分とするゴム組
成物が使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、低硬度のゴムローラを得るために、多量のオイルを
軟化剤として配合しており、このようなオイル含有EP
DMを主成分とするゴム組成物からなるゴムローラを写
真プリントの搬送(送り)用ゴムローラとした場合、ゴ
ムローラの表面に析出(ブリード)したオイルが写真プ
リントの表面に付着し、プリントの表面が汚れるという
問題があった。
【0006】また、低硬度のゴムローラを得るために、
EPDMを主成分とするゴム組成物に軟化剤としてのオ
イルを配合すると、耐摩耗性を著しく低下させるという
問題があった。一方、EPDMにオイルを配合しなかっ
た場合には、デュロメータ硬さA55以下のゴムローラ
を得ることは、非常に困難であった。
【0007】一方、従来より、ゴム組成物に対しては、
加硫操作によりゴムを硬化させるための硬化剤として、
加硫剤や加硫促進剤が添加配合されているが、これらの
加硫剤及び加硫促進剤がゴム表面に析出してくる現象
(ブルーム)を起こすという問題がある。ブルームが発
生すると、ゴムローラと写真プリントとの摩擦力が極端
に低下するために、ゴムローラがすべってしまい、写真
プリントを搬送できないという問題や、写真プリントの
表面を汚染するという問題があった。
【0008】本発明者は、上記問題を解決するために、
鋭意検討を重ねた結果、EPM(エチレン−プロピレン
共重合体)を主成分とするゴム組成物であって、オイル
等の軟化剤を全く用いることなく、いわゆるノンオイル
のゴム組成物とすることにより、低硬度であり、優れた
写真プリント等の搬送(送り)特性を有し、しかも写真
プリント等の相手材に対する汚染がない写真プリント等
搬送用ゴムローラを形成し得ることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、EPMを主成分とするゴム組成物であって、オ
イル等の軟化剤を全く用いることなく、いわゆるノンオ
イルタイプで、低硬度であり、このため、プリント等の
表面を汚すことが全くなく、写真プリントとの間に、よ
り高い摩擦力を得ることができて、安定した写真プリン
ト等搬送特性を長期間維持することができる、EPMを
主成分とするノンオイルゴム組成物及びこれを用いた写
真プリント等搬送用ゴムローラを提供しようとすること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載のEPMを主成分とするノ
ンオイルゴム組成物の発明は、ムーニ粘度ML
1+4(100℃)35〜75のEPM100重量部
と、充填剤3〜20重量部と、架橋剤としての有機過酸
化物2.5〜4重量部と、架橋助剤0.1〜5重量部と
を配合してなることを特徴としている。
【0011】また、本発明の写真プリント等搬送用ゴム
ローラは、上記のノンオイルゴム組成物を、筒状に成形
してなる弾性体層と、これの中心軸に装着された軸芯と
よりなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0013】本発明によるEPMを主成分とするノンオ
イルゴム組成物は、ムーニ粘度ML 1+4(100℃)
35〜75、好ましくは38〜50のEPMを含有して
いる。
【0014】ここで、EPMのムーニ粘度ML
1+4(100℃)が35未満であれば、圧縮永久歪み
及び耐摩耗性が悪化するので、好ましくない。またEP
Mのムーニ粘度ML1+4(100℃)が75を越える
と、硬さがアップし、写真プリント等の搬送(送り)特
性が低下するので、好ましくない。
【0015】上記充填剤には、シリカ、酸化チタン、炭
酸カルシウム、カーボンブラック、クレー及びタルクよ
りなる群の中から選ばれた少なくとも1つの物質を用い
る。ここで、充填剤の配合量は、EPM100重量部に
対し、3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部であ
る。充填剤の配合量が、EPM100重量部に対し、3
重量部未満であれば、成形によって得られるゴムローラ
の機械的強度が充分でないので、好ましくない。また充
填剤の配合量が、EPM100重量部に対し、20重量
部を越えると、硬さがアップし、写真プリント等の搬送
(送り)特性が低下するので、好ましくない。
【0016】また、上記架橋剤としての有機過酸化物
は、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、エ
チル−3,3−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブチレー
ト、t−ブチルクミルパーオキシド、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパー
オキシ)バレレート、及び(t−ブチルパーオキシイソ
プロピル)カルボナートよりなる群の中から選ばれた少
なくとも1つの化合物を用いる。とくに、低い圧縮永久
歪みが得られる、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンを用いるのが好ましい。上記架橋剤としての有
機過酸化物は、これらは単独であるいは2種を混合して
使用してもよい。
【0017】架橋剤としての有機過酸化物の配合量は、
EPM100重量部に対し、2.5〜4重量部、好まし
くは2.8〜3.4重量部である。ここで、架橋剤とし
ての有機過酸化物の配合量が、EPM100重量部に対
し2.5重量部未満であれば、EPMの縮合重合のさい
の架橋が不充分であるため、成形によって得られるゴム
ローラの機械的強度、圧縮永久歪、耐摩耗性が充分でな
いので、好ましくない。また有機過酸化物の配合量が、
EPM100重量部に対し4重量部を越えると、EPM
の硬さアップとともに、過剰の架橋剤やその分解物の量
が増えて、好ましくない。
【0018】本発明においては、このような有機過酸化
物とともに、硫黄、N,N′−m−フェニレンジマレイ
ミド、トリアリルイソシアヌレート、アクリル酸亜鉛、
メタクリル酸亜鉛、多官能性メタクリレートモノマ、ス
チレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びシンジオ
タクチック−1,2−ポリブタジエンゴムなどの架橋助
剤を、0.1〜5重量部配合する。このような架橋助剤
を配合することにより、耐摩耗性や圧縮永久歪み特性を
向上させることができる。
【0019】ここで、架橋助剤の配合量が0.1重量部
未満であれば、ゴムの成形が困難となるうえ、耐摩耗性
や圧縮永久歪み等のゴム物性が劣ったものとなるので、
好ましくない。また架橋助剤の配合量が5重量部を超え
ると、ゴムロールの低硬度化が困難となるうえ、最大伸
びの低下、圧縮永久歪みの増大等の問題が発生するの
で、好ましくない。
【0020】上記ノンオイルゴム組成物の架橋助剤とし
ては、低硬度、圧縮永久歪み、伸び等の物性上のバラン
スに優れた架橋ゴムを得るためには、硫黄を用いるのが
好ましい。硫黄の好ましい配合量は、EPM100重量
部に対し、0.1〜1.0重量部、より好ましくは0.
4〜0.6重量部である。ここで、架橋助剤としての硫
黄の配合量が、EPM100重量部に対して0.1重量
部未満では、充分に架橋ができず、耐摩耗性が悪くな
る。また、架橋助剤としての硫黄の配合量が、EPM1
00重量部に対して1重量部を超えると、架橋助剤とし
ての硫黄がリターダー(加硫阻害剤)として作用し、加
硫速度低下、架橋密度低下をもたらす。また、架橋に使
われなかった未反応の硫黄がゴム表面にブルームしてき
て摩擦係数を低下させるため、写真プリント等の搬送特
性が低下するので、好ましくない。
【0021】上記ノンオイルゴム組成物には、さらに、
その他のゴム、例えばエチレンプロピレンジエン三元共
重合体ゴム(EPDM)等を、EPM100重量部に対
して5重量部以下含有することができる。
【0022】上記その他のゴムの配合量が、EPM10
0重量部に対し、5重量部を越えると、圧縮永久歪が大
きくなり、写真プリント等の搬送(送り)特性が低下す
るので、好ましくない。
【0023】その他、加工助剤、老化防止剤等の、一般
にゴムの配合に用いられる配合剤を、必要に応じて配合
することができる。
【0024】また、本発明の写真プリント等搬送用ゴム
ローラは、上記のノンオイルゴム組成物を、筒状に成形
してなる弾性体層と、これの中心軸に装着されかつ通常
金属製である軸芯とよりなるものである。
【0025】ゴムローラの弾性体層のデュロメータ硬さ
は、A45〜A52の範囲にあるのが好ましい。ここ
で、ゴムローラの弾性体層の硬さがA45未満であれ
ば、耐摩耗性が充分でなく、またゴムローラの弾性体層
の硬さがA52を越えると、硬さがアップし、摩擦係数
が下がるため、写真プリント等の搬送特性が低下するの
で、好ましくない。
【0026】本発明による上記EPMを主成分とするノ
ンオイルゴム組成物を混練し、これを常法により加硫し
て、厚肉筒形のローラ形状に成形して弾性体層を得、こ
の弾性体層の中心軸に、例えばステンレス鋼製の軸芯を
装着することにより、写真プリント等搬送用のゴムロー
ラを製造することができる。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を比較例と共に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【0028】実施例1 ムーニ粘度ML1+4(100℃)40のEPM〔JS
R株式会社製、商品名・EP11:表中にEPM(1)
と記載〕100重量部に、ジクミルパーオキシド〔有機
過酸化物架橋剤:表中に架橋剤(1)と記載〕(日本油
脂株式会社製)3.2重量部、充填剤としてのシリカ
(日本シリカ工業株式会社製、商品名ニプシールER)
5重量部、酸化チタン(TiO )(正同化学株式会
社製)5重量部、及び架橋助剤としての硫黄(鶴見化学
工業株式会社)0.5重量部を配合し、混練機を用い
て、ノンオイルゴム組成物を製造した。
【0029】そして、上記ノンオイルゴム組成物を押し
出した後、ゴムローラの形状に対応する金型を用いて、
170℃、10分間の条件で加硫成形して、外径11m
m、内径2mm、長さ17mmのゴム弾性体層をつく
り、さらに、この弾性体層の軸孔に金属製軸芯を嵌め入
れ、ゴムローラを製作した。
【0030】実施例2 実施例1と同様に実施するが、実施例1のゴム組成物
に、さらにムーニ粘度ML1+4(100℃)43、ヨ
ウ素価15、及びプロピレン含有率43%を有するEP
DM(JSR株式会社製、商品名・EP33)5重量部
を配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成物を製
造した。また、このノンオイルゴム組成物から実施例1
の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0031】実施例3と4 実施例1と同様に実施するが、EPM(1)100重量
部に対し、架橋助剤として、硫黄に代えて、SBR(J
SR株式会社製、商品名・SBR1502)3重量部、
及び5重量部をそれぞれ配合し、混練機を用いて、ノン
オイルゴム組成物を製造した。また、これらのノンオイ
ルゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムロ
ーラを製作した。
【0032】実施例5 実施例1と同様に実施するが、EPM(1)100重量
部に対し、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン〔有機過酸化物架橋剤:表中には架橋
剤(2)と記載〕(化薬アクゾ株式会社製)3.2重量
部、充填剤としてのシリカ5重量部、酸化チタン(Ti
)10重量部、及び架橋助剤としての硫黄0.5
重量部を配合し、混練機を用いて、ノンオイルゴム組成
物を製造した。また、これらのノンオイルゴム組成物か
ら実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作し
た。
【0033】実施例6 実施例1と同様に実施するが、ムーニ粘度ML
1+4(100℃)74のEPM〔JSR株式会社製、
商品名・T7971:表中にEPM(2)と記載〕10
0重量部に、ジクミルパーオキシド〔架橋剤(1)〕
3.2重量部、充填剤としてのシリカ5重量部、酸化チ
タン(TiO )10重量部、及び架橋助剤としての
硫黄0.5重量部を配合し、混練機を用いて、ノンオイ
ルゴム組成物を製造した。また、これらのノンオイルゴ
ム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴムローラ
を製作した。
【0034】比較例1 実施例1と同様に実施するが、EPM(1)90重量部
に対し、EPDM(日本合成ゴム株式会社製、商品名・
EP33)10重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム
組成物を製造した。また、このゴム組成物から実施例1
の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0035】比較例2 実施例1と同様に実施するが、EPM(1)100重量
部に対し、架橋助剤として、硫黄に代えて、上記SBR
10重量部を配合し、混練機を用いて、ゴム組成物を製
造した。また、これらのゴム組成物から実施例1の場合
と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0036】比較例3 実施例1と同様に実施するが、EPMに代えて、EPD
M(日本合成ゴム株式会社製、商品名・EP33)10
0重量部に、ジクミルパーオキシド〔架橋剤(1)〕
2.8重量部、充填剤としてのシリカ5重量部、及び酸
化チタン(TiO )5重量部を配合し、混練機を用
いて、ゴム組成物を製造した。また、このゴム組成物か
ら実施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作し
た。
【0037】比較例4 比較例3のゴム組成物に、パラフィン系オイル(出光興
産株式会社製、商品名・PW380)5重量部を配合
し、混練機を用いて、ゴム組成物を製造した。また、こ
れらのゴム組成物から実施例1の場合と同様にして、ゴ
ムローラを製作した。
【0038】比較例5 実施例1と同様に実施するが、実施例1のゴム組成物
に、パラフィン系オイル(出光興産株式会社製、商品名
・PW380)5重量部を配合し、混練機を用いて、ゴ
ム組成物を製造した。また、これらのゴム組成物から実
施例1の場合と同様にして、ゴムローラを製作した。
【0039】評価試験 上記実施例1〜6及び比較例1〜5において作製したゴ
ムローラについて、ゴムローラとしての弾力性、機械的
強度、耐摩耗性等の諸特性を評価するために、(1)デ
ュロメータ硬さ、(2)反発弾性(%)、(3)圧縮永
久歪み(%)、(4)引張り弾性(MPa)、(5)最
大伸び(%)、(6)引裂き強度(kN/m)を、それ
ぞれJIS規格に基づいて測定し、試験を行った。
【0040】また、写真プリント用カラープリンタ装置
の実機に、上記実施例1〜6及び比較例1〜5のゴムロ
ーラを取りつけ、写真プリントの耐汚染性、写真プリン
トの搬送特性を評価した。
【0041】なおここで、写真プリントの耐汚染性、及
び写真プリントの搬送特性の評価テストは、つぎのよう
にして行なった。
【0042】上記実施例1〜6及び比較例1〜5のゴム
ローラを取りつけたカラープリンタ装置の実機に、写真
プリントを通過させ、通過した写真プリントの印字画像
にローラ跡が発生していないか、どうかを目視により観
察した。
【0043】そして、ゴムローラを通過した写真プリン
トの印字画像に、ローラ跡が無いものを「○」、ローラ
跡があるものを「×」として、表中に記載した。
【0044】またこのとき、ゴムローラの作用により、
カラープリンタ装置内を搬送される写真プリントの搬送
力の評価を下記のように行なった。
【0045】写真プリント搬送特性 ◎:搬送力が非常に高い ○:搬送力が高い △:搬送が不安定 ×:ミスフィードが発生した 得られた結果を、下記の表1にまとめて示した。
【0046】
【表1】 表1の結果から明かなように、本発明の実施例1〜6の
ゴムローラでは、従来のようなオイルブリードが全くな
く、写真プリントの汚染が防止され、いわゆるノンオイ
ルタイプであるため、写真プリント等の搬送過程におい
て、プリント等の表面を汚すことが全くなく、耐汚染性
に優れていた。また写真プリントの搬送特性は、実施例
1〜6のゴムローラでは、いずれも優れているが、特
に、実施例1と2のゴムローラにおいて優れていた。ま
た実施例1〜6のゴムローラでは、ゴムローラとしての
弾力性、機械的強度、耐摩耗性等の諸特性に優れたゴム
弾性体層を有していた。さらに、実施例1〜6のゴムロ
ーラでは、ノンオイルゴム組成物の段階では、物性及び
加工性、作業性において非常に優れており、従来技術の
欠点が解消されることが確認された。
【0047】一方、比較例1〜3のゴムローラについて
は、それぞれ耐汚染性を有しているが、比較例1と2で
は、EPMに対するEPDMあるいはSBRの配合量が
多いため、圧縮永久歪が大きいものであり、写真プリン
トの搬送特性が劣るものであった。比較例3では、EP
Mに代えてEPDMを使用しているため、ノンオイル配
合では低硬度化することができず、写真プリントの搬送
特性が非常に劣るものであった。比較例4では、EPM
に代えてEPDMを使用した比較例3のゴム組成物に、
さらに硬度を下げるためにオイルを添加しているため、
写真プリントの耐汚染性が非常に劣るものであった。比
較例5では、実施例1のゴム組成物に、さらにオイルを
添加しているため、写真プリントの耐汚染性が非常に劣
るものであった。
【0048】なお、上記実施例においては、本発明のノ
ンオイルゴム組成物を用いて作成した写真プリント搬送
用ゴムローラについて説明したが、本発明は、プリクラ
や証明写真などの写真プリントだけでなく、その他、合
成紙、プラスチックス等の材料によって作成された各種
カード、シート、シール等の搬送用ゴムローラとしても
適用可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によるEPMを主成分とするノン
オイルゴム組成物は、上述のように、ムーニ粘度ML
1+4(100℃)35〜75のEPM100重量部
と、充填剤3〜20重量部と、架橋剤としての有機過酸
化物2.5〜4重量部と、架橋助剤0.1〜5重量部と
を配合してなるもので、本発明のノンオイルゴム組成物
によれば、写真プリント等搬送用ゴムローラに用いるゴ
ム材料に要求される諸特性を充分に備えたノンオイルゴ
ム組成物を得ることができる。
【0050】そして、このようなノンオイルゴム組成物
を用いて成形したゴムローラは、低硬度であって、写真
プリント等との間に高い摩擦係数を得ることができ、安
定した写真プリント等搬送特性を長期間維持することが
できるとともに、いわゆるノンオイルタイプであるた
め、写真プリント等の搬送過程において、プリント等の
表面を汚すことが全くなく、耐汚染性に優れているとい
う効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03D 3/08 G03D 3/08 A Fターム(参考) 2H098 CA09 3J103 AA02 AA13 FA13 FA23 GA02 GA56 HA12 HA53 4J002 AC032 AC082 BB151 BL012 DA036 DE136 DE236 DJ016 DJ036 DJ046 EG018 EH048 EK037 EK047 EK087 EP008 ER008 FD016 FD147 FD152 FD158 GM00 GP00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムーニ粘度ML1+4(100℃)35
    〜75のEPM100重量部と、充填剤3〜20重量部
    と、架橋剤としての有機過酸化物2.5〜4重量部と、
    架橋助剤0.1〜5重量部とを配合してなることを特徴
    とする、EPMを主成分とするノンオイルゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記EPMのムーニ粘度ML1+4(1
    00℃)が38〜50である、請求項1記載のノンオイ
    ルゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記充填剤が、シリカ、酸化チタン、炭
    酸カルシウム、カーボンブラック、クレー及びタルクよ
    りなる群の中から選ばれた少なくとも1つの物質であ
    る、請求項1または2記載のノンオイルゴム組成物。
  4. 【請求項4】 上記架橋剤としての有機過酸化物が、ジ
    クミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオ
    キシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,
    5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、エチル−
    3,3−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、t
    −ブチルクミルパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチ
    ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
    ン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
    シ)バレレート、及び(t−ブチルパーオキシイソプロ
    ピル)カルボナートよりなる群の中から選ばれた少なく
    とも1つの化合物である、請求項1〜3のうちのいずれ
    か一項に記載のノンオイルゴム組成物。
  5. 【請求項5】 上記架橋助剤が、硫黄、N,N′−m−
    フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレー
    ト、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、多官能性メタ
    クリレートモノマ、スチレンブタジエンゴム、ブタジエ
    ンゴム、及びシンジオタクチック−1,2−ポリブタジ
    エンゴムよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの
    物質である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載
    のノンオイルゴム組成物。
  6. 【請求項6】 上記架橋助剤として硫黄0.1〜1.0
    重量部を含有してなる、請求項1〜4のうちのいずれか
    一項に記載のノンオイルゴム組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか一項に記
    載のノンオイルゴム組成物を、筒状に成形してなる弾性
    体層と、軸芯とよりなることを特徴とする、写真プリン
    ト等搬送用ゴムローラ。
  8. 【請求項8】 弾性体層のデュロメータ硬さが、A45
    〜A52の範囲にあることを特徴とする、請求項7記載
    の写真プリント等搬送用ゴムローラ。
JP2002375939A 2001-12-28 2002-12-26 Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ Expired - Fee Related JP3861204B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002375939A JP3861204B2 (ja) 2001-12-28 2002-12-26 Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-401328 2001-12-28
JP2001401328 2001-12-28
JP2002375939A JP3861204B2 (ja) 2001-12-28 2002-12-26 Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003261728A true JP2003261728A (ja) 2003-09-19
JP3861204B2 JP3861204B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=29217743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002375939A Expired - Fee Related JP3861204B2 (ja) 2001-12-28 2002-12-26 Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物を用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3861204B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068547A1 (en) * 2004-01-19 2005-07-28 Dsm Ip Assets B.V. Thermoplastic elastomer composition
JP2006016552A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物および紙送りローラ
JP2008280528A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Bridgestone Corp 液封入防振ゴム用ゴム組成物
EP2395051A1 (en) 2010-06-11 2011-12-14 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition and paper feed roller

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068547A1 (en) * 2004-01-19 2005-07-28 Dsm Ip Assets B.V. Thermoplastic elastomer composition
JP2006016552A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物および紙送りローラ
JP2008280528A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Bridgestone Corp 液封入防振ゴム用ゴム組成物
EP2395051A1 (en) 2010-06-11 2011-12-14 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition and paper feed roller
CN102276927A (zh) * 2010-06-11 2011-12-14 住友橡胶工业株式会社 橡胶组合物和送纸辊
JP2011256347A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物および紙送りローラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3861204B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5241775B2 (ja) ゴム組成物および紙送りローラ
CN110655723B (zh) 橡胶组合物及使用其的送纸辊
JP7157900B2 (ja) ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ
JPH11236465A (ja) ゴム組成物、該ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴム組成物の製造方法
US7253233B2 (en) Elastomer composition and rubber roller
JP2003261728A (ja) Epmを主成分とするノンオイルゴム組成物及びこれを用いた写真プリント等搬送用ゴムローラ
JPH0649103A (ja) 電子写真複写装置に用いる導電性ゴム材料
JP7157901B2 (ja) ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ
JP2002121376A (ja) 導電性ゴム組成物並びに該導電性ゴム組成物を用いた導電性ゴムローラ及び導電性ゴムベルト
JP2011116480A (ja) 紙送りローラ
JP2003246892A (ja) ゴムローラ
JP2001342301A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ
EP1477523B1 (en) Elastomer composition and paper feed roller
JP2003105133A (ja) ゴムローラ
JP2002364630A (ja) ゴムローラ
JP2000095899A (ja) Nbr組成物
WO2005103834A1 (ja) 導電性ローラ
JPH10279750A (ja) Epdmポリマーを主成分とするゴム組成物及びこれを用いた紙送り用ゴムローラ
JPH0559235A (ja) 防振用ゴム組成物
EP0974618B1 (en) Cross-linked rubber composition, rubber roller, and method of manufacturing rubber roller
JP3447593B2 (ja) 紙送りローラ
JP2872845B2 (ja) 印刷用ゴムロール
JP2006016552A (ja) ゴム組成物および紙送りローラ
JP4429688B2 (ja) ゴム組成物、該ゴム組成物の製造方法およびゴム部材
JP2000109704A (ja) 紙送りローラ用ゴム組成物及び紙送りローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees