JP2002121376A - 導電性ゴム組成物並びに該導電性ゴム組成物を用いた導電性ゴムローラ及び導電性ゴムベルト - Google Patents

導電性ゴム組成物並びに該導電性ゴム組成物を用いた導電性ゴムローラ及び導電性ゴムベルト

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JP2002121376A JP2000309789A JP2000309789A JP2002121376A JP 2002121376 A JP2002121376 A JP 2002121376A JP 2000309789 A JP2000309789 A JP 2000309789A JP 2000309789 A JP2000309789 A JP 2000309789A JP 2002121376 A JP2002121376 A JP 2002121376A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性ゴムローラ等に用いられる導電性ゴム
組成物の体積固有抵抗値を低く維持しながら、圧縮永久
ひずみの低減、加工性の改善、加硫時間の短縮を図り、
かつ、オゾン劣化もなく、ローラとしての硬度も適切な
ものとする。 【解決手段】 エチレンオキサイド/プロピレンオキサ
イド/アリルグリシジルエーテルの共重合比率が50〜
95モル%/1〜49モル%/1〜10モル%であり、
数平均分子量Mnが10000以上であるエチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエー
テル三元共重合体(A)と、アクリロニトリルブタジエ
ンゴム(B)と、エピクロルヒドリンゴム(C)とを、
各重量をそれぞれa、b、cとすると、0.01≦b/
(a+b+c)≦0.75、0.01≦a/c≦2.0
0の関係が成立するように混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ゴム組成物
並びに該導電性ゴム組成物を用いた導電性ゴムローラ及
び導電性ゴムベルトに関し、コピ−機、プリンター等の
帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ロー
ラ、転写ベルト等に有効に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】この種のコピ−機、プリンター等に用い
る帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ロ
ーラ、転写ベルトにおいては、適度の安定した電気抵抗
値を持たせる必要がある。従来、この種のローラやベル
トに導電性を付与する方法として、ゴム中に金属酸化物
の粉末やカーボンブラック等の導電性充填剤を配合した
電子導電性ゴムを用いる方法と、ウレタンゴム、アクリ
ロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒド
リンゴム等のイオン導電性ゴムを用いる方法がある。
【0003】上記導電性充填剤を配合した電子導電性ゴ
ムを用いた導電性ローラまたは導電性ベルトにおいて
は、その電気抵抗値が印加電圧に依存し、一定の電気抵
抗値を備えていない問題がある。特に、導電性充填剤と
してカーボンブラックを使用した場合、カーボンブラッ
クの添加量とゴムの体積固有抵抗との間に安定した相関
関係が見られず、かつ、カーボンブラックの添加量のわ
ずかな変化により電気抵抗値が急激に変化する領域があ
るため、電気抵抗値の制御が非常に困難になる。なお、
導電性ゴム材料の体積固有抵抗とローラに成形後のロー
ラ電気抵抗値とは後述するように定式で換算され、ロー
ラの形状により変化する。
【0004】また、ゴム中で導電性充填剤が均一に分散
し難いことから、ローラやベルトの周方向や幅方向で電
気抵抗値がばらつきを持つという問題もある。さらに、
電気抵抗値の大きなばらつきが低減されたとしても、μ
mオーダーの微少な範囲での電気抵抗値のばらつきは依
然として存在する。このことから、デジタル化、カラー
化等、高画質化の技術のめざましい最近においては、電
子導電性ゴムでなく、イオン導電性ゴムの方が特に好ん
で用いられる傾向にある。
【0005】一方、上記イオン導電性ゴムの導電剤とし
ては、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル構造を
含む導電性オリゴマーや導電性可塑剤(いずれもMnが
10000以下)がある。しかし、上記導電剤を用いた
イオン導電性ゴムでは、感光体を汚染しやすい問題があ
る。
【0006】上記以外に、アクリロニトリルブタジエン
ゴム(NBR)やウレタンゴムを用いる方法もあるが、
体積固有抵抗値は109.6Ωcm(ローラの電気抵抗
値は108.2Ω)以上の抵抗値しか得られず、転写ベ
ルトや転写ローラでもカラー用のもの等、比較的低い電
気抵抗値が要求されるものには対応できない。また、N
BRについては耐オゾン性能も良くない。
【0007】従って、上記した用途や、一部の帯電ロー
ラ、現像ローラ、トナー供給ローラ等にはエピクロルヒ
ドリンゴムを単独または他の材料とブレンドして用いる
ことが一般的であり、種々の提案がなされている。
【0008】特開2000−63656号では、エピク
ロルヒドリン40〜10モル%、エチレンオキサイド6
0〜90モル%、アリルグリシジルエーテル0〜10モ
ル%のエーテル系共重合体を含む半導電性材料であっ
て、その体積固有抵抗値が低い半導電性材料が提案され
ている。また、特許第2647117号では、プロピレ
ンオキサイド単独又はプロピレンオキサイド及びエチレ
ンオキサイド30〜98モル%、及びエピクロルヒドリ
ン0〜60モル%、及び不飽和エポキシド0〜15モル
%を配合したゴムを用いた、低温における優れたゴム弾
性保持を目的とする現像ローラが提案されており、不飽
和エポキシドの一例としてアリルグリシジルエーテルが
使用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】エピクロルヒドリンゴ
ムを単独で使用した場合には、体積固有抵抗値で10
.1Ωcm(ローラの電気抵抗値で106.8Ω)程度
のある程度低い抵抗を得ることができるが、その一方で
は、圧縮永久ひずみが大きくなると共に、加硫時間が長
くなるため実用には適さないという問題がある。
【0010】前記公報に開示されたエピクロルヒドリン
ゴムあるいは現在通常に市販されているエピクロルヒド
リンゴムに、エチレンオキサイド/アリルグリシジルエ
ーテル/プロピレンオキサイド共重合体を配合すると、
電気抵抗値を低く抑えることが出来ると共にブリードが
発生しにくく、よって感光体を汚染しないゴムローラを
作製することができる。即ち、エチレンオキサイドの含
有により多くのイオンを安定化して低抵抗を実現し、プ
ロピレンオキサイドの共重合により結晶化を抑え、アリ
ルグリシジルエーテルの共重合によりブリードや感光体
汚染をおこしにくくしている。しかしながら、上記配合
では、一般に用いられる汎用のジエン系ゴムに比べる
と、圧縮永久ひずみや硬度等の物性面及び加工性の面に
おいて、ローラとしての性能が良くないため実用に適さ
ないという問題がある。特に、上記エチレンオキサイド
/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル共
重合体の配合比率が適正でない場合には、圧縮永久ひず
みが大きくなり、ローラ等とした時の寸法変化が大きく
なる問題があることを、本発明者は実験により見いだし
た。
【0011】前記特開2000−63656号に開示の
半導電性材料は、イオンを安定化させるエチレンオキサ
イド含量の高いエピクロルヒドリンゴムを用いているた
め体積固有抵抗値を低くすることができるが、ローラと
しての硬度が上昇しすぎる等の物性面及び加工性の面に
おいて欠点があり、表面に光沢がなく、しわが発生する
等、押し出し状態に問題がある。また、それを単独で用
いた場合、圧縮永久ひずみが大きくなり、ローラ等とし
た時の寸法変化が大きくなるという欠点もあり、さら
に、他のポリマーをブレンドする場合、その種類と配合
量(比率)を適正にしないと電気抵抗値が上昇し実用に
適さないという問題がある。同様に、上記特許第264
7117号に開示の現像ローラにおいても、硬度等の物
性面及び加工性の面において欠点があると共に、エチレ
ンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジ
ルエーテル共重合体の配合比率が適正な範囲に特定され
ていないため、圧縮永久ひずみや硬度が大きくなり、上
記同様に実用に適さないという問題がある。
【0012】また、エピクロルヒドリンゴムの配合量が
多くなると、加硫時間が長くなると共に、エピクロルヒ
ドリンゴムはアクリロニトリルブタジエンゴム(NB
R)やクロロプレンゴム(CR)等の汎用ゴムに比べて
非常に高価であるため、必要以上に配合するとローラや
ベルトとした際に非常にコストが高くなり、実用に適さ
ないという問題がある。
【0013】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、導電性ゴム組成物に配合する材質及び配合比率
を適正に設定し、低い体積固有抵抗値を維持しながら、
圧縮永久ひずみの低減、加工性の改善、加硫時間の短縮
を図り、かつ、オゾン劣化もなく、ローラとしての硬度
も適切なものとし、特にカラー用の導電性ゴムローラま
たは導電性ゴムベルトとして有効に用いられる導電性ゴ
ム組成物を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、エチレンオキサイド/プロピレンオキサ
イド/アリルグリシジルエーテルの共重合比率が50〜
95モル%/1〜49モル%/1〜10モル%であり、
数平均分子量Mnが10000以上であるエチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエー
テル三元共重合体(A)と、アクリロニトリルブタジエ
ンゴム(B)と、エピクロルヒドリンゴム(C)とを、
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリ
ルグリシジルエーテル三元共重合体(A)、アクリロニ
トリルブタジエンゴム(B)、エピクロルヒドリンゴム
(C)の各重量をそれぞれa、b、cとすると、 0.01≦b/(a+b+c)≦0.75 0.01≦a/c≦2.00 の関係が成立するように混合したことを特徴とする導電
性ゴム組成物を提供している。
【0015】上記のように、本発明の導電性ゴム組成物
では、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−ア
リルグリシジルエーテル三元共重合体の相互の共重合比
率を特定し、この三元共重合体とエピクロルヒドリンゴ
ムを特定割合で混合している。これにより、従来のイオ
ン導電性ゴムでは実現できなかった実用性のある低抵抗
で、圧縮永久ひずみが小さく、かつ、ローラあるいはベ
ルトとした時に寸法安定性の良いものを得ることができ
る。かつ、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)
を特定割合で混合しており、これにより、耐オゾン性能
を損なわない範囲で、圧縮永久ひずみの改善、低硬度
化、加工性の改善、加硫時間の短縮を実現することがで
き、ローラあるいはベルトとした時に、表面に光沢が有
り、しわの無い、押し出し状態が極めて良好なものを得
ることができる。
【0016】従って、体積固有抵抗が低い導電性ゴムロ
ーラ及び導電性ゴムベルトを良好な物性(圧縮永久ひず
み、硬度、加硫時間等)及び加工性で供給することがで
き、実用に適したものとすることができる。また、上記
のように混合することで、従来エピクロルヒドリンゴム
単独、あるいはエピクロルヒドリンゴムとNBRの混合
によって実現可能であった体積固有抵抗値の範囲におい
て、高価なエピクロルヒドリンゴムの配合量を減少で
き、コストの低減を実現することができる。
【0017】上記エチレンオキサイド−プロピレンオキ
サイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体
(A)、アクリロニトリルブタジエンゴム(B)、エピ
クロルヒドリンゴム(C)の各重量をそれぞれa、b、
cとすると、0.01≦b/(a+b+c)≦0.75
の関係が成立するように混合している。上記範囲でアク
リロニトリルブタジエンゴム(NBR)を混合すると、
NBRが物性に非常に優れている(圧縮永久ひずみが低
く、かつ下記特定の加硫系で加硫時間が短い)点と三者
のポリマー成分がうまく共架橋する点(下記特定の加硫
系で特に良好)と特に、液状NBRを含有したNBRは
低硬度化が可能である点とから、組成物の物性(圧縮永
久ひずみ、硬度、加硫時間)に優れる。また、NBR
(特に液状NBRを含有したもの)をブレンドするとポ
リマー鎖が動きやすいため、加工性にも優れ、かつイオ
ンの輸送効率も高くなるので体積固有抵抗も低くなる。
また、上記b/(a+b+c)の値が0.01より小さ
いと加工性や組成物の物性が改善に至らないという問題
があり、上記b/(a+b+c)の値が0.75より大
きいとオゾン劣化を起こすと共に、NBR自身の体積固
有抵抗が高いために、逆に体積固有抵抗が上がってしま
うという問題がある。なお、上記特定の加硫系とは、硫
黄/ジベンゾチアジルジスルフィド/テトラメチルチウ
ラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5、あるい
は硫黄/2−メルカプトベンゾチアゾール/テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5の
割合で配合されたものである。
【0018】上記アクリロニトリルブタジエンゴム(N
BR)としては、物性が良好で、かつ、上記エピクロル
ヒドリンゴムや上記エチレンオキサイド−プロピレンオ
キサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体と相
溶性の高いジエン系ゴムが好適である。このようなゴム
の例としては、中ニトリル、中高ニトリル、高ニトリ
ル、極高ニトリルの各種NBRが挙げられる。
【0019】上記エチレンオキサイド(以下EOとも称
す)/プロピレンオキサイド(以下POとも称す)/ア
リルグリシジルエーテル(以下AGEとも称す)の共重
合比率が50〜95モル%/1〜49モル%/1〜10
モル%とされるのは、以下の理由による。
【0020】導電性ゴム組成物中、導電性が発揮される
のは、ポリマー中のオキソニウムイオンや金属陽イオン
(例えばポリマー老化防止剤中に含まれるニッケルイオ
ン等)が、エチレンオキサイドユニットで安定化され、
その部分の分子鎖のセグメント運動により運搬されるこ
とによる。よって、エチレンオキサイドユニットの比率
が高い方が多くのイオンを安定化でき、低抵抗化が発揮
できると考えられる。しかし、エチレンオキサイドの比
率を上げすぎると、エチレンオキサイドの結晶化が起こ
り分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に体積
固有抵抗が上昇する。このエチレンオキサイドによる結
晶化を抑制するために、プロピレンオキサイドを共重合
している。
【0021】本発明の導電性ゴム組成物は、その体積固
有抵抗値を107.2Ωcm〜10 8.9Ωcmの範囲
とすることが好ましい。これは、体積固有抵抗値が10
7. Ωcmより小さく、かつ各物性値にも優れた導電
性ゴム組成物をイオン導電性ゴムで実現することが困難
であり、カーボン導電等電子導電性樹脂に頼るしかない
ためであり、108.9Ωcmより大きいと、ローラや
ベルトとした際に、転写や帯電、トナー供給等の効率が
低下し実用に適さなくなるという問題があるためであ
る。なお、体積固有抵抗値の測定条件は、23℃相対湿
度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧500Vとしてい
る。
【0022】上記した組成物の物性(圧縮永久ひずみ、
硬度、加硫時間)及び加工性を維持しながら、かつ上記
体積固有抵抗値となるように、上記エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル
の三元共重合体の相互の共重合比率を設定し、かつ、こ
の三元重合体とエピクロルヒドリンゴムとの重量割合及
びアクリロニトリルブタジエンゴムの重量割合を規定し
ている。エチレンオキサイドが50モル%未満でプロピ
レンオキサイドが49モル%を越えると、イオンの安定
化が不十分となり、体積固有抵抗値を低減させる効果が
小さくなる。一方、エチレンオキサイドが95モル%を
越えると共にプロピレンオキサイドが1モル%未満であ
ると体積固有抵抗が上昇しすぎる問題がある。また、物
性的にも結晶化により硬度が上昇しすぎてローラやベル
トとして用いた場合に実用に適さなくなる問題がある。
【0023】上記アリルグリシジルエーテルを共重合す
ることによって架橋を可能とし、これによってブリード
や感光体汚染を起こしにくくすると共に、ゴム弾性を持
たせて物性を向上させている。また、このアリルグリシ
ジルエーテルユニット自体が側鎖として自由体積を得る
ことから、さらに上記結晶化を抑制することができ、よ
って従来にない低抵抗化が実現できることを見出したこ
とに基づくものである。アリルグリシジルエーテルの共
重合比率を1〜10モル%としているのは、1モル%未
満ではブリードや感光体汚染の発生が起こり易くなる一
方、10モル%を越えると、それ以上の結晶化の抑制効
果は得られず、加硫後の架橋点の数が多くなり、却って
低抵抗化が実現できず、また、引っ張り強さや疲労特
性、耐屈曲性等が悪化してしまう。
【0024】このように、アリルグリシジルエーテルを
共重合することにより、エチレンオキサイドの結晶化を
抑えて体積固有抵抗を下げる一方で、アリルグリシジル
エーテルの共重合により炭素−炭素間の二重結合を導入
して、他のゴムとの架橋を可能としている。他のゴムと
共架橋することにより、ブリードや感光体汚染を防止す
ることができる。また、さらには他のゴムとの共架橋に
より、分子量も大きくすることができるため、上記エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシ
ジルエーテル三元共重合体は、かなりの分量を配合して
もブリードや感光体汚染が起こりにくくなる。
【0025】上記エチレンオキサイド−プロピレンオキ
サイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の数平
均分子量Mnが10000以上としているのは、ブリー
ドや感光体汚染を防止するためである。
【0026】上記エチレンオキサイド−プロピレンオキ
サイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体
(A)、エピクロルヒドリンゴム(C)の各重量をそれ
ぞれa、cとすると、0.01≦a/c≦2.00の関
係が成立するように混合している。これは、上記a/c
の値が0.01より小さいと、低抵抗化が実現されない
ためであり、一方、上記a/cの値が2.00より大き
いと、圧縮永久ひずみが大きくなったり、あるいは加工
性が悪化すると共に体積固有抵抗が下がらないためであ
る。具体的には、上記a/cの値が0.01から0.5
0程度までは、三元共重合体の増加に伴って体積固有抵
抗は一様に低くなっていくが、1.00から2.00の
間でほぼ一定となる。a/cの値が2.00を越えると
逆に、体積固有抵抗が上がりだし、上記したような問題
が生じる。
【0027】上記アクリロニトリルブタジエンゴム
(B)は、液状アクリロニトリルブタジエンゴムを含有
していることが好ましい。液状アクリロニトリルブタジ
エンゴムを含有したアクリロニトリルブタジエンゴムの
中でも、特にアクリロニトリル含量がある程度高いもの
は、上記三元共重合体(A)やエピクロルヒドリンゴム
(C)との相溶性が良好で、混練後、あるいは押し出し
時のゴム肌を良好にする効果が非常に高く、また、加硫
物の硬度を下げる効果も大きいので、非常に好適であ
る。更に、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)
としては、高分子量NBRと液状NBRの混合物が、感
光体汚染を防ぎ、かつゴム組成物の物性を良好に保つこ
とができるので、特に好適に用いられる。具体的には、
日本ゼオン社製ニッポールDN223が挙げられる。
【0028】また、本発明では、EO−PO−AGE三
元共重合体のブレンド比率を適正化しており、かつ硫黄
架橋で促進剤の種類も適正化しているので、圧縮永久ひ
ずみが小さい。後述するJIS K6262に記載の方
法によるソリッド試験片の場合の圧縮永久ひずみの値が
30%未満であることが好ましい。これは、上記圧縮永
久ひずみの値が30%以上の場合には、ローラになった
時の寸法変化が大きくなりすぎて実用に適さないためで
ある。特に、発泡体として用いる場合、発泡倍率や発泡
形態によって幾分の差は生じるが、このソリッド状態で
の圧縮永久ひずみの値が30%以下であることが好まし
い。
【0029】本発明の導電性ゴム組成物は、その最適加
硫時間を1分以上40分以下の範囲とすることが好まし
い。これは、最適加硫時間が1分より小さいと、混練や
押し出し等の工程でゴム焼けという問題があり、最適加
硫時間が40分より大きいと、生産性が低下するという
問題があるためである。
【0030】本発明の導電性ゴム組成物は、カラー用プ
リンターのソリッドの転写ローラ用とした場合、その硬
度(アスカーC硬度)を50以上75未満の範囲とする
ことが好ましい。これは、硬度が50より小さいと、表
面の粘着性(タック)の問題や感光体汚染が生じやすい
可能性があるためであり、硬度が75以上であると、硬
すぎるためプリンターにセットした場合、感光体や中間
転写ベルト等他の部材に物理的ダメージを与える可能性
があるためである。また、発泡化により低硬度化する場
合でも、ソリッドの状態での硬度があまりに高すぎる
と、他の物性を損なうことなく発泡時での実用上適正な
硬度(30〜50)まで低硬度化するのは非常に困難と
なる。なお、外径φ15mm、芯金径φ6mmのソリッ
ド転写ローラの硬度は、後述する加硫ゴムブロック試験
片による硬度と一致する。
【0031】上記エピクロルヒドリンゴムは、エピクロ
ルヒドリン単独重合体でも良く、または、エピクロルヒ
ドリン(以下EPとも称す)とエチレンオキサイド(E
O)あるいは/及びアリルグリシジルエーテル(AG
E)との二元又は三元共重合体でもよい。上記数平均分
子量Mnが10000以上であるEO−PO−AGE三
元共重合体中以外に、エピクロルヒドリンゴム中にもE
Oあるいは/及びAGEを共重合させ、両者を混合する
ことにより、より低い電気抵抗値を実現できるという利
点がある。特に、エピクロルヒドリンゴム中にエチレン
オキサイドを含む方が、体積固有抵抗がより低くなるの
で好ましい。また、エピクロルヒドリンゴム中にアリル
グリシジルエーテルを含む方が、硫黄で架橋できるので
体積固有抵抗が上昇せず、また、感光体汚染を防止でき
るのでより好ましい。上記エピクロルヒドリンゴム中の
EP:EO:AGEの好ましい含有比率は、10〜65
モル%:30〜90モル%:0.5〜10モル%であ
り、さらに好ましい比率は、EP:EO:AGE=15
〜45モル%:50〜75モル%:3〜7モル%であ
る。
【0032】促進剤の種類としては、ジベンゾチアジル
ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドを
組み合わせ、さらに、硫黄とジベンゾチアジルジスルフ
ィドの配合量を増量(通常使用量(1重量部)の2〜5
倍程度)していることが好ましい。なお、ジベンゾチア
ジルジスルフィドのかわりに2−メルカプトベンゾチア
ゾール等を用いてもよい。
【0033】本発明の導電性ゴム組成物は、上記三元共
重合体、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブ
タジエンゴム、加硫剤及び必要に応じて配合する各種配
合剤(加硫促進剤、充填剤、受酸剤、老化防止剤等)を
溶融混練し、加硫することにより導電性ゴムを製造して
いる。溶融混練は通常の方法によって行うことができ
る。例えば、オープンロール、密閉式混練機等の公知の
ゴム混練装置を用いて40℃〜130℃で2〜10分程
度、混練りしている。
【0034】加硫系としては、低抵抗化及び低汚染性が
実現されるので、硫黄加硫が好ましい。また、さらにハ
イドロタルサイトを用いると低汚染性の点からより好ま
しい。加硫も通常の方法によって行うことができ、たと
えば水蒸気加圧下の加硫缶中で加硫しても良く、必要に
応じて二次加硫を行っても良い。
【0035】上記導電性ゴム組成物より、導電性ゴムロ
ーラおよび導電性ゴムベルトを成形している。本発明の
導電性ゴム組成物は低い体積固有抵抗を有し、かつ圧縮
永久ひずみが小さく、その他物性(硬度、加硫時間等)
及び加工性の点で優れているので、これを用いた導電性
ゴムローラにおいては、電気抵抗値が低くローラとして
の実用性に適し、カラー用の転写ローラや帯電ローラ、
トナー供給ローラや現像ローラ等、低い電気抵抗値が要
求される場合に、特に好適に用いられる。
【0036】上記導電性ゴムローラは、常法により作成
でき、例えば、上記導電性ゴム組成物(混練物)を単軸
押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を1
60℃、10〜60分加硫したのち、芯金を挿入し表面
を研磨した後、所要寸法にカットしてローラとする等の
従来公知の種々の方法を用いることができる。加硫時間
は、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)に
より最適加硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温
度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。
【0037】また、上記導電性ゴムベルトは、上記導電
性ゴム組成物(混練物)を、押出成形機によりベルト状
に押し出して成形した後、160℃、10〜60分加硫
を行って、ベルト本体を作成する等の従来公知の種々の
方法を用いることができる。加硫温度は必要に応じて上
記温度に上下して定めてもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。 本発明の導電性ゴム組成物は、エチレンオキサイ
ド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル
の共重合比率が50〜95モル%/1〜49モル%/1
〜10モル%であり、数平均分子量Mnが10000以
上であるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−
アリルグリシジルエーテル三元共重合体(A)と、アク
リロニトリルブタジエンゴム(B)と、エピクロルヒド
リンゴム(C)とを、上記エチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合
体(A)、アクリロニトリルブタジエンゴム(B)、エ
ピクロルヒドリンゴム(C)の各重量をそれぞれa、
b、cとすると、 0.01≦b/(a+b+c)≦0.75 0.01≦a/c≦2.00 の関係が成立するように混合している。
【0039】上記アクリロニトリルブタジエンゴム
(B)は、液状アクリロニトリルブタジエンゴムを含有
しており、アクリロニトリル含量が高いもの(アクリロ
ニトリル含量31.5%)を用いている。
【0040】上記ゴム組成物に加え、加硫剤及び必要に
応じて各種配合剤を配合した後、密閉式混練機等の公知
のゴム混練装置を用いて溶融混練している。これによ
り、導電性ゴムローラ等に用いられる導電性ゴム組成物
の体積固有抵抗値を低く維持しながら、圧縮永久ひずみ
の低減、加工性の改善、加硫時間の短縮を図り、かつ、
オゾン劣化もなく、ローラとしての硬度も適切なものと
することができる。
【0041】上記加硫を行った混練物を単軸押出機でチ
ューブ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、1
0〜60分加硫したのち、芯金を挿入し表面を研磨した
後、所要寸法にカットして、転写用ローラとしている。
図1に示すように、上記転写用の導電性ゴムローラ1
は、略円筒形状であり、その内周には軸芯2が挿入され
ている。
【0042】なお、本実施形態においては、転写用ロー
ラとして上記導電性ゴム組成物より導電性ゴムローラを
作成したが、該導電性ゴム組成物は、帯電ローラ、現像
ローラ、トナー供給ローラ等の導電性ゴムローラとして
用いられることはいうまでもない。また、導電性ゴム組
成物に種々の発泡剤を配合して発泡ロール等として用い
てもよい。
【0043】また、図2に示すように、導電性ゴム組成
物より転写ベルト等の導電性ゴムベルト3を作成してい
る。導電性ゴムベルト3は、2個以上のプーリー4によ
って張架状態とされ、回転移動する導電性ゴムベルト3
の上側の直線状部分5に紙等のシート材6を担持して搬
送するものであり、また場合によってはトナー等を感光
体から紙へ転写するものである。
【0044】(実施例)実施例1〜3および比較例1〜
6について、下記の表1及び表2に記載の配合からなる
材料(配合薬品)を混練り及び加硫させて、導電性ゴム
組成物を得た。また、本実施例及び比較例の導電性ゴム
組成物からソリッドの転写用ゴムローラを作成した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】各表中の上段(加硫促進剤まで)の数値は
重量部である。また、略語EOはエチレンオキサイド、
POはプロピレンオキサイド、AGEはアリルグリシジ
ルエーテルを表す。また、各表中、アクリロニトリルブ
タジエンゴムとは、通常の高分子量アクリロニトリルブ
タジエンゴム100重量部に、液状アクリロニトリルブ
タジエンゴムを50重量部の割合で含有させたもの(ニ
ッポールDN223、アクリロニトリル含量31.5
%)を用いた。加硫促進剤1はジベンゾチアジルジスル
フィド、加硫促進剤2はテトラメチルチウラムモノスル
フィドとした。
【0048】(実施例1〜実施例3)EO−PO−AG
E三元共重合体(Mn8万)、エピクロルヒドリンゴム
(Mn14万)、アクリロニトリルブタジエンゴムを、
表1に示すように、上記規定の配合比にて混合し、導電
性ゴム組成物を得た。
【0049】(比較例1〜比較例6)表2に示すよう
に、EO−PO−AGE三元共重合体(Mn8万)の
み、エピクロルヒドリンゴム(Mn14万)のみ、アク
リロニトリルブタジエンゴムのみからなる導電性ゴム組
成物、及びアクリロニトリルブタジエンゴムの配合比が
規定範囲外にある導電性ゴム組成物を得た。
【0050】上記表1、表2に示す材料を、それぞれ密
閉式混練機(DS10−40MWA−S、(株)森山製
作所製)により各配合量で混練した。上記混練機からリ
ボン取りしたゴムをローラヘッド押出機により押し出し
てシート状に成形し、それを金型に仕込んで、160℃
で最適時間プレス加硫し、物性評価用の加硫ゴムスラブ
シートを作成した。
【0051】上記のように作成した各実施例及び各比較
例の導電性ゴム組成物について、下記の特性測定を行っ
た。その結果を上記表1及び表2の下段に示す。
【0052】(体積固有抵抗値の測定)上記の様に作成
した加硫ゴムスラブシート(130mm×130mm×
2mm)を作成し、アドバンストコーポレーション社製
のデジタル超高抵抗微小電流計R-8340Aを用いて、23
℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧500V
として、JIS K6911に記載の体積抵抗率(体積
固有抵抗値)ρV(Ωcm)を測定した。
【0053】なお、単層の均一なソリッドローラの場合
には、ローラ電気抵抗R(Ω)は、次式の様に表すこと
ができる。 R(Ω) = (ρV/2πν)log10(r1/r
2) 上記式中、ρVは体積固有抵抗(Ω・cm)であり、ν
はロールゴム幅(cm)であり、r1はロール外径(m
m)、r2はシャフト外径(mm)である。ここで、実
施例及び比較例において作成したローラの寸法は、r1
=15、r2=6、ν=21.8であるから、これらの
値を代入すると、理論上、次式の様になる。 log10 R(Ω) = −2.5 + log10
ρV よって、体積固有抵抗値(Ωcm)が107.2〜10
8.9(Ωcm)であれば、上記寸法のソリッドの転写
ローラでは、そのローラ電気抵抗値R(Ω)が10
4.7〜106.4(Ω)となる。但し、実測値では、
上式中の数値2.5は1.3〜2.0となり、ローラ電
気抵抗値R(Ω)は105.2〜107.6(Ω)とな
る。なお、表1、表2には、体積固有抵抗の常用対数値
で示している。
【0054】(加工性の評価)混練後、押し出した際の
ゴムシートの肌を観察し、以下の基準で評価し比較し
た。 ◎:光沢が有り、しわが無い。押し出し状態が極めて良
好。 ○:光沢は無いが、しわも無い。押し出し状態が良好。 △:細くて浅いしわが有るが、ローラ化した場合に研磨
することにより実用上支障はない。押し出し状態可。 ×:しわが多くて深く、研磨してもローラとしての実用
に適さない。押し出し状態不可。
【0055】(加硫時間の評価)実施例、比較例の未加
硫ゴム組成物を最適量サンプリングした後、日合商事株
式会社製キュラストメータV型VDRで、加硫曲線を測
定した。JIS規格の「振動式加硫試験機による加硫試
験」の「ダイ加硫試験A」に従い、ゴム試験片に破壊し
ない程度の定振幅の正弦波振動を与え、試験片から上ダ
イスに伝わるトルクを未加硫から過加硫に至るまで測定
し、最適加硫時間の指標となるtc(100)(最大ト
ルク点)[分]を計算し、各々比較した。
【0056】(圧縮永久ひずみの測定)JISK626
2「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測
定温度70℃、測定時間24時間で測定した。
【0057】(オゾン劣化試験)JIS K6259に
記載の「加硫ゴムのオゾン劣化試験方法」の規定に従
い、40℃の温度条件下で試験し、劣化状況を評価し
た。ただし、導電性ローラへの実用を考慮し、伸張率は
5%、オゾン濃度は2ppm、観察時間は50、10
0、200、300時間後とした。評価はゴムスラブシ
ートで行った。 :300時間後でもクラック無し。 :50〜300時間でクラック発生。 ×:50〜300時間で切断。
【0058】(硬度の測定)80mm×45mm×10
mmの加硫ゴムブロックを上記の様にプレス加硫で作製
し、それについて高分子計器(株)製のゴム硬度計「S
RIS0101型」を用いて1000gの荷重をかけた
もとでの硬度を測定した(アスカーC硬度)。
【0059】表1から分かるように、実施例1、実施例
2、実施例3はエチレンオキサイド/プロピレンオキサ
イド/アリルグリシジルエーテルの共重合比率が90モ
ル%/6モル%/4モル%であり、数平均分子量Mnが
8万であるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド
−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(EO−PO
−AGE共重合体)をエピクロルヒドリンゴムに対して
重量比1.00で混合し、かつ、アクリロニトリルブタ
ジエンゴムを上記b/(a+b+c)の値が0.20、
0.05、0.75で混合した導電性ゴム組成物とし
た。上記b/(a+b+c)の値を0.20とした実施
例1の導電性ゴム組成物は、体積固有抵抗値が10
7.4Ωcmと低い上に、加工性、耐オゾン性にも優
れ、最適加硫時間、圧縮永久ひずみ、硬度も実用上適正
な値であり、ゴムローラとして優れた特性を有している
ことが確認できた。
【0060】上記b/(a+b+c)の値を0.05と
した実施例2の導電性ゴム組成物は、体積固有抵抗値が
107.2Ωcmが非常に低く、最適加硫時間、圧縮永
久ひずみ、硬度も実用上適正な値である。加工性評価は
△であるものの、しわも目立つものではなく実用上支障
はないゴムローラとして優れた特性を有していることが
確認できた。
【0061】上記b/(a+b+c)の値を0.75と
した実施例3の導電性ゴム組成物は、体積固有抵抗値が
108.9Ωcmとそれほど高くなく、加工性に非常に
優れ、耐オゾン性評価は△であるものの、最適加硫時
間、圧縮永久ひずみ、硬度は実用上適正な値であり、ゴ
ムローラとして優れた特性を有していることが確認でき
た。
【0062】一方、表2に示すように、比較例1はEO
−PO−AGE共重合体を使用せず、エピクロルヒドリ
ンゴムのみを用い、アクリロニトリルブタジエンゴムは
用いていない組成物であり、体積固有抵抗値は10
8.2Ωcmとそれほど高くなく、加工性、耐オゾン性
もよいが、加硫曲線の測定において、トルクピークがな
く最適加硫時間が60分以上と非常に長い上に、圧縮永
久ひずみが高いために実用に適さなかった。比較例2は
EO−PO−AGE共重合体は用いているが、アクリロ
ニトリルブタジエンゴムを用いていない導電性ゴム組成
物であり、加工性、加硫時間の各評価結果がやや悪い上
に、硬度、圧縮永久ひずみが高いために実用に適さなか
った。
【0063】比較例3はアクリロニトリルブタジエンゴ
ムの配合比率を規定範囲より大きくし、比較例4はアク
リロニトリルブタジエンゴムのみを用いており、加工
性、加硫時間、圧縮永久ひずみ、硬度の各評価結果は優
れているが、体積抵抗値が非常に高い上に、オゾン劣化
評価が非常に悪かった。
【0064】比較例5はEO−PO−AGE共重合体と
アクリロニトリルブタジエンゴムを配合し、エピクロル
ヒドリンゴムは用いていない組成物であり、加工性が非
常に悪く、硬度も高いため実用には適さなかった。比較
例6はEO−PO−AGE共重合体のみを用いており、
加工性が非常に悪く、硬度も高い上に、圧縮永久ひずみ
も高いため実用には適さなかった。
【0065】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、数平均分子量Mnが10000以上であり、
特定の共重合比率からなるエチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合
体を、特定の配合割合にてエピクロルヒドリンゴム及び
アクリロニトリルブタジエンゴムと混合しているため、
体積固有抵抗値が低く、圧縮永久ひずみが小さい上に、
加工性が改善され、かつ、オゾン劣化もなく、ローラと
しての硬度も適切な導電性ゴム組成物を得ることができ
る。
【0066】このように、上記導電性ゴム組成物は、体
積固有抵抗値が低く、ローラあるいはベルトとした時に
寸法安定性も良く、かつ押し出した時に表面に光沢が有
り、しわも無く、極めて良好であるため、実用性に優れ
たものとすることができる。また、加硫時間の短縮や高
価なエピクロルヒドリンゴムの配合量の減少も可能とな
り、コストの低減を実現することができる。
【0067】従って、従来の導電性ゴム組成物では実現
できなかった実用性のある低抵抗の導電性ゴム組成物と
して種々の用途に用いることができる。具体的には、転
写ベルトや転写ローラでもカラー用のもの等、比較的低
抵抗を要求されるようなプロセスでも、導電性ゴムロー
ラ及び導電性ゴムベルトとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性ローラの概略図である。
【図2】 本発明の導電性ベルトの概略図である。
【符号の説明】
1 導電性ゴムローラ 2 軸芯 3 導電性ゴムベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/12 H01B 1/12 Z Fターム(参考) 3J103 AA02 AA13 BA41 FA02 FA15 FA30 GA02 GA52 GA57 GA58 GA74 HA03 HA12 HA20 HA41 HA53 4J002 AC07X CD191 CH021 CH04Y GM01 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンオキサイド/プロピレンオキサ
    イド/アリルグリシジルエーテルの共重合比率が50〜
    95モル%/1〜49モル%/1〜10モル%であり、
    数平均分子量Mnが10000以上であるエチレンオキ
    サイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエー
    テル三元共重合体(A)と、 アクリロニトリルブタジエンゴム(B)と、 エピクロルヒドリンゴム(C)とを、 上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリ
    ルグリシジルエーテル三元共重合体(A)、アクリロニ
    トリルブタジエンゴム(B)、エピクロルヒドリンゴム
    (C)の各重量をそれぞれa、b、cとすると、 0.01≦b/(a+b+c)≦0.75 0.01≦a/c≦2.00 の関係が成立するように混合したことを特徴とする導電
    性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記アクリロニトリルブタジエンゴム
    (B)は、液状アクリロニトリルブタジエンゴムを含有
    している請求項1に記載の導電性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の導電性
    ゴム組成物を用いることを特徴とする導電性ゴムロー
    ラ。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の導電性
    ゴム組成物を用いることを特徴とする導電性ゴムベル
    ト。
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