JP3679365B2 - 導電性ローラまたは導電性ベルト、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ローラまたは導電性ベルト、およびその製造方法に関し、詳しくは、コピ−機、プリンター等の現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、転写ベルト等の導電性ローラや、導電性ベルト等に有効に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
コピ−機、プリンター等に用いる帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ、転写ベルト等をゴム等のポリマー組成物により作製するにあたり、生産性やローラ等に要求される各種物性の点より、有機過酸化物配合系、チオウレア類を用いた系、あるいは硫黄系等の種々の架橋(加硫)系が提案されている。例えば、加硫速度が速く、良好な物性を得やすいという点では、硫黄加硫系が使用されている。
【0003】
具体的には、特開2000―212330号では、ニトリルゴムとエピクロルヒドリン系ゴムのブレンドゴムに加硫剤として、硫黄系加硫剤、トリアジン系化合物及び2,3−ジメルカプトキノキサリン化合物よりなる群から選ばれる2種以上が配合された加硫性ゴム組成物が開示されている。
【0004】
また、特許第3121163号では、エピクロルヒドリンゴムに特定の老化防止剤及び2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)を含有する抵抗調整層を有する導電性ローラが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000―212330号に記載の加硫性ゴム組成物では、塩素を分子内に持たないニトリルゴム(NBR)とエパハロヒドリンゴムを20/80〜80/20の重量比でブレンドしているため、硫黄及び硫黄加硫用促進剤でしか架橋されないNBRの架橋密度が下がり、感光体が汚染されるという問題がある。これは、エパハロヒドリンゴムの方にも硫黄及び硫黄加硫用促進剤が分配され、そこで消費されてしまうためである。また、これを防ぐために硫黄及び硫黄加硫用促進剤を増量するとブルームを生じる恐れがある。さらに、感光体汚染を生じないように必要以上に架橋密度が上がると、電気抵抗値が高くなる傾向が生じるという問題もある。さらに、硫黄加硫系単独では、充填剤が少ない場合に缶加硫を試みると、熱による変形のために、加硫前に受け型にセットすることが必要となる場合があり、セットの手間や設備費のためにコストが上昇し生産性が悪くなる問題がある。
【0006】
また、特許第3121163号で記載された硫黄を配合せず、チオウレア類のみを用いた架橋系では、架橋反応が遅いため、生産性が悪くなるという問題がある。また、チオウレア類の架橋系のみで、生産性を上げようとチオウレア類あるいは促進剤を大幅に増量するとブルーム或は感光体汚染の問題が生じ易くなってしまい、場合によっては、混練機内や押し出し機内でゴムやけが起こってしまう可能性もある。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、感光体汚染を抑制しながら架橋速度を速くすることができると共に、圧縮永久歪みの低減を実現でき、各種物性値に優れると共に、生産性に優れた導電性ローラや導電性ベルトを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を主成分とし、あるいは、前記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体及びクロロプレンゴムを主成分とし、硫黄及びチオウレア類と共に、酸化亜鉛及び加硫促進剤を含み、
上記チオウレア類は、全ポリマー成分100gに対して0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合され、
上記硫黄は、全ポリマー成分100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合され、
上記酸化亜鉛は、全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合されていることを特徴とする導電性ローラまたは導電性ベルトを提供している。
【0009】
上記のように、本発明の導電性ローラまたは導電性ベルトを形成するポリマー組成物は、炭素−炭素間の二重結合(C=C)及びハロゲンを有するポリマー、即ち、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、あるいは、該エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体とクロロプレンゴムを主成分として含むと共に、硫黄とチオウレア類を含んでいるので、硫黄及びチオウレア類が、1つのポリマーに別々の反応機構で互いに妨げ合うことなく独立に働き得る。このため、チオウレア類の架橋系により低圧縮永久歪みを実現できる上に、硫黄架橋系により架橋速度を速くすることができ、生産性を向上することができる。また、硫黄及びチオウレア類を併用することで、感光体汚染やブルームを抑制しながら、圧縮永久歪みの低減と架橋速度の向上とを効率良く両立することができる。
【0010】
また、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーを主成分としているため、硫黄及びチオウレア類と共に用いると、チオウレア類は主として塩素等のハロゲンと、またC=Cは主として硫黄と反応するため、両ポイントで効果的に架橋することができ、ブルームや感光体汚染を生じることなく、加硫速度を速めることができる上に、低電気抵抗も実現しやすくなる。
【0011】
上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーとしては、イオン導電性を有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を用いるため、低圧縮永久歪み等の性能を維持しながら、低電気抵抗を実現することができる。
なお、上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体の他に、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等も用いてもよい。
中でも、エチレンオキサイド含量が高いエピクロルヒドリン系重合体が好ましく、速い加硫速度を維持したまま、体積固有抵抗値の低い導電性ポリマー組成物を提供することができる。エピクロルヒドリン系重合体中のエチレンオキサイド含量としては55mol%以上95mol%以下であるのが好ましい。
【0012】
上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーは、1種又は複数種を適宜選択して用いることができる。上記以外にも、クロロプレンゴム(CR)、塩素化天然ゴム等が挙げられる。
【0013】
上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマー以外に、他のポリマー成分を1種又は2種以上適宜混合することもできる。他のポリマー成分を混合する場合、上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーは、全ポリマー成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上であるのが良い。なお、他のポリマー成分としては、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエン共重合体、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体等が挙げられる。
【0014】
上記チオウレア類として、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(CnH2n+1NH)2C=S (n=1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレアを用いていることが好ましい。
上記チオウレアは、架橋剤としての反応性を向上することができ、特にエピクロルヒドリン系重合体との組み合わせにおいて有効である。さらに、本発明で用いるチオウレアは、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、あるいは、上記化学式中のnの範囲をn=1〜5、さらにはn=1〜4としたものが良い。上記チオウレア類はnの値が小さくなるにつれて、架橋剤としての反応性が向上する。
【0015】
また、全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を合計0.0009mol以上0.0800mol以下、好ましくは0.0015mol以上0.0400mol以下の割合で配合しているのが良い。
上記チオウレア類を上記範囲で配合することにより、ブルームや感光体汚染を起こりにくくすることができると共に、ポリマーの分子運動をあまり妨げないため、より低い電気抵抗を実現すると共に、圧縮永久ひずみ等の力学的物性にも優れた非常に高性能なポリマー組成物とすることができる。また、チオウレア類の添加量を増やし架橋密度を上げるほど電気抵抗値を下げることができる。
上記範囲としているのは、0.0009molより少ないと圧縮永久ひずみを改善しにくい、あるいは電気抵抗値を下げにくいためである。一方、0.0800molより多いとポリマー組成物表面からチオウレア類がブルームし感光体を汚染したり、破断伸び等の機械的物性が極度に悪化しやすいためである。なお、全ポリマー成分とは、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーと他のポリマー成分とを合わせた全てのポリマー成分を指す。
【0016】
さらに、全ポリマー成分100重量部に対して、上記硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下、好ましくは0.2重量部以上2重量部以下の割合で配合しているのが良い。
上記範囲としているのは、0.1重量部より小さいと組成物全体の加硫速度が遅くなり生産性が悪くなりやすいためである。一方、5.0重量部より大きいと圧縮永久ひずみが大きくなったり、硫黄や促進剤がブルームしたりする可能性があるためである。
【0017】
上記チオウレア類と共に、グアニジン系促進剤を配合していることが好ましい。チオウレア類とグアニジン系促進剤を併用することにより、チオウレア類の架橋反応が促進され、生産性を向上することができる。上記グアニジン系促進剤としては、ジ−オルト−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−オルト−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−オルト−トリルグアニジン塩等が挙げられる。
また、上記グアニジン系促進剤の配合量は、用いるグアニジン系促進剤の種類等により適量を選択できるが、一般に、全ポリマー成分100重量部に対し、0.1重量部以上4.0重量部以下配合することが好ましい。グアニジン系促進剤やチオウレア類の量を増やすと、架橋速度を改善し、かつ架橋密度を上げることができる。
【0018】
また、上記ポリマー組成物中には、鉛化合物を含まないことが好ましい。従来は、四酸化三鉛等の鉛化合物を受酸剤や架橋反応時の活性剤として頻繁に使用しているが、鉛化合物を含まない方が、電気抵抗や圧縮永久ひずみ、感光体汚染等の物性値を良くすることが可能となる。また、鉛化合物は作業性や環境上の問題により、その使用形態や使用量により規制を受けるため、この観点からも鉛化合物を含まないことが好ましい。
【0019】
全ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下、好ましくは0.5重量部以上15.0重量部以下、さらに好ましくは1.0重量部以上10.0重量部以下の割合で配合しているのが良い。これにより、低体積固有抵抗を維持しながら、圧縮永久ひずみを低減することができる。
上記範囲としているのは、0.1重量部より少ないと架橋密度が上げられず圧縮永久ひずみが大きくなりやすい上に、体積固有抵抗が高くなりやすいためである。一方、20.0重量部より多く必要以上に配合しても効果の上昇が望みにくく、コストが上昇するためである。
【0020】
上記チオウレア類をマスターバッチとして配合していることが好ましい。上記チオウレア類を粉体でなく、マスターバッチとして配合することにより、チオウレア類を使用する際に作業者や環境への配慮を行うことが可能となり、作業性を向上することができる。また、上記チオウレア類のマスターバッチはB練りで練り時間を極端に短時間とした場合でも、チオウレア類をポリマー中に均一に分散することが可能であり、混練加工性を大幅に向上することができる。このため、B練りをニーダーやバンバリー等の密閉式混練機で行っても、良好な物性を得ることができる。
【0021】
上記チオウレア類のマスターバッチがバインダーとしてアクリル系樹脂を用いたものであることが好ましい。具体的には、エチレンメチルアクリレート等の樹脂とのマスターバッチを作製して配合することが好ましい。マスターバッチのバインダーとしては、その他、塩素化ポリエチレンや熱可塑性のウレタン等がエピクロルヒドリン系重合体との相溶性が良好であることにより好適に用いられる。また、チオウレア類とバインダー樹脂との重量比は、チオウレア:バインダー樹脂が、90:10〜60:40であるのが良い。
【0022】
本発明の導電性ローラまたはベルトは、後述する方法により測定される圧縮永久歪みの値が20%以下、好ましくは15%以下であるのが良い。これは、20%より大きい場合には、現像ローラや帯電ローラ、転写ローラ等として用いた時の寸法変化が大きくなりすぎて、画像形成プロセス系の耐久性や精度維持に問題が生じ、実用に適さないためである。
【0023】
なお、本発明の導電性ローラまたはベルトと形成するポリマー組成物には、電気抵抗値の環境依存性を改善する等の目的で、カーボン等の電子導電性導電剤を、イオン導電性を損なわない範囲で添加してもよい。
【0024】
本発明の導電性ローラまたはベルトを形成するポリマー組成物は、JIS K6911に記載の体積固有抵抗値試験において、印加電圧1000Vで測定した体積固有抵抗値が104.0[Ω・cm]以上1012.0[Ω・cm]以下、好ましくは104.0[Ω・cm]以上109.5[Ω・cm]以下であるのが良い。このように低電気抵抗とし適度な導電性を持たせることにより、導電性ローラ、導電性ベルトとして好適に用いることができる。
【0025】
上記硫黄と共に加硫促進剤を用いてもよく、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドを組み合わせていることが好ましい。なお、ジベンゾチアジルジスルフィドのかわりに2−メルカプトベンゾチアゾール等を用いてもよい。
特に好適な、硫黄、加硫促進剤による加硫系としては、硫黄/ジベンゾチアジルジスルフィド/テトラメチルチウラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5、あるいは、硫黄/2−メルカプトベンゾチアゾール/テトラメチルチウラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5の割合で配合された加硫系が挙げられる。これにより、加硫時間が短くなる上に、効率良く共架橋でき、感光体汚染を低減できるとともに、圧縮永久ひずみを低減することができる。
【0026】
加硫は、通常の方法によって行うことができ、たとえば水蒸気加圧下の加硫缶中で加硫しても、あるいは、プレス加硫によって加硫しても良く、必要に応じて二次加硫を行っても良い。
【0027】
本発明の導電性ローラまたはベルトを形成するポリマー組成物は、上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーを主成分とするポリマー、硫黄、チオウレア類及び必要に応じて各種配合剤(加硫促進剤、充填剤、受酸剤、老化防止剤等)を溶融混練して配合して用いることが好ましい。溶融混練は通常の方法によって行うことができ、例えば、オープンロール、密閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用いて20℃〜130℃で2〜10分程度、混練りしている。
【0028】
また、本発明の導電性ローラは、圧縮永久歪みが小さく、ブルームの発生もなく、感光体汚染も抑制される点で優れている。よって、現像ローラや転写ローラ、又は帯電ローラ等に、特に好適に用いることができる。
【0029】
さらに、本発明の導電性ベルトも、上記同様に種々の物性値に優れているため、転写ベルト等に好適に用いることができる。
【0030】
上記導電性ローラまたは導電性ベルトの製造方法として、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を主成分とし、あるいは上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体およびクロロプレインゴムを主成分とし、
全ポリマー成分100重量部に対して、硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合し、
全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合でマスターバッチとして配合し、
全ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合し、
加硫促進剤を配合して混練することを特徴とする導電性ローラまたは導電性ベルトの製造方法を提供している。
上記混練物は、例えば、単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、10〜70分加硫したのち、芯金を挿入し表面を研磨した後、所要寸法にカットしてローラとしている。加硫時間等の加硫条件は、ポリマー、架橋剤等の種類や配合比、あるいは発泡させた場合は発泡剤と発泡助剤の種類と量によって異なるが、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。なお、感光体汚染と圧縮永久歪みを低減させるため、充分な加硫量を得られる様に加硫温度、加硫時間等の条件を設定することが好ましい。
【0031】
また、上記導電性ベルトは、上記ポリマー組成物(混練物)を、押出成形機によりベルト状に押し出して成形した後、160℃、10〜70分加硫を行って、ベルト本体を作製する等の従来公知の種々の方法を用いることができる。加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。なお、上記導電性ローラと同様に加硫条件を設定するのが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明のポリマー組成物は、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーとして、エチレンオキサイド(EO)/エピクロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(AGE)の共重合比率が56モル%/40モル%/4モル%であるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(以下、GECOとも称する)を100重量部用い、硫黄及びチオウレア類を含んでいる。
【0033】
具体的には、チオウレア類としてエチレンチオウレアを0.67重量部、グアニジン系促進剤であるジ−オルト−トリルグアニジンを0.57重量部、硫黄を1.0重量部、加硫促進剤であるジベンゾチアジルジスルフィドを1.0重量部、テトラメチルチウラムモノスルフィドを0.33重量部、架橋助剤として酸化亜鉛を5重量部、その他充填剤等を配合している。
【0034】
このような配合とすることにより、導電性ローラ等に用いられるポリマー組成物の圧縮永久歪みの低減を実現できると共に、架橋速度を速くすることができ、導電性ローラや導電性ベルト等の生産性を向上することができる。また、感光体汚染も防ぐことができる上に、圧縮永久ひずみも小さくでき、ブルームの発生も防ぐことができる。
【0035】
なお、チオウレア類は、マスターバッチとして用いることもでき、エチレンチオウレア:エチレンメチルアクリレート樹脂を8:2の重量比で混合したものが挙げられる。
【0036】
上記のように、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマー、硫黄、チオウレア類及び必要に応じて各種配合剤を配合したポリマー組成物を、密閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用いて溶融混練している。該混練物を単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、10〜70分加硫したのち、芯金を挿入し表面を研磨した後、所要寸法にカットして、導電性ローラとしている。図1に示すように、上記導電性ローラ1は、略円筒形状であり、その内周には軸芯2が挿入されている。
【0037】
なお、本実施形態においては、帯電ローラとして上記ポリマー組成物より導電性ローラを作製したが、該ポリマー組成物は、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ等の導電性ゴムローラとして用いられることはいうまでもない。また、本発明のポリマー組成物に種々の発泡剤を配合して発泡ロール等として用いてもよい。
【0038】
また、図2に示すように、本発明のポリマー組成物より転写ベルト等の導電性ベルト3を作製している。導電性ベルト3は、2個以上のプーリー4によって張架状態とされ、回転移動する導電性ベルト3の上側の直線状部分5に紙等のシート材6を担持して搬送するものである。
【0039】
以下、本発明のポリマー組成物の実施例1〜4および比較例1〜5について詳述する。
実施例1〜4および比較例1〜5について、各々下記の表1及び表2に記載の配合からなる材料を密閉式混練機(DS10−40MWA−S(株)森山製作所製)により各配合量で混練した。上記混練機からリボン取りしたポリマー組成物を押出機(φ60)に投入し、中空チューブ状に押し出した。このゴムチューブを適切な長さにカットした後、加硫温度160℃、加硫時間10〜70分で加硫することにより、加硫ゴムチューブを得た。加硫条件はキュラストメーターのt90(分)のデータを参考に適宜調整し、充分な加硫量が得られる様にした。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
上記各表中の上段(加硫系まで)の数値は重量部である。また、t90の数値単位は分であり、圧縮永久ひずみの単位は%である。なお、略語GECOは、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、EOはエチレンオキサイド、EPはエピクロルヒドリン、AGEはアリルグリシジルエーテルを表す。
【0043】
また、リコー製複写機IMAGIO MF2730に搭載されている帯電ローラと同一形状のシャフトを用意し、ホットメルト接着剤を塗布した後、上記で得られた加硫ゴムチューブに挿入し、加熱し、接着した後、表面を研磨して目標寸法に仕上げてローラを得た。得られたローラの寸法は、外径14φ、内径(シャフト径)8φ、軸方向のゴム長さ317mmであり、上記のリコー製複写機IMAGIO MF2730に搭載されている帯電ローラと同一寸法とした。
【0044】
さらに、上記の様に混練機からリボン取りしたポリマー組成物をローラヘッド押出機により押し出して、シート状に成形し、金型に仕込んで160℃で最適時間プレス加硫し、物性評価用の加硫ゴムスラブシート及び加硫ゴム試験片を作製した。
【0045】
(実施例1乃至実施例4)
実施例1〜3は表1に記載のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(GECO)、実施例4は上記GECOとCR(クロロプレンゴム)との混合物(GECO:CR=60:40)に、硫黄、加硫促進剤及びエチレンチオウレア又はエチレンチオウレアのマスターバッチ、及び酸化亜鉛(亜鉛華)とグアニジン系促進剤(ジ−オルト−トリルグアニジン)を各々、表1に示す配合比にて混合し、上記方法により、本発明のポリマー組成物を用いたローラ及び加硫ゴム試験片を得た。
なお、実施例3では、バインダーとしてエチレンメチルアクリレート樹脂を用い、エチレンチオウレア/バインダー=8/2としたマスターバッチとしてチオウレア類を用いた。なお、チオウレア類は、GECOあるいはGECO+CR100gに対して実施例1では0.0066mol、実施例2では0.0130mol、実施例3では0.0130mol、実施例4では0.0130molとした。
【0046】
(比較例1乃至比較例5)
比較例1及び比較例2ではGECOに、比較例5ではGECOとCRとの混合物(GECO:CR=60:40)に、硫黄、加硫促進剤を表2に示す各配合比にて混合したが、チオウレアは配合しなかった。
比較例3及び比較例4では、GECOに、チオウレアを表2に示す各配合比にて混合したが、硫黄は配合しなかった。
【0047】
上記のように作製した各実施例及び各比較例のポリマー組成物を用いたローラ及び加硫ゴム試験片について、下記の特性測定を行った。その結果を上記表1及び表2の下段に示す。
【0048】
(加硫時間の評価)
実施例及び比較例の各未加硫のポリマー組成物を最適量サンプリングした後、日合商事株式会社製キュラストメータV型VDRで、加硫曲線を測定した。JIS規格の「振動式加硫試験機による加硫試験」の「ダイ加硫試験A法」に従い、ゴム試験片に破壊しない程度の低振幅(本発明では1°)の正弦波振動を与え、試験片から上ダイスに伝わるトルクを未加硫から過加硫に至るまで測定し,最適加硫時間の指標となるtc(90)(90%トルク上昇点:t90) [分]を計算し、各々比較した。なお、この値が30分以上の場合は加硫速度が遅く、不適とした。
【0049】
(圧縮永久ひずみの測定)
上記の実施例及び比較例で作製した物性評価用の加硫ゴムスラブシートを用い、JISK6262「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した。圧縮割合は試験片の厚みの25%とした。この方法で測定した圧縮永久ひずみの値が20%以下であることが好ましく、15%以下であるとローラとしての実用上さらに好ましい。
【0050】
(ブルーム性調査)
上記実施例及び比較例で作成した各ローラを23℃、相対湿度55%の条件下で1ヶ月放置した後に、ローラ表面にブルームが生じていないかどうかを目視で判断し、以下の様に評価した。
○:ブルーム無し ×:ブルームあり
【0051】
表1から分かるように、実施例1〜実施例4は、GECOあるいはGECOとCRとのブレンド物に、硫黄及びエチレンチオウレア又はエチレンチオウレアのマスターバッチを、表1に示す配合比にて混合した、本発明のポリマー組成物である。これらの実施例1〜実施例4のポリマー組成物は、t90が17分から22分であり、よって30分以下であり加硫時間が適切であった。また、圧縮永久ひずみは10%〜18%で、20%以下であり、適切な値であった。また、ブルームの発生も全くなかった。
【0052】
一方、表2に示すように、比較例1、2、5は、硫黄単独系であり、チオウレアを配合していないため、圧縮永久ひずみが20%以上と大きくなり、不適であった。さらに比較例1はブルームも発生した。
【0053】
また、比較例3は、チオウレア類及びグアニジン系促進剤を配合しているが、硫黄を配合していないため、加硫速度の指標となるt90が30分以上となり、加硫速度が遅く、不適であった。
【0054】
比較例3と同様にチオウレア類及びグアニジン系促進剤を配合している比較例4では、チオウレア類の配合量を多くしたために加硫速度は速くなったが、ブルームが発生した。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有する特定のポリマーに対して、硫黄及びチオウレア類の架橋系を併用しているので、加硫速度が速められ、かつ圧縮永久歪みが小さいポリマー組成物からなる導電性ローラおよびベルトを得ることができる。また、ブルームや感光体汚染を生じることなく、架橋密度を上げたり、加硫速度を速めたりすることができる。さらに、硫黄及びチオウレア類を併用することで、硫黄架橋系単独時に生じる熱変形も抑制することができ、さらには、連続加硫による製造も可能となるため、ローラ、ベルトの作製時の製造コストを大きく削減することができる。
【0056】
また、上記特定のポリマーとしてエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等のエピクロルヒドリン系重合体を用いることにより、特に、電気抵抗が低く、ブルームの発生もなく、感光体汚染も抑制することができる。
【0057】
このように、加硫速度が適切に速く、よって生産性に優れ、さらには圧縮永久歪みが小さく耐久性や寸法安定性等の実用性に優れるため、本発明のポリマー組成物を用いた導電性ローラや導電性ベルトは、現像ローラ、帯電ローラ、又はカラー複写機やカラープリンタ用転写ローラ等の用途に非常に適した導電性ゴムローラ及び導電性ゴムベルトとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性ローラの概略図である。
【図2】 本発明の導電性ベルトの概略図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ
2 軸芯
3 導電性ベルト
4 プーリー
5 直線状部分
6 シート材
Claims (24)
- 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を主成分とし、硫黄及びチオウレア類と共に、酸化亜鉛及び加硫促進剤を含み、
上記チオウレア類は、全ポリマー成分100gに対して0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合され、
上記硫黄は、全ポリマー成分100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合され、
上記酸化亜鉛は、全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合されていることを特徴とする導電性ローラ。 - 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体及びクロロプレンゴムを主成分とし、硫黄及びチオウレア類と共に、酸化亜鉛及び加硫促進剤を含み、
上記チオウレア類は、全ポリマー成分100gに対して0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合され、
上記硫黄は、全ポリマー成分100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合され、
上記酸化亜鉛は、全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合されていることを特徴とする導電性ローラ。 - 上記チオウレア類と共に、グアニジン系促進剤が配合されている請求項1または請求項2に記載の導電性ローラ。
- 上記グアニジン系促進剤が、全ポリマー成分100重量部に対し、0.1重量部以上4.0重量部以下配合されている請求項3に記載の導電性ローラ。
- 上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体中のエチレンオキサイド含量は55mol%以上95mol%以下としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 上記チオウレア類として、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(CnH2n+1NH)2C=S (n−1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレアを用いている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 上記ポリマー組成物中には、鉛化合物を含んでいない請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- JIS K6911に準拠する体積固有抵抗値試験において、印加電圧1000Vで測定した体積固有抵抗値が104.0[Ω・cm]以上1012.0[Ω・cm]以下、
JIS K6262に準拠する加硫ゴムの永久ひずみ試験方法において、測定温度10℃、測定時間24時間で測定した圧縮永久歪み値が20%以下である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の導電性ローラ。 - コピー機あるいはプリンターの現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラからなる請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を主成分とし、全ポリマー成分100重量部に対して、硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合し、
全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合でマスターバッチとして配合し、
全ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合し、
加硫促進剤を配合して混練することを特徴とする導電性ローラの製造方法。 - 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体及びクロロプレンゴムを主成分とし、全ポリマー成分100重量部に対して、硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合し、
全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合でマスターバッチとして配合し、
全ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合し、
加硫促進剤を配合して混練することを特徴とする導電性ローラの製造方法。 - 上記チオウレア類のマスターバッチがバインダーとしてアクリル系樹脂を用いている請求項10または請求項11に記載の導電性ローラの製造方法。
- 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を主成分とし、硫黄及びチオウレア類と共に、酸化亜鉛及び加硫促進剤を含み、
上記チオウレア類は、全ポリマー成分100gに対して0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合され、
上記硫黄は、全ポリマー成分100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合され、
上記酸化亜鉛は、全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合されていることを特徴とする導電性ベルト。 - 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体及びクロロプレンゴムを主成分とし、硫黄及びチオウレア類と共に、酸化亜鉛及び加硫促進剤を含み、
上記チオウレア類は、全ポリマー成分100gに対して0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合され、
上記硫黄は、全ポリマー成分100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合され、
上記酸化亜鉛は、全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合されていることを特徴とする導電性ベルト。 - 上記チオウレア類と共に、グアニジン系促進剤が配合されている請求項13または請求項14に記載の導電性ベルト。
- 上記グアニジン系促進剤が、全ポリマー成分100重量部に対し、0.1重量部以上4.0重量部以下配合されている請求項15に記載の導電性ベルト。
- 上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体中のエチレンオキサイド含量は55mol%以上95mol%以下としている請求項13乃至請求項16のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
- 上記チオウレア類として、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(C n H 2n+1 NH) 2 C=S (n−1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレアを用いている請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
- 上記ポリマー組成物中には、鉛化合物を含んでいない請求項13乃至請求項18のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
- JIS K6911に準拠する体積固有抵抗値試験において、印加電圧1000Vで測定した体積固有抵抗値が10 4.0 [Ω・cm]以上10 12.0 [Ω・cm]以下、
JIS K6262に準拠する加硫ゴムの永久ひずみ試験方法において、測定温度10℃、測定時間24時間で測定した圧縮永久歪み値が20%以下である請求項13乃至請求項19のいずれか1項に記載の導電性ベルト。 - コピー機あるいはプリンターの転写ペルトからなる請求項13乃至請求項20のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
- 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピ クロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を主成分とし、全ポリマー成分100重量部に対して、硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合し、
全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合でマスターバッチとして配合し、
全ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合し、
加硫促進剤を配合して混練することを特徴とする導電性ベルトの製造方法。 - 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーであるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体及びクロロプレンゴムを主成分とし、全ポリマー成分100重量部に対して、硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合し、
全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合でマスターバッチとして配合し、
全ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下の割合で配合し、
加硫促進剤を配合して混練することを特徴とする導電性ベルトの製造方法。 - 上記チオウレア類のマスターバッチがバインダーとしてアクリル系樹脂を用いている請求項22または請求項23に記載の導電性ベルトの製造方法。
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