JP2014169378A - ゴム組成物及び加硫発泡成形体 - Google Patents

ゴム組成物及び加硫発泡成形体 Download PDF

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靖 阿部
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Abstract

【課題】クロロプレンゴムと塩素化ポリエチレンを主成分とする、ゴム組成物及びこの収縮率が低く、耐オゾン性を向上させた加硫発泡成形体を提供する。
【解決手段】クロロプレンゴム30〜95質量%と塩素化ポリエチレン5〜70質量%からなるブレンドゴム100質量部と、式Iで示されるチアジアゾール化合物0.1〜4質量部と、有機系発泡剤5〜20重量部を含有するゴム組成物。
Figure 2014169378

【選択図】なし

Description

本発明は、クロロプレンゴムと塩素化ポリエチレンを主成分とするゴム組成物に関する。また、これを加硫成形した加硫発泡成形体に関する。
スポンジやウエットスーツとして用いられるクロロプレンゴムとしてはクロロプレンゴム発泡体が知られている(特許文献1、2参照)。
特開2012−67235号公報 特開平5−331309号公報
本発明は、収縮率が低く耐オゾン性を向上させた加硫発泡成形体を得ることができるゴム組成物を提供する。また、これを加硫成形した加硫発泡成形体を提供する。
本発明は、硫黄変性クロロプレンゴム、メルカプタン変性クロロプレンゴム、キサントゲン変性クロロプレンゴムから選ばれる少なくとも一種のクロロプレンゴム30〜95質量%と塩素化ポリエチレン5〜70質量%からなるブレンドゴム100質量部と、式I(式I中、R、Rは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、メルカプト基、チアジアゾール基、置換チアジアゾール基、アミノ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。RとRは、同一であっても異なっていても良い。)で示されるチアジアゾール化合物0.1〜4質量部と、有機系発泡剤5〜20重量部を含有するゴム組成物である。
Figure 2014169378
ゴム組成物は、加硫促進補助剤として、グアニジン系加硫促進剤、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデン−7及びその弱酸塩から選ばれる一種の化合物を合計で0.1〜4質量部含有するものが好ましい。
ゴム組成物は、加硫成形することで加硫発泡成形体とすることができる。
本発明によれば、収縮率が低く耐オゾン性に優れた加硫発泡成形体を得ることができるゴム組成物及びこれを加硫成形して得られる加硫発泡成形体を得ることができる。加硫発泡成形体は、スポンジやウエットスーツの素材として利用できる。
本発明のゴム組成物は、(1−1)クロロプレンゴム30〜95質量%と(1−2)塩素化ポリエチレン5〜70質量%からなる(1)ブレンドゴム100質量部と、(2)チアジアゾール化合物0.1〜4質量部と、(3)有機系発泡剤5〜20質量部を有するゴム組成物である。
また、ゴム組成物には、(4)加硫促進補助剤を添加しても良い。
(1−1)クロロプレンゴム
クロロプレンゴムは、ブレンドゴムの一成分となるものであり、以下に示す硫黄変性クロロプレンゴム、メルカプタン変性クロロプレンゴム、キサントゲン変性クロロプレンゴムがある。
本発明のゴム組成物は、これらのクロロプレンゴムのいずれでも用いることができる。
硫黄変性クロロプレンゴムは、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどのチウラム化合物と用いてクロロプレンゴムの分子量を調節して得られるものである。硫黄変性クロロプレンゴムは他の変性タイプのものと比較して機械的強度及びゴム組成物の寸法安定性に優れるという特性を有する。このため、硫黄変性クロロプレンゴムを用いることによって、ゴム組成物の機械的強度及び寸法安定性を向上させることができる。
メルカプタン変性クロロプレンゴムは、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルオクチルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を用いてクロロプレンゴムの分子量を調節して得られるものである。メルカプタン変性クロロプレンゴムは他の変性タイプのものと比較して金属との接着性に優れるという特性を有する。このため、メルカプタン変性クロロプレンゴムを用いることによって、ゴム組成物の金属との接着性を向上させることができる。
キサントゲン変性クロロプレンゴムは、アルキルキサントゲン化合物を用いてクロロプレンゴムの分子量を調節して得られるものである。キサントゲン変性クロロプレンゴムは他の変性タイプのものと比較して引張強さや破断時伸び等の機械特性に優れるという特性を有する。このため、キサントゲン変性クロロプレンゴムを用いることによって、ゴム組成物の機械特性を向上させることができる。
硫黄変性クロロプレンゴム、メルカプタン変性クロロプレンゴム、キサントゲン変性クロロプレンゴムは、ゴム組成物及び加硫発泡成形体の特性を目的に合わせてこれらを併用しても良い。
(1−2)塩素化ポリエチレン
塩素化ポリエチレンは、ポリエチレンを、塩素を含むトリクロルエタンや四塩化炭素などで処理し、その分子中の水素の一部を塩素と置換して得られたものであり、ゴム組成物及び加硫発泡成形体の耐熱性及び耐オゾン性を向上させるために添加するものである。
塩素化ポリエチレンとしては、塩素化率20〜50%のものを用いると、得られるゴム組成物及び加硫発泡成形体の耐熱性を向上させる効果が高いため好ましい。
塩素化ポリエチレンとしては、具体的には、昭和電工株式会社製のエラスレン(登録商標)や、ダウ・ケミカル日本株式会社製のタイリン(登録商標)が知られている
(1)ブレンドゴム
ブレンドゴムは上述の(1−1)クロロプレンゴムと(1−2)塩素化ポリエチレンを混練して得られたものである。
クロロプレンゴムと塩素化ポリエチレンの比率は、クロロプレンゴム30〜95質量%と塩素化ポリエチレン5〜70質量%の範囲で行う。好ましくはクロロプレンゴム50〜90質量%と塩素化ポリエチレン10〜50質量%の範囲が良い。
クロロプレンゴムの比率がこの範囲より高くなってしまうと、得られるゴム組成物及び加硫発泡成形体の耐オゾン性が低下する。また、塩素化ポリエチレンの比率がこの範囲より高くなってしまうと、ゴム組成物及び加硫発泡成形体の収縮率が高くなる。
クロロプレンゴムと塩素化ポリエチレンを混練する装置は、密閉混合機内や二軸のオープンロールがある。
(2)チアジアゾール化合物
チアジアゾール化合物は、ブレンドゴムの加硫を促進させるために添加するものである。チアジアゾール化合物の添加量は、ブレンドゴム100質量部に対して0.1〜4質量部であり、0.5〜3質量部の範囲が好ましい。チアジアゾール化合物の添加量が0.1質量部未満ではブレンドゴムの加硫が不十分である。チアジアゾール化合物の添加量が4質量部を超えてしまうと、得られる加硫発泡成形体の硬度が高く収縮率も高くなってしまう。
チアジアゾール化合物は、式I(式I中、R、Rは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、メルカプト基、チアジアゾール基、置換チアジアゾール基、アミノ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。RとRは、同一であっても異なっていても良い。)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014169378
チアジアゾール化合物としては、アミン系チアジアゾール類、ハロゲン系チアジアゾール類、アルキル系チアジアゾール類、二量体チアジアゾール類、芳香族系チアジアゾール類がある。
アミン系チアジアゾール類としては、具体的には、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−クロロ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−ヨード−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−チオール−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−プロピル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−ベンジル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−トルイル−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジアミノ−1,3,4−チアジアゾールがある。
ハロゲン系チアジアゾール類としては、具体的には、2−クロロ−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−ベンジル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−トルイル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−チオール−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−5−ベンジル−1,3,4−チアジアゾール、2−ブロモ−5−トルイル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−5−ベンジル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヨード−5−トルイル−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジクロロ−1,3,4−チアジアゾール、2−クロロ−5−ヨード−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジブロモ−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジヨード−1,3,4−チアジアゾールがある。
アルキル系チアジアゾール類としては、具体的には、1,3,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール−2−5−ジチオール、2−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−エチル−1,3,4−チアジアゾール、2−プロピル−1,3,4−チアジアゾール、2−ブチル−1,3,4−チアジアゾール、2−ヘキシル−1,3,4−チアジアゾールがある。
二量体チアジアゾール類としては、具体的には、ビス1,3,4−チアジアゾール、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−チオール)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−アミノ)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−クロロ)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−ブロモ)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−ヨード)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−フェニル)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−ベンジル)、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2−トルイル)がある。
芳香族系チアジアゾール類としては、具体的には、2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−ベンジル−1,3,4−チアジアゾール、2−トルイル−1,3,4−チアジアゾールがある。
これらチアジアゾール化合物の中でもアルキル系チアジアゾール類又は二量体チアジアゾール類は、ブレンドゴムの架橋促進効果が高い。特に、アルキル系チアジアゾール類の1,3,4−チアジアゾールや、二量体チアジアゾール類の5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾールー2−チオール)用いる、ブレンドゴムの架橋促進効果が高くなるため好ましい。
(3)有機系発泡剤
有機系発泡剤は、得られるゴム組成物を発泡させてスポンジ状に加工するために添加するものである。有機系発泡剤を含むゴム組成物は、これを加圧、加熱することにより、加硫と同時に有機系発泡剤が分解して発泡し加硫発泡成形体となる。有機系発泡剤としてはニトロソ系、アゾ系、ヒドラジド系の化合物があり、これらの化合物は二種以上を併用しても良い。
有機系発泡剤としては、具体的には、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミドがある。
有機系発泡剤の添加量は、ブレンドゴム100質量部に対して5〜20質量部である。有機系発泡剤の添加量が5質量部未満では、有機系発泡剤の分解が不足して緻密な加硫発泡成形体が得られない。有機系発泡剤の添加量が20質量部を超えてしまうと、分解ガスによるガス抜け現象が発生して得られる加硫発泡成形体の気泡が均一にならない。
(4)加硫促進補助剤
加硫促進補助剤は、チアジアゾール化合物と併用することによりブレンドゴムの加硫反応を更に促進させるために添加するものである。加硫促進補助剤としては、グアニジン系加硫促進剤、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデン−7及びその弱酸塩から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することもできる。
グアニジン系加硫促進剤としては、具体的には、グアニジン、1,3ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、ジ−m−トリルグアニジン、ジ−p−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、1−m−トリルビグアニド、1−p−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリグアニジン塩、ジカテコールボレートのジ−m−トリルグアニジン塩、ジカテコールボレートのジ−p−トリグアニジン塩、塩酸グアニジン、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、りん酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、ホルミルグアニジン、アセチルグアニジン、クロルアセチルグアニジン、1,2−n−ジアセチルグアニジン、1,3−n−ジアセチルグアニジン、1,3−n−ジプロピオニルグアニジン、ヒプリルグアニジン、ベンゼンスルフォニルグアニジンがある。
加硫促進補助剤の添加量は、ブレンドゴム100質量部に対して合計で0.1〜4質量部とすると、クロロプレンゴムを過剰に加硫させることなく、その加硫促進を向上させる効果が高いため好ましい。
ゴム組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でクロロプレゴムに一般的に用いられる充填剤、補強剤、可塑剤、加硫剤、加工助剤、老化防止剤などを添加しても良い。
<加硫発泡成形体>
本発明に係る加硫発泡成形物は、上述のゴム組成物を所望する形状に成形した後に加硫したり、ゴム組成物を加硫した後に所望する形状に成形して得られるものである。ゴム組成物を発泡及び成形する方法、加硫発泡成形体を成形する方法は、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などの方法がある。
ゴム組成物を加硫する温度は、ゴム組成物の組成に合わせて適宜設定すればよく、通常は140〜220℃、好ましくは145〜180℃の範囲で行われる。また、加硫する時間もゴム組成物の組成や形状によって適宜設定すればよく、通常は10分〜60分の範囲で行われる。
(硫黄変性クロロプレンゴムの製造)
内容積5リットルの4つ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸ナトリウム塩4質量部、βナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部及び硫黄0.3質量部及び他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素雰囲気下で重合を行った。モノマーの転化率が65%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて、重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、ポリクロロプレンのラテックスを得た。得られたポリクロロプレンのラテックスを常法の凍結凝固乾燥法により硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
(メルカプタン変性クロロプレンゴムの製造)
内容積5リットルの4つ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸ナトリウム塩4質量部、βナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部及びn−ドデシルメルカプタン0.3質量部及び他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素雰囲気下で重合を行った。モノマーの転化率が65%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて、重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、ポリクロロプレンのラテックスを得た。得られたポリクロロプレンのラテックスを常法の凍結凝固乾燥法によりメルカプタン変性クロロプレンゴムを得た。
(キサントゲン変性クロロプレンゴムの製造)
内容積5リットルの4つ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸ナトリウム塩4質量部、βナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部及びアルキルキサントゲン化合物0.3質量部及び他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素雰囲気下で重合を行った。モノマーの転化率が65%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて、重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、ポリクロロプレンのラテックスを得た。得られたポリクロロプレンのラテックスを常法の凍結凝固乾燥法によりキサントゲン変性クロロプレンゴムを得た。
(実施例1)
(ゴム組成物の作製)
上述の硫黄変性クロロプレンゴム50質量部、塩素化ポリエチレンA(昭和電工株式会社製エラスレン301A(登録商標))50質量部、チアジアゾール化合物A(5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾールー2−チオール))1質量部、有機系発泡剤としてアゾジカルボンアミド5質量部とp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド5質量部、ステアリン酸1質量部、老化防止剤(大内新興化学工業株式会社ノクラックCD(登録商標))1質量部、カーボンブラック(旭カーボン株式会社製旭#35)30質量部、ナフテンオイル(新日本理化株式会社製NP−24)25質量部、酸化マグネシウム6質量部、酸化亜鉛3質量部、を、JIS K 6299に準拠して8インチオープンロールを用いて混練し、ゴム組成物を得た。
(加硫発泡成形体の作製)
得られたゴム組成物を、JIS K 6299に準拠して、以下に示す条件でプレス加硫を2度行ってスポンジ状の加硫発泡成形体を作製した。なお、1度目のプレス加硫を1次加硫、2度目のプレス加硫を2次加硫という。
1次加硫:キャビティー領域が縦100mm、横95mm、高さ8mmの金型に上述のゴム組成物102g(充填率105%)を入れ、キャビティー領域を圧力3.5Mpa以上、150℃の条件下で10分間行って1次加硫コンパウンドとした。得られた1次加硫コンパウンドを大気圧下、23℃の条件下で10分間静置した。
2次加硫:静置後の1次加硫コンパウンドをキャビティー領域が縦175mm、横170mm、高さ16mmの金型に入れ、キャビティー領域を圧力3.5Mpa以上、155℃の条件下で20分間行って加硫発泡成形体とした。
(評価)
上述の方法で得られた加硫発泡成形体の評価を表1に示す。表1の評価は次の方法で行った。
(1)硬度(Type−E)
硬度(Type−E)の試験は、上述の加硫発泡成形体の硬度を、JIS K6253に準拠してデュロメータ硬さ計を用いて測定し、20以下の値を示したものを合格とした。
(2)収縮率
収縮率の試験は、上述の加硫発泡成形体を、大気圧下、23℃の条件下で168時間静置したのち、スポンジの表層を厚さ2mm±0.20mmにスライスしてスポンジシートを作製した。スライス直後のスポンジの縦横の大きさを測定して基準とし、その後、大気圧下、23℃の条件下で168時間静置した時のスポンジシートの縦横の大きさを再度測定した。スライス直後のスポンジシートの縦の長さをH0(mm)、横の長さをL0(mm)、168時間静置後のスポンジシートの縦の長さをH1(mm)、横の長さをL1(mm)として以下の式で算出し、5%以下の値を示したものを合格とした。
収縮率(%)=(H0×L0−H1×L1)÷(H0×L0)×100
(3)耐オゾン性
耐オゾン性の試験は、上述の加硫発泡成形体の耐オゾン性を、JIS K6259に準拠して測定した。具体的には、40℃、50pphmのオゾン濃度の槽内で20%に伸長させた加硫発泡成形体にクラックが発生した時間を計測し、70時間以上の値を示したものを合格とした。
Figure 2014169378
実施例2〜13及び比較例1〜6におけるゴム組成物及び加硫発泡成形物は、ゴム組成物を作製する際の条件を以下に示すとおり変更して実施例1と同様に作製し、実施例1と同様に評価したものである。
(実施例2、3)
実施例2、3の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物におけるクロロプレンゴム及び塩素化ポリエチレンの添加量を表1に記載した値に変更したものである。
(実施例4、5)
実施例4、5の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物におけるクロロプレンゴムの種類と添加量を表1に記載したものに変更したものである。
(実施例6、7)
実施例6、7の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物におけるチアジアゾール化合物の添加量を表1に記載した値に変更したものである。
(実施例8)
実施例8の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物に加硫促進補助剤a(ジフェニルグアニジン)1質量部を添加したものである。
(実施例9)
実施例9の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物に加硫促進補助剤b(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデン−7のフェノール樹脂塩)1質量部を添加したものである。
(実施例10)
実施例10の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物におけるチアジアゾール化合物をチアジアゾール化合物B(1,3,4−チアジアゾール)に変更したものである。
(実施例11)
実施例11の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物における塩素化ポリエチレンを塩素化ポリエチレンB(昭和電工株式会社製のエラスレン303A(登録商標))に変更したものである。
(実施例12、13)
実施例12、13の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物における有機系発泡剤の量を表1に記載した値に変更したものである。
Figure 2014169378
(比較例1、2)
比較例1、2の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物におけるクロロプレンゴム及び塩素化ポリエチレンの添加量を表2に記載したものに変更したものである。
(比較例3、4)
比較例3、4の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物におけるチアジアゾール化合物の添加量を表2に記載した量に変更したものである。
(比較例5、6)
比較例3、4の加硫発泡成形物は、実施例1のゴム組成物における有機系発泡剤の添加量を表2に記載した量に変更したものである。
表1に示されたとおり、本発明の範囲にある各実施例のゴム組成物を用いた加硫発泡成形物は、収縮率が低く耐オゾン性に優れたものであった。

Claims (3)

  1. 硫黄変性クロロプレンゴム、メルカプタン変性クロロプレンゴム、キサントゲン変性クロロプレンゴムから選ばれる少なくとも一種のクロロプレンゴム30〜95質量%と塩素化ポリエチレン5〜70質量%からなるブレンドゴム100質量部と、式I(式I中、R、Rは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、メルカプト基、チアジアゾール基、置換チアジアゾール基、アミノ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。RとRは、同一であっても異なっていても良い。)で示されるチアジアゾール化合物0.1〜4質量部と、有機系発泡剤5〜20重量部を含有するゴム組成物。
    Figure 2014169378
  2. 硫黄変性クロロプレンゴム、メルカプタン変性クロロプレンゴム、キサントゲン変性クロロプレンゴムから選ばれる少なくとも一種のクロロプレンゴム30〜95質量%と塩素化ポリエチレン5〜70質量%からなるブレンドゴム100質量部と、式I(式I中、R、Rは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、メルカプト基、チアジアゾール基、置換チアジアゾール基、アミノ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。RとRは、同一であっても異なっていても良い。)で示されるチアジアゾール化合物0.1〜4質量部と、有機系発泡剤5〜20重量部と、加硫促進補助剤として、グアニジン系加硫促進剤、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデン−7及びその弱酸塩から選ばれる少なくとも一種の化合物を合計で0.1〜4質量部含有するゴム組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物を加硫成形した加硫発泡成形体。
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