JP3624580B2 - 電子写真装置用導電性ゴム組成物および導電性ゴムロール - Google Patents

電子写真装置用導電性ゴム組成物および導電性ゴムロール Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真装置の導電性ゴムロールその他の導電性部材に適した導電性ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、軟化剤成分などが表面にブリードアウトせず、電子写真装置用の低硬度な導電性ゴムロールその他の導電性部材を得ることができるエピクロロヒドリン系ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コピー機、ファクス、プリンターなどの電子写真装置にはロールやベルトを初めとする各種のゴム材料が使用されている。なかでも、現像部、帯電部などに使用される材料には適度な導電性が要求される。導電性を有するゴム材料として、例えば、プロピレンオキサイド−エピクロロヒドリン共重合体ゴム、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド−エピクロロヒドリン共重合体ゴムとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムとの混合物などのエピクロロヒドリン系ゴムまたは該ゴムと他のゴムとの混合物を使用した現像ロールが提案されている(特開平1−219775号公報、特開平1−241578号公報、特開平8−110701号公報)。
【0003】
近年、電子写真装置の小型化や省エネ化、ロールや感光体の生産性向上のためにゴム材料の一層の硬度低下が求められている。一般に、各種ゴム材料の硬度を低下させるには可塑剤または軟化剤を配合する手法が採られる。しかしながら、可塑剤などを多量に配合すると、ゴム材料の表面に可塑剤が浮き出るブリードアウト現象が生じ、電子写真装置の感光体の汚染が問題となる。
特に、エピクロロヒドリン系ゴムは、耐圧縮永久歪性向上などのために二次加硫を行う場合が多く、このため、高温で長時間オーブン中に放置される場合には、多量に配合した可塑剤または軟化剤の揮発性が問題となる。
【0004】
他方、導電性ゴムロールの硬度を低下させるために液状ゴムを混合する方法が提案されている(特開平5−59222号公報)。しかしながら、一般に、導電性ゴムロールには、その体積固有抵抗値を調節するためにカーボンブラックなどの導電材が充填されることから、液状ゴムと導電材との相溶性が不良な場合には、液状ゴムのブリードアウトの問題は解消しない。
また、エピクロロヒドリンゴムにエチレングリコール類を混合した明色の導電性ゴム組成物が提案されている(公告平3−78429号公報)。しかしながら、エチレングリコール類は吸水性が高いため体積固有抵抗値の環境依存性が大きく実用的でない。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は、ゴム組成物表面にブリードアウトすることなく、かつ圧縮永久歪を低下させることなく低硬度の電子写真装置用導電性ゴム組成物を提供することにある。
さらに、他の目的は、適度の導電性と柔軟性を有する、電子写真装置などのロールとして有用な導電性ゴムロールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エピクロロヒドリン系ゴム100重量部に、トルエン溶液での還元粘度(ηsp/C)が0.01〜0.5である低分子量エピクロロヒドリン系重合体10〜150重量部を混合してなることを特徴とする電子写真装置用導電性ゴム組成物が提供される。
【0007】
本発明によれば、さらに、上記ゴム組成物の加硫物からなる導電性ゴムロールが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
エピクロロヒドリン系ゴム
本発明に用いられるエピクロロヒドリン系ゴムは、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴム、またはエピクロロヒドリン10モル%以上と、アルキレンオキサイド90モル%以下および/または不飽和エポキシド15モル%以下との共重合体ゴムである。
【0009】
アルキレンオキサイドの具体例としては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドの共重合割合は90モル%以下、好ましくは60モル%以下である。共重合割合が90モル%を超えると吸湿性が高くなり、体積固有抵抗値の環境依存性が大きくなる。また、アルキレンオキサイドの共重合割合を変えることによって体積固有抵抗値の調節が可能である。
【0010】
不飽和エポキシドとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ブタジエンモノオキサイドなどが挙げられる。不飽和エポキシドの共重合割合は15モル%以下である。共重合割合が15モル%を超えると熱による硬化型劣化を生じてゴム弾性を失い、脆くなるので好ましくない。
【0011】
エピクロロヒドリン系共重合体ゴムは、2つの群に大別することができ、その第1群は、一般に、エピクロロヒドリン35〜98モル%、エチレンオキサイド60モル%以下および/または不飽和エポキシド15モル%以下からなり、その具体例としては、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体ゴムが挙げられる。また、第2群は、一般に、エピクロロヒドリン10〜60モル%、プロピレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの組合せ(プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのモル比は1以上が好ましい)30〜90モル%およびアリルグリシジルエーテル0〜15モル%からなり、その具体例としては、エピクロロヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体ゴムが挙げられる。
【0012】
エピクロロヒドリン系ゴムとしては、一般に、100℃におけるムーニー粘度が20〜200、好ましくは50〜100の範囲のものが用いられる。
エピクロロヒドリン系ゴムは、例えば特公昭56−51171号公報に記載される有機アルミニウム化合物系触媒を用いて公知の溶液重合法により製造できるが、その製造法はこれに限定されるものではない。
【0013】
なお、本発明のゴムロール用組成物には、エピクロロヒドリン系ゴムに加えて、他のゴムを配合することができる。エピクロロヒドリン系ゴムと他のゴムとの配合割合は、一般に、エピクロロヒドリン系ゴム30〜100重量%、好ましくは70〜100重量%、他のゴム0〜70重量%、好ましくは0〜30重量%の範囲である。
【0014】
他のゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(NBIR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)およびこれらの水素添加物、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
【0015】
低分子量エピクロロヒドリン系重合体
本発明に用いられる低分子量エピクロロヒドリン系重合体は、エピクロロヒドリンの単独重合体、またはエピクロロヒドリン30モル%以上、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドからなる群より選ばれるアルキレンオキサイド70モル%以下および/または不飽和エポキシド15モル%以下とからなる共重合体であって、トルエン溶液での還元粘度(ηsp/C)が0.01〜0.5、好ましくは0.03〜0.3の低分子量重合体である。ηsp/Cが0.5を超えるものを用いた場合にはゴムの硬度を低下する効果が小さい。
【0016】
低分子量エピクロロヒドリン系重合体は、例えば、塩化第二錫(IV)、有機アルミニウム/水錯体、フッ化ホウ素・エーテル錯体などを触媒として公知の溶液重合法により製造できるが、その製造法は、これに限定されるものではない。
【0017】
ゴム組成物
エピクロロヒドリン系ゴム100重量部に、低分子量エピクロロヒドリン系重合体10〜150重量部、好ましくは20〜100重量部を配合する。かくして得られる本発明のゴム組成物を加硫することによって、低分子量エピクロロヒドリン系重合体がブリードアウトすることなく、通常、硬度(JIS−A)が40以下、好ましくは35以下のゴム加硫物が容易に得られる。低分子量エピクロロヒドリン系重合体の割合が10重量部より少ないと、可塑剤・軟化剤と比較し満足な硬度の低下は得られないし、逆に、この割合が150重量部を超えると粘着性が強くなり、混練が困難になる。
【0018】
本発明のゴム組成物は適度の導電性をもつことを特徴としている。その導電性は、通常、その加硫物の体積固有抵抗値が10〜1010Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cmの範囲である。
本発明の導電性ゴム組成物には、加硫剤が配合される。加硫剤の配合量は、通常、前記ゴム成分100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0019】
本発明に用いられる加硫剤としては硫黄または硫黄供与体、有機過酸化物、メルカプトトリアジン類、チオウレア類などを挙げることができる。硫黄供与体としては、例えば、モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム類を挙げることができる。有機過酸化物としては、ケトンパーオキシド類、パーオキシエステル類、ジアシルパーオキシド類、アルキルパーオキシド類が挙げられ、これらの有機過酸化物を使用したときは耐圧縮永久歪が良好な加硫物が得られる。メルカプトトリアジン類としては、1,3,5−トリチオシアヌール類、2−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジンなどを挙げることができ、これらのメルカプトトリアジン類を用いたときは耐熱性が良好な加硫物が得られる。チオウレア類としては、チオウレア、ジブチルチオウレア、トリエチルチオウレアなどを挙げることができる。
【0020】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて加硫促進剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、受酸剤、顔料などの通常のゴム配合剤を適宜混合することができる。
本発明のゴム組成物は、前記各成分をロールやバンバリーミキサーなどのような通常の混練機を用い混合することにより得ることができる。
本発明のゴム組成物の加硫は、前記各成分をプレス、加硫釜、射出成型機などのような通常のゴム加硫方法によって100〜250℃に加熱することによって行うことができる。
【0021】
導電性ゴムロール
導電性ゴムロールは、一般に現像ロールの作成に採られているのと同様な手法によって作成することができる。すなわち、金属製の回転軸などのロール状基材を芯金としてロール金型内に入れ、そこにゴム組成物を入れて、芯金の周囲にロール状に賦形し、次いで、100〜250℃に加熱して加硫する方法が採られる。
加硫成形後、得られたゴムロールは、表面の摩擦抵抗を下げたり、粘着力を低減するために、表面処理を行うことが好ましい。ゴムロールの表面処理を行うには、先ず、研磨材を用いて、適度に表面を研磨してから、下記のような表面処理を行う。
【0022】
ゴムロールの表面処理方法としては、紫外線照射、オゾン曝露、反応性シリコーン化合物の塗布、または反応性フッ素化合物の塗布などが挙げられる。このような表面処理をすることにより、ゴムロール表面の摩擦抵抗を下げ、感光体に対する粘着力を低減できるので、その結果、ゴムロールの円滑な紙送りが保障され、また感光体への汚染を防止することができる。
【0023】
紫外線放射による表面処理方法としては、通常、ランプ出力80W/cm、定格電力4000W、波長200〜450nmの紫外線ランプの周りに処理するロールを回転させて、1〜10分間照射する方法が挙げられる。
オゾン曝露による表面処理方法としては、オゾン濃度10〜30pphm(×10−8)、温度35〜45℃の雰囲気下で、ゴムロールを0.5〜2時間程度放置する方法が挙げられる。
【0024】
反応性シリコーン化合物塗布による表面処理方法としては、末端にイソシアナートを導入したシリコーン化合物を用いる場合、酢酸エチルに該シリコーン化合物を1〜10%程度に溶解させ、ゴムロール表面に塗布後、風乾し、次いで、100℃で1時間程度熱処理する方法が挙げられる。
末端にイソシアナートを導入した反応性フッ素化合物で表面処理する場合、同様に酢酸エステルに該フッ素化合物を1〜10%程度に溶解させ、ゴムロール表面に塗布した後、風乾し、次いで、100℃で1時間程度熱処理する方法が挙げられる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を、より具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における配合割合の部数は重量基準である。
なお、還元粘度(ηsp/C)、硬度、圧縮永久ひずみ、ブリードアウト、体積固有抵抗値に関する特性は、以下の方法により測定した。
【0026】
<還元粘度(ηsp/C)>
還元粘度は、重合体1gをトルエン100mlに溶解したものを、30℃の恒温水槽において、オストワルド粘度計タイプ0Aを用いて測定した。
<硬度>
硬度はJIS K−6301の規定に従って測定した。
【0027】
<圧縮永久ひずみ>
圧縮永久ひずみ(%)は、JIS K−6301の規定に従って、70℃で22時間後に測定した。
<ブリードアウト>
組成物表面のブリードアウトは、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作成し、目視にて評価した。
○:ブリードアウトが認められない。
×:ブリードアウトが認められる。
【0028】
<体積固有抵抗値>
体積固有抵抗値は、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作成し、それをガイドリング付き電極に挟んで、直流500Vの電圧で23℃、50%RHにて体積固有抵抗値(Ω・cm)を測定した。
【0029】
実施例1〜7、比較例1〜6
エピクロロヒドリン系ゴムの製造
エピクロロヒドリン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびアリルグリシジルエーテルを、有機アルミニウム化合物系触媒を用いて、常法に従って溶液重合により重合し、下記のエピクロロヒドリン系ゴムを製造した。
【0030】
エピクロロヒドリン系ゴム1: エピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル(40/56/4モル%比)三元共重合体、ML1+4(100℃)=60
エピクロロヒドリン系ゴム2: エピクロロヒドリン/エチレンオキサイド(50/50モル%比)二元共重合体、ML1+4(100℃)=95
エピクロロヒドリン系ゴム3: エピクロロヒドリン/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル(30/67/3モル%比)三元共重合体、ML1+4(100℃)=70
【0031】
低分子量エピクロロヒドリン系重合体の製造
エピクロロヒドリンを単独で、またはエピクロロヒドリンとエチレンオキサイドとを、塩化第二錫を触媒として常法に従って溶液重合法により重合して、下記の低分子量エピクロロヒドリン系重合体を製造した。
低分子量エピクロロヒドリン系重合体1: エピクロロヒドリン単独重合体、ηsp/C=0.08
低分子量エピクロロヒドリン系重合体2: エピクロロヒドリン/エチレンオキサイド(80/20モル%比)二元共重合体、ηsp/C=0.06
【0032】
ゴム組成物の調製および評価
上記エピクロロヒドリン系ゴム単独または他のゴムとのブレンド100重量部に対し、表1に示す低分子量エピクロロヒドリン重合体、充填剤、加硫剤などを同表に示す割合で加えてゴム組成物を得た。
【0033】
【表1】
Figure 0003624580
【0034】
*1 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(日本ゼオン社製、Nipol DN227)
*2 ジ−(ブトキシエトキシエチル)アジペート
*3 100℃におけるムーニー粘度が45のエピクロロヒドリン単独重合体ゴムを6インチロールで30分間素練りして分子量を低下させたもの。ηsp/C=1.0
【0035】
*4 液状アクリロニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製、Nipol N−1312)
*5 テトラメチルジスルフィド(大内新興社製、ノクセラ−TT)
*6 N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(日本モンサント社製、サントガードPVI)
*7 アセトン−ジフェニルアミン反応生成物(大内新興社製、ノクラックB)
【0036】
前記の各実施例および比較例で得られたゴム組成物をロールで混練し、シート状に成型して、150℃で30分間加硫し、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。得られた各加硫ゴムシートの硬度、圧縮永久ひずみ、ブリードアウトおよび体積固有抵抗値を、それぞれ前記方法により評価した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003624580
【0038】
表2に示されるように、実施例1〜7では、いずれもJIS−A硬度35以下、圧縮永久ひずみ(%)が可塑剤無添加の比較例1と比べ悪化せず、ブリードアウトが認められず、また、体積固有抵抗値が10〜1010Ω・cmと適度な導電性を示す。
比較例1では可塑剤などを使用していないため、ブリードアウトもなく、適度な導電性が得られているが、硬度が45と大きく、本発明が目的とする低硬度な要求を満たしていない。
【0039】
比較例2では低分子量エピクロロヒドリン共重合体を多量に用いたため表面にブリードアウトし、粘着により加工性が著しく悪くなってしまう。また、耐圧縮永久歪性も低下する。
比較例3では一般によく用いられる可塑剤が添加されているが、添加量25重量部程度で表面にブリードアウトが観察された。
比較例4にみられるように、還元粘度ηsp/Cが0.5を超えたエピクロロヒドリン重合体を混合しても、硬度低下の効果が小さい。
【0040】
比較例5では低分子量エピクロロヒドリン共重合体の代わりに液状アクリロニトリル・ブタジエンゴムを添加しているが、エピクロロヒドリン共重合体ゴムとは相溶性が悪く表面はブリードアウトしてしまう。
比較例6ではエピクロロヒドリン共重合体ゴムと他種のゴムとのブレンドが用いられているが、ゴムブレンド100重量部中、エピクロロヒドリン共重合体ゴムが30重量部以下であるため、体積固有抵抗値が高くなり、導電性用途として満足されない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、導電材などを配合しなくとも、適度な導電性を有し、ゴム組成物表面にブリードアウトしない硬度の低いエピクロロヒドリン系ゴム組成物が提供される。
本発明の導電性ゴム組成物は、電子写真装置に用いる導電性ゴムロールその他の導電性部材用材料として適しており、その優れた機能からみて、装置自体の小型化・省エネ化に寄与することができる。
【0042】
(発明の好ましい実施態様)
エピクロロヒドリン系ゴム100重量部に低分子量エピクロロヒドリン系重合体10〜150重量部を混合してなることを特徴とする本発明の電子写真装置用導電性ゴム組成物、およびそのようなゴム組成物からなる本発明の導電性ゴムロールの好ましい実施態様をまとめると以下のとおりである。
【0043】
(1)エピクロロヒドリン系ゴムがエピクロロヒドリンの単独重合体、またはエピクロロヒドリン10モル%以上と、アルキレンオキサイド90モル%以下および/または不飽和エポキシド15モル%以下との共重合体ゴムである。
(2)エピクロロヒドリン系ゴムがエピクロロヒドリン35〜98モル%、エチレンオキサイド60モル%以下および/または不飽和エポキシド15モル%以下からなる共重合体ゴムである。
【0044】
(3)エピクロロヒドリン系ゴムがエピクロロヒドリン10〜60モル%、プロピレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの組合せ(プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドモル比は1以上が好ましい)30〜90モル%およびアリルグリシジルエーテル0〜15モル%からなる共重合体ゴムである。
【0045】
(4)エピクロロヒドリン系ゴムの100℃におけるムーニー粘度が20〜200、より好ましくは50〜100の範囲である。
(5)低分子量エピクロロヒドリン系重合体がエピクロロヒドリンの単独重合体、またはエピクロロヒドリン30モル%以上、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド70モル%以下、および/または不飽和エポキシド15モル%以下とからなる共重合体である。
【0046】
(6)低分子量エピクロロヒドリン系重合体は、トルエン溶液での還元粘度(ηsp/C)が0.01〜0.5、より好ましくは0.03〜0.3である。
(7)エピクロロヒドリン系ゴム100重量部に対する低分子量エピクロロヒドリン系重合体の混合量が20〜100重量部の範囲である。
(8)導電性ゴム組成物の加硫物の体積固有抵抗値が10〜1010Ω・cm、より好ましくは10〜10Ω・cmの範囲である。

Claims (2)

  1. エピクロロヒドリン系ゴム100重量部に、トルエン溶液での還元粘度(ηsp/C)が0.01〜0.5である低分子量エピクロロヒドリン系重合体10〜150重量部を混合してなることを特徴とする電子写真装置用導電性ゴム組成物。
  2. 請求項1記載のゴム組成物の加硫物よりなる導電性ゴムロール。
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