JP2003213028A - 導電性ローラ用ポリマー組成物及び該組成物を用いた導電性ローラ - Google Patents
導電性ローラ用ポリマー組成物及び該組成物を用いた導電性ローラInfo
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Abstract
くすることができると共に、圧縮永久歪みの低減を実現
でき、加硫阻害の問題もなく成形した発泡体の強度や表
面状態も良好であり導電性ローラの生産性を向上できる
ポリマー組成物を得る。 【解決手段】 エピクロルヒドリン−エチレンオキサイ
ド−アリルグリシジルエーテル共重合体等のエピクロル
ヒドリン系重合体に代表される炭素−炭素間の二重結合
及びハロゲンを有するポリマーを主成分とするポリマー
組成物に、化学発泡剤と共に、架橋剤として硫黄及びエ
チレンチオウレア等のチオウレア類を配合する。
Description
リマー組成物及び該組成物を用いた導電性ローラに関
し、詳しくは、コピ−機、プリンター等のOA機器にお
ける電子写真装置の導電性機構に使用される転写ロー
ラ、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ等の導
電性ローラの発泡状態や生産性を改良するものである。
ーラ、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ等の
導電性ローラには、その用途に応じて導電性、非汚染
性、低硬度及び寸法安定性等の種々の性能が要求されて
いる。また、生産性や各種物性の点より、種々の架橋
(加硫)系が提案されており、有機過酸化物配合系、チ
オウレア類を用いた系、あるいは硫黄系等が挙げられ
る。例えば、加硫速度が速く、良好な物性を得やすいと
いう点では、硫黄加硫系が使用されている。
号では、ニトリルゴムとエピクロルヒドリン系ゴムのブ
レンドゴムに加硫剤として、硫黄系加硫剤、トリアジン
系化合物及び2,3−ジメルカプトキノキサリン化合物
よりなる群から選ばれる2種以上が配合された加硫性ゴ
ム組成物が開示されている。
クロルヒドリンゴムに特定の老化防止剤及び2−メルカ
プトイミダゾリン(エチレンチオウレア)を含有する抵
抗調整層を有する導電性ローラが開示されている。
発揮するためには、ある程度ニップ幅を大きくする必要
がある。ニップ幅を大きくするために、従来において
は、導電性ローラ用のゴム組成物にジブチルフタレート
(DBP)やジオクチルフタレート(DOP)、トリク
レジルフォスフェート等の可塑剤を使用したり、または
発泡剤を尿素系の発泡助剤等と共に用いて発泡体として
低硬度化することが提案されている。
000―212330号に記載の加硫性ゴム組成物で
は、塩素を分子内に持たないニトリルゴム(NBR)と
エパハロヒドリンゴムを20/80〜80/20の重量
比でブレンドしているため、硫黄及び硫黄加硫用促進剤
でしか架橋されないNBRの架橋密度が下がり、感光体
が汚染されるという問題がある。これは、エパハロヒド
リンゴムの方にも硫黄及び硫黄加硫用促進剤が分配さ
れ、そこで消費されてしまうためである。また、これを
防ぐために硫黄及び硫黄加硫用促進剤を増量するとブル
ームを生じる恐れがある。さらに、感光体汚染を生じな
いように必要以上に架橋密度が上がると、電気抵抗値が
高くなる傾向が生じるという問題もある。さらに、硫黄
加硫系単独では、充填剤が少ない場合に缶加硫を試みる
と、熱による変形のために、加硫前に受け型にセットす
ることが必要となる場合があり、セットの手間や設備費
のためにコストが上昇し生産性が悪くなる問題がある。
た硫黄を配合せず、チオウレア類のみを用いた架橋系で
は、架橋反応が遅いため、生産性が悪くなるという問題
がある。また、チオウレア類の架橋系のみで、生産性を
上げようとチオウレア類あるいは促進剤を大幅に増量す
るとブルーム或は感光体汚染の問題が生じ易くなってし
まい、場合によっては、混練機内や押し出し機内でゴム
やけが起こってしまう可能性もある。
うな可塑剤を使用した場合には、可塑剤がローラ表面に
析出して感光体を汚染するという問題がある。また、発
泡剤を用いて発泡体とした場合でも、尿素系の発泡助剤
を用いると加硫阻害を起こすという問題があり、加硫速
度が低下し生産性が悪くなったり、発泡体強度が低下す
るという問題がある。
系の加硫が行われているが、硫黄系の加硫では、尿素系
の発泡助剤を用いなくともスコーチタイムが長くなった
り、いくらかの加硫阻害を引き起こすという問題が生じ
ている。特に、加圧水蒸気等を用いて缶加硫を行った場
合には、型崩れが起こり、発泡チューブの内面、外面が
荒れたり、長手方向に反りが発生し、良好な発泡体チュ
ーブが得られなかったり、製造不良が起こりやすいとい
う問題がある。
ものであり、ブルームの発生を抑制しながら加硫速度を
速くすることができると共に、圧縮永久歪みの低減を実
現でき、加硫阻害の問題もなく成形した発泡体の強度や
表面状態も良好で、生産性にも優れた導電性ローラ用ポ
リマー組成物及び導電性ローラを提供することを課題と
している。
め、本発明は、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを
有するポリマーを主成分とし、化学発泡剤、硫黄及びチ
オウレア類を含むことを特徴とする導電性ローラ用ポリ
マー組成物を提供している。
は、炭素−炭素間の二重結合(C=C)及びハロゲンを
有するポリマーを主成分として含むと共に、化学発泡剤
と硫黄及びチオウレア類を含んでいるので、硫黄及びチ
オウレア類が、1つのポリマーに別々の反応機構で互い
に妨げ合うことなく独立に働き得る。このため、チオウ
レア類の加硫系により低圧縮永久歪みを実現できるると
共に、硫黄加硫系により加硫速度を速くすることがで
き、生産性を向上することができる上に、加硫阻害の問
題もなく良好な発泡状態を得ることができ、ニップ幅を
大きくすることができる。
類を併用することで、従来生じていた発泡剤による加硫
阻害を低減することができ、それによって硫黄系のみで
発泡剤を用いない場合に匹敵する非常に速い加硫速度と
加硫効率を実現することができる。また、硫黄とチオウ
レアの量を適宜調整しながら併用することにより、感光
体汚染やブルームを抑制しながら、電気抵抗値や圧縮永
久歪みの低減と加硫速度の向上とを効率良く両立するこ
とができる。さらに、加硫チューブの表面も良好である
上に、缶加硫で製造した時に生じる型崩れやそれを原因
とする製造不良も防止でき、生産性を向上することがで
きる。さらには、セル径を均一に、しかも微小にするこ
とができるため、高強度で非常に良好な発泡形状を示す
導電性ローラを得ることができる。
ンを有するポリマーを主成分としているため、硫黄及び
チオウレア類と共に用いると、チオウレア類は主として
塩素等のハロゲンと、またC=Cは主として硫黄と反応
するため、両ポイントで効果的に架橋することができ、
ブルームや感光体汚染を生じることなく、加硫速度を速
めることができる上に、低電気抵抗も実現しやすくする
ことができる。
を有するポリマーとしては、イオン導電性を有するもの
が良く、エピクロルヒドリン系重合体が好ましく、特
に、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリル
グリシジルエーテル共重合体を用いるのが好ましい。こ
れにより、低圧縮永久歪み等の性能を維持しながら、低
電気抵抗を実現することができる。上記エピクロルヒド
リン系重合体としては、上記したエピクロルヒドリン−
エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合
体の他、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテ
ル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイ
ド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒ
ドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−
アリルグリシジルエーテル共重合体等が挙げられる。中
でも、エチレンオキサイド含量が高いエピクロルヒドリ
ン系重合体が好ましく、速い加硫速度を維持したまま、
体積固有抵抗値の低い導電性ローラ用ポリマー組成物を
提供することができる。エピクロルヒドリン系重合体中
のエチレンオキサイド含量としては55mol%以上9
5mol%以下であるのが好ましい。
を有するポリマーは、1種又は複数種を適宜選択して用
いることができる。上記以外にも、クロロプレンゴム
(CR)、塩素化天然ゴム等が挙げられ、特に、クロロ
プレンゴムが好ましい。
は、上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有する
ポリマー以外に、他のポリマー成分を1種又は2種以上
適宜混合することもできる。他のポリマー成分を混合す
る場合、上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有
するポリマーは、全ポリマー成分中50重量%以上、好
ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%
以上であるのが良い。なお、他のポリマー成分として
は、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリ
ルグリシジルエーテル共重合体、アクリロニトリルブタ
ジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピ
レンジエン共重合体、エピクロルヒドリン単独共重合
体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合
体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド共重合体等が挙げられる。
オウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレ
ア、及び(CnH2n+1NH)2C=S (n=1〜
10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択
される1種又は複数種のチオウレアを用いていることが
好ましい。上記チオウレアは、架橋剤としての反応性を
向上することができ、特にエピクロルヒドリン系重合体
との組み合わせにおいて有効である。さらに、本発明で
用いるチオウレアは、テトラメチルチオウレア、トリメ
チルチオウレア、エチレンチオウレア、あるいは、上記
化学式中のnの範囲をn=1〜5、さらにはn=1〜4
としたものが良い。上記チオウレア類はnの値が小さく
なるにつれて、架橋剤としての反応性が向上する。
ることが好ましく、中でも4,4−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)であるのが好ましい。これに
より、セル径のばらつきを少なくすることができると共
に、均一に分布させて硬度のばらつきが少ない導電性発
泡層を得ることができる。ヒドラジン誘導体としては、
その他、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスル
ホニルヒドラジド等が挙げられる。
量部以下、好ましくは1重量部以上15重量部以下の割
合で配合しているのが良い。上記範囲としているのは、
0.5重量部より少ないと発泡が充分に起こらず硬度が
高くなりやすいためであり、20重量部より多いとコス
トが高くなる、あるいは発泡剤やゴム種によってはブル
ームや感光体汚染が生じやすくなるためである。特に、
4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
を用いる場合には2重量部以上10重量部以下が好まし
い。
オウレア類を合計0.0009mol以上0.0800
mol以下、好ましくは0.0015mol以上0.0
400mol以下の割合で配合しているのが良い。上記
チオウレア類を上記範囲で配合することにより、加硫を
タイトにして、ブルームや感光体汚染を起こりにくくす
ることができると共に、ポリマーの分子運動をあまり妨
げないため、より低い電気抵抗を実現すると共に、圧縮
永久ひずみ等の力学的物性にも優れた非常に高性能な導
電性ローラ用ポリマー組成物とすることができる。ま
た、チオウレア類の添加量を増やし架橋密度を上げるほ
ど電気抵抗値を下げることができる。上記範囲としてい
るのは、0.0009molより少ないと圧縮永久ひず
みを改善しにくい、あるいは電気抵抗値を下げにくい、
あるいは発泡剤による加硫阻害や缶加硫における型崩れ
や製造不良を防止しにくいためである。一方、0.08
00molより多いと組成物表面からチオウレア類がブ
ルームし感光体を汚染したり、破断伸び等の機械的物性
が極度に悪化しやすいためである。なお、全ポリマー成
分とは、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有する
ポリマーと他のポリマー成分とを合わせた全てのポリマ
ー成分を指す。
して、上記硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下、
好ましくは0.2重量部以上2重量部以下の割合で配合
しているのが良い。上記範囲としているのは、0.1重
量部より小さいと組成物全体の加硫速度が遅くなり生産
性が悪くなりやすいためである。一方、5.0重量部よ
り大きいと圧縮永久ひずみが大きくなったり、硫黄や促
進剤がブルームしたりする可能性があるためである。
るため、それぞれの単独加硫系に比べスコーチタイムを
著しく低減することができ、特に、エピクロルヒドリン
系重合体等のイオン導電性ポリマーを用いた発泡体連続
加硫による製造を可能にすることができる。連続加硫に
よりゴムのロスが少なくなる上に、製造にかかる時間や
製造コスト等を削減することができる。また、発泡セル
の径を微細にすることができる。
マー組成物は、JIS K6300記載の未加硫ゴム物
理試験方法中のムーニースコーチ試験において130.
0℃±0.5℃におけるスコーチT5(分)の値が1.
5分以上20分以下であるのが好ましい。上記範囲とし
ているのは、1.5分より小さい場合には加硫が速すぎ
るため、押出機内で焼けてしまい、製造不能となってし
まうか又は混練から連続押し出しにもって行くまでに加
硫が徐々に進行し、同様にゴムやけが起こってしまうた
めである。一方、20分より大きい場合には、連続加硫
の工程において、初期にある程度の加硫を一気に進行さ
せ、コンベアやローラによる搬送に耐えられる様にする
ことができないからである。
行うことができ、たとえば、大量生産を行うには水蒸気
加圧下の加硫缶中で加硫するのが好ましい。また、2段
階プレス発泡等の手法でプレス加硫によって加硫しても
良く、必要に応じて二次加硫を行っても良い。
進剤を配合していることが好ましい。チオウレア類とグ
アニジン系促進剤を併用することにより、チオウレア類
の架橋反応が促進され、生産性を向上することができ
る。上記グアニジン系促進剤としては、ジ−オルト−ト
リルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−
オルト−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ
−オルト−トリルグアニジン塩等が挙げられる。また、
上記グアニジン系促進剤の配合量は、用いるグアニジン
系促進剤の種類等により適量を選択できるが、一般に、
全ポリマー成分100重量部に対し、0.1重量部以上
4.0重量部以下配合することが好ましい。グアニジン
系促進剤やチオウレア類の量を増やすと、架橋速度を改
善し、かつ架橋密度を上げることができる。
中には、鉛化合物を含まないことが好ましい。従来は、
四酸化三鉛等の鉛化合物を受酸剤や架橋反応時の活性剤
として頻繁に使用しているが、鉛化合物を含まない方
が、電気抵抗や圧縮永久ひずみ、感光体汚染等の物性値
を良くすることが可能となる。また、鉛化合物は作業性
や環境上の問題により、その使用形態や使用量により規
制を受けるため、この観点からも鉛化合物を含まないこ
とが好ましい。
化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下、好まし
くは0.5重量部以上15.0重量部以下、さらに好ま
しくは1.0重量部以上10.0重量部以下の割合で配
合しているのが良い。これにより、低体積固有抵抗を維
持しながら、圧縮永久ひずみを低減することができる。
上記範囲としているのは、0.1重量部より少ないと架
橋密度が上げられず圧縮永久ひずみが大きくなりやすい
上に、体積固有抵抗が高くなりやすいためである。一
方、20.0重量部より多く必要以上に配合しても効果
の上昇が望みにくく、コストが上昇するためである。
配合していることが好ましい。上記チオウレア類を粉体
でなく、マスターバッチとして配合することにより、チ
オウレア類を使用する際に作業者や環境への配慮を行う
ことが可能となり、作業性を向上することができる。ま
た、上記チオウレア類のマスターバッチはB練りで練り
時間を極端に短時間とした場合でも、チオウレア類をポ
リマー中に均一に分散することが可能であり、混練加工
性を大幅に向上することができる。このため、B練りを
ニーダーやバンバリー等の密閉式混練機で行っても、良
好な物性を得ることができる。
ンダーとしてアクリル系樹脂を用いたものであることが
好ましい。具体的には、エチレンメチルアクリレート等
の樹脂とのマスターバッチを作製して配合することが好
ましい。マスターバッチのバインダーとしては、その
他、塩素化ポリエチレンや熱可塑性のウレタン等がエピ
クロルヒドリン系重合体との相溶性が良好であることに
より好適に用いられる。また、チオウレア類とバインダ
ー樹脂との重量比は、チオウレア:バインダー樹脂が、
90:10〜60:40であるのが良い。
は、後述する方法により測定される圧縮永久歪みの値が
20%以下、好ましくは15%以下であるのが良い。こ
れは、20%より大きい場合には、現像ローラや帯電ロ
ーラ、転写ローラ等として用いた時の寸法変化が大きく
なりすぎて、画像形成プロセス系の耐久性や精度維持に
問題が生じ、実用に適さないためである。
成物には、電気抵抗値の環境依存性を改善する等の目的
で、カーボン等の電子導電性導電剤を、イオン導電性を
完全に損なわない範囲で添加してもよい。
は、JIS K6911に記載の体積固有抵抗値試験に
おいて、印加電圧1000Vで測定した体積固有抵抗値
が10 4.0[Ω・cm]以上1012.0[Ω・c
m]以下、好ましくは104.0[Ω・cm]以上10
9.5[Ω・cm]以下であるのが良い。このように低
電気抵抗とし適度な導電性を持たせることにより、転写
ローラ等の導電性ローラに好適に用いることができる。
く、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラメチルチウ
ラムモノスルフィドを組み合わせていることが好まし
い。なお、ジベンゾチアジルジスルフィドのかわりに2
−メルカプトベンゾチアゾール等を用いてもよい。特に
好適な、硫黄、加硫促進剤による加硫系としては、硫黄
/ジベンゾチアジルジスルフィド/テトラメチルチウラ
ムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5、あるい
は、硫黄/2−メルカプトベンゾチアゾール/テトラメ
チルチウラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5
の割合で配合された加硫系が挙げられる。これにより、
加硫時間が短くなる上に、効率良く共架橋でき、感光体
汚染を低減できるとともに、圧縮永久ひずみを低減する
ことができる。
は、ハイドロタルサイトを配合しても良く、ハイドロタ
ルサイトは、塩素系ポリマー100重量部に対して、1
重量部以上15重量部以下、好ましくは2重量部以上1
0重量部以下、さらに好ましくは2重量部以上6重量部
以下配合するのが良い。これにより、高い架橋効率が得
られると共に、感光体汚染を防止することができる。
成物には、老化防止剤を配合しても良く、老化防止剤は
全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以
上10重量部以下、好ましくは2重量部以上8重量部以
下、さらに好ましくは3重量部以上7重量部以下配合す
るのが良い。これにより、オゾン劣化を抑制できると共
に、ローラ表面の酸化劣化とそれによる抵抗上昇を抑え
て、連続通電後の抵抗変動が小さい導電性ローラを得る
ことができる。上記老化防止剤としては、2−メルカプ
トベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類、ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等の
フェノール類等が挙げられる。特に、アミン類のCD
(4,4’(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルア
ミン)、イミダゾール類のMB(2−メルカプトベンゾ
イミダゾール)やMBZ(2−メルカプトベンゾイミダ
ゾールの亜鉛塩)、フェノール類のNBC(ジブチルジ
チオカルバミン酸ニッケル)等が効果的である。これら
の内から1種類を選んで単独で使用しても良いが、2種
類または3種類を併用した方がブルームしにくいため好
ましい。
ポリマー組成物を用いることを特徴とする導電性ローラ
を提供している。本発明の導電性ローラ用ポリマー組成
物は、加硫速度が速く、圧縮永久歪みが小さく、ブルー
ムの発生もなく、成形した発泡体の強度や生産性にも優
れているので、これを用いて成形されてなる導電性ロー
ラは、現像ローラや転写ローラ、又は帯電ローラ等に好
適に用いることができる。特に、カラー複写機・カラー
プリンター用の転写ローラとして最適である。
性ローラは、その発泡セルの最大セル径が100μm以
下、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは75μ
m以下であるのが良い。これにより、高画質の良好な画
像を得ることができる。
き、例えば、上記導電性ローラ用ポリマー組成物(混練
物)を単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備
成形品を、缶加硫により160℃、10〜70分程度加
硫し、中空状の加硫チューブを成形した後、芯金を挿入
し表面を研磨した後、所要寸法にカットしてローラとす
る等の従来公知の種々の方法を用いることができる。
剤、架橋剤等の種類や配合比によって異なるが、加硫試
験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加
硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温度は必要に
応じて上記温度に上下して定めてもよい。なお、感光体
汚染と圧縮永久歪みを低減させるため、充分な加硫量を
得られる様に加硫温度、加硫時間等の条件を設定するこ
とが好ましい。
成物は、上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有
するポリマーを主成分とするポリマー、化学発泡剤、硫
黄、チオウレア類及び必要に応じて配合する各種配合剤
(加硫促進剤、充填剤、受酸剤、老化防止剤等)を溶融
混練して用いることが好ましい。溶融混練は通常の方法
によって行うことができ、例えば、オープンロール、密
閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用いて20℃〜1
30℃で2〜10分程度、混練りしている。
参照して説明する。本発明の導電性ローラ用ポリマー組
成物は、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有する
ポリマーとして、エチレンオキサイド(EO)/エピク
ロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(A
GE)の共重合比率が56モル%/40モル%/4モル
%であるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−ア
リルグリシジルエーテル共重合体(以下、GECOとも
称する)を100重量部用い、化学発泡剤、硫黄及びチ
オウレア類を含んでいる。
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を7.5重
量部、チオウレア類としてエチレンチオウレアを1.3
3重量部、グアニジン系促進剤であるジ−オルト−トリ
ルグアニジンを1.13重量部、粉末硫黄を0.5重量
部、加硫促進剤であるジベンゾチアジルジスルフィドを
0.5重量部、テトラメチルチウラムモノスルフィドを
0.17重量部、架橋助剤として酸化亜鉛を5重量部、
その他充填剤等を配合している。
びハロゲンを有するポリマー、化学発泡剤、硫黄、チオ
ウレア類及び必要に応じて各種配合剤を配合したポリマ
ー組成物を、密閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用
いて溶融混練している。該混練物を単軸押出機でチュー
ブ状に予備成形し、この予備成形品を加圧式水蒸気式加
硫缶に投入し、160℃、10〜70分加硫することに
より加硫ゴムチューブを得ている。この際、化学発泡剤
がガス化して発泡すると共に、ゴム成分の架橋も進行し
ている。上記のように加硫成形された円筒形状の導電性
加硫発泡体チューブの中空部に、ホットメルト接着剤を
塗布した金属製のシャフトからなる芯金を挿入して加
熱、接着し、表面を研磨した後、所要寸法にカットし
て、導電性ローラとしている。具体的には、図1に示す
ように、導電性ローラ1は、略円筒形状であり、その内
周には軸芯2が挿入されている。
ローラの圧縮永久歪みの低減を実現できると共に、架橋
速度を速くすることができ、導電性ローラの生産性を向
上することができる。また、感光体汚染やブルームの発
生も防ぐことができる上に、加硫阻害も防止することが
でき、発泡体としたローラ強度も良好なものとすること
ができる。
として上記導電性ローラ用ポリマー組成物より導電性ロ
ーラを作製したが、その他、現像ローラ、トナー供給ロ
ーラ、帯電ローラ等の導電性ローラを作製することもで
きる。また、缶加硫以外にも連続加硫、プレス加硫等に
より作製することもできる。
成物の実施例および比較例について詳述する。各々下記
の表1及び表2に記載の配合により、導電性発泡ローラ
を作製した。
重量部である。また、圧縮永久ひずみの単位は%であ
る。なお、略語GECOは、エピクロルヒドリン−エチ
レンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、
EOはエチレンオキサイド、EPはエピクロルヒドリ
ン、AGEはアリルグリシジルエーテルを表す。
表1に記載のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド
−アリルグリシジルエーテル共重合体(GECO)に、
実施例5は上記GECOとCR(クロロプレンゴム)と
の混合物(GECO:CR=60:40)に、化学発泡
剤、硫黄、加硫促進剤及びエチレンチオウレア、酸化亜
鉛(亜鉛華)とグアニジン系促進剤(ジ−オルト−トリ
ルグアニジン)を各々、表1に示す配合比にて混合し、
下記に示す方法により、本発明のポリマー組成物を用い
たローラを得た。実施例1〜3、5は押し出し+缶加硫
により製造し、実施例4は連続加硫により製造した。な
お、チオウレア類は、GECO100gに対して実施例
1、4では0.0130mol、実施例2では0.00
66mol、実施例3では0.0098mol、実施例
5ではGECO+CR100gに対して0.0130m
olとした。
5ではGECOに、比較例6ではGECO+CRとの混
合物(GECO:CR=60:40)に、化学発泡剤、
硫黄、加硫促進剤を表2に示す各配合比にて混合した
が、チオウレア類は配合しなかった。比較例2、4で
は、GECOに、チオウレア類を表2に示す各配合比に
て混合したが、硫黄は配合しなかった。比較例1〜4、
6は押し出し+缶加硫により製造し、比較例5は連続加
硫により製造した。
〜3、5および比較例1〜4、6について、各々上記し
た表1及び表2に記載の配合からなる材料を密閉式混練
機(DS10−40MWA−S(株)森山製作所製)に
より各配合量で混練した。上記混練機からリボン取りし
たポリマー組成物を押出機(φ60)に投入し、中空チ
ューブ状に押し出した。このゴムチューブを適切な長さ
にカットし、予備成形体を成形した。この予備成形体を
加圧式水蒸気式加硫缶に投入し、160℃、10〜70
分加硫することにより加硫ゴムチューブを得た。この
際、化学発泡剤がガス化して発泡すると共に、ゴム成分
の架橋も進行した。上記のように加硫成形された円筒形
状の導電性加硫発泡体チューブの中空部に、ホットメル
ト接着剤を塗布した金属製のシャフトからなる芯金を挿
入して加熱、接着し、表面を研磨した後、所要寸法にカ
ットして、シャフト径φ6mm、ロール外径φ12m
m、ロール長さ220mmの導電性発泡ローラを得た。
加硫条件はキュラストメーターのt90(分)のデータ
を参考に適宜調整し、充分な加硫量が得られる様にし
た。
5について、各々上記した表1及び表2に記載の配合を
混練した後、押出機により中空チューブ状に押し出し
た。この中空チューブを押出機から連続的に押し出して
連続加硫装置で加硫することにより加硫ゴムチューブを
得た。その後、上記同様に導電性発泡ローラを得た。具
体的には、リボン取りしたポリマー組成物を押し出し−
連続加硫ラインの押出機に投入し押出機から押し出し後
に、マイクロ波加硫(UHF)して加硫を進行させた後
に、熱風加硫(HAV)を行った。UHFは、5.0m
/分、3.5kWで、出口の材料表面温度は130℃〜
150℃に設定した。HAVは210℃の熱い空気によ
り加硫を行い、チューブ表面温度は170℃〜180℃
とした。HAVゾーンの合計は30mで、この連続加硫
時にゾーン間でガイドロールによりチューブを僅かに捻
ることにより、1/2回転以上回転させた。
例の導電性ローラ用ポリマー組成物を用いた導電性ロー
ラについて、下記の特性測定を行った。その結果を上記
表1及び表2の下段に示す。
未加硫のポリマー組成物を最適量サンプリングした後、
日合商事株式会社製キュラストメータV型VDRで、加
硫曲線を測定した。JIS規格の「振動式加硫試験機に
よる加硫試験」の「ダイ加硫試験A法」に従い、ゴム試
験片に破壊しない程度の低振幅(本発明では1°)の正
弦波振動を与え、試験片から上ダイスに伝わるトルクを
未加硫から過加硫に至るまで測定し,最適加硫時間の指
標となるtc(90)(90%トルク上昇点:t90)
[分]を計算し、各々比較した。さらに、上記測定で得
られた加硫曲線を図2、3に示す。図2、3によれば、
本発明により架橋効率が、通常予想される領域(比較例
1と比較例2の中間のトルク、あるいは、架橋速度)よ
りも、著しく上昇し、加硫速度も促進されていることが
わかる。
00の未加硫ゴム物理試験方法の、ムーニ−スコーチ試
験の記述に従って試験を行った。ただし、t5の測定
は、130.0℃±0.5℃で行った。
2「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測
定温度70℃、測定時間24時間で測定した。圧縮割合
は試験片の厚みの25%とした。なお、サンプルは、作
製した導電性ローラから幅10mmの中抜き円筒状発泡
体サンプルを採取し、これを測定した。この方法で測定
した圧縮永久ひずみの値が20%以下であることが好ま
しく、15%以下であるとローラとしての実用上さらに
好ましい。
で作製した各ローラを23℃、相対湿度55%の条件下
で1ヶ月放置した後に、ローラ表面にブルームが生じて
いないかどうかを目視で判断し、以下の様に評価した。 ○:ブルーム無し ×:ブルームあり
作製した各ローラの断面を倍率(×100)で写真に撮
り、セル径の最大径と最小径を調べた。この内、最大径
(μm)を示す。
態)上記の押し出し+缶加硫にて作製した発泡チューブ
について、押出し直後に270mmの長さに切って、そ
の後加硫した場合に、両端等が垂れており、実用に耐え
ないものを不可(×)、このような不具合が起こらず、
量産可能なものを良(○)とした。また、加硫チューブ
の表面状態については、上記のようにして、押出し+加
硫を行った場合に、特に内面について、荒れがひどく
て、手動によってもシャフトが挿入できないものを不可
(×)、自動挿入装置では挿入が困難だが手動では何と
か挿入できローラがかろうじて作製できそうなものを可
(△)、内面肌が良好で、自動挿入装置による挿入が可
能であったものを良(○)とした。なお、不可のものに
ついても、加硫時にチューブ受けを利用し、かつ270
mmより長い寸法でカットしたものを加硫する等の方法
で導電性ローラは作製しており、ローラとしての評価を
行った。
Oに、また、実施例5ではGECO+CRに、化学発泡
剤、硫黄及びエチレンチオウレアを、表1に示すように
規定の配合比にて配合しているため、t90が13分か
ら18分であり、加硫時間が適切であった。また、圧縮
永久ひずみは11%〜15%と適切な値であり、ブルー
ムの発生も全くなかった。さらに、最大セル径も非常に
小さい上に、加硫チューブの表面状態も良好であり、ス
コーチタイムも適度に短かった。
缶加硫時の型崩れも無く、缶加硫により良好な製品を製
造できた。連続加硫を行った実施例4はスコーチタイム
t5が適度に短いため、連続加硫によっても良好な製品
を製造できた。
6は、硫黄単独系であり、チオウレアを配合していない
ため、加硫阻害を起こし、缶加硫時に型崩れを起こす
か、加硫チューブ表面が荒れていた。また、セル径もや
や大きく、スコーチタイムが長かった。比較例3ではブ
ルームも発生した。比較例6では、加硫時間を長くする
必要があると共に、圧縮永久歪みも大きかった。
ニジン系促進剤を配合しているが、硫黄を配合していな
いため、加硫速度の指標となるt90が大きくなり、加
硫速度が遅く、加硫チューブの表面状態もやや荒れてお
り不適であった。
ジン系促進剤を配合している比較例4では、チオウレア
類の配合量を多くしたために加硫速度は速くなったが、
ブルームが発生した。また、加硫チューブの表面状態も
やや荒れていた。
が、スコーチタイムt5が21分と長いため連続加硫に
よる製造ができなかった。
によれば、炭素−炭素間の二重結合(C=C)及びハロ
ゲンを有するポリマーを主成分として含むと共に、化学
発泡剤と硫黄及びチオウレア類を含んでいる。このた
め、従来生じていた発泡剤による加硫阻害を低減するこ
とができ、それによって硫黄系のみで発泡剤を用いない
場合に匹敵する非常に速い加硫速度と加硫効率を実現す
ることができる。よって、良好な発泡状態を得ることが
でき、ニップ幅を大きくすることができる。
永久歪みを実現できると共に、硫黄加硫系により加硫速
度を速くすることができ、感光体汚染やブルームを抑制
しながら、電気抵抗値や圧縮永久歪みの低減と加硫速度
の向上とを効率良く両立することができる。
上に、缶加硫で製造した時に生じる型崩れやそれを原因
とする製造不良も防止でき、生産性を大きく向上するこ
とができる。さらには、セル径を均一に、しかも微小に
することができるため、高強度で非常に良好な発泡形状
を示す導電性ローラを得ることができる。
るため、それぞれの単独加硫系に比べスコーチタイムを
著しく低減することができ、特に、エピクロルヒドリン
系重合体を用いた発泡体の連続加硫による製造を可能に
することができる。よって、ゴムのロスが少なくなる上
に、製造にかかる時間及び人件費を削減できるため、製
造コストを削減することができる。また、発泡セルの径
を微細にすることもできる。
高画質化の技術の目覚しい現在において、その要求性能
に耐え得る現像ローラ、帯電ローラ、あるいはカラー複
写機・カラープリンター用転写ローラ等の導電性ローラ
を高品質に製造することができる。
ータによる加硫曲線を示す図である。
る加硫曲線を示す図である。
0)
Claims (6)
- 【請求項1】 炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを
有するポリマーを主成分とし、化学発泡剤、硫黄及びチ
オウレア類を含むことを特徴とする導電性ローラ用ポリ
マー組成物。 - 【請求項2】 上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲ
ンを有するポリマーとしてエピクロルヒドリン−エチレ
ンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ある
いは/及びクロロプレンゴムを用い、 上記チオウレア類として、テトラメチルチオウレア、ト
リメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(Cn
H2n+1NH)2C=S (n=1〜10の整数)で
示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は
複数種のチオウレアを用いている請求項1に記載の導電
性ローラ用ポリマー組成物。 - 【請求項3】 上記化学発泡剤がヒドラジン誘導体であ
る請求項1または請求項2に記載の導電性ローラ用ポリ
マー組成物。 - 【請求項4】 上記ヒドラジン誘導体が、4,4−オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である請求項
3に記載の導電性ローラ用ポリマー組成物。 - 【請求項5】 全ポリマー成分100gに対して、上記
チオウレア類を0.0009mol以上0.0800m
ol以下の割合で配合していると共に、 全ポリマー成分100重量部に対して、上記硫黄を0.
1重量部以上5.0重量部以下、上記化学発泡剤を0.
5重量部以上20重量部以下の割合で配合している請求
項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ローラ
用ポリマー組成物。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
記載の導電性ローラ用ポリマー組成物を用いてなること
を特徴とする導電性ローラ。
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