JP2011141322A - 導電性ゴムローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置で使用される導電性ゴムローラであって、感光体汚染や外観品質に悪影響を与えることのない、かつ、製造に当たって、分散性や製造工程での環境面が向上した導電性ゴムローラを提供する。
【解決手段】加硫、加硫発泡に必要な加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤を含むマスターバッチを用いて導電性ゴムローラの導電性ゴム層を形成する。その際にマスターバッチのベースポリマーとして、ML(1+4)100℃が20以上50以下であるのエピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体を使用する。
【選択図】なし
【解決手段】加硫、加硫発泡に必要な加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤を含むマスターバッチを用いて導電性ゴムローラの導電性ゴム層を形成する。その際にマスターバッチのベースポリマーとして、ML(1+4)100℃が20以上50以下であるのエピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体を使用する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において使用される帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ等の導電性ゴムローラに関する。
静電式複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等の電子写真装置には、導電性ゴムローラを始め、種々の導電性ゴム部品が使用されている。中でも導電性ゴムローラは、適度の弾性と体積固有抵抗値105Ω・cm乃至1010Ω・cmの中抵抗領域にあることが望まれている。そのため、ゴム層として、抵抗値のばらつきや印加電圧による抵抗値の変動が小さく、安定した抵抗値が得られるエピクロロヒドリンゴムやアクリロニトリルブタジエンゴムを使用したイオン導電性ゴムローラが広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このようなイオン導電性ゴムローラでは、異物や分散不良等による凹凸がある場合、導電性が阻害され、画像不良となることが多い。そのため、ゴムに配合される薬品は、異物が無く、均一に分散されていることが必要である。ゴムに添加される薬品の中の加硫剤、加硫促進剤、発泡剤等の加硫系・発泡系薬品については、分散性向上や粉の飛散防止といった環境面から、予めベースポリマーに予備分散したマスターバッチとして用いられることが多い(例えば、参考文献2)。
通常マスターバッチは、製造にあたり、50質量%乃至80質量%といった高濃度に薬品を予備分散するが、そのために予備分散する際の原料混合物の粘度が高くて、加工性が悪いことが多い。そこで、マスターバッチ製造に際して、軟化剤や可塑剤を使用し、適度な粘度に調整し、加工性を向上させている。しかし、このようにして作製したマスターバッチを用いた成形物では、低分子量の軟化剤や可塑剤の成形物からの染み出し、軟化剤、可塑剤中に薬品が凝集したまま残ってしまうという問題がある。
また、軟化剤や可塑剤を用いる代わりに、マスターバッチのベースポリマーとして、低粘度のものを用いることでもよいが、このベースポリマーがゴム層原料であるイオン導電性ゴムと相溶性が悪いと、硬化後に異物状になって表面性に影響することがある。
こうした問題は、薬品を微粉末にすることで品質の問題はある程度解消できるが、薬品を分散する際に薬品が飛散してしまい製造工程の環境面に悪影響を及ぼしてしまう問題がある。
本発明は、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において使用される導電性ゴムローラであって、感光体汚染や外観品質への悪影響のない、分散性や製造工程での環境面が向上した導電性ゴムローラを提供することを課題とする
本発明は、少なくとも軸芯体及び導電性ゴム層からなり、画層形成装置に使用される導電性ゴムローラであって、該導電性ゴム層の主原料であるゴムがイオン導電性ゴムであり、かつ、該導電性ゴム層が、該主原料のゴムの加硫あるいは加硫発泡に必要な加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤の少なくとも一つが、ベースポリマーとして100℃で測定したムーニー粘度ML(1+4)100℃が20以上50以下であるエピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体を用いたマスターバッチを使用して、形成されていることを特徴とする導電性ゴムローラである。
また、本発明は、前記エピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体のエチレンオキサイド含量が、56モル%以上75モル%以下であることを特徴とする導電性ゴムローラである。
さらに、本発明は、前記マスターバッチが、さらにステアリン酸又はステアリン酸亜鉛をベースポリマー100質量部に対し1質量部以上5質量部以下で含有することを特徴とする導電性ゴムローラである。
本発明に係る導電性ゴムローラは、感光体汚染や外観品質への悪影響なく、その製造においては、分散性や製造工程での環境面が向上している。また、画像形成装置において、帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ等に使用したときは、感光体への汚染がないために、良好な画像が得られる。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明に係る導電性ゴムローラは、少なくとも軸芯体及び導電性ゴム層を有するものであり、必要により、さらに表面層が設けられていてもよい。また、該導電性ゴム層は、その主原料であるゴムがイオン導電性ゴムであり、必要により、導電剤が添加されていてもよい。
そして、導電性ゴム層形成に当たり、主原料ゴムの加硫或いは加硫発泡に必要な加硫剤、加硫促進剤あるいは発泡剤をマスターバッチとして用いる。ここで、マスターバッチのベースポリマーとして、イオン導電性ゴムである、エピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体(以下、「ECH三元共重合体」という)を使用する。そして、該ベースポリマーの100℃でのムーニー粘度ML(1+4)100℃が20以上50以下であることが肝要である。なお、以下において、エピクロロヒドリン、エチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル及びプロピレンオキサイドを、それぞれ、ECH、EO、AGE、POと略すことがある。
(イオン導電性ゴム)
本発明において、導電性ゴム層の主原料のゴムとしてイオン導電性ゴムを用いる。該イオン導電性ゴムは、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びヒドリンゴムを単独で、或いは混合したものである。NBRとヒドリンゴムは相溶性が高いので、ブレンドした場合均一に分散し、抵抗ばらつきの小さいゴム材料として有利である。
本発明において、導電性ゴム層の主原料のゴムとしてイオン導電性ゴムを用いる。該イオン導電性ゴムは、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びヒドリンゴムを単独で、或いは混合したものである。NBRとヒドリンゴムは相溶性が高いので、ブレンドした場合均一に分散し、抵抗ばらつきの小さいゴム材料として有利である。
ここで用いるNBRとしては、アクリロニトリル含量が10質量%以上20質量%以下のものが好適であり、18質量%以下のものが好ましい。なお、アクリロニトリル含量が20質量%よりも多い場合環境依存性が高くなり、また、10質量%に満たない場合は抵抗が高くなり易くて、いずれも好ましくない。
ヒドリンゴムとして、ECH-AGE二元共重合体、ECH三元共重合体又はそれらの混合物が好ましい。ECH三元共重合体としては、EO含量が40モル%以上、好ましくは48モル%以上であり、90モル%以下であるものが好ましい。EO含量が40モル%未満のものでは、所定の抵抗を得るためにNBRにブレンドするECH三元共重合体が多くなってしまい、環境依存性を高くしてしまう。また、EO含量が90モル%を超える場合には、EO連鎖部で結晶化し易く、抵抗及び環境依存性が共に高くなり易い。また、ヒドリンゴムの一部として、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体(EO/PO/AGE三元共重合体)を用いてもよい。
EO/PO/AGE三元共重合体は、共重合比率が(EO+PO)<90モル%で、かつ(PO+AGE)<20モル%であるものが好ましい。(EO+PO)が90モル%を超えると、結晶性が増大して電気伝導が阻害され、体積固有抵抗値も増加する。(EO+PO)が増すとそれに応じて共重合するAGEが減少するので、AGEに由来する架橋サイトが不足し、架橋による3次元構造が形成されにくく、部材表面へブリードして、被帯電部材を汚染させてしまうことが多くなる。
(加硫剤・加硫促進剤・発泡剤)
本発明で使用する加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤としては、特に限定されず、公知の物を用いることができる。本発明では、目的とする特性に応じ、これら加硫、加硫発泡に用いる薬剤のうち少なくとも一つをマスターバッチとして使用する。特に加硫剤、加硫促進剤については、上記のイオン導電性ゴムと共に使用して硫黄加硫できるものを使用することがより好ましい。
本発明で使用する加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤としては、特に限定されず、公知の物を用いることができる。本発明では、目的とする特性に応じ、これら加硫、加硫発泡に用いる薬剤のうち少なくとも一つをマスターバッチとして使用する。特に加硫剤、加硫促進剤については、上記のイオン導電性ゴムと共に使用して硫黄加硫できるものを使用することがより好ましい。
(マスターバッチ)
本発明では、マスターバッチとして、上記加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤(以下、単に「薬品」という)をべースポリマーに分散させて用いる。そして、該ベースポリマーとして、100℃で測定したムーニー粘度ML(1+4)100℃が20以上50以下である、ECH三元共重合体を用いる。そして、可塑剤や液状ポリマーを含有させると部材表面からブリードし、感光体を汚染させてしまう問題があるので、該マスターバッチには、可塑剤や液状ポリマーは使用しない。ここで、マスターバッチに含まれる薬品の濃度として、特に限定はされないが、50質量%乃至80質量%とすることが好ましい。すなわち、50質量%未満でもかまわないが、50質量%未満ではマスターバッチの添加量を多くする必要があり、ベースポリマーの影響が大きくなるので好ましくない。また、80質量%超では、薬品をマスターバッチとすることが困難に易なりやすく望ましくない。
本発明では、マスターバッチとして、上記加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤(以下、単に「薬品」という)をべースポリマーに分散させて用いる。そして、該ベースポリマーとして、100℃で測定したムーニー粘度ML(1+4)100℃が20以上50以下である、ECH三元共重合体を用いる。そして、可塑剤や液状ポリマーを含有させると部材表面からブリードし、感光体を汚染させてしまう問題があるので、該マスターバッチには、可塑剤や液状ポリマーは使用しない。ここで、マスターバッチに含まれる薬品の濃度として、特に限定はされないが、50質量%乃至80質量%とすることが好ましい。すなわち、50質量%未満でもかまわないが、50質量%未満ではマスターバッチの添加量を多くする必要があり、ベースポリマーの影響が大きくなるので好ましくない。また、80質量%超では、薬品をマスターバッチとすることが困難に易なりやすく望ましくない。
(ベースポリマー)
本発明では、マスターバッチのベースポリマーとして、ML(1+4)100℃が20以上50以下であるECH三元共重合体を用いる。該ECH三元共重合体のML(1+4)100℃が50超では、ロール加工性が悪化し、高濃度のマスターバッチの製造が困難になり、加工性向上のためには、可塑剤や液状ポリマーが必要となってくる。一方、ML(1+4)100℃が20未満では、ベースポリマーの分子量が小さすぎ、部材表面からブリードして、感光体を汚染させてしまう問題があり、かつ、薬品の分散性も悪化する。また、ベースポリマーのECH三元共重合体のML(1+4)100℃が20未満にするためには、可塑剤や粘度の小さい液状ポリマーなど低分子量成分を含有させる必要があり、ベースポリマー単独では実現することが困難である。よって、ベースポリマーとして用いるECH三元共重合体のML(1+4)100℃は20以上50以下であることが好ましい。
本発明では、マスターバッチのベースポリマーとして、ML(1+4)100℃が20以上50以下であるECH三元共重合体を用いる。該ECH三元共重合体のML(1+4)100℃が50超では、ロール加工性が悪化し、高濃度のマスターバッチの製造が困難になり、加工性向上のためには、可塑剤や液状ポリマーが必要となってくる。一方、ML(1+4)100℃が20未満では、ベースポリマーの分子量が小さすぎ、部材表面からブリードして、感光体を汚染させてしまう問題があり、かつ、薬品の分散性も悪化する。また、ベースポリマーのECH三元共重合体のML(1+4)100℃が20未満にするためには、可塑剤や粘度の小さい液状ポリマーなど低分子量成分を含有させる必要があり、ベースポリマー単独では実現することが困難である。よって、ベースポリマーとして用いるECH三元共重合体のML(1+4)100℃は20以上50以下であることが好ましい。
ベースポリマーに予め薬品を分散させることで、導電性ゴムローラを作製する際、ロール作業においての分散性や製造工程での環境面が向上し、感光体汚染や外観品質に悪影響を与えること無い導電性ゴムローラが得られるのである。
なお、ここで用いるECH三元共重合体は、EO含量が56モル%以上75モル%以下であることが好ましい。ベースポリマーとして用いるECH三元共重合体のEO含量がこの範囲であると、上記導電性ゴム層の主原料であるイオン導電性ゴムとの相溶性が良く、均一に分散でき、かつ、イオン導電性ゴムとの共架橋にも優れる。
EO含量が56モル%未満では、イオン導電性が低く、導電性ゴム層に分散したときに導電性を阻害してしまう恐れがあり、75モル%を超えると結晶化してしまい、ロール加工性が悪化する。よって、EO含量は56モル%以上かつ75モル%以下であることが好ましい。
本発明で使用するマスターバッチは、その形状については特に限定されないが、スラブ状やペレット状のものが適当であり、加工方法や計量方法に合わせ、適宜形状は選択される。
また、マスターバッチの製造方法についても、特に限定されないが、通常、オープンロールによる混練りが一般的であり、密閉した形状の混練り機を用いても差支えない。
本発明では、マスターバッチにステアリン酸或いはステアリン酸亜鉛をベースポリマー100質量部に対し1質量部以上5質量部以下で含有させてもよい。ステアリン酸やステアリン酸亜鉛は、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤といった薬品の分散性を向上させることができる。しかしながら、5質量部を超えて含有すると、部材表面にブリードする恐れがあるので、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。なお、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛は少なくとも1質量部あると、薬品の分散性を向上させることが可能となる。
本発明で用いるマスターバッチは、加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤のうち少なくとも一つの薬品を含むものであり、その使用に当たっては、導電性ゴム層の製造に必要なマスターバッチを適宜組み合わせて用いる。
導電性ゴムローラは、上記したマスターバッチを他の必要原料と共に主原料であるイオン導電性ゴムに配し、混練した導電性ゴム層原料組成物を加硫或いは加硫発泡して、軸芯体の外周に導電性ゴム層を設けることにより製造される。なお、軸芯体の外周への導電性ゴム層を設ける方法としては、以下のような方法がある。まず、ゴム層原料をチューブ状に押出し、次いで温風、赤外線、マイクロ波等の加硫、加硫発泡によりチューブを形成し、そのチューブを所定長さに切断した後、軸芯体を挿入し、最後に必要により、ローラ外形を研削して外形を整える。次に、ゴム層原料を軸芯体と共に押し出し、軸芯体の外周にゴム層原料の層を設け、該原料の層を所定の長さにトリミングした後、温風、赤外線、マイクロ波等の加硫、加硫発泡して、ゴム層を形成し、次いで、必要により、ローラ外形を研削して外形を整える。さらに、軸芯体を内蔵するローラ金型にゴム原料を注入し、金型内でゴム原料を加硫、加硫発泡し、ゴム層を形成する。
本発明では、必ずしも必要でないが、導電性ゴム層は紫外線、電子線等により照射されて表面処理されていてもよく、また、表面形状や表面性状を整えるために、表面層が設けられていてもよい。
本発明の導電性ゴムローラは、製造において、分散性や製造工程での環境面が向上しており、画像形成装置の、帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ等の導電性ゴムローラとして、感光体汚染や外観品質への悪影響がないので、有用である。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、以下の実施例・比較例で用いた原料を示す。なお、ここで示した以外の原料は試薬グレードのものを用いた。
(マスターバッチ用原料)
ベースポリマー
・ECH−1:ECH三元共重合体「Hydrin T3108」[商品名、EO含量64モル%、ML(1+4)100℃=45、日本ゼオン株式会社製]
・ECH−2:ECH三元共重合体「EPION 301」[商品名、EO含量73モル%、ML(1+4)100℃=60、ダイソー株式会社製]
・ECH−3:ECH三元共重合体「Hydrin T3106」[商品名、EO含量56モル%、ML(1+4)100℃=60、日本ゼオン株式会社製]
・液状NBR:NBR「Nipol 1312」[商品名、日本ゼオン株式会社製]
助剤
・ステアリン酸:「ステアリン酸つばき」[商品名、日油株式会社製]
・ステアリン酸亜鉛:「ジンクステアレート」[商品名、日油株式会社製]
加硫剤
・硫黄:硫黄「サルファックスPMC」[商品名、鶴見化学工業株式会社製]
加硫促進剤
・DM:ジベンゾチアジルジスルフィド「ノクセラーDM」[商品名、大内新興化学工業株式会社製]
・TET:テトラエチルチウラムジスルフィド「ノクセラーTET」[商品名、大内新興化学工業株式会社製]
発泡剤
・OBSH:p.p’−オキシビススルホニルヒドラジド「ネオセルボンN #1000S」[商品名、永和化成株式会社製]
ベースポリマー
・ECH−1:ECH三元共重合体「Hydrin T3108」[商品名、EO含量64モル%、ML(1+4)100℃=45、日本ゼオン株式会社製]
・ECH−2:ECH三元共重合体「EPION 301」[商品名、EO含量73モル%、ML(1+4)100℃=60、ダイソー株式会社製]
・ECH−3:ECH三元共重合体「Hydrin T3106」[商品名、EO含量56モル%、ML(1+4)100℃=60、日本ゼオン株式会社製]
・液状NBR:NBR「Nipol 1312」[商品名、日本ゼオン株式会社製]
助剤
・ステアリン酸:「ステアリン酸つばき」[商品名、日油株式会社製]
・ステアリン酸亜鉛:「ジンクステアレート」[商品名、日油株式会社製]
加硫剤
・硫黄:硫黄「サルファックスPMC」[商品名、鶴見化学工業株式会社製]
加硫促進剤
・DM:ジベンゾチアジルジスルフィド「ノクセラーDM」[商品名、大内新興化学工業株式会社製]
・TET:テトラエチルチウラムジスルフィド「ノクセラーTET」[商品名、大内新興化学工業株式会社製]
発泡剤
・OBSH:p.p’−オキシビススルホニルヒドラジド「ネオセルボンN #1000S」[商品名、永和化成株式会社製]
(導電性ゴム層原料)
イオン導電性ゴム
・NBR:NBR「NipolDN401LL」[商品名、アクリロニトリル含量18質量%、日本ゼオン株式会社製]
・ヒドリンゴム:マスターバッチ用ベースポリマーECH−2
充填剤
・カーボンブラック:「旭カーボンブラック 旭#35」[商品名、旭カーボン株式会社製]
イオン導電性ゴム
・NBR:NBR「NipolDN401LL」[商品名、アクリロニトリル含量18質量%、日本ゼオン株式会社製]
・ヒドリンゴム:マスターバッチ用ベースポリマーECH−2
充填剤
・カーボンブラック:「旭カーボンブラック 旭#35」[商品名、旭カーボン株式会社製]
参考例1乃至11(マスターバッチの製造)
マスターバッチ用原料を、表1に示す量で、オープンロールを用いて分散混合し、次いで、ペッレト化して、それぞれ、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤の濃度が74質量%乃至75質量%であるマスターバッチを作製した。
マスターバッチ用原料を、表1に示す量で、オープンロールを用いて分散混合し、次いで、ペッレト化して、それぞれ、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤の濃度が74質量%乃至75質量%であるマスターバッチを作製した。
〔ロール加工性〕
このオープンロールによる分散処理に際し、ベースポリマーがロールへの巻きつき状態を観察し、巻きつきが良好であったものを“○”、巻きつきが不良であったものを“×”とし、表1に示した。
このオープンロールによる分散処理に際し、ベースポリマーがロールへの巻きつき状態を観察し、巻きつきが良好であったものを“○”、巻きつきが不良であったものを“×”とし、表1に示した。
〔ベースポリマーのムーニー粘度ML(1+4)100℃〕
ベースポリマーとして用いたECH三元共重合体のムーニー粘度は、JIS K6300−1:2001(未加硫ゴム−物理特性−第1部)に準じて、L型ロータを用い、100℃で測定した。
ベースポリマーとして用いたECH三元共重合体のムーニー粘度は、JIS K6300−1:2001(未加硫ゴム−物理特性−第1部)に準じて、L型ロータを用い、100℃で測定した。
実施例1
主ゴム原料としてNBR30質量部とヒドリンゴム70質量部、充填剤としてカーボンブラック20質量部、およびステアリン酸亜鉛5質量部をオープンロールで混練りして、導電性ゴム材料を得た。次に、参考例1乃至3で作製したマスターバッチをそれぞれ2質量部を入れ、さらにオープンロールで混練りし、未加硫の導電性ゴム層原料を得た。この未加硫の導電性ゴム層原料を、押出機にてチューブ状に押出し、未加硫のチューブを得た。この後、連続加硫炉で加硫を行い、加硫チューブを作製した。なお、加硫チューブの内径は4.8mmであり、外径は16mmであった。この後、加硫チューブを225mm長に切断し、その内径にφ6mm、長さ250mmの鉄製の軸芯体を挿入して、ローラ状の成形体を得た。最後に、この成形体を、外径がφ14mmとなるように研磨して、導電性ゴムローラを作製した。
主ゴム原料としてNBR30質量部とヒドリンゴム70質量部、充填剤としてカーボンブラック20質量部、およびステアリン酸亜鉛5質量部をオープンロールで混練りして、導電性ゴム材料を得た。次に、参考例1乃至3で作製したマスターバッチをそれぞれ2質量部を入れ、さらにオープンロールで混練りし、未加硫の導電性ゴム層原料を得た。この未加硫の導電性ゴム層原料を、押出機にてチューブ状に押出し、未加硫のチューブを得た。この後、連続加硫炉で加硫を行い、加硫チューブを作製した。なお、加硫チューブの内径は4.8mmであり、外径は16mmであった。この後、加硫チューブを225mm長に切断し、その内径にφ6mm、長さ250mmの鉄製の軸芯体を挿入して、ローラ状の成形体を得た。最後に、この成形体を、外径がφ14mmとなるように研磨して、導電性ゴムローラを作製した。
加硫剤等の薬品の分散性、得られた導電性ゴムローラを画像形成装置の感光体へ接触させたときの感光体の汚染状況を下記にて評価し、結果を表2に示した。
〔分散性〕
未加硫の導電性ゴム層原料を押出機で押し出した後に、押出機内のストレーナーに分散不良の薬品の粒子が残っているか否かを確認し、残っているものを“×”、残っていないものを“○”とした。なお、ストレーナーは#100(10μm×10μm)のステンレスメッシュを用いた。
未加硫の導電性ゴム層原料を押出機で押し出した後に、押出機内のストレーナーに分散不良の薬品の粒子が残っているか否かを確認し、残っているものを“×”、残っていないものを“○”とした。なお、ストレーナーは#100(10μm×10μm)のステンレスメッシュを用いた。
〔汚染〕
導電性ゴムローラをヒューレットパッカード製のレーザープリンター「レーザージェット4000N」(商品名)のカートリッジの電子写真感光体に接触させ、両端に1000gの荷重を加え、40℃/95%RHの環境下に一週間放置した。その後、荷重を外し、導電性ゴムローラを外す際に電子写真感光体の表面への張付きの有無、外した後に感光体表面の変色の有無を調べ、いずれも無いものを“○”、変色や張付きがあるものを“×”とした。
導電性ゴムローラをヒューレットパッカード製のレーザープリンター「レーザージェット4000N」(商品名)のカートリッジの電子写真感光体に接触させ、両端に1000gの荷重を加え、40℃/95%RHの環境下に一週間放置した。その後、荷重を外し、導電性ゴムローラを外す際に電子写真感光体の表面への張付きの有無、外した後に感光体表面の変色の有無を調べ、いずれも無いものを“○”、変色や張付きがあるものを“×”とした。
比較例1
マスターバッチとして、それぞれ参考例6〜8で作製したものを使用する外は、実施例1と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。また、実施例1と同様に、分散性、汚染を評価した結果を表2に示した。
マスターバッチとして、それぞれ参考例6〜8で作製したものを使用する外は、実施例1と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。また、実施例1と同様に、分散性、汚染を評価した結果を表2に示した。
比較例2
マスターバッチとして、それぞれ参考例9〜11で作製したものを使用する外は、実施例1と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。また、実施例1と同様に、分散性、汚染を評価した結果を表2に示した。
マスターバッチとして、それぞれ参考例9〜11で作製したものを使用する外は、実施例1と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。また、実施例1と同様に、分散性、汚染を評価した結果を表2に示した。
実施例2
実施例1の配合に、さらに参考例4で作製したマスターバッチを2質量部加え、以下、実施例1と同様にして、導電性ゴム層が発泡ゴムである導電性ゴムローラを作製し、実施例1と同様に評価した。
実施例1の配合に、さらに参考例4で作製したマスターバッチを2質量部加え、以下、実施例1と同様にして、導電性ゴム層が発泡ゴムである導電性ゴムローラを作製し、実施例1と同様に評価した。
実施例1で用いたマスターバッチのべースポリマーに比べ、比較例1で用いたベースポリマー方がのML(1+4)100℃が60と高く、ロール加工性が劣っていたので、導電性ゴム層用チューブ製造に当たり、分散性が悪く、メッシュに薬品の塊が残った。
比較例2では、液状NBRを使用して、粘度を調節し、ロール加工性を向上させて作製したマスターバッチを使用した。しかし、液状NBRを使用したため、薬品が凝集したまま残っており、導電性ゴム層用チューブ製造に当たり、分散性が悪かった。また、得られた導電性ゴムローラでは汚染も確認された。
本発明の導電性ゴムローラは、加硫に必要な加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤がベースポリマー、ML(1+4)100℃が20以上50以下であるECH三元共重合体に分散したマスターバッチを使用して製造されている。そのため、感光体汚染や外観品質に悪影響を与えることはなく、かつ、製造に当たっては、分散性や製造工程での環境面が向上したものとなる。
Claims (3)
- 少なくとも軸芯体及び導電性ゴム層からなり、画像形成装置に使用される導電性ゴムローラであって、
該導電性ゴム層が、
該導電性ゴム層の主原料であるゴムがイオン導電性ゴムであり、かつ、
該主原料のゴムの加硫あるいは加硫発泡に必要な加硫剤、加硫促進剤及び発泡剤の少なくとも一つが、ベースポリマーとして100℃で測定したムーニー粘度ML(1+4)100℃が20以上50以下であるエピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体を用いたマスターバッチを使用して、
形成されていることを特徴とする導電性ゴムローラ。 - 前記エピクロロヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの三元共重合体のエチレンオキサイドの含量が、56モル%以上75モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性ゴムローラ。
- 前記マスターバッチが、さらにステアリン酸又はステアリン酸亜鉛を、ベースポリマー100質量部に対し1質量部以上5質量部以下で含有することを特徴とする請求項1又は2記載の導電性ゴムローラ。
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2010
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