JP4067893B2 - トナー供給ロール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真装置における現像装置に用いられ、トナー担持体の表面に現像剤であるトナーを供給するためのスポンジゴムからなる弾性層を有するトナー供給ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置においては、一様に帯電した感光ドラムに露光して形成された静電潜像へトナーを乗せる機構において、種々の導電ロールが用いられている。
トナー供給ロールもその一つで、トナーボックスに収められたトナー粒子を現像ロールに供給する役割を担い、この際にトナー供給ロールと現像ロールとの間に挟まれたトナー粒子を破壊しないように、低硬度であることが要求される。また、一回の搬送で十分な量のトナー粒子を運ぶ必要があるため、セルが均一で、ある程度大きいことも必要とされる。またさらに、セルの大きさが不均一であると、搬送時のトナー量がばらつき、画像不良をもたらすという問題も生じる。
【0003】
上記トナー供給ロールとして、従来はウレタンフォームからなるロールが用いられてきたが、ウレタンフォームは材料費が高価であるため、加工方法を工夫しても製品単価を安くすることはできず、かつ、フォームが硬化するまでの時間にセルのばらつきが生じ、結果としてトナー供給量に多い少ないのばらつきをもたらし、画像不良を引き起こしてしまうという問題があった。
さらに、トナーにキャリアを含む2成分系では現像ロールと感光体が接触することはないので特に問題はないが、1成分のトナーを使用している機構では、現像ロールと感光体が接触するので、移行物質等がブリードすると現像ロールを介して感光体を汚染する可能性がある。特に、ウレタンの抵抗値調整に使用されている導電性付与剤はこの傾向が顕著であるため、改善が求められている。
【0004】
本出願人は、上記問題に対して、特開2002−105305号、特開2002−121376号において、導電付与剤を使用せず、ポリマー自体が導電性を有するエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等をブレンドした導電性ゴム組成物を提供している。
また、特開2002−30173号において、特定のエピクロルヒドリンゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムに、一定範囲内にて化学発泡剤と発泡剤を配合した導電性ゴム組成物を提供している。
さらに、特開平11−65269号において、特定のアクリロニトリルブタジエンゴム及び特定のエピクロルヒドリンゴムを一定割合で配合し、化学発泡剤を配合した導電性ゴム組成物を提供している。
その他、特開平11−190928号では、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、EPDM及び化学発泡剤を配合した導電性ゴム組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したイオン導電性ポリマーのエピクロルヒドリンゴムは、抵抗値を調整するために導電性付与剤を配合する必要はないため、感光体汚染の問題を発生しないが、架硫速度が遅く、発泡剤を配合しても発泡させにくい問題がある。よって、トナー供給ロールとして要求される低硬度とすること、および発泡させたセル径を程度の大きさとして、ばらつきが少ないものとすることには、容易に対応できない問題がある。
なお、上記特開2002−105305号、特開2002−121376号、特開2002−30173、特開平11−65269号及び特開平11−190928では、発泡剤の配合についての記載はあるが、トナー供給ロールとするに適した発泡倍率やセル径分布についての教示はない。
【0006】
また、エピクロルヒドリンゴムを使用する場合には、加硫反応時に塩化水素を発生し、加硫阻害や感光体汚染の原因となるため、酸化マグネシウムや四酸化三鉛等の受酸剤を使用して塩化水素を除去するが、酸化マグネシウムには分散が不良であるという問題があり、四酸化三鉛は重金属のためにその使用が制限されるという問題もある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、低硬度で、セルのばらつきが少なく、導電付与剤を使用することなく抵抗値を調整することができる非汚染性のトナー供給ロールを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電子写真方式による画像形成装置における現像装置に用いられ、かつ、トナー担持体の表面にトナーを供給するためのトナー供給ロールであって、
円筒形状のスポンジゴムからなる1層の弾性層と、該弾性層の中空部に圧入して取り付けられている円柱形状の芯金からなり、
上記弾性層のスポンジゴムは、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びEPDMからなる群から選ばれる少なくとも1種類のゴムと、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体をブレンドしたポリマーに、化学発泡剤及び発泡助剤を配合して得られた組成物から成形されてなり、かつ、
上記化学発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)および/または4,4 ' −オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、上記発泡助剤として尿素を配合する共に、上記化学発泡剤と上記発泡助剤の配合質量比(上記化学発泡剤:上記発泡助剤)が10:1〜2:1とされ、
上記スポンジゴムの発泡倍率を9倍以上13倍以下、セル径分布を350μm以上500μm以下としていることを特徴とするトナー供給ロールを提供している。
【0009】
このように、本発明では、イオン導電性ポリマーのエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体をブレンドしたポリマーを用いているため、ポリマー自体が導電性を有し、導電付与剤を使用することなく抵抗値を調整することができる。よって、移行物質等がブリードして現像ロールを介して感光体を汚染することがなく、非汚染性能を付与することができる。
【0010】
また、化学発泡剤及び発泡助剤を配合することにより、弾性層のスポンジゴムの発泡倍率を9倍以上13倍以下、セル径分布を350μm以上500μm以下となるように発泡しているため、トナー供給ロールに適した低硬度とし、かつ、セルのばらつきが少なく、均一な弾性を付与することができる。
上記発泡倍率は9倍未満であると、硬度が高くなり過ぎ、ニップが小さくなるためトナーを現像ロールへ供給することが困難となる一方、13倍を越えると、硬度が低くなり過ぎ、セルが大きくなりすぎ必要量以上のトナーが現像ロールへ供給されることとなる。
一方、セル径分布は350μmより小さいと、トナー量が少なくなり、500μmを越えるとトナー量が多くなり過ぎる。
【0011】
上記化学発泡剤としては、化学反応型の有機系発泡剤であるアゾジカルボンアミド(ADCA)、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)のいずれか一方、または両方を配合している。
また、発泡助剤として発泡温度を下げ、発泡を調節できることから尿素を用いている。
【0012】
上記ADCA及び/又はOBSH等からなる化学発泡剤の配合量は使用するポリマーの種類等に応じた適量とするが、上記ブレンドしたポリマー100重量部に対して、3重量部以上15重量部以下、より好ましくは4重量部以上10重量部以下である。
上記尿素からなる発泡助剤の配合量も使用するポリマーの種類等に応じて適切量とすることができるが、上記ブレンドしたポリマー100重量部に対して1重量部以上5重量部以下、より好ましくは2重量部以上4重量部以下である。
発泡剤と発泡助剤との配合比率を10:1〜2:1に調整すると、セル径分布が350μm以上500μm以下である発泡体が得られやすいため、該配合比率としている。
【0013】
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、実用性のある抵抗値で、圧縮永久ひずみが小さく、かつ、ローラとした時に寸法安定性の良いものが得ることができる理由から用いている。
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、エチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド(PO)/アリルグリシジルエーテル(AG)の共重合比率が、50モル%〜95モル%/1モル%〜49モル%/1モル%〜10モル%としている。
【0014】
上記したように、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にNBR、クロロプレンゴム、EPDMのうち、少なくとも1種を配合してブレンドしている。
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は加硫速度が遅く、EPDM及びクロロプレンゴムも加硫速度は遅いが、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体よりは加硫速度が速く、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)は加硫速度が速い。そのため、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を単独で使用するよりも、これらのポリマーを混合して使用する方が発泡させやすくなるためにブレンドしている。
【0015】
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にNBRを配合すると、抵抗値を調整できる利点がある。該アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)としては、高分子量NBRと液状NBRの混合物が、感光体汚染を防ぎ、かつ、ゴム組成物の物性を良好に保つことができるので、好適に用いられ、具体的には日本ゼオン社製ニッポールDN223があげられる。
【0016】
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にクロロプレンゴムを配合すると、抵抗を調整できる利点がある。該クロロプレンゴムとして、例えば、昭和電工デュポンのネオプレンWRTが用いられる。
【0017】
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にEPDMを配合すると、抵抗を調整できる利点がある。該EPDMとして、例えば、三井化学社製のEPT4045が用いられる。
【0018】
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム及びEPDMのうちの1種以上とエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体との配合割合は、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体とNBRをブレンドする場合、略同量でもよいが、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:NBRが95:5〜20:80の割合でブレンドすることが耐候性の点から好ましい。
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体とクロロプレンゴムをブレンドする場合も略同量でよいが、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:クロロプレンゴムが95:5〜5:95が、抵抗調整の理由から好ましい。
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体とEPDMをブレンドする場合も、略同量でよいが、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:EPDMを95:5〜5:95とすることが抵抗調整の点から好ましい。
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にNBR及びEPDMを配合する場合は、これら3種の配合割合は、目的とする抵抗値にもよるが、耐候性の観点から、EPDM:NBR:エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を30:5:65〜30:65:5とすることが好ましい。
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にNBR及びクロロプレンゴムを配合する場合は、これら3種の配合割合は、通電後の製品表面の酸化劣化を防止するために、できるだけクロロプレンゴムを用いて抵抗調整することがコストの点から有利である。
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にクロロプレンゴムおよびEPDMを配合する場合は、これら3種の配合割合は、EPDM:クロロプレンゴム:エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を30:5:65〜30:65:5とすることが好ましい。
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にNBR、クロロプレンゴムおよびEPDMを配合する場合は、これら4種の配合割合は、抵抗、通電特性、耐候性、コストのバランスを考慮して設定している。
【0019】
受酸剤としてハイドロタルサイトをエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に対し、1重量%以上5重量%以下配合していることが好ましい。
この理由は、1重量%よりも少ないと、加硫反応時に発生する塩化水素による加硫阻害および感光体汚染を防止する効果が生じないためである。一方、5重量%よりも多いと、硬度が上がるという問題があるためである。好ましくは2重量%以上4重量%以下である。
このように、受酸剤としてハイドロタルサイトを配合すると、加硫時に発生する塩素に起因する塩素イオンと、ハイドロタルサイトが反応するため加硫阻害や感光体汚染を防止することができる。また分散性にも優れるので、混練状態や加工等による物性への影響が少ないため好ましい。また受酸剤として酸化マグネシウムや四酸化三鉛などを使用した場合に生じる分散不良もなくすことができる。
【0020】
さらに、本発明のトナー供給ロールの組成物には、その他、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、炭酸カルシウム等の充填剤、老化防止剤等を必要に応じて適量を配合できる。
上記組成物は、その最適加硫時間を1分以上40分以下の範囲とすることが好ましい。これは、最適加硫時間が1分より小さいと、混練や押し出し等の工程でゴム焼けという問題があり、最適加硫時間が40分より大きいと、生産性が低下するという問題があるためである。
加硫促進剤の種類としては、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドを組み合わせ、さらに、硫黄とジベンゾチアジルジスルフィドの配合量を増量(通常使用量(1重量部)の2〜5倍程度)していることが好ましい。なお、ジベンゾチアジルジスルフィドのかわりに2−メルカプトベンゾチアゾール等を用いてもよい。
【0021】
本発明のトナー供給ロールは、常法により作成できる。
即ち、混合物を所要の配合でオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に投入し、混練りした後、単軸押出機でチューブ状に予備成形する。この予備成形品を100〜160℃、30〜60分加硫したのち、芯金を挿入し表面を研磨した後、所要寸法にカットしてロールとしている。
上記トナー供給ロールは、円筒状に成形した状態で、その肉厚は2mm〜10mm、好ましくは3mm〜6mmとしている。これは、肉厚が2mm未満だと、適当なニップがかせげないためであり、10mmより大きいと部材が大きすぎて小型軽量化に向かないことに因る。
【0022】
上記トナー供給ロールは、導電性付与剤を配合することなく、その電気抵抗値を1×105.0Ω〜1010.0Ω、好ましくは、1×107.0Ω〜107.5Ωとしている。電気抵抗値が1×105.0Ωより小さいと、トナーを帯電させにくくなり、1010Ωを越えると、供給ロールが帯電してしまうこととなる。
また、硬度は、F硬度で10〜90、好ましくは30〜70である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態にかかるトナー供給ロールであって、円筒形状のスポンジゴムからなる弾性層を有する導電性ロール1を示し、その中空部に円柱形状の芯金(シャフト)2を圧入して取り付けている。
【0024】
上記弾性層はエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に対してアクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びEPDMからなる群から選ばれる1種類以上のゴムを配合し、このブレンドしたポリマーに、受酸剤としてハイドロタルサイトを添加すると共に、化学発泡剤及び発泡助剤を配合しているスポンジゴムからなる。
上記スポンジゴムの発泡倍率は9倍以上13倍以下、セル径分布が350μm以上500μm以下としている。
【0025】
上記化学発泡剤としては、ADCAをポリマー100重量部に対して10重量部使用し、さらに発泡助剤として尿素をポリマー100重量部に対して1重量部使用している。
上記エチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)−アリルグリシジルエーテル(AG)三元共重合体としては、エチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド(PO)/アリルグリシジルエーテル(AG)の共重合比率が50モル%〜95モル%/1モル%〜49モル%/1モル%〜10モル%のものを用いている。
後述する本実施例では、EO/PO/AG=90/6/4を用いている。
受酸剤のハイドロタルサイトをエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に対し、3重量%配合している。
【0026】
ポリマーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びEPDMからなる群から選ばれる1種類以上のゴムとエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体とを配合している。
その配合割合は、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:NBR=1:1(重量部の比)又はエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:クロロプレンゴム=1:1(重量部の比)又はエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:EPDM=1:1(重量部の比)としている。
【0027】
「実施例」
実施例1〜3および比較例1〜4について、表1に記載の配合からなる組成物をゴム混練機で溶融混合し、これを単軸押出機でチューブ状に予備成形する。この予備成形品を100〜160℃で10〜60分加硫する。その後、芯金を挿入して表面を研磨し、シャフト径φ6、ロール外径φ12、ゴム長さ220mmのトナー供給ロールを作成した。
【0028】
【表1】
【0029】
表1中の上段の各配合の数値単位は重量部である。
表1中にて使用した薬品名および製造元は以下の通りである。
原材料種 製造元
EO−PO−AG共重合体 ZSN8030 日本ゼオン
NBR ニッポール401LL 日本ゼオン
クロロプレンゴム ネオプレンWRT 昭和電工デュポン
EPDM EPT4045 三井化学
ハイドロタルサイト DHT−4A−2 協和化学
発泡剤(ADCA) ビニホールAC#R 永和化成
発泡助剤(尿素) セルペースト101 永和化成
上記EO−PO−AG共重合体は、エチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)−アリルグリシジルエーテル(AG)三元共重合体を示す。
【0030】
(実施例1乃至実施例3)
表1に示されるように、実施例1はEO−PO−AG共重合体及びNBRをポリマーとして用い、実施例2はEO−PO−AG共重合体とクロロプレンゴムをポリマーとして用い、実施例3はEO−PO−AG共重合体とEPDMをポリマーとして用いている。
上記ポリマー以外の配合物は実施例1乃至実施例3において共通であり、すなわち、受酸剤のハイドロタルサイトをEO−PO−AG共重合体に対し、3重量%配合し、化学発泡剤(ADCA)を10重量部配合し、さらに発泡助剤(尿素)を1重量部配合している。
実施例1乃至実施例3は発泡倍率が9〜13であり、かつセル径分布が350μm〜500μmであった。
【0031】
(比較例1乃至比較例4)
表1に示される様に、比較例1〜比較例4は、ポリマーとしてEO−PO−AG共重合体を単独で用いた。発泡倍率は6倍以下あるいは20倍を越え、セル径分布は250μm以下あるいは500μmを越えるものであった。
【0032】
上記実施例1乃至実施例3、比較例1乃至比較例4のロールを、硬度、電気抵抗測定、感光体汚染の有無、発泡倍率、セル径及び画像評価に関して以下の様に試験及び/又は評価を行った。
【0033】
(硬度)
23℃、55%の環境中で、左右の軸部に500gの荷重をかけ、ショアE硬度計にて硬度測定を行った。トナー供給ロールの硬度はショアEで40以下であるのが好ましい。
【0034】
(電気抵抗)
23℃、55%環境中で、金属製の円筒にロールのシャフト両端部に500gずつの荷重をかけ、シャフトと金属円筒間に1KVの電圧をかけながら金属円筒を回転させることで間接的にロールを回転させた。このとき、周方向に36回抵抗測定し、その平均値求めた。トナー供給ロールの電気抵抗値は10の7乗以上10の7.5乗以下であることが好ましい。
【0035】
(感光体の汚染)
作成したロールを感光体に500gの荷重で押しつけ、40℃、90%RH下に2週間放置し感光体表面の汚染を目視にて確認した。感光体表面の汚染が目視にて確認されない場合は○、確認されない場合は×とした。
【0036】
(発泡倍率)
加硫発泡後のサンプルの比重を未加硫ゴムの比重で除して発泡倍率を求めた。
【0037】
(セル径分布)
倍率100の断面写真よりセルの寸法を測定した。
【0038】
(画像評価)
キャノン製カラーLBP2260を用いて画出し試験を行った。目視にて画像が良好である場合には○、劣る場合には×とした。
【0039】
(判定)
上記測定及び試験結果から、要求性能を満たし導電性ロールとして優れている場合には○、劣る場合には×とした。
【0040】
表1に示されるように、比較例3は、発泡倍率が21で20より大きく、またセル径が700μmであり、500μmより大きいため、画像評価が悪く、判定は×であった。
比較例1、2、4は、発泡倍率が7より小さく、セル径が300μmよりも小さいため、画像評価が悪く、判定は×であった。
【0041】
一方、実施例1乃至実施例3のトナー供給ロールは、特定の導電性ポリマーを配合しているので、電気抵抗が7〜7.5であり、導電付与剤が配合されていないので、導電付与剤に起因する感光体汚染も全く無かった。さらには、発泡倍率9倍以上13倍以下、セル径が350μm〜500μmであることから、画像評価もすべて良く、また硬度が40以下であり、表1中、判定の結果が全て○であった。これより、全て優れたトナー供給ロールとなることが確認された。
【0042】
また、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に対しハイドロタルサイトを適切な範囲で配合しているので、加硫阻害および感光体汚染を防止する効果も得られる。
そして高価なウレタンフォームを使用する場合と比較して、コスト的に有利である。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、イオン導電性のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を用いているので、ポリマー自体が導電性を有するため、導電付与剤を使用することなく抵抗値を調整することができる。よって、移行物質等がブリードして現像ロールを介して感光体を汚染することがない。
かつ、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が単体の場合は加硫速度が遅くなるため、発泡させにくく、発泡倍率の調節やセル径の制御をしにくいが、NBR、クロロプレンゴム、EPDMのいずれか1種を配合しているため、加硫速度を程度に促進でき、発泡させやすくなって、発泡倍率およびセル径を所要の範囲に制御しやすくなる。
【0044】
かつ、化学発泡剤を使用して、上記発泡倍率を9以上13以下の低硬度とし、かつ、セル径分布が350μm以上500μm以下の適切な範囲の大きさとしているため、一回の搬送で十分な量のトナー粒子が運べる上、搬送時のトナー量のばらつきが抑制されるので、これらに起因する画像不良が改善される。
【0045】
また、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に対しハイドロタルサイトを適切な範囲で配合しているので、加硫阻害および感光体汚染を防止する効果も得られる。
そして高価なウレタンフォームを使用する場合と比較して、コスト的に有利である。
よって、本発明のロールは、プリンター、複写機、ファクシミリ,ATMなどのOA機器における電子写真装置に使用されるトナー供給ロールとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナー供給ロールとなる導電性ロールの概略図である。
【符号の説明】
1 導電性ロール
2 芯金
Claims (5)
- 電子写真方式による画像形成装置における現像装置に用いられ、かつ、トナー担持体の表面にトナーを供給するためのトナー供給ロールであって、
円筒形状のスポンジゴムからなる1層の弾性層と、該弾性層の中空部に圧入して取り付けられている円柱形状の芯金からなり、
上記弾性層のスポンジゴムは、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びEPDMからなる群から選ばれる少なくとも1種類のゴムと、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体をブレンドしたポリマーに、化学発泡剤及び発泡助剤を配合して得られた組成物から成形されてなり、かつ、
上記化学発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)および/または4,4 ' −オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、上記発泡助剤として尿素を配合する共に、上記化学発泡剤と上記発泡助剤の配合質量比(上記化学発泡剤:上記発泡助剤)が10:1〜2:1とされ、
上記スポンジゴムの発泡倍率を9倍以上13倍以下、セル径分布を350μm以上500μm以下としていることを特徴とするトナー供給ロール。 - 上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:アクリロニトリルブタジエンゴムが95:5〜20:80の割合でブレンドされ、あるいは、
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:クロロプレンゴムが95:5〜5:95の割合でブレンドされ、あるいは、
上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体:EPDMが95:5〜5:95の割合でブレンドされている請求項1に記載のトナー供給ロール。 - 上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、エチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド(PO)/アリルグリシジルエーテル(AG)の共重合比率が、50モル%〜95モル%/1モル%〜49モル%/1モル%〜10モル%である請求項1または請求項2に記載のトナー供給ロール。
- ハイドロタルサイトを上記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に対し、1重量%以上5重量%以下配合している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトナー供給ロール。
- 導電性付与剤を配合することなく、電気抵抗値を1×10 5.0 Ω〜10 10.0 Ωとしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトナー供給ロール。
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