JPH0927215A - 導電性ゴム組成物およびこれを用いた導電性ローラと転写ベルト - Google Patents

導電性ゴム組成物およびこれを用いた導電性ローラと転写ベルト

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JPH0927215A
JPH0927215A JP20626195A JP20626195A JPH0927215A JP H0927215 A JPH0927215 A JP H0927215A JP 20626195 A JP20626195 A JP 20626195A JP 20626195 A JP20626195 A JP 20626195A JP H0927215 A JPH0927215 A JP H0927215A
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rubber
conductive
roller
carbon black
transfer belt
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JP20626195A
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Seiji Hara
誠治 原
Fumio Sekido
文雄 関堂
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気抵抗のばらつき、電気抵抗の経時変化お
よび印加電圧への依存性が少なく、かつ加工性が優れた
導電性ゴム組成物と、安定した画像を得ることができる
導電性ローラおよび転写ベルトを提供する。 【解決手段】 基材ゴムがエピクロロヒドリン−プロピ
レンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムで
あって、基材ゴム100重量部に対してカーボンブラッ
クを5〜90重量部含有する導電性ゴム組成物およびこ
れを用いた導電性ローラと転写ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、プ
リンター、ファクシミリなどの電子写真装置における導
電性ローラや転写ベルトなどに用いられる導電性ゴム組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、種々の電子写真装置においては、ローラシャフト
に電圧を印加してローラ表面を被帯電体に接触させるこ
とにより帯電または放電を行う導電性ローラが用いられ
ている。また、印刷紙を感光体に接触させてトナーを転
写させるとともに、静電力によって印刷紙を搬送する転
写ベルトも用いられている。この転写ベルトは、印刷紙
の種類や搬送速度などの条件によらず良好なトナー像の
転写を行うことができ、かつ転写後の用紙を強制的に感
光体から分離させ、保持、搬送することができる。
【0003】この導電性ローラや転写ベルトには、従来
より、カーボンブラックを配合して導電性を発現させた
導電性ゴムが用いられている。しかし、カーボンブラッ
クを配合して導電性を調節する場合には、カーボンブラ
ックの配合量のわずかな変化やゴム中でのカーボンブラ
ックの分散性により、ゴムの電気抵抗が大きくばらつい
たり、ゴムの導電性が経時的に不安定になるなどの問題
が生じる。このため、かかる導電性ゴムを原料として製
造された導電性ローラや転写ベルトを使用した電子写真
装置は、安定した画像が得られなくなるおそれがある。
【0004】さらに、カーボンブラックの添加量が多く
なれば電気抵抗の印加電圧への依存性が大きくなり、一
定の電気抵抗を得るために精密な印加電圧制御装置が必
要になるという問題や、ゴムの加工性が低下するという
問題も生じる。そこで、カーボンブラックをゴムに配合
して導電性を発現させるのではなく、ゴム自体が導電性
を有するものを用いることが試みられている。
【0005】導電性を有するゴムとしては、例えば重合
開始剤に由来するアルカリ金属イオンなどを含有するも
のがあげられ、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)、NBRとエチレン
−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)との混合
物、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNB
R)などが知られている。
【0006】しかしながら、上記したゴムは、導電性ロ
ーラや転写ベルトなどに用いるには導電性が不十分であ
って、所望の導電性を得るためにカーボンブラックを多
量に配合する必要が生じる。この結果、前述の電気抵抗
の経時的な不安定さや印加電圧への依存性などの問題を
十分に解決することができない。一方、本発明者らは、
エチレンオキシド−エピクロロヒドリン共重合ゴム(E
CO)がゴムの導電性に優れていることを見いだした
が、かかるゴムは混練時や成形時の加工性が劣るという
問題がある。
【0007】本発明の目的は、電気抵抗のばらつき、電
気抵抗の経時変化および印加電圧への依存性が少なく、
かつ加工性が優れた導電性ゴム組成物を提供することで
ある。本発明の他の目的は、安定した画像を得ることが
できる導電性ローラを提供することである。
【0008】本発明のさらに他の目的は、安定した画像
を得ることができる転写ベルトを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ガラス転
移点が低いポリエーテル系ポリマーを用いることによっ
て導電性に優れたゴムが得られるのではないかと考え、
鋭意研究を重ねた結果、エピクロロヒドリン、プロピレ
ンオキシドおよびアリルグリシジルエーテルを共重合さ
せたゴムが高い導電性を有することを見いだし、かかる
共重合ゴムを用いることにより、所望の電気抵抗を得る
ために必要なカーボンブラックの配合量が少なくてす
み、その結果電気抵抗の経時的な不安定さや印加電圧へ
の依存性などの問題を解決でき、しかも上記共重合ゴム
は加工性にも優れているという新たな事実を見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の導電性ゴム組成物は、
基材ゴムがエピクロロヒドリン−プロピレンオキシド−
アリルグリシジルエーテル共重合ゴムであって、基材ゴ
ム100重量部に対してカーボンブラックを5〜90重
量部含有することを特徴とする。また、上記導電性ゴム
組成物を用いて得られる本発明の導電性ローラや転写ベ
ルトを電子写真装置に使用したときは、安定した画像を
継続して提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性ゴム組成物
について詳細に説明する。本発明の導電性ゴム組成物に
おける基材ゴムとしては、エピクロロヒドリン(EC
H)−プロピレンオキシド(PO)−アリルグリシジル
エーテル(AGE)共重合ゴムが用いられる。
【0012】かかるゴムは、例えば過塩素酸リチウム、
塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水素化アルミ
ニウムなどの重合触媒を用いて共重合することから、ゴ
ム中にリチウム、ナトリウム、アルミニウムなどの金属
イオンが残存しており、このイオンがゴムの分子中を移
動することにより、導電性が生じると推測される。ま
た、上記ゴムは、分子鎖の規則性が少なく、かつ分子鎖
の自由回転性が大きく、とりわけ導電性ローラ等を使用
する温度範囲における分子鎖の分子運動が活発であるこ
とから、ゴム中で上記イオンが移動しやすく、その結
果、高い導電性を有するゴムが得られる。
【0013】上記ゴムの分子鎖の規則性や自由回転性を
示すガラス転移点は−55〜−50℃程度であって、ゴ
ムの電気抵抗を示す体積抵抗率ρは108.9 Ω・cm程
度である。上記基材ゴムは、ECH、POおよびAGE
の各モノマーを共重合させたものであって、それぞれの
モノマーの比率は、ECH=2〜60モル%、PO=3
0〜90モル%、AGE=1〜30モル%程度であるの
が好ましいが、特に前記比率に限定されるものではな
い。
【0014】上記基材ゴムとしては、例えば日本ゼオン
社製の商品名「ゼオスパン306」などがあげられる。
本発明に使用可能なカーボンブラックとしては、例えば
チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレン
ブラックなどがあげられる。前記カーボンブラックは、
所望の導電性を得るために配合される導電性付与剤であ
って、基材ゴム100重量部に対して5〜90重量部、
好ましくは20〜45重量部配合される。カーボンブラ
ックの配合量が5重量部を下回るときは、ゴム組成物の
導電性が不十分となるおそれがある。一方、カーボンブ
ラックの配合量が90重量部を超えるときは、得られる
ゴムの硬度や電気抵抗の印加電圧依存性が大きくなった
り、電気抵抗の値がばらついたり経時的に不安定になる
ため好ましくない。
【0015】本発明の導電性組成物を作製するうえで必
要な添加剤としては、加硫剤、発泡剤、加硫促進剤、老
化防止剤、軟化剤、可塑剤、補強材、充填剤などがあげ
られるが、加硫剤を除く他の添加剤は必要に応じて配合
すればよい。加硫剤としては、たとえば硫黄、有機含硫
黄化合物のほか、有機過酸化物なども使用可能である。
有機含硫黄化合物としては、例えばテトラメチルチウラ
ムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリンなどが
あげられる。また、有機過酸化物としては、例えばベン
ゾイルペルオキシドなどがあげられる。加硫剤の配合量
は、ゴム成分100重量部に対して0.3〜4重量部、
好ましくは0.5〜3重量部であるのが適当である。
【0016】発泡剤としては、例えばジアミノベンゼ
ン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド、4,4−
オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどがあげら
れる。発泡剤は、導電性ゴムを発泡させるときに、その
発泡倍率に応じて添加すればよく、通常、ゴム成分10
0重量部に対して0〜30重量部、好ましくは3〜20
重量部であるのが適当である。
【0017】加硫促進剤としては、例えば消石灰、マグ
ネシア(MgO)リサージ(PbO)などの無機促進
剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチル
チウラムジスルフィドなどのチウラム類、ジブチルジチ
オカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛
などのジチオカーバメート類、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、N−ジクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール
スルフェンアミドなどのチアゾール類、トリメチルチオ
尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素などのチオウレア類
などの有機促進剤があげられる。
【0018】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華など
の金属酸化物、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸
などの脂肪酸、その他従来公知の加硫促進剤があげられ
る。可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、トリクレジルフォスフェートなどが
あげられる。また、老化防止剤としては、例えば2−メ
ルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フ
ェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフ
チル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−
イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン
類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェ
ノールなどのフェノール類などがあげられる。
【0019】軟化剤としては、例えばステアリン酸、ラ
ウリン酸などの脂肪酸、綿実油、トール油、アスファル
ト物質、パラフィンワックスなどがあげられる。可塑剤
としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェートなどがあげられ
る。補強剤および充填剤としてはカーボンブラックが代
表例としてあげられるが、カーボンブラックは前述のよ
うに導電性充填剤として本発明の導電性ローラの導電性
に大きな影響を与える。また、カーボンブラックの他
に、例えば炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、
硫酸バリウム、ケイ藻土などがあげられる。
【0020】本発明の導電性ゴム組成物は、導電性ゴム
の使用目的に応じて、すなわち導電性ゴムローラや転写
ベルトなどの用途に応じて上記の添加剤が配合され、オ
ープンロール、密閉式混練機などで混練された後、押出
成形、射出成形などの公知の成形方法にて所望の形状に
成形され、次いで加硫、二次加硫などが行われる。次
に、本発明の導電性ローラについて詳細に説明する。
【0021】本発明の導電性ローラは、例えば図1に示
すように、本発明の導電性ゴム組成物を筒状に成形した
導電性ローラ1に、導電性シャフト2が挿入されたもの
である。上記導電性ローラは、本発明のゴム組成物に各
種添加剤を添加して混練した後、円筒状に押し出し成形
し、次いで加硫し、さらに二次加硫を行うことによって
得られる。加硫は缶加硫が好適であるが、その他の加硫
方法であってもよい。加硫条件は、使用するゴムや配合
量に応じて変化するが、通常140〜170℃で0.5
〜6時間程度行うのがよい。また、発泡剤を配合した場
合は、加硫の過程で発泡が行われ、スポンジチューブで
ある導電性ローラが得られる。なお、発泡倍率(体積
%)は140〜400%、好ましくは200〜350%
の範囲であるのが適当である。
【0022】導電性シャフトとしては、従来より導電性
ローラのシャフトとして用いられているものがいずれも
使用可能であり、例えば銅、アルミニウムなどの金属シ
ャフトがあげられる。本発明の導電性ローラは、ローラ
を構成する導電性ゴムの体積抵抗率が106. 5 〜10
8.5 Ω・cm、好ましくは107.3 〜107.7 Ω・cm
の範囲であるのが好ましい。前記体積抵抗率の測定は、
図1に示すローラに成形した状態で抵抗値を測定し、ロ
ーラの厚みを考慮して、JIS K6911に記載の
「抵抗率」に換算して求めたものである。体積抵抗率が
106.5 Ω・cmを下回ると、リーク、紙汚れなどの画
像上の問題が発生する。一方、体積抵抗率が108.5 Ω
・cmを超えると、転写効率が悪く、実用に適さなくな
る。また、本発明の導電性ローラは、表面の硬度がアス
カーC(高分子計器(株)製のゴム硬度計DD2型、形
式C)で20〜45の範囲にあり、比重が0.25〜
0.55、吸水率が10〜60%、ローラの外表面のセ
ル径が800μm以下であるのが好ましい。これらの特
性値はいずれも電子写真装置の転写ローラとして本発明
の導電性ローラを使用したときに最適な画像を得るうえ
で好適な範囲を示している。
【0023】すなわち、硬度が前記範囲を下回るとロー
ラのへたりが生じやすくなり、耐久性に欠け、逆に硬度
が前記範囲を超えると、画像中の文字に中抜け現象が生
じやすくなる。また、外表面のセル径が前記範囲を超え
ると、転写ローラとして使用した画像にピンホールが生
じやすくなる。さらに、吸水率が前記範囲を下回るとロ
ーラのへたりが生じやすくなり、逆に吸水率が前記範囲
を超えるとローラの硬度が上昇し、画像中の文字に中抜
け現象が生じやすくなる。ただし、最適な画像を得るた
めの条件は、使用する電子写真装置の種類や稼働条件な
どにより変動するため、必ずしもこれらの範囲に限定さ
れるものではない。
【0024】次に、本発明の転写ベルトについて詳細に
説明する。本発明の転写ベルトは、例えば図2に示すよ
うに、本発明の導電性ゴム組成物をベルト状に成形した
ものである。以下、電子写真複写装置における本発明の
転写ベルト3の作用について説明する。
【0025】帯電チャージャー4によってあらかじめ表
面が帯電された感光体5は、露光部Aで露光されること
により表面に静電潜像が形成され、次いでこの静電潜像
は現像ローラ6によって顕像化され、トナー像を形成す
る。一方、転写紙8は、給紙ローラ7から転写ベルト3
によって転写部Bに搬送される。前記トナー像は、転写
部Bにて、背面の転写チャージャー9の作用により転写
紙8上に転写される。転写後、転写紙8’は定着ローラ
10に搬送されて定着される。図2中、符号11はクリ
ーニングブレード、12はローラーをそれぞれ示す。
【0026】上記転写ベルトは、転写チャージャーの作
用によりチャージを有するため、転写ベルトに転写紙が
静電吸着し、転写のだけでなく、転写紙の感光体からの
分離や搬送も併せて行うことができる。すなわち、転写
と搬送の過程を一体化できることから、電子写真装置を
小型化できる。また、転写紙が転写ベルト上に静電吸着
して搬送されることから、転写紙の位置がずれるおそれ
が少ない。
【0027】本発明の転写ベルトは、ベルトを構成する
導電性ゴムの体積抵抗率(JISK6911に準拠して
求めたもの)が106.5 〜108.5 Ω・cm、好ましく
は107.3 〜107.7 Ω・cmの範囲であるのが好まし
い。体積抵抗率が106.5Ω・cmを下回ると、リー
ク、紙汚れなどの画像上の問題が発生する。一方、体積
抵抗率が108.5 Ω・cmを超えると、転写効率が悪
く、実用に適さなくなる。
【0028】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明の
導電性ゴム組成物、導電性ローラおよび転写ベルトを説
明する。 実施例1〜2、比較例1〜4 (導電性ローラの作製)基材ゴム、カーボンブラックお
よび加硫促進剤を下記の表1に示す配合量にて配合し、
さらに以下に示す他の添加剤を配合した。
【0029】 (添加剤) (重量部) アロマオイル 3 老化防止剤 1.5 ステアリン酸 1 亜鉛華 4 硫黄 1 なお、カーボンブラックの配合量は、得られるゴムの体
積抵抗率(log ρ)が7.0となるように調節し
た。
【0030】
【表1】
【0031】上記各成分をオープンロールで素練り、混
練した後、押出成形し、次いで成形品を加硫缶に入れ、
140℃で2時間加熱して加硫を行い、さらに熱風オー
ブンにて150℃で4時間加熱して2次加硫を行い、導
電性ローラを得た。この導電性ローラに金属シャフトを
挿入し、導電性ローラの長さを216mmにカットし、
外径を17mmに研磨仕上げを施した。
【0032】上記各実施例および比較例で用いた材料は
以下のとおりである。基材ゴム ゼオスパン306(日本ゼオン社の商品名):エピクロ
ロヒドリン(ECH)−プロピレンオキシド(PO)−
アリルグリシジルエーテル(AGE)共重合ゴム〔EC
H:PO:AGE=30:64:6(モル比)〕 エピクロマーCG102(ダイソー社の商品名):EC
H−エチレンオキシド(EO)−AGE共重合ゴム〔E
CH:EO:AGE=52:41:7(モル比)〕 ネオプレンWRT(昭和電工・デュポン社の商品名):
クロロプレンゴム(CR) エスプレン505A(住友化学(株)の商品名):エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)カーボンブラック ニテロン55A(新日鉄化学(株)の商品名):〔ヨウ
素吸着量(JIS K6221)35mg/g、吸油量
(JIS K 6221)90ml/100g〕 デンカブラック(電気化学社製):〔ヨウ素吸着量90
mg/g、吸油量120ml/100g〕加硫促進剤 ノクセラーTMTD(大内新興化学工業社製):テトラ
メチルチウラムジスルフィド ノクセラーCBS(同社製):N−シクロヘキシル−2
−ベンゾチアジルスルフェンアミド ノクセラーTBT−n(同社製):テトラブチルチウラ
ムジスルフィド ノクセラーDOTG(同社製):1,3−ジ−O−トリ
ルグアニジン ノクセラーTMTM(同社製):テトラメチルチウラム
モノスルフィド ノクセラーBZ(同社製):ジ−n−ブチルジチオカル
バメート亜鉛他の添加剤 アロマオイル:ジャパンエナジー社の商品名「コウモレ
ックス200」 老化防止剤:大内新興化学工業社の商品名「ノクラック
NS」 ステアリン酸:ユニケマオーストレリア社製 亜鉛華:東邦亜鉛社製の商品名「銀嶺R」 硫黄:鶴見化学社製の粉末硫黄 (混練加工性)各実施例および比較例のゴム組成物をロ
ールで練る際、ロールに付着したゴム分の量を目視で確
認した。ロールに付着する量が多いほど加工性が劣る。
なお、加工性は以下の基準で評価した。その結果を下記
の表2に示す。
【0033】○:ほとんど付着しなかった。 △:わずかに付着した。 ×:多量に付着した。 (成形加工性)各実施例および比較例のゴム組成物を押
出成形する際、押し出されたゴムの表面の状態を目視で
確認した。加工性は以下の基準で評価した。
【0034】 ○:表面の凹凸がほとんど確認されなかった。 △:表面の凹凸がわずかに確認された。 ×:表面の凹凸が多量に確認された。 導電性ゴム組成物は、上記混練加工性および成形加工性
の評価が○または△であれば、その加工性が優れている
といえる。 (体積抵抗率)導電性ローラを構成する導電性ゴムの体
積抵抗率ρ(Ω・cm)の測定は、JIS K 691
1に準拠し、前述の測定環境下にて行った。 (体積抵抗率の電圧依存性)各実施例および比較例の導
電性ローラに10ボルトの電圧を印加したときの体積抵
抗率(ρ10V )と、100ボルトの電圧を印加したとき
の体積抵抗率(ρ10 0V)との差を測定し、その対数値
(Δlog ρ1 )を求めた。 (体積抵抗率の経日変化)各実施例および比較例で得ら
れた導電性ローラを160℃で20分間熱処理した後、
温度23.5℃、湿度55%の条件下で30日間放置
し、体積抵抗率の最高値(ρmax )と最低値(ρmin
とを測定し、その対数値(Δlog ρ2 )を求めた。
【0035】上記加工性、体積抵抗率、体積抵抗率の電
圧依存性および体積抵抗率の経日変化についての評価の
結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、実施例1および
2で得られた導電性ローラは、いずれも体積抵抗率の印
加電圧依存性および経日変化が少ない。一方、従来公知
のゴムを用いた比較例1〜3は、所定の体積抵抗値を得
るために必要なカーボンブラックの量が多く、この結
果、体積抵抗率の電圧依存性が高くなり、かつ経日変化
が大きくなる。
【0038】なお、実施例2および比較例2〜3で使用
したカーボンブラックは、実施例1および比較例1で使
用したカーボンブラックよりもヨウ素吸着量および吸油
量が多く、ゴムに導電性を付与する作用が優れている。
このため、比較例3におけるカーボンブラックの配合量
は、実施例1のそれよりも少なくなっているが、比較例
3は従来公知のゴムを基材ゴムとして用いているため
に、体積抵抗率の電圧依存性および経日変化が劣ってい
る。
【0039】一方、比較例4で用いた基材ゴムは、実施
例で用いた基材ゴムにおけるプロピレンオキシド(P
O)がエチレンオキシド(EO)に置き換わったもので
ある。かかる基材ゴムは実施例1および2と同様に導電
性に優れているものの、結晶性が大きいためにゴムの混
練加工性および成形加工性が低下する。 実施例3〜4、比較例5〜8 (転写ベルトの作製)基材ゴム、カーボンブラックおよ
び加硫促進剤を下記の表3に示す配合量にて配合し、さ
らに以下に示す他の添加剤を配合した。
【0040】 (添加剤) (重量部) アロマオイル 3 老化防止剤 1.5 ステアリン酸 1 亜鉛華 4 硫黄 1 なお、カーボンブラックの配合量は、得られるゴムの体
積抵抗率(log ρ)が7.0となるように調節し
た。また、各実施例および比較例で用いた材料は前述と
同じである。
【0041】
【表3】
【0042】上記各成分をオープンロールで素練り、混
練した後、ベルト状に押出成形し、次いで成形品を加硫
缶に入れ、160℃で0.5時間加熱して加硫を行っ
た。さらに、ベルトのゴム厚みが0.50〜0.55m
mとなるように、その表面を研磨して転写ベルトを得
た。上記各実施例および比較例について、導電性ゴム組
成物の混練加工性と成形加工性を、前述の方法と同様に
して評価した。その評価の結果を下記表4に示す。
【0043】また、上記各実施例および比較例の転写ベ
ルトについて、転写ベルトを構成する導電性ゴムの体積
抵抗率、体積抵抗率の電圧依存性および体積抵抗率の経
日変化を、前述の導電性ゴムローラにおける測定方法と
同様にして測定した。なお、体積抵抗率の経日変化の測
定には、各実施例および比較例で得られた転写ベルトを
切断して得られた13cm角のゴムシートを試料として
用いた。
【0044】上記加工性、体積抵抗率、体積抵抗率の電
圧依存性および体積抵抗率の経日変化についての評価の
結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】表4から明らかなように、実施例3および
4で得られた転写ベルトは、いずれも体積抵抗率の印加
電圧依存性および経日変化が少ない。一方、従来公知の
ゴムを用いた比較例5〜7は、所定の体積抵抗値を得る
ために必要なカーボンブラックの量が多く、この結果、
体積抵抗率の電圧依存性が高くなり、かつ経日変化が大
きくなる。
【0047】一方、比較例8で用いた基材ゴムは、実施
例で用いた基材ゴムにおけるプロピレンオキシド(P
O)がエチレンオキシド(EO)に置き換わったもので
ある。かかる基材ゴムは実施例3および4と同様に導電
性に優れているものの、結晶性が大きいためにゴムの混
練加工性および成形加工性が低下する。
【0048】
【発明の効果】本発明の導電性ゴム組成物によれば、電
気抵抗のばらつき、電気抵抗の経時変化および印加電圧
への依存性が少ないことから、ロット間あるいは同一ロ
ット内でのゴム組成物の品質にばらつきが生じることが
なく、製造後の品質の安定性にも優れる。さらに、本発
明のゴム組成物は加工性に優れている。
【0049】従って、上記導電性ゴム組成物を用いた本
発明の導電性ローラおよび転写ベルトは、安定した画像
を継続して得ることができる。すなわち、本発明の導電
性ローラおよび転写ベルトは、静電式複写機、プリンタ
ー、ファクシミリなどの電子写真装置に好適に使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ローラを示す平面図である。
【図2】本発明の転写ベルトを用いた電子写真装置の説
明図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ 3 転写ベルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材ゴムがエピクロロヒドリン−プロピレ
    ンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムであ
    って、基材ゴム100重量部に対してカーボンブラック
    を5〜90重量部含有することを特徴とする導電性ゴム
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の導電性ゴム組成物を用いた
    導電性ローラ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の導電性ゴム組成物を用いた
    転写ベルト。
JP20626195A 1995-05-08 1995-08-11 導電性ゴム組成物およびこれを用いた導電性ローラと転写ベルト Pending JPH0927215A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191900A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Daiso Co Ltd 半導電性ゴム材料
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CN1305970C (zh) * 2001-08-23 2007-03-21 住友橡胶工业株式会社 导电性辊筒用聚合物组合物,聚合物组合物及导电性辊筒,导电性带体

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