JP3874251B2 - 導電性ローラ用ポリマー組成物及び該組成物を用いた導電性ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ローラ用ポリマー組成物及び該組成物を用いた導電性ローラに関し、詳しくは、コピ−機、プリンター等のOA機器における電子写真装置の導電性機構に使用される転写ローラ、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ等の導電性ローラの発泡状態や生産性を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピ−機、プリンター等に用いる転写ローラ、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ等の導電性ローラには、その用途に応じて導電性、非汚染性、低硬度及び寸法安定性等の種々の性能が要求されている。また、生産性や各種物性の点より、種々の架橋(加硫)系が提案されており、有機過酸化物配合系、チオウレア類を用いた系、あるいは硫黄系等が挙げられる。例えば、加硫速度が速く、良好な物性を得やすいという点では、硫黄加硫系が使用されている。
【0003】
具体的には、特開2000―212330号では、ニトリルゴムとエピクロルヒドリン系ゴムのブレンドゴムに加硫剤として、硫黄系加硫剤、トリアジン系化合物及び2,3−ジメルカプトキノキサリン化合物よりなる群から選ばれる2種以上が配合された加硫性ゴム組成物が開示されている。
【0004】
また、特許第3121163号では、エピクロルヒドリンゴムに特定の老化防止剤及び2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)を含有する抵抗調整層を有する導電性ローラが開示されている。
【0005】
さらに、導電性ローラが十分な電気特性を発揮するためには、ある程度ニップ幅を大きくする必要がある。ニップ幅を大きくするために、従来においては、導電性ローラ用のゴム組成物にジブチルフタレート(DBP)やジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルフォスフェート等の可塑剤を使用したり、または発泡剤を尿素系の発泡助剤等と共に用いて発泡体として低硬度化することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000―212330号に記載の加硫性ゴム組成物では、塩素を分子内に持たないニトリルゴム(NBR)とエピハロヒドリンゴムを20/80〜80/20の重量比でブレンドしているため、硫黄及び硫黄加硫用促進剤でしか架橋されないNBRの架橋密度が下がり、感光体が汚染されるという問題がある。これは、エピハロヒドリンゴムの方にも硫黄及び硫黄加硫用促進剤が分配され、そこで消費されてしまうためである。また、これを防ぐために硫黄及び硫黄加硫用促進剤を増量するとブルームを生じる恐れがある。さらに、感光体汚染を生じないように必要以上に架橋密度を上げると、電気抵抗値が高くなる傾向が生じるという問題もある。さらに、硫黄加硫系単独では、充填剤が少ない場合に缶加硫を試みると、熱による変形のために、加硫前に受け型にセットすることが必要となる場合があり、セットの手間や設備費のためにコストが上昇し生産性が悪くなる問題がある。
【0007】
また、特許第3121163号で記載された硫黄を配合せず、チオウレア類のみを用いた架橋系では、架橋反応が遅いため、生産性が悪くなるという問題がある。また、チオウレア類の架橋系のみで、生産性を上げようとチオウレア類あるいは促進剤を大幅に増量するとブルーム或は感光体汚染の問題が生じ易くなってしまい、場合によっては、混練機内や押し出し機内でゴムやけが起こってしまう可能性もある。
【0008】
さらに、ニップ幅を得るために、上記のような可塑剤を使用した場合には、可塑剤がローラ表面に析出して感光体を汚染するという問題がある。また、発泡剤を用いて発泡体とした場合でも、尿素系の発泡助剤を用いると加硫阻害を起こすという問題があり、加硫速度が低下し生産性が悪くなったり、発泡体強度が低下するという問題がある。
【0009】
また、発泡剤を用いた場合には、主に硫黄系の加硫が行われているが、硫黄系の加硫では、尿素系の発泡助剤を用いなくともスコーチタイムが長くなったり、いくらかの加硫阻害を引き起こすという問題が生じている。特に、加圧水蒸気等を用いて缶加硫を行った場合には、型崩れが起こり、発泡チューブの内面、外面が荒れたり、長手方向に反りが発生し、良好な発泡体チューブが得られなかったり、製造不良が起こりやすいという問題がある。
【0010】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、ブルームの発生を抑制しながら加硫速度を速くすることができると共に、圧縮永久歪みの低減を実現でき、加硫阻害の問題もなく成形した発泡体の強度や表面状態も良好で、生産性にも優れた導電性ローラ用ポリマー組成物及び導電性ローラを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、炭素−炭素間の二重結合を有し、硫黄加硫ができ、ハロゲンを有し、かつイオン導電性を有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、クロロプレンゴム及び塩素化天然ゴムからなる群から選択される1種以上のポリマーからなるポリマー成分に、
テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(C n H 2n+1 NH) 2 C=S (n=1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレア類と、化学発泡剤と、硫黄と加硫促進剤を配合し、
前記ポリマー成分100重量部に対して、上記チオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合していると共に、
前記ポリマー成分100重量部に対して、上記硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下、上記化学発泡剤を0.5重量部以上20重量部以下の割合で配合していることを特徴とする導電性ローラ用ポリマー組成物を提供している。
【0012】
上記のように、本発明のポリマー組成物では、炭素−炭素間の二重結合(C=C)を有し、硫黄加硫ができ、ハロゲンを有し、かつイオン導電性を有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、クロロプレンゴム及び塩素化天然ゴムからなる群から選択される1種以上のポリマーからなるポリマー成分に、化学発泡剤と硫黄及びチオウレア類を含んでいるので、硫黄及びチオウレア類が、1つのポリマーに別々の反応機構で互いに妨げ合うことなく独立に働き得る。このため、チオウレア類の加硫系により低圧縮永久歪みを実現できると共に、硫黄加硫系により加硫速度を速くすることができ、生産性を向上することができる上に、加硫阻害の問題もなく良好な発泡状態を得ることができ、ニップ幅を大きくすることができる。
【0013】
即ち、化学発泡剤と、硫黄及びチオウレア類を併用することで、従来生じていた発泡剤による加硫阻害を低減することができ、それによって硫黄系のみで発泡剤を用いない場合に匹敵する非常に速い加硫速度と加硫効率を実現することができる。また、硫黄とチオウレアの量を適宜調整しながら併用することにより、感光体汚染やブルームを抑制しながら、電気抵抗値や圧縮永久歪みの低減と加硫速度の向上とを効率良く両立することができる。さらに、加硫チューブの表面も良好である上に、缶加硫で製造した時に生じる型崩れやそれを原因とする製造不良も防止でき、生産性を向上することができる。さらには、セル径を均一に、しかも微小にすることができるため、高強度で非常に良好な発泡形状を示す導電性ローラを得ることができる。
【0014】
また、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーをポリマー成分としているため、硫黄及びチオウレア類と共に用いると、チオウレア類は主として塩素等のハロゲンと、またC=Cは主として硫黄と反応するため、両ポイントで効果的に架橋することができ、ブルームや感光体汚染を生じることなく、加硫速度を速めることができる上に、低電気抵抗も実現しやすくすることができる。
【0015】
上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーとしては、イオン導電性を有するものとし、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、クロロプレンゴム及び塩素化天然ゴムからなる群から選択される1種以上のポリマーとしている。なかでも、エピクロルヒドリン系重合体が好ましく、特に、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を用いるのが好ましい。これにより、低圧縮永久歪み等の性能を維持しながら、低電気抵抗を実現することができる。
さらにエピクロルヒドリン系重合体の中でも、エチレンオキサイド含量が高いエピクロルヒドリン系重合体が好ましく、速い加硫速度を維持したまま、体積固有抵抗値の低い導電性ローラ用ポリマー組成物を提供することができる。エピクロルヒドリン系重合体中のエチレンオキサイド含量としては55mol%以上95mol%以下であるのが好ましい。
【0016】
上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーは、1種又は複数種を適宜選択して用いることができる。
【0018】
上記チオウレア類として、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(CnH2n+1NH)2C=S (n=1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレアを用いている。
上記チオウレアは、架橋剤としての反応性を向上することができ、特にエピクロルヒドリン系重合体との組み合わせにおいて有効である。さらに、本発明で用いるチオウレアは、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、あるいは、上記化学式中のnの範囲をn=1〜5、さらにはn=1〜4としたものとしている。上記チオウレア類はnの値が小さくなるにつれて、架橋剤としての反応性が向上する。
【0019】
上記化学発泡剤は、ヒドラジン誘導体であることが好ましく、中でも4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)であるのが好ましい。これにより、セル径のばらつきを少なくすることができると共に、均一に分布させて硬度のばらつきが少ない導電性発泡層を得ることができる。
ヒドラジン誘導体としては、その他、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
【0020】
上記化学発泡剤は0.5重量部以上20重量部以下としている。好ましくは1重量部以上15重量部以下の割合で配合しているのが良い。
上記範囲としているのは、0.5重量部より少ないと発泡が充分に起こらず硬度が高くなりやすいためであり、20重量部より多いとコストが高くなる、あるいは発泡剤やゴム種によってはブルームや感光体汚染が生じやすくなるためである。
特に、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いる場合には2重量部以上10重量部以下が好ましい。
【0021】
また、ポリマー成分100重量部に対してチオウレア類を合計0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合している。好ましくは0.0015mol以上0.0400mol以下の割合で配合しているのが良い。
上記チオウレア類を上記範囲で配合することにより、加硫をタイトにして、ブルームや感光体汚染を起こりにくくすることができると共に、ポリマーの分子運動をあまり妨げないため、より低い電気抵抗を実現すると共に、圧縮永久ひずみ等の力学的物性にも優れた非常に高性能な導電性ローラ用ポリマー組成物とすることができる。また、チオウレア類の添加量を増やし架橋密度を上げるほど電気抵抗値を下げることができる。
上記範囲としているのは、0.0009molより少ないと圧縮永久ひずみを改善しにくい、あるいは電気抵抗値を下げにくい、あるいは発泡剤による加硫阻害や缶加硫における型崩れや製造不良を防止しにくいためである。一方、0.0800molより多いと組成物表面からチオウレア類がブルームし感光体を汚染したり、破断伸び等の機械的物性が極度に悪化しやすいためである。
【0022】
さらに、ポリマー成分100重量部に対して、上記硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下の割合で配合している。好ましくは0.2重量部以上2重量部以下の割合で配合しているのが良い。
上記範囲としているのは、0.1重量部より小さいと組成物全体の加硫速度が遅くなり生産性が悪くなりやすいためである。一方、5.0重量部より大きいと圧縮永久ひずみが大きくなったり、硫黄や促進剤がブルームしたりする可能性があるためである。
【0023】
また、硫黄とチオウレアの併用加硫系であるため、それぞれの単独加硫系に比べスコーチタイムを著しく低減することができ、特に、エピクロルヒドリン系重合体等のイオン導電性ポリマーを用いた発泡体連続加硫による製造を可能にすることができる。連続加硫によりゴムのロスが少なくなる上に、製造にかかる時間や製造コスト等を削減することができる。また、発泡セルの径を微細にすることができる。
【0024】
具体的には、本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物は、JIS K6300記載の未加硫ゴム物理試験方法中のムーニースコーチ試験において130.0℃±0.5℃におけるスコーチT5(分)の値が1.5分以上20分以下であるのが好ましい。
上記範囲としているのは、1.5分より小さい場合には加硫が速すぎるため、押出機内で焼けてしまい、製造不能となってしまうか又は混練から連続押し出しにもって行くまでに加硫が徐々に進行し、同様にゴムやけが起こってしまうためである。一方、20分より大きい場合には、連続加硫の工程において、初期にある程度の加硫を一気に進行させ、コンベアやローラによる搬送に耐えられる様にすることができないからである。
【0025】
なお、加硫は、その他通常の方法によって行うことができ、たとえば、大量生産を行うには水蒸気加圧下の加硫缶中で加硫するのが好ましい。また、2段階プレス発泡等の手法でプレス加硫によって加硫しても良く、必要に応じて二次加硫を行っても良い。
【0026】
上記チオウレア類と共に、加硫促進剤としてグアニジン系促進剤を配合していることが好ましい。チオウレア類とグアニジン系促進剤を併用することにより、チオウレア類の架橋反応が促進され、生産性を向上することができる。上記グアニジン系促進剤としては、ジ−オルト−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−オルト−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−オルト−トリルグアニジン塩等が挙げられる。
また、上記グアニジン系促進剤の配合量は、用いるグアニジン系促進剤の種類等により適量を選択できるが、一般に、ポリマー成分100重量部に対し、0.1重量部以上4.0重量部以下配合することが好ましい。グアニジン系促進剤やチオウレア類の量を増やすと、架橋速度を改善し、かつ架橋密度を上げることができる。
【0027】
また、上記導電性ローラ用ポリマー組成物中には、鉛化合物を含まないことが好ましい。従来は、四酸化三鉛等の鉛化合物を受酸剤や架橋反応時の活性剤として頻繁に使用しているが、鉛化合物を含まない方が、電気抵抗や圧縮永久ひずみ、感光体汚染等の物性値を良くすることが可能となる。また、鉛化合物は作業性や環境上の問題により、その使用形態や使用量により規制を受けるため、この観点からも鉛化合物を含まないことが好ましい。
【0028】
ポリマー成分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1重量部以上20.0重量部以下、好ましくは0.5重量部以上15.0重量部以下、さらに好ましくは1.0重量部以上10.0重量部以下の割合で配合しているのが良い。これにより、低体積固有抵抗を維持しながら、圧縮永久ひずみを低減することができる。
上記範囲としているのは、0.1重量部より少ないと架橋密度が上げられず圧縮永久ひずみが大きくなりやすい上に、体積固有抵抗が高くなりやすいためである。一方、20.0重量部より多く必要以上に配合しても効果の上昇が望みにくく、コストが上昇するためである。
【0029】
上記チオウレア類をマスターバッチとして配合していることが好ましい。上記チオウレア類を粉体でなく、マスターバッチとして配合することにより、チオウレア類を使用する際に作業者や環境への配慮を行うことが可能となり、作業性を向上することができる。また、上記チオウレア類のマスターバッチはB練りで練り時間を極端に短時間とした場合でも、チオウレア類をポリマー中に均一に分散することが可能であり、混練加工性を大幅に向上することができる。このため、B練りをニーダーやバンバリー等の密閉式混練機で行っても、良好な物性を得ることができる。
【0030】
上記チオウレア類のマスターバッチがバインダーとしてアクリル系樹脂を用いたものであることが好ましい。具体的には、エチレンメチルアクリレート等の樹脂とのマスターバッチを作製して配合することが好ましい。マスターバッチのバインダーとしては、その他、塩素化ポリエチレンや熱可塑性のウレタン等がエピクロルヒドリン系重合体との相溶性が良好であることにより好適に用いられる。また、チオウレア類とバインダー樹脂との重量比は、チオウレア:バインダー樹脂が、90:10〜60:40であるのが良い。
【0031】
本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物は、後述する方法により測定される圧縮永久歪みの値が20%以下、好ましくは15%以下であるのが良い。これは、20%より大きい場合には、現像ローラや帯電ローラ、転写ローラ等として用いた時の寸法変化が大きくなりすぎて、画像形成プロセス系の耐久性や精度維持に問題が生じ、実用に適さないためである。
【0032】
なお、本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物には、電気抵抗値の環境依存性を改善する等の目的で、カーボン等の電子導電性導電剤を、イオン導電性を完全に損なわない範囲で添加してもよい。
【0033】
本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物は、JIS K6911に記載の体積固有抵抗値試験において、印加電圧1000Vで測定した体積固有抵抗値が104.0[Ω・cm]以上1012.0[Ω・cm]以下、好ましくは104.0[Ω・cm]以上109.5[Ω・cm]以下であるのが良い。このように低電気抵抗とし適度な導電性を持たせることにより、転写ローラ等の導電性ローラに好適に用いることができる。
【0034】
上記硫黄と共にグアニジン系促進剤以外の加硫促進剤を用いてもよく、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドを組み合わせていることが好ましい。なお、ジベンゾチアジルジスルフィドのかわりに2−メルカプトベンゾチアゾール等を用いてもよい。
特に好適な、硫黄、加硫促進剤による加硫系としては、硫黄/ジベンゾチアジルジスルフィド/テトラメチルチウラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5、あるいは、硫黄/2−メルカプトベンゾチアゾール/テトラメチルチウラムモノスルフィド=1.5/1.5/0.5の割合で配合された加硫系が挙げられる。これにより、加硫時間が短くなる上に、効率良く共架橋でき、感光体汚染を低減できるとともに、圧縮永久ひずみを低減することができる。
【0035】
本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物には、ハイドロタルサイトを配合しても良く、ハイドロタルサイトは、塩素系ポリマー100重量部に対して、1重量部以上15重量部以下、好ましくは2重量部以上10重量部以下、さらに好ましくは2重量部以上6重量部以下配合するのが良い。これにより、高い架橋効率が得られると共に、感光体汚染を防止することができる。
【0036】
また、本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物には、老化防止剤を配合しても良く、老化防止剤は全ポリマー成分100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下、好ましくは2重量部以上8重量部以下、さらに好ましくは3重量部以上7重量部以下配合するのが良い。これにより、オゾン劣化を抑制できると共に、ローラ表面の酸化劣化とそれによる抵抗上昇を抑えて、連続通電後の抵抗変動が小さい導電性ローラを得ることができる。
上記老化防止剤としては、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等のフェノール類等が挙げられる。特に、アミン類のCD(4,4’(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン)、イミダゾール類のMB(2−メルカプトベンゾイミダゾール)やMBZ(2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩)、フェノール類のNBC(ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル)等が効果的である。これらの内から1種類を選んで単独で使用しても良いが、2種類または3種類を併用した方がブルームしにくいため好ましい。
【0037】
また、本発明は、本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物を用いることを特徴とする導電性ローラを提供している。本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物は、加硫速度が速く、圧縮永久歪みが小さく、ブルームの発生もなく、成形した発泡体の強度や生産性にも優れているので、これを用いて成形されてなる導電性ローラは、現像ローラや転写ローラ、又は帯電ローラ等に好適に用いることができる。特に、カラー複写機・カラープリンター用の転写ローラとして最適である。
【0038】
化学発泡剤により発泡された本発明の導電性ローラは、その発泡セルの最大セル径が100μm以下、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは75μm以下であるのが良い。これにより、高画質の良好な画像を得ることができる。
【0039】
上記導電性ローラは、常法により作製でき、例えば、上記導電性ローラ用ポリマー組成物(混練物)を単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を、缶加硫により160℃、10〜70分程度加硫し、中空状の加硫チューブを成形した後、芯金を挿入し表面を研磨した後、所要寸法にカットしてローラとする等の従来公知の種々の方法を用いることができる。
【0040】
加硫時間等の加硫条件は、ポリマー、発泡剤、架橋剤等の種類や配合比によって異なるが、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。なお、感光体汚染と圧縮永久歪みを低減させるため、充分な加硫量を得られる様に加硫温度、加硫時間等の条件を設定することが好ましい。
【0041】
なお、本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物は、上記炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーを主成分とするポリマー、化学発泡剤、硫黄、チオウレア類及び必要に応じて配合する各種配合剤(加硫促進剤、充填剤、受酸剤、老化防止剤等)を溶融混練して用いることが好ましい。溶融混練は通常の方法によって行うことができ、例えば、オープンロール、密閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用いて20℃〜130℃で2〜10分程度、混練りしている。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物は、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマーとして、エチレンオキサイド(EO)/エピクロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(AGE)の共重合比率が56モル%/40モル%/4モル%であるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(以下、GECOとも称する)を100重量部用い、化学発泡剤、硫黄、チオウレア類、加硫促進剤を含んでいる。
【0043】
具体的には、化学発泡剤として4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を7.5重量部、チオウレア類としてエチレンチオウレアを1.33重量部、グアニジン系促進剤であるジ−オルト−トリルグアニジンを1.13重量部、粉末硫黄を0.5重量部、加硫促進剤であるジベンゾチアジルジスルフィドを0.5重量部、テトラメチルチウラムモノスルフィドを0.17重量部、架橋助剤として酸化亜鉛を5重量部、その他充填剤等を配合している。
【0044】
上記のように、炭素−炭素間の二重結合及びハロゲンを有するポリマー、化学発泡剤、硫黄、チオウレア類及び必要に応じて各種配合剤を配合したポリマー組成物を、密閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用いて溶融混練している。該混練物を単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を加圧式水蒸気式加硫缶に投入し、160℃、10〜70分加硫することにより加硫ゴムチューブを得ている。この際、化学発泡剤がガス化して発泡すると共に、ゴム成分の架橋も進行している。上記のように加硫成形された円筒形状の導電性加硫発泡体チューブの中空部に、ホットメルト接着剤を塗布した金属製のシャフトからなる芯金を挿入して加熱、接着し、表面を研磨した後、所要寸法にカットして、導電性ローラとしている。具体的には、図1に示すように、導電性ローラ1は、略円筒形状であり、その内周には軸芯2が挿入されている。
【0045】
このような配合とすることにより、導電性ローラの圧縮永久歪みの低減を実現できると共に、架橋速度を速くすることができ、導電性ローラの生産性を向上することができる。また、感光体汚染やブルームの発生も防ぐことができる上に、加硫阻害も防止することができ、発泡体としたローラ強度も良好なものとすることができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、転写ローラとして上記導電性ローラ用ポリマー組成物より導電性ローラを作製したが、その他、現像ローラ、トナー供給ローラ、帯電ローラ等の導電性ローラを作製することもできる。また、缶加硫以外にも連続加硫、プレス加硫等により作製することもできる。
【0047】
以下、本発明の導電性ローラ用ポリマー組成物の実施例および比較例について詳述する。各々下記の表1及び表2に記載の配合により、導電性発泡ローラを作製した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
上記各表中の上段(加硫系まで)の数値は重量部である。また、圧縮永久ひずみの単位は%である。なお、略語GECOは、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、EOはエチレンオキサイド、EPはエピクロルヒドリン、AGEはアリルグリシジルエーテルを表す。
【0051】
(実施例1乃至実施例4)
実施例1〜4は表1に記載のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(GECO)に、実施例5は上記GECOとCR(クロロプレンゴム)との混合物(GECO:CR=60:40)に、化学発泡剤、硫黄、加硫促進剤及びエチレンチオウレア、酸化亜鉛(亜鉛華)とグアニジン系促進剤(ジ−オルト−トリルグアニジン)を各々、表1に示す配合比にて混合し、下記に示す方法により、本発明のポリマー組成物を用いたローラを得た。実施例1〜3、5は押し出し+缶加硫により製造し、実施例4は連続加硫により製造した。
なお、チオウレア類は、GECO100gに対して実施例1、4では0.0130mol、実施例2では0.0066mol、実施例3では0.0098mol、実施例5ではGECO+CR100gに対して0.0130molとした。
【0052】
(比較例1乃至比較例5)
比較例1、3、5ではGECOに、比較例6ではGECO+CRとの混合物(GECO:CR=60:40)に、化学発泡剤、硫黄、加硫促進剤を表2に示す各配合比にて混合したが、チオウレア類は配合しなかった。比較例2、4では、GECOに、チオウレア類を表2に示す各配合比にて混合したが、硫黄は配合しなかった。比較例1〜4、6は押し出し+缶加硫により製造し、比較例5は連続加硫により製造した。
【0053】
(押し出し+缶加硫による製造)
実施例1〜3、5および比較例1〜4、6について、各々上記した表1及び表2に記載の配合からなる材料を密閉式混練機(DS10−40MWA−S(株)森山製作所製)により各配合量で混練した。上記混練機からリボン取りしたポリマー組成物を押出機(φ60)に投入し、中空チューブ状に押し出した。このゴムチューブを適切な長さにカットし、予備成形体を成形した。
この予備成形体を加圧式水蒸気式加硫缶に投入し、160℃、10〜70分加硫することにより加硫ゴムチューブを得た。この際、化学発泡剤がガス化して発泡すると共に、ゴム成分の架橋も進行した。上記のように加硫成形された円筒形状の導電性加硫発泡体チューブの中空部に、ホットメルト接着剤を塗布した金属製のシャフトからなる芯金を挿入して加熱、接着し、表面を研磨した後、所要寸法にカットして、シャフト径φ6mm、ロール外径φ12mm、ロール長さ220mmの導電性発泡ローラを得た。加硫条件はキュラストメーターのt90(分)のデータを参考に適宜調整し、充分な加硫量が得られる様にした。
【0054】
(連続加硫による製造)
実施例4、比較例5について、各々上記した表1及び表2に記載の配合を混練した後、押出機により中空チューブ状に押し出した。この中空チューブを押出機から連続的に押し出して連続加硫装置で加硫することにより加硫ゴムチューブを得た。その後、上記同様に導電性発泡ローラを得た。
具体的には、リボン取りしたポリマー組成物を押し出し−連続加硫ラインの押出機に投入し押出機から押し出し後に、マイクロ波加硫(UHF)して加硫を進行させた後に、熱風加硫(HAV)を行った。UHFは、5.0m/分、3.5kWで、出口の材料表面温度は130℃〜150℃に設定した。HAVは210℃の熱い空気により加硫を行い、チューブ表面温度は170℃〜180℃とした。HAVゾーンの合計は30mで、この連続加硫時にゾーン間でガイドロールによりチューブを僅かに捻ることにより、1/2回転以上回転させた。
【0055】
上記のように作製した各実施例及び各比較例の導電性ローラ用ポリマー組成物を用いた導電性ローラについて、下記の特性測定を行った。その結果を上記表1及び表2の下段に示す。
【0056】
(加硫時間の評価)
実施例及び比較例の各未加硫のポリマー組成物を最適量サンプリングした後、日合商事株式会社製キュラストメータV型VDRで、加硫曲線を測定した。JIS規格の「振動式加硫試験機による加硫試験」の「ダイ加硫試験A法」に従い、ゴム試験片に破壊しない程度の低振幅(本発明では1°)の正弦波振動を与え、試験片から上ダイスに伝わるトルクを未加硫から過加硫に至るまで測定し,最適加硫時間の指標となるtc(90)(90%トルク上昇点:t90) [分]を計算し、各々比較した。
さらに、上記測定で得られた加硫曲線を図2、3に示す。図2、3によれば、本発明により架橋効率が、通常予想される領域(比較例1と比較例2の中間のトルク、あるいは、架橋速度)よりも、著しく上昇し、加硫速度も促進されていることがわかる。
【0057】
(ムーニ−スコーチ試験)
JIS K6300の未加硫ゴム物理試験方法の、ムーニ−スコーチ試験の記述に従って試験を行った。ただし、t5の測定は、130.0℃±0.5℃で行った。
【0058】
(圧縮永久ひずみの測定)
JISK6262「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した。圧縮割合は試験片の厚みの25%とした。なお、サンプルは、作製した導電性ローラから幅10mmの中抜き円筒状発泡体サンプルを採取し、これを測定した。この方法で測定した圧縮永久ひずみの値が20%以下であることが好ましく、15%以下であるとローラとしての実用上さらに好ましい。
【0059】
(ブルーム性調査)
上記実施例及び比較例で作製した各ローラを23℃、相対湿度55%の条件下で1ヶ月放置した後に、ローラ表面にブルームが生じていないかどうかを目視で判断し、以下の様に評価した。
○:ブルーム無し ×:ブルームあり
【0060】
(セル径の測定)
上記実施例及び比較例で作製した各ローラの断面を倍率(×100)で写真に撮り、セル径の最大径と最小径を調べた。この内、最大径(μm)を示す。
【0061】
(缶加硫の型崩れ/加硫チューブの表面状態)
上記の押し出し+缶加硫にて作製した発泡チューブについて、押出し直後に270mmの長さに切って、その後加硫した場合に、両端等が垂れており、実用に耐えないものを不可(×)、このような不具合が起こらず、量産可能なものを良(○)とした。
また、加硫チューブの表面状態については、上記のようにして、押出し+加硫を行った場合に、特に内面について、荒れがひどくて、手動によってもシャフトが挿入できないものを不可(×)、自動挿入装置では挿入が困難だが手動では何とか挿入できローラがかろうじて作製できそうなものを可(△)、内面肌が良好で、自動挿入装置による挿入が可能であったものを良(○)とした。
なお、不可のものについても、加硫時にチューブ受けを利用し、かつ270mmより長い寸法でカットしたものを加硫する等の方法で導電性ローラは作製しており、ローラとしての評価を行った。
【0062】
表1に示すように、実施例1〜4はGECOに、また、実施例5ではGECO+CRに、化学発泡剤、硫黄及びエチレンチオウレアを、表1に示すように規定の配合比にて配合しているため、t90が13分から18分であり、加硫時間が適切であった。また、圧縮永久ひずみは11%〜15%と適切な値であり、ブルームの発生も全くなかった。さらに、最大セル径も非常に小さい上に、加硫チューブの表面状態も良好であり、スコーチタイムも適度に短かった。
【0063】
また、缶加硫を行った実施例1〜3、5は缶加硫時の型崩れも無く、缶加硫により良好な製品を製造できた。連続加硫を行った実施例4はスコーチタイムt5が適度に短いため、連続加硫によっても良好な製品を製造できた。
【0064】
一方、表2に示すように、比較例1、3、6は、硫黄単独系であり、チオウレアを配合していないため、加硫阻害を起こし、缶加硫時に型崩れを起こすか、加硫チューブ表面が荒れていた。また、セル径もやや大きく、スコーチタイムが長かった。比較例3ではブルームも発生した。比較例6では、加硫時間を長くする必要があると共に、圧縮永久歪みも大きかった。
【0065】
また、比較例2は、チオウレア類及びグアニジン系促進剤を配合しているが、硫黄を配合していないため、加硫速度の指標となるt90が大きくなり、加硫速度が遅く、加硫チューブの表面状態もやや荒れており不適であった。
【0066】
比較例2と同様にチオウレア類及びグアニジン系促進剤を配合している比較例4では、チオウレア類の配合量を多くしたために加硫速度は速くなったが、ブルームが発生した。また、加硫チューブの表面状態もやや荒れていた。
【0067】
比較例5は、連続加硫による製造を試みたが、スコーチタイムt5が21分と長いため連続加硫による製造ができなかった。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、炭素−炭素間の二重結合(C=C)を有し、硫黄加硫ができ、ハロゲンを有し、かつイオン導電性を有するポリマー成分に、化学発泡剤、硫黄、加硫促進剤及びチオウレア類を含んでいる。このため、従来生じていた発泡剤による加硫阻害を低減することができ、それによって硫黄系のみで発泡剤を用いない場合に匹敵する非常に速い加硫速度と加硫効率を実現することができる。よって、良好な発泡状態を得ることができ、ニップ幅を大きくすることができる。
【0069】
また、チオウレア類の加硫系により低圧縮永久歪みを実現できると共に、硫黄加硫系により加硫速度を速くすることができ、感光体汚染やブルームを抑制しながら、電気抵抗値や圧縮永久歪みの低減と加硫速度の向上とを効率良く両立することができる。
【0070】
さらに、加硫チューブの表面も良好である上に、缶加硫で製造した時に生じる型崩れやそれを原因とする製造不良も防止でき、生産性を大きく向上することができる。さらには、セル径を均一に、しかも微小にすることができるため、高強度で非常に良好な発泡形状を示す導電性ローラを得ることができる。
【0071】
また、硫黄とチオウレアの併用加硫系であるため、それぞれの単独加硫系に比べスコーチタイムを著しく低減することができ、特に、エピクロルヒドリン系重合体を用いた発泡体の連続加硫による製造を可能にすることができる。よって、ゴムのロスが少なくなる上に、製造にかかる時間及び人件費を削減できるため、製造コストを削減することができる。また、発泡セルの径を微細にすることもできる。
【0072】
従って、特に、デジタル化、カラー化等、高画質化の技術の目覚しい現在において、その要求性能に耐え得る現像ローラ、帯電ローラ、あるいはカラー複写機・カラープリンター用転写ローラ等の導電性ローラを高品質に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性ローラの概略図である。
【図2】 実施例1〜3、比較例1、2のキュラストメータによる加硫曲線を示す図である。
【図3】 実施例5、比較例6のキュラストメータによる加硫曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ
2 軸芯
Claims (7)
- 炭素−炭素間の二重結合を有し、硫黄加硫ができ、ハロゲンを有し、かつイオン導電性を有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、クロロプレンゴム及び塩素化天然ゴムからなる群から選択される1種以上のポリマーからなるポリマー成分に、
テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(C n H 2n+1 NH) 2 C=S (n=1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレア類と、化学発泡剤と、硫黄と加硫促進剤を配合し、
前記ポリマー成分100重量部に対して、上記チオウレア類を0.0009mol以上0.0800mol以下の割合で配合していると共に、
前記ポリマー成分100重量部に対して、上記硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下、上記化学発泡剤を0.5重量部以上20重量部以下の割合で配合していることを特徴とする導電性ローラ用ポリマー組成物。 - 上記化学発泡剤がヒドラジン誘導体である請求項1に記載の導電性ローラ用ポリマー組成物。
- 上記ヒドラジン誘導体が、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である請求項2に記載の導電性ローラ用ポリマー組成物。
- 上記加硫促進剤としてグアニジン系促進剤が配合されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ローラ用ポリマー組成物。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ローラ用ポリマー組成物を用いてなることを特徴とする導電性ローラ。
- JISK6262「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮割合を試験片の厚みの25%とした場合の圧縮永久歪みが20%以下であることを特徴とする請求項5に記載の導電性ローラ。
- 前記導電性ローラの発泡セルの最大セル径を100μm以下とする請求項5または請求項6に記載の導電性ローラ。
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