JP4231981B2 - エピハロヒドリン系ゴム組成物およびその架橋物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ロールなどの材料として適したエピハロヒドリン系ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エピハロヒドリン系ゴムは、適度の弾性と適度の導電性を有しているため、導電性ゴム材料として、広く用いられている。しかし、接触複写方式の電子写真装置のロール用などの体積固有抵抗値が105〜1010Ω・cmである中抵抗領域のゴム材料として調製するためには、カーボンブラックなどの導電性粒子を配合して、体積固有抵抗値を調製する必要があった(特開平9−27215号公報など)。
【0003】
一般に、ゴムに平均粒径が小さく比表面積の大きなカーボンを配合した場合、少量で十分に導電性を付与できるが、配合量のばらつきや混練の際の分散のムラなどによってゴム部材の電気的均一性が劣ったり、カーボンブラックの配合によりゴム部材の硬度が上がってしまうため加工性が損なわれたり、ロール用として適当な弾性が選られないという問題があった。
【0004】
平均粒径が小さく比表面積の大きなカーボンを配合したゴム部材の硬度を上げない方法としては、液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴムなどの液状の低分子量ゴムを配合することが提案されている(例えば、特開平5−59222号公報など)。しかし、このようなカーボンブラックと液状のゴムの組み合わせでは、カーボンブラックの量が多いと液状のゴムがゴム部材からブリードしやすいという問題があった。
【0005】
さらに、エピハロヒドリン系ゴムはイオン伝導性であるため湿度の影響を受けやすく、体積固有抵抗値の環境変動が大きいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低硬度で、ブリードがなく、体積固有抵抗値の環境変動が小さく、電気的均一性に優れた、中抵抗領域の体積固有抵抗値を有する架橋物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、エピハロヒドリン系ゴムに低分子量エピハロヒドリン系重合体と特定のカーボンブラックを配合すると、低硬度で加工性が良好であり、ブリードがなく、体積固有抵抗値の環境変動が小さく、電気的に均一で、圧縮永久ひずみが小さい、中抵抗領域の体積固有抵抗値を有する架橋物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明によれば、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が20〜200のエピハロヒドリン系ゴム(A1)40〜90重量%とηsp/Cが0.01〜0.5の低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)60〜10重量%とを含有するゴム成分(A)100重量部および平均粒径90〜560nmかつ比表面積5〜20m2/gであるカーボンブラック(B)10〜250重量部を含有するゴム組成物および該ゴム組成物を架橋した架橋物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が20〜200のエピハロヒドリン系ゴム(A1)40〜90重量%とηsp/Cが0.01〜0.5の低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)60〜10重量%とを含有するゴム成分(A)100重量部および平均粒径90〜560nmかつ比表面積5〜20m2/gであるカーボンブラック(B)10〜250重量部含有するものである。
【0010】
本発明に用いられるエピハロヒドリン系ゴム(A1)は、エピハロヒドリン単量体(a1)の開環重合体または該単量体(a1)およびこれと共重合可能な単量体との開環共重合体である。単量体(a1)と共重合可能な単量体としては、アルキレンオキシド単量体(b1)が好ましい。
【0011】
エピハロヒドリン単量体(a1)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどが挙げられるが、中でもエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリン系ゴム(A1)を構成する全単量体単位に対する単量体(a1)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%である。単量体(a1)単位含有量が少なすぎると架橋物の吸湿性が高くなる場合があり、多すぎると架橋物の耐寒性が劣る場合がある。
【0012】
アルキレンオキシド単量体(b1)は、エチレンオキシドまたはエチレンオキシドの四つの水素の一つ以上が飽和炭化水素基によって置換された構造を有する化合物である。置換基は特に限定されず、また塩素などのハロゲン原子を含有していても良い。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカンなどの直鎖飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;1,2−エポキシ−イソブタン、1,2−エポキシ−3−メチル−ペンタンなどの分岐型飽和炭化水素基置換体;1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサンなどの環状飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;クロロプレンモノエポキシド、ブロモプレンモノエポキシドなどのハロゲン含有飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;などが挙げられる。これらのなかでも、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどが好ましい。エピハロヒドリン系ゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(b1)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%である。単量体(b1)単位含有量が少なすぎると、架橋物の耐寒性に劣る場合があり、多すぎると成型時に架橋物が発泡しやすくなり、また、架橋物の吸湿性が高くなるため、成型方法や使用条件によっては使用できない場合がある。
【0013】
単量体(b1)以外に、単量体(a1)および単量体(b1)と開環共重合可能で、かつエチレン性不飽和結合を有する単量体(c1)を使用してもよい。単量体(c1)としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル基を有する化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエートなどのグリシジルエステル基を有する化合物;ビニルシクロヘキシルエーテル、1,2−エポキシ−3−ブテン、1,2−エポキシ−3−ペンテン、エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどの不飽和炭化水素基で置換されたアルキレンオキサイド;などが挙げられる。これらの中でも、架橋物が耐オゾン性に優れるアリルグリシジルエーテルが好ましい。ゴム(A1)中の単量体(c1)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。単量体(c1)単位含有量が多すぎると、架橋物の破断伸びが低くなりすぎる場合がある。
【0014】
エピハロヒドリン系ゴム(A1)の100℃におけるムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、20〜200、好ましくは30〜150、特に好ましくは50〜100である。ムーニー粘度が低すぎると成形加工時の形状保持性が劣ったり、粘着性が強くなってしまい、高すぎると成形加工時の流動性が劣り、寸法安定性も低下する。
【0015】
本発明に用いられる低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)は、ηsp/Cが0.01〜0.5であって、エピハロヒドリン単量体(a2)の開環重合体または該単量体(a2)およびこれと共重合可能な単量体との開環共重合体である。共重合可能な単量体としては、アルキレンオキシド単量体(b2)が好ましい。
【0016】
単量体(a2)、単量体(b2)は、それぞれ、前述の単量体(a1)、単量体(b2)と同様のものが例示される。また、単量体(a2)と開環共重合可能な単量体であり、単量体(b2)以外の単量体(c2)も、前述の単量体(c1)と同様のものが例示される。重合体(A2)中の単量体(a2)単位含有量は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、特に好ましくは50モル%以上である。単量体(a2)が少なすぎると架橋物の吸湿性が高くなる場合がある。単量体(b2)単位含有量は、好ましくは70モル%以下、より好ましくは60モル%以下、特に好ましくは50モル%以下である。単量体(b2)が多すぎると成型時に架橋物が発泡する場合がある。単量体(c2)単位含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。単量体(c2)が多すぎると、熱による硬化型劣化を生じ、架橋物が脆くなる場合がある。
【0017】
低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)のトルエン溶液での還元粘度(ηsp/C)は、0.01〜0.5、好ましくは0.02〜0.4、より好ましくは0.03〜0.3である。ηsp/Cが大きすぎるとゴム組成物が硬くなり、加工性に劣り、小さすぎると低分子量エピハロヒドリン系重合体がブリードする場合がある。このような低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)は、比較的分子量の大きいものでも室温(23℃)で粘稠液であって、エピハロヒドリン系ゴム(A1)と違い、100℃でのムーニー粘度は、測定下限界以下のものである。
【0018】
本発明で用いるゴム成分(A)中のエピハロヒドリン系ゴム(A1)の含量は、40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは60〜80重量%であり、低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)の含量は、60〜10重量%、好ましくは50〜15重量%、特に好ましくは40〜20重量%である。ゴム(A1)の含有量が少なすぎると加工性が低下し、電気的均一性に劣り、多すぎると硬度が高くなりすぎる。
【0019】
ゴム成分(A)は、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で、これら以外のゴムを含有してもよい。ゴム(A1)および重合体(A2)以外のゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
【0020】
本発明で用いるカーボンブラック(B)は、平均粒径が90〜560nm、好ましくは95〜530nm、より好ましくは100〜500nm、比表面積が5〜20m2/g、好ましくは6〜19m2/g、より好ましくは6〜18m2/gのものである。粒径が小さすぎると架橋物の体積固有抵抗値の調整が困難であり、電気的に不均一になりやすく、逆に大きすぎるとゴム組成物の加工性が悪くなる。比表面積が小さすぎると体積固有抵抗値が小さくなり、逆に大きすぎると体積固有抵抗値が大きくなる。中でも、DBP吸収量が好ましくは40ml/100g以下、より好ましくは39ml/100g以下、特に好ましくは38ml/100g以下であると体積固有抵抗値の制御が容易になる。
【0021】
カーボンブラック(B)としては、サーマルブラックが好ましく、そのうち、ファイン・サーマル・ファーネス・ブラックとミディアム・サーマル・ファーネス・ブラックが特に好ましい。これらのカーボンブラック(B)を選択することにより、導電性を発現し、かつカーボンの配合量の変化に対して架橋物の体積固有抵抗値の変動幅が小さく、電気的に均一で、環境変動に対して体積固有抵抗値が安定した架橋物が得られる。
【0022】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)100重量部およびカーボンブラック(B)10〜250重量部、好ましくは25〜200重量部、より好ましくは50〜180重量部含有するものである。カーボンブラック(B)の量が少なすぎると導電性が不十分となるおそれがあり、多すぎると硬度が高くなって加工性が悪くなる。
【0023】
本発明のゴム組成物は、架橋剤を配合することにより、架橋性ゴム組成物とすることができる。架橋剤としては、硫黄、モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄供与体;ケトンパーオキシド類、パーオキシエステル類、ジアシルパーオキシド類、アルキルパーオキシド類などの有機過酸化物;1,3,5−トリチオシアヌール類;2−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジンなどメルカプトトリアジン類;チオウレア類;などを挙げることができる。これらの架橋剤の配合量は、ゴム成分(A)100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部、特に好ましくは0.3〜2重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、十分に架橋せず、架橋物が強度不足となる場合があり、多すぎると硬度が大きくなり、圧縮永久ひずみも悪くなる。
【0024】
また、本発明のゴム組成物には、必要に応じて加硫促進剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、受酸剤、顔料などゴム配合剤を必要に応じて配合することができる。配合量も本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、配合する目的に応じて決めればよい。
【0025】
本発明のゴム組成物は、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法により調製することができる。配合順序は、特に限定されないが、熱で分解しにくい成分(例えば、充填剤、老化防止剤など)を充分に混合した後、熱で反応したり、分解しやすい成分(例えば、架橋剤、架橋助剤など)を架橋開始温度より低温で短時間に混合するのが好ましい。
【0026】
本発明のゴム組成物は、架橋剤を含有している場合、加熱により架橋する。この架橋性ゴム組成物の成形方法および架橋方法は、特に限定されず、架橋物の形状や作業効率などの必要に応じて、成形と架橋を同時に行うか、成形後に架橋すればよい。
【0027】
本発明のゴム組成物を架橋する場合は、架橋温度は、好ましくは130〜200℃、より好ましくは140〜200℃であり、架橋時間は、一般に1分〜15時間の範囲である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱、赤外線あるいはマイクロウエーブによる加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。
【0028】
このようにして得られるゴム組成物の架橋物は、例えば、プリンター、複写機などの電子写真装置をはじめ、電子、電気、建築などの幅広い分野において、ゴムロール類、ベルト類、ブレード類、ドラム材、弾性部材、被覆材、保護材などとして有用である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。重合体の単位組成、組成物の配合組成については、特に言及しない限り、部および%は重量基準である。また、ゴム、架橋性ゴム組成物および架橋物の特性評価方法は、下記の通りである。
【0030】
還元粘度(ηsp/C)は、重合体1gをトルエン100mlに溶解し、30℃の恒温水槽中で温度を維持して、オストワルド粘度計タイプ0Aを用いて測定した。硬度はJIS K 6301に従って、スプリング式硬さ計A型を用いて測定した。圧縮永久ひずみはJIS K 6301に従って、成形後、70℃に22時間放置した後に測定した。
【0031】
体積固有抵抗値は、厚さ2mmの架橋シートを5枚作製し、温度23℃、湿度50%の環境条件下で24時間放置後、各試験片をガイドリング付き電極に挟んで、直流500Vの電圧で測定し、その中央値を測定値とした。低温低湿度環境の場合は、温度10℃、湿度20%に、高温高湿度環境の場合は、温度35℃、湿度80%に変えて測定した。
【0032】
電気的均一性は、上記の5回測定した体積固有抵抗値の最大値と最小値の比を対数にして示した。この数値が小さいほど、電気的に均一である。ブリードの有無は、目視で行った。
【0033】
実施例1
エピハロヒドリン系ゴム(X1)(エピクロロヒドリン単位含有量40モル%、エチレンオキサイド単位含有量56モル%、アリルグリシジルエーテル単位含有量4モル%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)60)75部、低分子量エピハロロヒドリン系重合体(Y1)(エピクロルヒドリンの単独重合体、トルエン溶液での還元粘度0.08ηsp/C)25部およびカーボンブラック(Z1)(ファイン・サーマル・ファーネス・ブラック、平均粒径150nm、比表面積16m2/g、DBP吸収量28ml/100g)75部を50℃のロールで混練し、さらに、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、硫黄0.3部およびテトラエチルチウラムジスルフィド1.2部を配合して架橋性ゴム組成物を調製した。
【0034】
混練したロールから架橋性ゴム組成物を厚さ2.2±0.1mmのシートとして取り出し、160℃で30分間プレス架橋し、150mm×150mmで厚さ2mmの架橋ゴムシート試験片を製造し、各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0035】
実施例2
カーボンブラック(Z1)の量を75部から50部に変えた以外は、実施例1と同様に各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0036】
実施例3
カーボンブラック(Z1)75部の代りにカーボンブラック(Z2)(ミディアム・サーマル・ファーネス・ブラック、平均粒径270nm、比表面積16m2/g、DBP吸収量37ml/100g)100重量部を用いる以外は、実施例1と同様に各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0037】
比較例1
カーボンブラック(Z1)75部の代りに炭酸カルシウム30部を用いた以外は、実施例1と同様に各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0038】
比較例2
エピハロヒドリン系ゴム(X1)量を75部から100部に変え、低分子量エピハロヒドリン系重合体(Y1)を配合しない以外は、実施例1と同様に各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0039】
比較例3
カーボンブラック(Z1)75部の代りにカーボンブラック(Z3)(平均粒径31nm、比表面積800m2/g、ケッチェンブラックEC、ライオン社製)10部を用いる以外は、実施例1と同様に各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0040】
比較例4
カーボンブラックを含有しない以外は、実施例1と同様にして調製したゴム組成物は、シートを形成しても、プレス架橋後、すぐに破損してしまうため、特性を測定できなかった。この結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表中の架橋物の物性の欄で「−」とあるのは、測定できなかったことを示す。
【0043】
本発明の架橋物は、エピハロヒドリン系ゴムと低分子量エピハロヒドリン系重合体が相溶しやすいためにブリードがなく、硬度が低く、圧縮永久ひずみが小さく、体積固有抵抗値は105〜107Ω・cmと適度な導電性を示し、低温度・低湿度、高温度・高湿度での抵抗の変動も小さい(実施例1〜3)。
【0044】
これに対して、補強材でもあるカーボンを含有しない架橋物は、強度が弱すぎて使用に耐えなかった(比較例4)。また、補強材としてカーボンの代りに導電性のない炭酸カルシウムを配合すると、体積固有抵抗値の環境変動が大きかった(比較例1)。さらに低分子量エピハロヒドリン系重合体を含有しない架橋物は、硬度が高く、体積固有抵抗値の環境変動も大きかった(比較例2)。従来から用いられているカーボンブラックを低分子量エピハロヒドリン系重合体を用い、強度が実施例と同程度になるようにカーボンブラックの量を調整したところ、得られた架橋物ではブリードが起こらず、体積固有抵抗値が中抵抗ロールとしては小さすぎ、電気的に不均一であった(比較例3)。
【0045】
【発明の効果】
本発明の架橋物は、低硬度で加工性が良好であり、ブリードがなく、体積固有抵抗値の環境変動が小さく、電気的に均一で、圧縮永久ひずみが小さく、中抵抗領域の体積固有抵抗値を有する。
Claims (2)
- ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が20〜200のエピハロヒドリン系ゴム(A1)40〜90重量%とηsp/Cが0.01〜0.5の低分子量エピハロヒドリン系重合体(A2)60〜10重量%とを含有するゴム成分(A)100重量部および平均粒径90〜560nmかつ比表面積5〜20m2/gであるカーボンブラック(B)10〜250重量部を含有するゴム組成物。
- 請求項1記載のゴム組成物を架橋した架橋物。
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