JP2002038001A - ゴム組成物、ゴム架橋物およびゴムロール - Google Patents

ゴム組成物、ゴム架橋物およびゴムロール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積固有抵抗値のばらつきが小さいゴム架橋
物を提供する。 【解決手段】 エピハロヒドリン単量体(a)単位10
〜100モル%、アルキレンオキサイド単量体(b)単
位0〜70モル%、およびa,b両成分と開環共重合可
能な単量体(c)単位0〜20モル%を含有するエピハ
ロヒドリン系開環共重合ゴム 100重量部に対し、D
BP吸油量60cm/100g以下かつ平均粒子径7
0nm以上のカーボンブラック(1)5〜80重量部、
およびDBP吸油量140cm/100g以上かつ平
均粒子径50nm以下のカーボンブラック(2)2〜2
0重量部を含有するゴム組成物を架橋剤を用いて架橋す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性を必要とす
る中抵抗ゴム組成物に関し、さらに詳しくは電子写真装
置のロール用に好適な中抵抗ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴム
は、耐油性、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性、耐圧縮
永久歪み性に優れ、電気抵抗が低いという特性を有して
おり、従来からホース、チューブ、ダイヤフラムなどの
各種ゴム製品の材料として、また電子写真装置のロール
などの導電性材料として広く用いられている。
【0003】エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴムは
電気抵抗性の小さいゴム材料であり、カーボンブラック
のような導電性物質を配合しなくても中抵抗のロール用
に使用できるという特長を有している。しかし、エピハ
ロヒドリン系開環(共)重合ゴムのみで作成したロール
は製品間での電気抵抗のバラツキ(ロット間変動)が生
じやすく、そのため少量のカーボンブラックを配合する
方法が提案されている(例えば、特開平9−27215
号)。この方法によれば、ゴムのみで用いる場合に比較
して、ロット間変動は減少するが、最近の厳しい品質の
要求に応えるには更なる改善が望まれている。また導電
性ロールにおいては、製品のどの部位でも同じ電気抵抗
性を示すこと(即ち、ロット内変動が小さいこと)が要
求されるが、単にカーボンブラックを配合しただけでは
必ずしも十分にロット内変動を小さくすることができな
いという問題がある。さらに、周囲の温度や湿度などの
使用環境条件による電気抵抗の変動が大きいという問題
もあり、またゴムの混練時やロールの成型時における加
工性が十分でないという問題がある。
【0004】一方、天然ゴムを主成分とするゴムロール
を製造するに当たり、平均粒子径の異なるカーボンブラ
ックを併用する方法が知られている(特開平8−127
675号公報)。この方法によってロット間変動を改良
できるとされているが、そのレベルは最近の要請に応え
うる水準には及んでいない。しかも、品質向上の面で要
求が厳しいロット内変動が大きいという問題がある。ま
た、この公開公報には、耐オゾン性の改良を目的として
主鎖に二重結合を持たないエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合ゴムやエピクロロヒドリン−エチレンオキサイ
ド共重合ゴムをブレンドすることも開示されているが、
具体的に記載されている配合例は天然ゴムを主成分と
し、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムを最大1
5重量%までブレンドしたものにすぎず、エピハロヒド
リン系開環(共)重合ゴムを用いた配合例は全く開示さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
従来技術の下で、電気抵抗性のロット内変動およびロッ
ト間変動がともに小さく、また使用環境条件による電気
抵抗の変動が小さく、しかも加工性に優れた中抵抗ゴム
材料を開発すべく鋭意研究を進めた結果、エピハロヒド
リン系開環(共)重合ゴムに粒径およびDBP吸油量が
異なる二種類のカーボンブラックを併用することが有効
なことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、エピハロヒドリン単量体(a)単位10〜100モ
ル%、アルキレンオキサイド単量体(b)単位0〜70
モル%、およびa,b両成分と開環共重合可能な単量体
(c)単位0〜20モル%を含有するエピハロヒドリン
系開環(共)重合ゴム 100重量部に対し、DBP吸
油量60cm/100g以下かつ平均粒子径70nm
以上のカーボンブラック(1)5〜80重量部、および
DBP吸油量140cm/100g以上かつ平均粒子
径50nm以下のカーボンブラック(2)2〜20重量
部を含有するゴム組成物が提供される。
【0007】また、本発明によれば、上記ゴム組成物に
架橋剤を加えて架橋した架橋物および該架橋物を中抵抗
ゴム層とするゴムロールが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】[ゴム組成物]本発明のゴム組成
物は、エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴムと、 粒
径およびDBP吸油量が異なる少なくとも二種類のカー
ボンブラックを含有する。
【0009】(エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴ
ム)本発明において用いられるエピハロヒドリン系開環
(共)重合ゴムは、エピハロヒドリン単量体(a)単位
が10〜100モル、好ましくは17〜83モル%、さ
らに好ましくは25〜67モル%であり、アルキレンオ
キシド単量体(b)単位が0〜70モル%、好ましくは
15〜68モル%、さらに好ましくは30〜65モル%
であり、さらにa,b両成分と開環共重合可能な単量体
(c)単位が0〜20モル%、好ましくは2〜15モル
%、さらに好ましくは3〜10モル%のものである。こ
のような重合体の具体例としては、エピハロヒドリン単
量体(a)のみの重合体、エピハロヒドリン単量体
(a)とアルキレンオキシド単量体(b)との共重合
体、エピハロヒドリン単量体(a)とa,b両成分と開
環共重合可能な単量体(c)との共重合体、エピハロヒ
ドリン単量体(a)とアルキレンオキシド単量体(b)
と上記単量体(c)との共重合体などが例示される。
【0010】エピハロヒドリン単量体(a)としては、
エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチル
エピクロルヒドリンなどが挙げられるが、中でもエピク
ロルヒドリンが好ましい。
【0011】アルキレンオキシド単量体(b)として
は、エチレンオキシドまたはその置換体が挙げられる。
置換基は飽和炭化水素基であれば特に限定されず、直鎖
状炭化水素基でも環状炭化水素基でも良く、また塩素等
のハロゲン基が含まれていても良い。具体的な単量体の
例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシ−イソブタ
ン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサ
ン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカ
ン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘ
キサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エ
ポキシエイコサン、1,2−エポキシシクロペンタン、
1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシク
ロドデカン、クロロプレンモノエポキシドなどが挙げら
れ、これらの中でもエチレンオキシド、プロピレンオキ
シドなどが好ましく、エチレンオキシドがより好まし
い。
【0012】a,b両成分と開環共重合可能な単量体
(c)としては、特に限定されないが、炭素−炭素二重
結合およびエポキシ環を有する化合物、例えばグリシジ
ルエーテル基を有する化合物、グリシジルエステル基を
有する化合物、不飽和炭化水素基で置換されたアルキレ
ンオキサイドなどが好ましい。グリシジルエーテル基を
有する化合物としては、ビニルグリシジルエーテル、ア
リルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジ
ルエーテルなどが、グリシジルエステル基を有する化合
物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4
−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジル
リノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジ
ルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン
酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−3
−ペンテノエートなどが、不飽和炭化水素基で置換され
たアルキレンオキサイドとしては、ブタジエンモノエポ
キシド、4,5−エポキシ−2−ペンテン、エポキシ−
1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−
シクロドデカジエンなどが挙げられる。これらの中で
も、アリルグリシジルエーテルがとくに好ましい。
【0013】エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴムは
エピハロヒドリン単量体(a)単位が10モル%以上で
あり、その含有量が少なすぎると架橋物の吸湿性が高く
なったり、架橋物の体積固有抵抗値の環境依存性が大き
くなるため、環境によっては使用できない場合がある。
アルキレンオキシド単量体(b)単位は必ずしも必須で
はないが、この単位があることによって耐寒性が改良さ
れる。また、その他の単量体(c)単位を存在させるこ
とによって、耐オゾン性を改良したり、架橋物の硬度を
調整することが容易になる。
【0014】エピハロヒドリン系開環共重合ゴムのムー
ニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは20〜
150、より好ましくは30〜120、特に好ましくは
35〜100である。ムーニー粘度が低すぎると成形加
工時の形状保持性が劣ったり、粘着性が強くなってしま
い、高すぎると成形加工時の流動性が劣り、寸法安定性
も低下する。
【0015】本発明のゴム組成物は、二種類のカーボン
ブラック(1)および(2)を含有する。カーボンブラ
ック(1)のDBP吸油量(ASTM D2414)
は、60cm/100g以下、好ましくは10〜50
cm/100g、より好ましくは15〜40cm
100gである。DBP吸油量が大きすぎると架橋物内
部の部位間および架橋物間の電気抵抗値の変動が大きく
なる。また、平均粒子径は70nm以上、好ましくは7
2〜500nm、より好ましくは75〜300nmであ
り、この値が小さすぎると電気抵抗の低下が大きくな
り、添加量の僅かな変動により電気抵抗が変動しやすく
なる。またロール成型時の押出加工性にも劣るようにな
る。
【0016】カーボンブラック(2)のDBP吸油量
は、140cm/100g以上、好ましくは145〜
550cm/100g、より好ましくは150〜40
0cm /100gである。DBP吸油量が小さすぎる
と架橋物内部の部位間および架橋物間の電気抵抗値の変
動が大きくなる。また、平均粒子径は、50nm以下、
好ましくは10〜45nm、より好ましくは20〜40
nmであり、粒径が大きすぎると中抵抗領域の電気抵抗
とするためにカーボンブラックの添加量を多くする必要
があり、ロール成型時の押出加工性にも劣るようにな
る。またロールの硬度が大きくなりやすいという問題が
生じる。
【0017】エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴムと
カーボンブラックとの配合比は、ゴム100重量部に対
して、カーボンブラック(1)の下限が5重量部、好ま
しくは10重量部、より好ましくは15重量部であり、
上限が80重量部、好ましくは70重量部、特に好まし
くは50重量部であり、一方、カーボンブラック(2)
の含有量の下限は2重量部、好ましくは3重量部、より
好ましくは4重量部であり、上限は20重量部、好まし
くは18重量部、特に好ましくは16重量部である。こ
れらの量が少なすぎたり多すぎたりすると、中抵抗領域
に調製しにくくなり、また成形時の押出加工性や架橋後
に成型品の表面を研磨する際の研磨性に劣るようにな
る。
【0018】本発明のゴム組成物には、通常、架橋剤が
配合される。その配合量はエピハロヒドリン系開環
(共)重合ゴム100重量部に対し0.1〜10重量
部、好ましくは0.2〜8重量部、さらに好ましくは
0.3〜7重量部である。
【0019】(架橋剤)架橋剤としては、硫黄または硫
黄供与体、有機過酸化物、トリアジン類、チオウレア
類、2,3−ジメルカプトキノキサリン類などを挙げる
ことができる。硫黄供与体としては、例えば、モルホリ
ンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドな
どのチウラム類を挙げることができる。有機過酸化物と
してはケトンパーオキシド類、パーオキシエステル類、
ジアシルパーオキシド類、アルキルパーオキシド類が挙
げられ、これらの有機過酸化物を使用したときは耐圧縮
永久歪みが小さい架橋物が得られる。トリアジン類とし
ては、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、
2−メチル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンな
どを挙げることができる。チオウレア類としては、エチ
レンチオウレア、ジブチルチオウレア、トリエチルチオ
ウレアなどを挙げることができる。2,3−ジメルカプ
トキノキサリン類としては、キノキサリン−2,3−ジ
チオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−
ジチオカーボネートなどをあげることができる。
【0020】本発明においては、必要により、架橋剤と
共に架橋助剤を使用することができる。硫黄または硫黄
供与体と組み合わせて用いる架橋助剤としては、チウラ
ム系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系
促進剤などが挙げられる。チウラム系促進剤としてはテ
トラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウ
ラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド
などが挙げられる。チアゾール系促進剤としては、2−
メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスル
フィドなどが挙げられる。スルフェンアミド系促進剤と
しては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスル
フェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミドなどが挙げられる。ゴム成分10
0重量部あたりのこれらの架橋助剤の使用量は、好まし
くは0〜15重量部、より好ましくは0.1〜12重量
部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。
【0021】有機過酸化物架橋剤と組み合せて用いる架
橋助剤としては、エチレンジメタクリレート、ジアリル
フタレート、N,N−m−フェニレンジマレイミド、ト
リアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレートなどの分子内に二つ以上の架橋性の不
飽和結合を有する化合物などを用いることができる。こ
れらの使用量は、ゴム成分100重量部あたり、好まし
くは20重量部以下、より好ましくは0.1〜15重量
部、特に好ましく0.3〜10重量部である。
【0022】チオウレア系架橋剤と組み合わせて用いる
架橋助剤としては、チウラム系架橋促進剤、チアゾール
系架橋促進剤、スルフェンアミド系架橋促進剤などが挙
げられる。チウラム系架橋促進剤としては、テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジス
ルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどが挙
げられる。チアゾール系架橋促進剤としては、2−メル
カプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィ
ドなどが挙げられる。スルフェンアミド系架橋促進剤と
しては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスル
フェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミドなどが挙げられる。 ゴム成分1
00重量部あたりのこれらの架橋助剤の使用量の上限
は、好ましくは15重量部、より好ましくは12重量
部、特に好ましくは10重量部である。
【0023】トリアジン類や2,3−ジメルカプトキノ
キサリン類と組み合せて用いる架橋助剤としては、架橋
を促進するものとして、一価のアミンであるラウリルア
ミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、ジオルソト
リルグアニジン、ピペリジン、ピロリジンなどの強塩基
あるいは、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7のような超強塩基が挙げられる。また、N
−シクロヘキシルチオフタルイミドのように架橋を遅延
させるものを用いてもよい。ゴム100重量部あたりの
これらの架橋助剤の使用量は、好ましくは0〜10重量
部、より好ましくは0.1〜7重量部、特に好ましくは
0.3〜5重量部である。
【0024】エピハロヒドリン系開環共重合ゴムの架橋
剤には、受酸剤を併用することができる。受酸剤として
は、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛などの
ごとき周期律表第2族または第12族の金属の酸化物、
水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、亜
燐酸塩などがあり、その具体例としては、例えば、酸化
マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭
酸カルシウム、硼酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フ
タル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛などが
挙げられる。また、他の受酸剤としては、錫、珪素など
のごとき周期律表第14族金属の酸化物、塩基性炭酸
塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫
酸塩が挙げられ、その具体例としては、ステアリン酸
錫、塩基性亜燐酸錫などが挙げられる。さらに他の受酸
剤としては、一般式MgAl(OH)
2X+3Y−2CO ・wHO(ただしXは1〜10
の数、Yは1〜5の数、wは実数を表わす。)で示され
るハイドロタルサイト類が挙げられ、その具体例として
は、Mg4. Al(OH)13CO・3.5H
O、Mg4.5Al(OH)13CO、MgAl
(OH)16CO・4HOなどが挙げられる。こ
れらの受酸剤は、エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴ
ム100重量部に対し、好ましくは20重量部以下、よ
り好ましくは15重量部以下の割合で使用される。
【0025】(配合物)本発明のゴム組成物には、その
特性を本質的に損なわない限り、天然ゴム、ポリブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリルゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴムなどのごときエピハロヒドリン系
開環(共)重合ゴム以外のゴム;オレフィン系熱可塑性
エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化
ビニル系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラス
トマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレ
タン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマ
ー;ポリ塩化ビニル、クマロン樹脂、フェノール樹脂な
どの樹脂などを配合してもよい。
【0026】その他のゴムの含量は、エピハロヒドリン
系開環(共)重合ゴム100重量部に対して、好ましく
は50重量部以下、より好ましくは40重量部以下、特
に好ましくは30重量部以下であり、その含量が多すぎ
ると、体積固有抵抗値を中抵抗領域に調整することが難
しくなり、体積固有抵抗値がばらついたり、また成形時
の加工性に劣るようになる。
【0027】また本発明においては、押出加工性や硬さ
を調製するために、その他の成分として液状ポリマーを
含有させてもよい。液状ポリマーは、25℃での粘度
が、好ましくは500〜100万cps、より好ましく
は1000〜50万cps、特に好ましくは1500〜
30万cpsのものである。この粘度が低すぎると、混
練が困難になるなど、操作性に問題が生じる場合があ
る。逆に粘度が高すぎると、押出加工性や硬さの改良効
果が十分でなくなる。液状ポリマーの具体例としては、
液状ゴム、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑
剤、炭化水素系合成伸展油などが挙げられるが、液状ゴ
ム、例えば液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状ク
ロロプレンゴム、液状エピハロヒドリン系開環(共)重
合ゴムなどが好ましく用いられる。液状ポリマーの配合
量は、エピハロヒドリン系開環(共)重合ゴム100重
量部当たり、好ましくは1〜50重量部、より好ましく
は5〜40重量部である。
【0028】本発明においては、さらに他の成分とし
て、ゴム工業において通常使用される無機充填剤を配合
することができる。具体的には、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、シリカ、メタ珪酸カルシウム、珪藻土、水
酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、
硫酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、炭酸カル
シウムが好ましい。この無機充填剤をくわえることによ
って、架橋後に成形品を研磨する際の研磨性や押し出し
特性が改善される。無機充填剤の配合量は、エピハロヒ
ドリン系開環共重合ゴム100重量部に対して、好まし
くは150重量部以下、より好ましくは10〜140重
量部、特に好ましくは25〜130重量部であり、この
配合量が多くなるにつれて押出加工性が劣るようにな
り、硬度の調整も難しくなる。これらの無機充填剤の平
均粒子径は、通常10μm以下、好ましくは5μm以下
であり、この粒子径が大きすぎると研磨性が十分に改良
されず、同一製品内での表面状態が変動し、電気抵抗値
のロット内変動が大きくなりやすい。
【0029】本発明においては、本発明の効果を本質的
に阻害しない範囲で、さらに補強材、老化防止剤、酸化
防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、架橋遅延剤、可塑
剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴
剤、帯電防止剤、着色剤などをさらに配合することがで
きる。
【0030】(組成物の調製)本発明のゴム組成物は、
前記の各種配合成分を、ロール混合、バンバリー混合、
スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法により
配合することによって調製することができる。配合順序
は、特に限定されないが、熱で分解しにくい成分(例え
ば、エピハロヒドリン系開環共重合ゴム、カーボンブラ
ック(1)、カーボンブラック(2)など)を充分に混
合した後、熱で反応したり、分解しやすい成分(例えば
架橋剤、架橋助剤など)をなるべく低温で短時間に混合
すればよい。
【0031】(成形および架橋)本発明においては、常
法に従ってゴム組成物を成形し、架橋することができ
る。成形方法はのなかでは、とくに押出成形に適してい
る。架橋は、必要に応じて、成形と同時に行うか、成形
後に架橋する。
【0032】本発明の架橋性ゴム組成物は、加熱するこ
とにより架橋しうるものであるが、その際の加熱温度
は、好ましくは130〜200℃、より好ましくは14
0〜190℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時
間必要となったり、架橋密度が低くなる場合がある。温
度が高すぎる場合は、架橋が短時間で進行し、成形不良
を起こす場合がある。架橋時間は、架橋方法、架橋温
度、形状などにより異なるが、1分〜15時間である。
加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加
熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜
選択すればよい。
【0033】[架橋物]本発明のゴム組成物は、自動
車、電子、電気、建築などの幅広い分野におけるゴム製
品として用いられる。例えば、プリンターや複写機など
の電子写真装置に使用されるゴムロール材、ドラム材、
ベルト材、トナーなどの層厚を調整するブレード類など
として有用である。また、印刷機に使用されるゴムロー
ル材、ベルト材としても有用である。これ以外にも一般
機器、一般装置などに用いられる弾性部材、被覆材、保
護材などとしても有用である。
【0034】(ゴムロール)以下に本発明の効果が最も
発揮される電子写真装置用部品に用いられる中抵抗のゴ
ムロールを例に挙げて説明する。
【0035】本発明のゴム架橋物を軸体の外周面に用い
ることにより、中抵抗領域の電気抵抗のゴム層を有する
ゴムロールが得られる。この場合、ゴム層に用いられる
架橋物の体積固有抵抗値の下限は、好ましくは10Ω
・cm、より好ましくは10 5.5Ω・cm、特に好ま
しくは10Ω・cmであり、上限は、好ましくは10
12Ω・cm、より好ましくは1011Ω・cm、特に
好ましくは1010Ω・cmである。体積固有抵抗値が
小さすぎるとロールが帯電しにくい場合があり、大きす
ぎると帯電した電荷量が大きくなりすぎる場合があり、
どちらの場合も、画像が不鮮明になることがある。
【0036】また、中抵抗領域のゴム層に用いられる架
橋物の硬度(Duro−A)の下限は、好ましくは1
0、より好ましくは15、特に好ましく20であり、上
限は、好ましくは80、より好ましくは70、特に好ま
しくは60である。架橋物の硬度が小さすぎると粘着性
が大きくなったり、変形量が大きくなり、画像が不鮮明
になりやすく、大きすぎると感光体との接触面積が小さ
くなり、また、感光体を傷つける恐れがある。
【0037】さらに、中抵抗領域のゴム層の層厚は特に
限定されないが、層厚の下限は、好ましくは10μm、
より好ましくは50μm、特に好ましくは100μmで
あり、上限は、好ましくは15mm、より好ましくは1
0mm、特に好ましくは8mmである。層厚が小さすぎ
ると摩耗に対する耐久性が低下する場合があり、大きす
ぎると画像形成時に必要な電荷量が大きくなるため、画
像が不鮮明になったり、画像形成装置が大型にする必要
が生じたりする場合がある。
【0038】ゴムロールの成形方法は、特に限定されな
いが、例えば、一軸や多軸の押出機を使用して軸体と同
時に本発明のゴム組成物を押出成形して、軸体の外側に
半導電性ゴム層を形成した後、加熱して架橋する方法や
射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形
機、プレス成形機などを使用して金型で成形し、架橋し
て、軸体に積層する方法などが挙げられる。その中で
も、押出成形機を用いて成形を行うことが最も適してい
る。
【0039】本発明のゴムロールは、上記のごとき中抵
抗領域のゴム層と軸体との中間またはその外周に、他の
導電性基層を有してもよい。導電性基層としては特に限
定されないが、導電性弾性体が好ましい。導電性基層と
しては、例えば、ゴムに導電性付与剤を配合してなる組
成物を架橋してなる架橋物や発泡させてなる発泡体、熱
可塑性エラストマーに導電性付与剤を配合してなる組成
物などが挙げられる。導電性基層として用いられるゴム
としてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリブタジ
エンゴムなどが単独でもしくは混合して用いられる。導
電性付与剤としてはアセチレンブラックなどのカーボン
ブラック、導電性酸化スズ、導電性酸化亜鉛などの導電
性金属化合物、界面活性剤などが挙げられる。
【0040】本発明のゴムロールは、本発明の効果を本
質的に損なわない限り、ゴム層の表面に保護層を有して
もよい。保護層には、樹脂層またはゴム層が用いられ、
中抵抗領域の電気抵抗を有する樹脂層またはゴム層が好
ましい。
【0041】保護層を構成する樹脂としては、特に限定
されず、一般の中抵抗領域の電気抵抗のゴムロールにお
いて保護層として用いられる樹脂、例えば、ポリウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ
る。
【0042】保護層を構成する樹脂として用いられるポ
リウレタン樹脂は、多官能イソシアネート化合物とエチ
レンオキシドポリオールまたはポリエステルポリオール
との反応物である。このポリウレタン樹脂は、分子鎖中
に親水性官能基を有していてもよく、ポリウレタン樹脂
水分散液を用いて保護層を形成することが好ましい。
【0043】樹脂層を構成する樹脂として用いることの
できるナイロン樹脂の中ではN−メトキシメチル化ナイ
ロンが好ましい。N−メトキシメチル化ナイロンは、6
−ナイロンのアミド基をメトキシメチル化することによ
って得られるものであり、そのメトキシ化率を高くする
ことによりアルコールに対する溶解性が向上する。
【0044】保護層に樹脂層を用いた場合の樹脂層の層
厚の下限は、好ましくは5μm、より好ましくは7μm
、特に好ましくは10μmであり、上限は、好ましく
は200μm、より好ましくは150μm、特に好まし
くは100μmである。層厚が薄すぎると摩耗に対する
耐久性が低下する場合があり、厚すぎると被膜にクラッ
クが入る場合がある。
【0045】本発明のゴムロールはプリンターや複写
機、FAXのような電子写真装置用、グラビア印刷用な
どのゴムロールとして使用できる。特に、電子写真装置
部品として使用されるゴムロールに好適であり、なかで
も感光体と接触するロール、例えば、帯電ロール、現像
ロール、転写ロール、中間転写材などとして特に好適で
ある。
【0046】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明をより
具体的に説明する。なお、実施例および比較例における
部および%は特に断りのない限り、重量基準である。ま
た、試験における特性評価方法は下記の通りである。
【0047】(1)押出加工性は、ASTM D223
0−77記載のA法に準じて測定した。押出条件はスク
リュー回転数が30rpm、設定温度はバレル60℃、
ヘッド80℃である。 (2)架橋物の常態物性は、JIS K 6300に準
じて、引張強さ、破断伸びおよび硬さ(Shore
A)を測定した。 (3)研磨性(アクロン摩耗性)は、BS規格903
part A9 C法に準じ、研磨盤(粒度A−40)
で傾角15°で研磨し、表面状態を観察し、表面状態の
平滑性を5点評価で判断した。数字が大きいほど平滑で
ある。
【0048】(4)電気抵抗値の環境変動は、架橋ゴム
シート試験片を、ガイドリング付き電極に挟んで、直流
500Vの電圧で、10℃で20%RH、23℃で50
%RH、35℃で80%RHの3つの条件にて体積固有
抵抗値ρ(Ω・cm)を測定した。なお、log ρ
@N/Nは、23℃、50%RHで測定した体積固有抵
抗値の対数値であり、log △ρ(H/H vs L
/L)は、35℃、80%RHでの体積固有抵抗値の対
数値と10℃、20%RHでの体積固有値の対数値との
差であり、電気抵抗値の環境変動の大きさを示したもの
である。
【0049】(5)電気抵抗値のロット内変動は、架橋
ゴムシートの中心点および四隅の計4点、合計5点をハ
イレスタIP(三菱化学製)にてプローブとしてHAを
用い直流500Vの電圧で、23℃で50%RHの体積
固有抵抗値ρ(Ω・cm)を測定した。log △ρ
(ロット内)の数値は、その最大値の対数値と最小値の
対数値の差であり、ロット内変動の大きさを示したもの
である。 (6)電気抵抗値のロット間変動は、ゴムの混練を3回
行って製造した各1枚計3枚の架橋ゴムシート試験片を
用いて(4)と同様に23℃で50%RHの体積固有抵
抗値ρ(Ω・cm)を測定した。log △ρ(ロット
間)は、その最大値の対数値と最小値の対数値の差であ
り、ロット間変動の大きさを示したものである。
【0050】(7)ロールの電気抵抗値は、ロールを幅
が7mmの金メッキされたコレクター電極を間隔が35
mmになるように5本並べて接触させ、各電極間の23
℃、50RH%での抵抗値ρ(Ω)を測定した。log
ρはその平均値を対数値で示したものである。また、
表2のlog △ρは、このようにして測定した最大値
の対数値と最小値の対数値の差であり、ロット内変動の
大きさを示している。(8)ゴムロールの表面粗さは、
JIS B0601に準じて測定した。
【0051】実施例1 エピクロルヒドリン単位45モル%、アリルグリシジル
エーテル単位5モル%、エチレンオキサイド単位50モ
ル%を含有してなる三元共重合体(エピハロヒドリン系
開環共重合ゴム)100部、カーボンブラック(1)と
してカーボンブラック(A)(DBP吸油量37cm3
/100g、粒径270nm、Cancarb製、Th
emax N−990)35部、カーボンブラック
(2)としてカーボンブラック(C)(DBP吸油量3
60cm3/100g、粒径30nm、Akzo No
bel製、ケッチェンブラックEC)5部、液状ゴム
(I)(液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム、日本ゼオン製、Nipol 1312)25部、加
工助剤(Axel社製、Moldwiz Int−21
G)2部および亜鉛華#1(酸化亜鉛、正同化学工業社
製)5部を50℃に設定したバンバリーにて回転数10
0rpmで5分間混練した。
【0052】さらに、直径8インチのロール混練機を用
いて、50℃にて、硫黄(鶴見化学工業製、サルファッ
クスPMC)0.8部、テトラエチルチウラム・ジスル
フィド(大内新興製、ノクセラーTET)2.0部およ
びジベンゾチアジル・ジスルフィド(川口化学社製、ア
クセルDM)1.5部を加えて3分間混練し、その段階
での押出加工性を測定した。
【0053】次いで、ロールからゴム組成物を厚さ2.
2±0.1mmのシートとして取り出し、160℃で3
0分間プレス架橋し、150mm×150mmで厚さ2
mmの架橋ゴムシート試験片を製造し、各測定を行っ
た。これらの測定値を表1に示す。
【0054】さらに、ステンレス製で全体の長さが26
3mm、半導電性層被覆部の長さ227mm、外径10
mmの円柱状中実体を軸体とするゴムロールを以下のよ
うにして製造した。即ち、クロスヘッド押出機を用いて
軸体とゴム組成物とを同時に押し出し、軸体の周囲にゴ
ム組成物を被覆した。次いで、蒸気缶により150℃で
60分間架橋し、両端部の余分な部分の架橋ゴムを取り
除き、その表面を研磨材で研磨して、外径18mmのゴ
ムロールを得た。このゴムロールの表面粗さと抵抗値を
測定し、測定結果を表2に示した。
【0055】実施例2 ゴム組成物の調製において、さらに炭酸カルシウム
(G)(粒径3μm、白石工業製、シルバーW)80部
を加える以外は、実施例1と同様に、各測定を行った。
これらの測定値を表1に示す。さらに、この架橋性ゴム
組成物を実施例1と同様にロールを製造し、表面粗さと
ゴムロールの抵抗値を測定した。その結果を表2に示
す。
【0056】実施例3 ゴム組成物の調製において、液状ゴムを配合せず、炭酸
カルシウム(G)80部を加える以外は、実施例1と同
様に、各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0057】実施例4〜5 ゴム組成物の調製において、炭酸カルシウム(G)20
部または120部を加える以外は、実施例1と同様に、
各測定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0058】実施例6 ゴム組成物の調製において、さらに炭酸カルシウム
(H)(粒径6.2μm、ケーシー工業製、KC−3
0)80部を加える以外は、実施例1と同様に、各測定
を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0059】実施例7 ゴム組成物の調製において、カーボンブラック(1)と
してカーボンブラック(A)の代りにカーボンブラック
(B)(DBP吸油量28cm3/100g、粒径80
nm、旭カーボン製、アサヒサーマル)20部を、カー
ボンブラック(2)としてカーボンブラック(C)の代
りにカーボンブラック(D)(DBP吸油量160cm
3/100g、粒径35nm、電気化学工業製、デンカ
ブラック)10部を用い、さらに炭酸カルシウム(G)
80部を加える以外は、実施例1と同様に、各測定を行
った。これらの測定値を表1に示す。
【0060】比較例1 ゴム組成物の調製において、カーボンブラック(A)の
代りにカーボンブラック(1)、(2)のいずれにも該
当しないカーボンブラック(E)(DBP吸油量68c
3/100g、粒径66nm、東海カーボン社製、シ
ーストS)10部を用い、さらに炭酸カルシウム(G)
80部を加える以外は、実施例1と同様に、各測定を行
った。これらの測定値を表1に示す。さらに、この架橋
性ゴム組成物を実施例1と同様にロールを製造し、表面
粗さとゴムロールの抵抗値を測定した。その結果を表2
に示す。
【0061】比較例2 ゴム組成物の調製において、カーボンブラック(C)の
代りにカーボンブラック(1)、(2)のいずれにも該
当しないカーボンブラック(F)(DBP吸油量114
cm3/100g、粒径23nm、東海カーボン社製、
シースト600)10部を用い、さらに炭酸カルシウム
(G)80部を加える以外は、実施例1と同様に、各測
定を行った。これらの測定値を表1に示す。
【0062】比較例3 ゴム組成物の調製において、カーボンブラック(1)と
してカーボンブラック(B)のみ60部を用い、さらに
炭酸カルシウム(G)80部を加える以外は、実施例1
と同様に、各測定を行った。これらの測定値を表1に示
す。さらに、この架橋性ゴム組成物を実施例1と同様に
ロールを製造し、表面粗さとゴムロールの抵抗値を測定
した。その結果を表2に示す。
【0063】比較例4 ゴム組成物の調製において、カーボンブラック(2)と
してカーボンブラック(D)のみ12部を用い、さらに
炭酸カルシウム(G)80部を加える以外は、実施例1
と同様に、各測定を行った。これらの測定値を表1に示
す。さらに、この架橋性ゴム組成物を実施例1と同様に
ロールを製造し、表面粗さとゴムロールの抵抗値を測定
した。その結果を表2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】表1および表2の結果から、本発明例では
押し出し特性、研磨性、電気抵抗値の環境変動、ロット
内変動およびロット間変動でのいずれの面でも優れてお
り、また炭酸カルシウムを配合した系ではとくに研磨性
に優れていることがわかる。これに対して、二種類のカ
ーボンブラックを併用する場合であっても、粒径やDB
P吸油量が異なるものを用いる場合には、電気抵抗値の
ロット内変動、ロット間変動が大きくなり、とくにロッ
ト内変動は本発明に比較してはるかに大きな値になる
(比較例1および2)。また一種類のカーボンブラック
を用いる場合にも、電気抵抗値のロット内変動、ロット
間変動が大きく、カーボンブラックの種類によっては、
電気抵抗性の環境変動、押し出し特性、研磨性も低下す
る(比較例3および4)。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、電気抵抗性のロット内
変動およびロット間変動がともに小さく、また使用環境
条件による電気抵抗の変動が小さく、しかも加工性や研
磨性に優れた中抵抗ゴム材料が提供され、また電気抵抗
の安定性に優れた導電性ゴムロールが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 A E Fターム(参考) 3J103 AA02 FA30 GA02 GA57 GA58 HA02 HA20 HA53 4J002 CH021 CH041 DA036 DA037 EK038 EK048 EK058 EK068 EV128 EV168 EV348 FD010 FD148 FD150 FD200 GH00 GM00 GM01 4J005 AA04 AA05 AA09 AA10 BA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エピハロヒドリン単量体(a)単位10
    〜100モル%、アルキレンオキサイド単量体(b)単
    位0〜70モル%、およびa,b両成分と開環共重合可
    能な単量体(c)単位0〜20モル%を含有するエピハ
    ロヒドリン系開環共重合ゴム 100重量部に対し、D
    BP吸油量60cm/100g以下かつ平均粒子径7
    0nm以上のカーボンブラック(1)5〜80重量部、
    およびDBP吸油量140cm/100g以上かつ平
    均粒子径50nm以下のカーボンブラック(2)2〜2
    0重量部を含有するゴム組成物。
  2. 【請求項2】 さらに架橋剤(3)0.1〜10重量部
    を含有する請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のゴム組成物を架橋した架
    橋物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の架橋物を中抵抗ゴム層と
    して有するゴムロール。
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