JP2007291331A - 導電性ロール用ゴム組成物及びそれを用いてなる導電性ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】要求される電気的特性(導電性)を有し、且つ、表面平滑性や寸法精度に優れた導電性ロールにおける導電性弾性体層を、押出成形によって有利に形成せしめることが可能な導電性ロール用ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】1種又は2種以上のエピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体及び/又はエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体よりなり、エチレンオキシド含有量が30〜75mol%であるエピクロルヒドリン系ゴム材料の70〜100重量部と、ニトリルゴムの0〜30重量部とからなるゴム材料100重量部に対して、液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料の5〜50重量部と、シリカの10〜80重量部及び/又は炭酸カルシウムの30〜150重量部とを配合することにより、目的とする導電性ロール用ゴム組成物を得た。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性ロール用ゴム組成物及びそれを用いてなる導電性ロールに係り、特に、電子写真方式を利用した複写機やプリンター等に用いられる帯電ロールや、現像ロール、転写ロール等の導電性ロールにおける導電性弾性体層を形成せしめる際に有利に用いられ得る導電性ロール用ゴム組成物、及び、そのような導電性ロール用ゴム組成物を用いて得られる導電性ロールに関するものである。
従来より、電子写真方式を利用した複写機やプリンター等においては、帯電ロールや現像ロール、転写ロール等の導電性を有するロールが、各々、所定の用途にて用いられている。
例えば、帯電ロールにあっては、静電潜像の形成される感光体ドラムに対する帯電方式の一つであるロール帯電方式において用いられており、感光体ドラムの表面に、電圧を印加せしめた帯電ロールを押し当てて、接触せしめつつ、それら感光体ドラムと帯電ロールとが相互に回転することによって、感光体ドラム表面を帯電せしめるようになっている。また、現像ロールは、その表面にトナー層を保持せしめて、静電潜像の形成された感光体ドラムに接触させて、相互に回転させることにより、静電潜像の現像を行なうようになっている。更に、転写ロールは、現像ロールから供給されるトナーにより現像して、形成されたトナー像を、転写紙に転写するようになっている。
そして、そのような導電性ロールとしては、例えば、導電体たる所定の軸体(芯金)の外周面上に、低硬度のゴム層からなる導電性弾性体層が設けられ、更に必要に応じて、導電性弾性体層の外周面上に、抵抗調整層や保護層が順次、積層形成されて、構成されてなる構造のものが採用されており、何れの導電性ロールにあっても、感光体ドラム等に対する均一な接触性を確保するために、良好な表面平滑性や高い寸法精度が要求されている。
ところで、上述せる如き導電性ロールの導電性弾性体層を作製するに際しては、従来より、様々なゴム組成物(ゴム材料)が用いられているが、そのようなゴム組成物の一種として、イオン導電性を有するエピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリンとエチレンオキシドとの共重合体、エピクロルヒドリン、エチレンオキシド及びアリルグリシジルエーテルの三元共重合体等)を主成分とするものがある。
また、かかるエピクロルヒドリンゴムを主成分とするゴム組成物等を原料として、導電性ロールにおける導電性弾性体層を形成する手法についても、従来より、様々な手法が提案され、使用されているのであるが、近年、製造タクトや製造コストが低い等の理由により、以下の如き押出装置を用いる手法が採用されるようになってきている。具体的には、1)押出装置を用いて、導電性弾性体層形成用ゴム組成物からなるチューブ(円筒体)を成形せしめる一方、このチューブの内孔内に軸体(芯金)を配置し、加硫操作を行なう方法(例えば、特許文献1参照)や、2)軸体(芯金)上に、所定厚さの導電性弾性体層形成用ゴム組成物の層を、押出装置にて一体形成せしめ、そのゴム組成物の層を加硫せしめる方法(例えば、特許文献2参照)等が、採用されている。
ここで、従来のエピクロルヒドリンゴムを主成分とするゴム組成物を用いて、上述の如き、押出装置を用いて導電性弾性体層を形成せしめると、かかる従来のゴム組成物は、ダイスウェル値(ダイスからの押出時の膨張率を示す値)が比較的大きなものであったため、その押出成形性が悪く、押出肌が凸凹となって、充分な表面平滑性が得られないと共に、良好な寸法精度も確保され得ない恐れがあった。このため、従来のゴム組成物を原料として、押出成形によって導電性弾性体層を形成する場合には、表面平滑性や表面粗度を向上せしめるために、表面を研磨(研削)する必要があった。
このような状況の下、特許文献3においては、エピクロルヒドリンと、エチレンオキサイド及び/又はアリルグリシジルエーテルとを共重合してなる導電性ゴム100重量部と、所定の粒径の炭酸カルシウム30〜150重量部とからなる導電性ゴム材料が、提案されている。かかる特許文献3によれば、そこにおいて提案された導電性ゴム材料は、良好な電気特性を維持したまま混練加工時にシート肌が悪くなることや加工性の低下を招くことなく、押出時の表面肌を改良し、研削加工を施したときの表面粗度を小さく且つ表面欠陥を防止できるとされている。
しかしながら、特許文献3にて提案された導電性ゴム材料について、本願発明者等が詳細に検討したところ、エチレンオキシドの含有量が比較的少ないエピクロルヒドリンゴムを用いた場合には、確かに押出時の表面肌が良好であることが認められたものの、最終目的物たる導電性弾性体層の電気抵抗値を下げるべく、エチレンオキシドの含有量が比較的多いエピクロルヒドリンゴムを用いると、その含有量が多くなるに従って、得られる押出成形体(導電性弾性体層)の表面性状が悪化することが認められたのである。
一方、本願出願人は、先に、軸体の外周面に接して配された導電性弾性体層を少なくとも有し、且つ該導電性弾性体層が押出成形によって形成されてなる導電性ロールであって、該導電性弾性体層を、ニトリルゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)又はそれらの混合物からなるゴム材料に対して、所定の熱可塑性樹脂を、該ゴム材料と該熱可塑性樹脂を合わせた合計量の5〜50重量%となるように配合すると共に、所定の導電材を配合せしめてなる導電性ゴム組成物にて形成した導電性ロールを、提案している(特許文献4参照)。
しかしながら、かかる本願出願人が先に提案した導電性ロールについて、更に研究を進めたところ、そこにおいて開示されたゴム組成物を原料として、長時間、押出成形を実施すると、押出成形機の吐出口付近に熱可塑性樹脂が付着し、押出成形を円滑に、継続して実施することが出来なくなる恐れがあることが判明したのであり、この点において、未だ改良の余地が残されていたのである。
特許第3320001号公報 特開2004−145012号公報 特許第3541369号公報 特開2004−125823号公報
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、要求される電気的特性(導電性)を有し、且つ、表面平滑性や寸法精度に優れた導電性ロールにおける導電性弾性体層を、押出成形によって有利に形成せしめることが可能な導電性ロール用ゴム組成物を提供することにある。また、本発明は、そのような導電性ロール用ゴム組成物を用いて、押出成形にて形成された導電性弾性体層を有する導電性ロールを提供することをも、その課題とするところである。
そして、本発明は、かかる課題を解決するために、1種又は2種以上のエピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体及び/又はエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体よりなり、エチレンオキシド含有量が30〜75mol%であるエピクロルヒドリン系ゴム材料の70〜100重量部と、ニトリルゴムの0〜30重量部とからなるゴム材料100重量部に対して、液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料の5〜50重量部と、シリカの10〜80重量部及び/又は炭酸カルシウムの30〜150重量部とを配合してなる押出成形に用いられる導電性ロール用ゴム組成物を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う導電性ロール用ゴム組成物の望ましい態様の一つにおいては、前記シリカのBET比表面積は30〜250m2 /gであり、また、他の望ましい態様の一つにおいては、前記炭酸カルシウムの平均粒子径は0.05〜3.60μmである。
一方、本発明は、上述の如き導電性ロール用ゴム組成物を用いて、軸体上に押出成形にて形成された導電性弾性体層を有する導電性ロールをも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従う導電性ロール用ゴム組成物においては、エチレンオキシド含有量が所定量のエピクロルヒドリンゴム系ゴム材料(及び、必要に応じてニトリルゴム)に対して、第一の必須成分として、所定量の液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料が配合されていることから、ゴム組成物全体の粘度が効果的に低下し、押出成形に供した際の成形性(押出成形性、押出加工性)を向上せしめると共に、得られる押出成形体(導電性弾性体層)における表面(押出肌)が滑らかとなって、導電性ロールにおける導電性弾性体層に必要とされる表面平滑性や寸法精度も高度に確保され得る。また、第二の必須成分たるシリカ及び/又は炭酸カルシウムの配合によって、押出成形時のゴム組成物のダイスウェル値が適度なものとなり、寸法精度に優れた押出成形体(導電性弾性体層)を得ることが可能ならしめられるのである。
従って、そのような本発明の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、軸体上に押出成形にて形成された導電性弾性体層を有する導電性ロールにあっては、かかる導電性弾性体層が、エピクロルヒドリンゴム材料に由来する優れた導電性を発揮しつつ、表面平滑性や寸法精度においても優れたものとなっており、従来のエピクロルヒドリンゴム系材料を用いて、押出成形によって導電性ロールを作製する際には必要とされていた表面の研削が、不要となるのである。
ところで、本発明に従う導電性ロール用ゴム組成物は、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体及び/又はエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体よりなるエピクロルヒドリン系ゴム材料を主成分とするものであるが、本発明においては、エチレンオキシド含有量が30〜75mol%であるものが用いられる。けだし、エチレンオキシド含有量が30mol%未満のエピクロルヒドリンゴム系ゴム材料では、それを配合してなるゴム組成物を用いて導電性弾性体層を作製しても、かかる導電性弾性体層が、導電性ロールに要求される電気的特性(低電気抵抗率)を発揮し得ない恐れがあり、一方、その含有量が75mol%を超えるものを用いると、後述する、液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料や、シリカ及び/又は炭酸カルシウムを配合しても、押出成形によって作製される導電性弾性体層(押出成形体)の表面平滑性や、寸法精度等の向上が充分に図れない恐れや、導電性弾性体層の環境依存性を悪化させる恐れがあるからである。なお、そのような所定量のエチレンオキシドを含有するエピクロルヒドリンゴム系材料としては、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体又はエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体が単独で、若しくは、それらの2種以上が併用される。
なお、上述したエピクロルヒドリン系ゴム材料は、そのエチレンオキシド含有量が多くなるに従って、最終的に得られる導電性弾性体層の環境依存性を悪化せしめる恐れがあるところから、本発明においては、エピクロルヒドリン系ゴム材料と共にニトリルゴム(NBR)を併用することが好ましい。ニトリルゴム(NBR)を併用するに際して、その配合量が、エピクロルヒドリン系ゴム材料とニトリルゴムの合計量:100重量部中の30重量部を超えると、導電性弾性体層の電気抵抗が高くなり、導電性ロールに要求される電気的特性を発揮し得なくなる恐れがあることから、本発明において、ニトリルゴムは30重量部以下(エピクロルヒドリン系ゴム材料とニトリルゴムからなるゴム材料中の30重量%以下)となるように、より好ましくは5〜20重量部(前記ゴム材料中の5〜20重量%)の範囲内において、配合せしめられる。
そして、本発明の導電性ロール用ゴム組成物にあっては、上記エピクロルヒドリン系ゴム材料(及びニトリルゴム)の100重量部に対して、第一の必須成分たる液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料と、第二の必須成分たるシリカ及び/又は炭酸カルシウムとを配合してなるものであるところに、大きな特徴が存するのである。
すなわち、液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料を配合することにより、ゴム組成物全体の粘度が効果的に低下せしめられ得て(具体的には、ムーニー粘度[ML1+3,121℃]が65ムーニー(M)程度以下とされて)、押出成形における優れた加工性(押出成形性)が実現されるようになると共に、押出成形によって得られた成形体(導電性弾性体層)の表面(押出肌)が滑らかとなって、導電性弾性体層に要求される表面平滑性や寸法精度も高度に確保され、また、シリカ及び/又は炭酸カルシウムを配合することによって、ゴム組成物を押出成形した際のダイスウェル値が適度なものとなり、以て、押出成形によって、寸法精度に優れた成形体(導電性弾性体層)が有利に得られることとなるのである。
ここで、本発明の導電性ロール用ゴム組成物において、液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料の配合量が少な過ぎると、得られるゴム組成物の低粘度化が十分に図れず、その結果、押出成形の際に、ゴム組成物の吐出圧力を高くせざるを得ず、また、ゴム組成物の吐出量も安定しないため、高い寸法精度の押出成形体(導電性弾性体層)を得ることが困難となる恐れがあり、その一方、配合量が多過ぎると、押出成形機の吐出口から吐出直後に成形体の形状が崩れてしまう恐れがある。従って、本発明において、第一の必須成分たる液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料は、エピクロルヒドリン系ゴム材料(及びニトリルゴム)からなるゴム材料(以下、単にゴム材料という)の100重量部に対して、5〜50重量部の割合において、好ましくは10〜30重量部の割合において、配合される。
なお、本発明において用いられる液状可塑剤としては、従来よりゴム材料に配合される可塑剤であって、常温で液状のものであれば、如何なるものであっても用いることが可能であり、例えば、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルビトールアジペート等のアジペート系可塑剤や、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレート系可塑剤、ジオクチルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBP)等のセバケート系可塑剤、トリクレジルフォスフェート(TCP)クレジルフェニルフォスフェート(CDP)、トリブチルフォスフェート(TBP)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、トリブトキシエチルフォスフェート(TBXP)等のフォスフェート系可塑剤の他、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート(DOZ)、ジ−2−エチルヘキシルドデカンジオエート(DODN)等、更には、プロセスオイル(パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマオイル)等を、挙げることが出来る。また、液状ゴム材料としては、従来より公知の(原料)ゴムであって、常温で液状のもの、具体的には、液状ニトリルゴム(液状NBR)、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状エーテルゴム、液状シリコーンゴム、液状イソプレンゴムや液状スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等を用いることが可能である。本発明においては、そのような液状可塑剤及び液状ゴム材料の中から、1種又は2種以上が適宜に選択されて、用いられる。
一方、上述した液状可塑剤等と共に配合されるシリカは、その配合量が少な過ぎる場合、ゴム組成物のダイスウェル値が効果的に低下せしめられず、押出成形によって得られる成形体(導電性弾性体層)の寸法精度の向上が有利に図れない恐れがあるのに対し、多過ぎる量を配合すると、最終的に得られる導電性弾性体層の硬度が高くなりすぎてしまい、例えば、そのような高硬度の導電性弾性体層を有する導電性ロールを帯電ロールとして使用すると、帯電ロールとして要求される、感光体との安定した接地性を得ることが出来なくなる恐れがある。かかる事情より、本発明においては、ゴム材料の100重量部に対して、10〜80重量部、好ましくは15〜60重量部のシリカが配合される。
なお、本発明において用いられるシリカは、従来よりゴム材料に配合されるものであれば、如何なるものをも使用可能であるが、好ましくは、BET比表面積が30〜250m2 /gのものが、より好ましくは、60〜160m2 /gのものが、好適に用いられる。このように、導電性ロール用ゴム組成物に配合せしめるシリカとして、所定のBET比表面積を有するものを用いることによって、本発明の目的をより有利に達成することが可能となる。即ち、シリカのBET比表面積が小さ過ぎると、ダイスウェル値が大きくなり、そのような導電性ロール用ゴム組成物を用いて得られる導電性ロールの寸法精度及び表面粗度が悪化する恐れがあり、またBET比表面積が大き過ぎると、加工の際の押出圧力が大きくなり、最終的に得られる導電性ロールが硬くなり過ぎてしまう恐れがあるのである。なお、かかるシリカのBET比表面積は、JIS−K−6217−1997の「ゴム用カーボンブラックの基本性能の試験方法」における、「7.窒素吸着比表面積」の「D法:流動式比表面積自動測定装置2300型を用いる方法」に準じて、測定されたものである。また、本発明においては、特に、エピクロルヒドリン系ゴム材料中に配合することにより良好なゴム補強効果を得ることの出来る湿式シリカが有利に用いられる。
また、本発明において、上述したシリカと共に、或いはシリカに代えて配合される炭酸カルシウムは、ゴム材料の100重量部に対して30〜150重量部の割合において、好ましくは50〜120重量部の割合において配合される。けだし、その配合量が少な過ぎると、上述したシリカの場合と同様にその配合効果が認められないおそれがあり、その一方、その配合量が多過ぎると、ゴム組成物の混練性が著しく悪化するからである。
なお、そのような炭酸カルシウムの形態は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜決定されるものであるが、好ましくは、平均粒子径が0.05〜3.60μmのものが、より好ましくは、0.08〜3.00μmのものが、好適に用いられる。炭酸カルシウムの平均粒子径が、小さくなり過ぎると、ゴム混練性が極端に悪化せしめられる恐れがあり、また大きくなり過ぎると、ダイスウェル値が大きくなり、そのような導電性ロール用ゴム組成物を用いて得られる導電性ロールの寸法精度及び表面粗度が悪化せしめられる恐れがあるからである。なお、かかる炭酸カルシウムの平均粒子径は、電子顕微鏡観察にて測定されたものである。また、そのような炭酸カルシウムは、従来よりゴム用添加剤として使用されている各種のもの、具体的には、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム(商品名:白艶華、等)等の何れをも用いることが可能である。
さらに、それらシリカ及び炭酸カルシウムは、各々、単独で用い得ることは勿論のこと、併用することも可能であり、併用する場合には、ゴム材料の100重量部に対して、シリカを10〜50重量部、炭酸カルシウムを50〜100重量部、それぞれ配合することが好ましい。
上述してきた成分からなる本発明の導電性ロール用ゴム組成物には、それら成分以外にも、最終的に得られる導電性弾性体層の電気抵抗をより向上せしめることを目的として、従来より公知の各種導電剤を配合せしめることが可能であり、それら公知の各種導電剤の中でも、特に、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩や、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩等のイオン導電剤が有利に用いられる。
加えて、本発明のゴム組成物には、従来と同様に、加硫剤や加硫促進剤が配合され、また、必要に応じて、亜鉛華やステアリン酸等の加硫助剤、加工助剤やカップリング剤等、各種添加剤等が適宜に配合せしめられることとなる。
なお、上記各成分を用いてゴム組成物を調製するに際しては、従来より公知の各種手法に従って行なわれる。
ところで、本発明の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、かかるゴム組成物にて形成された導電性弾性体層を有する導電性ロールを作製するに際しては、従来より公知の手法が何れも採用され得るが、特に、導電性ロールの製造タクトや製造コストを効果的に低減せしめることが可能な押出成形によって、導電性弾性体層を形成せしめることが好ましい。具体的には、クロスヘッド押出装置を用い、所定の軸体(芯金)の外周面上に、直接、本発明の導電性ロール用ゴム組成物を押し出し、その後、加硫操作を行なうことにより、軸体(芯金)の外周面上に導電性弾性体層を一体的に形成せしめる手法や、押出成形操作にて、導電性ロール用ゴム組成物からなるチューブを成形した後、この得られたチューブの内孔内に所定の軸体(芯金)を装入して加硫操作を行なうことにより、軸体(芯金)の外周面上に導電性弾性体層を一体的に形成せしめる手法等が採用され、これによって、目的とする表面平滑性及び寸法精度に優れた導電性弾性体層(一般的に、厚さは0.3〜3mm程度。)を有する導電性ロールが得られるのである。なお、押出方法は、連続押出でも、バッチ押出でもよく、また、押出速度にあっても、一般的な速度:10〜500mm/分が採用されることとなる。更に、加硫方法としては、一般に、オーブン加硫が採用され、その条件としては、通常、120〜180℃程度の加硫温度と、30〜120分程度の加硫時間が採用される。
なお、そのようにして導電性弾性体層が形成された後、その上には、更に必要に応じて、保護層が形成されることとなる。この保護層は、ロール表面にトナー等が付着、堆積することを抑制するために設けられ、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン等のナイロン系材料や、フッ素変性アクリレート系樹脂を含む樹脂組成物材料等に、カーボンブラックや導電性金属酸化物等の導電剤が配合されて、その体積抵抗値が1×105 〜1×1013Ω・cmとなるようにして、形成されることとなる。なお、このような保護層の作製は、例えばディッピング等の公知のコーティング手法に従って行なわれ、厚さは、通常、3〜20μm程度とされる。
一方、本発明のゴム組成物を用いて作製された導電性弾性体層と、上記保護層との間に、導電性ロール全体の電気抵抗を制御して、耐電圧性(耐リーク性)を高めることを目的とする抵抗調整層や、導電性弾性体層上にその他の各種の層を、1層或いはそれ以上、形成することも可能である。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
−試料No.1〜16−
先ず、エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体、ダイソー株式会社製、エチレンオキシド含有量:56mol%)、固体ニトリルゴム(固体NBR、JSR株式会社製、商品名:JSR N220S )、液状ニトリルゴム(液状NBR、JSR株式会社製、商品名:JSR N280)、熱可塑性樹脂(独国ヒュルス社製、商品名:ベステネマー8012、融点:55℃)、湿式シリカ(BET比表面積:110〜160m2 /g、東ソーシリカ株式会社製)、及び、炭酸カルシウム(平均粒子径:1.00μm、白石カルシウム株式会社製)を準備した。そして、それらを用いて、下記表1及び表2の配合組成に従って、組成の異なる16種類の導電性ロール用ゴム組成物(試料No.1〜16)を調製した。
なお、かかるゴム組成物を調製するに際しては、下記表1及び表2に掲げる成分の他に、加硫助剤A(酸化亜鉛、三井金属工業株式会社製):5重量部、加硫助剤B(ハイドロタルサイト、協和化学株式会社製、商品名:DHT4A ):5重量部、加工助剤(滑剤)たるステアリン酸(エスアンドエスジャパン社製):0.5重量部、導電剤たる4級アンモニウム塩(トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート):2重量部、加硫促進剤A(ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーDM-P):1重量部、加硫促進剤B(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーTRA ):1重量部、及び、加硫剤たる硫黄(鶴見化学工業株式会社製):0.5重量部を、それぞれ、配合した。
得られた16種類の導電性ロール用ゴム組成物について、それぞれ、以下の測定又は評価を行なった。各々の測定又は評価結果を、下記表1及び表2に併せて示す。
−ムーニー粘度の測定−
JIS−K−6300−1994の「未加硫ゴム物理試験方法」における「6.ムーニー粘度試験」に準拠して、L型ロータを用いて、予熱時間:1分、ロータの回転時間:3分、及び、試験温度:121℃の条件下において、各ゴム組成物のムーニー粘度[ML1+3,121℃](M)を測定した。
−ダイスウェル値の測定−
株式会社東洋精機製作所製のCapiograph 1C (商品名)を用いて、ランド長さ:20mm、直径:2mm、ダイ温度:90℃、せん断速度:1.875×102 (sec-1)の条件にて、各組成物のダイスウェル値を測定した。
−ゴム硬度の測定−
各ゴム組成物を用いて、直径:28mm×高さ:12mmの円筒形状を呈する成形体を作製し、この成形体を、160℃で30分、加熱することにより、測定用試料とした。得られた測定用試料について、従来法に従ってJIS−A硬度(JIS−K−6301−1995)を測定した。
−ゴム混練性の評価−
ゴム組成物を、各々、3Lニーダーに投入して、ニーダー内における組成物の混練性を目視で観察した。なお、下記表1及び表2における「○」は、各成分が、問題なく均一に混練せしめられたことを、また、「△」は組成物の粘度が高く、均一に混練していない部分が認められたことを、更に、「×」は、ゴム材料中に粉末成分(特に炭酸カルシウム)が混入しなかったことを、それぞれ示すものである。
次いで、16種類の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、クロスヘッド押出装置により、ニッケルめっきを施した、予め所定の導電性接着剤にて表面が接着処理されてなる外径:6mmの鉄製の芯金(軸体)の外周面上に、直接、かかるゴム組成物を押出成形した。この押出成形の際に、押出装置の吐出口から吐出されるゴム組成物の状態を確認して、ゴム押出し加工性として評価した。なお、下記表1及び表2における「○」は、良好な押出し加工を実施することが出来たことを示す一方、「×」は、吐出口に、ゴム組成物から分離した液状成分(熱可塑性樹脂)が付着していることが認められたことを示すものである。
そして、得られた押出成形体と芯金(軸体)との一体物を、170℃で90分、加熱することにより、芯金(軸体)の外周面上に導電性弾性体層が一体的に形成されてなる導電性ロールを作製した。
得られた16種類の導電性ロールについて、以下の測定を行なった。その測定結果を、用いたゴム組成物に対応して、下記表1及び表2に併せて示す。
−ロール寸法精度の測定−
回転式形状測定機(株式会社東京精密社製、商品名:RONDCOM60A)を用いて、ロール長手方向の9箇所において、測定機の回転軸の中心と、測定物(導電性ロール)の断面の中心との距離(偏心量[μm])を測定し、その測定値の最大値をロール寸法精度とした。この値が小さいほど、寸法精度が優れたロールであることを示す。
−ロール表面粗度の測定−
導電性弾性体層の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra、JIS−B−0601−1994)を、表面粗度計サーフコム550A(株式会社東京精密社製)を用いて、ロール長手方向で3箇所測定し、その平均値を求めた。なお、測定距離は、各々、0.80mmとした。
Figure 2007291331
Figure 2007291331
かかる表1及び表2の結果からも明らかなように、本発明に従う導電性ロール用ゴム組成物(試料No.1〜9)を用いて、導電性弾性体層を形成せしめてなる導電性ロールにあっては、優れたロール寸法精度を有すると共に、その表面粗度の値も小さく、表面平滑性に優れたものであることが確認された。
これに対して、液状NBRを配合していないゴム組成物(試料No.10,13,15,16)や、本発明の範囲より多くのシリカを配合したゴム組成物(試料No.11)にあっては、ゴム組成物の粘度が高く、その結果、そのようなゴム組成物を用いて得られる導電性ロールは、寸法精度が悪いことが認められた。なお、液状NBRを配合していない試料No.15,16のゴム組成物においては、湿式シリカ及び炭酸カルシウムの配合量が少ないことから、その粘度は比較的小さいものとなっているが、ダイスウェル値が大きく、それらゴム組成物を用いて得られたロールは、寸法精度の悪いものであった。また、本発明の範囲より多くの炭酸カルシウムを配合したゴム組成物(試料No.12)は、ゴム混練性において著しく劣ることが認められた。さらに、熱可塑性樹脂を配合してなるゴム組成物(試料No.14)については、それを用いて押出成形した際に、吐出口付近に液状成分(熱可塑性樹脂)が付着していることが認められたのであり、そのような状態にて長時間、連続して押出成形を実施すると、かかる液状成分が固化して、その固化物を起点として押出成形体上に、押出方向にスジ状の疵をつける恐れや、固化物が押出成形体表面に付着する恐れがあることが、確認された。
−試料No.17〜22−
先ず、エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体、ダイソー株式会社製、エチレンオキシド含有量:56mol%)、固体ニトリルゴム(固体NBR、JSR株式会社製、商品名:JSR N220S )、液状ニトリルゴム(液状NBR、JSR株式会社製、商品名:JSR N280)、湿式シリカ(BET比表面積:110〜160m2 /g、東ソーシリカ株式会社製)を準備した。そして、それらを用いて、下記表3の配合組成に従って、それぞれ湿式シリカ配合量の異なる6種類の導電性ロール用ゴム組成物(試料No.17〜22)を調製した。
なお、かかるゴム組成物を調製するに際しては、下記表3に掲げる成分の他に、加硫助剤A(酸化亜鉛、三井金属工業株式会社製):5重量部、加硫助剤B(ハイドロタルサイト、協和化学株式会社製、商品名:DHT4A ):5重量部、加工助剤(滑剤)たるステアリン酸(エスアンドエスジャパン社製):0.5重量部、導電剤たる4級アンモニウム塩(トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート):2重量部、加硫促進剤A(ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーDM-P):1重量部、加硫促進剤B(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーTRA ):1重量部、及び、加硫剤たる硫黄(鶴見化学工業株式会社製):0.5重量部を、それぞれ、配合した。
得られた6種類の導電性ロール用ゴム組成物について、それぞれ、上述のようにして、ムーニー粘度、ダイスウェル値、ゴム硬度及びゴム混練性の測定又は評価を行なった。各々の測定又は評価結果を、下記表3に併せて示す。
次いで、6種類の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、試料No.1〜16のゴム組成物と同様にして、ゴム組成物を押出成形することによりゴム押出し加工性を評価した。その結果を、下記表3に併せて示す。
そして、得られた押出成形体を用いて、実試料No.1〜16のゴム組成物と同様の手法に従い、導電性ロールを作製し、得られた6種類の導電性ロールについて、ロール寸法精度の測定及びロール表面粗度の測定を行なった。その測定結果を、用いたゴム組成物に対応して、下記表3に併せて示す。
Figure 2007291331
上記表3の結果から明らかなように、本発明に従って湿式シリカを配合せしめてなる導電性ロール用ゴム組成物(試料No.17〜20)にあっては、本発明の範囲外のシリカ配合量を有する導電性ロール用ゴム組成物(試料No.21,22)に比して、特に、ダイスウェル値及びゴム硬度が低く抑えられて、得られる導電性ロール用ゴム組成物の寸法精度及び表面粗度が良好なものであった。一方、シリカ配合量が、本発明に従う配合量よりも少ない場合(試料No.21)には、ダイスウェル値が大きく、そのような組成物を用いて得られる導電性ロールにあっては、その寸法精度及び表面粗度が悪いことが、また、シリカ配合量が本発明に従う配合量よりも多い場合(試料No.22)には、ゴム硬度が高く、所望の寸法精度が得られないことが認められた。
−試料No.23〜28−
湿式シリカ(BET比表面積:110〜160m2 /g、東ソーシリカ株式会社製)に代えて、炭酸カルシウム(平均粒子径:1.00μm、白石カルシウム株式会社製)を下記表4の配合組成に従って用いた以外は試料No.17〜22と同様にして、それぞれ炭酸カルシウム配合量の異なる6種類の導電性ロール用ゴム組成物(試料No.23〜28)を調製した。次いで、得られた6種類の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、試料No.1〜16のゴム組成物と同様の手順に従って押出成形し、更に、得られた押出成形体を用いて導電性ロールを作製した。
得られた6種類の導電性ロール用ゴム組成物について、ムーニー粘度、ダイスウェル値、ゴム硬度、ゴム混練性及びゴム押出し加工性を、また得られた導電性ロールについて、ロール寸法精度及びロール表面粗度を、それぞれ、試料No.1〜16の場合と同様にして測定又は評価した。その結果を、用いたゴム組成物に対応して、下記表4に併せて示す。
Figure 2007291331
上記表4の結果から明らかなように、本発明に従って炭酸カルシウムを配合せしめてなる導電性ロール用ゴム組成物(試料No.23〜26)にあっては、本発明の範囲外の炭酸カルシウム配合量となる導電性ロール用ゴム組成物(試料No.27,28)に比して、特に、ダイスウェル値及びゴム硬度が低く抑えられて、得られる導電性ロール用ゴム組成物の寸法精度及び表面粗度が良好なものであった。一方、炭酸カルシウム配合量が、本発明に規定する配合量よりも少ない場合(試料No.27)には、ダイスウェル値が大きく、得られる導電性ロールの寸法精度及び表面粗度が悪いことが、また、本発明に従う配合量よりも多い場合(試料No.28)には、ゴム硬度が高く、所望の寸法精度が得られないことが認められた。
−試料No.29〜33−
先ず、エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体、ダイソー株式会社製、エチレンオキシド含有量:56mol%)、固体ニトリルゴム(固体NBR、JSR株式会社製、商品名:JSR N220S )、液状ニトリルゴム(液状NBR、JSR株式会社製、商品名:JSR N280)、BET比表面積の異なる5種類の湿式シリカ(東ソーシリカ株式会社製)、及び炭酸カルシウム(平均粒子径:1.00μm、白石カルシウム株式会社製)を準備した。そして、それらを用いて、下記表5の配合組成に従って、それぞれBET比表面積の異なる湿式シリカを含有する、5種類の導電性ロール用ゴム組成物(試料No.29〜33)を調製した。
なお、かかるゴム組成物を調製するに際しては、下記表5に掲げる成分の他に、加硫助剤A(酸化亜鉛、三井金属工業株式会社製):5重量部、加硫助剤B(ハイドロタルサイト、協和化学株式会社製、商品名:DHT4A ):5重量部、加工助剤(滑剤)たるステアリン酸(エスアンドエスジャパン社製):0.5重量部、導電剤たる4級アンモニウム塩(トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート):2重量部、加硫促進剤A(ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーDM-P):1重量部、加硫促進剤B(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーTRA ):1重量部、及び、加硫剤たる硫黄(鶴見化学工業株式会社製):0.5重量部を、それぞれ、配合した。
得られた5種類の導電性ロール用ゴム組成物について、それぞれ、上述のようにして、ムーニー粘度、ダイスウェル値、ゴム硬度及びゴム混練性の測定又は評価を行なった。各々の測定又は評価結果を、下記表5に併せて示す。
次いで、5種類の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、実施例1〜16と同様にしてゴム組成物を押出成形し、また、同様にして、ゴム押出し加工性を評価し、その結果を、○×により示した。
そして、得られた押出成形体を用いて、実施例1〜16と同様にして、導電性ロールを作製し、得られた5種類の導電性ロールについて、ロール寸法精度の測定及びロール表面粗度の測定を行なった。その測定結果を、用いたゴム組成物に対応して、下記表5に併せて示す。
Figure 2007291331
かかる表5の結果からも明らかなように、本発明に従う導電性ロール用ゴム組成物のうち、特にBET比表面積が60〜160m2 /gであるシリカを用いたゴム組成物(試料No.30〜32)にあっては、ダイスウェル値やゴム硬度がより良好で、そのような導電性ロール用ゴム組成物を用いて得られる導電性ロールについても、寸法精度及び表面粗度の極めて良好なものが得られることが分かった。
−試料No.34〜41−
BET比表面積の異なる湿式シリカ(東ソーシリカ株式会社製)及び炭酸カルシウム(平均粒子径:1.00μm、白石カルシウム株式会社製)に代えて、湿式シリカ(BET比表面積:110〜160m2 /g、東ソーシリカ株式会社製)及び平均粒子径の異なる8種類の炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製)を、下記表6の配合組成に従って用いた以外は試料No.29〜33と同様にして、それぞれ、平均粒子径の異なる炭酸カルシウムを含有する8種類の導電性ロール用ゴム組成物(試料No.34〜41)を調製した。次いで、得られた8種類の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、試料No.1〜16と同様にして、ゴム組成物を押出成形し、更に、得られた押出成形体を用いて、試料No.1〜16と同様の手順に従い、導電性ロールを作製した。
得られた8種類の導電性ロール用ゴム組成物について、ムーニー粘度、ダイスウェル値、ゴム硬度、ゴム混練性及びゴム押出し加工性を、また得られた導電性ロールについて、ロール寸法精度及びロール表面粗度を、それぞれ、実施例1〜16と同様にして測定又は評価した。その結果を、用いたゴム組成物に対応して、下記表6に併せて示す。なお、試料No.40及び41のゴム組成物においては、混練の際に、ニーダーへのゴム組成物の粘着が僅かではあるが認められた。
Figure 2007291331
上記表6の結果からも明らかなように、本発明に係る導電性ロール用ゴム組成物のうち、特に平均粒子径が0.08〜3.00μmである炭酸カルシウムを用いたゴム組成物(試料No.35〜39)にあっては、ダイスウェル値やゴム硬度が良好であり、また、そのようなゴム組成物を用いて得られる導電性ロールについても、寸法精度や表面粗度の極めて良好なものが得られることが、認められたのである。

Claims (4)

  1. 1種又は2種以上のエピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体及び/又はエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体よりなり、エチレンオキシド含有量が30〜75mol%であるエピクロルヒドリン系ゴム材料の70〜100重量部と、ニトリルゴムの0〜30重量部とからなるゴム材料100重量部に対して、液状可塑剤及び/又は液状ゴム材料の5〜50重量部と、シリカの10〜80重量部及び/又は炭酸カルシウムの30〜150重量部とを配合してなる押出成形に用いられる導電性ロール用ゴム組成物。
  2. 前記シリカのBET比表面積が30〜250m2 /gである請求項1に記載の導電性ロール用ゴム組成物。
  3. 前記炭酸カルシウムの平均粒子径が0.05〜3.60μmである請求項1又は請求項2に記載の導電性ロール用ゴム組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の導電性ロール用ゴム組成物を用いて、軸体上に押出成形にて形成された導電性弾性体層を有する導電性ロール。
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