JP2002338800A - カーボンブラック−ゴム複合体及びその製造方法 - Google Patents

カーボンブラック−ゴム複合体及びその製造方法

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JP2002338800A
JP2002338800A JP2001147812A JP2001147812A JP2002338800A JP 2002338800 A JP2002338800 A JP 2002338800A JP 2001147812 A JP2001147812 A JP 2001147812A JP 2001147812 A JP2001147812 A JP 2001147812A JP 2002338800 A JP2002338800 A JP 2002338800A
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carbon black
rubber
meth
acrylic resin
polymer
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Nobuyuki Ando
信行 安道
Isato Ikeda
勇人 池田
Tomoyuki Kuwamoto
知幸 桑本
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックの含有率を高くしてもゴム
中におけるカーボンブラックの分散性が良好で、電気抵
抗値の安定したカーボンブラック−ゴム複合体を提供す
る。 【解決手段】 エピクロルヒドリンゴムを主体とするゴ
ムと、カーボンブラックと、(メタ)アクリル系樹脂と
を混合分散して得られるカーボンブラック−ゴム複合体
に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンブラック
−ゴム複合体およびその製造方法に関するものである。
詳しく述べると本発明は、カーボンブラックの含有量が
高くても、ゴム中におけるカーボンブラックの分散性が
良好で、電気抵抗値が均一でかつ、低温低湿・高温高湿
による環境変化に対して安定性を有する等の特性を有す
るカーボンブラック−ゴム複合体およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは、各種ゴム組成物中
に、補強剤、充填剤、着色剤、誘電物質等種々の目的で
幅広く使用されている。しかし、カーボンブラックは、
粒子間の凝集力に比べて他の物質、例えば有機高分子、
水および有機溶剤等との親和性が弱いために、通常の混
合または分散条件では、ゴム組成物中に均一に混合分散
することが極めて困難であった。
【0003】この問題を解決するために、カーボンブラ
ック表面を各種の界面活性剤や樹脂で被覆して、目的媒
体との親和性を高めることにより、カーボンブラックの
分散性を改良する検討が数多くなされている。
【0004】一方、電子写真方式の画像形成装置におい
て、感光体表面を一様に全面帯電するための帯電手段と
しては、コロナ放電器が広く利用されていた。このコロ
ナ放電器は、感光体をある一足の電位に均一に帯電する
手段としては有効であるが、反対に、コロナ放電による
帯電処理の際には高圧電源を必要とし、放電に伴いオゾ
ンが発生する。オゾンが大量に発生すると環境に悪影響
を及ぼすばかりでなく、オゾンによって帯電部材、感光
体が劣化するという問題があった。
【0005】上記のコロナ放電器に対して、帯電ローラ
を感光体ドラムに接触させて従動回転させ、帯電ローラ
の芯金に電源から電圧を印加して感光体ドラム表面を帯
電させる帯電ローラが実用化されている。この帯電手段
としての帯電ローラは、電源の低電圧化を図ることがで
き、帯電処理に起因するオゾンの発生量が少ないという
特徴を有している。また、コロナ電極ワイヤの使用に伴
う塵埃の静電吸着がなく、高圧電源を必要としないなど
の特徴も有している。
【0006】ところが、帯電ローラは、帯電ムラが出や
すく、且つ、帯電電位が環境の変化によって大きく変動
するという欠点がある。
【0007】帯電ムラが発生する原因は、弾性層が合成
ゴムとカーボンとの分散層であることに起因しているこ
と、つまり、カーボン/合成ゴムの分散不良による導電
性弾性層の電気的不均一性によるものであると考えられ
ている。
【0008】合成ゴムとして高抵抗のSBR(スチレン
ブタジエンゴム)やEPDM(エチレンプロピレンジエ
ン3元共重合体ゴム)などが用いられてきたがカーボン
ブラックの分散に難があった。
【0009】他方、非磁牲1成分トナーを接触現像する
画像形成装置における現像ローラに求められる機能に
は、感光体との接触幅(現像ニップ)を充分に得るた
めと、接触回転トルクを軽減するために低硬度であるこ
と。適切な現像特性、即ち、適度な画像濃度や地肌汚
れがないことを得るために電気抵抗値が10〜10
Ωcm程度の低〜中抵抗の範囲であること。トナー固
着を生じさせないために高い離型性を有すること。均
一なトナー薄層を形成するために表面精度が高いこと等
が挙げられる。
【0010】これらの現像ローラの機能を実現するため
には、現像ローラを弾性層と表面層とを有する多層構成
にすることにより、現像ローラの機能を各々分離するこ
とが実施されてきている。特に、エピクロルヒドリンゴ
ムは、低硬度で適度な抵抗値等を示すため、現像ローラ
の弾性層を構成する構成材料として優れている。
【0011】以上のように、現像ローラの弾性層の構成
材料として優れた特性を有するエピクロルヒドリンゴム
を用いた静電潜像用現像部材については、例えば特開平
1−124881号公報で報告されたものがある。ここ
では、弾性層の構成材料にはエピクロルヒドリンゴムや
ニトリルゴムを用いており、前者のエピクロルヒドリン
ゴムにはエチレンオキサイドとエピクロルヒドリンとの
2元共重合体を選定している。
【0012】このような飽和型のポリマーは、一般には
金属酸化物加硫と言われる加硫形態や、有機過酸化物加
硫と言われる加硫形態を取ることによって加硫成形され
る。また、例えば特開平2−311871号公報で報告
されたロールにおいても、前述のようなエピクロルヒド
リンゴムや、更にアリルグリシジルエーテルを第3の共
重合ユニットとした3元共重合体を選定し、これを鉛丹
(Pb)によって金属酸化物加硫を行っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記現状
を鑑み、帯電の均一性を得る為電気抵抗値の均一性をも
つエピクロルヒドリンゴムやアクリロニトリルブタジエ
ンゴム(NBR)等のイオン導電性ゴムは湿度や温度等
の環境変化において導電率が異なってくるという課題や
ゴム成分特有の粘着性に難が生じていた。
【0014】またこれらイオン導電性ゴムにカーボンブ
ラックを添加するといったものは従来のカーボン/合成
ゴム分散系の導電性と何らかわりなく、カーボンの添加
量によって見掛けの電気抵抗を調整することができた
が、適度な導電性(10Ωcm)と耐電圧性を両立させ
ることが極めて困難であった。しかも、ミクロにみると
カーボンの部分と合成ゴムの部分とで電気抵抗が大きく
異なるため、それが帯電の均一性および耐電圧性を悪く
していた。
【0015】従って本発明の目的は、イオン導電性ゴム
とりわけエピクロルヒドリンを主体とするゴム中にカー
ボンブラックを均一分散させることを目的とするもので
ある。
【0016】本発明はまた、湿度等の環境変化に対して
も同一の抵抗値を示す事が可能なカーボンブラック−ゴ
ム複合体及びその製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0017】本発明はさらに、タック等の課題を解決し
たカーボンブラック−ゴム複合体及びその製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、エピクロルヒ
ドリンを主体とするゴムと、カーボンブラックと、下記
一般式(1):
【0019】
【化2】
【0020】(式中、RはHもしくはCH,R
炭素数1から8のアルキル基)で表される構造単位を有
する(メタ)アクリル系樹脂とを混合分散してなるカー
ボンブラック−ゴム複合体に関する。
【0021】前記(メタ)アクリル系樹脂は、カーボン
ブラックと反応性を有する基を有してなる樹脂であるこ
とが好ましいものである。
【0022】本発明の他の発明は、予め(メタ)アクリ
ル系樹脂とカーボンブラックを混合分散した後、エピク
ロルヒドリンを主体とするゴムに混合して得ることを特
徴とするカーボンブラック−ゴム複合体の製造方法に関
する。
【0023】上記製造方法において、(メタ)アクリル
系樹脂とカーボンブラック−ゴムを混合分散させる際
に、溶剤を添加しメディアミルにて混合分散する方法が
好ましく、その場合、前記ゴムに混合した後に脱溶剤す
ることが好ましいものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。
【0025】本発明のカーボンブラック−ゴム組成物に
用いられるゴムとしては、エピクロルヒドリンを主体と
するゴムであり、ゴム中にエピクロルヒドリンを50重
量%以上、好ましくは、60重量%以上含有するゴムで
ある。
【0026】具体的にはエピクロルヒドリン−エチレン
オキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、
またはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共
重合体の単独、またはそれらの混合系のエピクロルヒド
リンゴムを主体とするものである。
【0027】エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド
−アリルグリシジルエーテル(EP/EO/AGE)三
元共重合体とは、例えば、化3に示す構造単位を有する
重合体である。
【0028】
【化3】
【0029】(式中、n、m、lは、1以上の整数を表
す。) エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド(EP/E
O)二元共重合体とは、例えば、化4に示す構造単位を
有する重合体である。
【0030】
【化4】
【0031】(式中、n、mは、1以上の整数を表
す。) 本発明において使用される(メタ)アクリル系樹脂とし
ては、前記一般式(I)で表される構造単位を有するも
のであれば、特に限定されず、式中のRはHもしくは
CHであり、Rは炭素数1から8のアルキル基であ
る。特にエピクロヒドリンを主体とするゴムとの親和性
の点で、Rは炭素数1から4の低級アルキル基が好ま
しい。前記一般式(I)で表される構造単位が、メタ)
アクリル系樹脂中に50質量%以上、好ましくは60質
量%以上含有しているものが好ましい。
【0032】前記一般式(I)で示される単量体成分と
共重合を得る単量体成分とを従来公知の重合方法、例え
ば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、沈殿重合方
法、溶液重合法等によって得ることができる。
【0033】共重合し得る単量体成分としては前記一般
式(I)で表される単量体と共重合し得るものであれば
特に限定されず、例えばスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−
ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロルス
チレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン等の
スチレン系モノマー;アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、等のア
クリル酸あるいはメタクリル酸系モノマー;エチレン、
プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アク
リルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−ビニルピロリドン等の単量体を1種または2種以上適
宜用いることができる。
【0034】また前記(メタ)アクリル系樹脂の平均分
子量としては特に限定されるものではないが、例えば、
数平均分子量が500〜50000程度、より好ましく
は1000〜30000程度、より好ましくは、メルカ
プタン化合物等の公知の連鎖移動剤等を用いて、150
0〜25000の範囲に制御することが好ましい。
【0035】更に好ましい前記(メタ)アクリル系樹脂
としては、カーボンブラックとの反応性を有する基をも
つ樹脂が好ましい。カーボンブラックの表面と反応し得
る反応性基としては、カーボンブラック表面に存在する
官能基と反応して当該重合体のカーボンブラックへのグ
ラフト化に寄与できるものであれば特に限定されるもの
ではなく各種の反応性基を利用できる。
【0036】ここで、グラフト化をより確実かつ安定な
ものとするためには、重合体部分が共有結合を介してカ
ーボンブラックに結合することが望まれ、特にエステル
結合、チオエステル結合、アミド結合、アミノ結合、エ
ーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオ
カルボニル結合およびスルホニル結合よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の結合、さらには、エステル結
合、チオエステル結合およびアミド結合よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の結合であることが望まれる。
このような点も考慮すると、反応性基は、エポキシ基、
チオエポキシ基、アジリジン基およびオキサゾリン基よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の
基であることが望ましい。
【0037】カーボンブラックに対する反応性基は必ず
しもこれらのみに限定されるものではないが、これらの
反応性基以外の基を有する(メタ)アクリル系樹脂を用
いる場合、使用できるカーボンブラックの種類に制限が
生ずることがある。(メタ)アクリル系樹脂が前記反応
性基を有するものであることが好ましい理由は、使用で
きるカーボンブラックの種類や状態にかかわらず、温和
な条件においてもカーボンブラックと(メタ)アクリル
系樹脂とが非常に高いグラフト化効率で付加反応するこ
とにある。特に、カーボンブラックが上記したようにカ
ルボキシル基を表面官能基として有する場合、カルボキ
シル基が、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基
またはオキサゾリン基と熱反応により高収率で不可逆的
付加反応を行ない、この付加反応により、カーボンブラ
ック部分と(メタ)アクリル系樹脂部分に上記した共有
結合が形成されるゆえ望ましい。
【0038】これらの反応性基の重合体中への導入方法
としては、一般的には、例えば、WO88/03545
(PCT/JP87/00867)公報に開示されるよ
うに、例えば、(1)反応性基を分子内に有する重合性
単量体を必要により他の重合性単量体とともに重合する
方法および(2)反応性基を分子内に有する化合物を、
該化合物と反応し得る重合体に反応させて該反応性基を
該重合体に導入する方法がある。
【0039】反応性基を分子内に有る重合性単量体
(a)としては、例えば、
【0040】
【化5】
【0041】(但し、式中、Rは水素またはメチル基
を示し、nは0または1〜20の整数である。)等で表
わされるエポキシ基含有重合性単量体類;
【0042】
【化6】
【0043】(但し、これらの式中のRおよびnはエ
ポキシ基含有重合性単量体の場合と同様である。)等で
表わされるチオエポキシ基含有重合性単量体類;
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】等で表わされるアジリジン基含有重合性単
量体類;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−
4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチ
ル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−エチル−2−
オキサゾリン、2−ビニル−5−エチル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イ
ソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イ
ソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イ
ソプロペニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2−イ
ソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−イ
ソプロペニル−4,5−ジメチル−2−オキサゾリンな
どのオキサゾリン基含有重合性単量体類;N−ヒドロキ
シメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、N−
ヒドロキシイソブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシ
−2−エチルヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシ
シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチル
メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルア
ミド、N−ヒドロキシブチルメタクリルアミド、N−ヒ
ドロキシイソブチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ
−2−エチルヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキ
シシクロヘキシルメタクリルアミドなどのN−ヒドロキ
シアルキルアミド基含有重合性単量体類;等を挙げるこ
とができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上
を使用することができる。
【0047】本発明はこの様なランダム共重合体構造を
とる(メタ)アクリル系樹脂もしくはカーボンブラック
と反応性を有するメタクリル系樹脂(反応性(メタ)ア
クリル系樹脂)が挙げられるがより好ましい(メタ)ア
クリル系樹脂としては、図1における(a),(b),
(c),(d),(e)に示すブロックグラフト共重合
体構造をとり、セグメント(B)が式(I)の単量体成
分から成る樹脂が挙げられる。
【0048】セグメント(A)は、特に限定されるもの
ではないが、そのセグメント鎖構造上でゴムに対し親和
性の低いものとすることが望ましい。なお、ここでいう
低い親和性とは、あくまで他方のセグメント(B)との
対比による相対的なものである。本発明においてはこの
セグメント(B)が(メタ)アクリル系樹脂を骨格構造
とするものであるため、本来的にセグメント(B)がゴ
ムに対して高い親和性を有するため、セグメント(A)
の構成としては比較的任意のものを採択可能である。さ
らに別の観点からすると、前記セグメント(A)は、カ
ーボンブラックに対し親和性が高いものとすることが、
カーボンブラックに対してより良好な配向性を示すもの
となるゆえに望ましい。この点から前記セグメント
(A)は、その主鎖が炭素−炭素結合を主とするもの、
より好ましくは、例えばベンゼン環、ナフタレン環、イ
ンデン環などのような芳香環を主鎖に含むもので、かつ
前記したような反応性基を分子内に有するものとするこ
とが望ましい。
【0049】上記したように、セグメント(A)の鎖構
造は、セグメント(B)の鎖構造に応じて、適宜選択し
得るものであり、例えば、スチレン系単量体、(メタ)
アクリル系単量体、アルキレン系単量体などの単独もし
くは共重合による各種ビニル系ポリマー、ポリエステ
ル、ポリエーテル等の(上記反応性基を有する)重合鎖
とすることができるが、このうち、ビニル系ポリマー、
特に、芳香環を有するビニル系単量体成分を50モル%
以上、より好ましくは、60モル%以上含みかつ反応性
性基を有するビニル系ポリマーであることが、セグメン
ト(B)としての各種のワックスとの組合せが容易とな
るため望ましい。
【0050】上記記載したセグメント(A)とセグメン
ト(B)とから成るグラフトないしブロック構造型の
(メタ)アクリル系樹脂において、セグメント(A)に
CBと反応性を有する基をもつ反応性(メタ)アクリル
系樹脂が更に好ましい。
【0051】即ち反応性基を先述した様に(メタ)アク
リル系樹脂の骨格構造に直接導入することではなく反応
性基を有するセグメント(A)と、上記したような(メ
タ)アクリル系樹脂としての骨格構造となるセグメント
(B)とを有するブロックもしくはグラフト型の(メ
タ)アクリル系樹脂のが好ましい。以下、このようなブ
ロックもしくはグラフト型構造体を説明する。
【0052】すなわち、(メタ)アクリル系樹脂がゴム
に対して高い親和性を有していたとしても、カーボンブ
ラックに(メタ)アクリル系樹脂が有効にグラフト化さ
れていないと、その特性は安定したものとはならずまた
バラツキを生じやすくなり、一定レベルの親和性を得よ
うとすると(メタ)アクリル系樹脂グラフト化カーボン
ブラックにおけるカーボンブラック部分の含有量が低く
なってしまうという結果ともなる。
【0053】ブロックもしくはグラフト型重合体として
は、図1(a)において示すA−B型ブロック共重合
体、図1(b)において示すA−B型グラフト共重合体
といった単純な構造のものに限られず、図1(c)にお
いて示すB−A−B型ブロック共重合体、あるいはより
高度な交互ブロック共重合体、図1(d)において示す
複数のBセグメントがAセグメントにグラフトしてなる
櫛形グラフト共重合体、さらには図1(e)において示
す星型状のグラフト共重合体などといった各種のものが
含まれる。なお、図中Xはカーボンブラック表面の官能
基と反応し得る反応性基を表す。図1(f)は、これら
の各種のブロックもしくはグラフト型の重合体がカーボ
ンブラック粒子(CB)表面へ吸着ないし結合した状態
を表すものであるが、要は、カーボンブラック粒子表面
に吸着ないし結合した状態で、少なくとも1つのセグメ
ント(B)がカーボンブラック粒子表面より外側に向っ
てある程度の自由度をもって配向できるものであれば、
ブロックないしグラフト型重合体はいかなる形態を有す
るものであってもよい。
【0054】また、これらの反応性基の重合体(セグメ
ント(A)部分)中への導入方法については後述する。
【0055】また、上記したような反応性基を有する重
合性単量体(a)と共に必要により使用できる重合性単
量体(c)としては、前記単量体(a)と共重合し得る
ものであれば特に限定されず、例えばスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o
−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルス
チレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、等の
アクリル酸あるいはメタクリル酸系モノマー;エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、
アクリルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン等の単量体を1種または2種
以上適宜用いることができる。
【0056】一方、セグメント(B)成分の主鎖を構成
するためラジカル重合性高分子量体(b)としては、前
記式Iで示される(メタ)アクリル系樹脂の重合鎖の片
末端に反応性基を有するものとセグメント(A)を構成
するラジカル重合性単量体とを共重合すれば良い。
【0057】この様にしてセグメント(B)は、ポリメ
タ(アクリル)系構造を有するものとなり、例えば、以
下に示されるような単量体を重合しグラフト型の重合体
を形成する。
【0058】
【化9】
【0059】(ただし、式中、R,Rは同一または
異なって水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数
1〜25のアルキル基を示し、Xは任意の連結鎖であ
り、Yは開始剤末端またはH原子、nは0〜500の整
数を示す。)
【0060】
【化10】
【0061】(ただし、式中、R,R,Rは同一
または異なって水素原子またはメチル基を示し、R
は同一または異なって炭素数1〜25のアルキル基
を示し、Xは任意の連結鎖であり、Yは開始剤末端また
はH原子、m,nはそれぞれ同一または異なって0〜5
00の整数を示す。) グラフトないしはブロック型重合体におけるセグメント
(A)およびセグメント(B)の分子量としては、特に
制限されるものではなく、これらのセグメントを構成す
る重合鎖の種類等によっても左右されるが、カーボンブ
ラックに対するグラフト効率の面からするとセグメント
(A)は平均分子量300〜100000の範囲、より
好ましくは5000〜50000の範囲とすることが好
ましく、またセグメント(B)は平均分子量500〜1
00000の範囲、より好ましくは1000〜5000
0の範囲とすることが好ましい。さらに、グラフトない
しはブロック型重合体のセグメント(A)が有する反応
性基の数としても特に限定されるものではないが、重合
体1分子当り平均して50〜1、より好ましくは20〜
1程度が望まれる。
【0062】本発明のカーボンブラック−ゴム複合体を
製造する上での原料配合における上記したような(メ
タ)アクリル系樹脂の配合量は、特に限定されるもので
はなく、また使用されるゴムの種類、添加されるカーボ
ンブラックの種類および配合量、ならびに(メタ)アク
リル系樹脂の種類等によっても左右されるが、例えば、
カーボンブラック10重量部に対し(メタ)アクリル系
樹脂1〜300重量部、好ましくは、5〜150重量
部、さらに好ましくは10〜100重量部とすることが
望ましい。(メタ)アクリル系樹脂の配合量が1重量部
未満では、カーボンブラックの種類および配合量にもよ
るが、カーボンブラックに(メタ)アクリル系樹脂が吸
着ないしグラフト化されることによるカーボンブラック
の分散性の改善効果が十分なものとならない恐れが高く
なる傾向があり、一方、(メタ)アクリル系樹脂の配合
量が300重量部を超えても、カーボンブラックに(メ
タ)アクリル系樹脂がグラフト化されることによるカー
ボンブラックの分散性の改善効果がそれ以下の配合量の
場合と比較してそれ以上向上する傾向が見られず、かつ
ゴムの極端な硬度低下等の好ましくない現象が生じる恐
れが高くなるためである。
【0063】本発明のカーボンブラック−ゴム組成物に
配合されるカーボンブラックとしては、特に限定され
ず、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、
アセチレンブラック、ランプブラック等のいずれの種類
のものを用いることができる。
【0064】また、カーボンブラックとしては、表面に
カルボキシル基、ヒドロキシ基等の官能基、特にカルボ
キシル基を有する、ないしはpH7未満、特にpH1〜
5のカーボンブラックを用いることが好ましい。カーボ
ンブラックが、カルボキシル基等の官能基を有していな
い場合、あるいはpH7以上である場合、後述するよう
なグラフト化が有効に行なわれないことがある。なお、
カーボンブラックのpH試験法はJIS K 6211に
よるものである。
【0065】また、カーボンブラックの平均粒子径は
0.0005〜0.5μm、特に0.001〜0.2μ
mの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が0.0
005μm未満のカーボンブラックは容易に得られない
ため、産業上意義が小さい。また、平均粒子径が0.5
μmを越える場合、カーボンブラックグラフトポリマー
としてもゴム中で十分な分散性が付与できないことがあ
る。
【0066】本発明のカーボンブラック−ゴム複合体を
製造する上での原料配合におけるカーボンブラックの配
合量は、特に限定されるものではなく、また使用される
ゴムの種類によっても左右されるが、例えば、ゴム10
0重量部に対しカーボンブラック10〜1000重量
部、好ましくは、30〜500重量部、さらに好ましく
は50〜200重量部とすることが望ましい。なお、本
発明のカーボンブラック−ゴム複合体においては、ゴム
100重量部に対しカーボンブラックを例えば50重量
部以上といった極めて高い割合で配合しても、カーボン
ブラックの均一かつ微細な分散がなされるために、良好
な品質のゴム製品が得られるものである。
【0067】また、本発明のカーボンブラック−ゴム複
合体中に添加され得るその他の配合剤としては、任意で
あり、使用されるゴムの種類に応じて、公知の配合剤か
ら適宜選択して添加し得る。その他の配合剤としては、
例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延
剤ないし焼け防止剤、充填剤、粘着剤、しゃく解剤、硬
化剤、発泡剤、分散剤、打ち粉、離型剤、溶剤、軟化
剤、溶剤などが含まれる。なお、本発明のカーボンブラ
ック−ゴム複合体においては、補強剤ないし着色剤とし
て機能するカーボンブラック、および、(メタ)アクリ
ル系樹脂がそれぞれ必須成分として配合されるが、必要
に応じて、補強剤、着色剤として、カーボンブラック等
やその他のものを添加することが可能である。
【0068】次に、本発明に係るカーボンブラック−ゴ
ム複合体の製造方法について説明する。
【0069】本発明においては前記した様にエピクロル
ヒドリンを主体とするゴムとカーボンブラックと前記
(メタ)アクリル系樹脂の3成分を必須とするものであ
る。
【0070】本発明の製造方法としては (I)ゴムとカーボンブラックと前記(メタ)アクリル
系樹脂とを一括して混合(混練)分散する方法 (II)予めカーボンブラックと前記(メタ)アクリル系
樹脂とを混合分散した後ゴムと混合(混練)分散する方
法 が挙げられるが、好ましくは(II)の方法を用いる。
【0071】(I)の方法においては生ゴムに対する、
前記(メタ)アクリル系樹脂およびカーボンブラックの
添加順序として、特に限定されるものではなく、同時添
加であってもまたカーボンブラックの添加が先であって
も良いが、好ましくは、生ゴムに前記(メタ)アクリル
系樹脂を添加し予め混合させた後、カーボンブラックを
添加する順序を採択することが望ましい。
【0072】また、ゴムは、このような(メタ)アクリ
ル系樹脂、カーボンブラックおよびその他の配合剤の添
加に先立ち、必要に応じて、周知のように、策練り作業
にかけ可塑化させることができる。
【0073】(II)の方法においては予めカーボンブラ
ックと前記(メタ)アクリル系樹脂とを混合分散する。
【0074】この混合分散は、加熱混練において用いら
れる装置を用いて行なう。装置として特に限定されるも
のではなく、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリミキサ
ー、2本ロール等公知の各種の混練装置を用いることが
できる。
【0075】得られたCBと(メタ)アクリル系樹脂複
合体をゴムと混合分散してカーボンブラック−ゴム複合
体を得ることが出来る。
【0076】本発明において、更に好ましい混合分散と
しては、カーボンブラックと前記(メタ)アクリル系樹
脂と溶剤の3成分系で、メディアミル分散装置を用いて
分散混合を行なうのが好ましい。メディアミル分散機を
用いて構成材料を配合した後分散操作を行ないカーボン
ブラック(CB)分散液を得る。
【0077】CB分散液にエピクロルヒドリンを主体と
するゴムを溶解させ混合し脱溶剤を施こしCB−ゴム複
合体を得る。
【0078】もしくはエピクロルヒドリンを主体とする
ゴムを予め溶媒に溶解させておいたものと該CB分散液
とを混合後、脱溶剤を施しCB−ゴム複合体を得ること
も可能である。
【0079】前記溶剤としては、(メタ)アクリル系樹
脂を溶解し、かつエピクロルヒドリンゴムを溶解しうる
溶媒が通常選択される。例えばケトン系溶媒としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンが挙げられ、アルコール系溶媒としては、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、アリルアルコール等のアルコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリ
プロピレングリコールモノアリルエーテル等のグリコー
ルないしその誘導体類;グリセロール、グリセロールモ
ノエチルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等
のグリセロールないしその誘導体類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;等が挙げられるが、好
ましいのはケトン類である。
【0080】メディアミル分散装置としては、被処理流
体を収容するベッセルの形状、攪拌子の形状、数および
配置位置あるいはその回転速度、邪魔板ないし仕切板の
配置の有無、さらに、ベッセル内部に導入されるボール
ないしビーズといった分散媒体の使用、その形状、材質
等において、それぞれ工夫を凝らした各種の湿式分散処
理装置ないし湿式粉砕処理装置が提唱されているもので
あれば特に限定されない。
【0081】このなかで、一般に、攪拌子と分散媒体を
併用するタイプのものは、比較的良好な分散状態を形成
できるものとして現在多くの分野で使用されている。こ
のタイプに属する分散処理装置としては、例えば特公昭
59−22577号、特公平2−27018号、特開平
2−68151号、特開平3−101820号、特公平
7−12441号、特公平7−4552号、特開平4−
326934号、特公平6−73620号、特開平5−
38425号、特開平4−281855号、特開平6−
351号、特開平6−212896号、特開平6−21
0148号、特開平式6−134271号等に開示があ
るものを用いれば良い。
【0082】攪拌子とビーズ等の粒状分散媒体を併用し
て攪拌ないし解砕を行なう湿式分散処理装置ないし湿式
粉砕処理装置は、公知のものとして数多く知られている
が、本発明においては、このような処理装置に、被処理
流体を加熱するための加熱装置を付加するという装置構
造をもつもので加熱した状態で、ゴム、カーボンブラッ
ク、(メタ)アクリル系樹脂の分散を行なうのが更に好
ましい。
【0083】ベッセルとしては、アルミナ、ジルコニ
ア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステン
カーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、ク
ロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属
等を1種あるいは2種以上用いて構成される。横置ない
し縦置の、例えば、円筒型、円錐型、半円筒型、例えば
特公平2−27018号に開示されるものあるいはダイ
アモンドファインミル(三菱重工業株式会社製)等にお
けるような断面W字ないしコの字型のもの、さらには例
えば特公平6−73620号に開示されるもののように
内部に分散媒体を収容してなるベッセル(攪拌子を備え
たないし攪拌子がベッセル量面の1部を形成する)をそ
の内外の流体(分散液)流通を可能なものより大きな容
器体内部に配置したものなど、各種の様式のものを用い
ることができる。
【0084】また攪拌子としては、ベッセルと同様、ア
ルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪
素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各
種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合
金などの各種金属等が適宜選択される。なお、この材質
はベッセルの材質と異なっていても何等さしつかえな
い。また、形状としては、例えば、上記した円盤状(デ
スク型)、ビン型以外に、デスクタービン型、ファンタ
ービン型、プロペラ型、螺旋軸翼型、螺旋帯翼型、ゲー
ト型、アンカー型、円筒状、バドル型といった各種の形
状のもの、さらにはこれらに通液性の孔を形成するなど
の改良を付したものなどを、単一であるいは多段に配す
るものも使用が可能である。また、この攪拌子の形状に
応じて、適当な形状を有する邪魔板ないし固定子を設け
るものも使用可能である。さらにこのような攪拌子を形
成する回転軸は、ベッセルと共軸的に配するもののみな
らず、ベッセルの中心軸より変位させて、あるいは2軸
もしくは多軸に配置するものも使用可能である。
【0085】さらに、分散媒体(メディア)としては、
処理される固体微粒子の種類、ベッセルないし攪拌子の
形態等に応じて、適宜変更可能であり、アルミナ、ジル
コニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングス
テンカーバイドなどの各種セラミックス、各種ガラス、
鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各
種金属から構成される球状、円筒状、回転楕円体状等の
形状のものが用いられ得るが、このうち、特にアルミ
ナ、ジルコニア、鋼およびクロム鋼などの材質から構成
される球状のビーズで、通常、直径0.05〜20mm
程度、より好ましくは0.1〜5mmのものが望まし
い。また、これらの分散媒体のベッセルへの充填割合
は、ベッセルないし攪拌子の形態等によっても左右され
るものであるため、限定されるものではないが、例えば
ベッセルの有効容積の20〜90%、より好ましくは3
0〜80%とされる。なお、充填割合が極端に少ない
と、二次凝集状態にある固体微粒子の十分な解砕、およ
び固体微粒子と反応性ポリマーとの反応等が十分なもの
とはならず、一方充填割合が極端に多いと分散媒体の磨
耗によるコンタミネーションの増大を引き起こす恐れが
ある。
【0086】またカーボンブラック等の配合剤の添加
は、混練り工程において数回に分けて添加を行っても良
く、またマスターバッチ法を採択することも可能であ
る。混練において「焼き」が起きない程度の濃度にて混
練する事が好ましい。加熱混練において用いられる装置
としては特に限定されるものではなく、ニーダー、加圧
ニーダー、バンバリミキサー、二本ロール等公知の各種
の混練装置を用いることができるが、カーボンブラック
その他の配合剤の良好な分散性を確保するためには、他
の混練装置を用いた場合であっても、仕上練りとして二
本ロールなどといった装置を用い狭間隔を通過させる、
好ましくは2ないし数回通過させることが好ましい。
【0087】このようにして、生ゴムと、カーボンブラ
ックとを、加熱混合することで本発明に係るカーボンブ
ラック−ゴム複合体が製造される。本発明に係るカーボ
ンブラック−ゴム複合体は、一般的な配合ゴムと同様
に、成形工程において所望形状に成形されたのち、加硫
工程にかけられ加硫ゴムとされ、さらに必要な工程、例
えば接着工程、仕上げ工程等を経て、最終的なゴム製品
とされる。
【0088】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。なお、以下において「部」および「%」はいずれ
も重量によるものである。
【0089】合成例1 メチルメタクリレート(MMA) 100部 n−ドデジルメルカプタン 1部 トルエン 97部 に、アゾイソブチロニトリル3部を溶解させた。
【0090】攪拌羽根、不活性ガス導入管、還流冷却
管、温度計および滴下漏斗を備え付けたセパラブルフラ
スコに上記溶解物を仕込み、N気流下80℃にて重合
を行ない、重合体溶液を得た後脱揮して重合体(1)を
得た。
【0091】合成例2 合成例1においてMMAの代わりにエチルメタクリレー
ト(EMA)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行
ない重合体(2)を得た。
【0092】合成例3 合成例1においてMMAの代わりにブチルメタクリレー
ト(BMA)を用いた以外は、合成例1と同様の操作を
行ない重合体(3)を得た。
【0093】合成例4 合成例3においてBMA100部の代わりにBMA95
部グリシジルメタクリレート(GMA)5部を用いた以
外は合成例1と同様の操作を行ない重合体(4)を得
た。
【0094】攪拌羽根、不活性ガス導入管、還流冷却
管、温度計および滴下漏斗を備え付けたセパラブルフラ
スコに、溶剤として2−ブトキシエタノール300部を
仕込み、Nガス導入下85℃にてメチルメタクリレー
ト(MMA)200部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA)200部、チオグリコール酸8.5部
(9.2271×10−2モル)及びアゾイソブチロニ
トリル(AIBN)0.1部の混合溶液を4時間にわた
り連続滴下して重合を行なった。その後AIBN0.1
部を加え同温度で2時間加熱した。
【0095】その後、95℃で1時間加熱して重合を収
量した。この反応液に対して、グリシジルメタクリレー
ト17.0部(1.3倍当量/COOH)、触媒として
テトラブチルアンモニウムブロミド2.5部及び重合禁
止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.08
部を加え反応温度95℃にて8時間反応させたのち、冷
却して、数Mn=7000の末端メタクリレート型のM
MA/HEMA共重合型マクロモノマーの不揮発分5
7.14%の重合体溶液を得た。
【0096】スチレン21.83重量部、上記重合体溶
液136.8重量部(マクロモノマー78.17重量
部)および2−ブトキシエタノール141.4重量部を
混合し、これに重合開始剤としてジメチル−2,2’−
アゾビスイソブチレートを10重量部を溶解させた。
【0097】そして合成例1と同様の滴下漏斗を備えた
セパラブルフラスコにて重合を行ない重合体溶液を得
た。
【0098】脱揮操作を行ないAセグメントとBセグメ
ントから成る重合体(5)を得た。
【0099】合成例6 合成例5においてスチレン21.83重量部の代わりに
スチレン10.92部イソプロペニルオキサゾリン1
0.91部を用いた以外は、合成例5と同様の操作を行
ないCBと反応性を有するAセグメントとBセグメント
から成る重合体(6)を得た。
【0100】実施例1 温度センサー、攪拌羽根、冷却管を備え付けたセパラブ
ルフラスコに 重合体(1) 10部 カーボンブラック 20部 MEK 70部 を仕込み溶解させた後、ジルコニア製ビーズ700部を
仕込んで80℃の温度で5時間分散させた後冷却しCB
分散体(1)を得た。
【0101】別途エピクロルヒドリンゴム(エピクロマ
ーCG ダイソー社製)10部をMEK90部に溶解さ
せたゴム溶液(1)100部と上記CB分散体(1)と
を混合し脱溶剤を行なった後ロールに通しカーボンブラ
ック−ゴム複合体にシート(1)を得た。
【0102】実施例2 実施例1において、重合体(1)の代わりに、重合体
(2)を入れた以外は実施例1と同様の操作を行ないC
B分散体(2)を得た。
【0103】実施例1で作成したゴム溶液(1)と上記
CB分散体(2)とを混合し、脱溶剤を行なった後ロー
ルに通しカーボンブラック−ゴム複合体のシート(2)
を得た。
【0104】実施例3 エピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG ダイソー
社製)50部、重合体(3)50部、カーボンブラック
100部を100℃にて1時間混練反応を行なった後ロ
ールに通し、カーボンブラック−ゴム複合体のシート
(3)を得た。
【0105】実施例4 実施例3において重合体(3)の代わりに重合体(4)
を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行ない、カー
ボンブラック−ゴム複合体のシート(4)を得た。
【0106】実施例5 実施例1において、重合体(1)の代わりに、重合体
(5)を用いた以外は同様の操作を行ないCB分散体
(5)を得た。
【0107】実施例1で作成したゴム溶液(1)とCB
分散体(5)とを混合し脱溶剤を行なった後ロールに通
し、カーボンブラック−ゴム複合体シート(5)を得
た。
【0108】実施例6 実施例1において、重合体(1)の代わりに、重合体
(6)を用いた以外は、同様の操作を行ないCB分散体
(6)を得た。
【0109】実施例1で作成したゴム溶液(1)と上記
CB分散体(6)とを混合し、脱溶剤を行なった後ロー
ルに通し、カーボンブラック−ゴム複合体シート(6)
を得た。
【0110】比較例1 エピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG ダイソー
社製)50部、カーボンブラック50部を混練した後ロ
ールに通し、比較用カーボンブラック−ゴムシート
(1)を得た。
【0111】カーボンブラック−ゴム複合体の評価 実施例1〜6、及び比較例1で得られたゴムシート物を
三菱化学(株)製表面抵抗器ハイレスタにて、50cm
×50cmの4角のシート状の中心部と、端角近くの4
点、さらに各頂点との中心点から1mm程度内側の部分
4点の計9点、更に裏返して同様の計9点を測定したと
ころ、印加電圧100Vにおいて表1の表面抵抗値を示
した。
【0112】
【表1】
【0113】以上の結果からシート(1)から(6)ま
では1ケタの範囲内におさまっているに対し、比較シー
ト(1)は3ケタまで幅が広がっている。
【0114】また印加電圧を10V〜500Vに変えて
表面抵抗を測定したところ、表2に示す値を示した。
【0115】
【表2】
【0116】以上の結果からシート(1)から(6)ま
では1ケタの範囲内におさまっているのに対し、比較シ
ート(1)は3ケタまで幅が広がっている。
【0117】また表3には、同様の測定を行なった平均
値を環境特性に対して示した。
【0118】
【表3】
【0119】以上の結果からシート(1)から(6)ま
では1ケタの範囲内におさまっているに対し、比較シー
ト(1)は2ケタまで幅が広がっている。
【0120】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、エピ
クロルヒドリンゴムに対してカーボンブラックが均一分
散してなるカーボンブラック−ゴム複合体が得られそれ
故、電気抵抗値がどの部分をとっても等しく更に環境変
化に対しても安定的であるカーボンブラック−ゴム複合
体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(e)は、本発明に係るカーボンブ
ラック−ゴム複合体において用いられるブロックないし
グラフト型の(メタ)アクリル系樹脂の各種構造例を模
式的に示す図である。(f)は、これら各種のブロック
ないしグラフト型の(メタ)アクリル系樹脂がカーボン
ブラック粒子(CB)表面に結合した状態を模式的に示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/06 C08L 33/06 C09C 1/56 C09C 1/56 3/10 3/10 // B29K 19:00 B29K 19:00 33:00 33:00 33:04 33:04 105:06 105:06 307:04 307:04 Fターム(参考) 4F070 AA08 AA32 AA52 AC04 AE01 FA04 FC04 4F201 AA21F AA21G AA45 AB11 AB18 AC05 AC08 AH04 BA01 BC01 BC12 BC33 BC38 BK01 BK14 BK15 BK16 BK25 BK26 4J002 BG04X BG07X BG08X CH02W CH04W DA036 FB086 FD016 4J037 AA02 CC11 CC16 CC18 DD05 DD13 DD27 EE02 EE16 EE25 EE28 EE43 EE44 FF11 FF15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エピクロルヒドリンを主体とするゴム
    と、カーボンブラックと、下記一般式(1): 【化1】 (式中、RはHもしくはCH,Rは炭素数1から
    8のアルキル基)で表される構造単位を有する(メタ)
    アクリル系樹脂とを混合分散してなるカーボンブラック
    −ゴム複合体。
  2. 【請求項2】 前記(メタ)アクリル系樹脂が、カーボ
    ンブラックと反応性を有する基を有してなる樹脂である
    請求項1記載のカーボンブラック−ゴム複合体。
  3. 【請求項3】 予め(メタ)アクリル系樹脂とカーボン
    ブラックとを混合分散した後、エピクロルヒドリンを主
    体とするゴムに混合して得ることを特徴とするカーボン
    ブラック−ゴム複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 予め(メタ)アクリル系樹脂とカーボン
    ブラックとを、溶剤を添加しメディアミルにて混合分散
    した後、前記ゴムに混合し脱溶剤する請求項3記載の製
    造方法。
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