JP2003076162A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003076162A
JP2003076162A JP2001262886A JP2001262886A JP2003076162A JP 2003076162 A JP2003076162 A JP 2003076162A JP 2001262886 A JP2001262886 A JP 2001262886A JP 2001262886 A JP2001262886 A JP 2001262886A JP 2003076162 A JP2003076162 A JP 2003076162A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光ドラムの表面に形成されたトナー像を効
率よく転写材に転写することで、初期印字濃度や解像度
が高く、更に高温高湿や低温低湿のような厳しい環境下
でも、用紙カブリが起こり難く、更にフィルミングも起
こり難い画像形成方法を提供すること。 【解決手段】 一様に帯電させた感光体の表面上に静電
潜像を形成し、この静電潜像をトナーによってトナー像
に現像し、得られたトナー像を転写ロールによって転写
材に転写した後、定着する画像形成方法において、金属
製芯材とそれを被覆するゴム発泡体層からなり、該発泡
体層のセル径が50〜200μmである転写ロール、及
びトナーの粒径分布において、粒径2〜4μmのトナー
粒子が3〜8個数%、粒径4〜5μmのトナー粒子が5
〜12個数%であり、且つホウ素又はリン含有量が合計
で0.1〜100ppmであるトナーを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式での
画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プリンターのように電子写真方
式を利用した画像形成方法は、感光体としての感光ドラ
ムの表面を帯電装置により一様かつ均一に帯電する帯電
工程、均一に帯電された感光体の表面にレーザー光照射
装置などにより静電潜像を形成する露光工程、現像装置
によりトナーを使用して前記静電潜像を現像する現像工
程、転写装置により現像されたトナー像を転写材に転写
する転写工程及び転写されたトナー像を定着する定着工
程、感光体上に残存する転写残トナーをクリーニングす
るクリーニング工程を有している。
【0003】このような画像形成方法の転写工程では、
これまで、コロナ放電を利用した転写装置が使用されて
きた。しかしながら、コロナ放電は、高電圧が印加され
るために危険である、オゾンや一酸化窒素などの有害物
質が発生する等の問題を抱えていた。そこでこのコロナ
放電を利用した転写装置に代わるものとして、ロール転
写装置が提案されている。
【0004】転写ロールを装着した画像形成装置及びそ
れを用いる画像形成方法として、例えば、特開平6−3
01300号公報には、トナーを圧縮成形して得た粉体
層の引張破断応力が3.0g/cmのトナーを用いる
ことで、転写の「抜け」を生じることなく、良好な転写
効率を示すことが開示されている。特開平9−2883
72号公報には、転写ロールの感光体への押圧力が25
〜1000g/cmとし、平均ドメイン径が0.1〜
1.1μmの離型剤を含有するトナーを用いることで、
画像欠陥を生じることなく、高濃度、高解像力の鮮明な
画像が得られることが開示されている。
【0005】また、特開平10−171151号公報に
は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有する母体トナー
粒子に疎水性無機化合物微粒子が添加された加圧凝集度
60.0以下の現像剤を用いることで、外部添加された
微粉末の埋め込みが発生せず、高温高湿下における普通
紙への転写及び低温低湿下におけるOHPシートへの転
写の際にも、画像の「中抜け」の発生を防止できること
が開示されている。特開平11−249462号公報に
は、転写ロールの抵抗値が温度10℃、湿度15%の環
境において5×10Ω・cm以下であり、トナーが樹
脂母粒子に対して外添剤が0.4重量%以上外添されて
いることで、カブリが低減し、紙裏汚れ等のない信頼性
の高い画像が得られることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが検討した結果、これらの画像形成方法を一成分現
像方式で適用した場合、高温高湿や低温低湿といった厳
しい環境で長時間耐久印刷を行なうと用紙カブリが発生
することが分かった。そこで、本発明の目的は、印字濃
度や解像度の高い画像を得ることができ、様々な環境に
おいて、長時間耐久印刷してもカブリやフィルミングが
ない画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究した結果、画像を形成する
際、特定範囲の発泡体のセル径を有するゴム発泡体層を
有する転写ロールを使用し、且つ特定のトナーを使用す
ることにより、上記目的を達成できることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに到った。かくして
本発明によれば、一様に帯電させた感光体の表面上に静
電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによってトナー
像に現像し、得られたトナー像を転写ロールによって転
写材に転写した後、定着する画像形成方法であって、前
記転写ロールが金属製芯材とそれを被覆するゴム発泡体
層からなり、該発泡体層のセル径が50〜200μmで
あり、前記トナーの粒径分布において、粒径2〜4μm
の着色粒子が3〜8個数%、粒径4〜5μmの着色粒子
が5〜12個数%であり、且つトナー中のホウ素又はリ
ン含有量が合計で0.1〜100ppmである画像形成
方法及びカラー画像形成方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法では、一様
に帯電させた感光体の表面上に静電潜像を形成し、この
静電潜像をトナーによってトナー像に現像し、得られた
トナー像を転写ロールによって転写材に転写した後、定
着する。
【0009】転写ロールは、金属製芯材とそれを被覆す
るゴム発泡体層からなる。金属製芯材は、特に限定され
ず、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、ニッケル等の
金属が挙げられ、それは中実体であっても、中空体であ
ってもよい。この芯材の直径は、通常、3〜30mm、
好ましくは4〜20mmであり、芯材の長さは、通常、
210〜400mm、好ましくは、230〜350mm
である。芯材の直径が小さいと転写ロールが変形するこ
とがあり、逆に大きいと転写ロールを駆動させるのに大
きな動力が必要になることがある。芯材の長さが長いと
転写ロールが変形することがあり、逆に短いとトナー像
が転写されずに感光体に残存することがある。
【0010】ゴム発泡体層は、ゴムを化学的または機械
的に発泡させて、架橋剤により架橋したものである。ゴ
ム発泡体層の厚さは、通常、2〜8mmであり、これが
薄いとニップ幅を十分に取ることができずに転写率が低
下することがあり、逆に厚いと押圧力が小さくなり転写
率が低下することがある。
【0011】金属製芯材の表面に被覆するゴム発泡体層
の材質としては、特に限定されず、例えば、エピハロヒ
ドリン共重合体ゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、ポ
リブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等の各種ゴム
が挙げられ、これらは単独あるいは組合せて用いること
ができる。これらの中でも、エピハロヒドリン共重合体
ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムとの
組合せが好適である。
【0012】より具体的に、好ましいゴム成分として、
エピハロヒドリン共重合体ゴム(A)10〜100重量
%、不飽和ゴム(B)0〜90重量%を含有するゴム組
成物を挙げることができる。エピハロヒドリン共重合体
ゴム(A)の割合は、好ましくは15〜90重量%、よ
り好ましくは20〜90重量%で使用される。この割合
が多いと、硬度や摩擦係数が高くなり、さらには、感光
体汚染やトナー付着の問題も生じることがあり、逆に少
ないと、電気抵抗率を小さくすることが困難となること
がある。
【0013】エピハロヒドリン共重合体ゴム(A)は、
エピハロヒドリンを必須の単量体として含有する単量体
混合物を共重合して得られる共重合体ゴムである。エピ
ハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、
エピブロモヒドリン、エピフルオロヒドリン等が挙げら
れる。これらの中でも、入手の容易さや価格等の面で、
エピクロロヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンと共
重合する単量体としては、アルキレンオキサイド、及び
エチレン性不飽和エポキシドが好ましい。
【0014】エピハロヒドリン共重合体ゴム中のエピハ
ロヒドリンの共重合割合は、通常、28〜70モル%、
好ましくは30〜65モル%、より好ましくは35〜6
0モル%である。この割合が多いと電気抵抗が高くなる
ことがあり、この割合が少ないと吸湿性が高くなった
り、あるいは電気抵抗の環境依存性が大きくなったりす
ることがあるので、いずれも好ましくない。
【0015】アルキレンオキサイドとしては、例えば、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイドなどを挙げることができ、これらは、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組合せて使用することが
できる。単独で使用する場合はエチレンオキサイド(E
O)が好ましい。また、併用する場合には、エチレンオ
キサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)の組
合せが好ましい。エピハロヒドリン共重合体ゴム中のア
ルキレンオキサイドの共重合割合は、通常、28〜70
モル%、好ましくは35〜65モル%、より好ましくは
40〜60モル%である。この割合が多くなると、吸湿
性が高くなったり、あるいは電気抵抗の環境依存性が大
きくなったりすることがあり、この割合が少なくなる
と、電気抵抗が高くなることがあるので、いずれも好ま
しくない。
【0016】エチレン性不飽和エポキシドとしては、例
えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリ
レート、グリシジルアクリレート、ブタジエンモノオキ
サイドなどが挙げられる。エチレン性不飽和エポキシド
を共重合することにより、硫黄加硫系(硫黄または硫黄
供与体)や過酸化物による加硫が可能となり、熱軟化劣
化性や耐動的オゾン性が改良される。エピハロヒドリン
共重合体ゴム中のエチレン性不飽和エポキシドの共重合
割合は、通常、2〜15モル%、好ましくは3〜10モ
ル%である。この割合が多いと、熱による硬化劣化を生
じてゴム弾性を失って脆くなりやすくなることがあり、
この割合が小さいと、加硫硬化が困難になり、平滑なゴ
ムシートを得ることができないことがある。
【0017】本発明でいう不飽和ゴム(B)は、分子の
主鎖中に不飽和結合を有するゴムであり、この不飽和ゴ
ムを配合すると、配合物の混練時間が大幅に短縮され、
加工性が顕著に向上する。不飽和ゴムとしては、例え
ば、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NB
R)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、
ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン・プロピレン・
ジエン共重合体ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、
アクリロニトリル・イソプレン共重合体ゴム、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・イソプレン共重合体ゴム(NB
IR)、及びこれらのゴムの部分水素添加物などが挙げ
られる。これらの中でも、NBR及び部分水添NBRが
エピハロヒドリン共重合体ゴムとの相溶性が良いので好
ましい。不飽和ゴム(B)の割合は、好ましくは10〜
85重量%、より好ましくは10〜80重量%である。
この割合が多いと、電気抵抗率を小さくすることが困難
になることがあり、逆に少ないと加工性が低下したり、
硬度や摩擦係数が高くなったりすることがある。
【0018】本発明に使用する転写ロールの製造方法は
特に限定されないが、例えば、以下の方法で製造するこ
とができる。ゴム、架橋剤、発泡剤及びその他の添加
物とをバンバリーまたはニーダー等で混練してゴム組成
物を得、この組成物を混練ロールあるいは押出し機等を
使用してシート状に成形し、更に押出し機を用いてチュ
ーブ状に成形する。このとき、芯材に相当する仮芯を入
れて芯線押出し成形によって行なうこともできる。成形
後、加熱することにより発泡剤を分解して気体を発生さ
せ、ゴム組成物を発泡させると同時に、架橋剤によっ
て、ゴムを架橋し、ゴム発泡体層を得る。得られたゴム
発泡体層(仮芯を使用したときには、これを抜き取った
後)に、接着剤を塗布した金属製芯材を挿入した後、加
熱接着させ、転写ロールを製造する。金属製芯材に接
着剤を塗布し、この塗布層の上に、ゴム、架橋剤、発泡
剤及びその他の添加物との混練して得られたゴム組成物
を、混練ロールまたは押出し機等を使用してチューブ状
に成形し、次いで、プレス加熱成形することによって、
発泡と架橋を行なって、ゴム発泡体層を有する転写ロー
ルを製造する。
【0019】本発明で使用する転写ロールは、ゴム発泡
体層のセル径が50〜200μm、好ましくは70〜1
50μmである。このセル径が50μmよりも小さい
と、ニップ巾が狭くなり、転写率が低下することがあ
り、逆に200μmよりも大きいと押圧力が小さくな
り、転写率が低下することがある。セル径の測定は、転
写ロールを芯材に対して垂直になるように、剃刀で薄く
切片を切り取り、それを100倍の光学顕微鏡で写真を
撮影し、得られた写真をネクサス9000型の画像処理
装置で読み込み、発泡セルの長径と短径の和を2で割っ
た値を100個測定して、その平均値を計算した。
【0020】ゴム発泡体層のセル径の制御は、ゴム組
成物のムーニー粘度、発泡剤の種類及び量、架橋の
量及び架橋温度、添加剤の量等の組合せで行うことが
できる。ゴム組成物のムーニー粘度が低いとセル径は
大きくなり、逆に高くなると小さくなる。架橋温度と
も関連するが、発泡剤の分解温度が低くなったり、発泡
剤の量が多くなるとセル径は大きくなり、逆に発泡剤の
分解温度が高くなったり、発泡剤の量が少なくなるとセ
ル径は小さくなる。架橋剤の量が多くなったり、架橋
温度が低くなるとセル径は大きくなり、逆に架橋剤の量
が少なくなったり、架橋温度が高くなるとセル径は小さ
くなる。添加剤の量が少ないとセル径は大きくなり、
逆に多いとセル径は小さくなる。
【0021】発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤、
N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,
N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミ
ド等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物;p−トルエンス
ホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)等のスルホニルヒドラジド化合
物;等の有機発泡剤が挙げられる。微小なセル径を有す
るゴム発泡体層を製造するためには、窒素ガスを放出す
る有機発泡剤を使用することが好ましい。また、発泡剤
による発泡効率を上げるために、サリチル酸、尿素及び
それらの誘導体を添加してもよい。発泡剤の量は、ゴム
組成物100重量部に対して、通常、1〜50重量部、
好ましくは2〜20重量部の割合で用いられる。
【0022】架橋剤は、特に限定されず、硫黄系架橋剤
または過酸化物を使用することが好ましい。硫黄系架橋
剤として、ジエン系ゴムの架橋に通常使用されている硫
黄及び硫黄供与体を挙げることができる。硫黄供与体と
しては、例えば、モルホリンジスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。過酸
化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ
(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、
2,5−ジ-t-ブチルパーオキシ−2,5−ジメチルヘ
キサン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。ま
た、過酸化物による架橋では、架橋効率を上げるために
架橋助剤を添加してもよい。架橋助剤としては、マレイ
ミドやフェニレンビスマレイミド等のマレイミド化合物
が好適であるが、この他に、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等
のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル等の多官能性
単量体を使用してもよい。架橋剤の量は、ゴム組成物1
00重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好まし
くは0.2〜3重量部の割合で用いられる。
【0023】本発明の画像形成方法に使用する転写ロー
ルにおいて、金属製芯材の表面に被覆するゴム層として
使用するゴム組成物には、必要に応じて、補強剤、充填
剤、老化防止剤等の添加剤を適宜配合することができ
る。架橋温度や架橋時間などの架橋条件は、使用するゴ
ム成分の種類に応じて適宜定めることができる。例え
ば、ゴム成分がエピハロヒドリン共重合体ゴムや該エピ
ハロヒドリン共重合体ゴムを含むゴム組成物である場合
には、通常、100〜250℃で、1〜60分間程度加
熱すればよい。
【0024】金属製芯材にゴム発泡体層を固定する接着
剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂等の任意の接着剤に導電性フィ
ラーを配合した接着剤あるいはそれ自体が半導電性を有
する合成樹脂接着剤が好ましい。
【0025】本発明で使用する転写ロールは、その反発
弾性率が30〜70%であると好ましく、35〜65%
であると更に好ましい。反発弾性率が小さいと、長期間
使用するうちに押圧力が小さくなり、転写率が低下する
ことがあり、逆に大きいと、ニップ巾が狭くなり、転写
率が低下することがある。反発弾性率の測定は、リュプ
ケ法(JIS K6255)に準じて測定する。反発弾
性率は、発泡率に大きく依存しており、発泡率が低くな
るとと反発弾性率は高くなり、逆に発泡率が高くなると
反発弾性率は低くなる。で制御される。この発泡率は、
発泡後の転写ロールの見掛け密度ρ、発泡前の見掛け
密度ρとしたときに、発泡率=ρ/ρで計算さ
れ、その値が1.2〜5であると好ましく、1.5〜4
であるとさらに好ましい。
【0026】本発明で使用する転写ロールは、その電気
抵抗率(log(Ω・cm))が3〜10であると好ま
しく、4〜9であると更に好ましい。電気抵抗率が小さ
いと、転写バイアスが低下して、転写率が低下すること
があり、逆に大きいと、転写バイアスが印加できず、転
写率が低下することがある。電気抵抗率はゴム素材の選
択、添加剤である導電性材料の量で制御され、発泡率に
依存している。例えば電気抵抗率の低いエピクロロヒド
リン系ゴムと電気抵抗率の高い不飽和ゴムの比率を変え
ること、導電性材料である金属酸化物または導電性カー
ボンブラックを添加するなどして電気抵抗率を制御する
ことができる。また、発泡率が高いと電気抵抗率は小さ
くなり、逆に発泡率が低いと電気抵抗率は大きくなる。
【0027】電気抵抗率の測定は、得られたロールに巾
1インチの電極を巻き付け、この電極と材料との間に直
流500Vの電圧を印加して抵抗値を測定し、測定した
抵抗値から下記数式に従い電気抵抗率を計算する。この
時、予め巻き付けた電極の両側に1mm離して0.5イ
ンチ巾のアース電極を巻き付けてアースを行う。また、
測定は温度23℃、湿度50%の条件で行い、電気抵抗
率は10本のロールの平均値である。
【0028】
【数1】
【0029】本発明で使用する転写ロールは、そのアス
カーC硬度が20〜50であると好ましく、25〜45
であると更に好ましい。アスカーC硬度が小さいと、押
圧力が小さくなり、転写率が低下することがあり、逆に
大きいと、ニップ巾が狭くなり、転写率が低下すること
がある。アスカーC硬度の測定は、日本ゴム協会標準規
格試験法(SRIS−0101)に準じて行なう。
【0030】本発明で使用する転写ロールは、特に限定
されないが、その表面の摩擦係数が、通常、0.1〜
1.2、好ましくは0.1〜0.8、更に好ましくは
0.15〜0.6のものである。転写ロールの表面の摩
擦係数が小さいと、ロールの表面が滑り過ぎて、トナー
層が薄くなり、印字濃度が低下することがあり、逆に大
きいと、転写材がロールから離れ難くなり、詰まりを起
こすことがある。
【0031】本発明における摩擦係数とは、図1示すオ
イラーベルト方式の摩擦係数測定法により求められた係
数である。摩擦係数の測定は、先ず、測定用紙40を一
定の大きさ(例えば2cm×20cm)に裁断し、その
一端に所定の重量(たとえば50g)の分銅42を取り
付け、残りの一端にテンションゲージ44を取り付け
る。その分銅を取り付けた一端を測定する転写ロールの
周りに接触させて垂らし、測定用紙の角度を90度とし
て、分銅のゆれがない状態で、分銅を取り付けた方を一
定速度(約100±20mm/分)で引っ張る。そし
て、ロール表面で測定用紙が動き始め、テンションゲー
ジの目盛りが安定したときの数値(張力)を読み取る。
摩擦係数μは、そのテンションゲージで読み取った測
定値(張力)Fと分銅の重量Wから、下記数式により求
められる。 μ=2/π×Ln(F/W)
【0032】転写ロールの表面を前記範囲の摩擦係数と
するには、転写ロールの外周面を円筒切削盤などで研磨
し、その後紫外線照射を行い、ゴム弾性体の不飽和部分
を架橋させるなどして、摩擦係数を上記範囲内に調節す
る手段を用いることができる。紫外線照射は、例えば8
0W/cmの光源を用い、2〜3分間照射する。研磨は
最初粗目の切削やすり又は砥石で、最後に細目のやすり
又は砥石あるいは湿式研磨で行なう。
【0033】本発明において使用するトナーは、そのト
ナーの粒径分布において、粒径2〜4μmの着色粒子の
存在割合が3〜8個数%、好ましくは4〜7個数%であ
る。この値が小さいと解像度が低下することがある、逆
に大きいと転写率が低下することがある。また、粒径4
〜5μmの着色粒子の存在割合が5〜12個数%、好ま
しくは6〜10個数%である。この値が小さいと解像度
が低下することがある、逆に大きいと転写率が低下する
ことがある。
【0034】本発明において使用するトナーは、ホウ素
又はリン、好ましくはホウ素を含有している。これらの
含有量は0.1〜100ppm、好ましくは0.2〜5
0ppm、さらに好ましくは0.5〜10ppmであ
る。ホウ素とリンの両者を含有している場合は、その合
計量が上記範囲内である。ホウ素又はリン含有量が少な
い場合には、感光体上のクリーニング不良が発生して画
質不良が生じやすくなり、逆に含有量が多い場合には温
度や湿度が変動したときにカブリが発生して画質が低下
するようになる。
【0035】トナー中にホウ素又はリンを含有させる方
法としては、i)ホウ素又はリン化合物を結着樹脂の溶
融・混練時に添加する、ii)ホウ素又はリン化合物の
存在下で重合する、iii)粉砕、重合、会合等により
製造したトナーに後添加する等の方法が挙げられる。こ
のうち、ii)のホウ素またはリン化合物の存在下で重
合する方法を適用すると、重合時の安定性が向上するの
で好ましい。ホウ素又はリン含有量は、以下の方法によ
って測定される値である。すなわち、精秤したトナー約
5gを100mlの三角フラスコに入れ、イオン交換水
50mlを加えて、その重量を測定した後、振とうし
て、トナーを分散させる。次に、電熱ヒーターまたはガ
スバーナーで、容器ごと加温し、10分間煮沸する。ま
た、予め煮沸しておいたイオン交換水を、煮沸により減
少した量を三角フラスコに加える。煮沸したトナーの分
散液をろ紙で濾過し、イオンクロマトグラフィーを用い
て、濾液に溶解しているホウ素又はリンを定量し、この
測定値をトナー中の含有量とする。
【0036】トナーが、ホウ素又はリンを0.1〜10
0ppm含有することによって、上述した効果が現れる
理由は定かではないが、以下の理由が考えられる。通
常、トナーは摩擦により、高く帯電しており、これが現
像装置内に蓄積するために、印字枚数が多くなるとトナ
ー飛散やカブリの問題(所謂、耐久性の低下)が発生す
る。また、高い電荷のためにトナーが層厚規制ブレード
に吸着され、フィルミングが発生する。従って、帯電を
制御するために現像ロールや層厚規制ブレード等に導電
性の物質を使用して、電荷を放出することが行なわれて
いる。しかしながら、通常のトナーでは、現像ロールや
層厚規制ブレードに接触した部分の電荷のみが放出され
るだけである。これに対して、トナーにこれらの元素が
存在していると、トナーの表面を介して、電荷が放出さ
れるので、帯電の制御が容易になり、トナー飛散、カブ
リ及びフィルミングの発生を抑制できると推察される。
【0037】本発明に使用するトナーの体積平均粒径
(dv)は特に限定されないが、通常2〜10μm、好
ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μmであ
る。また、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(d
p)も特に限定されないが、通常1.7以下、好ましく
は1.5以下、より好ましくは1.3以下である。2〜
4μmの個数平均粒径のトナーが4〜8個数%であると
好ましい。この量より少ないと、解像度が低下し、多い
と流動性が低下することがある。また、粒子の絶対最大
長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積
(Sr)で割った値の球形度(Sc/Sr)が1〜1.
3、好ましくは1〜1.2である実質的に球形のトナー
であることが好ましい。
【0038】本発明に用いる好ましいトナーは、誘電体
損測定器による体積固有抵抗値(log(Ω・cm))
が、通常10〜13、好ましくは10.5〜12.5の
ものである。体積固有抵抗値が小さいと、カブリが発生
することがあり、逆に大きいと、トナー飛散、カブリ、
フィルミングまたはクリーニング不良が発生することが
ある。本発明に用いる好ましいトナーは、そのフローテ
スターによる軟化温度(以下、Tsということがあ
る。)が、通常、50〜80℃、好ましくは60〜70
℃であり、流動開始温度(以下、「Tfb」ということ
がある。)が、通常90〜150℃、好ましくは100
〜130℃である。軟化温度が低いと保存性が低下する
ことがあり、逆に高いと定着性が低下することがある。
流動開始温度が低いとホットオフセット耐性が低下する
ことがあり、逆に高いと定着性が低下することがある。
示差走査熱量計(以下、「DSC」ということがあ
る。)によるガラス転移温度は、通常20〜80℃、好
ましくは40〜70℃である。ガラス転移温度が低いと
保存性が低下することがあり、逆に高いと定着性が低下
することがある。
【0039】本発明に用いるトナーは、粒子の内部(コ
ア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組合
せて得られる、所謂コアシェル型(カプセル型ともい
う)の粒子とすることができる。コアシェル型トナーで
は、内部(コア層)に低軟化点物質の含有させ、その表
面にそれより高い軟化点を有する物質で殻(シェル層)
を形成することにより、定着温度の低温化と保存時の凝
集防止とのバランスを取ることができるので好ましい。
コアシェル型トナーを得るための方法としては、スプレ
イドライ法、界面反応法、in situ重合法、相分
離法などの方法を採用することができる。特にin s
itu重合法や相分離法は、製造効率がよいので好まし
い。また、コアシェル型トナーのコア粒子は、粉砕法に
より得られたものでも、重合法、会合法又は転相乳化法
により得られたものであっても良い。
【0040】コアシェル型トナーのコア層とシェル層と
の重量比率は特に限定されないが、通常80/20〜9
9.9/0.1で使用される。シェル層の割合が上記割
合より小さいと保存性が悪くなり、逆に、上記割合より
大きいと低温で定着し難くなることがある。
【0041】コアシェル型トナーのシェル層の平均厚み
は、通常0.001〜1μm、好ましくは0.003〜
0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmで
ある。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなる
と保存性が低下する恐れがある。なお、コアシェル型ト
ナーを形成するコア粒子はすべての表面がシェル層で覆
われている必要はない。コアシェル型トナーのコア粒子
径およびシェル層の厚みは、電子顕微鏡により観察でき
る場合は、その観察写真から無作為に選択した粒子の大
きさおよびシェル厚みを直接測ることにより測定するこ
とができ、電子顕微鏡でコア層とシェル層とを観察する
ことが困難な場合は、コア粒子の粒径及びトナー粒子製
造時に用いたシェル層を形成する重合性単量体の量から
算定することができる。
【0042】本発明に使用するトナーは、結着樹脂、着
色剤、帯電制御剤を含有し、必要に応じて、離型剤、磁
性材料等のその他の添加剤を含有することができる。
【0043】結着樹脂としては、従来からトナーに広く
用いられている樹脂が用いられる。例えば、ポリスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレンおよびその置換体
の重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル
酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重
合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレ
イン酸エステル共重合体等のスチレン共重合体;ポリメ
タクリル酸メチル、ポリエステル、ポリアミド、エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭
化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、これらは
単独あるいは組合せて用いることができる。
【0044】着色剤としては、カーボンブラック、チタ
ンブラック、磁性粉、オイルブラック、チタンホワイト
の他、あらゆる顔料および/または染料を用いることが
できる。黒色のカーボンブラックは、一次粒径が20〜
40nmであるものが好適に用いられる。20nmより
小さいとカーボンブラックが凝集してトナー中に均一に
分散せず、カブリの多いトナーになることがある。一
方、40nmより大きいと、カーボンブラック製造時に
生成するベンズピレン等の多環芳香族炭化水素化合物の
量がトナー中に多く残留することがある。
【0045】フルカラートナーを得る場合、通常、イエ
ロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用
する。イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環
系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピ
グメントイエロー3、12、13、14、15、17、
62、65、73、83、90、93、97、120、
138、155、180、181、185および186
等が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔
料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的に
はC.I.ピグメントレッド48、57、58、60、
63、64、68、81、83、87、88、89、9
0、112、114、122、123、144、14
6、149、163、170、184、185、18
7、202、206、207、209、251、C.
I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。シア
ン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその
誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的
にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、1
5:1、15:2、15:3、15:4、16、17、
および60等が挙げられる。こうした着色剤の量は、結
着樹脂100重量部に対して、通常1〜10重量部であ
る。
【0046】帯電制御剤としては、従来からトナーに使
用されている帯電制御剤を用いることができる。例え
ば、ボントロンN01(オリエント化学工業社製)、ニ
グロシンベースEX(オリエント化学工業社製)、スピ
ロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社製)、T−7
7(保土ケ谷化学工業社製)、ボントロンS−34(オ
リエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエ
ント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント
化学工業社製)、COPY CHARGE NX(クラ
リアント社製)、COPY CHARGE NEG
(クラリアント社製)等の帯電制御剤が挙げられ、ま
た、特開昭63−60458号公報、特開平3−175
456号公報、特開平3−243954号公報、特開平
11−15192号公報などの記載に準じて製造した4
級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特開平1−2
17464号公報、特開平3−15858号公報などの
記載に準じて製造したスルホン酸(塩)基含有共重合体
を、帯電制御剤(帯電制御樹脂)として用いることもで
きる。
【0047】これらの中でも、帯電制御樹脂を使用する
ことが好ましい。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性
が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても
帯電性が安定したトナーを得ることができるので好まし
い。帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80
℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜
70℃である。これよりも低いとトナーの保存性が悪く
なり、逆に高いと定着性が低下することがある。帯電制
御剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.
01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の割
合である。
【0048】離型剤としては、例えば、低分子量ポリエ
チレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレ
ンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類;キャンデ
リラ、カルナウバ、ライス、木ロウなどの植物系天然ワ
ックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロー
ルクタムなどの石油系ワックス;フィッシャートロプシ
ュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトール
テトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパル
ミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート
などの多官能エステル化合物などが挙げられる。これら
は1種あるいは2種以上を組合せて使用することができ
る。
【0049】これらのうち、合成ワックス(特にフィッ
シャートロプシュワックス)、石油系ワックス、多官能
エステル化合物などが好ましい。多官能エステル化合物
のなかでも示差走査熱量計により測定されるDSC曲線
において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜120℃、
好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80
℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、同吸
熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリ
スリトールエステルなどの多価エステル化合物が、トナ
ーとしての定着−剥離性バランスの面で特に好ましく、
その中でも、分子量が1000以上であり、スチレン1
00重量部に対し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が
10mg/KOH以下のものは定着温度低下に顕著な効
果を示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、AST
M D3418−82によって測定された値である。上
記離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常
0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部を用い
る。
【0050】また、本発明において使用するトナーは磁
性材料を含有してもよい。磁性材料としては、例えば、
マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェ
ライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金
属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、
銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリ
ウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、
セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金
属との合金およびその混合物等が挙げられる。
【0051】本発明において使用するトナーは、前記ト
ナー粒子の表面に外添剤が付着又は一部埋め込まれてい
ることが好ましい。外添剤としては、無機粒子及び有機
樹脂粒子が挙げられ、無機粒子と有機樹脂粒子とを併用
することが好ましい。外添剤を前記重合体粒子に付着さ
せるには、通常、外添剤と前記重合体粒子とをヘンシェ
ルミキサーなどの混合器に仕込み、撹拌して行なう。
【0052】また、本発明に使用する更に好ましい態様
のトナーは、一次粒子の平均粒径が5〜18nm、好ま
しくは7〜16nmのシリカ微粒子(A)と一次粒子の
平均粒径が0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.
8μmである有機または無機微粒子(C)を含有する外
添剤をトナー粒子に添加したものである。外添剤に、一
次粒子の平均粒径が20〜60nm、好ましくは25〜
50nmのシリカ微粒子(B)を含有することが更に好
ましい。粒子の表面に外添剤を付着、埋設等させること
によって、粒子の帯電性、流動性、保存性などを調整す
ることができる。
【0053】シリカ微粒子(A)は、平均粒径が小さい
と感光体にフィルミングが起こり易く、逆に大きいと流
動性が低下してカスレ易くなることがある。シリカ微粒
子(B)は、平均粒径が小さいと感光体にフィルミング
が起こり易く、逆に大きいと流動性が低下してカスレ易
くなることがある。有機または無機微粒子(C)は、平
均粒径が小さいと研磨性が低下し、大きいと流動性が低
下することがある。
【0054】これらのシリカ微粒子(A)あるいはシリ
カ微粒子(B)は、特に限定されないが、疎水化処理さ
れていることが好ましい。疎水化処理されたシリカ微粒
子は一般にも市販されているが、シランカップリング剤
やシリコーンオイルなどで、未処理のシリカ微粒子を疎
水化処理して得ることもできる。疎水化処理の方法とし
ては、未処理のシリカ微粒子を高速で攪拌しながら、処
理剤であるシリコーンオイル等を滴下又は噴霧する方
法、処理剤を溶解した有機溶媒中に微粒子を添加混合
後、熱処理する方法等が挙げられる。前者の場合、処理
剤は有機溶媒等で希釈しても構わない。疎水化の程度
は、メタノール法で測定される疎水化度が20〜90
%、好ましくは40〜80%である。疎水化度が小さい
と高湿度下で吸湿し易く、疎水化度が高すぎると充分な
研磨性が得られないことがある。
【0055】有機微粒子は特に限定されないが、粒子同
士のブロッキングを抑制するという点から、微粒子を構
成する化合物のガラス転移温度又は融点が、通常80〜
250℃、好ましくは90〜200℃である。有機微粒
子を構成する化合物として、メタクリル酸メチル重合
体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げら
れる。また、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積
(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った球形度
(Sc/Sr)は、特に限定されないが、通常1〜1.
3、好ましくは1〜1.2である。球形度が大きいと転
写性が低下することがある。
【0056】無機微粒子としては、シリカ、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バ
リウム、チタン酸ストロンチウム、またそれらに錫やア
ンチモンを表面処理することによって導電性を付与した
ものなどが挙げられる。
【0057】シリカ微粒子(A)の添加量は特に限定さ
れないが、トナー粒子100重量部に対して、通常0.
1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。こ
の量が少ないと流動性が低下しカスレが発生することが
あり、逆に多くなると流動性が高くなって、カブリ易く
なることがある。シリカ微粒子(B)の添加量は特に限
定されないが、トナー粒子100重量部に対して、通常
0.1〜1重量部、好ましくは0.2〜0.7重量部で
ある。この量が少ないと研磨性が低下しフィルミングが
発生することがあり、逆に多くなると流動性が低下し
て、カスレ易くなることがある。有機または無機微粒子
(C)の添加量は特に限定されないが、トナー粒子10
0重量部に対して、通常0.1〜2重量部で、好ましく
は0.2〜1重量部である。この量より少ないとフィル
ミングが発生することがあり、逆に多いと流動性が低下
して、カスレ易くなることがある。
【0058】外添剤の付着または一部埋め込みは、通
常、外添剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーなどの
混合機に入れて撹拌して行う。
【0059】本発明に用いるトナーは、その製法によっ
て限定されない。例えば、結着樹脂成分となる熱可塑
性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、離型剤等を溶融混合
して均一に分散させて組成物とした後、該組成物を粉
砕、分級することによりトナーを得る粉砕法、結着樹
脂原料である重合性単量体中に着色剤、帯電制御剤、離
型剤等を溶解あるいは分散させ、重合開始剤を添加後、
分散安定剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させ、所定
温度まで加温して重合を開始し、重合終了後に濾過、洗
浄、脱水、乾燥することによりトナーを得る重合法、
乳化重合や懸濁重合により得た結着樹脂の粒子と、着色
剤並びに帯電制御剤を含有してなる粒子とを、会合さ
せ、さらに会合させた粒子を熱処理、濾過、乾燥するこ
とによりトナーを得る会合法、親水性基含有樹脂を結
着樹脂とし、それに着色剤、帯電制御剤等を添加して有
機溶媒に溶解させた後、該樹脂を中和して転相、その後
乾燥することによりトナーを得る転相乳化法等により製
造することができる。ドット再現性の良好な画質を与え
るトナーを得る観点から、重合法により製造することが
好ましく、ホウ素又はリンを含有する化合物の存在下で
重合することが更に好ましい。
【0060】重合法においては、重合性単量体組成物の
重合を、乳化重合、懸濁重合、析出重合、ソープフリー
重合のいずれでも行なうことができるが、着色剤を均一
に含有させ、帯電性、転写性を向上させることができる
点から、懸濁重合法が好ましい。以下、懸濁重合法を例
にして、トナーの製造方法を説明する。
【0061】結着樹脂を得るための重合性単量体とし
て、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー
等を挙げることができる。この重合性単量体が重合さ
れ、重合体粒子中の結着樹脂成分となる。モノビニル単
量体としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)
アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミ
ド等の(メタ)アクリル酸の誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げら
れる。モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単
量体を組合せて用いても良い。これらモノビニル単量体
のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体
と(メタ)アクリル酸の誘導体との併用などが好適に用
いられる。
【0062】モノビニル単量体と共に、架橋性単量体ま
たは架橋性重合体を用いるとホットオフセット改善に有
効である。架橋性単量体は、重合可能な炭素−炭素不飽
和二重結合を2以上有する単量体である。具体的には、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれら
の誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;
N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニ
ル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリア
リルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレー
ト等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げること
ができる。架橋性重合体は、重合体中に2個以上のビニ
ル基を有する重合体のことであり、具体的には、分子内
に2個以上の水酸基を有するポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル及びポリエチレングリコール等の重
合体と、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン
酸単量体を縮合反応することにより得られるエステルを
挙げることができる。これらの架橋性単量体及び架橋性
重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組合せて
用いることができる。使用量は、モノビニル単量体10
0重量部当たり、通常10重量部以下、好ましくは、
0.1〜2重量部である。
【0063】また、モノビニル単量体と共に、マクロモ
ノマーを用いると、保存性と低温定着性とのバランスが
良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の
末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子
量が、通常1,000〜30,000のオリゴマーまた
はポリマーである。数平均分子量が小さいものを用いる
と、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が低
下するようになる。逆に数平均分子量が大きいものを用
いると、マクロモノマーの溶融性が悪くなり、定着性が
低下するようになる。マクロモノマー分子鎖の末端に有
るビニル重合性官能基としては、アクリロイル基、メタ
クリロイル基などを挙げることができ、共重合のしやす
さの観点からメタクリロイル基が好ましい。
【0064】マクロモノマーは、前記モノビニル単量体
を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高い
ガラス転移温度を有するものが好ましい。本発明に用い
るマクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレ
ン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独で
または2種以上を重合して得られる重合体、ポリシロキ
サン骨格を有するマクロモノマーなどを挙げることがで
きるが、その中でも、親水性のもの、特にメタクリル酸
エステルまたはアクリル酸エステルを単独でまたはこれ
らを組合せて重合して得られる重合体が好ましい。マク
ロモノマーを使用する場合、その量は、モノビニル単量
体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量
部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.
05〜1重量部である。マクロモノマーの量が少ない
と、保存性が向上しない。マクロモノマーの量が極端に
多くなると定着性が低下するようになる。
【0065】分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カ
ルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等の金属酸化物;などの金属化合物や、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水
酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼ
ラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることがで
きる。これらの分散安定剤は、単独で用いても、2種類
以上を組合せても良い。これらのうち、金属化合物、特
に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安
定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、
洗浄後の残存量が少なく、画像を鮮明に再現できるので
好ましい。
【0066】難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有す
る分散安定剤は、その製法による制限はないが、水溶性
多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整すること
によって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、
特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属との水
相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸物のコロ
イドを用いることが好ましい。
【0067】難水溶性金属水酸化物のコロイドは、個数
粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.
5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)
が1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が
大きくなると重合の安定性が崩れ、またトナーの保存性
が低下する
【0068】分散安定剤は、重合性単量体100重量部
に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用す
る。この割合が0.1重量部より少ないと、充分な重合
安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易
くなる。逆に、20重量部を超えると、重合後のトナー
粒径が細かくなり過ぎ、実用的でない。
【0069】本発明で用いるトナーは、ホウ素又はリン
を含有する化合物の存在下で重合することが好ましい。
この時に使用することのできるホウ素又はリンを含有す
る化合物は、水溶性化合物である。これは水に添加した
後、水中で分解して溶解するものであってもよい。ホウ
素を含有する化合物としては、三フッ化ホウ素、三塩化
ホウ素; テトラフルオロホウ酸、テトラヒドロホウ酸
ナトリウム、テトラヒドロホウ酸カリウム;四ホウ酸ナ
トリウム、メタホウ酸ナトリウム、ペルオキソホウ酸ナ
トリウム、ホウ酸、メタホウ酸カリウム、及びこれらの
水和物などが挙げられる。
【0070】リンを含有する化合物としては、リン酸、
ホスホン酸、ホスフィン酸、メタリン酸、二リン酸;ホ
スフィン酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム、リン酸
ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナ
トリウム、次リン酸ナトリウム、二リン酸ナトリウム、
二リン酸二水素二ナトリウム、三リン酸ナトリウム、c
yclo−四リン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウ
ム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸水素カリウム、リ
ン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カ
リウム、二リン酸カリウム、メタリン酸カリウム、及び
これらの水和物などが挙げられる。これらのうち、ホウ
素を含有する化合物、特に四ホウ酸塩が好ましい。
【0071】重合開始剤としては、過硫酸カリウム等の
過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2
−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ラ
ウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘ
キシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキ
シジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示す
ることができる。
【0072】こうした中でも特に、使用される重合性単
量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ま
しく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用す
ることもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体10
0重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量
部用いる。重合開始剤は、重合性単量体組成物中に予め
添加することができるが、懸濁重合の場合は造粒工程終
了後又は重合反応の途中の懸濁液、乳化重合の場合は乳
化工程終了後又は重合反応の途中の乳化液に直接添加す
ることもできる。
【0073】また、重合に際して、分子量調整剤を添加
することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、
t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−
ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン
類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素
類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤
は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することがで
きる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対
して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部の割合で用いられる。
【0074】本発明に使用されるトナーの好ましい製造
方法である懸濁重合法は、分散安定剤を含有する水系分
散媒体中で、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤及びそ
の他の添加剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁さ
せ、重合開始剤を用いて重合する。その他の添加剤とし
ては、前述した離型剤、磁性材料、水溶性ホウ素又はリ
ン含有化合物、分子量調整剤等が挙げられる。
【0075】本発明のトナーは、上述した製造方法によ
り得られたものをそのまま使用することもできるが、コ
アシェル型トナーとすることもできる。コアシェル型ト
ナーを製造する方法としては、スプレイドライ法、界面
反応法、in situ重合法、相分離法などの方法が
挙げられ、粉砕法、重合法、会合法又は転相乳化法によ
り得られたトナーをコア粒子として、それに、シェル層
を被覆することによりコアシェル型トナーが得られる。
この時、in situ重合法や相分離法が、製造効率
の点から好ましい。
【0076】in situ重合法によるコアシェル型
トナーの製造方法を以下に説明する。コア粒子が分散し
ている水系分散媒体中に、シェルを形成するための重合
性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加
し、重合することでコアシェル型トナーを得ることがで
きる。シェルを形成する具体的な方法としては、コア粒
子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合
性単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の
反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性
単量体を添加して段階的に重合する方法などを挙げるこ
とができる。シェル用重合性単量体は反応系中に一括し
て添加しても、またはプランジャポンプなどのポンプを
使用して連続的もしくは断続的に添加してもよい。
【0077】シェル用重合性単量体としては、スチレ
ン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガ
ラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体
をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組合せて使用する
ことができる。
【0078】シェル用重合性単量体を添加する際に、水
溶性のラジカル開始剤を添加することがコアシェル型ト
ナーを得やすくするので好ましい。シェル用重合性単量
体の添加の際に水溶性ラジカル開始剤を添加すると、シ
ェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に
水溶性ラジカル開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体
(シェル)を形成しやすくなるからであると考えられ
る。
【0079】水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−
アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、
2,2’−アゾビス−2−メチル−N−1,1’−ビス
(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオ
アミド等のアゾ系開始剤;クメンパーオキシド等の油溶
性開始剤とレドックス触媒の組み合せ;などを挙げるこ
とができる。水溶性ラジカル開始剤の量は、シェル用単
量体100重量部に対して、通常、1〜50重量%、好
ましくは2〜20重量%である。
【0080】得られたトナー(重合体粒子)の水分散液
は、攪拌しながら、硫酸により系のpHを約5.0にし
て酸洗浄を行なう。次いで、フィルターを用いて、脱水
した後、洗浄水を振りかけて水洗浄を行なう。これを繰
り返すことにより、分散安定剤を除去すると共に、トナ
ー中のホウ素又はリン含有量を調整することができる。
洗浄、脱水が終了した後、乾燥することによって本発明
に使用することができるトナー粒子が得られる。
【0081】本発明の画像形成方法の一例としては、帯
電部材で感光体の表面を一様に帯電し、その表面上に露
光装置により露光して静電潜像を形成し、供給ロールに
よって現像ロールに前述のトナーを供給し、その供給さ
れたトナーを層厚規制ブレードによりトナー層厚を調節
し、現像ロール上のトナーによって、感光体上に形成さ
れた静電潜像を、トナー像に現像し、得られたトナー像
を転写材に転写した後、定着する工程を含むものが挙げ
られる。
【0082】以下、本発明の画像形成方法を、図面に基
づき、詳細に説明する。図2は、本発明の画像形成方法
を適用することができる画像形成装置の一例を示す図で
ある。図2に示すように、画像形成装置は、感光体とし
ての感光ドラム1を有し、これを矢印A方向に回転自在
に装着してある。感光ドラム1は、導電性支持ドラム体
の上に光導電層を設けたものであり、光導電層は、たと
えば有機感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモ
ルファスシリコン感光体などがあるが、好ましくは有機
感光体で構成される。光導電性層を導電性支持ドラムに
結着させる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、水素化ポリスチレン樹脂等が挙げられるが、そ
の中でもポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0083】感光ドラム1の周囲には、その周方向に沿
って、帯電ロール3、露光装置としてのレーザー光照射
装置4、現像装置11、転写ロール5およびクリーニン
グ装置2が配置してある。帯電は、帯電部材により、感
光ドラム1の表面を、プラスまたはマイナスに帯電させ
ることである。帯電部材での帯電方式としては、図2で
示した帯電ロール3の他に、ファーブラシ、磁気ブラ
シ、ブレード等で帯電させる接触帯電方式と、コロナ放
電によるスコロトロン型の非接触帯電方式があり、これ
らに置き換えることも可能である。
【0084】露光は、露光装置で、帯電されている感光
体に光を照射することであり、例えば、露光装置とし
て、図2に示すようなレーザー光照射装置4を用いて、
画像信号に対応した光を感光ドラムの表面に照射し、帯
電されたドラムの表面に静電潜像を形成することができ
る。レーザー光照射装置4は、たとえばレーザー照射装
置と光学系レンズとで構成される。この他にも、露光装
置としては、LED照射装置がある。
【0085】図2に示す現像装置11は、一成分接触現
像方式に用いられる現像装置であり、トナー10が収容
されるケーシング12内に、現像ロール7と供給ロール
9とを有する。現像ロール7は、感光ドラム1に一部接
触するように配置され、感光ドラム1と反対方向Bに回
転するようになっている。供給ロール9は、現像ロール
7に接触して現像ロール7と同じ方向Cに回転し、現像
ロール7の外周にトナー10を供給するようになってい
る。この他の現像方式としては、一成分非接触現像方式
がある。
【0086】現像は、供給ロール9によって現像ロール
7にトナーを供給し、その供給されたトナーを前述した
層厚規制ブレード8によりトナー層厚を調節し、現像ロ
ール上のトナーによって、感光体上に形成された静電潜
像に、これに対応したトナーを付着させることである。
このとき、反転現像においては光照射部にのみトナーを
付着させ、正規現像においては、光非照射部にのみトナ
ーを付着させることができるように、現像ロール7と感
光ドラム1との間にバイアス電圧が印加される。
【0087】現像装置のケーシング内には、現像ロール
の外周面にトナーを良好に付着させるために供給ロール
を、現像ロールに近接して回転自在に配置しても良い。
現像ロールの導電性シャフトには、バイアス電圧が印加
されるように構成することが好ましい。反転現像の場合
には、現像ロールの導電性シャフトには、感光体の静電
潜像と同じ極性の電圧が印加される。
【0088】また、画像形成装置では、感光ドラムの回
転方向と現像ロールの回転方向とが逆であり、前記感光
ドラムの周速に対して、現像ロールの周速が1.1倍以
上、好ましくは1.2倍以上となるように、前記感光ド
ラムと現像ロールとが回転制御されることが好ましい。
さらには、供給ロールの回転方向と現像ロールの回転方
向とが同じであり、現像ロールの周速に対して供給ロー
ルの周速が0.4〜0.9倍になるように回転制御され
ることが好ましい。
【0089】感光ドラムの周速に対して、現像ロールの
周速が1.1倍よりも小さい場合には、現像性が低下す
ることがある。本発明では、感光ドラムの周速は、30
〜150mm/秒であることが好ましい。また、現像ロ
ールの周速は、感光ドラムの周速の1.1倍以上である
ことを条件に、33〜200mm/秒であることが好ま
しい。供給ロールの周速は12〜135mm/秒である
ことが好ましい。感光ドラム、現像ロールおよび供給ロ
ールは、たとえば、それぞれモータにより回転駆動され
る。感光ドラム、現像ロールおよび供給ロールを回転駆
動するモータは、共通のモータであってもよい。これら
感光ドラム、現像ロールおよび供給ロールの周速は、減
速機構または増速機構により設定される。また、これら
の周速は、ギア機構または可変回転速度モータにより可
変に構成してもよい。これらの周速は、マイコンなどで
制御しても良い。
【0090】感光ドラムの軸心と現像ロールの軸心との
軸間距離が、感光ドラムの半径と現像ロールの半径との
和よりも0.05〜0.20mm小さくなるように、前
記感光ドラムに対して現像ロールを押し付けて配置する
ことが好ましい。軸間距離が短すぎると、回転動力が増
大することがあり、軸間距離が長すぎると、所望の印字
濃度が得られないことがある。
【0091】図3に示すように、この現像ロールは、導
電性シャフト71の外周に、ゴム弾性体72が被覆され
て構成されている。導電性シャフト71は、たとえばス
テンレスなどの金属で構成される。導電性シャフト71
の外周にゴム弾性体72を被覆させるには、導電性シャ
フト71の外周にプレス成形および押し出し成形などの
手段でゴム弾性体72を被着させれば良い。この場合、
特に押し出し成形が好ましい。量産に適していると共
に、プレス成形と異なり割型の線が形成されないからで
ある。
【0092】また、現像ロールを構成するゴム弾性体の
硬度は、JIS Aの規格において、35〜45度が好
ましい。硬度が高すぎると、感光ドラムが摩耗によるダ
メージを受けることがあり、逆に硬度が低すぎると、ト
ナー層厚が厚くなり、カブリが起こり易くなり、良好な
現像を行えないことがある。現像ロールの表面を構成す
るゴム弾性体は、特に限定されないが、スチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、
ウレタンゴム、シリコンゴムなど、好ましくはエピクロ
ロヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエン共重合
体ゴムとのブレンドゴムなどが用いられる。
【0093】本発明で好ましく用いられる現像ロールを
導電性シャフトとゴム弾性体とで構成する場合には、ゴ
ム弾性体の表面と導電性シャフトの表面との間の電気抵
抗は、10〜10Ω(500V電圧印加時)、また
は体積抵抗率10〜10 Ω・cmであることが好
ましい。ゴム弾性体の抵抗が低過ぎると、現像ロールか
ら感光ドラムへ電流が流れるおそれがあると共に、トナ
ーが持つ電荷が現像ロールにリークするおそれがあるこ
とから好ましくない。また、ゴム弾性体の抵抗が高すぎ
ると、バイアス電圧の効果が現れないことがある。
【0094】本発明に用いられる現像ロールは、特に限
定されないが、その表面の摩擦係数が、通常、0.1〜
1.2、好ましくは0.1〜0.8、更に好ましくは
0.15〜0.6のものである。現像ロールの表面の摩
擦係数が小さいと、ロールの表面が滑り過ぎて、トナー
層が薄くなり、印字濃度が低下することがあり、逆に大
きいと、トナー層が厚くなり過ぎて感光体カブリおよび
用紙カブリを生じることがある。摩擦係数の測定は、転
写ロールと同様の方法により行なうことができる。
【0095】現像ロールの表面を前記範囲の摩擦係数と
するには、現像ロールの外周面を円筒切削盤などで研磨
し、必要があればウレタン樹脂で被覆して、その後紫外
線照射を行い、ゴム弾性体の不飽和部分を架橋させるな
どして、摩擦係数を上記範囲内に調節する手段を用いる
ことができる。紫外線照射は、たとえば80W/cmの
光源を用い、2〜3分間照射する。
【0096】また、本発明に用いられる現像ロールは、
その表面の周方向表面粗さが10μm以下であり、かつ
表面の軸方向表面粗さが10μm以下である。本発明に
おいては、周方向表面粗さおよび軸方向表面粗さは、1
0μm以下であれば、0に限りなく近づいても良いが、
量産性および経済性を考慮すれば、4〜8μm程度が好
ましい。周方向の表面粗さが10μmよりも大きいと、
周方向に沿って均一なトナー層の形成ができず、解像度
の低下を生じるおそれがあり好ましくない。また、軸方
向の表面粗さが10μmよりも大きいと、軸方向に沿っ
て均一なトナー層の形成ができず、解像度の低下を生じ
るおそれがあり好ましくない。
【0097】現像ロールの表面を前記範囲の表面粗さと
するには、ゴム弾性体の外周面を円筒切削盤などで研磨
する手段を用いることができる。研磨は最初粗目の切削
やすり又は砥石で、最後に細目のやすり又は砥石あるい
は湿式研磨で行なう。
【0098】本発明で用いられる供給ロールは、特に限
定されず、たとえば導電性シャフトの外周面が導電性の
ゴム弾性体またはその発泡体で覆われたロールを用いる
ことができる。供給ロールの外周面を構成することがで
きるゴム弾性体としては、たとえばシリコンゴム、ウレ
タンゴム及びクロロプレンゴムが例示され、これらの発
泡体が好ましく用いられる。
【0099】本発明で用いられる層厚規制ブレードの形
態は、特に限定されないが、現像ロールの軸方向に沿っ
て接するような帯形状を成していることが好ましい。そ
のブレードの基端は、図4(a)に示すように、剛性体
から成るホルダー50により支持してある。
【0100】本発明では、図4(a)に示すように、ブ
レードの自由端の先端が現像ロールの外周に、現像ロー
ルの回転方向と逆方向に自由端が基端に対して曲折する
ように接触していることが好ましい。このブレードの長
さ(固定端から自由端までの長さ:自由端長l)は、特
に限定されないが、好ましくは10〜14mmである。
また、ブレードの厚みtは、好ましくは1.0〜1.8
mm程度である。ブレードの幅は、現像ロールの軸方向
長さに相当する長さを有する。ブレードの自由端は、緩
やかな円弧を描く形状でも良いし、鋭角、直角または鈍
角な角度を持つ形状を成しても良い。
【0101】本発明で用いられる層厚規制ブレードは、
例えばゴム弾性体単独または現像ロールと接触する先端
部分がゴム弾性体で被覆されている金属板で構成してあ
る。このゴム弾性体には、導電性物質や架橋剤などを添
加することができる。ゴム弾性体の圧縮永久歪は、好ま
しくは10%以下、さらに好ましくは4〜8%である。
圧縮永久歪は小さいほど好ましいが、現実的には0にす
ることはできないので、上記範囲となる。圧縮永久歪の
測定は、JISK6262による。
【0102】圧縮永久歪が10%を超えると、現像ロー
ルに圧接しているブレードに永久歪が生じ、ロールに対
するブレードの線圧が経時的に低下するおそれがある。
また、本発明で好ましく用いられる層厚規制ブレードの
反発弾性率は、30〜50%であることが好ましい。反
発弾性率の測定は、リュプケ法(JIS K6255)
により行う。反発弾性率が30%未満では、材料の塑性
変形が大きくなり、その結果、現像ロール上のトナー層
が厚くなることがあり、50%を越えると、材料の弾性
が強くなり、トナー層が薄く成りすぎることがある。
【0103】ゴム弾性体のヤング率は、600〜120
0g/mmであることが好ましい。これが小さいと、
現像ロールへの圧接力が不足し、トナー層が厚くなりす
ぎる傾向がある。また、逆に大きいと、現像ロールへの
圧接力が大きすぎて、トナー層が薄くなり過ぎることが
ある。また、この場合、現像ロールへの回転トルクが増
大し、ジッター(現像ロール駆動用のギアの歯数に応じ
た横縞)などの現象が生じることがある。ヤング率の測
定は、JIS K6301に記載の低伸張応力試験に準
じて行なう。
【0104】層厚規制ブレードには、トナーへの電荷注
入を行うため、現像バイアス以上の−200V〜−60
0Vの直流電圧が印加されることが好ましく、そのため
に、層厚規制ブレードの電気抵抗は、10Ω以下であ
ると好ましく、10〜10 Ωであるとより好まし
い。この電気抵抗は低い方が好ましいが、ブレードに導
電性を持たせることが必要なために、ゴム弾性体にはカ
ーボンなどの導電性物質を入れて抵抗を下げることか
ら、導電性物質の含有量が増大するとゴムの硬度が上が
り過ぎることがある。
【0105】この層厚規制ブレードの電気抵抗が10
Ωを超えると、インピーダンスが高くなり、バイアス電
圧の効果が現れないことがある。層厚規制ブレードの電
気抵抗の測定方法は、ブレードが現像ロールに触れるブ
レードの角部と、ブレードを固定するホルダーとの間の
電気抵抗を絶縁抵抗計(印加電圧500V)で測定する
方法を採用する。
【0106】層厚規制ブレードを構成するゴム弾性体の
圧縮永久歪、反発弾性率およびヤング率を上記範囲とす
るには、ゴム弾性体に含まれる架橋剤の添加量などの加
硫条件を選択することにより行われる。たとえば圧縮永
久歪が小さいゴム弾性体を得るためには、架橋剤の添加
量を多くし、架橋温度を高くし、架橋時間を長めにする
ことが好ましい。また、本発明で好ましく用いられる層
厚規制ブレードの電気抵抗を10Ω以下とするために
は、ブレードを構成するゴム弾性体に含まれる導電性カ
ーボンブラックなどの導電性物質の含有量を調節するこ
とにより行われる。たとえばブレードを構成するゴム弾
性体をウレタンゴムで構成する場合には、ゴム弾性体の
全体を100重量部としたとき、導電性カーボンブラッ
クの添加量を5〜30重量部にすることで、電気抵抗を
上記範囲に設定することができる。
【0107】このブレードを構成するゴム弾性体として
は、特に限定されないが、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、
アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴ
ム、シリコンゴムなど、好ましくはウレタンゴム、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどが用いられ
る。
【0108】ブレードは、その自由端の先端が現像ロー
ルの外周に、現像ロールの回転方向と逆方向に自由端が
前記基端に対して曲折するように現像ロールに接触させ
ることが好ましい。本発明では、図4(b)に示すよう
に、このブレードの自由端が曲折することによるブレー
ド先端の撓み量δが、撓む前のブレード先端に比較して
2〜5mmであることが好ましい。
【0109】このブレード先端の撓み量δが、2mmよ
りも小さいと、ブレードの線圧が不足し、現像ロール上
のトナー層が厚く成りすぎることがあり、5mmよりも
大きいと、線圧が過大になり、トナーへの過剰なストレ
スが発生すると共に、いわゆるジッター現象が生じるこ
とがある。本発明では、ブレードが現像ロールに対して
取り付けられる際の線圧fは、好ましくは、0.7〜2
g/mm、さらに好ましくは1〜1.5g/mmであ
る。
【0110】この線圧が低過ぎると、現像ロール上のト
ナー層が厚くなり過ぎることがあり、線圧が高すぎる
と、現像ロール上のトナーへ過剰なストレスが発生する
と共に、トナー層が薄くなり過ぎることがある。なお、
線圧f(g/mm)は、以下の数式で定義される。 f=t・δ・E/4l この数式中、tはブレードの厚み(mm)であり、δは
ブレードの撓み(mm)、Eはブレードのヤング率(g
/mm)、lはブレードの自由端長(mm)である。
【0111】また、本発明では、そのブレードの現像ロ
ールに対する接触角は、特に限定されないが、好ましく
は75〜85度、さらに好ましくは80〜85度であ
る。この接触角が75度よりも小さいと、現像ロールの
表面に形成されるトナー層が薄くなりすぎることがあ
り、さらに接触角が小さくなりすぎるとブレードが現像
ロールの回転よりめくり上げられることがある。接触角
が85度よりも大きい場合には、トナー層は厚くなりす
ぎ、さらに接触角が大きくなりすぎると、ブレードの腹
部が現像ロールの外周面に接触することになり、トナー
層は極めて厚くなる。なお、接触角は、現像ロールに層
厚規制ブレードが接触する点を通過する現像ロール外周
の接線と、ブレードの先端面との成す角度である。
【0112】転写とは、現像装置11により形成された
感光ドラム表面のトナー像を、紙などの転写材6に前記
転写ロール5でトナーと逆極性の転写電圧を印加して転
写することである。このとき、感光ドラムに対する転写
ロールの押圧力が200〜1000g/cm、好まし
くは300〜800g/cmである。押圧力が小さい
と、ニップ巾が狭くなり、転写率が低下することがあ
り、逆に大きいと、現像したトナーが付着し、白抜けす
ることがある
【0113】定着とは、紙などの転写材6に転写された
トナー像を、転写材から剥離することの無いように定着
することである。通常、図2に示すような2本のロール
(加熱ロール13と加圧ロール14)により加熱定着が
行なわれているが、その他にも加熱ロール13の代わり
に加圧ロールをもう1本使用して行なう加圧定着、ロー
ルを全く使用することなく、キセノンランプを使用して
行なうフラッシュ定着あるいは有機溶剤を使用して行な
う溶剤定着がある。
【0114】現像と同時にクリーニングを行なう場合は
必要ではないが、転写ロールと帯電部材との間には、ク
リーニング装置2により、感光ドラムの表面に残留して
いるトナーを取り除くクリーニング工程を有することが
好ましい。通常このクリーニング装置には、クリーニン
グブレードが使用されるが、その他にもファーブラシ、
磁気ブラシ、クリーニングロール、静電気等によるクリ
ーニングも提案されている。
【0115】図2に示す画像形成装置では、感光ドラム
1は、帯電ロール3によりその表面が負極性に全面均一
に帯電されたのち、レーザー光照射装置4により静電潜
像が形成され、さらに、現像装置11によりトナー像が
現像される。続いて、感光ドラム1上のトナー像は転写
ロール5により、紙などの転写材6に転写され、2本の
定着ロール(加熱ロール13と加圧ロール14)によっ
て、転写材に定着される。必要があれば、感光ドラムの
表面に残留する転写残トナーは、クリ−ニング装置2に
よりクリ−ニングされ、この後、次の画像形成サイクル
に入る。
【0116】図2に示す画像形成装置は、モノクロ用の
ものであるが、本発明の画像形成方法は、カラー画像を
形成する複写機やプリンター等のカラー画像形成装置に
も適用できる。カラー画像形成装置としては、感光体上
で多色のトナー像を現像させ、それを転写材に一括転写
させる多重現像方式、感光体上には単色のトナー像のみ
を現像させた後、転写材に転写させることをカラートナ
ーの色の数だけ繰り返し行なう多重転写方式がある。ま
た、多重転写方式には、転写ドラムに転写材を巻きつ
け、各色ごとに転写を行なう転写ドラム方式、中間転写
体上に各色毎に一次転写を行い、中間転写体上に多色の
画像を形成させた後、一括して二次転写を行なう中間転
写方式、感光体廻りに現像装置をタンデムに配置させ、
転写材を転写搬送ベルトで吸着搬送させて、順次各色を
転写材に転写を行なうタンデム方式がある。これらの中
でも、画像形成を高速で行なうことのできるタンデム方
式の画像形成装置が好ましい。
【0117】図5は、本発明の画像形成方法が適用でき
るタンデム方式のカラー画像形成装置の一例を示す模式
図である。タンデム方式のカラー画像形成装置には、レ
ーザー光照射装置4、感光ドラム1、現像装置11、ク
リーニング装置2がセットとなった画像形成部が、使用
するトナーの色の数だけ設けられている。各画像形成部
は、搬送ベルト15に沿って、通常、イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの順で配置されており、各画像形
成部によって形成された画像は、搬送ベルトに吸着され
て搬送される転写材7に転写ロール5によって順次重ね
合わせて転写され、定着される。上述したように、転写
材は通常、搬送ベルトによる搬送が一般的であるが、転
写ドラムに吸着して搬送することもできる。この場合、
各画像形成部は、転写ドラムに沿って順に配置されてい
る。尚、図5中に示されているアルファベットのY、
M、C、Kは、各画像形成部のトナーの色であるイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックにそれぞれ対応してい
る。
【0118】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、部および%
は、特に断りのない限り重量基準である。本実施例で
は、以下の方法で評価した。
【0119】[評価方法] (体積平均粒径)トナーの体積平均粒径(dv)及び粒
径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比
(dv/dp)はマルチサイザー(ベックマン・コール
ター社製)により測定した。このマルチサイザーによる
測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトン
II、濃度10%、測定粒子個数:100,000個の
条件で行った。
【0120】(個数平均粒径)有機微粒子の個数平均粒
径は、各粒子の電子顕微鏡を撮影し、その写真を画像処
理解析装置ルーゼックスIID(株)ニレコ製)によ
り、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、ト
ータル処理粒子数:100個の条件で測定した円相当径
100個についての平均値である。
【0121】(球形度)球形度(Sc/Sr)は、各粒
子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析
装置ルーゼックスIID((株)ニレコ製)により、フ
レーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル
処理粒子数:100個の条件で、最大外周円の面積を実
質断面積で割った値を測定し、その測定値の平均値であ
る。
【0122】(初期印字濃度)市販の非磁性一成分現像
方式のプリンター(16枚機)を用いて、転写材のコピ
ー用紙に5%印字濃度で連続印字を行い、100枚目に
黒ベタの印字を行い、カラー反射型濃度計(X−ライト
社製、商品名:404A)でベタの印字濃度を測定し
た。印字濃度は、通常1.3〜1.5程度であり、これ
が小さいと得られる画像濃度が薄く、大きいとトナーの
消費が早くなり、且つカブリが発生し易くなる。
【0123】(解像度)図1に示す画像形成装置を用い
て、温度35℃及び湿度80%の(H/H)環境下で一
昼夜放置後、1ドットのラインと1ドットのホワイトラ
インを印刷し、それらの画質が再現できているかを光学
顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。 ○:1ドットのライン及び1ドットのホワイトラインを
再現している。 △:1ドットのライン及び1ドットのホワイトラインを
再現していないが、2ドットのライン及び2ドットのホ
ワイトラインは再現している。 ×:2ドットのライン及び2ドットのホワイトラインも
再現していない。
【0124】(用紙カブリ)市販の非磁性一成分現像方
式のプリンター(16枚機)を用いて、このプリンター
の現像装置に評価するトナーを入れ、温度35℃、湿度
80%の(H/H)環境下で、及び温度10℃、湿度2
0%の(L/L)環境下で一昼夜放置後、転写材のコピ
ー用紙に5%印字濃度で連続印字を行い、500枚毎に
反射濃度計(マクベス製)で印字濃度を測定し、印字さ
れた転写紙の非画像部のカブリを白色度計(日本電色
製)で測定した。最終印字枚数は2万枚である。カブリ
は、印字した転写材の非画像部の白色度Y(%)を測定
し、また、印字していない転写材の白色度X(%)を測
定する。これらの測定値のXからYを引いた差を求め
て、この値が1%を超えた時の印字枚数をカウントし
た。表中に数字が20,000と記載しているものは、
2万枚連続印字しても1%以上のカブリが発生しなかっ
たことを示す。
【0125】(フィルミング)前述した画像形成装置を
用いて、同様の条件で、5%印字濃度で連続印字を行
い、500枚毎にハーフトーンの印字をさせて、白くぼ
けたフィルミングの発生する枚数をカウントした。最終
印字枚数は2万枚である。表中に数字が20,000と
記載しているものは、2万枚連続印字してもフィルミン
グが発生しなかったことを示す。
【0126】(参考例1)窒素置換した攪拌機付きの反
応容器に、スチレン100部、スチレンスルホン酸ナト
リウム2.5部、塩化ナトリウム1.5部、イオン交換
水4000部を添加して混合した後、80℃に昇温す
る。昇温後、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕(商品
名;「VA−086」、和光純薬社製)の3%水溶液5
00部を添加して重合を開始した。途中、重合転化率を
測定しながら、転化率が30%に達した時点で、t−ド
デシルメルカプタン0.1部を添加し、重合開始から7
時間後に転化率を測定すると98%であった。次に、メ
タクリル酸メチル400部を15分間かけて添加し、更
に3時間重合を続けた後に水冷して重合を停止させて、
コアシェル型の有機微粒子の水分散液を得た。この時、
重合転化率は100%、有機微粒子の個数平均粒子径は
0.38μm、球形度は1.13であった。
【0127】(トナー製造例1)スチレン80.5部、
アクリル酸ブチル19.5部、カーボンブラック(商品
名「#25」:三菱化学社製)7部、帯電制御剤(商品
名「スピロンブラックTRH」:保土ケ谷化学社製)1
部、ジビニルベンゼン0.3部、ポリメタクリル酸エス
テルマクロモノマー(商品名「AA6(Tg=94
℃)」:東亜合成化学工業社製)0.8部、ジペンタエ
リスリトールヘキサミリステート10部及びt−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部を高剪断力
で混合可能なホモミキサー(TK式:特殊機化工社製)
により、12,000rpmの回転数で攪拌、混合し
て、均一分散させて、コア用重合性単量体組成物とし
た。
【0128】一方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液
に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を
溶解した水溶液を撹拌下で、徐々に添加して、水酸化マ
グネシウムコロイド分散液を調製した。生成した上記コ
ロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器
(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50(個
数粒径分布の50%累積値)が0.38μmで、D90
(個数粒径分布の90%累積値)が0.84μmであっ
た。このマイクロトラック粒径分布測定器による測定に
おいては、測定レンジは0.12〜704μm、測定時
間は30秒、媒体にイオン交換水を使用して測定を行っ
た。
【0129】上述により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液に、上記コア用重合性単量体組成物及びさ
らに、四ホウ酸ナトリウム十水和物を1部添加し、プロ
ペラ式撹拌機を用いて撹拌混合して、組成物分散液を
得、次いで、回転子回転数21,000rpmで稼働し
ている造粒装置(クレアミックスCLM−0.8S:エ
ムテクニック社製)に、ポンプを用いて、供給し、コア
用重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した
組成物水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に移した。
組成物水分散液を加熱し、重合を開始した。この時、水
分散液温度が90℃で一定になるように、重合反応器ジ
ャケット温度と重合反応溶液内温度とを測定し、カスケ
ード制御法などを用いてジャケット温度をコントロール
して制御した。
【0130】重合転化率がほぼ100%に達したのを確
認して、メタクリル酸メチル2部を添加し、さらに、
2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ハイドロ
キシエチル)−プロピオンアミド)(商品名「VA−0
86」:和光純薬社製)0.2部をイオン交換水100
部に溶解した開始剤溶液を反応槽に添加、重合させ、重
合体粒子の水分散液を得た。この水性重合体粒子を脱
水、洗浄を3度繰り返した後、脱水、乾燥してコアシェ
ル型のトナー粒子を得た。この着色粒子をアルピネ分級
機で16000rpmの回転数で分級し、微粉側をカッ
トした。また10000rpmでの回転数で分級し、粗
粉側をカットした。
【0131】上記により得られたトナー粒子100部
に、平均粒径12nm、疎水化度65%のシリカ微粒子
(A)(商品名「RX200」:日本アエロジル社製)
1部、平均粒径40nm、疎水化度64%のシリカ微粒
子(B)(商品名「RX50」:日本アエロジル社製)
0.5部及び参考例1で合成した平均粒径0.38μ
m、球形度1.13の有機微粒子を添加し、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合してトナー(T1)を製造した。
【0132】得られたトナーの特性を評価した。この結
果、体積平均粒径dvは8.4μm、個数平均粒径dp
は7.0μm、この比dv/dpは1.2、トナーの絶
対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投
影面積(Sr)で割った値の球形度(Sc/Sr)は
1.12であった。粒径分布から、粒径2〜4μmのト
ナー粒子は5.4個数%、粒径4〜5μmのトナー粒子
は9.2個数%であった。また、ホウ素含有量は1.7
ppmであり、誘電損失測定器で測定した体積固有抵抗
値(log(Ω・cm))は11.2であり、フローテ
スターで測定した軟化温度は65℃、流動開始温度は1
16℃であり、示差走査熱量計で測定したガラス転移温
度は55℃であった。
【0133】(トナー製造例2)トナー製造例1におい
て、水酸化マグネシウムコロイド分散液を製造した際
に、四ホウ酸ナトリウム十水和物を添加する代わりに燐
酸ナトリウムを添加した他は、トナー製造例1と同様に
してトナー(T2)を製造した。得られたトナーの特性
を評価した。この結果、体積平均粒径dvは8.7μ
m、個数平均粒径dpは7.1μm、この比dv/dp
は1.22、トナーの絶対最大長を直径とした円の面積
(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値の球
形度(Sc/Sr)は1.13であった。粒径分布か
ら、粒径2〜4μmのトナー粒子は6.2個数%、粒径
4〜5μmのトナー粒子は8.7個数%であった。ま
た、リン含有量は1.9ppmであり、誘電損失測定器
で測定した体積固有抵抗値(log(Ω・cm))は1
1.3であり、フローテスターで測定した軟化温度は6
5℃、流動開始温度は116℃であり、示差走査熱量計
で測定したガラス転移温度は55℃であった。
【0134】(トナー製造例3)四ホウ酸ナトリウム十
水和物を添加しなかったこと以外は、トナー製造例1と
同様にしてトナー(T3)を製造した。得られたトナー
の特性を評価した。この結果、体積平均粒径dvは9.
0μm、個数平均粒径dpは7.2μm、この比dv/
dpは1.25、トナーの絶対最大長を直径とした円の
面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値
の球形度(Sc/Sr)は1.2であった。粒径分布か
ら、粒径2〜4μmのトナー粒子は6.5個数%、粒径
4〜5μmのトナー粒子は8.3個数%であった。ま
た、ホウ素及びリンは含有しておらず、誘電損失測定器
で測定した体積固有抵抗値(log(Ω・cm))は1
1.3であり、フローテスターで測定した軟化温度は6
5℃、流動開始温度は116℃であり、示差走査熱量計
で測定したガラス転移温度は55℃であった。
【0135】(トナー製造例4)重合後の後処理で、脱
水、洗浄を1度しか行なわなかった以外は、トナー粒造
例1と同様にしてトナー(T4)を製造した。得られた
トナーの特性を評価した。この結果、体積平均粒径dv
は8.3μm、個数平均粒径dpは6.9μm、この比
dv/dpは1.21、トナーの絶対最大長を直径とし
た円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割
った値の球形度(Sc/Sr)は1.21であった。粒
径分布から、粒径2〜4μmのトナー粒子は4.6個数
%、粒径4〜5μmのトナー粒子は6.8個数%であっ
た。また、ホウ素含有量は220ppmであり、誘電損
失測定器で測定した体積固有抵抗値(log(Ω・c
m))は10.8であり、フローテスターで測定した軟
化温度は63℃、流動開始温度は115℃であり、示差
走査熱量計で測定したガラス転移温度は55℃であっ
た。
【0136】(トナー製造例5)分級条件を変更したこ
と以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー(T5)
を製造した。得られたトナーの特性を評価した。この結
果、体積平均粒径dvは9.0μm、個数平均粒径dp
は7.2μm、この比dv/dpは1.25、トナーの
絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質
投影面積(Sr)で割った値の球形度(Sc/Sr)は
1.2であった。粒径分布から、粒径2〜4μmのトナ
ー粒子は2.1個数%、粒径4〜5μmのトナー粒子は
3.3個数%であった。また、ホウ素及びリンは含有し
ておらず、誘電損失測定器で測定した体積固有抵抗値
(log(Ω・cm))は11.2であり、フローテス
ターで測定した軟化温度は65℃、流動開始温度は11
6℃であり、示差走査熱量計で測定したガラス転移温度
は55℃であった。
【0137】(トナー製造例6)分級条件を変更したこ
と以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー(T6)
を製造した。得られたトナーの特性を評価した。この結
果、体積平均粒径dvは8.8μm、個数平均粒径dp
は6.8μm、この比dv/dpは1.23、トナーの
絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質
投影面積(Sr)で割った値の球形度(Sc/Sr)は
1.18であった。粒径分布から、粒径2〜4μmのト
ナー粒子は10.7個数%、粒径4〜5μmのトナー粒
子は14.9個数%であった。また、ホウ素及びリンは
含有しておらず、誘電損失測定器で測定した体積固有抵
抗値(log(Ω・cm))は11.2であり、フロー
テスターで測定した軟化温度は65℃、流動開始温度は
116℃であり、示差走査熱量計で測定したガラス転移
温度は55℃であった。
【0138】(転写ロール1)酸化エチレン56モル
%、エピクロロヒドリン40モル%、アリルグリシジル
エーテル4モル%からなるエピクロロヒドリン共重合体
ゴム40部とNBR(商品名「Nipol 1052
J」:日本ゼオン社製)60部、架橋剤として硫黄0.
5部、テトラメチルチウラムジスルフィド0.5部、そ
の他の添加剤として亜鉛華5部、ステアリン酸1部炭酸
カルシウム20部、老化防止剤としてフェニル−β−ナ
フチルアミン(商品名「ノクラックD」:大内新興化学
工業社製)1部及び発泡剤としてp,p’−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)5部をバンバリミキ
サーで混練し、内径約6mm、外径約15mmのチュー
ブ状にベント式押出機(型番「50K−20D−H
B」:株式会社三葉製作所製)を用いて押出成形した。
得られたチューブをマイクロ波連続架橋装置(型番「M
CV−01・R」:ミクロ電子株式会社製)を用いて架
橋発泡を行い、ゴム発泡体を得た。マイクロ波連続架橋
装置は、マイクロ波加熱部と熱風炉加熱部との組合せで
構成されている。マイクロ波加熱部での架橋条件は、槽
内温度180℃、マイクロ波周波数2450MHz及び
出力0.3Kwで搬送速度2.5分となるように設定
し、熱風炉加熱部での架橋条件は、槽内温度200℃で
搬送速度5分となるように設定してあり、本実施例での
架橋は、マイクロ波加熱部を用いて行なった。得られた
発泡成形品に予め接着剤を塗布した直径6mm、長さ2
80mmのステンレス鋼製の心材を圧入し、120℃、
30分で接着を行なった。得られたゴム発泡体層の表面
を研磨して、直径15mm、長さ250mmの転写ロー
ル(R1)を製造した。得られた転写ロールの特性を評
価し、評価結果を表1に示す。
【0139】
【表1】
【0140】(転写ロール製造例2)NBR60部を水
素化NBR(商品名「Zetpol 2020」:日本
ゼオン社製)60部に、架橋をマイクロ波加熱から熱風
炉加熱に変更した他は、転写ロール製造例1と同様にし
て転写ロール(R2)を製造した。炭酸カルシウム20
部を100部に変更した他は、転写ロール製造例1と同
様にして転写ロール(R3)を製造した。炭酸カルシウ
ム20部を使用しなかった他は、転写ロール製造例1と
同様にして転写ロール(R4)を製造した。得られた転
写ロールの特性を評価し、評価結果を表1に示す。
【0141】(実施例1)図3に示すように、現像ロー
ル8は、直径10mmのステンレス製シャフト21の外
周に、エピクロロヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体ゴムのブレンドゴムで構成されたゴム
弾性体22を、押し出し成形により、厚さ4.4mmで
形成した。その後、ゴム弾性体22の外周面を円筒切削
盤で研磨することにより、その外周面の表面粗さを軸方
向および周方向で4μmとした。
【0142】次に、ゴム弾性体を回転させながら、80
W/cmのランプを用いて紫外線を3分間照射した。ゴ
ム弾性体の表面の摩擦係数を測定すると、0.2であっ
た。この現像ロール8を、図2に示すように、感光ドラ
ム1に接触幅が約2mmとなるように接触させて配置し
た。感光ドラム1としては、外径が30mmの有機系感
光ドラムを用いた。
【0143】帯電装置3としては、感光ドラム1の表面
電位がVc=−600V程度に一様に成るようなコロナ
放電装置を用いた。露光装置4としては、レーザー装置
と光学系とを組合せたものを用いた。供給ロール9とし
ては、外径13mmのウレタンゴム製のスポンジロール
を用いた。この供給ロール9は、現像ロール7に接触幅
が約2mmとなるように接触させた。
【0144】層厚規制ブレード8としては、ウレタン製
のゴム弾性体で構成され、その圧縮永久歪が6%で、そ
のヤング率が850g/mm、反発弾性率が30%
で、12mm(自由端長)×215mm(幅)×1.3
mm(厚み)の平板状のブレードを用いた。このブレー
ドを図4(b)に示すように、撓み量δが3.99mm
となるように現像ロール7に取り付けたところ、現像ロ
ールに対する線圧fは約1.08g/mmであり、接触
角θは80.7度であった。また、ブレードの電気抵抗
は、5×10Ωであった。
【0145】転写ロールは前記ロール製造例1で製造し
たロール(R1)を用いて、感光ドラムへの押圧力を6
00g/cm、で圧接している。回転は感光体に従動
している。さらに+600Vの転写電圧が印加されてお
り、静電的吸引力によって転写を補助している。
【0146】現像装置11の内部に収容されるトナー1
0としては、トナー製造例1で得られたトナーT1を用
いて連続印字を実施し、画像の印字濃度、用紙カブリと
フィルミングを評価した。評価結果を表2に示す。
【0147】(実施例2、比較例1〜6)転写ロール、
転写ロールの感光ドラムへの押圧力及び画像形成に使用
するトナーを表2に示す通りに変えた他は、実施例1と
同様にして評価を行なった。評価結果を表2に示す。
【0148】
【表2】
【0149】表2より、以下のことがわかる。トナーが
本発明で規定するホウ素又はリンを特定量含有しない比
較例1の画像形成方法では、初期印字濃度が低過ぎ、解
像度がやや悪く、H/H及びL/L環境で用紙カブリが
起こり易い。トナーが本発明で規定する範囲より多い量
のホウ素を含有する比較例2の画像形成方法では、初期
印字濃度が高過ぎ、解像度が悪く、H/H及びL/L環
境で用紙カブリが起こり易く、更にフィルミングも起こ
り易い。トナーが本発明で規定するその粒径分布におい
て、粒径2〜4μmのトナー粒子が3〜8個数%、粒径
4〜5μmのトナー粒子が5〜12個数%より少ない比
較例3の画像形成方法では、初期印字濃度が低過ぎ、解
像度が悪く、L/L環境で用紙カブリが起こり易い。ト
ナーが本発明で規定するその粒径分布において、粒径2
〜4μmのトナー粒子が3〜8個数%、粒径4〜5μm
のトナー粒子が5〜12個数%より多い比較例4の画像
形成方法では、H/H環境で用紙カブリが起こり易く、
フィルミングも起こり易い。転写ロールが本発明で規定
するセル径の範囲よりも小さい比較例5の画像形成方法
では、初期印字濃度が低過ぎ、解像度がやや悪く、H/
H環境で用紙カブリが起こり易い。転写ロールが本発明
で規定するセル径の範囲よりも大きい比較例6の画像形
成方法では、初期印字濃度が高過ぎ、解像度がやや悪
く、H/H及びL/L環境で用紙カブリが起こり易く、
更にフィルミングも起こり易い。
【0150】これに対して、本発明の実施例1〜2の画
像形成方法では、初期印字濃度も高く、高温高湿や低温
低湿のような厳しい環境下でも、用紙カブリが起こり難
く、更にフィルミングも起こり難いことが分かる。
【0151】
【発明の効果】本発明によれば、特定の転写ロールとト
ナーを使用することにより、感光ドラムの表面に形成さ
れた静電潜像のパターンに合わせてトナーを正確に移動
させることができるので、初期印字濃度や解像度が高
く、高温高湿や低温低湿のような厳しい環境下でも、用
紙カブリが起こり難く、更にフィルミングも起こり難い
ことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は摩擦係数の測定方法を示す図である。
【図2】 図2は本発明の一実施形態に係る画像形成装
置の概略図である。
【図3】 図3は図2に示す現像ロールの一部破断斜視
図である。
【図4】 図4(a)は層厚規制ブレードと現像ロール
との位置関係を示す概略図、図4(b)は撓み量を説明
するための主要部概略図である。
【図5】 図5は本発明の一実施形態に係るタンデム方
式のカラー画像形成装置の概略図である。
【符号の説明】
1・・感光ドラム 2・・クリーニング装置 3・・帯電ロール 4・・レーザー光照射装置 5・・転写ロール 7・・現像ロール 8・・層厚規制ブレード 9・・供給ロール 10・・トナー 11・・現像装置 13・・加熱ロール 14・・加圧ロール 15・・搬送ベルト 40・・測定用紙 42・・分銅 44・・テンションゲージ 50・・ホルダー 71・・導電性シャフト 72・・ゴム弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 G03G 9/08 4F074 368 368 4J002 9/09 15/01 114Z 15/01 114 C08L 21:00 15/08 507 G03G 15/08 507B //(C08L 71/03 507L 21:00) 9/08 361 Fターム(参考) 2H005 AA05 AA21 CB10 EA05 EA07 FC03 2H030 AB02 AD01 BB02 BB63 2H077 AA37 AB04 AB14 AB15 AC04 AC16 AD02 AD06 AD13 AD23 AD35 AE03 BA03 BA07 DB25 EA15 FA01 FA13 FA16 FA22 GA02 GA03 GA13 2H200 FA01 FA02 GA12 GA16 GA18 GA23 GA34 GA46 GA47 GA49 GA52 GA56 GA58 GA59 GB12 GB13 GB14 GB15 GB22 GB25 GB37 GB50 HA01 HA28 HB12 JA02 JA23 JA25 JA26 JA27 JB06 JB16 LC02 LC04 LC08 LC09 LC10 MA03 MA08 MA12 MA14 MA17 MA20 MB04 MC01 MC02 MC05 3J103 AA02 FA12 FA14 FA18 GA58 GA74 HA18 HA53 4F074 AA05 AA76 BA01 BB01 CA22 CA29 CC04Y DA03 DA47 DA59 4J002 AC03X AC07X AC08X AC09X AC11X BB15X CH04W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一様に帯電させた感光体の表面上に静電
    潜像を形成し、この静電潜像をトナーによってトナー像
    に現像し、得られたトナー像を転写ロールによって転写
    材に転写した後、定着する画像形成方法であって、前記
    転写ロールが金属製芯材とそれを被覆するゴム発泡体層
    からなり、該発泡体層のセル径が50〜200μmであ
    り、前記トナーの粒径分布において、粒径2〜4μmの
    トナー粒子が3〜8個数%、粒径4〜5μmのトナー粒
    子が5〜12個数%であり、且つトナー中のホウ素又は
    リン含有量が合計で0.1〜100ppmである画像形
    成方法。
  2. 【請求項2】 転写ロールを構成するゴム発泡体層のゴ
    ムが、エピハロヒドリン共重合体ゴム(A)40〜90
    重量%、不飽和ゴム(B)5〜40重量%、及び液状不
    飽和ゴム(C)5〜40重量%を含有するゴム組成物で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1〜5のいずれかに記載の画像形
    成方法において、トナーとしてイエロー、マゼンタ、シ
    アン及びブラックの4つのトナーを用いるカラー画像形
    成方法。
  4. 【請求項4】 感光体上に残存する転写残トナーのクリ
    ーニング方法が現像同時クリーニングである請求項1〜
    6のいずれかに記載の画像形成方法。
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