JP3640556B2 - 粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子およびその製造方法 - Google Patents

粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体塗装、電子写真に用いられる粉体塗料用のコア/シェル構造の複合粒子で、導電層を形成する目的に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電層の形成には、金属粒子と樹脂と有機溶剤とからなる、溶剤塗料や導電性ペーストが用いられている。しかし、このような有機溶剤を使用した溶剤塗料や導電性ペーストは、塗装時に有機溶剤が揮発することがその性質上避けられないので、人体及び環境に対して望ましくない。また、有機溶剤を使用した溶剤塗料などで導電層を形成した場合には、マスキングのために金型等の治具の作製が必要となり、コストアップ、作業効率の低下等の別の問題がある。
【0003】
そこで、導電層を形成する別の方法として、電子写真方式によるものが知られている。この方法においては有機溶剤を用いないため、人体及び環境への問題を本質的に考慮する必要がない。更にこの電子写真方式では、パソコンにより作製された図やパターン等を瞬時にプリントアウトする事が可能であり、また複写機により当該パターン等を複製することが可能であるため、作業効率が良いという利点がある。
【0004】
上記電子写真方式による導電層形成方法には粉体塗料が使用されているが、この粉体には、金属粒子と熱溶融性樹脂とを溶融混練し、その後、粉砕して得られる粒子が使用されている。また、特開平4−78191号公報においては、金属粒子と熱溶融性樹脂の微粒子とを静電力により付着させた後、これに機械的衝撃力を加えて前記熱溶融性樹脂の微粒子を変形させ、熱溶融性樹脂の外壁を有する金属粒子を形成する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子写真方式による導電層形成方法に使用される従来の粒子では、溶融混練後の粉砕による粒子の形態の調整、及び静電力による樹脂の金属粒子への付着の制御が難しいために、樹脂層が金属粒子の周りに均一に付着したものを得ることが難しく、また各粒子に均一な帯電性を持たせることが困難である。このような粒子を用いて電子写真方式にて導電層を形成させても、帯電性の低い粒子がカブリを生じ、また現像量が不均一となるなどの問題があり、良好な性質を有する導電層を得ることができない。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、粉体塗装、電子写真による導電層形成用に用いられ、有機溶剤を使用しない粉体塗料用の複合粒子を提供することを目的としている。より具体的には、容易にシェルとなる樹脂層の厚さをコントロールでき、しかも粒子の帯電性が均一であり、粉体塗料に使用されると良好な導電性を有する皮膜を形成することが可能であり、また保存時にブロッキングを起さない粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子、及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明は以下のごとく構成されている。即ち、本発明の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子の製造方法は、軟化点が70℃以上、200℃以下である樹脂製微粒子と金属コア粒子とが分散した分散液を調製する工程と、前記分散液を、塩析又はpH調整することにより、前記樹脂製微粒子が前記金属コア粒子の表面に付着した複合粒子を得る工程と、前記複合粒子を洗浄した後、乾燥させる工程とからなることを特徴としている。
尚、本発明の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子の製造方法においては、前記樹脂製微粒子の体積平均粒子径が1.0μm以下であることが望ましい。
また、本発明の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子の製造方法においては、前記導電層形成用複合粒子の表面を平滑化処理する工程を更に行うことが望ましい。
本発明の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子は、上記の何れかの方法にて製造される複合粒子であることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子(以下、複合粒子と略す)の製造方法、及び複合粒子について詳しく説明する。
本発明の複合粒子の製造方法は、樹脂製微粒子と金属コア粒子とが分散した分散液を調製する工程と、前記分散液を、塩析又はpH調整することにより、前記樹脂製微粒子が前記金属コア粒子の表面に付着した複合粒子を得る工程と、前記複合粒子を洗浄した後、乾燥させる工程とからなることを特徴としている。
【0009】
分散液を調整する工程における樹脂製微粒子は、本発明の複合粒子においてシェルになるものであり、特に限定されるものではないが、種々の樹脂、例えばスチレン、アクリル、キシレン、フェノール、ポリエステル、ウレタン、エポキシ等の公知の樹脂及びその誘導体が含まれる。その中でも特にラジカル反応で重合される重合体であることが好ましい。このラジカル反応に使用可能な単量体の例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、及びp−n−デシルスチレン等のスチレン並びにその誘導体、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、及びフッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びベンゾエ酸ビニル等の有機酸ビニルエステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、及びメタクリル酸ジエチルアミノエチル、グリシジルメタクリル酸等のメタクリル酸並びにその誘導体、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、及びアクリル酸フェニル等のアクリル酸並びにその誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、及びビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、及びN−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びアクリルアミド等の重合性単量体が含まれる。これらの単量体は、目的に応じて単量体単独または混合物として使用することができる。また、必要に応じて、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸等の酸類を共重合してもよい。
【0010】
また、上記単量体には必要に応じて、二塩基酸、無水二塩基酸等の硬化剤、クロム錯塩、アジン化合物、4級アンモニウム塩、亜鉛塩、トリフェニルメタン系化合物等の帯電制御剤、シラン系、チタネート系、アルミニウム系等のカップリング剤等の各種添加剤を加えてもよい。
【0011】
上記単量体を使用して重合反応を行う際の重合開始剤としては、水溶性重合開始剤が好ましい。このような重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルフェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤等が含まれる。これらは単独で用いられる他、2種以上の重合開始剤を併用しても良い。また、上記重合開始剤の他に2,2'−アゾビスイソブチルバレロニトリル等の油溶性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系油溶性重合開始剤を併用しても良い。
【0012】
上記重合反応には界面活性剤を含ませて行っても良いが、その例としては、脂肪酸石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪属アミン塩、脂肪属4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、カルボキシメタイン、アミノカルボン酸塩等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等が含まれる。
【0013】
上記の単量体、重合開始剤、並びに適宜添加剤及び界面活性剤を加えたものを混合して乳化重合反応を行う。この乳化重合反応の条件は、使用する単量体や重合開始剤の種類等に応じて、当業者が適宜決定しうるものであり、当該技術分野で知られる方法に準じて行えばよい。この乳化重合反応により、樹脂製微粒子が分散された分散液を作成することができる。しかしながら本発明における分散液の作成方法は、上記の乳化重合法に限定されるものではなく、例えば、ソープフリー乳化重合法、ミニエマルジョン重合法や分散重合法等も用いることができる。
【0014】
上記重合法により得られる樹脂の軟化点は、70℃以上、200℃以下であるものが好ましい。この好ましい条件を満たす場合には、本発明の複合粒子はその保存中にブロッキングを生じず、単独で安定であり、当該複合粒子を粉体塗料として使用して導電層を形成した際に、導電層に良好な導電性を与えることができる。
【0015】
上記樹脂製微粒子の軟化点が70℃未満である樹脂製微粒子を本発明の複合粒子のシェルに用いた場合には、貯蔵時に複合粒子がブロッキングを発生しやすくなるために好ましくない。また、軟化点が200℃より高い樹脂を複合粒子のシェルに用いた場合には、複合粒子を粉体塗料として用いて導電層を形成する加熱処理の際に、処理温度を200℃よりも高く設定しなければならなくなり、エネルギーコストが高くなると同時に、含酸素雰囲気中で熱処理を行う場合には、複合粒子のコアの金属粒子が酸化されて、導電性能が低下するので好ましくない。従って、樹脂の軟化点としては70℃以上160℃以下がより好ましく、70℃以上、120℃以下が最も好ましい。
尚、本発明での軟化点とはフロー軟化点を意味し、島津製作所社製のフローテスタ(商品名:CFT−500)により、1.000cm のプランジャー、直径0.99mmで長さ1.00mmのダイを用い、20kgFの加重、6.0℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。樹脂粒子の軟化点は、単量体の組成や平均分子量及び分子量分布を制御することにより調整することができる。
【0016】
更に、樹脂製微粒子については体積平均粒子径が1.0μm以下であることが好ましい。この好ましい条件を満たす樹脂製微粒子は、複合粒子調整過程において分散液中で均一に分散するので、金属コア粒子に均一に付着し、皮膜からの金属コア粒子の脱離が起きにくくなる。また、金属コア粒子に対する相対量を低く抑えることができるので、皮膜の導電性を良好に保持することができる。
【0017】
一方、体積平均粒子径が1.0μmよりも大きな樹脂製微粒子では、樹脂製微粒子の比表面積が低下するため少量の樹脂製微粒子では複合粒子のコアの表面を均一に被覆することができなくなり、複合粒子を粉体塗料として使用したとき皮膜から当該複合粒子が脱離し易くなるので好ましくない。つまり、樹脂製微粒子の体積平均粒子径が小さければ小さいほど、少量の添加で皮膜からの粒子の脱離を防止することが可能となるので好適である。従って、樹脂製微粒子の体積平均粒子径としてより好ましくは0.8μm以下であり、最も好ましくは0.5μm以下である。
尚、本発明における体積平均粒子径はレ−ザー回折式粒度分布測定機(日機装社製:マイクロトラック)により測定したものを用いる。
【0018】
次に、金属コア粒子を分散液中に分散させるステップについて説明する。
金属コア粒子の材質としては、アルミニウム、真鍮、チタン、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、錫、モリブデン、タングステン、鉄等の金属およびその合金やステンレスを、単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。金属コア粒子の粒子径としては、平均粒子径が1μm以上、100μm以下のものを使用することができるが、均一な導電性を有する導電層を形成する粉体塗料用複合粒子を調製するためには、平均粒子径が1μm以上、20μm以下であることが好ましい。また、金属コア粒子の形状としては、球形、不定形、楕円形等のどのようなものでもかまわない。
【0019】
上記金属コア粒子を液中に分散させるには、例えば、超音波をかけながら攪拌翼で、当該金属コア粒子を入れた液を攪拌することにより行うことができる。ここで液中とは、樹脂製微粒子が分散された分散液中であっても良いし、別個の、水又は他の溶剤中であっても構わない。別個の、水又は他の溶剤中に金属コア粒子を分散させた場合には、金属コア粒子を含む当該分散液と、樹脂製微粒子が分散された分散液とを十分に混合してから、次の工程に供すればよい。
【0020】
このとき、樹脂性微粒子の重量割合は、金属粒子の粒径分布及び樹脂性微粒子の粒径分布等によっても比表面積が変化するため、一概には規定できないが、例えば金属粒子の粒子径が6.0μm、樹脂性微粒子の粒子径が0.1μmの場合、金属コア粒子100重量部に対して、樹脂製微粒子が、3重量部以上、30重量部以下であることが好適である。重量比がこの範囲内にある場合には、得られる複合粒子を用いて皮膜を行った際に、当該皮膜は安定で脱離をおこさず、尚且つ良好な導電性を保持するからである。樹脂製微粒子の添加割合が重量比で3重量部より少ないと、金属コア粒子の表面を樹脂製微粒子で均一に被覆することが困難となり、帯電性が低下して、塗着効率が低下する。従ってこの場合には、複合粒子中の金属コア粒子が塗装物から脱離し易くなるので皮膜の導電性の低下を招き、好ましくない。一方、樹脂製微粒子の添加量が重量比で30重量部より多い場合には、皮膜中での金属コア粒子同士の接触頻度が減少し、この場合も導電性能が低下するので好ましくない。
【0021】
以上のようにして、上記の分散液調整工程では、金属コア粒子と樹脂製微粒子とが一定の割合で、十分に分散した分散液が得られることになる。
【0022】
次に、上記工程で得られる分散液を、塩析又はpH調整することにより、分散液中の樹脂製微粒子がシェルとして前記金属コア粒子の表面に付着した複合粒子を得る工程について説明する。
【0023】
塩析により複合粒子を得る場合には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩類を上記分散液調整工程で得られた分散液に加えて、金属コア粒子上に樹脂製微粒子を付着せしめる。加える塩の量は、その塩の種類や、樹脂製微粒子の種類等に応じて適宜調節すればよい。
【0024】
一方、分散液のpH調整により複合粒子を得るには、硫酸等の酸または水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて分散液のpHを制御することにより、金属コア粒子上に樹脂製微粒子を付着せしめる。すなわち、酸を用いた場合はpHを1〜4に制御し、アルカリを用いた場合はpHを9〜11に制御するのが好適である。尚、酸を用いるかまたはアルカリを用いるかは選択した樹脂の種類等に応じて当業者が適宜決定すればよい。
【0025】
次に上記の、樹脂製微粒子の金属コア粒子への付着工程で得られた複合粒子を洗浄した後、乾燥させる工程について説明する。付着工程で得られた複合粒子を、ろ過等により分散液中から分離し、脱イオン水または、アルコールの様な溶媒で洗浄する。洗浄後に、分離された複合粒子を例えば真空振動乾燥機などにより十分乾燥させる。尚、洗浄や乾燥の度合いは、要求される品質により適宜調整する。
【0026】
上記の分散液調整工程、付着工程、及び洗浄・乾燥工程からなる製造方法により、本発明のコア/シェル構造を有する複合粒子を得ることができる。この複合粒子は、粉体塗装、電子写真方式用の粉体塗料として用いられるものである。
【0027】
本発明の複合粒子製造方法においては、複合粒子の表面を平滑化処理する工程を更に行なうことが好ましい。複合粒子の流動性は、主として金属コア粒子の形状や粒子径に大きく影響されるものであるが、得られた複合粒子の表面には1μm以下の樹脂粒子が付着しているため微細な凹凸が存在しており、これによっても複合粒子の流動性の低下につながる。従って、流動性が不足する場合には必要に応じて、複合粒子を平滑化処理することによりその流動性を改善することが望ましい。
【0028】
平滑化処理する方法としては、熱、衝撃力、摩擦力を付与する手法が挙げられる。熱を付与し球形化する方法としては、熱気流中に複合粒子を分散、流動させる熱流動槽や、日本ニュ−マチック社のサ−フュ−ジングシステムなどを用いることができる。また、衝撃力を付与し平滑化処理する方法としては、回転ロ−タ−を有する表面改質機であるナラ・ハイブリダイゼ−ション・システムなどが使用できる。さらに、摩擦力を付与し平滑化処理する方法としては、ロ−タ−/ステ−タ間で粒子を圧縮・摩擦する構造の表面改質機であるホソカワミクロン社製のメカノフュ−ジョンシステムなどが使用できる。
【0029】
これら平滑化処理装置および処理条件は、金属コア粒子の形状や粒子径により使い分けることが好ましい。
更に流動性を向上させるために複合粒子の表面には、平均粒径が1μm以下のシリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機超微粒子やメチルメタクリレート等の樹脂超微粒子等の流動性付与剤を付着させてもよい。これらの流動性付与剤を複合粒子の表面に付着させるには、ヘンシェルミキサ−やスパ−ミキサ−等の高速ミキサ−にて両者を乾式混合すればよい。
【0030】
【実施例】
以下に本発明の具体的実施例を示す。
【0031】
(実施例1)
<樹脂製微粒子の分散液の調整>
スチレン850gと、n−ブチルアクリレート150gと、クロム系電荷制御剤(オリエント化学工業社製商品名:E−81)20gとを混合して分散相を調整した。脱イオン水3000gと、過硫酸カリウム30gと、ドデシル硫酸ナトリウム6gとを攪拌、混合して連続相を調整した。上記の分散相、及び連続相を混合して高速攪拌機で5,000rpmで3分間攪拌して乳化させた後、当該乳液を80℃で10時間加温して重合を行い、平均粒子径0.1μmの乳化重合粒子の乳化液を作製し、室温まで冷却した。この乳化重合粒子の軟化点を島津製作所社製のフローテスタで計測したところ、140℃であった。
<金属粒子の分散液の調整>
メタノール1500g中に、平均粒子径6.0μmの球形ニッケル粒子(INCO社製:商品名ニッケルパウダーCNS−10ミクロン)500gを投入し、超音波をかけた状態で攪拌機で300rpmで30分攪拌し、ニッケル粒子の分散を行った。
<複合粒子の製造>
上記の分散状態にあるニッケル粒子100重量部に対して、上記樹脂製微粒子の乳化液を固形分として10重量部添加し、これを撹拌翼を用いて150rpmで攪拌混合した。更に、塩化ナトリウム10%溶液を400重量部を添加して、150rpmで5分間攪拌して塩析を行った。次いで塩析により生じた複合粒子を濾過した後に、脱イオン水で10回洗浄した後、常温で2日間放置し、更に真空乾燥機により40℃で12時間乾燥を行い、コア/シェル構造を有する複合粒子を得た。
得られた複合粒子の表面を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径6.0μmのニッケル粒子の表面に平均粒子径0.1μmの樹脂製微粒子が付着した構造であることが確認された。
【0032】
(実施例2)
樹脂製微粒子の分散、金属粒子の分散、及び複合粒子の製造は上記実施例1と同様の方法で行った。本実施例では、更に複合粒子に以下の処理を施した。
<平滑化処理>
上記実施例で得られるのと同様の複合金属粒子500gをハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所NHS−1)を使用して、回転数6,400rpmで5分間表面改質を行い、複合粒子の球形化処理を行なった。得られた複合粒子の表面を電子顕微鏡で観察したところ、コアであるニッケル粒子表面に樹脂が溶融した、平滑な球状粒子であることが確認された。
【0033】
(実施例3)
樹脂性微粒子の分散液及び金属粒子の分散液は、実施例1と同様な方法で得た。次にメタノール中に分散状態にあるニッケル粒子100重量部に対して、上記樹脂製微粒子の乳化液を固形分として10重量部添加し、これを撹拌翼を用いて150rpmで撹拌混合した。更に硝酸50g(試薬1級)を添加、撹拌してpHを2に調整した後55℃で4時間の加熱を行った。次に室温まで冷却した後、複合粒子を濾過した後に、脱イオン水でpHが7になるまで洗浄した後、常温で2日間放置し、更に真空乾燥機により40℃で12時間乾燥を行ない、コア/シェル構造を有する複合粒子を得た。
得られた複合粒子の表面を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径6.0μmのニッケル粒子の表面に平均粒子径0.1μmの樹脂製微粒子が付着した構造であることが確認された。
【0034】
(比較例1)
<混練粉砕法による粉体粒子の製造>
実施例1に用いたニッケル粒子100重量部に対して、スチレン/アクリル系樹脂(三井化学社製:CPR−100、軟化点110℃)を10重量部、及び実施例1に用いた電荷制御剤E−81を0.1重量部添加し、ミキサーを用いて十分に予備混合した。混合物をラボプラストミルミキサー(東洋精機社製、商品名:R60)で溶融混練してみたところ、樹脂分が少ないためニッケル粒子表面が樹脂で十分に濡れていない不均一な状態の混練物となった。得られた混練物を気流式の粉砕機で7μmに粉砕し比較例1の粒子を得た。
【0035】
(比較例2)
<乾式混合および機械的衝撃力による粉体粒子の製造>
実施例1に用いたニッケル粒子100重量部に対して、0.4μmのアクリル系樹脂粒子(綜研化学社製:MP−5000)10重量部を添加し、ミキサーを用いて3,000rpmで3分間攪拌させ、ニッケル粒子表面に部分的に前記樹脂粒子を付着させた。次いで、ニッケル粒子表面に樹脂粒子が部分的に付着したこの粉体に、実施例1で用いた電荷制御剤E−81を0.1重量部添加し、実施例2と同様に、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所NHS−1)で回転数6,400rpmで5分間表面改質を行い、比較例2の粉体粒子を得た。
【0036】
(試験例)
<静電スプレーガンによる導電層の形成>
背面に鉄板を張り付けたガラス板(1.3mm×76mm×52mm)を、上記の実施例および比較例の個数分用意し、それぞれに対して、上記の実施例及び比較例の複合粒子を、コロナ帯電方式の静電スプレーガン(秩父小野田社製、商品名:GX−108)で塗装した。塗装時の条件は以下の通りであった。
塗装機のホッパー内への複合粒子投入量:300g、
印可電圧:−60KV、
パターン調整:1.0kgf/cm 2
搬送空位:1.5kgf/cm 2
吐出量:2.0kgf/cm 2
流動エアー:2.0kgf/cm 2
ガラス板とガン先端との距離:20cm、
塗装時間:3秒間。
次にそれぞれのガラス板を180℃で10分間熱処理し、ガラス板上に導電層を形成した。塗装が完全に乾燥した後、塗膜特性の評価をそれぞれのガラス板上の導電層について行った。
<塗膜特性の評価試験>
評価1:表面抵抗測定
それぞれのガラス板上に形成した導電層の表面抵抗を、油化電子社製の表面抵抗測定器(商品名:MCP−T350)により測定した。
評価2:テ−プ剥離試験
ガラス板上に形成された導電層の表面に、3M社製のクリアテ−プ(商品名:Scotch クリアテ−プ 24mm×35mm)を貼り付け、消しゴムで3往復擦ることにより十分に密着させた後に一気にクリアテ−プを塗膜から剥離した。剥がしたクリアテ−プを、倍率200倍の顕微鏡で観察し、金属粒子の導電層からの脱離の有無を観察した。尚、この時の観察面積は1.0cm 2 で行った。
表面抵抗及びテープ剥離試験結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003640556
【0038】
尚、テープ剥離試験の評価基準は以下の通りである。
○:脱離なし、
×:脱離あり。
【0039】
<試験結果の評価>
実施例1ないし実施例3の複合粒子を用いた導電層の表面抵抗は103Ω/□以下であり、また導電層からの金属粒子の脱離もなかった。
一方、比較例1の粉体粒子ではガラス板上への塗着性、及び導電層の導電性は、ともに悪く、導電性皮膜としては実用性が劣るものであった。これは、金属粒子を含まない樹脂単独粒子、金属単独粒子、及び金属粒子と樹脂とからなる三種類の粒子が存在していて、これらの帯電性がそれぞれ異なっており、塗装時に帯電性の高い樹脂単独粒子が選択的にガラス板上に付着して、導電層中の金属粒子の割合が低下したためと考えられる。
【0040】
比較例2の粉体粒子は、実施例2と類似した組成であるにもかかわらず、導電層からの金属粉の脱離が認められた。また、表面抵抗についても2つの実施例におけるものよりも2〜10倍程度の違いがあり、導電層用の皮膜としては不良であった。この実施例2と類似した組成にも関らず、表面抵抗が実施例2のものとは異なっているのは、複合粒子の調整方法が異なっていることに起因するものと考えられる。
【0041】
<電子写真方式による導電層の形成試験>
実施例および比較例の粒子15gを関東電化工業社製フェライトキャリア(商品名TF−521 S−1)135gと混合し、容量150ccのポリエチレン容器内に投入し、手振りで100回混合することにより現像剤を作製した。当該現像剤を二成分反転方式のプリンターにより、線幅100μm、線間100μmのスリットを印刷した。
【0042】
<バックグラウンドの評価>
線間の部分におけるバックグランドを光学顕微鏡で倍率100倍で観察した。尚、バックグラウンドの評価基準は以下の通りである。
○:ほとんどなし
△:若干あり
×:非常に多い
【0043】
<トナー飛散の評価>
現像機ユニットを5分間空攪拌させ、スリーブからのトナー飛散のレベルを目視にて観察した。尚、評価基準は以下の通りである。
○:ほとんどなし
△:若干あり
×:非常に多い
上記のバックグラウンド評価及びトナー飛散評価の結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0003640556
【0045】
実施例1ないし3の複合粒子で印刷したスリットは、バックグランド、トナー飛散もなかった。一方、比較例1の粉体粒子では、バックグランド、トナー飛散ともに非常に多かった。これは、上記したごとく、帯電性の異なる三種類の粒子が存在することに起因していると考えられる。バックグランドに関しては印刷時に、トナー飛散に関しては空攪拌中に帯電性の低い粒子が飛散するためと考えられる。比較例2の粉体粒子に関しては、実施例2と類似した組成であるにもかかわらず、実施例2のスリットよりもバックグランド、トナー飛散ともに増加している。
【0046】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、金属コア粒子の表面に樹脂性微粒子が均一に付着したコア/シェル構造の複合粒子を得ることができる。特に、樹脂と金属粒子を熱溶融混練・粉砕分級する従来法では、複合粒子の樹脂含有量を5重量%乃至10重量%という低含有量にした、いわゆるシェル部を構成する樹脂を薄膜することは困難であったが、本発明では達成可能である。
一方、本発明の複合粒子は、粉体塗装や電子写真方式を採用した画像形成装置用の粉体塗料に利用できる。例えば、粉体塗料を粉体塗装に使用した場合、帯電性が均一なため均一な厚みを有する膜やラインパターンの形成が可能で、複合粒子も樹脂含有量を操作することにより、その表面の導電性がコントロールできる特徴がある。また、粉体塗料を画像形成装置に使用した場合、潜像形成体や転写部材に精度良く現像・転写が可能で、均一なベタ画像やライン画像を作成することが可能である。また、樹脂の含有量や熱特性を操作することにより転写材への定着及びその強度も制御できる特徴がある。更に、本発明の複合粒子は面を平滑化処理することにより流動性が良好で、樹脂のガラス転移温度を55℃以上にすれば長期間の保存中も実用上問題となるブロッキングを発生しない。また、塗装装置などの粉体貯蔵ボックスの中に保管した場合にもブロッキングしにくい、粉体を圧送する配管に目詰まりしにくいなどの性質があり、結果的に良好な定量供給性能を有している。

Claims (4)

  1. 軟化点が70℃以上、200℃以下である樹脂製微粒子と金属コア粒子とが分散した分散液を調製する工程と、
    前記分散液を、塩析又はpH調整することにより、前記樹脂製微粒子が前記金属コア粒子の表面に付着した複合粒子を得る工程と、
    前記複合粒子を洗浄した後、乾燥させる工程とからなることを特徴とする粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子の製造方法。
  2. 前記樹脂製微粒子の体積平均粒子径が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子の製造方法。
  3. 前記複合粒子の表面を平滑化処理する工程を更に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子の製造方法。
  4. 請求項1乃至3何れか一項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする粉体塗料に使用される導電層形成用複合粒子。
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