JP2001343786A - トナーの製造方法、トナー及び二成分系現像剤 - Google Patents

トナーの製造方法、トナー及び二成分系現像剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間繰り返し使用しても、現像剤の帯電特
性を低下させる恐れがないトナーの製造方法を提供する
ことにある。 【解決手段】 水系媒体中で、少なくとも芳香族オキシ
カルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟化点物質、極性
樹脂を有する重合性単量体組成物を重合することによ
り、直接的に生成されるトナーの製造方法において、芳
香族オキシカルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟化点
物質、極性樹脂を重合性単量体組成物中に分散後、造粒
あるいは重合の工程でpH9〜pH13のアルカリ水溶
液に可溶な芳香族オキシカルボン酸の金属化合物をさら
に、水系媒体中へ添加し、水系媒体中のpHを4.5〜
9.0に保持しながら重合を行う第1反応課程と、重合
途中でpHを9〜13に再調整する第2反応課程を有す
る重合工程を経た後、酸処理における水系媒体中のpH
を1.0〜2.5で行い、水系媒体中の芳香族オキシカ
ルボン酸の金属化合物をトナー表面へ析出させることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子印刷の如き画
像形成方法において静電荷像を現像するためのトナー、
または、トナージェット方式の画像形成方法におけるト
ナー定着画像を形成するためのトナーに関し、さらにト
ナーの製造方法及び二成分系現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)従来、電子写真法としては米国特
許2,297,691号、及び特公昭43−24748
号公報に記載されている如く、多くの方法が知られてい
る。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により
感光体上に静電荷像をトナーを用いて現像してトナー画
像を形成し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像
を転写した後、加熱、圧力、加熱圧力、或いは溶剤蒸気
等により定着し、複写画像またはプリント画像を得るも
のである。
【0003】従来、これらの目的に用いるトナーは一般
に熱可塑性樹脂中に染・顔料からなる着色剤を溶融混合
し、均一に分散した後、微粉砕装置,分級機により所望
の粒径を有するトナーを製造してきた。
【0004】これらの製造方法はかなり優れたトナーを
製造し得るが、ある種の制限、すなわちトナー用材料の
選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が十
分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るもの
でなければならない。ところが、こういった要求を満た
すために樹脂着色剤分散体を脆くすると、実際に高速で
微粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり
易く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれる
という問題が生じる。
【0005】更に、このように脆性の高い材料は、複写
機等現像用に使用する際、更なる微粉砕ないしは粉化を
受けやすい。また、この方法では、着色剤等の固体微粒
子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、
その分散の度合によっては、カブリの増大,画像濃度の
低下や混色性・透明性の不良の原因となるので、分散に
注意を払わなければならない。また、破断面に着色剤が
露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合
もある。
【0006】一方、これらの粉砕法によるトナーの問題
点を克服するため、特公昭36−10231号公報、特
公昭42−10799号公報、及び特公昭51−148
95号公報等には、懸濁重合法によるトナーの製造方法
が提案されている。懸濁重合法においては、重合性単量
体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて、架橋
剤、荷電制御剤、極性樹脂、離型剤、その他の添加剤
を、均一に溶解または分散せしめて、単量体組成成分を
分散剤を含有する水系媒体へ適当な撹拌機を用いて分散
し、重合単量体を重合する。そして重合終了後、濾過し
た後、水で洗浄を行い乾燥させた後、所望の粒径を有す
るトナーを得る。
【0007】この方法は、粉砕工程が含まれていない為
に、トナー粒子に脆性が必要ではなく、軟質の材料を使
用することができ、また、トナー粒子表面への着色剤の
露出が生じず、均一な摩擦帯電性を有する。分級工程の
省略も可能になる為に、エネルギーの節約、製造時間の
短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。
【0008】しかしながら、この様な製造方法であって
もトナー粒子を微粒子化した場合、着色剤がトナー粒子
表層に露出し易くなり、着色剤の影響が生じ易くなる為
に、帯電の均一性が低下し、現像特性の変動を招き易く
なる。
【0009】そして、この現象は、特に高湿下で複写又
はプリントを続ける際に特に顕著となる。従来、帯電の
均一化を図る為に、例えば、特開昭62−73277号
公報や特開平3−35660号公報には、トナー粒子表
層を樹脂で被覆する方法が提案されている。
【0010】しかし、これらの方法では、被覆層の層厚
が厚い為に、確かに着色剤の影響は防止することが出来
るものの、帯電制御性を有する成分を殆ど含有すること
が出来ない為に、トナーの帯電量の絶対値が小さくなっ
てしまうという問題が見られた。
【0011】この為に、更に多段でトナー粒子表面を被
覆する方法が、特開昭64−62666号公報、特開昭
64−63035号公報、特公昭58−57105号公
報で提案されているが、製造上、工程の複雑化を招き、
コスト的に不利になる。この様な問題点を改良する為
に、荷電制御剤をトナー粒子表面に外添させる方法が、
多く開示されている。しかし、この方法では、トナー表
面に均一に荷電制御剤が付着せず、また、荷電制御剤の
結晶状態でトナーの帯電性が大きく変わる恐れがある。
【0012】さらに、特開昭60−238846号公報
及び特開平5−197203号公報に、ポリエステル樹
脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中へ分散
し、造粒し、懸濁重合法により生成されたトナー粒子か
らなる静電荷像現像用トナーが提案されている。
【0013】しかしながら、さらに摩擦帯電特性、多数
枚耐久性、低温定着性、耐高温オフセット性、透光性に
優れている静電荷像現像用トナーが待望されている。
【0014】近年、デジタルフルカラー複写機やプリン
ターが上市され、解像力及び階調性はもとより、色ムラ
のない色再現性に優れた高画質が得られる様になってき
ている。
【0015】デジタルフルカラー複写機又はフルカラー
プリンタにおいては、色画像原稿をB(ブルー)、G
(グリーン)及びR(レッド)の各フィルターで色分解
した後、オリジナル画像に対応した20〜70μmのド
ット径からなる静電荷像を、Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)及びBk(ブラック)の各色トナ
ーを用いる減色混合作用を利用して現像する。白黒複写
機と比べて、多量のトナーを感光体から転写材に転写さ
せる必要があること、高画質化に対応すべく微小ドット
に対応したトナー粒子の微小粒径が要求される。
【0016】将来のプリンターや複写機の高速化やフル
カラー化に伴い、一層の低温定着性の向上も重要な要素
となり、この点からも比較的容易に粒度分布がシャープ
で微小粒径のトナー粒子を製造することができる重合法
トナーは好ましい。フルカラー複写機又はフルカラープ
リンタに搭載されるトナーは、定着工程で各色トナーが
十分混色することが必要で、この時の色再現性の向上
や、オーバーヘッドプロジェクター(以下OHPと表
記)画像の透明性が重要である。更にカラートナーは黒
トナーに比べて溶融性の良い低分子量の樹脂が好まし
い。
【0017】黒トナーの離型剤として、定着時の耐高温
オフセット性を向上させる目的でポリエチレンワックス
やポリプロピレンワックスに代表される比較的結晶性の
高いワックスが用いられている。しかしながら、フルカ
ラー用のカラートナーにおいては、このワックスの結晶
性が高い為にOHPに出力した際に画像の透明性が低下
する。
【0018】その為に、通常カラートナーの構成成分と
して、離型剤を添加せずに、加熱定着ローラーへシリコ
ーンオイルの如きオフセット防止液を塗布せしめること
で、耐高温オフセット性を示すトナーが待望されてい
る。
【0019】しかし、定着後の転写材は、その表面に余
分のシリコーンオイルが付着する為に、ユーザーがこれ
を取り扱う際に不快感を生じる場合があり好ましくな
い。
【0020】この為に、トナー粒子中に多量の低軟化点
物質を含有せしめたオイルレス定着用のトナーの検討も
行われているが、更に低温定着性と透明性に優れ、同時
に耐高温オフセット性を示すトナーが待望されている。
【0021】この様な諸問題を解決する方法として、特
開平1−230073号公報には、離型性を有する低軟
化点物質を含有する重合法トナーを用いたカラー画像定
着方法が開示されている。また、ワックスは離型剤とし
て大きな効果を発揮するが、懸濁重合法では、ワックス
をトナー内部を内包することによって、荷電制御剤がト
ナー表面に局在化しやすく、安定した帯電性を得ること
ができるメリットもある。
【0022】しかし、低軟化点物質のトナー粒子表面へ
の浸み出しに起因すると思われる、耐久試験時のトナー
現像特性の低下が発生しやすい。
【0023】トナー粒子表面への着色剤の露出や、低軟
化点物質の浸み出しを防止する目的で、重合性単量体組
成物中に極性重合体又は極性共重合体を添加すること
が、特開昭61−35457号公報に記載され、更に、
特開平6−317925号公報には、トナー粒子の表面
に親水性外殻材を設けることが開示されている。
【0024】しかし、この方法を用いても、外殻を形成
する材料が親水性である為に、高湿下での現像特性に劣
り、耐久性に劣る。更に、外殻材による定着阻害を改善
する為に、芯材の樹脂のガラス転移点を10〜50℃に
設定するので、定着時に定着ローラーに転写材が巻き付
き易くなる。
【0025】従って、重合法を用いて製造したトナー、
特にカラー用トナーにおいて、現像特性と定着特性の両
者に起因する問題を良好に解決したトナーが待望されて
いる。
【0026】(2)一方、懸濁重合法は、懸濁重合法ト
ナーも含めてその反応形態は重合が進むにつれて重合反
応系の粘度が上がり、ラジカル及び重合性単量体の移動
が困難になるため重合体中に重合性単量体成分が多く残
留しがちである。特に懸濁重合法トナーの場合には、重
合性単量体系中に染料、顔料(特にカーボンブラッ
ク)、荷電制御剤及び磁性体の如き重合反応を抑制する
可能性のある成分が重合性単量体以外に多量に存在する
ために、なおさら未反応の重合性単量体が残存しやす
い。
【0027】そして、これらトナー粒子中に重合性単量
体に限らず結着樹脂に対して溶媒として働く成分が多く
存在すると、トナーの流動性を低下させ画質を悪くする
ほか、耐ブロッキング性の低下を招く。トナーとして直
接関わりあう性能のほかにも、特に感光体として有機半
導体を使用した場合には感光体ドラムヘのトナーの融着
現象以外にもメモリーゴーストや画像のボケといった感
光体の劣化現象に伴う問題点を生じることがある。こう
した製品の性能に係わる事項以外にも、定着時に重合性
単量体成分が揮発して悪臭を発したりするという問題点
がある。
【0028】以上のようなことを改良するために、特開
平7−92736号公報の如く、トナー粒子中に存在す
る重合性単量体の残存量を500ppm以下に減少させ
ることによって、画質により一層の向上効果を生み出す
ことが提案されている。
【0029】さらに、複写機、プリンター等の小型化、
パーソナル化に伴い、装置上の制約が増し、前述の問題
点に対する負荷が増し、また、環境に対する関心も高ま
っており、トナー粒子中に存在する重合性単量体の残存
量を200ppm以下に減少させることが好ましく、さ
らには、100ppm以下に減少させることがより好ま
しい。
【0030】トナー粒子中の重合性単量体の残存量を2
00ppm以下にする方法としては、結着樹脂を懸濁重
合法で製造する際に用いられる公知の重合性単量体消費
促進手段を使用することができる。例えば、未反応の重
合性単量体を除去する方法としては、トナー結着樹脂は
溶解しないが重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分
は溶解する高揮発性の有機溶媒で洗浄する方法;酸やア
ルカリで洗浄する方法;発泡剤や重合体を溶解しない溶
媒成分を重合体系に入れ、得られるトナーを多孔化する
ことにより、内部の重合性単量体及び/あるいは有機溶
媒成分の揮散面積をふやす方法;及び乾燥条件下で主合
成単量体及び/あるいは有機溶媒成分を揮散させる方法
があげられるが、トナーカプセル性低下によるトナー構
成成分の溶出、その溶媒の残留性等溶媒の選択が難しい
ので、乾燥条件下で重合性単量体及び/あるいは有機溶
媒成分を揮散させる方法が最も好ましい。
【0031】従来より、重合反応が終了した懸濁液を固
液分離した後のトナー粒子の乾燥方法について改良がな
されている。例えば、特開昭63−124055号公報
には、トナー粒子を気体により浮遊懸濁させ流動層を形
成しつつ乾燥させる方法が提案されている。さらに、特
開平4−311966号公報や特開平8−179562
号公報等に流動層乾燥機を使用したトナー粒子の乾燥方
法が提案されている。
【0032】この流動層乾燥機によるトナー粒子の乾燥
方法は、効率良くトナーの乾燥が行える。しかしなが
ら、前述した未反応の重合性単量体は、一般的に沸点が
水よりも高温であるため水分の除去がほぼ完了した後で
ないと有効に除去できない、つまり、水分の恒率乾燥期
間を過ぎ、減率乾燥を十分に行わないと有効に除去でき
ない。ところが、水分が除去されてしまうと、トナー粒
子のように帯電性を伴う粒子では、流動室の壁面に付着
を起こし、さらには流動室の壁面に付着した粒子が、塊
の状態で剥離し、全体として、未反応の重合性単量体の
除去が不均一なものになってしまったり、処理後に全量
回収ができなくなってしまう等の問題を生ずる。
【0033】また、特開平6−324517号公報に
は、重合反応が終了した懸濁液を固液分離した後のトナ
ー粒子または、懸濁液をそのまま熱気流中で粉粒状に分
散させ、熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥させる
方法が提案されている。
【0034】この熱気流によるトナー粒子の乾燥方法
は、効率良く、連続的に水分の除去が行える。しかしな
がら、前述した未反応の重合性単量体は、瞬間的な乾燥
では、ほとんど除去することができない。
【0035】また、特開平8−160662号公報等に
は、真空式乾燥装置によって乾燥させる方法が提案され
ている。
【0036】ところが、この乾燥方法では、水分を蒸発
除去した後、さらに未反応の重合性単量体の除去を行う
には、非常に長い乾燥時間を要するばかりでなく、水分
の除去の際に装置内の真空状態に起因するトナーの締ま
り及び凝集が起きて圧密状態が形成される。この圧密状
態の形成は、含水率が5%以下になると粉温上昇から粉
同士の凝集力が急激に上昇を始め顕著になる。この圧密
状態が形成されると、装置壁面、装置内撹拌翼等に付着
・融着を起こし、安定な運転を阻害する。また、トナー
同士の凝集によるダマが生じる。
【0037】また、静電荷像現像用トナーでは、画質の
向上やその他に要求される特性を達成するため種々の化
学物質を添加しており、特に、解像性、濃度均一性ある
いは、カブリなどの種々の画像特性を改良するのを目的
として、トナーの流動性及び帯電性の向上のために種々
の微粉体を外添することが広く行われている。
【0038】しかし、トナー同士の凝集によるダマが生
じると、後工程でトナーに外添を行う際トナー表面に外
添剤が均一に付着しないため、現像剤としての性能に問
題を生じる。
【0039】一方、フルカラー画像を得るためには、中
間転写体を用いた画像形成方法が提案されており、米国
特許5187526号には、ドラム形状の中間転写体を
用いるフルカラー画像装置が、特開昭59−15739
号公報にはトナーで形成されたトナー像を中間転写体へ
転写し、中間転写体上のトナー像を転写材へさらに転写
する方法が提案されている。
【0040】しかし、中間転写体を用いる系において
は、トナー像を感光体から中間転写体にいったん転写
後、さらに中間転写低から転写材上に再度転写すること
が必要であり、トナーの転写効率を従来以上に高める必
要がある。
【0041】(3)一方、一般に静電荷像をトナーを用
いて現像する方法のうち、トナーをキャリアと混合した
二成分系現像剤が高画質を要求されるフルカラー複写機
又はプリンタには好適に用いられている。
【0042】この現像方法においては、該キャリアは摩
擦帯電により適当量の正または負の帯電量をトナーに付
与し、また、該摩擦帯電の静電引力により、その表面に
トナーを担持する。
【0043】トナーとキャリアを有する現像剤は、磁石
を内包する現像スリーブ上に現像剤層厚規制部材により
所定の層厚にコートされ、磁気力を利用することによっ
て、静電荷像担持体(感光体)と該現像スリーブとの間
に形成される現像領域に搬送される。
【0044】感光体と現像スリーブとの間には、ある所
定の現像バイアス電圧が印加されており、上記トナー
は、該現像領域において、上記感光体上に現像される。
【0045】上記キャリアに対して要求される特性は種
々あるが、特に重要な特性として適当な帯電性、印加電
界に対する耐圧性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐スペント
性、現像性等が挙げられる。
【0046】例えば、現像剤を長期使用した場合には、
キャリアの表面にスペントトナーと呼ばれる現像に寄与
せぬトナーが融着し、トナーフィルミングが起こり、そ
の結果、現像剤の劣化と、それに伴う現像画像の画質劣
化が生じる。
【0047】一般に、キャリアの真比重が大きすぎる
と、現像剤を上記現像剤層厚規制部材で現像スリーブ上
に所定の層厚にする際に、或いは、現像器内での現像剤
の撹拌の際に現像剤にかかる負荷が大きくなる。現像剤
の長期使用において、(a)トナーフィルミング、
(b)キャリア破壊、(c)トナーの劣化が生じ易くな
る。その結果、現像剤の劣化と、それに伴う現像画像の
画質劣化が生じ易くなる。
【0048】また、キャリアの粒径が大きくなると、上
記と同様に現像剤にかかる負荷が大きくなる為に、上記
(a)〜(c)が生じ易くなり、その結果、現像剤の劣
化が生じ易くなる。また、(d)現像画像の細線再現性
が低下しやすい。
【0049】従って、上記(a)から(c)が生じ易い
キャリアにおいては、定期的に現像剤を交換する手数を
要し、かつ、不経済である為に、現像剤にかかる負荷を
減少させるか、或いは、キャリアの耐衝撃性、耐スペン
ト性を改良することにより、上記(a)から(c)を防
止し現像剤寿命を延ばすことが好ましい。
【0050】キャリアの粒径を小さくすると、(e)静
電荷像担持体にキャリアが付着しやすくなる。また、ト
ナー粒径が一定でキャリアのみの粒径を小さくすること
は、(f)トナーの帯電量分布が広がり、特に低湿環境
下でのチャージアップによる非画像部へトナーが飛翔し
てしまう(以下、「カブリ」と記す)という現象が発生
しやすくなる。
【0051】上記(a)〜(f)の課題を解決するため
のキャリアとして、磁性微粒子分散型樹脂キャリアが挙
げられる。このキャリアは、粒子に形状的な歪みが少な
く、粒子強度が高い球状にすることが比較的容易であ
り、流動性に優れている。その粒子サイズも広範囲に制
御できることから、現像スリーブ又はスリーブ内の磁石
の回転数が大きい高速複写機や汎用コンピュータの高速
レーザービームプリンタ等に適している。
【0052】磁性微粒子分散型樹脂キャリアは、特開昭
54−66134号公報、特開昭61−9659号公報
に提案がなされている。しかしながら、上記磁性粒子キ
ャリアは、磁性体を多量に含有せしめない場合には、そ
の粒径に対して、飽和磁化が小さく、現像時に静電荷像
担持体上にキャリア付着が生じやすく、現像剤の補充、
或いは、付着キャリアの回収機構を画像形成装置内に具
備する必要がある場合がある。
【0053】また、磁性微粒子分散型樹脂キャリアにお
いて、磁性体を多量に含有せしめた場合には、結着樹脂
に対して磁性体の量が増加するために耐衝撃性が弱くな
り、現像剤を上記現像剤層厚規制部材でスリーブ上に所
定の層厚にする際に、(g)キャリアからの磁性体の欠
落が生じ易く、結果として、現像剤の劣化が生じ易くな
る。
【0054】また、上記磁性微粒子分散型樹脂キャリア
において、磁性体を多量に含有せしめた場合には、比抵
抗の低い磁性体の量が増加する為にキャリアの比抵抗が
下がり、その結果、(h)現像時に印加するバイアス電
圧のリークによる画像不良も生じ易くなる。
【0055】特開昭58−21750号公報に、キャリ
アコアを樹脂で被覆する技術が提案されている。樹脂に
より被覆されたキャリアは、耐スペント性、耐衝撃性、
印加電圧に対する耐圧性を改良することができる。ま
た、被覆する樹脂の帯電特性によりトナーの帯電特性を
制御することが可能である為、被覆する樹脂を選択する
ことによりトナーに所望の帯電電荷を付与することがで
きる。
【0056】しかしながら、上記樹脂被覆キャリアにお
いても、被覆樹脂の量が多くキャリアの比抵抗が高い場
合には、低湿環境下でトナーのチャージアップ現象が生
じ易くなる。また、被覆樹脂の量が少ない場合には、キ
ャリアの比抵抗が低くなりすぎる為に、現像バイアス電
圧のリークによる画像不良が生じ易い。
【0057】また、被覆樹脂によっては、該樹脂で被覆
されたキャリアの比抵抗が測定上適正比抵抗と考えられ
るものでも、現像バイアス電圧のリークによる画像不良
が生じ易い、或いは、低湿環境下でのチャージアップ現
象が生じ易いものもある。
【0058】また、耐表面汚染性、耐衝撃性、帯電の環
境依存性、帯電の立上がり性及び電荷交換性などを改良
したキャリアとして、アミノシランカップリング剤を添
加したシリコーン樹脂コートキャリアが、特開平10−
39589号公報及び特開平10−39547号公報等
に提案されている。しかしながら、上記公報では、アミ
ノシランカップリング剤の反応性を制御することが難し
く、結果として、残存官能基、未反応物の影響等で、帯
電特性が変動しやすく、さらには抵抗も制御しにくくな
り、環境変動が少なく、十分な帯電性を安定してトナー
に付与するには課題を残している。さらに提案されてい
る現像剤においては、被覆樹脂の密着強度が十分でな
く、トナー消費量の多い大画像面積を多数枚複写した場
合には、被覆樹脂の欠落が起こりやすく、トナーの帯電
量が変化しやすい。
【0059】この様に、今日求められる厳しい品質上の
要求、例えば細線や小文字、写真あるいはカラー原稿等
様々な対象に対応できること、さらに高画質化や高品位
化、高速化及び高耐久性を満足する磁性キャリアが待望
されている。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
間繰り返し使用しても、現像剤の帯電特性を低下させる
恐れがないトナーの製造方法を提供することにある。
【0061】また、本発明の目的は、直接重合法によっ
て得られたトナー粒子を、均一に未反応の重合性単量体
の除去をするとともに効率良く乾燥させる、トナーの製
造方法を提供することにある。
【0062】また、本発明の目的は、残留する、未反応
の重合性単量体が原因となる画像欠陥のない高画質の画
像が得られるトナー及びトナーの製造方法を提供するこ
とになる。
【0063】また、本発明の目的は、高い転写効率を有
し、且つ、環境特性の良い画像が得られるトナー及びト
ナーの製造方法を提供することにある。
【0064】本発明の目的は、キャリア付着がなく、カ
ブリの発生が防止または抑制され、高画質なトナー画像
を形成し得る磁性キャリアを使用する二成分系現像剤を
提供することにある。
【0065】本発明の目的は、温湿度に左右されること
なく、高画像濃度で高精細なカラートナー像を形成しう
る磁性キャリアを使用する二成分系現像剤を提供するこ
とにある。
【0066】本発明の目的は、多数枚の画出しにおいて
も画像劣化のない耐久性に優れている磁性キャリアを使
用する二成分系現像剤を提供することにある。
【0067】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、水系
媒体中で、少なくとも芳香族オキシカルボン酸の金属化
合物、着色剤、低軟化点物質、極性樹脂を有する重合性
単量体組成物を重合することにより、直接的に生成され
るトナーの製造方法において、芳香族オキシカルボン酸
の金属化合物、着色剤、低軟化点物質、極性樹脂を重合
性単量体組成物中に分散後、造粒あるいは重合の工程で
pH9〜pH13のアルカリ水溶液に可溶な芳香族オキ
シカルボン酸の金属化合物をさらに、水系媒体中へ添加
し、水系媒体中のpHを4.5〜9.0に保持しながら
重合を行う第1反応課程と、重合途中でpHを9〜13
に再調整する第2反応課程を有する重合工程を経た後、
酸処理における水系媒体中のpHを1.0〜2.5で行
い、水系媒体中の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物
をトナー表面へ析出させることを特徴とするトナーの製
造方法に関する。
【0068】また、本発明は、水系媒体中で、少なくと
も芳香族オキシカルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟
化点物質、極性樹脂を有する重合性単量体組成物を重合
することにより、直接的に生成されるトナーの製造方法
において、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物、着色
剤、低軟化点物質、極性樹脂を重合性単量体組成物中に
分散後、造粒あるいは重合の工程でpH9〜pH13の
アルカリ水溶液に可溶な芳香族オキシカルボン酸の金属
化合物をさらに、水系媒体中へ添加し、水系媒体中のp
Hを4.5〜9.0に保持しながら重合を行う第1反応
課程と、重合途中でpHを9〜13に再調整する第2反
応課程を有する重合工程を経た後、酸処理における水系
媒体中のpHを1.0〜2.5で行い、水系媒体中の芳
香族オキシカルボン酸の金属化合物がトナー表面に析出
されたトナーであり、該トナー1g中のメタノールによ
り抽出される芳香族オキシカルボン酸の質量をA、0.
1規定の水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるトナ
ー表面の芳香族オキシカルボン酸の質量をBとしたと
き、 B=0.05×10-3〜1.5×10-3g A/B=1.35〜3.00 を満足することを特徴とするトナーに関する。
【0069】以下の説明において、上記本発明のトナー
の製造方法及びトナーを、「本発明1」のトナーの製造
方法及びトナーと称す。
【0070】さらに、本発明は、重合性単量体及び着色
剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を、水系分
散媒体中で重合して、着色重合体粒子を生成させた後、
洗浄、脱水し、得られた湿潤着色重合体粒子を熱風を用
いた乾燥をすることによって、含水率0.1%以上1.
0%未満に水系分散媒体を除去した後、該着色重合体粒
子にアルキルサリチル酸の金属化合物を添加し、これら
を撹拌しながら、着色重合体粒子中に残存している未反
応の重合性単量体の残存量を200ppm以下になるま
で減圧乾燥を行って、アルキルサリチル酸の金属化合物
がトナー粒子表面を被覆しているトナー粒子を得ること
を特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0071】以下の説明において、上記トナーの製造方
法を、「本発明2」のトナーの製造方法と称す。
【0072】また、本発明は、トナー粒子と外添剤とを
有する負帯電性トナーとキャリアとを少なくとも含有す
る二成分系現像剤において、トナーが、0.1規定の水
酸化ナトリウム水溶液抽出成分のうち、UVの吸光度で
280〜350nmにピークを持つ化合物Aを、0.0
5×10-3〜1.5×10-3g/トナー1g含有してお
り、キャリアが、体積固有抵抗値が1011〜1015Ωc
mであることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0073】以下の説明において、上記二成分系現像剤
については、「本発明3」の二成分系現像剤と称す。
【0074】なお、単に「本発明」という場合は、「本
発明1」、「本発明2」及び「本発明3」のいずれにも
共通する事項である。
【0075】ここで、まず、本発明1の成立過程及び意
義について説明する。
【0076】フルカラー複写画像またはプリント画像用
のトナーに用いる荷電制御剤としてはカルボキル基を含
有する化合物が良く、重合トナーでもモノマー中に分散
させて用いられている。色の影響を考慮すると、無色又
は白色又は淡色の結晶状態のものが好ましく、特に、ア
ルキルサリチル酸金属錯体または錯塩または錯体と錯塩
の混合物はカラートナー用の荷電制御剤に適している。
【0077】しかしながら、重合法トナーはその製法の
特徴から水中での造粒工程及び重合工程が必要で、その
際モノマー中に分散或いは溶解した物質が水に対して溶
解性がある場合、或いは、不安定な場合、その物質の効
果が十分に働かなくなる恐れがある。
【0078】特にカラートナー用の荷電制御剤として有
効なアルキルサリチル酸金属錯体または錯塩または錯体
と錯塩の混合物を用いた場合、その影響が大きく、造粒
中及び重合中の60℃〜80℃の水系媒体中に、不純物
であるアルキルサリチル酸と共に溶解する。特に、不純
物質の方が選択的に水系媒体中へ溶解する傾向がある。
さらには荷電制御剤、及び、荷電制御剤の不純物が濾過
の工程でトナー表面に付着し、荷電制御剤の不純物が高
湿下でトナーの吸湿特性が向上し、電荷リークを引き起
こす。この傾向は、特に水系媒体が60℃以上でpHが
7以上の場合に著しい。これによって、帯電性低下を引
き起こすことが明らかになった。
【0079】また、このトナー表面に付着する荷電制御
剤、及び、荷電制御剤の不純物の量には再現性が乏し
く、トナーの生産上、トナーの帯電性におけるバッチ差
が生じる恐れがある。
【0080】残存モノマーの除去方法として、過硫酸塩
を重合後半に添加する方法が検討されている。過硫酸塩
はアルカリ領域下での重合速度が速い為、酸性で造粒及
び重合をした水系媒体中に炭酸ナトリウム等を添加し、
アルカリにして過硫酸塩を添加していた。これによって
効率的に、残存モノマーを除去することができた。しか
し、この方法では上記に述べたように、水系媒体がアル
カリである上、重合温度も60℃以上であるため、トナ
ー表面に多量の荷電制御剤の不純物が付着する。そこ
で、造粒工程から重合の工程に至るまで水系媒体中のp
Hを7以下で行うことによってこの問題に対する対策が
とられている。
【0081】この方法により、水中への荷電制御剤の不
純物はかなり抑えることが可能である。しかし、この方
法を用いた場合、トナー表面に十分な荷電制御剤を存在
させることが困難なため、トナーに十分な帯電性を与え
ることが不可能である。
【0082】そこで従来、荷電制御剤をモノマー中に分
散、又は、溶解させた場合、荷電制御剤を含有するトナ
ーにおいて、トナー1g中のメタノール抽出成分の質量
をA、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液抽出成分の
質量をBとした時、Bの値が2.0×10-3〜3.0×
10-3g,A/Bの値が1.05〜1.30であり、高
温高湿環境において、大きな帯電性の低下が見られた。
しかし鋭意研究を重ねた結果、Bの値が0.05×10
-3〜1.5×10-3g,A/Bの値が1.35〜3.0
0の範囲内とすることで、各環境下での帯電性低下を抑
えることが可能であることが分かった。
【0083】上記の範囲内に限定されるのは、以下の理
由による。トナー表面の荷電制御剤と荷電制御剤の不純
物は室温で、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液によ
って抽出されるが、この値が0.05×10-3g/g以
下のレベルまで洗浄すると、高い帯電性を維持すること
ができない。またこの値が1.5×10-3g/g以上の
場合、低湿環境において、帯電量が高くなりすぎて、扱
いにくい問題点がある。
【0084】室温で、メタノールによって抽出されるの
はトナー表面及び内部の荷電制御剤量とその不純物の合
計の値である。A/Bの値が1.35未満の場合、トナ
ー表面及び内部の荷電制御剤の量がトナー表面の荷電制
御剤、荷電制御剤の不純物量の割合よりも小さいため、
トナー表面の荷電制御剤の不純物の効果が大きく、高温
高湿環境に放置すると帯電量の低下が起こる。A/Bの
値が3.00を超える場合は、荷電制御剤の添加量に関
係なく、濾過後の洗浄工程において洗浄量を増やすこと
によって達成される値である。しかし、この値以上にな
るまで洗浄すると上記で述べたのと同様に、トナー表面
の荷電制御剤や帯電に寄与する物質の流失、分解、或い
は変質していく。このため、高い帯電性を維持すること
ができない。
【0085】つまり、上記に範囲を限定したトナーを製
造することによって、各環境での帯電性低下を抑えるこ
とが可能である。上記の範囲内のトナーを製造する方法
としては、トナーを濾過による固液分離した後、洗浄水
の量と流速によって調整することが可能である。しか
し、多量に水を使用する必要があること、季節により水
温が変わること等の理由から生産上容易に上記の条件を
満足するトナーを製造することは困難である。また、モ
ノマー中への荷電制御剤の添加量を調整する方法も考え
られるが、添加量を極端に変化させると、所望の粒度分
布を持つトナーを得ることができず、荷電制御剤を添加
できる量の範囲は比較的狭い。
【0086】本発明1では、このような荷電制御剤の水
系媒体中の溶出によるバッチ差を防ぐ手段として、荷電
制御剤のモノマー中への内添量と水系媒体中への添加量
をコントロールすることで上記を満たすトナーを容易に
製造することが可能である。また、上記の条件を満たす
ことができなくとも、トナー表面の荷電制御剤の不純物
量が水系媒体中へ添加した荷電制御剤の量に対して少な
いため、安定した帯電量を維持することができる。
【0087】具体的には、pH9〜pH13のアルカリ
水溶液に可溶な荷電制御剤を造粒または重合中に水系媒
体中へ溶解させ、第1反応課程では水系媒体中のpHを
4.5〜9.0にし、モノマー中に内添させた荷電制御
剤の水中への溶出を極力抑え、第2反応課程ではpHを
9〜13にし、第2反応課程で水系媒体中に添加した荷
電制御剤を確実に溶解させる。その後、pH1.0〜p
H2.5の酸処理によりトナー表面の分散剤を除去する
と同時に、トナーから溶出する荷電制御剤と水系媒体中
へ添加した荷電制御剤をトナー表面に析出させる。この
際、トナーから荷電制御剤の不純物質も存在するが、水
系媒体中へ添加した荷電制御剤の効果の方が大きく働く
ためトナーにおける帯電性に問題は生じない。また、酸
処理における水系媒体中のpHが1.0未満の場合、ト
ナー表面の荷電制御剤が分解し、pHが2.5超の場
合、分散剤が溶解せず除去できない。従って酸処理にお
けるpHは1.0〜2.5が好ましい。これによって、
均一にトナー表面に同一結晶の荷電制御剤を付着させる
ことが可能である。また、生産上、各バッチにおいて安
定したトナーを製造することが可能である。
【0088】次に、本発明2の成立過程及び意義につい
て説明する。
【0089】本発明者らは、上記した従来技術の問題点
を解決すべく鋭意検討の結果、少なくとも重合性単量体
と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散
媒体中で重合して、着色重合体粒子を生成させた後、洗
浄、脱水し、得られた湿潤状態の着色重合体粒子を熱風
を用いた乾燥をすることによって、含水率0.1%以上
1.0%未満に実質的に水系分散媒体を除去した後、着
色重合体粒子にアルキルサリチル酸の金属化合物を添加
し、これらを撹拌しながら減圧乾燥を行えば、乾燥機の
安定な運転が阻害されることなく、トナー同士の凝集に
よるダマの発生が抑制され、後工程で外添剤を均一に付
着させることができるので、湿潤トナーの乾燥段階で現
像剤としての性能が損なわれることなく、しかもトナー
粒子中に残存している未反応の重合性単量体が容易に除
去され、その残存量を200ppm以下であり、アルキ
ルサリチル酸の金属化合物の不純物が除去された、アル
キルサリチル酸の金属化合物がトナー粒子表面を被覆し
ているトナー粒子が効率良く得られることを見い出して
本発明に至った。
【0090】従来の重合トナーの製造方法で使用された
流動層乾燥機では、未反応の重合性単量体の残存量を2
00ppm以下に除去するには、水分が(含水率とし
て)0.1%以下に除去された後も、乾燥を継続する必
要があり、前述のように、水分が除去されてしまうと、
トナー粒子のように帯電性を伴う粒子では、流動室の壁
面に付着を起こし、さらには流動室の壁面に付着した粒
子が、塊の状態で剥離し、全体として、未反応の重合性
単量体の除去が不均一なものになり、現像剤としての性
能の低下、及び作業性の低下の問題を生じた。
【0091】また、(真空)減圧式の乾燥方法を初期か
ら用いて乾燥を行う場合、非常に長い乾燥時間を要し、
また、水分が除去される際にトナー同士の凝集によるダ
マが生じる。ダマが発生すると、後工程でトナーに外添
を行う際トナー表面に外添剤が均一に付着しないため、
現像剤としての性能に問題を生じる。また、凝集したダ
マの内部から粒子中に残存している未反応の重合性単量
体を除去することは難しく、不均一なものになり、上述
したような問題を生じる。
【0092】一方、本発明3に関しては、本発明者らの
研究・検討の結果、トナー表面にUVの吸光度で280
〜350nmにピークを有する特定構造の物質を特定量
含有している3〜9μmのトナー粒子を、比較的高抵抗
のキャリアと組み合わせた現像剤が、諸特性改良におい
て有効であることを見出し本発明に到達したものであ
る。
【0093】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施形態を挙げて本
発明を詳細に説明する。
【0094】本発明のトナーを重合方法で製造する際に
用いられる重合性単量としては、スチレンモノマーと、
ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられ
る。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性
単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出
来る。
【0095】単官能性重合性単量体としては、α−メチ
ルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、
p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きス
チレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルア
クリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミ
ルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、
n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエ
チルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアク
リレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレー
ト、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きア
クリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso
−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチル
メタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキ
シルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリ
レート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレー
ト、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如
きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカル
ボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢
酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエ
ステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル、
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイ
ソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0096】多官能性重合性単量体としては、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、エチレングルコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレー卜、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ
クリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニル
エーテル等を挙げられる。
【0097】本発明においては、スチレンモノマーと、
上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上
組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と
多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能
性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能であ
る。
【0098】上記した重合性単量体の重合の際に用いら
れる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶
性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤として
は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,
1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシク
ロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイ
ド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如き
をパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0099】水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−
ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス
(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又
は過酸化水素が挙げられる。
【0100】本発明においては、重合性単量体の重合度
を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加
し用いることも可能である。
【0101】本発明のトナー製造方法として懸濁重合を
利用する場合には、用いる分散剤として例えば無機系酸
化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウ
ム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウ
ム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグ
ネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウ
ム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シ
リカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。
有機化合物としては、ポリビニルアルコール,ゼラチ
ン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセル
ロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロー
スのナトリウム塩,デンプン等を水相に分散させて使用
できる。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に
対して0.2〜10.0質量部を使用することが好まし
い。
【0102】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得
るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を
生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウム
の場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液
と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に
好ましい分散剤を得ることができる。
【0103】また、これら分散剤の微細化の為に、0.
001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。
具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界
面活性剤が利用でき、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナ
トリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンダデシル
硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸
ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリ
ウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0104】本発明で用いられる着色剤としては、公知
のものを使用することができる。
【0105】例えば、黒色顔料としては、カーボンブラ
ック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタ
イト等が挙げられる。
【0106】黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブル
スイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエロー
G、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベ
ンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パー
マネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が挙げ
られる。
【0107】橙色顔料としては、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベン
ジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジ
RK、インダンスレンブリリアントオレンジGK等が挙
げられる。
【0108】赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネン
トレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウ
ォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レー
キッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカー
ミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、ア
リザリンレーキ等が挙げられる。
【0109】青色顔料としては、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部
分塩化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブ
ルーBG等が挙げられる。
【0110】紫色顔料としては、ファストバイオレット
B、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
【0111】緑色顔料としては、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグ
リーンG等が挙げられる。
【0112】白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、
アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
【0113】これらの着色剤は、単独又は混合して、更
には固溶体の状態で用いることができる。
【0114】本発明で使用する着色剤は、色相角、彩
度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性
の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100
質量部に対して1〜20質量部用いるのが良い。黒色着
色剤としては磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異
なり、樹脂100質量部に対し30〜150質量部で用
いるのが良い。
【0115】本発明の静電荷像現像用トナーを透光性カ
ラートナーとして用いる場合の着色剤としては、以下に
示す様な、シアン着色剤、マゼンタ着色剤及びイエロー
着色剤を使用することができる。
【0116】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
利用できる。
【0117】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
22、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0118】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に用いられる。
【0119】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相
角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への
分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂
又はモノマー100質量部に対し1〜20質量部添加し
て用いられる。
【0120】本発明においては、重合法を用いてトナー
粒子を製造する為に、着色剤の持つ重合阻害性や水相移
行性に注意を払う必要がある。必要により、重合阻害の
ない物質による着色剤の表面の疎水化処理を施して表面
改質をおこなっても良い。特に、染料やカーボンブラッ
クは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際
に注意を要する。
【0121】染料を処理する好ましい方法として、予め
これらの染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方
法が挙げられる。得られた着色重合体を重合性単量体組
成物に添加する。カーボンブラックについては、上記染
料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と
反応する物質(例えば、オルガノシロキサン等)で処理
を行ってもよい。
【0122】本発明で使用される重合開始剤として例え
ば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオ
キシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロ
ピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロ
イルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられ
る。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により
変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20質量%
添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合法によ
り若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は
混合し利用される。
【0123】重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖
移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能で
ある。
【0124】負荷電制御用としては、カルボキシ基を含
有する化合物(例えばアルキルサリチル酸金属キレート
等)、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金属塩等
があげられ、特にアルミ、亜鉛またはジルコニアが配位
するアルキルサリチル酸は白色結晶の粉末であることか
らフルカラー用トナーとして好適に使用される。
【0125】離型剤(オフセット防止剤)としては、脂
肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪
酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオ
イル、各種ワックス等があげられる。中でも、重量平均
分子量が1000〜10000程度の脂肪族系炭化水素
が好ましい。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低
分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭素原子数
4以上のオレフィン単位からなる低分子量のオレフィン
重合体等の1種または2種以上の組み合わせが適当であ
る。
【0126】離型剤は、結着樹脂100質量部に対して
0.1〜15質量部の割合で使用される。本発明のトナ
ーは、懸濁重合法において、モノマーに溶解させて重合
させる。このようにして得られるトナーは中心部分に離
型剤の層を形成する。
【0127】極性基を有する樹脂の添加量は、トナー粒
子中の結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜
20質量部、より好ましくは2.5〜15質量部の範囲
である。1質量部未満では、トナー粒子の上層としての
機能が低下し、20質量部を超えると、トナー粒子に形
成される上層が過剰になり、トナーの帯電安定性が低下
しやすい。
【0128】極性基を有する樹脂の中でも、ポリエステ
ル樹脂又はその誘導体が好ましい。代表的なポリエステ
ル樹脂の組成は以下の通りである。
【0129】ポリエステル系樹脂のアルコール成分とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、又は下
記式(I)で表されるビスフェノール誘導体、又、下記
(II)で示されるジオール類等が挙げられる。
【0130】
【化5】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及び
yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値
は2〜10である。)
【0131】
【化6】
【0132】本発明のトナーの粒径は、3〜35μmで
あることが好ましく、5〜25μmであることがより好
ましい。本発明のトナーの表面には、表面処理剤(流動
化剤)をまぶして、流動性や帯電性を向上させることも
できる。表面処理剤としては、無機微粒子やフッ素樹脂
粒子等の、従来公知の種々の材料を使用でき、特に、疎
水性または親水性のシリカ微粒子を含むシリカ系表面処
理剤、例えば超微粒子状無水シリカやコロイダルシリカ
等が好適に使用される。
【0133】本発明2のトナーの製造方法においては、
重合性単量体組成物を重合して、着色重合体粒子を生成
させた後、洗浄し、得られた着色重合体粒子を含むスラ
リーを脱水し、得られた湿潤着色重合体粒子を乾燥原料
として用いるが、湿潤着色重合体粒子を乾燥原料として
用いる場合、このような乾燥前の湿潤着色重合体粒子
は、粉体としての流動性の点から含水率40%以下であ
ることが好ましい。また、さらには30%以下がより好
ましい。ここでいう「含水率」とは、湿量基準含水率、
すなわち、全質量(乾燥トナー質量と水分質量との和)
に対する水分質量の比率をいい、105℃における加熱
減量法によって求めた値を用いた。
【0134】このような含水率を有するトナー粒子は、
通常の固液分離手段(例えば、濾過)により容易に得ら
れるが、このような含水率を得るために予備的に乾燥を
行っても良い。
【0135】本発明2においては、このような被乾燥物
を熱気流中で粉粒状に分散させ、高速熱気流と並流に送
りながら瞬間的に乾燥する装置としては、例えば、図1
に示すようなループタイプの乾燥管2を有する気流乾燥
機等が挙げられるが、特に制限されるものではない。
【0136】図1に示す熱気流乾燥機は、熱風発生器1
において所定の温度に加熱した圧縮空気は気流分散部3
で超音速で吐出され、スラリーまたは湿潤粒子供給装置
6から供給された被乾燥物を、分散し、ループ型の気流
乾燥管2中で瞬時(0.5〜10秒)に乾燥される。気
流抜き出し口4は、ループ型の気流乾燥管の内側にする
ことにより、乾燥品と未乾燥品をコアンダ効果により分
級し、乾燥品はサイクロン5により気流と分離され、取
出し口7より系外に出すことができる。
【0137】また、上記乾燥管2から出た粒子中の粗粒
を別途分級機で分級して被乾燥物供給装置6に返し、一
定の粒度範囲の粒子のみをサイクロン5に供給して所望
のトナー粒子を得ることにより分級と乾燥を連続して行
うこともできる。尚、気流乾燥機の乾燥管の形式は、上
記のループタイプの他、直管式、滞留時間増加のために
中胴を拡大したもの、粒子に渦流運動を与えて水平管底
部に堆積するのを防ぐ型式など各種の形の乾燥管を用い
ることができるが、図1に示すようなループタイプの乾
燥管を有する気流乾燥機が最も好ましい。
【0138】本発明2において、熱気流による乾燥は、
40〜150℃、好ましくは60〜120℃に加熱した
圧縮空気を用いるのが好ましい。加熱温度が40℃より
低いと乾燥効率が低下し、150℃より高いとトナーの
融着を起こすため好ましくない。
【0139】本発明2において好ましく用いられるこの
ような被乾燥物(湿潤粒子)を高速熱気流中で粉粒状に
分散させ、熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥する
装置としては、具体的にはフラッシュジェットドライヤ
ー(セイシン企業社製)やフラッシュドライヤー(ホソ
カワミクロン社製)などがあげられる。
【0140】また、本発明2において好ましく用いられ
るこのような被乾燥物(湿潤粒子)を浮遊懸濁させて流
動層を形成させて乾燥させる装置としては、流動層乾燥
機(大川原製作所社製)や振動流動層乾燥機(中央化工
機社製)などが挙げられる。
【0141】本発明2のトナーの製造方法においては、
上記のようにして、熱風を用いた乾燥をして、着色重合
体粒子の含水率が0.1%以上1.0%未満の範囲とな
るようにした後、この一次乾燥が終了した着色重合体粒
子にアルキルサリチル酸の金属化合物を添加し、これら
を撹拌しながら、未反応の重合性単量体の残存量を20
0ppm以下になるまで減圧乾燥を行う。
【0142】本発明2において使用するアルキルサリチ
ル酸の金属化合物は、最終的にトナーの表面を被覆し、
転写効率の向上に供するが、その一次粒径は、0.2μ
m以下と小さく、一次乾燥が終了した着色重合体粒子に
対して流動性の付与または、凝集抑制の効果がある。し
たがって、このようなアルキルサリチル酸の金属化合を
着色重合体粒子に添加した後、これらを撹拌しつつ減圧
乾燥を行うことにより、減圧式の乾燥機内で、着色重合
体粒子は、粒子同士の付着・凝集、さらには粒子と装置
との付着を生じることなく循環し、さらに乾燥機の外壁
から、均一に効率よく、熱を受けるため、トナー粒子中
に残存している未反応の重合性単量体の残存量を200
ppm以下にすることができる。また同時に、アルキル
サリチル酸の金属化合に含まれる不純物であるアルキル
サリチル酸を昇華させ減少させることができる。
【0143】更に、上記乾燥終了後、乾燥着色重合体粒
子を減圧式乾燥機から取出す際に、流動性が良く、装置
内への付着がないため、良好に取出すことができる。
【0144】本発明2のトナーの製造方法に用いる、実
質的に水系分散媒体を除去した後に用いる撹拌機構を備
えた減圧式乾燥機は、真空(=減圧)乾燥の状態で着色
重合体粒子を乾燥できる装置であれば、特に制限なく用
いることが可能である。本発明においては、例えば、図
2及び図3に模式側面図を示すような態様の撹拌減圧式
乾燥機が好ましく用いられる。以下これらについて説明
する。
【0145】図2に示した減圧乾燥装置は、逆円錐形状
の容器32の上部に配置した駆動装置33に駆動アーム
34を介して連結したスクリュー式の撹拌部材35が回
転しながら容器32の内周面に沿って旋回するように構
成され、容器32内の処理原料を下方から上方に持ち上
げながら撹拌と分散を繰り返し付与するもので、容器3
2内全体にわたって効率よく撹拌混合させることができ
る。容器32の上部には原料供給口36と排気口37
が、下方には製品の取出し口38が取出し用バルブ39
を連結させて設けられている。原料供給口36には気密
な蓋16が取付けられ、排気口37にはバッグフィルタ
10が接続されている。
【0146】また、容器32の周囲にはジャケット11
が付設されており、ジャケット11には蒸気供給口12
と冷却水供給口13および排出口14がもうけられてお
り、蒸気供給口12には図には省略してあるが蒸気発生
用ボイラーが接続され、冷却水供給口13には冷却水ポ
ンプ16が接続されている。
【0147】また、容器32の蒸気注入口17が容器3
2の上方と下方位置二か所に設けられており、下方側の
供給量を多くして注入時に原料の撹拌効果を得るように
しており、いずれもアキュムレータ18を介して蒸気発
生用ボイラー19に接続されている。このアキュムレー
タ18は容器32内に飽和または過熱蒸気をすばやく送
り込むためのものであり、容器32内の原料の加熱を短
時間で終了させるためには不可欠のものである。容器3
2は、真空ポンプ28により排気口37からバッグフィ
ルタ10、コールドトラップ20を介して減圧を行える
ようになっている。
【0148】バッグフィルタ10内は、仕切り板21に
よって上下二つの室に区画されており、下方側には筒状
のろ布22が吊下げられ、上方側にはコールドトラップ
20に接続される排気口23とろ布22の中心上方位置
に洗浄用ノズル24が配設され、コンプレッサ25から
の高圧空気を間欠的に噴射してろ布22を逆洗浄するよ
うになっている。また、ろ過器26と洗浄用ノズル24
との間にはアキュムレータ27を付設している。このア
キュムレータ27にはコンプレッサ25側の高圧空気の
供給量不足を補い、圧力変動の少ない安定した状態で一
定量の高圧空気を洗浄用ノズル24に送り込むと共に、
ろ過器26を通過する空気の流量および通過速度をほぼ
一定に保たせて、ろ過器26によるろ過効果を安定させ
るものである。
【0149】また、ガス供給は、ガス供給口30から供
給され、装置内部下部のトナー粒子のブロッキングを抑
制し、かつ効率よく粒子表面から付着水分あるいは残留
重合性単量体等を蒸発させるためのキャリアガスとして
働く。したがって、ガス供給を行うことが、効率向上の
面から好ましい。
【0150】バッグフィルタ10から排気される加湿空
気はコールドトラップ20に送り込まれて凝縮され、水
分等はドレンとして排出され、空気は真空ポンプ28よ
り排気される。また、コールドトラップ20には冷却水
を送り込むためのポンプ29が接統される。
【0151】上記容器32内に導入するガスの種類は特
に制限されるものではなく、窒素等の不活性ガスや空気
を用いる。
【0152】また、図3における減圧乾燥装置は、逆円
錐形状の容器32の上部に配置した駆動装置33に二重
螺旋構造をしたリボン翼40が回転するように構成さ
れ、容器32内の処理原料を下方から上方に持ち上げな
がら撹拌と分散を繰り返し付与するもので、容器32全
体にわたって効率よく撹拌混合させることができる。そ
の他の部分は図2の減圧乾燥装置と共通であるので説明
は省略する。
【0153】本発明2に好ましく用いられる実質的に水
系分散媒体を除去した後に用いる撹拌減圧式乾燥機とし
て、具体的にはナウターミキサー(ホソカワミクロン社
製)、リボコーン(大川原製作所社製)、SVミキサー
(神鋼パンテック社製)などが挙げられる。
【0154】本発明2のトナーの製造方法において、上
記したような撹拌減圧式乾燥機で乾燥させる際に、着色
重合体粒子に添加するアルキルサリチル酸の金属化合物
は、低結晶性または非晶性であるアルキルサリチル酸の
金属錯塩または金属錯体または金属錯塩と金属錯体の混
合物であることが好ましい。
【0155】アルキルサリチル酸の金属錯塩または金属
錯体が低結晶性または非晶性であると、最終的にトナー
表面を均一に被覆することが可能となり、トナー表面を
被覆したアルキルサリチル酸の金属錯塩または金属錯体
が転写時に起こるトナー電荷のリーク(トナーあるいは
感光体と転写材間において発生する放電等によりトナー
の帯電量が減少する、あるいは逆極性に帯電してしまう
現象)を防ぎ、且つ、感光体とトナーの摩擦によりトナ
ーの帯電量が上がり、転写材との静電的付着力が大きく
なるために転写効率が向上すると考えている。アルキル
サリチル酸の金属錯塩または金属錯体または金属錯塩と
金属錯体の混合物が結晶性物質である場合、結晶である
ために硬く、トナーを被覆するのではなく、結晶はトナ
ーに埋め込まれてしまう。また、添加量を増やしても不
均一に埋め込まれてしまい、トナー全体を均一に覆うこ
とは出来ない。更に結晶が大きい場合はトナーに埋め込
むことも不可能となってしまう。そのため、トナー電荷
のリークを防ぐことが出来ず、転写材上に転写したトナ
ーが感光体上に戻ってしまう「再転写」と呼ばれる現象
を防ぐことは出来ない。
【0156】さらに、本発明2のトナーの製造方法にお
いて、上記したような撹拌減圧式乾燥機で乾燥させる際
に、着色重合体粒子に添加するアルキルサリチル酸の金
属化合物は、特に中心金属がアルミニウムまたはジルコ
ニウム化合物であると再転写の防止効果が大きく、且つ
転写効率が高い。これはオキシカルボン酸のアルミニウ
ムあるいはジルコニウム化合物であるとトナーの帯電性
が向上し、大きな帯電量が得られると共に、トナーの被
覆性が良好であるためであると考えている。
【0157】また、アルキルサリチル酸の金属化合物の
一次粒径が0.2μmより大きい場合には、トナーの流
動性を向上させる効果が少なくなるため、0.2μm以
下のものが好ましく、一次粒子に解砕処理をしたものが
より好ましい。
【0158】本発明2に用いられるトナーは、高画質化
のためより微小な潜像ドットを忠実に現像するために、
トナーもより微小粒径の、具体的にはコールターカウン
ターにより測定された重量平均径が4μm〜8μmで個
数変動係数が35%以下のトナーが最も好ましい。重量
平均径が4μm未満のトナーにおいては、転写効率の悪
さから感光体や中間転写体上に転写残トナーが多く発生
し、カブリ,転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因
となる。また、トナーの重量平均径が8μmを超える場
合には、部材への融着が起きやすく、トナーの個数変動
係数が35%を超えると更にその傾向が強まり問題とな
る。
【0159】本発明2に係るトナーに用いられる低軟化
点物質としては、ASTM D3418−8に準拠し測
定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合
物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化
点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフ
セット性が弱くなりフルカラートナーには好ましくな
い。一方極大ピークが90℃を超えると定着温度が高く
なり、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難
となり混色性の点から好ましくない。更に直接重合方法
によりトナーを得る場合においては、水系で造粒,重合
を行うため極大ピーク値の温度が高いと、主に造粒中に
低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ま
しくない。
【0160】上記の極大ピーク値の温度の測定には、例
えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検
出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量
の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプ
ルは、アルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセッ
トし、昇温速度10℃/分で測定を行う。
【0161】具体的にはパラフィンワックス,ポリオレ
フィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,
アミドワックス,高級脂肪酸,エステルワックス及びこ
れらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等
が利用できる。好ましくは下記一般構造式で示す炭素数
が10以上の長鎖エステル部分を1個以上有するエステ
ルワックスが、OHPの透明性を阻害せずに耐高温オフ
セット性に効果を有するので本発明2においては特に好
ましい。本発明2に好ましい具体的なエステルワックス
の代表的化合物の構造式を以下に一般構造式,一般構
造式及び一般構造式として示す。
【0162】
【化7】 (式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4で
あり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、
且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示し、
n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0に
なることはない。)
【0163】
【化8】 (式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4で
あり、R1は炭素数が1〜40の有機基を示し、n及び
mは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になるこ
とはない。)
【0164】
【化9】 (式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以
下であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示
し、且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示
し、R3は炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは
0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることは
ない。)
【0165】本発明2で好ましく用いられるエステルワ
ックスは、硬度0.5〜5.0を有するものが好まし
い。エステルワックスの硬度は、直径20mmφで厚さ
が5mmの円筒形状のサンプルを作製した後、例えば島
津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−20
0)を用いビッカース硬度を測定した値である。測定条
件は、0.5gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の
条件で10μm変位させた後15秒間保持し、得られた
打痕形状を測定しビッカース硬度を求める。硬度が0.
5未満の低軟化点物質では定着器の圧力依存性及びプロ
セススピード依存性が大きくなり、耐高温オフセット効
果の発現が不十分となりやすく、他方5.0を超える場
合ではトナーの保存安定性に乏しく、離型剤自身の自己
凝集力も小さいため同様に耐高温オフセットが不十分と
なりやすい。具体的化合物としては、下記化合物が挙げ
られる。
【0166】
【化10】
【0167】近年フルカラー両面画像の必要性も増して
きており、両面画像を形成せしめる際においては、最初
に表面に形成された転写紙上のトナー像が次に裏面に画
像を形成する時にも定着器の加熱部を再度通過する可能
性があり、よりトナーの耐高温オフセット性を十分に考
慮する必要がある。その為に本発明においては、多量の
低軟化点物質の添加が望ましい。具体的には、低軟化点
物質をトナー中に5〜40質量%添加することが好まし
い。5質量%未満の添加では、十分な耐高温オフセット
性を示さず、更に両面画像の定着時において裏面の画像
がオフセット現象を示す傾向がある。また40質量%を
超える場合は、造粒時にトナー粒子同士の合一が起きや
すく、粒度分布の広いものが生成しやすく、本発明には
不適当であった。
【0168】本発明2のトナー粒子を製造する方法とし
ては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−5
3856号公報、特開昭59−61842号公報に述べ
られている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する
方法を用いトナーを製造することが可能である。
【0169】本発明2においては、一旦得られた重合粒
子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重
合せしめる所謂シード重合方法も本発明に好適に利用す
ることができる。
【0170】また、本発明2において、定着性の観点か
ら多量の低軟化点物質をトナーに含有せしめることを考
えると、必然的に低軟化点物質を外殻樹脂中に内包化せ
しめる必要がある。低軟化点物質を内包化せしめる具体
的方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量
体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極
性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化
点物質を外殻樹脂で被覆した所謂コア−シェル構造を有
するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御
や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用
をする分散安定剤の種類や添加量を変える方法や機械的
装置条件、例えばローターの周速,パス回数,撹拌羽根
形状等の撹拌条件や容器形状又は、水溶液中での固形分
濃度等を制御することにより所定の本発明のトナーを得
ることができる。
【0171】本発明2においてトナーの断層面を測定す
る具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中に
トナーを十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2
日間硬化させ、得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、
必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した
後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状
のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用い
トナーの断層形態を測定した。本発明2においては、用
いる低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との若干の結晶
化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるた
め、四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好まし
い。代表的な一例を図4に示す。明らかに低軟化点物質
が外殻樹脂で内包化されていることが観測された。
【0172】本発明2のトナー製造方法においては、以
下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造するこ
とが可能である。
【0173】即ち、重合性単量体中に低軟化点物質から
なる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の
添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によっ
て均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤
を含有する水相中に通常の撹拌機またはクリアミキサ
ー、ホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめ
る。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズ
を有するように撹拌速度,時間を調整し、造粒する。そ
の後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、
且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度
に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に
昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等と
なる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するため
に反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去し
ても良い。懸濁重合法においては、通常単量体系100
質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒とし
て使用するのが好ましい。
【0174】反応終了後、生成した着色重合体粒子(ト
ナー粒子)を洗浄・濾過により回収し、湿潤状態の着色
重合体粒子を、先に説明した本発明の乾燥方法によって
乾燥して、アルキルサリチル酸の金属化合物をトナー表
面に被覆したトナーを得る。
【0175】本発明2においては、上記のようにして得
られる乾燥したアルキルサリチル酸の金属化合物をトナ
ー表面に被覆したトナー粒子は、更に機械的衝撃力を付
与し、トナー粒子へのアルキルサリチル酸の金属化合物
の付着状態を調整することが好ましい。即ち、ヘンシェ
ルミキサーの如き乾式混合機により、機械的衝撃力を付
与してトナー粒子への外添剤の付着状態を調整すること
が好ましい。より具体的には、ヘンシェルミキサーの高
速回転羽根の周速及び、処理時間を調整して、トナー粒
子への外添剤の付着状態を調整する。
【0176】またこのとき、必要に応じ、さらに流動性
付与剤、帯電性付与剤、研磨剤等の外添剤を加え、同時
に処理または、さらに追加して処理することが好まし
い。
【0177】次に、本発明3の現像剤に用いられるキャ
リアについて説明する。
【0178】本発明3に用いられるキャリアは1011
1015Ωcmと高抵抗キャリアであり、好ましくは磁性
微粒子分散型樹脂キャリア(以下、「磁性樹脂キャリ
ア」と称す)が挙げられる。特に特定のカップリング剤
で粒子表面が処理されている複合体粒子で形成されてお
り、無機化合物粒子を分散させてなるものである。
【0179】本発明3における複合体粒子を構成する無
機化合物粒子粉末は、水に溶解せず、又は水によって変
質・変性しないものであればよい。磁性無機化合物粒子
粉末としては、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒
子粉末、これらにコバルトを被着させ又は含有させた粒
子粉末、バリウム、ストロンチウム又はバリウム−スト
ロンチウムを含むマグネトプランバイト型フェライト粒
子粉末、マンガン、ニッケル、亜鉛、リチウム及びマグ
ネシウム等から選ばれた1種又は2種以上を含むスピネ
ル型フェライト粒子粉末等の各種磁性粒子粉末が使用で
きる。非磁性無機化合物粒子粉末としては、ヘマタイト
粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子粉末、酸化チタン粒子粉
末、シリカ粒子粉末、タルク粒子粉末、アルミナ粒子粉
末、硫酸バリウム粒子粉末、炭酸バリウム粒子粉末、カ
ドミウムイエロー粒子粉末、炭酸カルシウム粒子粉末、
亜鉛華粒子粉末等が使用できる。
【0180】無機化合物粒子粉末の粒子形態は、立方体
状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒
子をも使用することができる。平均粒子径は、複合体粒
子の平均粒子径よりも小さい粒子であればよく、0.0
2〜5.0μm、特に、磁性粒子粉末(a)が0.02
〜2μm、非磁性粒子粉末(b)が0.05〜5μm、
1.5a<bが好ましい。
【0181】磁性粒子粉末と非磁性粒子粉末との混合割
合は、磁性粒子粉末が少なくとも30質量%含有されて
いることが好ましい。
【0182】無機化合物粒子粉末は、その全部又は一部
が親油化処理剤で処理されている。
【0183】親油化処理剤としては、エポキシ基、アミ
ノ基、メルカプト基、有機酸基、エステル基、ケトン
基、ハロゲン化アルキル基及びアルデヒド基からから選
ばれた1種又は2種以上の官能基を有する有機化合物や
それらの混合物が使用でき、いずれも本発明の目的を達
成することができる。これらのうち、官能基を含むカッ
プリング剤が好ましく、特にシラン系カップリング剤が
好ましい。さらに、好ましい官能基としては、エポキシ
基、アミノ基及びメルカプト基が、キャリアの粒度分布
がシャープになる点で好ましく、さらには、エポキシ基
が、温湿度の影響を受けにくく、キャリアの帯電付与能
が安定する点で好ましい。
【0184】エポキシ基を有する有機化合物としては、
エピクロルヒドリン、グリシドール、スチレン−(メ
タ)アクリル酸グリシジル共重合体等がある。
【0185】エポキシ基を有するシラン系カップリング
剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメト
キシシラン等がある。
【0186】アミノ基を有する有機化合物としては、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、スチレン−
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体等が
ある。
【0187】アミノ基を有するシラン系カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0188】アミノ基を有するチタン系カップリング剤
としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタ
ネート等がある。
【0189】メルカプト基を有する有機化合物として
は、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等
がある。
【0190】メルカプト基を有するシラン系カップリン
グ剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等がある。
【0191】有機酸基を有する有機化合物としては、オ
レイン酸、ステアリン酸、スチレン−アクリル酸等があ
る。
【0192】エステル基を有する有機化合物としては、
ステアリン酸エチル、スチレン−メタクリル酸メチル等
がある。
【0193】ケトン基を有する有機化合物としては、シ
クロヘキサノン、アセトフェノン、メチルエチルケトン
樹脂等がある。
【0194】ハロゲン化アルキル基を有する有機化合物
としては、クロロヘキサデカン、クロロデカン等があ
る。
【0195】アルデヒド基を有する有機化合物として
は、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等があ
る。
【0196】本発明3における親油化処理剤の量は、無
機化合物粒子粉末に対し0.1〜5.0質量%が好まし
い。
【0197】0.1質量%未満の場合には、樹脂の被覆
を複合体粒子表面に密着させることが困難となり、ま
た、親油化処理が不十分なために無機化合物粒子の含有
量の高い複合体粒子が得ることができない。
【0198】5.0質量%を超える場合には、樹脂の被
覆を複合体粒子表面に密着させることはできるが、生成
した複合体粒子同士の凝集が生じ、複合体粒子の粒子サ
イズの制御が困難になる。
【0199】本発明3における複合体粒子を構成するバ
インダー樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。
【0200】熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿
素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、キシ
レン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フラン樹脂、シリコ
ーン系樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂等があり、
これらの樹脂は単独でも2種以上を混合しても構わない
が、少なくともフェノール樹脂を含有していることが好
ましい。
【0201】本発明3における複合体粒子を構成するバ
インダー樹脂と無機化合物粒子粉末との割合は、バイン
ダー樹脂1〜20質量%と無機化合物粒子粉末80〜9
9質量%であることが好ましい。
【0202】本発明3に係る磁性キャリアは、複合体粒
子の粒子表面がエポキシ基、アミノ基及びメルカプト基
から選ばれた1種又は2種以上の官能基を有するカップ
リング剤で被覆されている。カップリング剤に含まれる
官能基は、複合体粒子中の無機化合物粒子粉末を処理し
ている親油化処理剤に含まれる官能基と反応するものを
選択することが好ましい。
【0203】例えば、無機化合物粒子粉末を処理した親
油化処理剤に含まれる官能基がアミノ基である場合に
は、被覆カップリング剤に含まれる官能基はエポキシ基
やメルカプト基を選択すればよい。無機化合物粒子粉末
を処理した親油化処理剤に含まれる官能基がエポキシ基
である場合には、被覆カップリング剤に含まれる官能基
はアミノ基が好ましい。
【0204】なお、被覆カップリング剤に含まれる官能
基と無機化合物粒子粉末を処理した親油化処理剤に含ま
れる官能基が例えばともに同じアミノ基であった場合に
は、弱い水素結合を形成することによって幾分かの効果
を持つが、その結合力は弱いものである。
【0205】これらの官能基の反応は、シランカップリ
ング剤を例にとると以下の通りである。
【0206】
【化11】
【0207】被覆カップリング剤の種類は、無機化合物
粒子粉末の親油化処理に用いた前述の各種カップリング
剤のいずれであってもよいが、特にシラン系カップリン
グ剤が、キャリアの流動性を損わない点で好ましい。
【0208】カップリング剤による被覆量は、複合体粒
子に対し0.001〜5.0質量%が好ましい。0.0
01質量%未満の場合には、カップリング剤の被覆を複
合体粒子表面に密着させることが困難となり、帯電量の
耐久性に問題が生じる。5.0質量%を超える場合に
は、カップリング剤の被覆を複合体粒子表面に密着させ
ることができるが、余剰のカップリング剤の存在に起因
して、長時間の使用による帯電量の変化が生起するとい
う問題が生じる。
【0209】さらに、樹脂被覆する場合には、その使用
量は、0.005〜4.0質量%が、樹脂の密着強度を
高める上で好ましい。
【0210】カップリング剤で被覆されている本発明に
係る磁性キャリア粉末の粒子サイズは、平均粒子径が1
0〜200μmが好ましい。平均粒子径が10μm未満
の場合は、磁性キャリア粒子自体が感光体に飛んでしま
い、画像上の欠陥を生じてしまう所謂、キャリア付着を
生じてしまう。200μmを超える場合は、鮮明な画像
を得ることが困難となる。
【0211】特に高画質化、高品位化のためには平均粒
子径が10〜50μmの範囲がより好ましく、さらには
平均粒子径15〜45μmが、写真原稿等の画像比率の
高いトナー消費量の多いオリジナル連続プリントした際
も、補給トナーの混合搬送性に優れる点で、より一層好
ましい。
【0212】本発明3に係る磁性キャリアは必要によ
り、カップリング剤の被覆の上に更に樹脂を被覆しても
よい。
【0213】被覆する樹脂は、公知の樹脂であればいず
れでもよく、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、スチレン系樹脂、アク
リル系樹脂、フェノール樹脂等が拳げられる。モノマー
から重合して得られる重合体でもかまわない。耐久性や
耐汚染性を考慮すればシリコーン樹脂が好ましい。
【0214】シリコーン樹脂としては、置換基がメチル
基でる縮合反応型シリコーン樹脂が挙げられ、市販され
ているものとしては、SR2410およびSR2411
(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、KR255
およびKR251(信越シリコーン社製)等が挙げられ
る。また、樹脂変性シリコーンも使用可能であり、例え
ば、エポキシ変性シリコーン樹脂としては、SR211
5およびSR2145(東レ・ダウコーニングシリコー
ン社製)、ES1001NおよびES1002T(信越
シリコーン社製)等が挙げられる。
【0215】より好ましくは、コア粒子の結着樹脂をフ
ェノール樹脂、磁性微粒子の表面処理剤をエポキシ基含
有シランカップリング剤、シリコーンコート樹脂中に含
有またはコア剤の前処理剤としてアミノ基を含有するシ
ランカップリング剤とすることで、結着樹脂中に適度に
吸着している水分によって、アミノ基を含有するシラン
カップリング剤が加水分解して、フェノール樹脂の水酸
基と水素結合をしつつ、自己縮合し、あるいはシリコー
ン樹脂中の残存シラノール基と縮合し強固な被覆を形成
すると同時に、アミノ基と磁性体微粒子の表面処理剤の
エポキシ基とが反応し、シリコーン樹脂の密着性が向上
し、被覆樹脂の欠落等が抑制される。
【0216】樹脂の被覆量は、複合体粒子に対して0.
05質量%以上が好ましく、0.05質量%未満の場合
には、不十分かつ不均一な被膜となりやすく、帯電量を
自由に制御することが困難となる。また、被覆量が多す
ぎると複合体粒子の電気抵抗が高くなりすぎ画像上の問
題が発生してしまう。より好ましくは0.1〜10質量
%、さらに好ましくは樹脂被覆時の粒子同士の合一化を
防止するために0.2〜5質量%である。
【0217】樹脂被覆中には、必要によりカップリング
剤を樹脂固形分に対し0.1〜20.0質量%含んでい
てもよい。カップリング剤としては、シラン系カップリ
ング剤が好ましい。さらに好ましくはカップリング剤の
自己縮合による強度低下を防止するために0.1〜1
0.0質量%である。
【0218】本発明3の磁性樹脂キャリアは、真比重が
2.5乃至4.5(好ましくは、3.0乃至4.3)で
あり、真比重がこの範囲にあると、磁性樹脂キャリアと
トナーとの撹拌混合においてトナーへの負荷が少なく、
キャリア表面におけるトナーによる汚染が抑制され、静
電荷像担持体への非画像部へのキャリア付着が抑制され
るので好ましい。
【0219】本発明3の磁性樹脂キャリアは、1000
×(103/4π)・A/m(1000エルステッド)
の磁界下で測定した磁化の強さ(σ1000)が15乃至6
0Am2/kg(emu/g)(好ましくは、20乃至
55Am2/kg)であり、残留磁化(σr)が0.1〜
20Am2/kg(emu/g)(好ましくは、0.3
乃至10Am2/kg)であり、磁性樹脂キャリアの磁
気特性がこの範囲にあると、現像剤担持体(現像スリー
ブ)に内包されている磁界発生手段(例えば、固定磁
石)の磁界下において、磁性樹脂キャリアの静電荷像担
持体へのキャリア付着が防止され、二成分系現像剤の磁
気ブラシ中でのトナーへの圧縮力が緩和され外添剤及び
トナー粒子によるキャリア汚染が抑制されるので好まし
い。磁性樹脂キャリアの残留磁化(σr)が20Am2
kgを超えると、現像剤担持体上の二成分系現像剤と現
像器内の二成分系現像剤との交換が円滑に行なわれず、
トナーのチャージアップやトナーの帯電量にバラツキが
生じやすくなる。
【0220】本発明3の磁性樹脂キャリアは、抵抗値が
1011乃至1015Ωcmと比較的高いため静電荷像担持
体へのキャリア付着はしにくいが、キャリア自身のチャ
ージのリークサイトが少なくなるため、印字比率の高い
オリジナルを連続プリントアウトした場合等、トナーへ
の帯電付与能が低下しやすい。それでも本発明3の磁性
樹脂キャリアは比較的低抵抗のマグネタイトを分散させ
た上で高抵抗キャリアとしているため、従来の高抵抗フ
ェライトに比べればキャリア自身チャージアップしにく
いものの、そのラチチュードは狭いものである。しかし
ながら本発明3においては、トナーの表面に特定構造の
物質をある特定量で含有させてキャリアのチャージアッ
プを防止しつつトナーの帯電の安定化を達成しているの
である。その理由は明確ではないがトナー表面の特定構
造の物質は比較的水分を吸着しやすく、なおかつ、その
製法上トナー表面に薄層に存在しているのでその水分が
キャリアのチャージアップ防止に有効に作用し、長期に
わたってトナーの帯電が安定化できるものと推測され
る。
【0221】キャリアの抵抗値と磁気特性を所定の範囲
に入るようにするために、キャリアコア中には磁性微粒
子に加えて非磁性無機化合物を配合することが好まし
い。磁性微粒子と非磁性無機化合物微粒子は、合計量で
70〜99質量%(キャリア基準)、より好ましくは8
0〜99質量%含有されていることが、キャリアの真比
重の調整と、キャリアの比抵抗値の調整と、キャリアコ
アの機械的強度との関係で好ましい。
【0222】さらに、非磁性無機化合物微粒子は、磁性
微粒子よりも比抵抗値が大きく、非磁性無機化合物微粒
子の個数平均粒径は磁性微粒子の個数平均粒径よりも大
きい方が、キャリアの比抵抗値を高め、キャリアの真比
重を小さくする上で好ましい。
【0223】磁性微粒子及び非磁性無機化合物微粒子の
総量に対して、磁性微粒子は30〜95質量%含まれて
いることが、キャリアの磁気力を調整してキャリア付着
を防止し、さらに、キャリアの比抵抗値を調整する上で
好ましい。
【0224】磁性樹脂キャリアは、適宜所定のシステム
に都合の良いようにその形状が選択される。しかしなが
ら、磁性樹脂キャリアの球形度は、100乃至130
(より好ましくは100〜120)が好ましい。磁性樹
脂キャリアは、球形度が130を超えると、現像剤とし
ての流動性が劣るようになり、トナーへの摩擦帯電付与
能力の低下や現像極において磁気ブラシの形状が不均一
になるために高画質な画像が得られにくくなる。
【0225】キャリアの球形度の測定は、日立製作所
(株)社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡S−
800によりキャリアをランダムに300個以上抽出
し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3を用い
て、次式によって導かれる球形度を求めることで行う。
【0226】
【数1】 〔式中、MXLNGはキャリアの最大径を示し、ARE
Aはキャリアの投影面積を示す。〕
【0227】ここで、SF−1は100に近いほど球形
に近いことを意味している。
【0228】次に、本発明3に係る磁性キャリアの製造
方法について述べる。
【0229】無機化合物粒子粉末の親油化処理剤による
処理は、無機化合物粒子粉末にカップリング剤や有機化
合物の溶液を添加混合して被覆処理すればよい。
【0230】複合体粒子は、溶媒中に分散させた無機化
合物粒子粉末をバインダー樹脂を構成するモノマーに分
散させ、開始剤或いは触媒を添加して重合する、所謂、
重合法や、無機化合物粒子粉末を含有したバインダー樹
脂を粉砕する、所謂、混練粉砕法等によって製造するこ
とが出来る。磁性キャリアの粒径を容易に制御し、シャ
ープな粒度分布にするために重合法が好ましい。
【0231】バインダー樹脂としてフェノール樹脂を用
いた複合体粒子の製造は、例えば、水性媒体中にフェノ
ール類とアルデヒド類と親油化処理を行なった無機化合
物粒子粉末を分散させ、塩基性触媒を添加して反応させ
る方法が挙げられる。フェノール類とともにロジン等の
天然樹脂や、桐油、亜麻仁油等の乾性油を混合して反応
させる、所謂、変性フェノール樹脂を形成させる方法も
挙げられる。
【0232】バインダー樹脂が特にフェノール樹脂であ
る場合には、適度な吸着水を保持しており、カップリン
グ剤の加水分解を促進し、強固な被覆を形成するために
好ましい。
【0233】バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用い
た複合体粒子の製造は、例えば、水性媒体中にビスフェ
ノール類とエピハロヒドリンと親油化処理を行なった無
機化合物粒子粉末を分散させ、アルカリ水性媒体中で反
応させる方法が挙げられる。
【0234】バインダー樹脂として、メラミン樹脂を用
いた複合体粒子の製造は、例えば、水性媒体中にメラミ
ン類とアルデヒド類と、親油化処理を行なった無機化合
物粒子粉末を分散させ、弱酸性触媒の存在下で反応させ
る方法が挙げられる。
【0235】その他の熱硬化性樹脂を用いた複合体粒子
の製造方法としては、例えば、親油化処理を行なった無
機化合物粒子粉末を種々の樹脂と混練した後、粉砕し、
さらには球形化処理を行なう方法等が挙げられる。
【0236】親油化処理を行なった無機化合物粒子とバ
インダー樹脂とからなる複合体粒子は、樹脂をより硬化
させるために必要により熱処理を施すことも行なわれ
る。特に減圧下あるいは不活性雰囲気下で行うことが無
機化合物微粒子等の酸化防止のために好ましい。
【0237】複合体粒子のカップリング剤による被覆処
理は、常法によりカップリング剤を水や溶剤に溶解した
ものに、複合体粒子を浸漬した後、濾過及び乾燥する方
法や、複合体粒子を撹拌しながらカップリング剤の水溶
液や溶媒液をスプレーし、乾燥する方法等が用いられ
る。特に複合体粒子の合一化を防止し、均一な被覆層を
形成するために、撹拌しながら処理する方法が好まし
い。
【0238】樹脂の被覆は、周知の方法によって行なえ
ばよく、例えば、ヘンシェルミキサーや、ハイスピード
ミキサー等を用いて複合体粒子と樹脂とを乾式混合する
方法、樹脂を含む溶剤中へ複合体粒子を含浸する方法、
スプレードライヤーを用いて複合体粒子に樹脂を吹きつ
ける方法等のいずれであってもよい。
【0239】また、複合体粒子とフェノール類、アルデ
ヒド類、或いはメラミン類及びアルデヒド類とを水性媒
体中で反応させフェノール樹脂やメラミン樹脂を被覆す
る方法や、アクリロニトリルと他のビニル系モノマーと
の混合物を水性媒体中で重合させアクリロニトリル系重
合体を被覆する方法や、ラクタム類のアニオン重合によ
りポリアミド樹脂を被覆する方法等もかまわない。
【0240】ここで、本発明3の磁性キャリアに係る用
いる特性値の測定方法について述べる。
【0241】(キャリアの特性値の測定方法)平均粒子
径は、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所株式会社
製)により計測した値で示し、また、粒子の粒子形態
は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−8
00)で観察したものである。
【0242】磁化値(σ1000)及び残留磁化値は、振動
試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業株式会社
製)を用いて外部磁場1000エルステッド(79.5
8kA/m)のもとで測定した値で示した。
【0243】真比重は、マルチボリウム密度計(マイク
ロメリティクス製)で測定した値で示した。
【0244】体積固有抵抗は、ハイレジスタンスメータ
ー4329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定
した値で示した。
【0245】より具体的には、磁性樹脂キャリア又はキ
ャリアコアの比抵抗測定は図9に示す測定装置を用いて
行う。セルEに、磁性樹脂キャリア又はコアを充填し、
サンプル927として充填された磁性樹脂キャリア又は
コアに接するように電極921及び922を配し、該電
極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定するこ
とにより比抵抗を求める。上記測定方法においては、磁
性樹脂キャリア又はコアが粉末であるために充填率に変
化が生じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があり、注
意を要する。比抵抗の測定条件は、充填された磁性樹脂
キャリア又はコアと電極との接触面積S=約2.3cm
2、厚みd=約2mm、上部電極22の荷重180g、
印加電圧100Vとする。
【0246】微粒子の比抵抗測定はキャリア比抵抗の方
法に準ずる。図9のセルEに、微粒子を充填し、サンプ
ル927として充填された微粒子に接するように電極9
21及び922を配し、該電極間に電圧を印加し、その
とき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める。
微粒子の充填に際して電極が試料に対して均一に接触す
るように上部電極921を左右に回転させつつ充填を行
う。上記測定方法において比抵抗の測定条件は、充填さ
れた微粒子と電極との接触面積S=約2.3cm2、厚
みd=約2mm、上部電極922の荷重180g、印加
電圧100Vとする。
【0247】本発明3の磁性樹脂キャリアコアの好まし
い態様を説明する。
【0248】反応は、まず、フェノール類、ホルマリン
類、水、エポキシ基を有するカップリング剤で処理され
た磁性微粒子及び非磁性無機化合物微粒子を反応釜中に
仕込み、十分に撹拌した後、塩基性触媒を加えて撹拌し
ながら昇温し、反応温度を70〜90℃に調整し、フェ
ノール樹脂を硬化させる。この時、球形度の高い球状複
合体粒子を得るためにゆるやかに昇温させることが好ま
しい。昇温速度は、好ましくは0.5〜1.5℃/分、
より好ましくは0.8〜1.2℃/分である。
【0249】硬化後の反応物を40℃以下に冷却し、得
られた水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って固液
を分離した後、洗浄して乾燥することにより、磁性微粒
子と非磁性無機化合物微粒子とをフェノール樹脂をバイ
ンダー樹脂として結合してなる球状のキャリアコア粒子
が得られる。キャリアコア粒子の製造は、バッチ式でも
連続式製法でもよい。
【0250】さらに、キャリアコアの表面を樹脂で被覆
する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解又は懸濁して調
製した塗布液をキャリアコア表面に塗布する方法が挙げ
られる。
【0251】本発明3において、トナーとキャリアとを
混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率
は現像剤中のトナー濃度として、2質量%〜15質量
%、好ましくは4質量%〜13質量%にすると良好な結
果が得られる。トナー濃度が2質量%未満の場合には、
画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える場合に
はカブリや機内飛散を生じやすく、現像剤の耐用寿命も
低下しやすい。
【0252】一方、本発明3の現像剤に用いられるトナ
ーは、UVの吸光度で280〜350nmにピークを持
つ化合物Aを0.05×10-3〜1.5×10-3g/ト
ナー1g含有することに特徴がある。
【0253】上記含有量が0.05×10-3g/トナー
1g未満であると、低湿下でのキャリアのチャージアッ
プ抑制効果が不十分であり、一方、1.5×10-3g/
トナー1gを超えると、トナーの高温高湿下での帯電性
低下を抑えることが難しくなる。
【0254】トナー内部および表面における荷電制御剤
濃度、荷電制御剤の分解成分濃度及び荷電制御剤の不純
物濃度の存在比を特定することは測定上困難であるが、
上記に範囲を限定したトナーを製造することによって、
高温高湿環境での帯電性低下および低温低湿下でのキャ
リアのチャージアップを抑えることが可能である。上記
の範囲内のトナーを製造する方法としては、トナーを濾
過による固液分離した後、洗浄水の量と流速によって容
易に調整すること、荷電制御剤の添加量を調整する方法
も可能である。
【0255】本発明によるトナーとキャリアを使用する
現像方法としては、例えば図5に示すような現像手段を
用い現像を行うことができる。具体的には交番電界を印
加しつつ、磁気ブラシが潜像担持体、例えば、感光ドラ
ム501に接触している状態で現像を行うことが好まし
い。現像剤担持体(現像スリーブ)511と感光ドラム
501の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μ
mであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向
上において良好である。100μmより狭いと現像剤の
供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、10
00μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気
ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、磁
性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が
生じやすくなる。
【0256】交番電界のピーク間の電圧は300〜30
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプ
ロセスにより適宜選択して用いることができる。この場
合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはD
uty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等種々選
択して用いることができる。印加電圧が300Vより低
いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカ
ブリトナーを良好に回収することができない場合があ
る。また、5000Vを超える場合には磁気ブラシを介
して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合があ
る。
【0257】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが200V以下、より好ま
しくは150V以下が良い。
【0258】コントラスト電位としては、十分画像濃度
が出るように100V〜400Vが好ましく用いられ
る。
【0259】周波数が500Hzより低いと、プロセス
スピードにも関係するが、静電荷像担持体に接触したト
ナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与え
られずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超え
ると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招き
やすい。
【0260】本発明の現像方法で重要なことは、十分な
画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付
着のない現像を行うために現像スリーブ511上の磁気
ブラシの感光ドラム501との接触幅(現像ニップC)
を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップ
Cが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を
良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、
現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまった
り、またキャリア付着を十分に抑えることが困難にな
る。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材5
15と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像
スリーブ511と感光ドラム501との距離Bを調整す
ることでニップ幅を適宜調整する。
【0261】本発明の画像形成方法は、特に色再現性を
重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼン
タ用、シアン用及びイエロー用の3個以上の現像器が使
用され、本発明の現像剤および現像方法を用い、特にデ
ジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせること
で、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにド
ット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転
写工程においても微粉カットした粒度分布のシャープな
トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがっ
て、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0262】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
二成分系現像剤を用いることで現像器内での現像剤にか
かるシェアが小さく、多数枚の複写においても画質低下
のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0263】より引き締まった画像を得るためには、好
ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラッ
ク用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われる
ことで引き締まった画像を呈することができる。
【0264】添付図面を参照しながら本発明の画像形成
方法について説明する。
【0265】図5において、マグネットローラ521の
有する磁力によって、搬送スリーブ522の表面に磁性
粒子523よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラ
シを静電荷像担持体(感光ドラム)501の表面に接触
させ、感光ドラム501を帯電する。搬送スリーブ52
2には、図示されないバイアス印加手段により帯電バイ
アスが印加されている。帯電された感光ドラム501
に、図示されない露光装置によりレーザー光524を照
射することにより、デジタルな静電荷像を形成する。感
光ドラム501上に形成された静電荷像は、マグネット
ローラ512を内包しており、図示されないバイアス印
加装置によって現像バイアスを印加されている現像スリ
ーブ511に担持された現像剤519中のトナー519
aによって、現像される。
【0266】現像装置504は、隔壁517により現像
剤室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送ス
クリュー513、514が設置されている。撹拌室R2
の上方には、補給用トナー518を収容したトナー貯蔵
室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口520が
設けられている。
【0267】現像剤搬送スクリュー513は回転するこ
とによって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現
像スリーブ511の長手方向に沿って一方向に搬送す
る。隔壁517には図の手前側と奥側に図示しない開口
が設けられており、スクリュー513によって現像剤室
1の一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁5
17の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬
送スクリュー514に受け渡される。スクリュー514
の回転方向はスクリュー513と逆で、撹拌室R 2内の
現像剤、現像剤室R1から受け渡された現像剤及びトナ
ー貯蔵室R3から補給されたトナーを撹拌、混合しなが
ら、スクリュー513とは逆方向に撹拌室R 2内を搬送
し、隔壁517の他方の開口を通って現像剤室R1に送
り込む。
【0268】感光ドラム1上に形成された静電荷像を現
像するには、現像剤室R1内の現像剤519がマグネッ
トローラ512の磁力により汲み上げられ、現像スリー
ブ511の表面に担持される。現像スリーブ511上に
担持された現像剤は、現像スリーブ511の回転にとも
ない規制ブレード515に搬送され、そこで適正な層厚
の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ511と感
光ドラム501とが対向した現像領域に至る。マグネッ
トローラ512の現像領域に対応した部位には、磁極
(現像極)N1が位置されており、現像極N1が現像領域
に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立
ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが生成される。
そして磁気ブラシが感光ドラム501に接触し、反転現
像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現
像スリーブ511の表面に付着しているトナーが、感光
ドラム501上の静電荷像の領域に転移して付着し、静
電荷像が現像されトナー像が形成される。
【0269】現像領域を通過した現像剤は、現像スリー
ブ511の回転にともない現像装置504内に戻され、
磁極S1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ511か
ら剥ぎ取られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下し
て回収される。
【0270】上記の現像により現像装置504内の現像
剤519のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すな
わち現像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室
3からトナー518を現像で消費された量に見あった
量で撹拌室R2に補給し、現像剤519のT/Cが所定
量に保たれる。その容器504内の現像剤519のT/
C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現
像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー
を使用する。該トナー濃度検知センサーは、図示されな
いコイルを内部に有している。
【0271】現像スリーブ511の下方に配置され、現
像スリーブ511上の現像剤519の層厚を規制する規
制ブレード515は、アルミニウム又はSUS316の
如き非磁性材料で作製される非磁性ブレード515であ
る。その端部と現像スリーブ511面との距離は300
〜1000μm、好ましくは400〜900μmであ
る。この距離が300μmより小さいと、磁性キャリア
がこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、
良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃
度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤
中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆる
ブレードづまり)を防止するためにはこの距離は400
μm以上が好ましい。1000μmより大きいと現像ス
リーブ511上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現
像剤層厚の規制が行いにくく、感光ドラム501への磁
性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、
規制ブレード515による現像規制が弱まりトナーのト
リボが低下しカブリやすくなる。
【0272】この磁性キャリア粒子層は、現像スリーブ
511が矢印方向に回転駆動されても磁気力,重力に基
づく拘束力と現像スリーブ511の移動方向への搬送力
との釣合いによってスリーブ表面から離れるに従って動
きが遅くなる。重力の影響により落下するものもある。
【0273】従って磁極NとNの配設位置と磁性キャリ
ア粒子の流動性及び磁気特性を適宜選択することによ
り、磁性キャリア粒子層はスリーブに近いほど磁極N1
方向に搬送し移動層を形成する。この磁性キャリア粒子
の移動により、現像スリーブ511の回転に伴って現像
領域へ現像剤は搬送され現像に供される。
【0274】また、現像されたトナー画像は、搬送され
てくる転写材(記録材)525上へ、バイアス印加手段
526により転写バイアス印加されている転写手段であ
る転写ブレード527により転写され、転写材上に転写
されたトナー画像は、図示されていない定着装置により
転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写
されずに感光ドラム501上に残った転写残トナーは、
帯電工程において、帯電を調整され、現像時に回収され
る。
【0275】図7は、本発明の画像形成方法をフルカラ
ー画像形成装置に適用した概略図を示す。
【0276】フルカラー画像形成装置本体には、第1画
像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3
画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが
併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転
写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0277】画像形成装置に併設される各画像形成ユニ
ットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に
挙げて説明する。
【0278】第1の画像形成ユニットPaは、静電荷像
担持体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム7
61aを具備し、この感光体ドラム761aは矢印a方
向へ回転移動される。762aは帯電手段としての一次
帯電器であり、直径16mmのスリーブの表面に形成さ
れた磁気ブラシが感光ドラム761aの表面に接触する
ように配置されている。767aは、一次帯電器762
aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム76
1aに静電荷像を形成するためのレーザー光であり、図
示されていない露光装置により照射される。763a
は、感光体ドラム761a上に担持されている静電荷像
を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段
としての現像装置でありカラートナーを保持している。
764aは感光体ドラム761aの表面に形成されたカ
ラートナー画像をベルト状の転写材担持体768によっ
て搬送されて来る転写材(記録材)の表面に転写するた
めの転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブ
レード764aは、転写材担持体768の裏面に当接し
て転写バイアスを印加し得るものである。
【0279】第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電
器762aによって感光体ドラム761aを均一に一次
帯電した後、露光装置767aにより感光体に静電荷像
を形成し、現像装置763aで静電荷像をカラートナー
を用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転
写部(感光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送
するベルト状の転写材担持体768の裏面側に当接する
転写ブレード764aから転写バイアスを印加すること
によって転写材の表面に転写する。
【0280】現像によりトナーが消費され、T/C比が
低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用
して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知セ
ンサー785で検知し、消費されたトナー量に応じて補
給用トナー765を補給する。なお、トナー濃度検知セ
ンサー785は図示されないコイルを内部に有してい
る。
【0281】本画像形成装置は、第1の画像形成ユニッ
トPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラート
ナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の
画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの
4つの画像形成ユニットを併設するものである。例え
ば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第
2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画
像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形
成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画
像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上へ
の転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーシ
ョンを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動
で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯
電器769によって転写材担持体768上から転写材が
分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器7
70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラ
ー画像が得られる。
【0282】定着器770は、一対の直径40mmの定
着ローラ771と直径30mmの加圧ローラ772を有
し、定着ローラ771は、内部に加熱手段775及び7
76を有している。
【0283】転写材上に転写された未定着のカラートナ
ー画像は、この定着器770の定着ローラ771と加圧
ローラ772との圧接部を通過することにより、熱及び
圧力の作用により転写材上に定着される。
【0284】図7において、転写材担持体768は、無
端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、780
の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものであ
る。779は、転写ベルトクリーニング装置であり、7
81はベルト従動ローラであり、782は、ベルト除電
器である。783は転写材ホルダー内の転写材を転写材
担持体768に搬送するための一対のレジストローラで
ある。
【0285】転写手段としては、転写材担持体の裏面側
に当接する転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラ
の如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを
直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能であ
る。
【0286】さらに、上記の接触転写手段に代えて一般
的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配
置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して
転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能であ
る。
【0287】しかしながら、転写バイアス印加時のオゾ
ンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いること
が、より好ましい。
【0288】本発明の画像形成方法においては、潜像担
持体に形成された静電荷像を現像したトナー像を中間転
写体を介して記録材に転写することも可能である。
【0289】すなわち、この画像形成方法は、静電荷像
担持体に形成された静電荷像を現像することによって形
成したトナー像を中間転写体に転写する工程及び中間転
写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を有
するものである。
【0290】図8を参照しながら、中間転写体を用いた
画像形成方法の一例を具体的に説明する。
【0291】図8に示す装置システムにおいて、シアン
現像器854−1、マゼンタ現像器854−2、イエロ
ー現像器854−3、ブラック現像器854−4に、そ
れぞれシアントナーを有するシアン現像剤、マゼンタト
ナーを有するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有する
イエロー現像剤及びブラックトナーを有するブラック現
像剤が導入されている。レーザー光の如き潜像形成手段
853によって潜像保持体としての感光体851上に静
電潜像が形成される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成
分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式の如き現像方
式によって、感光体851に形成された静電荷像をこれ
らの現像剤によって現像し、各色トナー像が感光体85
1に形成される。感光体851は導電性基体851b及
び導電性基体851b上に形成されたアモルファスセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモル
ファスシリコンの如き光導電絶縁物質層851aを持つ
感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体851は
図示しない駆動装置によって矢印方向に回転する。感光
体851としては、アモルファスシリコン感光層又は有
機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0292】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単
一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分
とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上
に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている
構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0293】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニン
グ性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融
着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0294】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光
体851とは非接触タイプの方式と、ローラの如き接触
帯電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのも
のも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オ
ゾン発生化のために図8に示す如く接触方式のものが好
ましく用いられる。
【0295】一次帯電部材としての帯電ローラ852
は、中心の芯金852bとその外周を形成した導電性弾
性層852aとを基本構成とするものである。帯電ロー
ラ852は、感光体851面に押圧力をもって圧接さ
れ、感光体851の回転に伴い従動回転する。
【0296】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cm
で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときに
は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50
Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVであ
る。
【0297】この他の接触帯電部材としては、帯電ブレ
ードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法があ
る。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になった
り、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0298】接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリ
ル樹脂が適用可能である。
【0299】感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±
0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体855
に転写される。中間転写体855は、パイプ状の導電性
芯金855bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体
層855aからなる。芯金855bは、プラスチックの
表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも
良い。
【0300】中抵抗の弾性体層855aは、シリコーン
ゴム、テフロン(登録商標)ゴム、クロロプレンゴム、
ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの
3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、
酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を
配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105〜10
11Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡
肉質の層である。
【0301】中間転写体855は、感光体851に対し
て並行に軸受けさせて感光体851の下面部に接触させ
て配設してあり、感光体851と同じ周速度で矢印の反
時計方向に回転する。
【0302】感光体851の面に形成担持された第1色
のトナー像が、感光体851と中間転写体855とが接
する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体855に
対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電
界によって、中間転写体855の外面に対して順次に中
間転写されていく。
【0303】中間転写体855に転写されなかった感光
体851上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部
材858によってクリーニングされ感光体用クリーニン
グ容器859に回収される。
【0304】中間転写体855に対して並行に軸受けさ
せて中間転写体855の下面部に接触させて転写手段が
配設され、転写手段857は例えば転写ローラ又は転写
ベルトであり、中間転写体855と同じ周速度で矢印の
時計方向に回転する。転写手段857は直接中間転写体
855と接触するように配設されていても良く、またベ
ルト等が中間転写体855と転写手段857との間に接
触するように配置されても良い。
【0305】転写ローラの場合、中心の芯金857bと
その外周を形成した導電性弾性層857aとを基本構成
とするものである。
【0306】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0307】中間転写体及び転写ローラの硬度は、JI
S K−6301に準拠し測定される。本発明に用いら
れる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層
から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾
性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41
〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻
き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ロー
ラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成さ
れ、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0308】転写手段857は中間転写体855と等速
度或は周速度に差をつけて回転させる。転写材856は
中間転写体855と転写手段857との間に搬送される
と同時に、転写手段857にトナーが有する摩擦電荷と
逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加すること
によって中間転写体855上のトナー像が転写材856
の表面側に転写される。
【0309】転写材856に転写されなかった中間転写
体上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材
860によってクリーニングされ中間転写体用クリーニ
ング容器862に回収される。転写材856に転写され
たトナー像は、加熱定着装置861により転写材856
に定着される。
【0310】転写ローラの材質しては、帯電ローラと同
様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条
件としては、ローラの当接圧が2.94〜490N/m
(3〜500g/cm)(より好ましくは19.6〜2
94N/m)で、直流電圧=±0.2〜±10kVであ
る。
【0311】当接圧力としての線圧が2.94N/m未
満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こ
りやすくなるため好ましくない。
【0312】例えば転写ローラ857の導電性弾性層8
57bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピ
レンジエン三元重合体)の如き弾性材料に、カーボンブ
ラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素の如き導電性付
与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を106
〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるい
は発泡肉質の層である。
【0313】以下に、本発明で用いた各種の測定方法を
列挙する。
【0314】<トナーの粒度分布の測定>また、トナー
の粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明
においてはコールターカウンターを用いて行った。
【0315】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布、
体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)
を接続して電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%N
aCl水溶液を調製する。
【0316】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さ
らに測定試料を2〜20mg加える。
【0317】試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンター
TA−II型により、アパチャーとして100μmアパ
チャーを用いて、個数を基準として2〜40μmの粒子
の粒度分布を測定して、それから各種値を求める。
【0318】<トナー粒子中に残存する重合性単量体の
残存量の測定>トナー粒子中に残存する重合性単量体及
び有機溶媒の残存量の定量は、トナー0.2gをTHF
4mlに溶解したものを用い、それぞれガスクロマトグ
ラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定した。
【0319】G.C.条件 測定装置:島津GC−15A(キャピラリー付き) キャリア:N2、2kg/cm2 50ml/分 split比1:60、線速度30mm/sec カラム:ULBON HR−1 50m×0.25mm 試料量:2μl 標示物質:トルエン
【0320】<トナーの摩擦帯電量の測定>トナー1.
6gと磁性キャリア18.4gを50ccのポリエチレ
ン製の容器に入れ、各環境下に開放状態で一日放置す
る。高温高湿環境下では、試料が結露しないように、放
置後に密封し2時間さらに放置した後に装置する。ター
ブラミキサーで60秒混合し、この混合粉体(現像剤)
を底部に625メッシュの導電性スクリーンを装着した
金属製の容器に入れ、吸引機で吸引し、吸引前後の重量
差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位か
ら摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmH
gとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用
いて算出する。
【0321】 Q(mC/kg)=(C×V)×(W1−W2-1 (式中、W1は吸引前の重量であり、W2は吸引後の重量
であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサ
ーに蓄積された電位である。)
【0322】また、耐久時の現像剤のトナーの摩擦帯電
量は、現像スリーブ上の現像剤を1gサンプリングし、
混合撹拌することなく上記測定装置を使用して測定を行
った。
【0323】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。
【0324】<実施例1>四つ口容器中にイオン交換水
710質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶
液850質量部を添加し、高速撹拌装置クレアミキサー
を用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に
保持した。ここに1規定の塩酸を21質量部添加した
後、1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68質量
部を徐々に添加し、微細な離水溶性分散安定剤Ca
3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。この時の
水媒体中のpHは5.3であった。
【0325】一方、 スチレンモノマー 165質量部 n−ブチルアクリレート 35質量部 銅フタロシアニン顔料 15質量部 ポリエステル樹脂 5質量部 (テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA−エチレンオキサ イド変性ビスフエノールA;酸価13,ガラス転移点60℃,Mw1200,M n5700) 負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミ化合物) 0.5質量部 低軟化点化合物〔エステルワックス〕 25質量部 (構造式がで表され、DSCにおける吸熱メインピーク温度81℃、半値幅3 ℃、接線離脱温度50℃;Mw=700、Mw/Mn=1.2;100℃におけ る溶融粘度20cPa・s) 上記混合物をアトライターを用いて3時間分散させた
後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)3質量部を添加した重合性単量
体組成物を水系分散媒体中に投入し、撹拌機の回転数を
15,000rpmに維持しつつ8分間造粒した。その
後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を
60℃に保ち、ゆっくり撹拌しながら第1反応課程とし
て、5時間反応させて重合体粒子(トナー粒子)を得
た。
【0326】その後、ジアルキルサリチル酸のアルミ化
合物を1質量部水系媒体中へ添加した。次いで、炭酸ナ
トリウムを添加し、水系媒体中のpHを10にして、容
器内を温度80℃に昇温して5時間維持し、第2反応課
程を経て、その後、30℃まで冷却した。容器内に希塩
酸を添加して分散安定剤を溶解せしめて酸洗浄を行っ
た。このときの水系媒体中のpHは2.0であった。そ
の後分散剤、帯電制御剤の不純物質を除去するために加
圧濾過による固液分離の後、9000質量部の水で4回
洗浄を行った。さらに、乾燥させて重量平均径が6.4
μmのシアン色のトナー粒子を得た。
【0327】<実施例2>負荷電性制御剤としてジアル
キルサリチル酸のアルミ化合物の代わりに、ジアルキル
サリチル酸のジルコニア化合物を添加することを除い
て、実施例1と同様にして製造した。
【0328】<実施例3>第1反応課程で水系媒体中の
pHを7.0にすることを除いて、実施例1と同様にし
て製造した。
【0329】<実施例4>負荷電性制御剤としてジアル
キルサリチル酸のアルミ化合物の代わりに、ジアルキル
サリチル酸のアルミ化合物で混練架橋されたポリスチレ
ン粒子を添加することを除いて、実施例1と同様にして
製造した。
【0330】<実施例5>第2反応課程において、ジア
ルキルサリチル酸のアルミ化合物をモノマー中へ0.5
質量部、水系媒体中への添加量を3質量部にすることを
除いて実施例1と同様にして製造した。
【0331】<実施例6>第1反応課程における水系媒
体のpHを7.0にすることを除いて実施例5と同様に
して製造した。
【0332】<実施例7>第2反応課程において、ジア
ルキルサリチル酸のアルミ化合物の代わりにジアルキル
サリチル酸のアルミ化合物で混練架橋されたポリスチレ
ン粒子を添加することを除いて、実施例4と同様にして
製造した。
【0333】<比較例1>モノマー中にジアルキルサリ
チル酸のクロム化合物1質量部添加し、第2反応課程に
おける水系媒体中へ負荷電制御剤を添加しないことを除
いて、実施例1と同様にして製造した。
【0334】<比較例2>ジアルキルサリチル酸のアル
ミ化合物をモノマー中に添加せず、水系媒体中へ1質量
部添加することを除いて、実施例1と同様にして製造し
た。
【0335】<比較例3>水系分散剤媒体を調製する段
階で、水酸化ナトリウムを添加し、水系媒体中のpHを
12にして、造粒から重合を行うことを除いて、実施例
1と同様にして製造した。
【0336】<比較例4>第2反応課程におけるpHを
第1反応課程と同様、水系媒体中のpHを7.0にする
ことを除いて実施例1と同様にして製造した。
【0337】<比較例5>酸処理工程における水系媒体
中のpHを3.0にすることを除いて実施例1と同様に
して製造した。
【0338】次に得られたトナーに対してトナー内部の
帯電制御剤濃度を以下のようにして求めた。
【0339】トナー1gをメタノール50g中に投入
し、3時間撹拌させた後、濾過によって得られる濾液を
吸光度測定の結果から、所定の検量線を用いて算出し
た。
【0340】またトナー表面の荷電制御剤の不純物質及
び荷電制御剤の分解物質の濃度を以下のようにして求め
た。トナー1gを0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液
50g中にそれぞれ投入し、3時間撹拌させた後、濾過
によって得られる濾液を吸光度測定の結果から、所定の
検量線を用いて算出した。
【0341】上記各実施例並びに比較例で得られたトナ
ー表面の荷電制御剤の不純物質及び荷電制御剤の分解物
質の量およびトナー内部の荷電制御剤の量は表1に示し
た。
【0342】上記各実施例並びに比較例で得られたトナ
ーと、表面をシラン系カップリング剤で被覆したバイン
ダー型キャリアを配合し、トナー濃度8.0%になるよ
うに均一に撹拌混合して、常温/常温環境下(23℃/
60%)での摩擦帯電量及びそのサンプルを高温/高湿
環境下(30℃/80%)に1日放置した後の摩擦帯電
量を測定した。
【0343】さらに、トナー粒子に疎水性酸化チタン
0.7質量部とシリカ微粒子0.7質量部を外添して流
動性に優れたトナーを得た。得られたトナー8質量部と
先ほどと同じシラン系カップリング剤で被覆したバイン
ダー型キャリア92質量部を均一に混合して二成分系現
像剤を調製し、図5に示す装置ユニットである現像器R
1およびR2に入れ、画像形成装置に装着し、高温/高湿
(30℃/80%RH)の環境下でモノカラーモードで
画出し試験を行い、以下の試験を行った。
【0344】画像濃度 ベタ画像部をマクベス反射濃度計(マクベス社製)で測
定する。その際、光沢度計(PG−3D,日本発色工業
社製)で測定した。光沢度25〜35の部分を測定す
る。
【0345】カブリの測定方法 カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMET
ER MODEL TC−6DSを使用して測定し、シ
アントナー画像ではamberフィルターを使用し、下
記式より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。
【0346】カブリ(反射率)(%)=〔標準紙の反射
率(%)〕−〔サンプルの非画像部の反射率(%)〕
【0347】高温/高湿(32℃/85%RH)の環境
下での多数枚耐久中の現像器の評価 多数枚耐久中に、現像器に起因して画像欠損が生じた場
合は、画出しを中断しトナー塗布ローラの表面,現像ス
リーブ表面及び弾性ブレード表面の汚れ及びトナーの融
着状態を目視で評価した。
【0348】多数枚耐久中に画像欠損が生じない場合
は、多数枚耐久後にトナー塗布ローラの表面,現像スリ
ーブ表面及び弾性ブレード表面の汚れ及びトナーの融着
状態を目視で評価した。 A…実質的に汚れ及びトナー融着なし B…汚れ又はトナー融着があるが、目立った画像欠損は
発生せず C…ひどい汚れ又はトナー融着が発生し、画像欠損が発
【0349】表1で得られたトナーを上記で記した測定
方法で評価試験を行った結果が表2である。
【0350】表1において実施例1〜4から、水系媒体
中に荷電制御剤を添加することにより、上記の条件を満
足するトナーを製造することが可能であること示す。ま
た実施例5〜7については上記の条件を満足しないもの
の、表2の結果から、各環境において安定した帯電量を
示し、水系媒体中へ荷電制御剤を添加することで、安定
した帯電量のトナーを確実に製造することが可能である
ことを示唆する。
【0351】表1及び表2の比較例1〜3において、A
/Bの値が1.35以下であり、常温/常湿環境下及び
高温/高湿環境下の摩擦帯電量が低めで画像濃度の低
下、カブリの増加、トナー飛散が発生している。比較例
5は上記の条件を満足しているものの、トナー表面の分
散剤が除去できていないためトナーの帯電量が小さい。
【0352】
【表1】
【0353】
【表2】
【0354】<実施例8>まず、イオン交換水710質
量部に0.1モル/リツトル−Na3PO4水溶液450
質量部を投入し60℃に加温した後、クリアミキサー
(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分
にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl
2水溶液68質量部を添加し、Ca3(PO42を含む水
系媒体を得た。
【0355】一方、分散質としては、まず、下記処方の
うち、C.I.ピグメントレッド122、ジアルキルサ
リチル酸アルミニウム化合物とスチレン単量体100質
量部をアトライター(三井三池化工機製)を用い3時間
分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に下
記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間
溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を
溶解し、重合性単量体組成物を調製した。 ・スチレン単量体 165質量部 ・n−ブチルアクリレート 35質量部 ・C.I.ピグメントレッド122 15質量部 ・飽和ポリエステル 15質量部 ・ジアルキルサリチル酸アルミニウム化合物 2質量部 ・化合物(1) 25質量部 (DSCにおけるピーク温度59.4℃,ビッカース硬度1.5)
【0356】上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒
中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。そ
の後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変
え、内温を60℃に昇温させ50回転/分で重合を5時
間継続させた後、内温を80℃に昇温させ8時間重合を
継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を
添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗
を行い、含水率20%の湿潤着色重合体粒子を得た。
【0357】得られた湿潤着色重合体粒子を解砕後、連
続瞬間気流乾燥機(フラッシュドライヤーFJD−4:
セイシン企業社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件と
して、90℃の空気を線速度16.5m/秒で吹き込
み、湿潤着色重合体粒子を20kg/hrで連続的に供
給した。このような一次の乾燥が終了した後の着色重合
体粒子の含水率を測定したところ、0.1%であった。
また、この時点で着色重合体粒子に残留している重合性
単量体の量、すなわち、着色重合体粒子の含有量は、6
20ppmであった。着色重合体粒子の凝集によるダマ
の発生はなく、目開き149μmの篩いの通過率は96
%であった。ここでいう通過率とは以下の式によって求
めた値である。
【0358】
【数2】
【0359】次に、取り出した一次乾燥着色重合体粒子
30kgと非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウ
ム錯体45gを、容量100リットルのナウター型の減
圧乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)に投
入し、撹拌しながら減圧乾燥を行った。乾燥条件とし
て、ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPa、
下部より窒素ガスを5.0Nリットル/minで供給し
3時間乾燥を行った。乾燥終了後、取出口からの乾燥着
色重合体粒子の排出は良好で、全量を容易に取出すこと
ができた。また、乾燥機内の壁面、撹拌翼に付着はほと
んどなかった。取出した着色重合体粒子に残留している
重合性単量体の含有量は、25ppmであった。また、
目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。
【0360】この着色重合体粒子(トナー粒子)の表面
は、アルキルサリチル酸の金属化合物によって被覆され
ていた。
【0361】また、着色重合体粒子の重量平均粒径は
6.5μmてあった。その着色重合体粒子について、透
過型電子顕微鏡を用いた着色重合体粒子の断層写真の模
式図を図4に示したが、低軟化点物質である化合物
(1)が外殻樹脂で覆われた構造を示していた。
【0362】次に、得られた着色重合体粒子をヘンシェ
ルミキサー(三井三池化工機製)にて5分間撹拌した
後、この得られた着色重合体粒子100質量部に対し、
平均粒径0.005μmの疎水性シリカ1.5質量部を
添加してさらにヘンシェルミキサーで混合し、本実施例
のトナーとした。
【0363】このトナーを用いて、中間転写体を備えた
キヤノン製カラーレーザージェットプリンターカラーレ
ーザージョット−2030改造機を用いて23℃/65
%RHの環境下で画出し試験を行ったところ、5,00
0枚耐久においても、初期と耐久後の画像濃度に変化が
なく、中抜けのない高画質の画像が得られた。また、下
記の方法により求めた転写効率は、98%であった。
【0364】[転写効率]10cm2のベタ画像を感光
体上に形成し、感光体上のトナーの量(W1)と、転写
後の紙上のトナーの量(W2)を用い、両者の比:W2
/W1×100(%)より算出した。
【0365】また、有機半導体である感光体に、トナー
融着、メモリーゴーストのような問題を生じなかった。
また、OHPシートヘの画像形成を行ったところ、透明
性の良好な画像が得られた。
【0366】また、30℃/80%RHの環境下で同様
な画出し試験を行ったところ、同様な結果が得られた。
さらに、30℃/80%RHの環境下で途中7日間放置
した後、同様な画出し試験を行ったところ、画像濃度の
変化もなく中抜けのない高画質の画像が得られた。
【0367】<実施例9>実施例8で得た連続瞬間気流
乾燥機で乾燥した一次乾燥して得られた着色重合体粒子
20kgと非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウ
ム錯体30gを、容量50リットルのリボコーン減圧乾
燥機(RD−50型:大川原製作所社製)に投入し、撹
拌しながら、ジャケット加熱温度50℃、真空度0.7
〜2kPaで減圧乾燥を2時間行った。乾燥終了後、取
出口からの着色重合体粒子の排出は良好で、全量を容易
に取出すことができた。また、乾燥機内の壁面、撹拌翼
に付着はほとんどなかった。取出したトナー粒子に残留
している重合性単量体の含有量は、38ppmであっ
た。また、目開き149μmの篩いの通過率は95%で
あった。この着色重合体粒子(トナー粒子)の表面は、
アルキルサリチル酸の金属化合物によって被覆されてい
た。
【0368】得られた着色重合体粒子をヘンシェルミキ
サーにて5分間撹拌した後、この得られた着色重合体粒
子100質量部に対し、平均粒径0.005μmの疎水
性シリカ1.5質量部を添加してさらにヘンシェルミキ
サーで混合しトナーとした。
【0369】さらに、このトナーを用いて、実施例8と
同様の画出し評価を行ったところ、実施例8と同様に良
好な画像が得られた。尚、23℃/65%RHの環境下
での転写効率は、97%であった。
【0370】<比較例6>実施例8で得た連続瞬間気流
乾燥機で乾燥した一次乾燥着色重合体粒子30kgを、
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯体を添
加せず実施例8と同じ減圧乾燥機(NXV−1型)を用
い、ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPaで
3時間撹拌しながら減圧乾燥を行った。この時の着色重
合体粒子に残留している重合性単量体の含有量は、23
0ppmであった。更に、2時間同様に撹拌しながら減
圧乾燥を行った。乾燥終了後、取出口からの乾燥着色重
合体粒字の排出を行ったところ、乾燥機内の壁面、撹拌
翼に付着があり、約3kgが、乾燥機内に残り、払い出
し作業が必要であった。取出した着色重合体粒子に残留
している重合性単量体の含有量は、40ppmであっ
た。また、目開き149μmの篩いの通過率は94%で
あった。
【0371】最初に取出された着色重合体粒子100質
量部に対し、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニ
ウム錯体0.1質量部を添加してヘンシェルミキサーで
5分間撹拌した後、平均粒径0.005μmの疎水性シ
リカ1.5質量部を添加してさらにヘンシェルミキサー
で混合しトナーとした。
【0372】さらに実施例8と同様の画出し評価を行っ
たところ、実施例8と同様に良好な画像が得られた。転
写効率は、96%であった。しかし、30℃/80%R
Hの環境下で途中7日間放置した後、同様な画出し試験
を行ったところ、7日間放置した直後に、画像濃度の一
時的上昇がみられた。
【0373】また、減圧乾燥終了後、乾燥機内に付着し
残った着色重合体粒子のみを、同様にトナーとして、同
様の画出し評価を行ったところ、30℃/80%RHの
環境下で画像濃度の低下がみられた。
【0374】<比較例7>比較例6で最初に取出された
着色重合体粒子100質量部に対し、非晶性のジアルキ
ルサリチル酸のアルミニウム錯体を添加せず、平均粒径
0.005μmの疎水性シリカ1.5質量部を添加して
ヘンシェルミキサーで混合しトナーとした。
【0375】さらに実施例8と同様の画出し評価を行っ
たところ、画像濃度が低く、中抜けした画像となった。
尚、転写効率は65%と低い値であった。
【0376】<比較例8>実施例8で得られた連続瞬間
気流乾燥機で乾燥した一次乾燥着色重合体粒子(含水率
0.1%、着色重合体粒子に残留している重合性単量体
の量620ppm)を、減圧乾燥せずに、比較例6と同
様に着色重合体粒子100質量部に対し、非晶性のジア
ルキルサリチル酸のアルミニウム錯体0.1質量部を添
加してヘンシェルミキサーで5分間撹拌した後、平均粒
径0.005μmの疎水性シリカ1.5質量部を添加し
てさらにヘンシェルミキサーで混合しトナーとした。
【0377】さらに実施例8と同様の画出し試験を行っ
たところ、500枚程度から転写不良によるベタ部白抜
けが発生し、2,000枚程度から画像濃度の低下がみ
られ、さらに、30℃/80%RHの環境下1,500
枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生し
た。
【0378】<比較例9>実施例8で得た含水率20%
の湿潤着色重合体粒子約30kgを解砕後、容量100
リットルのナウター型の減圧乾燥機(NXV−1型)を
用いて撹拌しながら減圧乾燥を行った。乾燥条件とし
て、ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPaで
6時間乾燥を行った。この時点でトナー粒子の含水率を
測定したところ0.3%であり、着色重合体粒子のに残
留している重合性単量体の含有量は、340ppmであ
った。また、目開き149μmの篩いの通過率は77%
であった。また、乾燥着色重合体粒子排出後、乾燥機内
には、約4kgの付着があり、その一部は、撹拌翼及び
装置壁面に融着を起こしていた。
【0379】得られた着色重合体粒子を解砕し、以下比
較例6と同様の操作を行いトナーとした。
【0380】さらに実施例8と同様の画出し試験の結
果、1,000枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが
発生し、4,000枚程度から画像濃度の低下がみら
れ、さらに、30℃/80%RHの環境下3,000枚
程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生し
た。
【0381】<実施例10>まず、実施例8と同じ水系
分散媒を用意した。
【0382】一方、分散質系とし下、下記処方のうち、
グラフト化カーボンブラック、結晶性ジアルキルサリチ
ル酸の亜鉛錯塩とスチレン単量体100質量部をアトラ
イターを用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次
に、着色剤分散液に下記処方の残りすべてを添加し、6
0℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始
剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を
調製した。 ・スチレン単量体 170質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 30質量部 ・グラフト化カーボンブラック 20質量部 ・飽和ポリエステル20質量部 ・結晶性ジアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩 3質量部 ・化合物(1) 30質量部
【0383】上記で得た重合性単量体組成物を、前記水
系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ12分問造粒
した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌
機を変え、内温を60℃に昇温させ50回転/分で重合
を6時間継続させた後、内温を80℃に昇温させ8時間
重合を継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希
塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾
過、水洗を行い、含水率18%の湿潤着色重合体粒子を
得た。
【0384】次に、得た含水率18%の湿潤着色重合体
粒子を解砕後、実施例8と同様に、連続瞬間気流乾燥機
(フラッシュドライヤーFJD−4)を用いて乾燥を行
った。乾燥条件として、90℃の空気を線速度16.5
m/秒で吹き込み、湿潤着色重合体粒子を35kg/h
rで連続的に供給した。含水率を測定したところ、0.
1%であった。また、この時点で着色重合体粒子に残留
している重合性単量体の量、すなわち、着色重合体粒子
の含有量は、600ppmであった。着色重合体凝集に
よるダマの発生もなく、目開き149μmの篩いの通過
率は96%であった。
【0385】次に、取り出した一次乾燥着色重合体粒子
30kgと非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウ
ム錯体3gを、容量100リットルのナウター型の減圧
乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)に投入
し、撹拌しながら減圧乾燥を行った。乾燥条件として、
ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPa、下部
より窒素ガスを5.0Nリットル/minで供給し3時
間乾燥を行った。乾燥終了後、取出口からの乾燥着色重
合体粒子の排出はほぼ良好で、全量を容易に取出すこと
ができた。また、乾燥機内の壁面、撹拌翼に付着は微少
であった。取出した着色重合体粒子に残留している重合
性単量体の含有量は、45ppmであった。また、目開
き149μmの篩いの通過率は93%であった。また、
着色重合体粒子の重量平均粒径は7.3μmであった。
その着色重合体粒子の断層写真の模式図を図4に示す。
低軟化点物質である化合物(1)が外殻樹虚で覆われた
構造を示していた。この着色重合体粒子(トナー粒子)
の表面は、アルキルサリチル酸の金属化合物によって被
覆されていた。
【0386】得られた着色重合体粒子をヘンシェルミキ
サーにて5分間撹拌した後、この得られた着色重合体粒
子100質量部に対し、平均粒径0.005μmの疎水
性シリカ0.8質量部を添加してさらにヘンシェルミキ
サーで混合しトナーとした。
【0387】さらに、このトナーを用いて、実施例8と
同様の画出し評価を行ったところ、実施例8と同様に良
好な画像が得られた。尚、23℃/65%RHの環境下
での転写効率は、95%であった。
【0388】<比較例10>実施例10で得た連続瞬間
気流乾燥機で乾燥した一次乾燥着色重合体粒子30kg
を、非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯体
を添加せず、実施例10と同じ減圧乾燥機(RD−50
型)を用い、ジャケット加熱温度50℃、真空度0.7
〜2kPa、で減圧乾燥を4時間行った。乾燥終了後、
取出口からの乾燥トナー粒子の排出を行ったところ、乾
燥機内の壁面、撹拌翼に付着があり、約3kgが、乾燥
機内に残り、払い出し作業が必要であった。取出したト
ナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、80
ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過
率は87%であった。
【0389】最初に取出された着色重合体粒子100質
量部に対し、非晶牲のジアルキルサリチル酸のジルコニ
ウム錯体0.01質量部を添加してヘンシェルミキサー
で5分間撹拌した後、平均粒径0.005μmの疎水性
シリカ0.8質量部を添加してさらにヘンシェルミキサ
ーで混合しトナーとした。
【0390】さらに実施例8と同様の画出し評価を行っ
たところ、実施例8と同様に良好な画像が得られた。転
写効率は、94%であった。しかし、30℃/80%R
Hの環境下で途中7日間放置した後、同様な画出し試験
を行ったところ、7日間放置した直後に、画像濃度の一
時的上昇がみられた。
【0391】<実施例11>まず、実施例8と同じ水系
分散媒を用意した。
【0392】一方、分散質系として、下記処方のうち、
グラフト化カーボンブラック、結晶性ジアルキルサリチ
ル酸の亜鉛錯塩とスチレン単量体100質量部をアトラ
イターを用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次
に、着色剤分散液に下記処方の残りすべてを添加し、6
0℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始
剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を
調製した。 ・スチレン単量体 170質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 30質量部 ・グラフト化カーボンブラック 20質量部 ・飽和ポリエステル 20質量部 ・非結晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯体 0.5質量部 ・化合物(1) 30質量部
【0393】上記で得た重合性単量体組成物を、前記水
系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒
した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌
機を変え、内温を60℃に昇温させ50回転/分で重合
を6時間継続させた後、内温を80℃に昇温させ6時間
重合を継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希
塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾
過、水洗を行い、含水率22%の湿潤着色重合体粒子を
得た。
【0394】次に、含水率22%の湿潤着色重合体粒子
約40kgを解砕後、流動層乾燥機(FBS−5型:大
川原製作所社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件とし
て、50℃の空気を線速度0.4m/秒で吹き込み、2
時間後に着色重合体粒子を取り出し含水率を測定したと
ころ、0.3%であった。また、この時点で着色重合体
粒子に残留している重合性単量体含有量は、750pp
mであったが、トナー凝集によるダマの発生はなく、目
開き149μmの筋いの通過率は96%であった。
【0395】次に、取り出した一次乾燥着色重合体粒子
30kgと非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウ
ム錯体120gを、容量100リットルのナウター型の
減圧乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)に
投入し、撹拌しながら減圧乾燥を行った。乾燥条件とし
て、ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPa、
下部より窒素ガスを5.0Nリットル/minで供給し
3時間乾燥を行った。乾燥終了後、取出口からの乾燥着
色重合体粒子の排出は良好で、全量を容易に取出すこと
ができた。また、乾燥機内の壁面、撹拌翼に付着はほと
んどなかった。取出した着色重合体粒子に残留している
重合性単量体の含有量は、28ppmであった。また、
目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。こ
の着色重合体粒子(トナー粒子)の表面は、アルキルサ
リチル酸の金属化合物によって被覆されていた。
【0396】また、着色重合体粒子の重量平均粒径は
6.8μmであった。
【0397】得られた着色重合体粒子をヘンシェルミキ
サーにて5分間撹拌した後、この得られた着色重合体粒
子100質量部に対し、平均粒径0.005μmの疎水
性シリカ1.2質量部を添加してさらにヘンシェルミキ
サーで混合しトナーとした。
【0398】さらに、このトナーを用いて、実施例8と
同様の画出し評価を行ったところ、実施例8と同様に良
好な画像が得られた。尚、23℃/65%RHの環境下
での転写効率は、98%であった。
【0399】<比較例11>実施例11で得た含水率2
2%の含水トナーを得られた湿潤着色重合体粒子約40
kgを解砕後、流動層乾燥機(FBS−5型:大川原製
作所社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、5
0℃の空気を線速度0.4m/秒で吹き込み、4時間後
に着色重合体粒子を取り出し含水率を測定したところ、
0.1%であった。また、着色重合体粒子に残留してい
る重合性単量体含有量は、180ppmであったが、着
色重合体粒子の凝集によるダマの発生があり、目開き1
49μmの篩いの通過率は85%であった。また、乾燥
機内壁部には、着色重合体粒子の付着層がみられた。こ
の着色重合体粒子の付着層を取り出し含水率を測定した
ところ、0.1%であったが、トナー粒子に残留してい
る重合性単量体の含有量は、320ppmであった。
【0400】得られた着色重合体粒子粒子100質量部
に対し、前記平均粒径0.005μmの疎水性シリカ
1.2質量部を添加してヘンシェルミキサーで混合しト
ナーとした。
【0401】さらに実施例8と同様の画出し試験を行っ
たところ、耐久1,500枚程度から転写不良によるベ
タ部白抜けが発生し、さらに、30℃/80%RHの環
境下4,500枚程度で感光体へのトナー融着による画
像欠陥が発生した。
【0402】 磁性キャリアの製造例1 ・フェノール(ヒドロキシベンゼン) 50質量部 ・37wt%のホルマリン水溶液 80質量部 ・水 50質量部 ・エポキシ基を有するシラン系カップリング剤で表面処理されたアルミナ含有 マグネタイト微粒子 280質量部 (個数平均粒径0.24μm,比抵抗値5×105Ω・cm) ・上記カップリング剤で表面処理されたα−Fe23微粒子 120質量部 (個数平均粒径0.40μm,比抵抗値8×109Ω・cm) ・25質量%のアンモニア水 15質量部 上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら6
0分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応、硬化
させた。その後30℃まで冷却し500質量部の水を添
加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾し
た。次いでこれを減圧下(5mmHg)150〜180
℃でN2ガスを流入しながら24時間乾燥して、フェノ
ール樹脂を結着樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得
た。磁性キャリアコア(A)には、30℃/80%,2
4hr放置後0.35wt%の吸着水が存在していた。
【0403】得られた磁性キャリアコア(A)の表面に
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0404】
【化12】 の5質量%トルエン溶液を塗布した。
【0405】磁性キャリアコア(A)の表面は、0.2
質量%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理
されていた。塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断
応力を連続して印加しながら、塗布しつつトルエンを揮
発させた。磁性キャリアコア(A)の表面に
【0406】
【化13】 が存在しているのが確認された。
【0407】上記処理機内のシランカップリング剤で処
理された磁性キャリアコア(A)を70℃で撹拌しなが
ら、シリコーン樹脂 KR−221(信越化学工業
(株)製)にシリコーン樹脂固型分に対して3%のγ−
アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、シリコー
ン樹脂固型分として20%になるようトルエンで希釈し
た後、減圧下で添加して、樹脂被覆を行った。
【0408】以後、2時間撹拌した後、窒素ガスによる
雰囲気下で140℃,2時間熱処理を行い、凝集をほぐ
した後、200メッシュ以上の粗粒を除去し、磁性キャ
リアIを得た。
【0409】得られた磁性樹脂キャリアIのSF−1は
107、平均粒子径は33μm、電気抵抗値は5×10
13Ω・cm、1kエルステッドにおける磁化の強さ(σ
1000)は41Am2/kg、残留磁化(σr)は3.1A
2/kgであり、真比重は3.71であり、嵩密度は
1.86g/cm3であった。
【0410】磁性キャリアの製造例2 製造例1において、エポキシ基を有するシラン系カップ
リング剤を使用しないで、n−プロピルトリメトキシシ
ランで処理する以外は同様にして、磁性キャリアIIを
得た。物性を表3に示す。
【0411】磁性キャリアの製造例3 製造例2において、磁性キャリア(A)の表面をγ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、n−プロ
ピルトリメトキシシランで処理する以外は同様にして、
磁性キャリアIIIを得た。物性を表3に示す。
【0412】磁性キャリアの製造例4 製造例1のキャリアを、さらにスチレン/メチルメタク
リレート共重合体を1質量%被覆して電気抵抗値3×1
15Ωcmの磁性キャリアIVを得た。
【0413】磁性キャリアの製造例5 製造例1において、シランカップリング剤で処理しない
マグネタイトを使用する以外は同様にして、電気抵抗値
7×1010Ωcmの磁性キャリアVを得た。
【0414】トナーの製造例1 イオン交換水710質量部に、0.1M−Na3PO4
溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、1300
rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶
液68質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む
pH6の水系媒体を得た。
【0415】一方、 ・スチレン 161質量部 ・n−ブチルアクリレート 34質量部 ・銅フタロシアニン顔料 12質量部 ・ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物 1.8質量部 ・ジターシャリーブチルサリチル酸 0.2質量部 ・飽和ポリエステル 10質量部 (酸価10mgKOH/g、ピーク分子量8500) ・モノエステルワックス 20質量部 (Mw:500、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融点:69℃、粘度: 6.5mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8.6) 上記材料をメディア分散機にて十分に分散させた後、6
0℃に加温させたTK式ホモミキサー(特殊機化工業
製)に移し、12000rpmにて均一に溶解、分散し
た。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量
体組成物を調製した。
【0416】前記水系媒体中に重合性単量体組成物を投
入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミキサー
(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分
間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水
系媒体をパドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で昇温し、
pHを6に維持しながら10時間の重合反応を行った。
【0417】重合反応終了後、冷却し、pH2となるよ
うに塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ
過、水洗、乾燥をして、重合粒子(トナー粒子)を得
た。
【0418】得られた重合粒子(トナー粒子)100質
量部に対して、下記外添剤2種の外添剤を外添し、外添
後に330メッシュの篩で粗粒を除去し、負帯電性のシ
アントナーNo.1を得た。シアントナーNo.1の重
量平均粒径は7.3μm、SF−1は108であった。
化合物Aは、0.44×10-3g/トナー1gであっ
た。
【0419】(1)疎水性シリカ微粉体0.7質量部: BET比表面積40m2/g 個数平均粒径35nm シリカ微粉体100質量部に対して気相中でヘキサメチ
ルジシラザン10質量部で疎水化処理したもの。
【0420】(2)疎水性酸化チタン微粉体0.5質量
部: BET比表面積100m2/g 個数平均粒径50nm 酸化チタン微粉体100質量部に対して水媒体中でイソ
ブチルトリメトキシシラン15質量部で疎水化処理した
もの。
【0421】トナーの製造例2 製造例1において、ジターシャリーブチルサリチル酸金
属化合物およびジターシャリーブチルサリチル酸を使用
しない以外は同様にして、平均粒径7.5μm、SF−
1 113、化合物Aが0のシアントナーNo.2を得
た。
【0422】トナーの製造例3 製造例1において、pHを11に維持しながら重合を行
う以外は同様にして、平均粒径7.4μm、SF−1
111、化合物Aが4.2×10-3g/トナー1gのシ
アントナーNo.3を得た。
【0423】トナーの製造例4 製造例1において、外添剤を使用しない以外は同様にし
て、平均粒径7.5μm、SF−1 108、化合物A
が0.45×10-3g/トナー1gのシアントナーN
o.4を得た。
【0424】トナーの製造例5 銅フタロシアニン顔料のかわりにキナクリドン顔料を使
用することを除いてトナーの製造例1と同様にしてマゼ
ンタ色の重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合
粒子に実施例1と同様にして外添剤3種を外添して負帯
電性のマゼンタトナーを調製した。マゼンタトナーは、
重量平均粒径7.4μm、SF−1は108、化合物A
は0.59×10-3g/トナー1gであった。
【0425】トナーの製造例6 銅フタロシアニン顔料のかわりにC.I.ピグメントイ
エロー93およびソルベントイエロー162を使用する
ことを除いてトナーの製造例1と同様にしてイエロー色
の重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合粒子に
トナーの製造例1と同様にして外添剤3種を外添して負
帯電性のイエロートナーを調製した。イエロートナー
は、重量平均粒径7.5μm、SF−1は109、化合
物Aは0.85×10-3g/トナー1gであった。
【0426】トナーの製造例7 銅フタロシアニン顔料のかわりにカーボンブラックを使
用することを除いてトナーの製造例1と同様にしてブラ
ック色の重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合
粒子に実施例1と同様にして外添剤3種を外添して負帯
電性のブラックトナーを調製した。ブラックトナーは、
重量平均粒径7.4μm、SF−1は107、化合物A
は0.89×10-3g/トナー1gであった。
【0427】<実施例12>磁性キャリアI 92質量
部とシアントナーNo.1 8質量部を、トナー濃度8
%になるようにV型混合機で混合し、二成分系現像剤1
とした。
【0428】この二成分系現像剤1を用いて、画像形成
装置として、市販のデジタル複写機GP55(キヤノン
製)を図5の現像装置が入れられるよう改造し、図6の
現像バイアスを使用したものを用い、定着装置を加熱ロ
ーラー、加圧ローラーともに表層をPFAで1.2μm
被覆したローラーに変更しオイル塗布機構を除去した構
成に改造し、画像面積25%のオリジナル原稿を使用
し、23℃/60%(N/N)、23℃/5%(N/
L)、32.5℃/90%(H/H)の各環境でそれぞ
れ3万枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて
評価した。結果を表4に示すが、表4からわかるように
良好な結果が得られた。
【0429】(1)画像濃度:画像濃度は、SPIフィ
ルターを装着したマクベス社製マクベスデンシトメータ
RD918タイプ(Macbeth Densitom
eter RD918manufactured by
Macbeth Co.)を使用して、普通紙上に形
成された画像の相対濃度として測定した。
【0430】(2)カブリ 画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)をリフレクト
メータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOME
TER MODEL TC−6DS」)によって測定し
た。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベ
タ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)
は下記式 Fog(%)=Dr(%)−Ds(%) から算出する。 ◎:0.4%未満 ○:0.4〜0.8%未満 △:0.8〜1.2%未満 ×:1.2%以上
【0431】(3)ライン飛び散り 200μmのライン画像の線幅の飛び散りを評価した。 ◎:210μm以下の範囲 ○:210μm超、220μm以下の範囲 △:220μm超、230μm以下の範囲 ×:230μm超の範囲
【0432】<実施例13>実施例12において、磁性
キャリアIIを使用する以外は同様にして行ったとこ
ろ、カブリ抑制がわずかに悪化したものの、表4に示す
ように良好な結果が得られた。これは、官能基どうしの
反応性がないために、耐久後のキャリア表面に若干トナ
ースペントが増加したためと推測される。
【0433】<実施例14>実施例12において、磁性
キャリアIIIを使用する以外は同様にして行ったとこ
ろ、表4に示すようにH/H下で画像濃度向上およびカ
ブリ抑制が若干悪化した。これは、表面を処理しなかっ
たために耐湿性が若干低下したためと、被覆層が若干不
均一でトナーの帯電不良が生じたためと推測される。
【0434】<比較例12>実施例12において、磁性
キャリアIVを使用する以外は同様にして行ったとこ
ろ、表4に示すように耐久によりカブリ抑制が悪化し
た。これは、磁性キャリアの抵抗が高くなりすぎ、補給
トナーの耐電付与能が悪化したためと推測される。
【0435】<比較例13>実施例1において、キャリ
アNoVを使用する以外は同様にして行ったところ、表
4に示すように初期から画像濃度が低くカブリ抑制も悪
化したので、評価を中止した。これは抵抗が低すぎたた
めと推測される。
【0436】<比較例14>実施例13において、トナ
ーNo.2を使用する以外は同様にして行ったところ、
ライン飛び散り抑制が悪化し、カブリ抑制も悪化した。
これは、化合物Aがないために、補給トナーの立ち上が
りが悪化したためと推測される。
【0437】<比較例15>実施例13において、トナ
ーNo.3を使用する以外は同様にして行ったところ、
N/L下で画像濃度が低く、H/H下でライン飛び散
り、カブリ抑制も悪化した。これは化合物Aが多いため
に、環境安定性が損なわれたためと推測される。
【0438】<比較例16>実施例13において、トナ
ーNo.5を使用する以外は同様にして行ったところ、
画像濃度及びカブリ抑制ともに悪化したので評価を中止
した。これは外添剤を使用しなかったためと推測され
る。
【0439】<実施例15>画像形成装置としてGP−
55のかわりに、図7に示す如く市販のフルカラー複写
機CLC2400(キヤノン製)を改造したものを用
い、シアントナーNo.1、マゼンタトナー、イエロー
トナー、ブラックトナーを用い同様に画出しを行ったと
ころ、良好な結果が得られた。
【0440】
【表3】
【0441】
【表4】
【0442】
【発明の効果】本発明1のトナーの製造方法では、長期
間、繰り返して使用しても、現像剤の帯電特性を低下さ
せる恐れがない。
【0443】また、本発明2によれば、懸濁重合法によ
って得られたトナー粒子を、トナー粒子に残存する未反
応の重合性単量体を短時間に効率良く除去を行い、転写
効率の高いトナー粒子を得るトナーの製造方法を提供す
ることができる。
【0444】さらに、本発明3によれば、温湿度に影響
されることなく、高画像濃度で高精細なカラー画像を得
ることができ、トナーの摩擦帯電の付与能が良好であ
り、キャリアへのトナー及び外添剤の汚染が発生しにく
く、トナーに対する負荷も少なく、多数枚耐久性に優れ
ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる被乾燥物(湿潤粒子または
スラリー)を熱気流中で粉粒状に分散させ、高速熱気流
と並流に送りながら瞬間的に乾燥する装置のシステムの
一例を示す概略的図である。
【図2】本発明に用いられる減圧式乾燥装置及び装置シ
ステムの一例を示す概略的断面図である。
【図3】本発明に用いられる減圧式乾燥装置及び装置シ
ステムの一例を示す概略的断面図である。
【図4】実施例8のトナーの断面を示す模式図である。
【図5】本発明の画像形成方法の好適な一例を表す模式
図である。
【図6】実施例12で用いた交番電界を示す図である。
【図7】フルカラー画像形成方法の例を示す概略説明図
である。
【図8】本発明の画像形成方法を実施するための画像形
成装置の他の例を示す概略的説明図である。
【図9】体積抵抗値の測定に用いたセルの模式図であ
る。
【符号の説明】
1 熱風発生機 2 気流乾燥管 3 気流分散部 4 気流抜き出し口 5 サイクロン 6 被乾燥物供給装置 7 乾燥品取出し口 10 バッグフィルタ 11 ジャケット 12 蒸気供給口 13 冷却水供給口 14 排出口 15 ポンプ 16 マンホール 17 蒸気注入口 18 アキュムレータ 19 ボイラ 20 コールドトラップ 21 仕切板 22 ろ布 23 排出口 24 洗浄用ノズル 25 コンプレッサ 26 ろ過器 28 真空ポンプ 29 ポンプ 30 ガス投入口 31 混合機 32 容器 33 駆動装置 34 駆動アーム 35 撹拌部材 36 原料供給口 37 排気口 38 取出口 39 取出し用バルブ 40 リボン翼型撹拌部材 501 静電荷像担持体(感光ドラム) 504 現像装置 511 現像剤担持体(現像スリーブ) 512 マグネットローラ 513,514 現像剤搬送スクリュー 515 規制ブレード 517 隔壁 518 補給用トナー 519 現像剤 519a トナー 519b キャリア 520 補給口 521 マグネットローラ 522 搬送スリーブ 523 磁性粒子 524 レーザー光 525 転写材(記録材) 526 バイアス印加手段 527 転写ブレード 528 トナー濃度検知センサー 761a 感光ドラム 762a 一次帯電器 763a 現像器 764a 転写ブレード 765a 補給用トナー 767a レーザー光 768 転写材担持体 769 分離帯電器 770 定着器 771 定着ローラ 772 加圧ローラ 773 ウェッブ 775,776 加熱手段 779 転写ベルトクリーニング装置 780 駆動ローラ 781 ベルト従動ローラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/107 G03G 9/08 381 9/113 9/10 331 361 (72)発明者 谷内 信也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中山 憲一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 加藤 政吉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA08 AA13 AA15 AA21 AB03 AB06 BA03 BA07 CA14 CA15 CA25 CA26 CB08 DA02 EA01 EA03 EA05 FA02

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系媒体中で、少なくとも芳香族オキシ
    カルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟化点物質、極性
    樹脂を有する重合性単量体組成物を重合することによ
    り、直接的に生成されるトナーの製造方法において、 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟化
    点物質、極性樹脂を重合性単量体組成物中に分散後、造
    粒あるいは重合の工程でpH9〜pH13のアルカリ水
    溶液に可溶な芳香族オキシカルボン酸の金属化合物をさ
    らに、水系媒体中へ添加し、水系媒体中のpHを4.5
    〜9.0に保持しながら重合を行う第1反応課程と、重
    合途中でpHを9〜13に再調整する第2反応課程を有
    する重合工程を経た後、酸処理における水系媒体中のp
    Hを1.0〜2.5で行い、水系媒体中の芳香族オキシ
    カルボン酸の金属化合物をトナー表面へ析出させること
    を特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1反応課程で重合中の水系媒体中
    のpHを4.5〜8.0に保持することを特徴とする請
    求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 芳香族オキシカルボン酸が、下記式
    (1)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のトナーの製造方法。 【化1】 [上記式(1)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1
    は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモ
    ニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。] 【化2】
  4. 【請求項4】 水系媒体中で、少なくとも芳香族オキシ
    カルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟化点物質、極性
    樹脂を有する重合性単量体組成物を重合することによ
    り、直接的に生成されるトナーの製造方法において、 芳香族オキシカルボン酸の金属化合物、着色剤、低軟化
    点物質、極性樹脂を重合性単量体組成物中に分散後、造
    粒あるいは重合の工程でpH9〜pH13のアルカリ水
    溶液に可溶な芳香族オキシカルボン酸の金属化合物をさ
    らに、水系媒体中へ添加し、水系媒体中のpHを4.5
    〜9.0に保持しながら重合を行う第1反応課程と、重
    合途中でpHを9〜13に再調整する第2反応課程を有
    する重合工程を経た後、酸処理における水系媒体中のp
    Hを1.0〜2.5で行い、水系媒体中の芳香族オキシ
    カルボン酸の金属化合物がトナー表面に析出されたトナ
    ーであり、 該トナー1g中のメタノールにより抽出される芳香族オ
    キシカルボン酸の質量をA、0.1規定の水酸化ナトリ
    ウム水溶液により抽出されるトナー表面の芳香族オキシ
    カルボン酸の質量をBとしたとき、 B=0.05×10-3〜1.5×10-3g A/B=1.35〜3.00 を満足することを特徴とするトナー。
  5. 【請求項5】 前記第1反応課程で重合中の水系媒体中
    のpHを4.5〜8.0に保持することを特徴とする請
    求項4に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 芳香族オキシカルボン酸が、下記式
    (1)で示される化合物を用いることを特徴とする請求
    項4又は5に記載のトナー。 【化3】 [上記式(1)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1
    は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモ
    ニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。] 【化4】
  7. 【請求項7】 重合性単量体及び着色剤を少なくとも含
    有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合し
    て、着色重合体粒子を生成させた後、洗浄、脱水し、得
    られた湿潤着色重合体粒子を熱風を用いた乾燥をするこ
    とによって、含水率0.1%以上1.0%未満に水系分
    散媒体を除去した後、該着色重合体粒子にアルキルサリ
    チル酸の金属化合物を添加し、これらを撹拌しながら、
    着色重合体粒子中に残存している未反応の重合性単量体
    の残存量を200ppm以下になるまで減圧乾燥を行っ
    て、アルキルサリチル酸の金属化合物がトナー粒子表面
    を被覆しているトナー粒子を得ることを特徴とするトナ
    ーの製造方法。
  8. 【請求項8】 該熱風を用いた乾燥が、湿潤状態の着色
    重合体粒子を熱気流中で粉粒状に分散させ、熱気流と並
    流に送りながら乾燥することを特徴とする請求項7に記
    載のトナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 該熱風を用いた乾燥が、湿潤状態の着色
    重合体粒子を浮遊懸濁させて流動層を形成させて乾燥す
    ることを特徴とする請求項7に記載のトナーの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 該減圧乾燥を、ガス供給の下で行うこ
    とを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のトナ
    ーの製造方法。
  11. 【請求項11】 該減圧乾燥を、乾燥機内圧力を13k
    Pa以下に保持する量で、ガスを供給して行うことを特
    徴とする請求項10に記載のトナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 該アルキルサリチル酸の金属化合物
    が、低結晶性または非結晶性のアルキルサリチル酸の金
    属錯塩または金属錯体または金属錯塩と金属錯体の混合
    物であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか
    に記載のトナーの製造方法。
  13. 【請求項13】 トナー粒子が、低軟化点物質を5〜4
    0質量%含有しており、透過型電子顕微鏡を用いたトナ
    ーの断層面測定方法で、低軟化点物質が外殻樹脂層で内
    包化されていることを特徴とする請求項7乃至12のい
    ずれかに記載のトナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記トナー粒子が、低軟化点物質とし
    て、炭素数10以上の長鎖エステル部分を1個以上有す
    るエステルワックスを含有することを特徴とする請求項
    1乃至13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 トナー粒子と外添剤とを有する負帯電
    性トナーとキャリアとを少なくとも含有する二成分系現
    像剤において、 トナーが、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液抽出成
    分のうち、UVの吸光度で280〜350nmにピーク
    を持つ化合物Aを、0.05×10-3〜1.5×10-3
    g/トナー1g含有しており、 キャリアが、体積固有抵抗値が1011〜1015Ωcmで
    あることを特徴とする二成分系現像剤。
  16. 【請求項16】 キャリアが、磁性微粒子分散型樹脂キ
    ャリアであって、少なくとも無機化合物粒子とバインダ
    ー樹脂とを有する複合体粒子で形成されており、該複
    合体粒子表面がエポキシ基、アミノ基及びメルカプト基
    から選ばれる1種又は2種以上の官能基を有しているカ
    ップリング剤の1種又は2種以上で処理されており、
    該無機化合物粒子が、少なくともエポキシ基、アミノ
    基、メルカプト基、有機酸基、エステル基、ケトン基、
    ハロゲン化アルキル基及びアルデヒド基から選ばれる1
    種又は2種以上の官能基を有する親油化処理剤又はそれ
    らの混合物で処理されていることを特徴とする請求項1
    に記載の二成分系現像剤。
  17. 【請求項17】 無機化合物粒子が、少なくともエポキ
    シ基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる1種又は
    2種以上の官能基を有する親油化処理剤で処理されてい
    ることを特徴とする請求項15又は16に記載の二成分
    系現像剤。
  18. 【請求項18】 親油化処理剤が、カップリング剤であ
    ることを特徴とする請求項16又は17に記載の二成分
    系現像剤。
  19. 【請求項19】 無機化合物粒子が、無機化合物粒子に
    対し、0.1乃至5.0質量%の親油化処理剤で処理さ
    れていることを特徴とする請求項16乃至18のいずれ
    かに記載の二成分系現像剤。
  20. 【請求項20】 複合体粒子表面を被覆している親油化
    処理剤が、少なくともアミノ基を有するシランカップリ
    ング剤であることを特徴とする請求項15乃至19のい
    ずれかに記載の二成分系現像剤。
  21. 【請求項21】 バインダー樹脂が熱硬化性樹脂である
    ことを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載
    の二成分系現像剤。
  22. 【請求項22】 熱硬化性樹脂が、少なくともフェノー
    ル樹脂を含有することを特徴とする請求項21に記載の
    二成分系現像剤。
  23. 【請求項23】 複合体粒子の表面が、更に樹脂で被覆
    されていることを特徴とする請求項15乃至22のいず
    れかに記載の二成分系現像剤。
  24. 【請求項24】 トナーが重量平均粒径3〜9μmであ
    り、固体ワックスを1乃至40質量%含有することを特
    徴とする請求項15乃至23のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  25. 【請求項25】 トナーが荷電制御剤としてアルキルサ
    リチル酸系の金属化合物を含有することを特徴とする請
    求項15乃至24のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  26. 【請求項26】 重合性単量体組成物を分散、造粒、重
    合、酸洗浄、濾過、水洗浄、乾燥する工程において、造
    粒から重合の工程に至るまでpH5乃至pH7の酸性下
    でを行うことを特徴とする請求項15乃至25のいずれ
    かに記載の二成分系現像剤。
  27. 【請求項27】 pH5乃至pH7の酸性下で造粒およ
    び重合後、さらに昇温し、炭酸ナトリウムを水系媒体中
    に添加し、pH9乃至pH12の水系媒体にしたアルカ
    リ下で水溶性開始剤を併用しトナー粒子表面を処理する
    ことを特徴とする請求項1乃至26に記載の二成分系現
    像剤。
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