JP3679637B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真,静電記録,静電印刷、あるいは、トナージェット記録等に用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法とは米国特許第2,297,691号明細書等に記載されている如く、多数の方法が知られており、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き記録材にトナー画像を転写した後、加熱・圧力或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得る方法である。トナーを用いて現像する方法或いはトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されている。
【0003】
近年、電子写真法に対し、高速複写化、高画質化、さらにカラー化が求められている。
【0004】
一般にトナーを製造する方法としては、熱可塑性樹脂中に染料及び顔料の如き着色剤及び荷電制御剤のような添加剤を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置及び分級装置により粉砕及び分級を行なって所望の粒径を有するトナーを製造する方法、すなわち粉砕法が知られている。
【0005】
この製造方法(粉砕法)によれば、かなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、すなわちトナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が充分に脆く、経済的に使用可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。この要請から、樹脂着色剤分散体を十分に脆くせざるを得ないため、この分散体を実際に高速で微粉砕する際に、広い粒径範囲の粒子群が形成され易く、特に、比較的大きな割合の過度に微粉砕された粒子が、この粒子群に含まれるという問題が生ずる。更に、このように高度に脆性を有する材料は複写機等において実際に現像用に使用する際、更に微粉砕化ないし粉化を受け易い。
【0006】
さらに、これら粉砕法によるトナーにおいては、ワックスの如き離型剤を添加する場合に制約がある。すなわち、離型剤の分散性を十分なレベルとするためには、▲1▼樹脂との混練温度において、ある程度の粘性を保つ必要があること、▲2▼離型剤の含有量を約5重量部以下にすることなどである。このような制約のため、粉砕法によるトナーの定着性には限界がある。
【0007】
また、この混練−粉砕法においては、着色剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散させることは簡単ではなく、分散の度合によってはトナーの組成に分布が生じ、トナー現像特性の変動をきたす場合もある。さらに、一般にトナーによって形成した画像の解像度、ベタ部均一性、階調再現性等はトナーの特性、特にその粒径に依存する割合が大きく、小粒径粒子ほど高品質の画像が得られるため、最近のプリンタや高画質複写機等は、小粒径トナーを使用することが多い。しかしながら、粉砕法によってトナー粒子を小粒径化するには粉砕機の能力によって、体積平均粒径で5.0μm程度が限界である。
【0008】
これに対して、少なくとも重合性単量体を有する重合性単量体組成分を懸濁重合し、同時にトナー粒子を得るトナーの製造方法(以後、重合トナー)が提案されている(特公昭36−10231号公報)。この懸濁重合法においては重合性単量体および着色剤(さらに必要に応じて重合開始剤,架橋剤,その他添加剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相(例えば水相)中に適当な撹拌機を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものであり、上記粉砕法トナーで説明した項目の制約がなく、種々の利点があるため、最近特に注目されてきた。
【0009】
すなわち、このトナーの製造方法は、粉砕工程を全く含まないため、トナー材料に特に脆性は必要なく、またトナー破断面への着色剤等の露出が生じていないトナーを得ることのできる製造方法である。更に、重合トナーでは、トナー粒子内に離型剤成分を内包化できるため、離型剤の含有量を粉砕法トナーに比較して増加させることができる。また着色剤の分散性も重合性単量体中に他の添加剤と共に均一に溶解あるいは分散できるため、特に問題になることもない。さらには、分散・造粒条件によって所望の粒径及び粒径分布コントロールが可能なため、小粒径トナー化に対応できる利点を有する。
【0010】
しかしながら、この様な重合トナーも、以下に述べる様な解決すべき問題点を有している。
【0011】
すなわち、重合トナーにおいては、種々の材料を重合性単量体系へ溶解あるいは分散させ重合性単量体組成物として水系媒体中へ懸濁分散させるわけであるが、原材料の組合せや条件等によって重合性単量体組成物粒子を安定に懸濁造粒し、さらに粒子合一の発生しない安定した条件で重合反応を完結させることは、技術的に必ずしも容易ではない。
【0012】
特に近年は、電子写真技術を応用したシステムが従来の事務処理用複写機のみならず、カラー化及びコンピューターの出力としてプリンターという分野で急激に発展していることもあり、種々のシステムのプロセス構成が多様化し、それに伴って要求されるトナーの物性も、従来からのポイントであった粒度分布,流動性及び摩擦帯電性のみならず、トナー形状,トナーの表面性等の制御まで細かく要求される様になってきている。
【0013】
このため、重合トナーの懸濁造粒・重合安定性は、単に生産性のみならず、トナー物性に与える影響が非常に大きく重要な要素であり、不安定な懸濁造粒・重合条件は、粒子合一・凝集を発生させ、粒度分布,摩擦帯電性を著しく損ない、その結果として粒子形状・表面状態の制御が不可能となる。
【0014】
従来、懸濁造粒の安定性,重合中の粒子の合一防止、生成粒子の粒度分布のシャープ化等の目的では、多くの提案がなされている。例えば、特開昭57−42052号公報における分散剤とアニオン界面活性剤併用で粒度分布を制御する方法、特開昭57−41649号,特公平1−55643号,特開平6−73101号,特開平7−165847号公報等における水相重合禁止剤添加での粒度調整方法など多数提案されている。しかし、前者は界面活性剤が残留する等の欠点があり、これによってトナー粒子の摩擦帯電性が不安定となり、トナー粒子の現像特性が著しく低下する。後者は、副生乳化重合微粒子除去が可能等の利点はあるが、それ以上に微粒子として問題のあるマイクロサスペンション粒子の削減には効果がないという問題があり、このマイクロサスペンション粒子の存在は、現像でのトナーの目詰りや摩擦帯電の不均一を誘発し易いという欠点を有する。
【0015】
一方、分散安定剤を改良し、前記重合トナーの有する問題を解決しようという提案も数多い。例えば、特開平9−54457号,特開平7−49586号公報等で代表される様に、一旦、生成した分散安定剤を酸で可溶化後、アルカリで再析出させてアルカリ下で所望の分散安定剤を得、これを使用して粒度分布のシャープな重合トナー粒子を得る方法等の提案があるが、トナー粒子形態、表面性等までを含めた制御が要求される現在、この提案では不十分であり、要求される物性全てを満足できるものではない。
【0016】
また、特開平7−301949号公報においては、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することにより、直接、分散媒中にリン酸カルシウムを生成する方法が記載されている。この方法は優れた方法であるが、該公報に記載されている処方により水系媒体を製造した場合には、水系媒体のpHは10程度になる。この様なpHを有する水系媒体中において、重合性単量体、着色剤及び荷電制御剤等を含有している重合性単量体組成物の分散造粒を行うと、着色剤、荷電制御剤等がアルカリに分解、溶解及び変性しやすいため、トナー粒子の製造に要する時間や温度等によっては、着色剤、荷電制御剤等の添加剤が分解、溶解又は変性してしまい、所望の荷電制御性や着色力を有するトナー粒子を製造することは困難になる。また、着色剤、荷電制御剤等の添加剤が部分的に溶解すると、重合性単量体組成物粒子の均一な分散が阻害され、微粒子が増加したり、粒子凝集が発生したりするため、得られるトナー粒子の粒度分布が不均一なものになりやすい。特にアルカリに弱い着色剤、荷電制御剤等の添加剤では、分解、溶解又は変性が激しく、使用できないものもある。よってアルカリ性を有する水系媒体中で、物性及び粒度分布において安定したトナー粒子を製造するためには、厳しく製造条件を管理する必要があり、更に用いる着色剤、荷電制御剤等の添加剤も制限されていた。
【0017】
特公平3−76749号公報では、重合中の粒子の合一が無く、安定した懸濁系で均一な粒径分布を得る目的で、アニオン性ポリマー含有重合性単量体組成物を、窒素原子をもつ有機基を有する分散安定剤と無機酸とを含有する水系媒体中で分散、重合する提案がなされている。これはかなり有効であるが、窒素原子含有分散安定剤の除去時に、強アルカリを使用するため、上述の如き点がやはり問題となっていた。
【0018】
この様に、重合トナーの製造方法において、造粒時及び重合時の粒子合一がなく、反応を通して粒子が安定した状態で存在し、生成したトナー粒子が常に安定して再現性の良いシャープな粒度分布と、均一な摩擦帯電能を有し、トナーの形状及び表面状態が制御されており、更にはトナー原材料として使用できる原材料が制限されないという条件を全て満足する有効な製造方法は未だ見い出されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如き問題を解決したトナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
すなわち、本発明の目的は、トナーの製造方法において、さらに詳しくは重合トナーの製造方法において、水系媒体中に懸濁造粒した重合性単量体組成物が粒子として常に安定して分散し、重合反応中の粒子合一が発生しない再現性の良いトナーの製造方法を提供することにある。
【0021】
さらに本発明の目的は、生成するトナー粒子が常に安定で再現性良くシャープな粒度分布と均一な摩擦帯電能を有するトナーの製造方法を提供することにある。
【0022】
さらに本発明の目的は、生成するトナー粒子の形状あるいは表面状態を常に再現性良く制御することができるトナーの製造方法を提供することにある。
【0023】
さらに本発明の目的は、トナー粒子の原材料として使用できる原材料が基本的に制限されないトナーの製造方法を提供することにある。
【0024】
さらに本発明の目的は、画像濃度が高く安定で、カブリのない画像特性に優れたトナーの製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合して得られるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHを4.5乃至5.8に調整し、該水系媒体中に、少なくとも重合性単量体、着色剤、カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体及び重合開始剤を有する重合性単量体組成物を分散させ、重合性単量体組成物の粒子を生成し、該水系媒体中で、該粒子に含まれている重合性単量体を重合して、トナー粒子を生成し、該水系媒体のpHを1.0乃至3.0に調整して、リン酸カルシウム塩類を溶解した後にトナー粒子を水系媒体から分離するという工程を有するトナーの製造方法であって、得られたトナーのフロー式粒子像分析装置(FPIA)で測定される円形度が0.970以上1.000未満であることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0027】
本発明に用いるリン酸カルシウム塩類は、水系媒体中で重合性単量体組成物に対する分散剤としての役割を有する。
【0028】
一般的に分散剤として考えられる物質としては、無機分散剤として、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機分散剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプンがあり、これらを水相に分散させて使用される。
【0029】
これら分散剤は、水系媒体中で均一に分散して液滴として存在している重合性単量体組成物粒子同士の凝集を防止し、さらにこれら液滴表面に一様に吸着することにより、該液滴を安定化していると考えられる。これらの分散剤は、液滴中の重合性単量体の重合反応終了後に酸、アルカリ処理や、熱水洗浄等を通して可溶化され、トナー粒子から分離される。しかしながら、分散剤として使用できる上記物質の中には、トナー粒子表面からの完全除去がその物質の溶解性,分子量,粘性等の理由で困難な場合も多く、さらにトナー粒子の組成によっては、強アルカリ処理,熱水洗浄等の工程で着色剤,荷電制御剤の一部が分解,溶出したり、熱変性が発生したりするため、トナー粒子の表面性,摩擦帯電性等が損われ、トナーの現像特性等が著しく低下する場合がある。
【0030】
また、無機分散剤の中には、凝集作用が強いため、液滴の重合反応中に粘度変化等が発生して液滴としての安定性が低下した時に、逆に液滴の凝集・合一などの不安定現像を促進させるものもあり、分散剤の選択は容易ではない。
【0031】
本発明において分散剤として用いられるリン酸カルシウム塩類は、前述の様な不具合を発生させず、酸処理・水洗浄のみで容易にトナー粒子表面から除去することができるため、分散剤としてい有効である。また酸処理・水洗浄で除去できるために、着色剤,荷電制御剤等の分解・溶出も発生せず、熱変性も考慮する必要もない。
【0032】
ここで述べるリン酸カルシウム塩類とは、リン酸カルシウム,リン酸水素カルシウム,リン酸二水素カルシウム,ヒドロキシアパタイト及びそれらの複数の混合物であり、これらの塩類の結晶の大きさ,結晶凝集物の粒径,酸に対する溶解度等の効果を考慮すると、ヒドロキシアパタイト及びリン酸カルシウムが好ましく、その中でもヒドロキシアパタイトが最も好ましい。
【0033】
このリン酸カルシウム塩類は、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とから水系媒体中でリン酸カルシウム塩類を生成させて使用する方法が、凝集物の発生がなく、均一な微粒子結晶が得られるため分散剤として使用する場合、最も効果があり、安定した懸濁状態が得られる。粉末状のリン酸カルシウム塩類をそのまま用いる場合、粉体として強い凝集体となってしまい易いため、凝集体として粒径が不均一であり、水相への分散はかなり難しい。更にリン酸カルシウム塩類を水系媒体中で生成させる方法の利点としては、リン酸カルシウム塩類と同時に副生する水溶性の中性塩類が、重合性単量体の水中への溶解防止効果と水系媒体の比重を大きくする効果とを有することである。
【0034】
用いるリン酸塩水溶液としては、リン酸ナトリウム水溶液が好ましく、カルシウム塩水溶液としては、塩化カルシウム水溶液であることが好ましい。又、リン酸ナトリウム水溶液は、pH10〜14であることが好ましい。更に、真球状のトナーを得るためには、酸を用いてpHを調整すること無しに、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合して得られる水溶液のpHが、7〜14であることが好ましい。
【0035】
本発明におけるリン酸カルシウム塩類生成時のpH調整について説明する。
【0036】
pH9.0乃至14.0の水系媒体中で、重合性単量体、着色剤、荷電制御剤等を含有している重合性単量体組成物の分散造粒を行うと、着色剤、荷電制御剤等がアルカリに分解、溶解及び変性しやすいため、トナー粒子の製造に要する時間や温度等によっては、着色剤、荷電制御剤等が溶解してしまい、所望の荷電制御性や着色力を有するトナー粒子を製造することは困難である。また、水系媒体中で着色剤、荷電制御剤が部分的に溶解すると、重合性単量体組成物の均一な分散が阻害され、微粒子が増加したり、粒子凝集が発生したりするため、得られるトナー粒子の粒度分布が不均一なものになりやすい。よって水系媒体のpHが9.0〜14.0という条件においては、物性及び粒度分布において安定したトナー粒子を製造するためには厳しい製造条件の管理が必要であり、困難であった。
【0037】
また本発明者等の検討によると、水系媒体のpHに応じて、水系媒体に含まれている分散剤であるリン酸カルシウム塩類の界面が帯電することがわかった。リン酸カルシウム塩類の界面は、アルカリ性領域でネガ帯電、中性領域で等電位点、酸性領域でポジ帯電を示すことがζ電位を測定することで確認された。
【0038】
本発明においては、リン酸カルシウム塩類を生成するにあたって、その水系媒体のpHを4.0乃至6.0、好ましくは4.5乃至5.8に調整することにより、物性及び粒度分布において安定したトナー粒子を容易に製造することが可能となった。
【0039】
本発明の製造方法にでは、pH4.0乃至6.0を示す水系媒体中における造粒、重合工程時に、重合性単量体組成物に含有されるカルボキシル基を有する極性重合体又は共重合体が親水性であるため、これらは液滴の外殻に偏在し、他の組成物を包み込む様に存在する。こうして得られたトナー粒子は、所謂コア/シェル構造をとり、安定した摩擦帯電能を発現する。
【0040】
しかしながら、水系媒体がアルカリ性である場合には、分散剤の界面がネガに帯電しているために、ネガ性のカルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体は電荷的に反発するため、極性重合体又は極性共重合体成分が安定して外殻に存在しにくく、重合中に液滴同士の凝集等が発生し、粒度分布、粒子形状及び表面性、摩擦帯電能等が制御しにくく、トナーの製造において再現性が悪くなりやすい。
【0041】
トナー粒子がコア/シェル構造をとっていることは、トナーの断層面を調べることにより確認することができる。具体的には、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し、そのサンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)で測定することによりトナーの断層形態を確認することができる。後記の実施例で得られたトナー粒子は、コア/シェル構造をとっていることが確認された。
【0042】
従って、本発明ではリン酸カルシウム塩類を生成するに当って、その水系媒体のpHを4.0〜6.0(好ましくはpH4.5〜5.8)に調整し、重合性単量体,着色剤,カルボキシル基を含有する極性重合体又は極性共重合体及び開始剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を該水系媒体へ分散造粒し、重合性単量体組成物粒子を得ている。
【0043】
ここでpHが4.0よりも低い条件では、分散剤であるリン酸カルシウム塩類が急激に可溶化するため所定の分散剤濃度を維持することができず、分散剤として使用する領域として好ましくない。
【0044】
本発明におけるpH調整方法としては、例えば、塩酸,硫酸,硝酸,リン酸の如き水溶性無機酸が用いられる。これらの無機酸は必要に応じて水で所定濃度に希釈して使用しても良い。添加量はリン酸カルシウム塩類が生成してきた時に、あるいはリン酸カルシウム塩類が安定生成した後にpH4.0〜6.0(好ましくはpH4.5〜5.8)で最終的に安定する様に、所定濃度の無機酸を適宜調整して添加すれば良い。好ましい水溶性無機酸の添加量は、1価の水溶性無機酸を用いる場合には、リン酸塩水溶液中のリン酸塩1モル当り0.3〜0.9モルであり、2価の水溶性無機酸を用いる場合には、リン酸塩水溶液中のリン酸塩1モル当り0.15〜0.45モルであり、3価の水溶性無機酸を用いる場合には、リン酸塩水溶液中のリン酸塩1モル当り0.1〜0.3モルである。
【0045】
さらに好ましいpHの調整方法としては、リン酸塩水溶液に所定量すなわりリン酸カルシウム塩類が安定生成した後のpHが4.0〜6.0(好ましくはpH4.5〜5.8)になる様な添加量の無機酸を予め添加し、次いでカルシウム塩水溶液を加えてリン酸カルシウム塩類を生成する方法が良い。この場合の無機酸の添加量も上記の範囲であることが好ましい。
【0046】
またpH4.0〜6.0の領域におけるリン酸カルシウム塩類の界面電荷は、ポジ帯電で安定している。この条件下ではポジ帯電の分散剤粒子は、ネガ性のカルボキシル基を有する極性重合体又はその共重合体を含む重合性単量体組成物表面に安定した静電気力をもって吸着するため、重合性単量体組成物の造粒及び重合における凝集・合一が防止され、生成トナー粒子のシャープな粒度分布が再現性良く達成される。さらに生成トナー粒子においては、上述した如く、ネガ性極性重合体又は極性共重合体がトナー粒子表面に常に安定して偏在し、コア/シェル構造をとるため、摩擦帯電性に優れたトナー粒子が得られる。
【0047】
また、このpH領域において造粒した液滴は、重合反応終了時まで荷電的に安定して水中に分散しているため、生成トナーの形状はかなり真球に近いものが安定して再現性良く得られ、分散剤濃度、重合性組成物構成、特にカルボキシル基を有する極性重合体又は共重合体の分子量,添加量,着色剤種及び量等での若干の変化はあるものの、フロー式粒子像分析装置(FPIA)で0.970以上1.000未満の円形度を有する。また、この様にして生成したトナー粒子は、造粒、重合工程を通して安定しているため従来問題となっていた反応槽内の汚れ、付着等も非常に少なく、生産効率の上からも大きなメリットを有する。
【0048】
一般に円形度の優れた真球に近い形態をもち、表面がなめらかなトナー粒子は、摩擦帯電能に優れ、帯電が安定のため、トナー特性として電子写真システムにおける転写性に優れる特徴を有する。
【0049】
また得られたトナー粒子は、重量平均粒径で3〜10μmの粒径を有していることが好ましく、高画質化のためには、4〜9μmの粒径を有していることが好ましい。
【0050】
適用する電子写真システムによって、トナーに要求する特性は、それぞれ異なるが、本発明においては、トナー粒子の形態,表面性を真球に近い状態で常に安定して製造できるため、高転写性が要求される電子写真システムに合致したトナー粒子を提供できる。
【0051】
尚、トナーの製造において造粒工程前の水系媒体のpHを7近辺の中性領域に調整した場合には、得られるトナー粒子の形状が真球状から外れたものとなる。
【0052】
本発明において生成したトナー粒子は、そのままではリン酸カルシウム塩類を表面に吸着した状態であるため、生成したトナー粒子を含有する水系媒体のpHを1.0〜3.0に調整し、リン酸カルシウム塩類を完全に溶解せしめ、トナー粒子をろ別し、さらに水洗を繰り返して乾燥しトナー粒子を得る。
【0053】
ここで、リン酸カルシウム塩類のpHに対する溶解性は、pH3.0〜4.0を境界領域として低pHの酸性領域において急激に可溶化し、pH3以下の強酸性領域で100%可溶化されるため、トナー粒子から分散剤粒子を完全に除去するためにはpH1.0〜3.0での酸処理が必要である。
【0054】
なお酸処理では、アルカリ処理と異なり、トナー組成物中の着色剤,荷電制御剤等が分解、溶解及び変性することがなく、トナー特性に大きく影響することはない。
【0055】
本発明に使用される重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類;その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、又は混合して使用し得る。
【0056】
また、本発明における重合性単量体組成物には、カルボキシル基を有する極性重合体、又は、極性共重合体が添加される。
【0057】
本発明に使用できるカルボキシル基を有する極性重合体、極性共重合体を以下に例示する。
【0058】
アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物を単量体とする単重合体、又は、上記の如き単量体とスチレン系単量体との共重合体、不飽和ポリエステル、飽和ポリエステルが挙げられる。
【0059】
カルボキシル基を有する極性重合体、極性共重合体のうち好ましいものとしては、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体及び、以下に列挙するようなアルコール成分と酸成分より製造される不飽和又は飽和ポリエステルが挙げられる。
【0060】
ポリエステルは、全成分中45〜55モル%がアルコール成分であり、55〜45モル%が酸成分であることが好ましい。
【0061】
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(I)で表わされるビスフェノール誘導体;
【0062】
【外1】
〔式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。〕
【0063】
また式(II)で示されるジオール;
【0064】
【外2】
のジオールが挙げられる。
【0065】
全酸成分中50mol%以上を含む2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0066】
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコールが挙げられ、酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物の如き多価カルボン酸が挙げられる。
【0067】
好ましいポリエステル樹脂のアルコール成分としては前記式(I)で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類が挙げられる。架橋成分としては、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ペンタエリスリトール、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルが好ましいものとして挙げられる。
【0068】
これらの極性重合体あるいは、極性共重合体は、安定したコア/シェル構造を有するトナー粒子を製造する為に5〜50mgKOH/gの酸価を有していることが好ましい。より好ましくは10〜35mgKOH/gの酸価を有していることが良い。
【0069】
これらの極性重合体あるいは極性共重合体は、重合性単量体100重量部に対し1〜35重量部用いられることが好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。35重量部を超えると、高粘度すぎて造粒が不安定である。
【0070】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクシルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンの如き過酸化物系開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの如き過硫酸塩、過酸化水素が使用される。
【0071】
重合開始剤は重合性単量体100重量部に対し0.5〜20重量部の添加量が好ましく、単独で又は、併用しても良い。
【0072】
また、本発明では分子量をコントロールするために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良く、好ましい添加量としては重合性単量体100重量部に対し0.001〜15重量部である。
【0073】
好ましく用いられる架橋剤として、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリルレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如き全てのジビニル化合物及び3個以上のビニル基を持つ化合物が単独又は混合物で用いられる。
【0074】
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的でトナー粒子中に荷電制御剤を添加することができる。
【0075】
負荷電制御剤としては、含金属サリチル酸系化合物、含金属モノアゾ系染料化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、イミダゾール誘導体、スチレン−メタクリル酸共重合体(N、N’−ジアリール尿素誘導体)が挙げられる。
【0076】
正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;これらを単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0077】
本発明において用いられる分散剤は、前述の様に、リン酸カルシウム塩類であり、具体的には、リン酸カルシウム,リン酸水素カルシウム,リン酸二水素カルシウム,ヒドロキシアパタイト及びそれらの複数の混合物である。この分散剤は重合性単量体100重量部に対し0.2〜20重量部を使用することが好ましい。
【0078】
これら分散剤の微細な分散の為に、重合性単量体100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散剤の所期の作用を促進する為のものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラリウル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが挙げられる。
【0079】
本発明に用いられる離型剤ならびに低エネルギー定着成分としては、パラフィン・ポリオレフィン系ワックス及び、これらの変性物、例えば、酸化物やグラフト処理物の他、高級脂肪酸、およびその金属塩、アミドワックス、また、エステル系ワックス、例えば、3級または/及び4級炭素を有し、2官能以上のアルコール化合物または、カルボン酸化合物から得られる多官能ポリエステル化合物、1級または/及び2級炭素を有し、2官能以上のアルコール化合物またはカルボン酸化合物から得られる多官能ポリエステル化合物及び3級または/及び4級炭素を有し、モノ官能のエステル化合物などがあげられる。
【0080】
本発明のトナーの製造方法においては、離型剤は、重合性単量体100重量部に対し1〜40重量部、より好ましくは3〜35重量部使用するのが好ましい。更に好ましくは、5〜30重量部使用するのが好ましい。
【0081】
トナーの着色剤としては、例えば黒色顔料として、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラックが挙げられる。
【0082】
マゼンタ用顔料としては、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、カーミン6B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、キナクリドン、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バイオレット1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
【0083】
シアン用顔料としては、C.I.ビグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.バッドブルー6;C.I.アッシドブルー45、インダンスレンブルー、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、アーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。
【0084】
イエロー用顔料としては、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、93、97、120、127、174、176、180、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。中でも耐光性に関して、C.I.ピグメントイエロー93が好ましい。
【0085】
これらの顔料は、定着画像の光学濃度を維持するために必要な量が用いられ、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の添加量が好ましい。
【0086】
着色剤として使用される染料としては、以下のものが例示される。
【0087】
マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28、C.I.ダイレクトレッド1、4;C.I.アッシドレッド1、C.I.モーダントレッド30が挙げられる。
【0088】
シアン用染料としてはC.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アッシドブルー9、C.I.アッシドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6が挙げられる。
【0089】
イエロー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー9、17、24、31、35、58、93、100、102、103、105、112、162、163;C.I.ディスパースイエロー3、42、64、82、160、201、224が挙げられる。
【0090】
これらの染料は、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量が好ましい。
【0091】
なお、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、前記着色剤を好ましくは表面改質、たとえば重合阻害のない疎水化処理を施したほうが良い。特に染料系やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染料系を表面処理する好ましい方法としては、これら染料の存在下に重合性単量体をあらかじめ重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理のほか、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、たとえば、ポリオルガノシロキサンなどで処理を行っても良い。
【0092】
本発明においてpHの調整に用いられる水溶性無機酸としては、前述の如く塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が用いられる。またアルカリ物としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウムの如きアルカリ物及びその水和物又はその水溶液が用いられる。なお、これらの物質は必要に応じて希釈し、特定濃度の水溶液として使用することができる。
【0093】
本発明に使用できる外添剤としては、例えば、アルミナ,酸化チタン,シリカ,酸化ジルコニウム,酸化マグネシウムの如き酸化物の他に、炭化ケイ素,チッ化ケイ素,チッ化ホウ素,チッ化アルミニウム,炭酸マグネシウム,有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0094】
さらに、上記微粉体は疎水化処理されていることが、トナーの帯電量の温度や湿度の如き環境依存性を少なくするため及びトナー粒子表面からの遊離を防止するために好ましい。この疎水化処理剤としては、例えばシランカップリング剤,チタンカップリング剤,アルミニウムカップリング剤の如きカップリング剤、シリコーンオイル,フッ素系オイル,各種変性オイルの如きオイルが挙げられる。
【0095】
これら公知の外添剤の中では、帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、シリカ,アルミナ,酸化チタンあるいはその複酸化物を選ぶことが好ましい。なかでも、シリカが、出発材料あるいは温度等の酸化条件により、ある程度任意に、一次粒子の合一をコントロールできる点でより好ましい。かかるシリカとしては硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも用いることができる。
【0096】
外添剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して、トナーの帯電量の安定化、かさ密度の安定化、高湿下での放置安定性を高めるために0.1〜3重量部添加することが好ましく、これら外添剤は複数種組合せて使用することができる。以下に、さらに別個に組合せて使用することが好ましい外添剤について述べる。
【0097】
転写性および/またはクリーニング性向上のために一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が50m2/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子をさらに添加することも好ましい形態の一つである。例えば球状シリカ粒子,球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子,球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0098】
更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如きケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0099】
さらに本発明の製造方法によるトナーは、磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属或はこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられる。
【0100】
これらの磁性体は平均粒子が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0101】
また、10kエルステッド印加での磁気特性が保磁力(Hc)20〜300エルステッド、飽和磁化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)2〜20emu/gのものが好ましい。
【0102】
本発明の製造方法によるトナーは、通常一成分及び二成分系現像剤として、いずれの現像剤にも使用できる。
【0103】
たとえば、一成分系現像剤として、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0104】
一方、一般的に利用されている二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる単独及び複合フェライトや、キャリアコア粒子を樹脂でコートしたものが用いられる。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形などを選択し、更にキャリア表面状態の微細構造、たとえば表面凸凹性をもコントロールすることが好ましい。樹脂コートキャリアとしては、一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられているが、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状分散キャリアを得る重合キャリアを得る方法なども利用することが可能である。
【0105】
キャリアコア粒子の表面を樹脂の如き被覆材で被覆する系は、特に好ましい。被覆する方法としては、被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適用できる。
【0106】
キャリア表面への被覆物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料及びそのレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこれに制約されない。
【0107】
上記化合物の処理量は、一般には総量でキャリア100重量部に対し0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
【0108】
これらキャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは20〜50μmを有することが好ましい。
【0109】
特に好ましい態様としては、Cu−Zn−Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポリフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂;フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;を90:10〜20:80、好ましくは70:30〜30:70の比率の混合物としたもので、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%コーティングし、250メッシュパス、400メッシュオンのキャリア粒子が70重量%以上ある上記平均粒径を有するコートフェライトキャリアであるものが挙げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:10)が例示され、スチレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
【0110】
上記コートフェライトキャリアは粒径分布がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果がある。
【0111】
本発明におけるトナーと混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは4重量%〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15重量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0112】
さらに、該キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の1000エルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は30乃至300emu/cm3であることが必要である。さらに高画質化を達成するために、好ましくは100乃至250emu/cm3であることがよい。300emu/cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。30emu/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
【0113】
本発明に係るトナーの製造方法の一形態を以下に示す。
【0114】
重合性単量体中に、カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体,離型剤,荷電制御剤,着色剤,重合開始剤,その他の添加剤を加え、メディア型ミル等によって均一に溶解あるいは分散せしめた単量体系組成物を準備する。一方で、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合してリン酸カルシウム塩類を生成するに当り、該リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHを塩酸,硫酸,硝酸の如き水溶性無機酸の希釈液にてpHを4.0〜6.0に調整する。pH調整では、希釈した酸は二液混合によってリン酸カルシウム塩類が生成した後で添加しても良く、あるいは二液混合前のリン酸塩水溶液中あるいはカルシウム塩水溶液中にあらかじめ添加し、その後カルシウム塩水溶液あるいはリン酸塩水溶液を混合してリン酸カルシウム塩類を析出させても良い。このリン酸カルシウム塩類の生成はホモミキサー,ホモジナイザーの如き分散造粒機中で生成せしめることが有利であるが、別に生成せしめておいたリン酸カルシウム塩類の水系分散液を分散造粒機へ投入しても良い。
【0115】
この様にしてpH調整したリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体中に、前述の単量体系組成物を投入し、分散せしめ造粒する。その後はpHと分散安定剤であるリン酸カルシウム塩類の作用により単量体系の粒子状態は安定に維持され、且つ単量体系の粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行うことで重合反応の進行に伴っての粒子凝集・合一もなく、安定して重合される。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。
【0116】
また重合反応後半に昇温しても良く、更にトナー定着時の臭いの原因等となる未反応重合性単量体,副生物等を除去するために反応の後半又は終了時に一部、水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子はリン酸カルシウム塩類を除去するために、前述の塩酸,硫酸,硝酸の如き水溶性無機酸をさらに添加してpHを1.0〜3.0として所定時間処理をし、充分に水洗後トナー粒子を濾別して回収し、乾燥及び必要に応じて分級することによりトナー粒子を得る。
【0117】
懸濁重合法においては、通常単量体系組成物100重量部に対して、水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0118】
本発明で用いたそれぞれの測定方法について以下に述べる。
【0119】
(1)トナー粒子の粒径及び粒度分布の測定
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
【0120】
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。
【0121】
これら求めた体積平均分布、個数平均分布より、重量平均粒径D4及び個数平均粒径D1を得る。
【0122】
このD4,D1の値より粒度分布幅としてD4/D1を計算し、生成トナー粒子の凝集・合一の判断基準とする。すなわち、D4/D1値が大きくなればトナー粒子は二次凝集体を形成している、又は合一気味であり、D4/D1値が1.0に近づけば単分散の粒度分布に近づくと判断できる。
【0123】
(2)トナー粒子の摩擦帯電量
摩擦帯電量は常温/常湿(23℃/60%)の環境条件下にトナー及びキャリアを一昼夜放置した後、ブローオフ法に基づき、次の要領で帯電量を測定した。
【0124】
図1はトナーの摩擦電荷量を測定する装置の説明図である。摩擦帯電量を測定しようとするトナーとキャリアの重量比1:49の混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、5〜10分間手で振盪した後、該混合物(現像剤)の約0.5〜1.5gを、底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に入れ金属製のフタ4をする。このときの測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(μC/g)は下式の如く計算される。
【0125】
【外3】
【0126】
(3)フロー式粒子像分析装置(FPIA)での円形度の測定
本発明における円形度とは、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、下式より得られた値を円形度と定義する。
【0127】
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナー粒子の形状を測定する。
【0128】
【外4】
【0129】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
【0130】
(4)酸価の測定
本発明におけるカルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体の酸価は以下の方法で求められる。
【0131】
極性重合体又は極性共重合体2〜10gを200mlの三角フラスコに秤量していれ、更にこの中にメタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50mlを加えてトナーを溶解させる。そして、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合試薬を用い、予め標定された0.1M−水酸化カリウム/エタノール溶液で滴定し、水酸化カリウム/エタノール溶液の消費量から次の計算で酸価を求める。
【0132】
酸価(mgKOH/g)=KOH(ml)×f×56.1/試料重量(g)
(上記式中fは、0.1M−水酸化カリウム/エタノール溶液のファクターである)
【0133】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお以下の配合における部数は、特に説明のない場合は重量部である。
【0134】
〔実施例1〕
イオン交換水1000重量部に、工業用グレードのリン酸ナトリウムで調製した0.1M−リン酸ナトリウム水溶液(pH=11.7)510重量部、及び塩化カルシウム水溶液添加後のpHが5.2となる様に1M−塩酸を適当量投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12000rpmにて撹拌した。塩酸滴下後の水溶液のpHは11.5であった。これに工業用グレードの塩化カルシウムにて調製した1.0M−塩化カルシウム水溶液75重量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩類であるヒドロキシアパタイトを含むpH=5.2の水系媒体を得た。尚、塩酸でpHを調整することなく0.1M−リン酸ナトリウム水溶液510重量部と1.0M−塩化カルシウム水溶液75重量部を混合した際の水溶液のpHは10.1であった。
【0135】
一方、
スチレン 160部
n−ブチルアクリレート単量体 40部
飽和ポリエステル樹脂(重量平均分子量=約15000、酸価=20mgKOH/g) 10部
銅フタロシアニン顔料 10部
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2.5部
マイクロクリスタリンワックス(m.p=65℃) 35部
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0136】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下でおいて、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えヒドロキシアパタイトを完全に溶解させ、ろ過,水洗,乾燥してトナー粒子を得た。
【0137】
次いで同処方,同製造条件にてトータルとして10回繰り返してトナー粒子を得、その都度、粒度分布幅(D4/D1),摩擦帯電能,FPIAにおける円形度,転写効率の各項目を測定し、それらの値の平均値及び標準偏差SD値を求めた。この結果、各項目において平均値が好ましい値を示し、標準偏差が小さく良好な結果が得られた。又、反応槽の汚れに関しても問題の無いものだった。
【0138】
また得られたトナー粒子と、45〜50μmの粒径の銅−亜鉛フェライト粒子の表面をアクリル樹脂でコートすることにより製造されたキャリアをトナー濃度が6重量%となるように混合し、二成分現像剤を調整した。この現像剤を用いて、フルカラー複写機CLC−700(キヤノン製)を用いて、画像形成を行なったところ、カブリ、画像スジ、中抜けなどの画像欠陥の抑制された優れた画像が得られた。
【0139】
更に同処方で、例えば50〜60℃で造粒後、同温度で3〜7時間重合を行ない、更に70〜90℃へ昇温して、反応時間が合計10時間になるようにして重合を行なう等の種々の反応シーケンス(温度と時間の組み合わせ)に従って、重合を行ない、トナー粒子の重合転化率、生成分子量分布などを変化させた場合にも、粒度分布、摩擦帯電能に関して優れたトナー粒子が得られた。
【0140】
〔実施例2(参考例)〕
1M−塩酸の滴下量を変えて生成するヒドロキシアパタイトを含む水系媒体のpHが4.2になる様に調整した以外は全て実施例1と同様にしてトナー粒子を得、さらにトータルとして10回、この製造を繰り返してトナー粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0141】
この結果、各項目において平均値が好ましい値を示し、標準偏差が小さく良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0142】
〔実施例3(参考例)〕
1M−塩酸の滴下量を変えて生成するヒドロキシアパタイトを含む水系媒体のpHが6.0になる様に調整したこと、及び銅フタロシアニン顔料10部の代わりにCIピグメントイエロー13を10部使用した以外は全て実施例1と同様にしてトナー粒子を得、さらにトータルとして10回、この製造を繰り返してトナー粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0143】
この結果、各項目において平均値が好ましい値を示し、標準偏差が小さく良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0144】
〔実施例4〕
加える1M−塩酸の滴下量を変えて生成するヒドロキシアパタイトを含む水系媒体のpHが4.8になる様に調整したこと、及び銅フタロシアニン顔料10部の代わりにマゼンタ用顔料のキナクリドン7.5部を使用した以外は全て実施例1と同様にしてトナー粒子を得、さらにトータルとして10回、この製造を繰り返してトナー粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0145】
この結果、各項目において平均値が好ましい値を示し、標準偏差が小さく良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0146】
〔比較例1〕
イオン交換水710重量部に、試薬グレードのリン酸ナトリウムを加えて調製した0.1M−リン酸ナトリウム水溶液(pH=10.4)460重量部を加えて、さらに1級試薬の塩化カルシウムにて調製した1.0M−塩化カルシウム水溶液70重量部を徐々に加えてリン酸カルシウム塩類を有するpH=10.0水系媒体を得た。この水系媒体を用いて懸濁重合を行なうこと以外は、実施例1と同様にトナー粒子を得、更にトータルとして10回、同条件にてこの製造を繰り返してトナー粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を計算した。各項目の標準偏差が大きく、同処方、同条件で製造を繰り返した場合の生成トナー粒子の安定性、再現性が実施例に比べ劣ることがわかった。
【0147】
反応槽の汚れに関しても実施例に比べ劣る結果が得られた。
【0148】
更に実施例1と同様にして、種々の反応シーケンス(温度と時間の組み合わせ)に従って、重合を行なった。その結果、特に低重合転化率に比較的高温度で長時間反応させた場合に、生成粒子の凝集体が発生しやすく、反応槽内の汚れ、付着なども増加し、粒度分布の幅がかなり大きくなり、摩擦帯電能が不安定なトナー粒子が得られた。
【0149】
〔比較例2〕
生成トナー粒子の酸洗浄時のpHが3.8であったこと以外は全て実施例1と同様にトナー粒子を得、さらにトータルとして10回、この条件にて製造を繰り返してトナー粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を求めた。この場合、摩擦帯電量,転写効率の平均値が低く、各項目全てにおける標準偏差が大きいため、生成トナー粒子の安定性、再現性が劣ることがわかった。
【0150】
また反応槽の汚れに関しても実施例に比べ劣る結果が得られた。
【0151】
〔参考例1〕
加える1M−塩酸の滴下量を変えて生成するヒドロキシアパタイトを含む水系媒体のpHが6.8になる様に調整した以外は全て実施例1と同様にしてトナー粒子を得、さらにトータルとして10回、この製造を繰り返してトナー粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0152】
この結果、実施例に比べトナー粒子の円形度及び転写効率の平均値が若干劣るものの、他の項目の平均値及び標準偏差に関しては、良好な結果が得られた。
【0153】
〔実施例5〕
イオン交換水1000重量部に、工業用グレードのリン酸ナトリウムで調製した0.1M−リン酸ナトリウム水溶液(pH=11.7)510重量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに工業用グレードの塩化カルシウムにて調製した1.0M−塩化カルシウム水溶液75重量部を徐々に添加し、その後これに1M−塩酸を適当量滴下しヒドロキシアパタイトを含有する水系媒体を得た。塩化カルシウム水溶液滴下後の水溶液のpHは10.2であり、塩酸滴下後の水系媒体のpHは5.5であった。
【0154】
一方、
スチレン 160部
n−ブチルアクリレート 40部
C.I.ピグメントイエロー93 7.5部
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル 9部
(モノマー重量比=85:5:10
重量平均分子量=約57000、酸価=32mgKOH/g)
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 5部
マイクロクリスタリンワックス(m.p.=65℃) 45部
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)9部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0155】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで22分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃において2時間反応させた。ここで、前記と同様に調製した分散媒を700重量部加え、さらに、60℃において8時間反応させ、重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過,水洗,乾燥してトナー粒子を得た。
【0156】
次いで、同処方、同製造条件にてトータルとして10回繰り返して、トナー粒子を製造し、実施例1と同様に各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0157】
この結果、各項目において平均値が好ましい値を示し、標準偏差が小さく良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0158】
また得られたトナー粒子100重量部に対して、シリカ微粒子(BET比表面積300m2/g)を1重量部添加し現像剤を調製した。この現像剤を用いて、非磁性一成分現像システムのカラープリンターキヤノンレーザーショットLBP2030(キヤノン製)を用いて、画像形成を行なったところ、カブリ、画像スジ、中抜けなどの画像欠陥の抑制された優れた画像が得られた。
【0159】
〔実施例6(参考例)〕
水系媒体のpHを硝酸を用いてpH4.3に調製すること以外は、実施例5と同様にして、トナー粒子の製造を行なった。さらにトータルとして10回、この製造を繰り返してトナー粒子を得、実施例1と同様に各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0160】
この結果、各項目において平均値が好ましい値を示し、標準偏差が小さく良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0161】
〔比較例3〕
1M−塩酸の滴下量を変えて水系媒体のpHを3.3に調整する以外は、実施例5と同様にして、トナー粒子の製造を行なった。さらにトータルとして10回、この製造を繰り返してトナー粒子を得、実施例1と同様に各項目での平均値、標準偏差を計算した。
【0162】
この結果、分散剤であるヒドロキシアパタイトが可溶化し始めるpH領域であるため、生成トナー粒子の粒径が製造ごとに不安定であり、粒度分布幅はブロードとなり、円形度、摩擦帯電量、転写効率の平均値も低くなった。又、標準偏差も大きくなり、トナー粒子の製造安定性、再現性が劣るものであった。
【0163】
以上の実施例、比較例に関する評価は次のようにして行なった。
【0164】
(1)トナー粒子の製造再現性の評価
同じ処方、同じ製造条件の下で10回繰り返してトナー粒子を作製し、各々の生成トナー粒子について粒度分布幅(D4/D1),摩擦帯電量,FPIAでの円形度,転写効率を測定後その標準偏差SDを求め、再現性のパラメーターとした。
【0165】
【外5】
【0166】
本パラメーターでは、数値が小さいほど、粒度分布幅,摩擦帯電量,円形度転写効率のばらつきの少ない製造再現性の優れたトナーの製造方法であることを示す。
【0167】
(2)トナー粒子の転写効率の測定
各実施例及び比較例において製造されたトナー粒子100重量部に対して、シリカ粒子(BET比表面積300m2/g)を1重量部添加して現像剤を調製した。通常環境下において、この現像剤を用い、定着器を取り外したキヤノンレーザーショットLBP2030(キヤノン製)で画像形成を行なった。この時の感光体ドラム上に形成されたトナー像(画像濃度1.4)を透明な粘着テープで採取し、その画像濃度(D1)をマクベス濃度計又はカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−RITE404Amanufactured by X−Rite Co.)で測定する。次に再度トナー像を感光体ドラム上に形成し、トナー像を記録材へ転写し、記録材上に転写されたトナー像を透明な粘着テープで採取し、その画像濃度(D2)を同様に測定する。得られた画像濃度(D1)及び(D2)を用いて下式より算出する。
【0168】
転写効率(%)=(D2/D1)×100
【0169】
(3)反応槽汚れに関する評価
同じトナー処方、製造条件の下で10回繰り返してトナーを製造し、その時の反応槽の汚れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:10回の繰り返し製造において問題なし。
B:10回の繰り返し製造においてほぼ問題なし。
C:繰り返し製造において次第に汚れる。
D:その都度、反応槽が汚れる。
【0170】
【表1】
【0171】
【発明の効果】
本発明によれば、造粒・重合安定性及び再現性に優れたトナー粒子を製造することができる。さらに、生成したトナー粒子は、粒度分布,摩擦帯電性,その粒子形態及び表面制御,転写効率の上で安定性及び再現性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦電荷量を測定する装置の説明図である。
【符号の説明】
1 吸引機
2 測定容器
3 導電性スクリーン
4 フタ
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計
Claims (18)
- リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合して得られるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHを4.5乃至5.8に調整し、
該水系媒体中に、少なくとも重合性単量体、着色剤、カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体及び重合開始剤を有する重合性単量体組成物を分散させ、重合性単量体組成物の粒子を生成し、
該水系媒体中で、該粒子に含まれている重合性単量体を重合して、トナー粒子を生成し、
該水系媒体のpHを1.0乃至3.0に調整して、リン酸カルシウム塩類を溶解した後にトナー粒子を水系媒体から分離するという工程を有するトナーの製造方法であって、
得られたトナーのフロー式粒子像分析装置(FPIA)で測定される円形度が0.970以上1.000未満であることを特徴とするトナーの製造方法。 - リン酸塩水溶液に水溶性無機酸を滴下した後、カルシウム塩水溶液を加えて、水系媒体のpHを4.5乃至5.8に調整することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合した後、水溶性無機酸を滴下して水系媒体のpHを4.5乃至5.8に調整することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 該水溶性無機酸が、1価の水溶性無機酸であり、その滴下量が、リン酸塩水溶液中のリン酸塩1モル当り0.3〜0.9モルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のトナーの製造方法。
- 該水溶性無機酸が、2価の水溶性無機酸であり、その滴下量が、リン酸塩水溶液中のリン酸塩1モル当り0.15〜0.45モルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のトナーの製造方法。
- 該水溶性無機酸が、3価の水溶性無機酸であり、その滴下量が、リン酸塩水溶液中のリン酸塩1モル当り0.1〜0.3モルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のトナーの製造方法。
- 該水溶性無機酸が、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸よりなるグループから選択される水溶性無機酸であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該リン酸塩水溶液と該カルシウム塩水溶液とを混合して得られる水溶液のpHが7.0乃至14.0となることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該リン酸塩水溶液と該カルシウム塩水溶液とを混合して得られる水溶液のpHが9.0乃至14.0となることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該リン酸カルシウム塩類が、ヒドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該重合性単量体が、スチレン系単量体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類からなるグループより選ばれる単量体を少なくとも1種有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体が、i)飽和ポリエステル;ii)不飽和ポリエステル;iii)不飽和カルボン酸、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物のいずれかを単量体とする単重合体;iv)不飽和カルボン酸、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物からなるグループより選ばれる単量体とスチレン系単量体との共重合体;から選ばれる極性重合体又は極性共重合体であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体は、重合性単量体100重量部に対して、1〜35重量部用いられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体は、重合性単量体100重量部に対して、5〜20重量部用いられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体は、5〜50mgKOH/gの酸価を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- カルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体は、10〜35mgKOH/gの酸価を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該トナー粒子の重量平均粒径が、3〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該トナー粒子の重量平均粒径が、4〜9μmであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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