JP5455346B2 - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法の如き記録方法に用いられる重合法トナーに用いられるトナー粒子の製造方法に関するものである。
近年、トナーを用いた画像形成においては、従来と比較してより高精細・高解像度の画像形成が求められている。それに伴い、トナーにおいてはその小粒径化および粒度分布の均一化が求められており、小粒径で粒度分布の均一なトナーを得やすい懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法などの重合法を用いたトナーが注目されている。
また、近年では電子写真方式を用いたレーザープリンターや複写機においては急速に高速化が進んでおり、より高現像性・高転写性・低温定着性に優れたトナーが求められている。
上記の目的を同時に達成するためにトナーに求められる条件は以下のようなものが挙げられる。即ち、上記目的を同時に達成するためにはトナーは真球状で表面組成が均一であることが求められ、また、トナー外層が耐熱性、耐久性を保つよう設計され、トナー内層が低温定着性を持つよう設計された、所謂コアシェル構造を持つトナーが好適に用いられる。それらの特性を満足するトナーを得やすいトナー粒子の製造方法として、重合法の中でも特に懸濁重合法を用いたトナー粒子の製造方法が注目されている。
懸濁重合法は重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を水系媒体中で懸濁・造粒しその後重合することでトナー粒子を得る方法である。懸濁重合法は上記特性を満たしたトナーを得ることが可能な、優れたトナー粒子の製造方法であるが、製造条件や材料との組み合わせによっては、上記懸濁・造粒工程において粒度分布がブロードになったり、微小粒子が生成しやすくなったりするなどの課題があった。
上記課題に対し、懸濁・造粒時に用いる分散剤を改良することおよび懸濁・造粒時のpHを調整することにより、課題を解決しようという提案がなされている。
特許文献1においては分散剤の調整工程において水系媒体を高速回転せん断撹拌することにより50,000sec−1ないし100,000sec−1の速度勾配を生じさせ、前記条件の高せん断下で分散剤微粒子を調製し、前記分散剤微粒子を含むpH6.5ないし12.0の水系媒体中で40,000sec−1ないし100,000sec−1の速度勾配による高せん断下で造粒工程を行うトナー粒子の製造方法が開示されている。特許文献2においてはリン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合して得られるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHを4.0ないし6.0に調整し、前記水系媒体中で造粒工程を行うトナー粒子の製造方法が開示されている。特許文献3の実施例3においては分散剤調製工程および造粒・重合工程を塩基性下で行うトナー粒子の製造例が開示されている。特許文献4の実施例1においてはリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを混合してリン酸カルシウムを含有する水系分散媒体を調整した後、希塩酸によって水系媒体のpHを酸性に調整し、造粒工程を行うトナー粒子の製造例が開示されている。
特開平10−312086 特開2000−081727 特開2000−310887 特開2005−331990
上記従来例においては分散剤を含有する水系媒体の粘度が比較的高い傾向にあるため、懸濁・造粒工程において液滴同士の合一が進行しづらいという特徴があった。そのため、微小粒子が一度生成してしまうと微小粒子の合一が阻害されるため、得られるトナー粒子の粒度分布は微小粒子の多いブロードな粒度分布となる傾向があった。従って、上記従来例によっては、特に微小粒子が生成しやすい系においては高現像性・高転写性・低温定着性を満たすトナーを得やすい所望の粒度分布のトナー粒子を得ることは難しかった。本発明の課題は微小粒子の生成しやすい系においても高現像性・高転写性・低温定着性を満たすトナーを得ることができ、微小粒子が少なくシャープな粒度分布のトナー粒子を製造するための製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討の結果、重合法により製造するトナー粒子の製造方法において、重合に用いる水系媒体のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度、粘度及びpHに着目し、水系媒体の物性を一定の範囲内にすることで上記課題を解決することを見出し、発明を完成させた。
本出願に係る発明の態様は、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体(A)中に、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を分散し、前記重合性単量体組成物を前記水系媒体(A)中で造粒する造粒工程、及び、
前記造粒工程によって造粒された前記重合性単量体組成物を重合してトナー粒子を生成する重合工程
を有するトナー粒子の製造方法であって、
前記着色剤が、C.I.Pigment Yellow 74であり、
前記水系媒体(A)中のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度をDw(質量%)、前記水系媒体(A)の60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)における粘度をηw(mPa・s)、造粒工程における前記水系媒体(A)のpHをpHwとしたとき、Dwが0.50以上1.50以下であり、ηwが0.80以上1.50以下であり、pHwが4.5以上6.5以下であり、
前記水系媒体(A)が、イオン交換水、第三リン酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムを含む混合物に塩化カルシウム水溶液を添加してリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製する工程、及び、得られた水系媒体のpHを塩酸で前記pHwに調整する工程をこの順番で行い製造されたものである
ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
好ましい発明の態様は、リン酸カルシウム塩類がヒドロキシアパタイトを含有するトナー粒子の製造方法であることを特徴とする。
好ましい発明の態様は、前記重合性単量体組成物が更に極性樹脂を含有し、前記極性樹脂の酸価が5.0(mgKOH/g)以上30.0(mgKOH/g)以下であるトナー粒子の製造方法であることを特徴とする。
好ましい発明の態様は、前記着色剤のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHが3.0以上6.0以下であるトナー粒子の製造方法であることを特徴とする。
好ましい発明の態様は、前記重合性単量体組成物が更にスルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体から選択される1種以上を含有するトナー粒子の製造方法であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、微小粒子の生成しやすい系においても、高現像性・高転写性・低温定着性を満たすトナーを得ることができ、微小粒子が少なくシャープな粒度分布のトナー粒子を製造することが可能である。
本発明は、リン酸カルシウム塩類を少なくとも含有する水系媒体(A)中に、重合性単量体及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を分散し、前記重合性単量体組成物を前記水系媒体(A)中で造粒する造粒工程、前記造粒工程によって造粒された前記重合性単量体組成物を重合してトナー粒子を生成する重合工程、とを少なくとも有するトナー粒子の製造方法に係るものであって、いわゆる重合法によるトナー粒子の製造方法である。本発明の製造方法は重合法であれば特に制限なく用いられることができ、特に懸濁重合法によるトナー粒子の製造法に好適に用いられる。
本発明の製造方法では、前記水系媒体(A)のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度をDw(質量%)、前記水系媒体(A)の60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)における粘度をηw(mPa・s)、造粒工程における前記水系媒体(A)のpHをpHwとしたとき、Dw、ηwおよびpHwを特定の範囲内とすることで小粒子の生成しやすい系においても小粒子が少なくシャープな粒度分布のトナー粒子が得られる。以下その理由を説明する。
本発明の製造方法に用いられる水系媒体(A)に含有されるリン酸カルシウム塩類は正帯電性を有し、水系媒体中で均一に分散した液滴として存在している重合性単量体組成物粒子の表面に静電的相互作用によって吸着し、液滴の合一を物理的・静電的に抑制しているものと考えられる。そのため、一般的にはリン酸カルシウム塩類の固形分濃度が高い場合には液滴の中心粒径は小粒径化し、リン酸カルシウム塩類の固形分濃度が低い場合には液滴の中心粒径は大粒径化する。したがって、リン酸カルシウム塩類の固形分濃度を制御することで液滴の中心粒径をコントロールすることが可能である。
しかしながら、材料の偏析等により帯電性の粒径依存性がある場合など微小粒径の液滴が安定化しやすい系においては、従来の分散剤を用いて中心粒径が小粒径のトナー粒子を製造するためにリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を高めた場合には微小粒子の多いブロードな粒度分布のトナー粒子が得られてしまうという課題があった。
その原因の一つとして、従来の分散剤においては分散剤を含有する水系媒体の粘度が比較的高いことが挙げられる。
一般的に、液体中に固体が分散した系では分散質が軟凝集体(フロキュレーション)を形成することで粘度が上昇することが知られている。即ち、分散剤を含有する水系媒体の粘度が高いということは、水系媒体中において分散剤粒子同士がゆるく結合しフロキュレーションを形成していることを表している。このように分散剤がフロキュレーションを形成した状態においては水系媒体中において分散剤は液滴表面を何層にも覆うような構造をとっていると考えられる。
このような場合、特に微小粒径の液滴においては粒径と比較して相対的に厚い分散剤の層で液滴が覆われることになるため液滴同士の合一が進行しづらくなることが考えられる。そのため、結果として微小粒子の多いブロードな粒度分布のトナー粒子が得られてしまうと考えられる。
また、粒度分布に影響を与える要因としては、さらに造粒工程における水系媒体のpHが挙げられる。特に負帯電性のトナーを製造する場合、造粒工程において液滴表面に負帯電性の極性物質が局在化し、さらにその周囲を正帯電性の分散剤が覆うことによって液滴が安定化することが知られている。この時、水系媒体が塩基性であると分散剤の正帯電性が低下してしまうため、液滴の安定性が損なわれる。そのため、生成するトナー粒子の粒度分布は悪化すると考えられる。
本発明においては生成するトナー粒子の中心粒径を制御するためにリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を高めた場合においてもリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体の粘度が低く保たれる。また、造粒工程におけるpHを適正な範囲内に調整する事で分散剤の正帯電性が高く保たれるため、少量の分散剤でも液滴を安定化することが可能となる。そのため、分散剤の使用量を抑制することが可能である。上記2点より、造粒工程において低粘度かつ低濃度の水系媒体を用いることが可能となる。そのため、水系媒体粘度が高まることによる微小粒子の合一阻害を抑制することが可能となり、結果として微小粒子が少なくシャープな粒度分布のトナー粒子が得られるものである。
本発明の製造方法において、具体的には水系媒体(A)のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度Dw(質量%)は0.50以上1.50以下である。より好ましくは0.50以上1.00以下である。さらに好ましくは、0.65以上0.95以下である。
上記Dwが0.50以上1.50以下である場合には得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)が最適な範囲となることによりカブリ、トナー飛散や転写均一性の悪化などの発生が抑えられ、低温定着が可能な現像性、転写性および定着性に優れたトナーが得られる。また、0.50以上1.00以下である場合には上記効果はより向上する。
上記Dwが0.50未満の場合には得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)が大きくなりすぎるため、カブリやトナー飛散などの弊害を生じる。また、定着時により多くの熱量が必要となるため低温定着性に弊害を生じる。上記Dwが1.50を超える場合には得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)が小さくなりすぎるため、帯電性の制御が困難となり、転写均一性の悪化などの弊害を生じる。Dwを上記範囲に調節するためには、例えば水系媒体を調製する際に、リン酸塩とカルシウム塩の添加量を調節することで達成可能である。
また、本発明の製造方法において、水系媒体(A)の60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)における粘度ηw(mPa・s)は0.80以上1.50以下である。より好ましくは0.80以上1.20以下である。さらに好ましくは、0.90以上1.10以下である。
本発明における粘度ηw(mPa・s)は、60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)での粘度であるが、リン酸カルシウム塩類の分散液は擬塑性流動を示すため、せん断速度に対する粘度の変化が小さくなる条件との観点から、上記の条件で測定を行った。
上記ηwが0.80以上1.50以下の場合には得られるトナー粒子の重量平均径(D4)およびトナー粒子の粒度分布の指標となる重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1、トナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)が最適な値となる。そのため、小粒子や粗大粒子の少ない良好な粒度分布を有するトナー粒子が得られ、カブリ、現像スジや転写均一性の悪化などが抑制され、低温定着が可能な、現像性、転写性および定着性に優れたトナーが得られる。また、0.80以上1.20以下である場合には上記効果はさらに向上する。
上記ηwが0.80未満の場合、液滴の合一が進行しやすくなるため、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)が大きくなりすぎる。そのため、カブリやトナー飛散の発生などの弊害を生じる、また、定着時により多くの熱量が必要となるため低温定着性に弊害を生じる。上記ηwが1.50を超える場合には微小粒径の液滴の安定性が高まるため、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1およびトナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)が大きく、微小粒子の多いブロードな粒度分布を有するトナー粒子となる。そのためトナーとしての収率が低下し、また、カブリや現
像スジの発生などの弊害を生じる。ηwを上記範囲に調節するためには、例えばリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体調製時の酸および塩基の添加量や酸および塩基の添加のタイミングを調節すること、およびDwを調節することで達成可能である。
また、本発明の製造方法において、造粒工程における水系媒体(A)のpHであるpHwは4.5以上6.5以下である。より好ましくは4.8以上5.5以下である。さらに好ましくは4.8以上5.3以下である。
上記pHwが4.5以上6.5以下である場合には、分散剤の正帯電性が良好となることにより、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1およびトナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)が最適の値となり、小粒子や粗大粒子の少ない良好な粒度分布を有するトナー粒子が得られるため、カブリや現像スジ、転写均一性の悪化などが抑制され、低温定着が可能な、現像性、転写性および定着性に優れたトナーが得られる。また、4.8以上5.5以下である場合には上記効果はさらに向上する。
上記pHwが4.5未満の場合、リン酸カルシウム塩類が可溶化することにより、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)が大きくなりすぎる。また、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1およびトナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)が大きく、微小粒子の多いブロードな粒度分布を有するトナー粒子となる。そのため、カブリや現像スジ、トナー飛散の発生などの弊害を生じる、また、定着時により多くの熱量が必要となるため低温定着性に弊害を生じる。上記pHwが6.5を超える場合、分散剤の正帯電性が低下することにより、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1およびトナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)が大きく、微小粒子の多いブロードな粒度分布を有するトナー粒子となる。そのためトナーとしての収率が低下し、また、カブリや現像スジの発生などの弊害を生じる。pHwを上記範囲に調節するためには、例えば水系媒体調製時に添加する酸および塩基の量を調節することで達成可能である。
本発明に用いられる水系媒体(A)はリン酸カルシウム塩を含有するが、リン酸カルシウム塩類としてはヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムおよびそれら複数の混合物が好適に用いられるが特に制限はされない。また、これらのリン酸カルシウム塩類の正帯電性や酸への可溶度などを考慮すると、本発明に用いられるリン酸カルシウム塩類にはヒドロキシアパタイトを含有することが好ましい。ヒドロキシアパタイトを含有することによって分散剤の正帯電性がさらに良好となり、分散剤の使用量をより抑制することが可能となる。そのため、微小粒子の合一阻害をより抑制することが可能となる。よって、より一層粒度分布のシャープなトナー粒子を得ることが可能となり、現像性、定着性に優れたトナーが得られる。
これらのリン酸カルシウム塩類は市販のものをそのまま用いてもよいが、リン酸カルシウム塩類の粒径制御を考慮すると、水系媒体中にてリン酸カルシウム塩類を生成させることが好ましい。例えば、ヒドロキシアパタイトの場合、高撹拌下においてリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム溶液とを混合することにより得ることができる。
本発明の造粒工程で造粒される重合性単量体組成物は、重合性単量体及び着色剤を含有する。
本発明に用いられる重合性単量体は、特段の限定なく用いることができるが、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が好ましく用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を例示することが出来る。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、前記した単官能性重合性単量体を単独で或いは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
特に架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。以下の、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物等が例示できる。これらは、単独もしくは
混合として使用できる。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対し0.001乃至15質量部である。
また、本発明の製造方法に用いられる着色剤は、JIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHが3.0以上6.0以下であることが好ましい。着色剤のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHが3.0以上6.0以下である場合、前記造粒工程において正帯電性の高い分散剤との相互作用により重合性単量体組成物中における着色剤の液滴表面への偏在が抑制されるとともに着色剤の分散状態が最適となる。そのため、トナー表面への顔料の偏在によるフィラー効果によるトナー硬化が抑制される。以上より、着色力および定着性がより向上する。
上記煮沸抽出法により測定される着色剤のpHは3.0以上5.0以下であることがより好ましく、4.0以上5.0以下であることが更に好ましい。着色剤のpHを上記範囲に調節するためには、例えば着色剤の表面処理剤の酸価を調節することにより達成可能である。
上記着色剤の表面処理剤としては、ガムロジン、トールロジン、不均化ロジン、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン、ロジンエステル等のロジン類を用いることが好ましく例示できる。また、耐劣化性、酸価の観点から不均化ロジンまたはアクリル酸変性ロジンを用いることが特に好ましい。不均化ロジンは、アビエチン酸を主な成分とした2分子のロジンを反応させ不均化することで得ることができ、また市販のものを用いることができる。不均化ロジンまたはアクリル酸変性ロジンは酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下のものを用いることが好ましく、100mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることがより好ましい。なお、着色剤の表面処理は、例えば乾式処理法、湿式処理法等により行われ、特にその処理法は制限されない。
本発明の製造方法に用いられる黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い各色に調色されたものが利用される。特に染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
本発明の製造方法に用いられるイエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.Pigment Yellow 12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214、C.I.Solvent Yellow 93、162等が例示できる。
本発明の製造方法に用いられるマゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レ−キ化合物、ナフト−ル化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.Pigment Red 2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.Pigment Violet 19等が例示できる。
本発明の製造方法に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びそ
の誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レ−キ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.Pigment Blue 1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対し1乃至20質量部添加して用いられる。
さらに本発明のトナーは、着色剤として磁性材料を含有させ磁性トナーとすることも可能である。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性材料としては、以下の、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属、或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属の合金、及びその混合物等が例示できる。
上記磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものがさらに好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は個数平均粒径が2μm以下、より好ましくは0.1乃至0.5μmのものが好ましい。トナー粒子中に含有させる量としては重合性単量体100質量部に対し20乃至200質量部、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対し40乃至150質量部が好ましい。
本発明の製造方法に用いられる重合性単量体組成物にはさらに極性樹脂を含有し、前記極性樹脂の酸価(mgKOH/g)が5.0以上30.0以下であることが好ましい。
前記極性樹脂の酸価が5.0以上30.0以下の場合、粘度が低く正帯電性の高い分散剤と組み合わせることにより前記造粒工程において各液滴間の極性樹脂含有量が均等化される。また、極性樹脂が液滴表面に偏在する。以上より、液滴がさらに安定化する。よって、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1およびトナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)がより最適な値になり、小粒子や粗大粒子の少ない良好な粒度分布を有するトナー粒子が得られる。そのため、カブリや現像スジの発生が抑制された、現像性にさらに優れたトナーが得られる。さらに、前記極性樹脂がトナー表面に偏在することにより、コアシェル構造が形成されるため、保存安定性に優れ、また、帯電安定性、帯電の立ち上がりおよび耐久性がよく、高温時耐巻きつき性がよい、耐熱性、現像性および定着性に優れたトナーが得られる。
極性樹脂の酸価は5.0以上20.0以下であることがより好ましい。極性樹脂の酸価を上記範囲内にすることは極性樹脂内の酸成分の量を調節することにより達成可能である。
本発明の製造方法に用いることができる極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合
体もしくはそれとスチレン系単量体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。そのうち、ビニル系の共重合体が極性樹脂と結着樹脂との密着性を良好にするために好ましい。
本発明の製造方法に用いられる重合性単量体組成物はさらにスルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を含有することが好ましい。
前記重合性単量体組成物がスルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を含有する場合、粘度が低く正帯電性の高い分散剤と組み合わせることにより前記造粒工程において各液滴間のスルホン酸基等を有する重合体または共重合体の含有量が均等化される。また、前記スルホン酸基等を有する重合体または共重合体が重合性単量体組成物表面に偏在することにより、液滴がさらに安定化する。よって、得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1およびトナー粒子の4μm以下粒子率(個数%)がより最適な値になり、小粒子や粗大粒子の少ない良好な粒度分布を有するトナー粒子が得られる。そのため、カブリや現像スジの発生が抑制された、現像性にさらに優れたトナーが得られる。さらに前記スルホン酸基等を有する重合体または共重合体がトナー表面に偏在することにより帯電安定性および帯電の立ち上がりに優れ、さらに現像性に優れたトナーが得られる。
前記スルホン酸基等を有する重合体は、重合性単量体100質量部に対し0.01乃至5.0質量部を含有することが好ましい。より好ましくは、0.1乃至3.0質量部である。前記スルホン酸基等を有する重合体が0.01乃至5.00質量部の場合には、上記効果はより向上する。
前記重合体を製造するためのスルホン酸基を有する単量体として、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸が例示できる。本発明の製造方法に用いられるスルホン酸基等を含有する重合体は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であっても構わない。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、前述した単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
本発明の製造方法に用いる重合性単量体組成物には、帯電特性を安定化するために上記スルホン酸基を側鎖に持つ高分子の他に、帯電制御剤を配合しても良い。帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。さらに、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、負帯電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。正帯電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の使用量としては、好ましくは重合性単量体100質量部に対して0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いられる。
本発明の製造方法に用いる重合性単量体組成物にはさらにワックスを含有してもよい。本発明に用いられるワックスは、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム如きの石油系ワックス及びその誘導体;モンタ
ンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体等。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物などが挙げられる。さらには、以下のものが挙げられる。高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如きの脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス等。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。
上記ワックスは重合性単量体100質量部に対し1乃至40質量部を含有させることが好ましい。より好ましくは、3乃至25質量部である。
ワックスが1乃至40質量部の場合には、トナーの加熱加圧時に適度なワックスのブリード性を持てることにより、高温時の耐巻きつき性が向上する。さらに、現像時や転写時のトナーへのストレスを受けてもトナー表面へのワックスの露出が少なく、トナー個々の均一な帯電性を得ることができる。
本発明の製造方法に用いる重合性単量体組成物にはさらに重合開始剤を含有してもよい。本発明に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5乃至30時間のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万乃至10万の間に極大を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができ、好ましい。
重合開始剤としては、以下の、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチルパーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド如きの過酸化物系重合開始剤等が例示できる。
本発明の製造方法においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
更に本発明により得られたトナー粒子の流動性を向上させる目的で、流動性向上剤をトナー粒子に添加しても良い。流動性向上剤としては、以下の、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛の如き脂肪酸金属塩;酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末の如き金属酸化物または、上記金属酸化物を疎水化処理した粉末;及び湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉末または、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粉末等が例示できる。流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して、0.01乃至5質量部を使用することが好ましい。
以下に本発明の物性値の測定方法について説明する。
(水系媒体の粘度ηw)
水系媒体の60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)における粘度は回転粘度計「Viscotester VT550」(HAAKE社製)および測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「VT−WIN」を用いて測定し、測定データの解析を行い、算出する。測定シーケンスは、
セグメント1(0.1min):せん断速度0.0(1/s)から1.0×10(1/s)まで上昇
セグメント2(0.9min):せん断速度1.0×10(1/s)で保持
セグメント3(0.1min):せん断速度1.0×10(1/s)から1.0×10(1/s)まで上昇
セグメント4(0.9min):せん断速度1.0×10(1/s)で保持
セグメント5(0.1min):せん断速度1.0×10(1/s)から5.0×10(1/s)まで上昇
セグメント6(0.9min):せん断速度5.0×10(1/s)で保持
セグメント7(0.1min):せん断速度5.0×10(1/s)から1.0×10(1/s)まで上昇
セグメント8(0.9min):せん断速度1.0×10(1/s)で保持
セグメント9(0.1min):せん断速度1.0×10(1/s)から2.0×10(1/s)まで上昇
セグメント10(0.9min):せん断速度2.0×10(1/s)で保持
の条件で行い、セグメント8の開始後54秒での粘度の値を水系媒体の60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)における粘度とする。
具体的な測定条件は以下のとおりである。低粘度測定用の二重円筒型NVカップにサンプルとなる水系媒体約5mlを入れ、本体にセットした。その後、温調装置にて温度を60℃に保持し、上記シーケンスにて粘度測定を行う。
(水系媒体のpH)
リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHはJIS Z8802−1984の7で規定された測定方法により、以下のようにガラス電極によるpH計を用いて測定する。まず、電極を洗浄したものをJIS Z8802−1984の7で規定された手法により、pH計の調整を行う。次に、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を、測定値が変化しない程度の液量10〜25mLをとり、その水系媒体の液温が±0.1℃以上変化がないようにし、上述したJIS Z8802−1984の7で規定されたガラス電極を有するpH計により測定を行う。引き続いて測定される3回の結果が、用いるpH計の再現性に応じて、それぞれ±0.02、±0.05、又は±0.1以内の範囲で一致するまで行った値を平均し、水系媒体のpHとする。
(着色剤のpH)
着色剤のpHは、JIS K5101−17−1:2004により規定された方法により求められる。JIS K5101−17−1:2004は、JIS Z8802−1984で規定された、ガラス電極と比較電極からなる検出部と、検出された電位差を表示する指示部とで構成されるpHの再現性が±0.02以内、±0.05以内、又は±0.1以内のpH計を用いて、着色剤の水性懸濁液pHを測定するものであり、以下に述べる煮沸法により行う。
煮沸法では、試料(本発明では、着色剤)5.0gを300mLの三角フラスコ中に小数点第1位の桁まで秤取り、この試料を蒸留法やイオン交換法により精製した後約5分間煮沸し、溶存する二酸化炭素を脱気した水100mLを加え、栓を外した状態のまま約5分間加熱して煮沸状態にした後、更に5分間煮沸する。なお、試料が分散し難い時は、湿潤剤として純度95%のエタノール5乃至10mLを三角フラスコに加え、試料を良く分
散させた後に、上記エタノールの添加量を含めた液量が100mLとなるように水を加える。5分間煮沸後、三角フラスコに栓をした状態で常温まで放冷後、栓を開き煮沸により減少した量に相当する水を加え、再び栓をして1分間振り混ぜた後、5分間静置したものを試料の水性懸濁液とする。
上記方法により処理した顔料の水性懸濁液をJIS Z8802−1984の7で規定された測定方法により、上記水系媒体のpH測定と同様にガラス電極によるpH計でpHを測定する。
(トナー粒子およびトナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1))
トナー粒子およびトナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
(トナー及びトナー粒子の4μm以下粒子率)
トナー中の4μm以下粒子率(個数%)は、前記のMultisizer 3の測定を行なった後、データを解析することにより算出する。
トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、以下の手順で算出する。まず、前記専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「<」にチェックし、その下の粒径入力部に「4」を入力する。「分析/個数統計値(算術平均)」画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
(リン酸カルシウム塩類のX線回折パターン)
生成したリン酸カルシウム塩類のX線回折パターンは試料水平型強力X線回折装置RINT TTRII(リガク社製)を使用し、以下の条件により測定した。
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
走査モード:連続 スキャン速度:4deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):3deg.
ストップ角度(2θ):60deg.
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
湾曲モノクロメーター使用
得られたX線回折ピークの帰属は、リガク社製解析ソフト「Jade6」を用いて行った。
(極性樹脂の酸価)
極性樹脂の酸価は以下の方法により測定した。酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。極性樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン 1.0gをエチルアルコール(95vol%) 90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l 塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/
l 塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験:粉砕した極性樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験:試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
(極性樹脂の分子量)
極性樹脂の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。まず、室温で24時間かけて、極性樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
(極性樹脂のTg)
極性樹脂の最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、極性樹脂約10mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、極性樹脂のガラス転移温度Tgとする。
次に本発明のトナー粒子の製造方法を用いて製造したトナーを用いた画像形成方法の例について図1、図2、図3および図4を用いて説明する。
本実施例で用いた画像形成装置(接触1成分現像システム)の構成を図2に示す。該画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンタである。図2は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 画像
形成装置100は4個の画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdを縦方向に並設している。そして、各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdには、各々、装着手段(不図示)によってプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が着脱可能に装着される。なお、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各カートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成である。
本断面模式図では、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、縦方向に僅かに傾斜して並設されているが、傾斜することなく縦方向に整列して設けてもよい。また、プロセスカートリッジ7は、図1に例示したものと同じであっても良いし、異なっていても良い。
各カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に以下の手段が設けられている。(A)感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電手段2(2a、2b、2c、2d)。(B)画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)。(C)静電潜像に現像剤(以下、「トナー」という。)を付着させてトナー像として現像する現像手段4(4a、4b、4c、4d)。(D)感光体ドラム1上のトナー像を記録媒体Sに転写させる静電転写装置5。(E)転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段6(6a、6b、6c、6d)。
ここで、感光体ドラム1と、プロセス手段である、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段6は、カートリッジ枠体により一体的に構成してカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、シリンダの外周面に感光層を設けて構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されている。そして、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
上記感光体としては、a−Se、CdS、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムが好適に使用される。また、上記OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではない。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
帯電手段2(2a、2b、2c、2d)としては、接触帯電方式のものを使用している。帯電手段2は、ローラー状に形成された導電性ローラーである。このローラーを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラーに帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が線圧として0.05〜5N/cmである。また印加電圧としては、直流電圧或いは直流電圧に交
流電圧を重畳したものが好適に用いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5dVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであることが好ましい。また、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVであることが好ましい。
帯電ローラー以外の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になる、オゾンの発生が低減する、といった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、高速回転されるポリゴンミラー(不図示)及び結像レンズ(不図示)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を画像情報に応じ露光する。これによって、感光体ドラムに静電潜像を形成する。
現像手段4(4a、4b、4c、4d)は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各色のトナーを夫々収納したトナー容器41から構成され、トナー容器41内のトナーをトナー搬送機構42によってトナー供給ローラー43へ送り込む。前記トナー供給ローラー43は、図示時計方向に回転し、トナー担持体としての現像ローラー40へのトナーの供給、及び、静電潜像の現像化に寄与せず現像ローラー40上に残留したトナーのはぎとりを行う。
現像ローラー40へ供給されたトナーは、現像ローラー40外周に圧接されたトナー規制部材44によって現像ローラー40(時計回り方向に回転)の外周に塗布され、且つ電荷を付与される。そして、潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラー40に現像バイアスを印加する。そして、潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
転写装置5には、すべての感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向し、接するように循環移動する静電転写ベルト11が設けられている。この転写ベルト11は、ベルト駆動ローラー13、従動ローラー14a、14b、テンションローラー15に張架されていて、図中左側の外周面に記録媒体Sを静電吸着する。そして、転写ベルト11は、感光体ドラム1に記録媒体Sを接触させるべく循環移動する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
この転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向した位置に転写ローラー12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラー12には、転写時にバイアスが印加されて、電荷が静電転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光体ドラム1に接触中の記録媒体Sに、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
給送部16は、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdに記録媒体Sを給送搬送するものである。給送部16には、複数枚の記録媒体Sがカセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラー18(半月ローラー)、レジストローラー19が画像形成動作に応じて駆動回転する。給送ローラー18は、カセット17内の記録媒体Sを1枚毎に分離給送した後、レジストローラー19に記録媒体S先端を突き当てて一旦停止させる。その後レジストローラー19は、転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、記録媒体Sを静電転写ベルト11へと給送する。
定着部20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。そして、定着部20は、加熱ローラー21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラー21bとを有する。即ち、感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写された記録媒体Sは定着部20を通過する際に、加圧ローラー21bで搬送されるとともに、加熱ローラー21aによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が記録媒体S表面に定着される。
画像形成の動作としては、カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、画像形成タイミングに合わせて順次駆動される。そして、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラー2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与する。そして、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面に静電潜像を形成する。現像手段4内の現像ローラー40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に記録媒体Sの印字開始位置が一致するようにレジストローラー19が回転し記録媒体Sを転写ベルト11へ給送する。
記録媒体Sは吸着ローラー22と転写ベルト11とによって挟み込むようにして転写ベルト11の外周に圧接される。そして、転写ベルト11と吸着ローラー22との間に電圧を印加する。そして、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起して、記録媒体Sを転写ベルト11の外周に静電吸着させている。これにより、記録媒体Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。このように搬送されながら記録媒体Sは、各感光体ドラム1と転写ローラー12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。4色のトナー像を転写された記録媒体Sは、ベルト駆動ローラー13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。記録媒体Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排紙ローラー23によって、排紙部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
図2においては、定着部20に加熱ローラーを用いる方法を例示したが、本発明の画像形成方法には他の定着方法も好適に用いることができる。図3および図4には、発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置を示す。
図3はフィルムに常にテンションが加わっている構造の定着装置である。本発明においては、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。又、フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
図3中、51は装置に固定支持された加熱体であって、ヒータ基板52、通電発熱抵抗体(発熱体)53・検温素子54等よりなる。ヒータ基板52は耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアル
ミナ基板である。発熱体53はヒータ基板52の下面(フィルム55との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1〜3mmの線状または細帯状にスクリーン印刷等により塗工したものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、TaN、RuO等が用いられる。検温素子54は一例としてヒータ基板52の上面(発熱体53を設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体51の場合は、線状又は面状をなす発熱体53に対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体53を略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子54の検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。加熱体51はその発熱体53への通電により、ヒータ基板52・発熱体53の熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。そしてこの加熱体51に耐熱性フィルム55が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム55には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどを用いることができる。
回転体たる支持ローラー58は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体51にフィルム55を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、フィルム55を所定速度に移動駆動する。フィルム55との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートをフィルム55面に密着させて加熱体51に圧接し、フィルム55と共に移動駆動させる。
次に、発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置の他の形態について示す。図4はフィルムにテンションが加わらない状態がある構造を有する、定着装置である(テンションフリータイプ)。
本発明においては、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。又、フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
図4中、64は装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であって、ヒータ基板64a、通電発熱抵抗体(発熱体)64b・表面保護層64c・検温素子64d等よりなる。ヒータ基板64aは耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。発熱体64bはヒータ基板6
4aの下面(フィルム65との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1〜3mmの線状または細帯状に塗工し、その上に表面保護層64cとして耐熱ガラスを約10μmコートしたものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、TaN、RuO等が用いられる。また、電気抵抗材料の塗工方法としては、スクリーン印刷する方法等が用いられる。検温素子64dは一例としてヒータ基板64aの上面(発熱体64bを設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体64の場合は、線状又は面状をなす発熱体64bに対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体64bを略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子64dの検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。加熱体64はその発熱体64bへの通電により、ヒータ基板64a・発熱体64b・表面保護層64cの熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。そしてこの加熱体64に耐熱性フィルム65が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム65には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー62は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体64にフィルム65を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、フィルム65を所定速度に移動駆動する。フィルム65との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートをフィルム65面に密着させて加熱体64に圧接し、フィルム65と共に移動駆動させる。
図1は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置に好適に用いることのできる、プロセスカートリッジ7(以下、カートリッジともいう。)の概略構成図である。
カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2及びクリーニング手段6を備えたクリーナユニット50と、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像手段4を有する現像ユニット4Aとを有する。クリーナユニット50を構成するクリーニング枠体31には、感光体ドラム1が軸受部材(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1には、感光体ドラム1の外周面に設けられた感光層を一様に帯電させるための帯電ローラー2、転写後に感光体ドラム1上に残った現像剤(残留トナー)を除去するためのクリーニングブレード60が接触している。クリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去されたトナー(除去トナー)は、クリーニング枠体31に設けられた除去トナー収納室35に納められる。
現像ユニット4Aは、トナーを収容する現像枠体45(45a、45b、45e)を有しており、現像ローラー40(矢印Y方向に回転)が軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。また、現像ローラー40と接触してトナー供給ローラー43(
矢印Z方向に回転)とトナー規制部材44がそれぞれ設けられている。さらに現像枠体45には収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラー43に搬送するためのトナー搬送機構42が設けられている。そして、現像ユニット4Aがクリーナユニット50に対して揺動自在に支持されている。すなわち、現像枠体45の両端に設けた結合穴47、48とクリーナユニット50のクリーニング枠体31両端に設けた支持穴(不図示)を合わせ、クリーナユニット50両端からピン(不図示)を差し込んでいる。また、支持穴を回転軸中心として現像ローラー40が感光体ドラム1に接触するように加圧バネ(不図示)によって現像ユニット4Aが常に付勢されている。
現像時には、トナー容器41内に収納されたトナーがトナー攪拌機構42によってトナー供給ローラー43へ搬送される。トナー供給ローラー43が、現像ローラー40との摺擦によって現像ローラー40にトナーを供給し、現像ローラー40上にトナーを付着させる。現像ローラー40上に付着されたトナーは、現像ローラー40の回転にともなってトナー規制部材44のところに至る。そして、トナー規制部材44がトナーを規制して所定のトナー薄層を形成し、所望の帯電電荷量を付与する。現像ローラー40上で薄層化されたトナーは、現像ローラー40の回転につれて、感光体ドラム1と現像ローラー40とが接近した現像部に搬送される。そして、現像部において、電源(不図示)から現像ローラー40に印加した現像バイアスにより、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像に付着して、潜像を現像化する。静電潜像の現像化に寄与せずに現像ローラー40の表面に残留したトナーは、現像ローラー40の回転にともなって現像枠体45内に戻される。そして、トナー供給ローラー43との摺擦部で現像ローラー40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー攪拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
ここで現像ローラー40には弾性ローラーを用い、これを感光体ドラム1表面と接触させる方法を用いることができる。一般にトナー担持体と感光体が接触する現像方式においては、トナーの破損、変形が生じやすくなるが、本発明記載のトナーを用いた場合にはこうした変化を効果的に抑制することが出来るため、好ましい。
トナー担持体と感光体が接触する現像方式では、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラー表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法が利用できる。さらには、該導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体としてのローラーの抵抗値としては10〜10Ω・cmの範囲が好ましい。
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗さRa(μm)を0.1〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立でき、好ましい。該表面粗さRaはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗さRaが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となる傾向にあり、また、トナーの帯電性が改善されないので画質の更なる向上は望めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗さRaが0.1よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる傾向にある。
本発明において、トナー担持体の表面粗さRaは、日本工業規格(JIS)B0601
4.2.1項(改正年月日2001年1月20日、確認年月日2005年7月20日)に定める算術平均粗さである。本発明においては、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE3500)を用い、トナー担持体表面の任意の1点より、トナー担持体回転軸と平行となる方向に測定を行った。なお、カットオフ値は0.8mm、測定長さは2.5mm、測定速度は0.1mm/秒とした。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。以下にトナーの製造方法について記載する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
(着色剤の製造例)
<着色剤1>
・イオン交換水 1500質量部・C.I.Pigment Yellow 74 100質量部
上記材料を撹拌・混合し、C.I.Pigment Yellow 74を水中に懸濁させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて上記懸濁液をpH11に調整した。ここに20質量部の不均化ロジン1(酸価130mgKOH/g)および33質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液30質量部を添加した。液温を98℃に昇温した後、温度を保ったまま1時間撹拌した。65℃に降温した後31質量%濃度の塩酸約60質量部を添加してpHを4に調整して樹脂を沈殿させた。沈殿した組成物をろ別し、イオン交換水によって洗浄した後乾燥し、着色剤1を得た。着色剤1のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHは4.2であった。
<着色剤2>
着色剤1の製造例において不均化ロジン1(酸価130mgKOH/g)に替えて不均化ロジン2(酸価100mgKOH/g)を使用する以外は着色剤1の製造例と同様にして着色剤2を得た。着色剤2のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHは5.8であった。
<着色剤3>
着色剤1の製造例において不均化ロジン1(酸価130mgKOH/g)に替えてアクリル酸変性ロジン(酸価210mgKOH/g)を使用する以外は着色剤1の製造例と同様にして着色剤3を得た。着色剤3のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHは3.2であった。
<着色剤4>
着色剤1の製造例においてC.I.Pigment Yellow74に替えてC.I.Pigment Yellow 93を使用する以外は着色剤1の製造例と同様にして着色剤4を得た。着色剤4のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHは4.8であった。
(着色剤分散液の製造例)
<着色剤分散液1>
アトライターNA1S(三井鉱山社製)に下記材料を入れジルコニアビーズ(3/16in)とともに3時間混合し着色剤分散液1を得た。
・スチレン 54.0質量部・着色剤1 6.0質量部
<着色剤分散液2>
着色剤分散液1の製造例において着色剤1に替えて着色剤2を使用する以外は着色剤分散液1の製造例と同様にして着色剤分散液2を得た。
<着色剤分散液3>
着色剤分散液1の製造例において着色剤1に替えて着色剤3を使用する以外は着色剤分散液1の製造例と同様にして着色剤分散液3を得た。
<着色剤分散液4>
着色剤分散液1の製造例において着色剤1に替えて着色剤4を使用する以外は着色剤分散液1の製造例と同様にして着色剤分散液4を得た。
(水系媒体の製造例)
<水系媒体1>
下記の手順によって水系媒体を製造した。
下記の材料を高速撹拌装置クレアミクス(エムテクニック社製)を具備した2リットル用4つ口フラスコ中に入れ、60℃、12000rpmにて撹拌した。
・イオン交換水 320.0質量部・第三リン酸ナトリウム 7.0質量部・水酸化ナトリウム 0.07質量部
上記条件での撹拌中に32.0質量部の塩化カルシウム水溶液(1mol/l)を加え、60℃、12000rpmにて30分間撹拌を行い、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製した。その後撹拌を継続しながら10%塩酸2.6質量部を加え、水系媒体のpHを5.2に調整した。その後さらに同条件にて30分間撹拌を継続し、水系媒体1を得た。
得られた水系媒体の60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.11(mPa・s)であった。また、同様の条件にて調製した水系媒体10.0質量部をメンブレンフィルター(C080A047A 孔径0.8μm アドバンテック社製)を用いてろ過し、さらにろ物を100.0質量部のイオン交換水で洗浄し、白色の固体を得た。得られた固体を、真空乾燥機を用いて40℃で24時間乾燥した。乾燥後の固体のX線回折測定を行ったところ、得られたXRDパターンのピーク位置および強度から、生成した固体はヒドロキシアパタイトを含むリン酸カルシウム塩類であることが確認された。また、固体の乾燥後の質量から水系媒体のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体2>
水系媒体1の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を10.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.10質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を45.7質量部に、10%塩酸の添加量を3.7質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体2を得た。水系媒体2のpHは5.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.39(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体2のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は1.07(質量%)であった。
<水系媒体3>
水系媒体1の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を5.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.05質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を22.9質量部に、10%塩酸の添加量を1.9質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体3を得た。水
系媒体3のpHは5.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は0.92(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体3のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.54(質量%)であった。
<水系媒体4>
水系媒体1の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を12.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.24質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を54.9質量部に、10%塩酸の添加量を4.5質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体4を得た。水系媒体4のpHは5.4であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.48(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体4のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は1.29(質量%)であった。
<水系媒体5>
下記の手順によって水系媒体を製造した。
下記の材料を高速撹拌装置クレアミクス(エムテクニック社製)を具備した2リットル用4つ口フラスコ中に入れ、60℃、12000rpmにて撹拌した。
・イオン交換水 320.0質量部・第三リン酸ナトリウム 7.0質量部・水酸化ナトリウム 0.07質量部・10%塩酸 1.0質量部
上記条件での撹拌中に32.0質量部の塩化カルシウム水溶液(1mol/l)を加え、60℃、12000rpmにて30分間撹拌を行い、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製した。その後撹拌を継続しながら10%塩酸1.6質量部を加え、水系媒体のpHを5.2に調整した。その後さらに同条件にて30分間撹拌を継続し、水系媒体5を得た。得られた水系媒体の60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.45(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体5のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体6>
水系媒体1の製造例において、10%塩酸によるpH調整前におけるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製する時間を5分間に変更する以外は、水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体6を得た。水系媒体6のpHは5.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.45(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体6のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体7>
水系媒体1の製造例において10%塩酸の添加量を2.0質量部に変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体7を得た。水系媒体7のpHは6.4であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.11(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体7のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体8>
水系媒体1の製造例において10%塩酸の添加量を3.2質量部に変更する以外は水系
媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体8を得た。水系媒体8のpHは4.6であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.11(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体8のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体9>
水系媒体1の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を15.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.15質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を68.6質量部に、10%塩酸の添加量を5.6質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体9を得た。水系媒体4のpHは5.1であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.88(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体9のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は1.61(質量%)であった。
<水系媒体10>
水系媒体1の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を4.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.04質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を18.3質量部に、10%塩酸の添加量を1.4質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体10を得た。水系媒体10のpHは5.0であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は0.85(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体10のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.45(質量%)であった。
<水系媒体11>
水系媒体5の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を10.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.10質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を45.7質量部に、30分の撹拌前の10%塩酸の添加量を1.4質量部に、30分の撹拌後の10%塩酸の添加量を2.3質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体5の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体11を得た。水系媒体11のpHは5.0であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.89(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体11のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は1.07(質量%)であった。
<水系媒体12>
下記の手順によって水系媒体を製造した。
下記の材料を高速撹拌装置クレアミクス(エムテクニック社製)を具備した2リットル用4つ口フラスコ中に入れ、60℃、12000rpmにて撹拌した。
・イオン交換水 320.0質量部・第三リン酸ナトリウム 7.0質量部・水酸化ナトリウム 0.07質量部・10%塩酸 2.6質量部
上記条件での撹拌中に32.0質量部の塩化カルシウム水溶液(1mol/l)を加え、60℃、12000rpmにて30分間撹拌を行い、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体12を調製した。水系媒体12のpHは5.2であった。得られた水系媒体の60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は2.01(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体12のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体13>
水系媒体1の製造例において水酸化ナトリウムを添加しない以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体13を得た。水系媒体13のpHは4.9であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.74(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体13のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体14>
水系媒体12の製造例において水酸化ナトリウムを添加しない以外は水系媒体12の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体14を得た。水系媒体13のpHは4.9であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は2.64(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体14のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体15>
水系媒体1の製造例において10%塩酸によるpH調整前におけるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製する時間を1分間に変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体15を得た。水系媒体15のpHは5.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.76(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体15のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体16>
水系媒体13の製造例において10%塩酸によるpH調整前におけるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製する時間を5分間に変更する以外は水系媒体13の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体16を得た。水系媒体16のpHは5.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は2.08(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体16のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体17>
水系媒体12の製造例において第三リン酸ナトリウムの添加量を3.0質量部に、水酸化ナトリウムの添加量を0.03質量部に、10%塩酸の添加量を1.1質量部に、塩化カルシウム水溶液(1mol/l)の添加量を13.7質量部にそれぞれ変更する以外は水系媒体12の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体17を得た。水系媒体17のpHは5.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.11(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体17のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.32(質量%)であった。
<水系媒体18>
水系媒体1の製造例において、塩化カルシウム水溶液投入後の撹拌温度を40℃に、撹拌回転数を6000rpmにそれぞれ変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体18を得た。水系媒体18のpHは5.3であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は0.68(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体18のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体19>
水系媒体1の製造例において10%塩酸の添加量を1.0質量部に変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体19を得た。水
系媒体19のpHは7.5であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は1.11(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体19のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.75(質量%)であった。
<水系媒体20>
水系媒体1の製造例において10%塩酸の添加量を4.0質量部に変更する以外は水系媒体1の製造例と同様にして、リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体20を得た。水系媒体20のpHは4.2であり、60℃におけるせん断速度1.0×10(1/s)での粘度は0.74(mPa・s)であった。また、水系媒体1の場合と同様に水系媒体20のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度を求めたところ、濃度は0.32(質量%)であった。
(トナー粒子の製造例)
<トナー粒子1>
下記材料を混合し、60℃に加熱した。
・スチレン 16.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・極性樹脂1(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体)20.0質量部(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合比=95.0/2.5/2.5)(Mw:15300、Tg:92.3℃、酸価:15.1mgKOH/g)
・着色剤分散液1 60.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−84(オリエント化学社製) 0.5質量部・スルホン酸基含有共重合体 FCA−1001−NS(藤倉化成社製) 0.3質量部加熱後、温度を保ったままさらに下記材料を加え、混合した。
・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精鑞社製) 9.0質量部
得られた混合物に10.0質量部の重合開始剤 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合性単量体組成物を調製した。次いで、350.0質量部の水系媒体1の入った高速撹拌装置クレアミクス(エムテクニック社製)を具備した2リットル用4つ口フラスコ中に前記重合性単量体組成物を導入し、N雰囲気下にて60℃、10000rpmにて25分間撹拌・造粒した。その後、撹拌装置をパドル撹拌羽根を具備したものに換え、70℃、200rpmにて5時間撹拌し、重合反応を進行させた。続いて反応系中に炭酸ナトリウムを加えてpHを9.0に調整した後、80℃、200rpmにてさらに5時間重合反応を継続させた。重合反応終了後、加熱減圧下で残存モノマーを除去し、次いで、冷却後に希塩酸を添加してリン酸カルシウム塩類を溶解させた。さらに水洗浄を数回繰り返した後、乾燥機を用いて40℃にて72時間乾燥し、トナー粒子1を得た。
<トナー粒子2>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体2を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子2を得た。
<トナー粒子3>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体3を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子3を得た。
<トナー粒子4>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体4を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子4を得た。
<トナー粒子5>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体5を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子5を得た。
<トナー粒子6>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体6を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子6を得た。
<トナー粒子7>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体7を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子7を得た。
<トナー粒子8>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体8を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子8を得た。
<トナー粒子9>
トナー粒子1の製造例において極性樹脂1 20質量部に替えて極性樹脂2(飽和ポリエステル樹脂〔テレフタル酸とプロピレンオキサイド変性ビスフエノールAから生成〕(Mw=8900、Tg=72℃、酸価=15.2mgKOH/g))5質量部を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子9を得た。
<トナー粒子10>
トナー粒子1の製造例において極性樹脂1に替えて極性樹脂3(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合比=95.0/1.0/4.0、Mw=15200、Tg=92.5℃、酸価=25.4mgKOH/g))を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子10を得た。
<トナー粒子11>
トナー粒子1の製造例において極性樹脂1に替えて極性樹脂4(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合比=95.0/3.8/1.2、Mw=15100、Tg=91.8℃、酸価=7.3mgKOH/g))を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子11を得た。
<トナー粒子12>
トナー粒子1の製造例において極性樹脂1に替えて極性樹脂5(スチレン/メタクリル酸共重合体(スチレン/メタクリル酸共重合比=95.0/5.0、Mw=15000、Tg=92.3℃、酸価=32.1mgKOH/g))を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子12を得た。
<トナー粒子13>
トナー粒子1の製造例において極性樹脂1に替えて極性樹脂6(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合比=95.0/4.5/0.5、Mw=14900、Tg=91.5℃、酸価=3.9mgKOH/g))を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子13を得た。
<トナー粒子14>
トナー粒子1の製造例においてスチレンの添加部数を26.0質量部に、n−ブチルアクリレートの添加部数を20.0質量部にそれぞれ変更し、極性樹脂1を使用しない以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子14を得た。
<トナー粒子15>
トナー粒子1の製造例において着色剤分散液1に替えて着色剤分散液2を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子15を得た。
<トナー粒子16>
トナー粒子1の製造例において着色剤分散液1に替えて着色剤分散液3を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子16を得た。
<トナー粒子17>
トナー粒子1の製造例において着色剤分散液1に替えて着色剤分散液4を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子17を得た。
<トナー粒子18>
トナー粒子1の製造例において帯電制御剤 ボントロンE−84(オリエント化学社製)の添加部数を0.8質量部に変更し、スルホン酸基含有共重合体 FCA−1001−NS(藤倉化成社製)を使用しない以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子18を得た。
<トナー粒子19>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体9を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子19を得た。
<トナー粒子20>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体10を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子20を得た。
<トナー粒子21>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体11を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子21を得た。
<トナー粒子22>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体12を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子22を得た。
<トナー粒子23>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体13を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子23を得た。
<トナー粒子24>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体14を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子24を得た。
<トナー粒子25>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体15を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子25を得た。
<トナー粒子26>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体16を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子26を得た。
<トナー粒子27>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体17を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子27を得た。
<トナー粒子28>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体18を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子28を得た。
<トナー粒子29>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体19を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子29を得た。
<トナー粒子30>
トナー粒子1の製造例において水系媒体1に替えて水系媒体20を使用する以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子30を得た。
(トナーの製造例)
<トナー1>
トナー粒子1を分級し、分級後のトナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(個数平均1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)を用いて3,000r/minで15分間混合してトナー1を得た。
<トナー2〜30>
トナー1の製造例においてトナー粒子1に替えてトナー粒子2〜30を用いる以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー2〜30を得た。
上記トナー1乃至30の物性を表1にまとめた。また、上記トナー1乃至30を表2および表3に記載の組み合わせにて評価を行った。
Figure 0005455346
Figure 0005455346
Figure 0005455346
以下に本発明の評価方法および評価基準について説明する。なお、画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用いた。
この評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが190mm/secとなるようにした。
(2)評価に用いるカートリッジはイエローカートリッジを用いた。すなわち、市販のイエローカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを200g充填して評価を行った。なお、シアン、マゼンタ、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたシアン、マゼンタ、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
(3)定着器は、加熱温度を150℃±20℃に制御できるようにソフトウエアを変更した。
以上の条件で、常温低湿環境(23℃,5%RH)下にトナーが詰められたプロセスカー
トリッジを48時間放置後、1%の印字比率の画像を、連続で6000枚までプリントアウトし、以下の〔1〕から〔10〕の項目に関して評価した。
〔1〕画像濃度
A4のキヤノンカラーレーザーコピア用紙(81.4g/m)を用いて、画出し試験において、6000枚印字後にベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
〔2〕光沢度
〔1〕で出力したべた画像を、光沢計PG−3D(日本電色工業社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って測定した。
A:20(目標値)±1以内。
B:20(目標値)±2以内。
C:20(目標値)±5以内。
D:20(目標値)±5を超える。
〔3〕周方向のスジ
6000枚の印字後、現像容器を分解しトナー担持体の表面及び端部を目視して行った。以下に判定基準を示す。
A:トナー担持体の表面や端部にはトナー破壊や融着によるトナー規制部材とトナー担持体間への異物挟み込みによる周方向のスジが全く無い。
B:トナー担持体とトナー端部シール間への異物挟み込みが若干見受けられる。
C:周方向のスジが端部で1乃至4本見受けられる。
D:周方向のスジが全域で5本以上見受けられる。
〔4〕画像カブリ
グロス紙モード(1/2速)で、LetterサイズのHP Color Laser
Photo Paper, glossy(220g/m)に1%の印字比率の画像をプリントアウトし、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用い、測定した印字プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、6000枚印字後の画像カブリを評価した。フィルターは、ブルーフィルターを用いた。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
〔5〕トナー飛散による本体・カートリッジ内の汚染
トナーの帯電性・流動性のバランスを評価するために6000枚印字後のカートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れ具合を観察した。
A:カートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れが全く観察されない。
B:カートリッジに微量のトナーによる汚れが観察される。
C:カートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れが観察されるが、画像・カートリッジの着脱には影響しない。
D:カートリッジ、本体内カートリッジ周辺がトナーによって著しく汚れ、画像・カートリッジの着脱にも悪影響が見られる。
〔6〕帯電の立ち上がり
トナーの帯電立ち上がりは、プリントの1枚目から20枚目までのベタのパッチ画像の濃度変化(マクベス反射濃度計で測定)で下記の基準で判断した。
A:濃度1.4に至るまでの枚数が5枚以下
B:濃度1.4に至るまでの枚数が6乃至10枚
C:濃度1.4に至るまでの枚数が11乃至20枚
D:濃度1.4に至るまでの枚数が21枚以上
〔7〕転写均一性
100枚及び6000枚印字後のハーフトーン画像を、キヤノンカラーレーザーコピア用紙(81.4g/m)及びFox River Bond(90g/m)に転写して評価した。以下に判定基準を示す。
A:6000枚時であっても、キヤノンカラーレーザーコピア用紙及びFox River Bondともに良好な転写均一性を示す。
B:6000枚サンプル時に、Fox River Bondにて転写均一性の若干劣るものが認められる。
C:100枚、6000枚サンプル時に、Fox River Bondにて転写均一性の若干劣るものが認められる。
D:100枚、6000枚サンプル時に、Fox River Bondにて転写均一性の劣るものが認められる。
〔8〕低温定着性
図1、2に示す接触1成分現像システムの画像形成装置において、トナーが充填されたプロセスカートリッジを常温常湿環境下(23℃/50%RH)にて48時間放置する。その後、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像出力をする。転写紙上のトナー乗り量は、0.35mg/cmとし、定着開始温度を評価した。尚、転写材は、Fox River Bond(90g/m)を使用した。定着器は、LBP−5400(キヤノン製)の定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。尚、外部定着器は、定着温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを190mm/secの定着条件で測定した。また、定着開始の判断は、定着画像(低温オフセットした画像も含む)を50g/cm の荷重をかけシルボン紙〔Lenz Cleaning Paper “dasper(R)”(Ozu Paper Co.Ltd)〕で擦り、擦り前後の濃度低下率が20%未満になる温度を定着開始点と定義した。以下に判定基準を示す。
A:定着開始点が130℃以下
B:定着開始点が130℃を超えて140℃以下
C:定着開始点が140℃を超えて150℃以下
D:定着開始点が150℃を超える
〔9〕高温時耐巻きつき性
高温時耐巻きつき性については、〔8〕と同様の条件で定着評価を行い、巻きつき無く通紙できた温度の最大温度を「高温時耐巻きつき性」を評価するための温度とした。以下に判定基準を示す。
A:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が190℃以上
B:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が180℃以上190℃未満
C:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が170℃以上180℃未満
D:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が170℃未満
〔10〕保存安定性
50mlのポリカップにトナーを5g秤量し、温度50℃の恒温槽に72時間放置した。その後、トナーの状態を目視により評価した。以下に判定基準を示す。
A:全く凝集していない。
B:若干凝集が見られるが僅かな外力で崩れる。
C:やや凝集しているものの手でほぐすことで崩れる。
D:強く凝集しており手でほぐしてもない。
以下に、各実施例及び比較例の結果を簡単に述べる
(実施例1)
各評価項目において非常に良好な結果を示した。
(実施例2)
各評価項目において非常に良好な結果を示した。
(実施例3)
低温定着性に関して実施例1にやや劣ったものの非常に良好な結果を示した。低温定着性がやや劣った原因はDwおよびηwがやや小さかったことにより重量平均粒径(D4)がやや大きくなったことにあると考えられる。
(実施例4)
周方向のスジに関して実施例1にやや劣ったものの非常に良好な結果を示した。周方向のスジがやや劣った原因はηwがやや大きかったことにより、D4/D1がやや大きくなったことにあると考えられる。
(実施例5)
周方向のスジ、画像カブリ、トナー飛散、および転写均一性に関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価においてやや劣った原因はηwがやや大きかったことにより、D4/D1がやや大きくなったことにあると考えられる。
(実施例6)
周方向のスジ、画像カブリ、トナー飛散、および転写均一性に関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価においてやや劣った原因はηwがやや大きかったことにより、D4/D1がやや大きくなったことにあると考えられる。
(実施例7)
各評価項目において非常に良好な結果を示した。
(実施例8)
各評価項目において非常に良好な結果を示した。
(実施例9)
周方向のスジ、画像カブリおよび高温保存安定性に関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価項目においてやや劣った原因としては極性樹脂の種類および添加部数が変わったことにより、耐久性や保存性がやや劣ったことにあると考えられる。(実施例10)
画像グロス、画像カブリ、トナー飛散および低温定着性に関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価項目においてやや劣った原因としては極性樹脂の酸価がやや高かったことにより着色剤の分散がやや劣り、また、重量平均粒径(D4)がやや大きかったことにあると考えられる。
(実施例11)
帯電の立ち上がり、転写均一性、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価項目においてやや劣った原因としては極性樹脂の酸価がやや低かったことにより、帯電性にやや劣ったこと、コアシェル構
造が形成されにくく耐熱性にやや劣ったことおよび重量平均粒径(D4)がやや小さかったことにあると考えられる。
(実施例12)
画像グロス、トナー飛散および低温定着性に関して実施例1に劣り、着色力および画像カブリに関してもやや劣ったものの実使用上は問題ない結果を示した。上記評価項目において劣った原因としては極性樹脂の酸価が高かったことにより着色剤の分散が劣り、また、重量平均粒径(D4)が大きかったことにあると考えられる。
(実施例13)
帯電の立ち上がりおよび高温時の耐巻きつき性に関して実施例1に劣り、周方向のスジ、画像カブリ、転写均一性および高温保存安定性に関してもにやや劣ったものの実使用上は問題ない結果を示した。上記評価項目において劣った原因としては極性樹脂の酸価が低かったことにより、帯電性に劣ったこと、コアシェル構造が形成されにくく耐熱性に劣ったことおよび重量平均粒径(D4)がやや小さかったことによるものと考えられる。
(実施例14)
帯電の立ち上がり、低温定着性および高温保存安定性に関して実施例1に劣り、周方向のスジ、画像カブリ、トナー飛散および転写均一性、高温時耐巻きつき性に関してもやや劣ったものの実使用上は問題ない結果を示した。上記評価項目において劣った原因としては極性樹脂を含有しなかったことにより帯電性に劣ったこと、コアシェル構造が形成されず耐熱性、耐久性に劣ったこと、樹脂組成を変更したことにより低温定着性に劣ったことおよび重量平均粒径(D4)が小さかったことによるものと考えられる。
(実施例15)
各評価項目において非常に良好な結果を示した。
(実施例16)
着色力および画像グロスに関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価項目においてやや劣った原因としては着色剤のpHがやや高かったことにより、着色剤の分散がやや悪かったことによるものと考えられる。
(実施例17)
低温定着性に関して実施例1にやや劣ったものの良好な結果を示した。上記評価項目においてやや劣った原因としては着色剤のpHがやや低かったことにより、着色剤がややトナー表層に偏在したことによるものと考えられる。
(実施例18)
帯電の立ち上がりに関して実施例1に劣り、周方向のスジ、画像カブリ、トナー飛散および転写均一性に関してもやや劣ったものの実使用上は問題ない結果を示した。上記評価項目において劣った原因としてはスルホン酸基等を含有する重合体または共重合体を含有しなかったことにより、帯電性に劣り、また、D4/D1がやや大きくなったことにあると考えられる。
なお、実施例17を、参考例17とする。
(比較例1)
周方向のスジに関して実施例1に極めて劣り、画像カブリ、トナー飛散および転写均一性に関しても劣り、帯電の立ち上がり、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、Dwが大きかったことにより重量平均粒径(D4)が小さかったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例2)
画像カブリに関して実施例1に極めて劣り、トナー飛散に関しても劣り、周方向のスジ、帯電の立ち上がり、転写均一性および低温定着性に関してもやや劣り、実使用上問題があ
る結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、Dwが小さかったことにより重量平均粒径(D4)が大きかったことが考えられる。
(比較例3)
周方向のスジに関して実施例1に極めて劣り、画像カブリ、トナー飛散、転写均一性に関しても劣り、帯電の立ち上がり、高温時耐巻きつき性、高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例4)
周方向のスジおよび画像カブリに関して実施例1に極めて劣り、トナー飛散および帯電の立ち上がりに関しても劣り、転写均一性、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例5)
周方向のスジおよび画像カブリに関して実施例1に極めて劣り、トナー飛散、帯電の立ち上がりおよび転写均一性に関しても劣り、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例6)
周方向のスジ、画像カブリ、帯電の立ち上がりおよび転写均一性に関して実施例1に極めて劣り、トナー飛散に関しても劣り、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例7)
周方向のスジ、画像カブリおよびトナー飛散に関して実施例1に極めて劣り、帯電の立ち上がりおよび転写均一性に関しても劣り、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例8)
周方向のスジ、画像カブリおよび転写均一性に関して実施例1に極めて劣り、トナー飛散および帯電の立ち上がりに関しても劣り、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例9)
周方向のスジ、画像カブリおよびトナー飛散に関して実施例1に極めて劣り、転写均一性、帯電の立ち上がりおよび低温定着性に関しても劣り、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して
劣った原因としては、Dwが小さかったことにより、重量平均粒径(D4)が大きかったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例10)
周方向のスジ、画像カブリ、トナー飛散および低温定着性に関して実施例1に極めて劣り、帯電の立ち上がりおよび転写均一性に関しても劣り、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、ηwが小さかったことにより、重量平均粒径(D4)が大きかったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例11)
周方向のスジ、画像カブリ、帯電の立ち上がりおよび転写均一性に関して実施例1に極めて劣り、トナー飛散に関しても劣り、着色力、画像グロス、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、pHwが大きかったことにより、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体が表面に偏在しにくかったことによりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
(比較例12)
周方向のスジ、画像カブリ、トナー飛散、帯電の立ち上がりおよび低温定着性に関して実施例1に極めて劣り、転写均一性に関しても劣り、着色力、画像グロス、高温時耐巻きつき性および高温保存安定性に関してもやや劣り、実使用上問題がある結果となった。上記評価項目に関して劣った原因としては、pHwが小さかったことによりリン酸カルシウム塩類が可溶化し、重量平均粒径(D4)が大きく、また、D4/D1が大きく4μm以下の粒子が多かったこと、および極性樹脂・スルホン酸基を含有する共重合体の偏析によりコアシェル構造が形成されにくく、また、帯電安定性が悪化したことが考えられる。
本発明に用いることができるプロセスカートリッジの断面説明図である。 本発明の画像形成方法を実施する装置の一例の概略構成図である。 本発明に用いることができる定着装置の概略構成図である。 本発明に用いることができる定着装置の概略構成図である。
符号の説明
Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成ステーション
1(1a〜1d) 感光体ドラム(像担持体)
2(2a〜2d) 帯電手段
3(3a〜3d) スキャナユニット
4(4a〜4d) 現像手段
4A 現像ユニット
5 静電転写装置
6(6a〜6d) クリーニング手段
7(7a〜7d) プロセスカートリッジ
11 静電転写ベルト
12(12a〜12d) 転写ローラー
13 ベルト駆動ローラー
14a、14b 従動ローラー
15 テンションローラー
16 給送部
17 カセット
18 給送ローラー
19 レジストローラー
20 定着部
21a 加熱ローラー
21b 加圧ローラー
22 吸着ローラー
23 排紙ローラー
24 排紙部
31 クリーニング枠体(カートリッジ枠体)
35 除去トナー収納室
40 現像ローラー(トナー担持体)
41 トナー容器(現像剤収納部)
42 トナー搬送機構
43 トナー供給ローラー
44 トナー規制部材(ブレード)
45(45a、45b、45e) 現像枠体(カートリッジ枠体)
47、48 結合穴
50 クリーナーユニット
51、64 加熱体
52、64a ヒーター基板
53、64b 通電発熱抵抗体(発熱体)
54、64d 検温素子
55、65 耐熱性フィルム
56、57 ベルト支持ローラー
58 支持ローラー
60 クリーニングブレード
62 支持ローラー(回転体)
63 ベルト支持体
64c 表面保護層
100 画像形成装置本体
101 現像機ケーシング
S 記録媒体(記録材シート)

Claims (4)

  1. リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体(A)中に、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を分散し、前記重合性単量体組成物を前記水系媒体(A)中で造粒する造粒工程、及び、
    前記造粒工程によって造粒された前記重合性単量体組成物を重合してトナー粒子を生成する重合工程
    を有するトナー粒子の製造方法であって、
    前記着色剤が、C.I.Pigment Yellow 74であり、
    前記水系媒体(A)中のリン酸カルシウム塩類の固形分濃度をDw(質量%)、前記水系媒体(A)の60℃でのせん断速度1.0×10(1/s)における粘度をηw(mPa・s)、造粒工程における前記水系媒体(A)のpHをpHwとしたとき、Dwが0.50以上1.50以下であり、ηwが0.80以上1.50以下であり、pHwが4.5以上6.5以下であり、
    前記水系媒体(A)が、イオン交換水、第三リン酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムを含む混合物に塩化カルシウム水溶液を添加してリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体を調製する工程、及び、得られた水系媒体のpHを塩酸で前記pHwに調整する工程をこの順番で行い製造されたものである
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 前記重合性単量体組成物が更に極性樹脂を含有し、前記極性樹脂の酸価が5.0(mgKOH/g)以上30.0(mgKOH/g)以下である請求項に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記着色剤のJIS K5101−17−1:2004に記載の煮沸抽出法により測定されるpHが3.0以上6.0以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記重合性単量体組成物が更にスルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
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