JP2001201889A - イエロートナーの製造方法 - Google Patents

イエロートナーの製造方法

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JP2001201889A
JP2001201889A JP2000007353A JP2000007353A JP2001201889A JP 2001201889 A JP2001201889 A JP 2001201889A JP 2000007353 A JP2000007353 A JP 2000007353A JP 2000007353 A JP2000007353 A JP 2000007353A JP 2001201889 A JP2001201889 A JP 2001201889A
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yellow
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polymerizable monomer
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Satoshi Yasuda
智 安田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 摩擦帯電性、トランスペアレンシー透過性等
に優れ、粒度分布及び物性に関して再現性が良く、クリ
ーニング特性の良好なイエロートナー製造方法の提供。 【解決手段】 スチレン−アクリル樹脂を主体とするト
ナー結着樹脂中に、着色剤としてC.I.Pigmen
t Yellow93に分類される顔料とC.I.So
lvent Yellow 162に分類される染料と
を含有しているイエロートナーの製造方法において、リ
ン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合して得られ
るリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHを
6.0より大きく8.5以下に調整し、水系媒体中で、
粒子に含まれている重合性単量体を重合して、トナー粒
子を生成し、水系媒体のpHを1.0乃至3.0に調整
して、リン酸カルシウム塩類を溶解した後にトナー粒子
を分離し、得られたイエロートナーの円形度が0.95
0より大きく0.970未満であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真,静電記
録,静電印刷、あるいは、トナージェット記録等におけ
るイエロートナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力・階調性はもとより色ムラ
のない色再現性に優れた高画質画像が得られるようにな
ってきた。
【0003】デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20〜70μmのドット径からなる潜像をY
(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・B(ブ
ラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用して現
像するが、白黒複写機と比べ多量の現像剤を感光体から
転写材に転写させる必要があることから、将来の更なる
高画質化に対応すべく、より微小ドットに対応した現像
剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0004】しかし高画質化の要求に伴いトナー粒径を
小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮鋭度は確か
に満足のゆく方向となるが、微粒子化に伴って様々な影
響があることが分かってきた。
【0005】まず、トナー粒径を小さくすると、それだ
け着色剤の偏在により帯電特性が影響を受け易くなると
いう問題が生じてくる。
【0006】従って、従来以上に色の分散が良好でバラ
ンスのとれた色相及び分光反射特性と十分な彩度を有す
るトナーが要求される。特に近年では、カラー画像を用
いたプレゼンテーション等の機械が飛躍的に増えている
ため、紙の分光反射特性のみならず、トランスペアレン
シー等の透過画像の分光特性が、反射画像と同等あるい
はかなり近似したカラートナーが強く要求されている。
【0007】また、近年さらなる電子写真技術の応用と
して鋼材・布等へ画像を再転写加工する動きが生じてい
るが、このような加工品の場合は、屋外で使用されやす
いというその用途から従来以上の耐熱・耐光性が必要と
される。
【0008】従来イエロートナー用の着色顔料としては
C.I.Pigment Yellow 12/13/
17等に代表されるようなアゾ系顔料、C.I.Pig
ment Yellow 74/97/98等に代表さ
れるようなモノアゾ系顔料等の使用が一般的であり、耐
侯性に優れた顔料としてはC.I.PigmentYe
llow 93/94/95/180等に代表されるよ
うなポリアゾ系顔料等が開示されてきた。
【0009】しかし上記のような欲求を満足し、さらな
る画像特性と帯電特性を向上させうる着色剤としては、
未だ満足のゆくものは得られていない。
【0010】一般にこれらカラートナーを製造する方法
としては、熱可塑性樹脂中に染料及び顔料の如き着色剤
及び荷電制御剤のような添加剤を溶融混合し、均一に分
散した後、微粉砕装置及び分級装置により粉砕及び分級
を行なって所望の粒径を有するトナーを製造する方法、
すなわち粉砕法が知られている。
【0011】この製造方法(粉砕法)によれば、かなり
優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、すなわち
トナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着
色剤分散体が充分に脆く、経済的に使用可能な製造装置
で微粉砕し得るものでなくてはならない。この要請か
ら、樹脂着色剤分散体を充分に脆くせざるを得ないた
め、この分散体を実際に高速で微粉砕する際に、広い粒
径範囲の粒子群が形成され易く、特に、比較的大きな割
合の過度に微粉砕された粒子が、この粒子群に含まれる
という問題が生ずる。更に、このように高度に脆性の材
料は複写機等において実際に現像用に使用する際、更に
微粉砕化ないし粉化を受け易い。
【0012】さらに、これら粉砕法によるトナーにおい
ては、ワックスの如き離型剤を添加する場合に制約があ
る。すなわち、離型剤の分散性を十分なレベルとするた
めには、樹脂との混練温度において、ある程度の粘性
を保つ必要があること、離型剤の含有量を約5質量部
以下にすることなどである。このような制約のため、粉
砕法によるトナーの定着性には限界がある。
【0013】また、この混練−粉砕法においては、着色
剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散させること
は簡単ではなく、分散の度合によってはトナーの組成に
分布が生じ、トナー現像特性の変動をきたす場合もあ
る。さらに、一般にトナーによって形成した画像の解像
度、ベタ部均一性、階調再現性等はトナーの特性、特に
その粒径に依存する割合が大きく、小粒径粒子ほど高品
質の画像が得られるため、最近のプリンタや高画質複写
機等は、小粒径トナーを使用することが多い。しかしな
がら、粉砕法によってトナー粒子を小粒径化するには粉
砕機の能力によって、体積平均粒径で約5.0μm程度
が限界である。
【0014】これに対して、少なくとも重合性単量体を
有する重合性単量体組成分を懸濁重合し、同時にトナー
粒子を得るトナーの製造方法(以後、重合トナー)が提
案されている(特公昭36−10231号公報)。この
懸濁重合法においては重合性単量体および着色剤(さら
に必要に応じて重合開始剤,架橋剤,その他添加剤)を
均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、
この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相(例え
ば水相)中に適当な撹拌機を用いて分散し同時に重合反
応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るもの
であり、上記粉砕法トナーで説明した項目の制約がな
く、種々の利点があるため、最近特に注目されてきた。
【0015】すなわち、このトナーの製造方法では、粉
砕工程を全く含まないため、トナー材料に特に脆性は必
要なく、トナー破断面への着色剤等の露出が生じないト
ナーの製造方法である。また、離型剤の含有量や分散性
に関して、重合トナーでは、トナー粒子内に離型剤成分
を内包化できるため、含有量を粉砕法トナーに比較して
増加でき、分散性をも同時に満足させることができる。
また着色剤の分散性も重合性単量体中に他の添加剤と共
に均一に溶解あるいは分散できるため、特に問題になる
こともない。さらには、分散・造粒条件によって所望の
粒径及び粒径分布コントロールが可能なため、小粒径ト
ナー化に対応できる利点を有する。
【0016】以上のことから、カラートナーは重合法に
よって得られたトナー粒子であることが好ましい。
【0017】しかしながら、この様な重合トナーも、以
下に述べる様な解決すべき問題点を有している。
【0018】すなわち、重合トナーにおいては、種々の
材料を重合性単量体系へ溶解あるいは分散させ重合性単
量体組成物として水系媒体中へ懸濁分散させるわけであ
るが、原材料の組合せや条件等によって重合性単量体組
成物粒子を安定に懸濁造粒し、さらに粒子合一の発生し
ない安定した条件で重合反応を完結させることは、技術
的に必ずしも容易ではない。
【0019】特に近年は、前述のように電子写真技術を
応用したシステムがカラー化及びコンピューターの出力
としてプリンターという分野で急激に発展していること
もあり、種々のシステムのプロセス構成が多様化し、そ
れに伴って要求されるトナーの物性も、従来からのポイ
ントであった粒度分布,流動性及び摩擦帯電性のみなら
ず、トナー形状,トナーの表面性等の制御まで細かく要
求される様になってきている。特に重合トナーの場合
は、実質上球形を有するため、カラー化の小型化、高速
化という高画質システムの流れにおいて、種々のクリー
ニングシステムに対応する必要性もあり、それに併って
球形状を異形化させてクリーニング特性を向上させる検
討が急務である。
【0020】このため、重合トナーの懸濁造粒・重合安
定性は、単に生産性のみならず、カラートナーの場合、
特にトナー物性に与える影響が非常に大きく重要な要素
であり、不安定な懸濁造粒・重合条件は、粒子合一・凝
集を発生させ、粒度分布,摩擦帯電性を著しく損ない、
その結果として粒子形態・表面状態の制御が不可能とな
る。
【0021】従来、懸濁造粒の安定性,重合中の粒子の
合一防止、生成粒子の粒度分布のシャープ化等の目的で
は、多くの提案がなされている。例えば、特開昭57−
42052号公報における分散剤とアニオン界面活性剤
併用で粒度分布を制御する方法、特開昭57−4164
9号,特公平1−55643号,特開平6−73101
号,特開平7−165847号公報等における水相重合
禁止剤添加での粒度調整方法など多数提案されている。
しかし、前者は界面活性剤が残留する等の欠点があり、
これによってトナー粒子の摩擦帯電性が不安定となり、
トナー粒子の現像特性が著しく低下する。後者は、副生
乳化重合微粒子除去が可能等の利点はあるが、それ以上
に微粒子として問題のあるマイクロサスペンション粒子
の削減には効果がないという問題があり、このマイクロ
サスペンション粒子の存在は、現像でのトナーの目詰り
や摩擦帯電の不均一を誘発し易いという欠点を有する。
【0022】一方、分散安定剤を改良し、前記重合トナ
ーの有する問題を解決しようという提案も数多い。例え
ば、特開平9−54457号,特開平7−49586号
公報等で代表される様に、一旦、生成した分散安定剤を
酸で可溶化後、アルカリで再析出させてアルカリ下で所
望の分散安定剤を得、これを使用して粒度分布のシャー
プな重合トナー粒子を得る方法等の提案があるが、トナ
ー粒子形態、表面性等までを含めた制御が要求される現
在、この提案では不十分であり、要求される物性全てを
満足できる提案は未だなされていない。
【0023】また、特開平7−301949号公報等に
おいては、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水
溶液を混合することにより、直接、分散媒中にリン酸カ
ルシウムを生成する方法が記載されている。この方法は
優れた方法であるが、例えば工業的に使用されるリン酸
ナトリウムを用いた場合には、リン酸ナトリウムの製造
副生成物である水酸化ナトリウムがリン酸カルシウム中
に少量混じっているため、リン酸ナトリウム水溶液と塩
化カルシウム水溶液を混合し、リン酸カルシウム塩類を
分散媒中で生成させると、リン酸ナトリウム中に存在し
ている水酸化ナトリウムの影響により、水系媒体のpH
は10程度になり、この様なpHにおいて、重合性単量
体、着色剤及び荷電制御剤等を含有している重合性単量
体組成物の分散造粒を行うと、着色剤、荷電制御剤等が
強アルカリに分解、溶解及び変性しやすいため、トナー
粒子の製造に要する時間や温度等によっては、着色剤、
荷電制御剤等の添加剤が分解、溶解又は変性してしま
い、所望の荷電制御性や着色力を有するトナー粒子を製
造することは困難になる。また、着色剤、荷電制御剤等
の添加剤が部分的に溶解すると、重合性単量体組成物粒
子の均一な分散が阻害され、微粒子が増加したり、粒子
凝集が発生したりするため、得られるトナー粒子の粒度
分布が不均一なものになりやすい。特にアルカリに弱い
着色剤、荷電制御剤等の添加剤では、分解、溶解又は変
性が激しく、使用できないものもある。よってpHが1
0付近であるような水系媒体で、物性及び粒度分布にお
いて安定したトナー粒子を製造するためには厳しく製造
条件を管理する必要があり、更に用いる着色剤、荷電制
御剤等の添加剤も制限されていた。
【0024】次に重合トナーのクリーニング特性向上を
目的とした懸濁粒子の形態制御に関しては、やはり従来
より多くの提案がなされている。
【0025】例えば特開平7−146587号公報の様
に、種々のイオン性界面活性剤を使用し、反応温度をコ
ントロールする方法;特公平8−12477号公報、特
開平7−128904号公報、特開平3−15078号
公報等のごとく、懸濁スラリーに無機物を添加後、加熱
処理して解砕或いは乾燥状態のトナーを熱凝集させた後
解砕して異形化粒子を得る方法;さらに特開平2−13
2461号公報のごとく懸濁スラリーを特定の温度で機
械的衝撃により異形化する等である。
【0026】しかしながらこれらの方法は、イオン性界
面活性剤や無機物をさらに反応系に添加するため、それ
ら添加物の除去の程度がトナーの電子写真特性に多大に
影響することや、除去のプロセス自体が工程を増すこと
になる等の不具合があり、また解砕機や機械的衝撃を加
えるための装置、プロセスの問題等も生じる欠点を有す
る。
【0027】この様に、重合トナーにおいて、懸濁造粒
および重合中の粒子合一がなく、反応を通して粒子が安
定した状態で存在し、生成したトナー粒子が常に安定し
て再現性の良いシャープな粒度分布と、均一な摩擦帯電
能を有し、さらにはトナーの形態或いは表面が望ましい
状態に常に制御され、またトナー原材料として知られて
いる多くの原材料が使用できるという条件を全て満足す
る有効な手段は未だ見い出されていない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
如き問題を解決し、色の分散が良好で且つ環境安定性に
優れたイエロートナーの製造方法を提供するものであ
る。
【0029】すなわち本発明の目的は、色の分散が良好
で十分な彩度を有し、優れた耐侯性をもつトナーであ
り、且つ環境安定性にも優れたイエロートナーの製造方
法を提供するものである。
【0030】また、本発明の目的は、水系媒体中に懸濁
造粒した重合性単量体組成物が粒子として常に安定して
分散し、重合反応中の粒子合一が発生しない再現性の良
いイエロートナーの製造方法を提供することにある。
【0031】さらに本発明の目的は、生成するトナー粒
子が常に安定で再現性良くシャープな粒度分布と均一な
摩擦帯電能を有するイエロートナーの製造方法を提供す
ることにある。
【0032】さらに本発明の目的は、イエロートナーと
して重合法に使用できる着色剤が基本的に制限されない
イエロートナーの製造方法を提供することにある。
【0033】さらに本発明の目的は、イエロートナーの
トランスペアレンシー等の透過画像において紙上の分光
反射特性とほぼ同等のイエロー色味、再現性の優れたイ
エロートナーの製造方法を提供することにある。
【0034】さらに本発明の目的は、生成するトナー粒
子の形態あるいは表面状態を常に再現性良く制御するこ
とができるイエロートナーの製造方法を提供することに
ある。
【0035】さらに本発明の目的は、画像濃度が高く安
定で、カブリのない画像特性に優れたイエロートナーの
製造方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン−ア
クリル樹脂又はスチレン−メタクリル樹脂を主体とする
トナー結着樹脂中に、着色剤としてC.I.Pigme
nt Yellow93に分類される顔料とC.I.S
olvent Yellow 162に分類される染料
とを少なくとも含有しているイエロートナーの製造方法
において、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混
合して得られるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒
体のpHを6.0より大きく8.5以下に調整し、該水
系媒体中に、少なくとも重合性単量体、着色剤、カルボ
キシル基を有する極性重合体又は極性共重合体及び重合
開始剤を有する重合性単量体組成物を分散させ、重合性
単量体組成物の粒子を生成し、該水系媒体中で、該粒子
に含まれている重合性単量体を重合して、トナー粒子を
生成し、該水系媒体のpHを1.0乃至3.0に調整し
て、リン酸カルシウム塩類を溶解した後にトナー粒子を
分離するという工程を有し、得られたイエロートナーの
フロー式粒子像分析装置(FPIA)で測定される円形
度が0.950より大きく0.970未満であることを
特徴とするイエロートナーの製造方法に関する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明者は、イエロー重合法トナ
ーに関して鋭意検討の結果、吸湿量が小さく、帯電制御
が容易な樹脂としてスチレン−アクリル系の樹脂を用
い、この樹脂に特定のイエロー顔料と染料を併用するこ
とで、耐候性と着色剤分散性を両立できることを見いだ
し、本発明に至った。
【0038】まず、本発明の着色剤について述べる。
【0039】本発明の着色剤の特徴の一つはC.I.P
igment Yellow 93に分類される顔料
(構造式(1))とC.I.Solvent Yell
ow162に分類される染料(構造式(2)又は
(3))とを両方同時に用いることである。
【0040】
【化1】
【0041】特開平2−210360号公報や特許公報
第2632423号等にすでに開示されているように、
C.I.Pigment Yellow 93に分類さ
れる顔料は耐候性と耐熱性に優れており、ポリエステル
やエポキシ等の樹脂には特に好適に用いられる。
【0042】しかしながら、スチレン−アクリルの様な
ほぼ帯電的に中性の樹脂の場合、着色剤そのものの帯電
性の影響が現れて、C.I.Pigment Yell
ow93の場合は、特に低湿環境下において、耐久につ
れて徐々に帯電量が立ち上がってくるという現象が生じ
る。
【0043】さらに、着色力の観点から、添加着色剤量
を増加していくと着色剤同士の静電凝集が生じて、トラ
ンスペアレンシー等の透過画像を得る際には、紙上のイ
エローの色味とは異なって赤味強いイエローの透過画像
が得られることが分かってきた。
【0044】このため、本発明者は帯電/分散助剤とし
ての効果を有する添加剤を鋭意検討したところ、透過画
像で青味に移行しやすいC.I.Solvent Ye
llow 162に分類される染料を組み合わせること
で所望の効果が得られることを見いだし、本発明に至っ
た。
【0045】本発明の効果を得るためには、着色剤の添
加の割合を特定することが好ましい。すなわち、トナー
結着樹脂100質量部に対して、該顔料と染料の各含有
量が下記式を満足していることが好ましい。
【0046】顔料の含有量をA(質量部)、染料の含有
量をB(質量部)とすると、 A=0.5〜5(より好ましくは2〜5) B=5〜1.5(より好ましくは4〜2) A/B=0.5〜3 顔料の含有量が0.5質量部未満であると、トナーの耐
久性が低下する。また顔料の含有量が5質量部を超える
と、本発明の効果が十分でなく、耐久につれて徐々に帯
電量が立ち上がってくるという現象が生じてくる。加え
て、着色剤同士の静電凝集が生じて、トランスペアレン
シー等の透過画像を得る際には、紙上の色味とは異なっ
て赤味の透過画像が得られる。
【0047】染料の含有量が5質量部を超えると耐久性
が不十分であり、1.5質量部未満であると本発明の効
果が得られない。
【0048】顔料/染料含有量比が3を超えると特にト
ランスペアレンシー等の透過画像の赤味を生じ、0.5
未満であると耐候性及び帯電の立ち上がりが悪化する。
【0049】また、着色剤の総量としては、適正な画像
濃度と分散性を得る点及び経済性の観点から結着樹脂1
00質量部に対して2〜7質量部が好ましく、より好ま
しくは3〜6質量部であることが良い。
【0050】本発明に用いるリン酸カルシウム塩類は、
重合法トナーにおいて水系媒体中で重合性単量体組成物
に対する分散剤としての役割を有する。
【0051】一般的に分散剤として考えられる物質とし
ては、例えば、無機化合物として、リン酸カルシウム、
ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、リン酸ア
ルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等
が挙げられる。有機化合物としては、ポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシ
プロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びそ
の塩、デンプン等があり、これらを水相に分散させて使
用される。
【0052】これら分散安定剤は、水系媒体中で均一に
分散して液滴として存在している重合性単量体組成物粒
子同士の凝集を防止し、さらにこれら液滴表面に一様に
吸着することにより、該液滴を安定化していると考えら
れる。これらの分散安定剤は、液滴中の重合性単量体の
重合反応終了後に酸、アルカリ処理や、熱水洗浄等を通
して可溶化され、トナー粒子から分離される。しかしな
がら、分散剤として使用できる上記物質の中には、トナ
ー粒子表面からの完全除去がその物質の溶解性,分子
量,粘性等の理由で困難な場合も多く、さらに、強アル
カリ処理,熱水洗浄等の工程では、特に本発明のイエロ
ー顔料の帯電・分散助剤や、荷電制御剤の一部が変性,
分解,溶出したり、熱変形が発生したりするため、トナ
ー粒子の表面性,摩擦帯電性及び色味再現性等が損わ
れ、トナーの現像特性等が著しく低下する場合がある。
【0053】また、無機分散剤の中には、凝集作用が強
いため、液滴の重合反応中に粘度変化等が発生して液滴
としての安定性が低下した時に、逆に液滴の凝集・合一
などの不安定現像を促進させるものもあり、分散剤種の
選択は容易ではない。
【0054】本発明に用いるリン酸カルシウム塩類は、
前述の様な不具合を発生させず、酸処理・水洗浄のみで
容易にトナー粒子表面から除去することができ、この条
件下では着色剤,顔料分散助剤,荷電制御剤等の分解・
溶出も発生せず、熱変形も考慮する必要がないため、分
散剤として特に有効である。
【0055】ここで述べるリン酸カルシウム塩類とは、
リン酸カルシウム,リン酸水素カルシウム,リン酸二水
素カルシウム,ヒドロキシアパタイト等及びそれらの複
数の混合物であり、これらの塩類の結晶の大きさ,結晶
凝集物の粒径,酸に対する溶解度等の効果を考慮する
と、ヒドロキシアパタイト及びリン酸カルシウム塩が好
ましく、その中でもヒドロキシアパタイトが最も好まし
い。
【0056】このリン酸カルシウム塩類は、混合すると
リン酸カルシウム塩類を含有する通常pH9.0乃至1
4.0(好ましくはpH10.0乃至13.0)の水系
媒体になるリン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とか
ら、水系媒体中でリン酸カルシウム塩類を生成させて使
用する方法が、凝集物の発生がなく、均一な微粒子結晶
が得られるため分散剤として使用する場合、最も効果が
ある。粉末状のリン酸カルシウム塩類をそのまま用いる
場合、粉体として強い凝集体となってしまい易いため、
凝集体として粒径が不均一であり、水相への分散はかな
り難しい。更にリン酸カルシウム塩類を生成させる方法
の利点としては、リン酸カルシウム塩類に副生する水溶
性の中性塩類が、重合性単量体の水中への溶解防止効果
と水系媒体の比重を大きくする効果とを有することであ
る。
【0057】本発明におけるリン酸カルシウム塩類生成
時のpH調整について説明する。
【0058】上記pH9.0乃至14.0の水系媒体中
で、重合性単量体、着色剤、荷電制御剤等を含有してい
る重合性単量体組成物の分散造粒を行うと、着色剤、荷
電制御剤等が強アルカリに分解、溶解及び変性しやすい
ため、トナー粒子の製造に要する時間や温度等によって
は、着色剤、荷電制御剤等が溶解してしまい、所望の荷
電制御性や着色力を有するトナー粒子を製造することは
困難である。特に本発明の顔料の帯電・分散助剤である
C.I.Solvent Yellow 162に分類
される染料は、その構造からアルカリ下で異性化し、熱
による昇華、色味変化等の弊害を伴うため、使用は困難
である。
【0059】また、水系媒体中で着色剤、荷電制御剤が
部分的に溶解すると、重合性単量体組成物の均一な分散
が阻害され、微粒子が増加したり、粒子凝集が発生した
りするため、得られるトナー粒子の粒度分布が不均一な
ものになりやすい。よって水系媒体のpHを調整するこ
となしに(すなわち、pH9.0乃至14.0で)、
C.I.Solvent Yellow 162に分類
される染料を顔料の帯電・分散助剤として使いこなし、
色味変化をおさえ、物性及び粒度分布において安定した
イエロートナー粒子を製造するためには厳しい製造条件
の管理が必要であった。
【0060】また本発明者等の検討によると、水系媒体
のpHに応じて、水系媒体に含まれている分散剤である
リン酸カルシウム塩類の界面が帯電することがわかっ
た。リン酸カルシウム塩類の界面は、アルカリ領域でネ
ガ帯電、中性領域で等電位点を示すことが電位を測定す
ることで確認された。
【0061】本発明においては、リン酸カルシウム塩類
を生成するにあたって、その水系媒体のpHを6.0よ
り大きく8.5以下、好ましくは6.1乃至7.5に調
整することにより、色味再現性、トナー物性及び粒度分
布において安定したイエロートナー粒子を容易に製造す
ることが可能となった。
【0062】本発明の製造方法により製造されるイエロ
ートナーは、重合性単量体組成物の水系媒体での造粒、
重合工程において、カルボキシル基を有する極性重合体
又は共重合体が親水性であるため、これらは液滴の外殻
に偏在し、他の組成物を包み込む、所謂コア/シェル構
造をとり、安定した摩擦帯電能を発現する。
【0063】しかしながら、アルカリ性条件下では、分
散剤の界面がネガに帯電しているために、ネガ性のカル
ボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体は電荷
的に反発するため、極性重合体又は極性共重合体成分が
安定して外殻に存在しにくく、重合中に液滴同士の凝集
等が発生し、粒度分布、粒子形態及び表面性、摩擦帯電
能等が制御しにくく、トナーの製造において再現性が悪
くなりやすい。
【0064】トナー粒子がコア/シェル構造をとってい
ることは、トナーの断層面を調べることにより確認する
ことができる。具体的には、常温硬化性のエポキシ樹脂
中にトナー粒子を十分分散させた後、温度40℃の雰囲
気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニ
ウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施
した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄
片状のサンプルを切り出し、そのサンプルを透過電子顕
微鏡(TEM)で測定することによりトナーの断層形態
を確認することができる。後記の実施例で得られたトナ
ー粒子は、コア/シェル構造をとっていることが確認さ
れた。
【0065】本発明におけるpH調整方法としては、例
えば、塩酸,硫酸,硝酸,リン酸等の水溶性無機酸が用
いられる。これらの無機酸は必要に応じて水で所定濃度
に希釈して使用しても良い。添加量はリン酸カルシウム
塩類が生成してきた時に、あるいはリン酸カルシウム塩
類が安定生成した後にpHが6.0より大きく8.5以
下(好ましくはpH6.1〜7.5)で最終的に安定す
る様に、所定濃度の無機酸を適宜調整して添加すれば良
い。
【0066】さらに好ましいpH調整方法としては、リ
ン酸塩水溶液に所定量すなわりリン酸カルシウム塩類が
安定生成した後のpHが6.0より大きく8.5以下
(好ましくはpH4.5〜6.0)になる様な添加量の
無機酸を予め添加し、次いでカルシウム塩水溶液を加え
てリン酸カルシウム塩類を生成する方法が良い。
【0067】この様にして生成したイエロートナー粒子
の円形度は、分散剤濃度、重合性組成物構成、特にカル
ボキシル基を有する極性重合体又は共重合体の分子量,
添加量,イエロー顔料,染料比率及び添加量等での若干
の変化はあるものの、フロー式粒子像分析装置(FPI
A)で0.950より大きく0.970未満である。
【0068】ここで、「円形度」は粒子の凹凸の度合い
の指標であり(測定方法は後述)、完全な球形の場合
1.000示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小
さな値となる。
【0069】即ち、本発明において得られるトナー粒子
は、球状ではなく、粒子表面の荒れた、異形性を有する
球状トナーである。
【0070】このような表面性は、水系媒体のpHが
6.0より大きく8.5以下である場合において、分散
剤であるリン酸カルシウム塩類の界面電荷が正又は負極
性に強く帯電していないため、液滴表面に静電的な強さ
を持たずに柔らかく付着していることに起因すると考え
られる。界面電荷については、ζ電位を測定することに
より確認できる。
【0071】この様にしてpHを6.0より大きく8.
5以下に調整した水系媒体を用いて生成したトナー粒子
は、造粒・重合を通して反応場を意図的にコントロール
しているため、従来から問題となっていた反応槽内の汚
れ、付着等も少なく、さらに再現性にも優れており、生
産効率の上からも大きなメリットを有する。
【0072】トナー粒子の表面状態および形態は、その
特徴を生かす電子写真プロセスと組み合せることで、シ
ステムとしてメリットを生む。
【0073】前述の様に、球状トナーは高画質、高速
化、カラー化、小型化等の流れに合致する設計において
多くの利点を有するが、システムによって特にブレード
クリーニングシステムでは、プリンターもしくは複写機
の耐久枚数に応じて球状トナー粒子がクリーニングブレ
ードと感光体との間で回転し易く、場合によってその隙
間に入り込み、クリーニング不良を生じる。
【0074】一般に表面性を変化させた、異形化球状ト
ナーは、上記クリーニング特性が真球状トナーに比べて
優れており、本発明におけるイエロートナー粒子は、球
状トナーの利点を有しながらかつ、クリーニング特性の
優れたイエロートナー粒子を提供する利点を有する。
【0075】本発明において生成したトナー粒子は、そ
のままではリン酸カルシウム塩類を表面に吸着した状態
であるため、生成したトナー粒子を含有する水系媒体の
pHを1.0〜3.0に調整し、リン酸カルシウム塩類
を完全に溶解せしめ、トナー粒子をろ別し、さらに水洗
を繰り返して乾燥しトナー粒子を得る。
【0076】ここで、リン酸カルシウム塩類のpHに対
する溶解性は、pH=3.0〜4.0を境界領域として
低pHの酸性領域において急激に可溶化し、pH3以下
の強酸性領域で100%可溶化されるため、トナー粒子
から分散剤粒子を完全に除去するためにはpH1.0〜
3.0での酸処理が必要である。
【0077】なお、この酸処理では前述の如くトナー組
成物中のC.I.PigmentYellow 93に
分類される顔料とC.I.Solvent Yello
w162に分類される染料及び荷電制御剤等は、アルカ
リ環境下の様に変性あるいは可溶化することはなく、ト
ナー特性に大きく影響することはない。
【0078】本発明に使用される重合性単量体として
は、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、又は
混合して使用し得る。
【0079】また、本発明での重合法トナーの単量体系
には、カルボキシル基を有する極性重合体、極性共重合
体を添加して重合する。
【0080】本発明に使用できる極性重合体、極性共重
合体を以下に例示する。
【0081】アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カル
ボン酸、その他不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物
を用いた極性重合体又は極性共重合体、不飽和又は飽和
ポリエステル等が挙げられる。
【0082】これらの極性重合体あるいは極性共重合体
は、重合性単量体100質量部に対し1〜35質量部用
いられることが好ましく、5〜20質量部がさらに好ま
しい。35質量部を超えると、高粘度すぎて造粒が不安
定である。
【0083】重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジ
アゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエ
チルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカ
ーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒ
ドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジク
シルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,
4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、
トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過
酸化物系開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始
剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、過酸化水素などが使用される。
【0084】重合開始剤は重合性単量体100質量部に
対し0.5〜20質量部の添加量が好ましく、単独で又
は、併用しても良い。
【0085】また、本発明では分子量をコントロールす
るために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良
く、好ましい添加量としては重合性単量体100質量部
に対し0.001〜15質量部である。
【0086】好ましく用いられる架橋剤として、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体で
ある芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリルレ
ート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、
テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カ
ルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニ
ルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンな
ど全てのジビニル化合物及び3個以上のビニル基を持つ
化合物等が単独又は混合物等で用いられる。
【0087】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー粒子中に荷電制御剤を添加することが
できる。
【0088】負荷電制御剤としては、含金属サリチル酸
系化合物、含金属モノアゾ系染料化合物、スチレン−ア
クリル酸共重合体、イミダゾール誘導体、スチレン−メ
タクリル酸共重合体(N、N’−ジアリール尿素誘導
体)、カリークスアレーン等が挙げられる。
【0089】正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂
肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモ
ニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、
テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の
四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホ
ニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリ
フェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化
剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タ
ングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没
食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高
級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチ
ルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等
のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、
ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレー
ト等のジオルガノスズボレート類;これらを単独あるい
は2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0090】本発明において用いられる分散剤は、前述
の様に、リン酸カルシウム塩類であり、具体的には、リ
ン酸カルシウム,リン酸水素カルシウム,リン酸二水素
カルシウム,ヒドロキシアパタイト等及びそれらの複数
の混合物である。この分散剤は重合性単量体100質量
部に対し0.2〜20質量部を使用することが好まし
い。
【0091】これら分散剤の微細な分散のために、重合
性単量体100質量部に対し、0.001〜0.1質量
部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散剤の
所期の作用を促進する為のものであり、その具体例とし
ては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル
硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチ
ル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラリウル酸
ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシ
ウムが挙げられる。
【0092】本発明に用いられる離型性成分ならびに低
エネルギー定着成分としては、パラフィン・ポリオレフ
ィン系ワックス及び、これらの変性物、例えば、酸化物
やグラフト処理物の他、高級脂肪酸、およびその金属
塩、アミドワックス、また、エステル系ワックス、例え
ば、3級または/及び4級炭素を有し、2官能以上のア
ルコール化合物または、カルボン酸化合物から得られる
多官能ポリエステル化合物、1級または/及び2級炭素
を有し、2官能以上のアルコール化合物またはカルボン
酸化合物から得られる多官能ポリエステル化合物及び3
級または/及び4級炭素を有し、モノ官能のエステル化
合物などがあげられる。
【0093】重合性単量体と着色剤及び離型剤を有する
混合物を重合せしめることにより、直接的にトナー粒子
を得る重合法トナー製法においては、離型剤は、重合性
単量体100質量部に対し1〜40質量部、より好まし
くは3〜35質量部使用するのが好ましい。更に好まし
くは、5〜30質量部使用するのが好ましい。
【0094】本発明においてpHの調整に用いられる物
質としては水溶性無機酸として、塩酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸等が用いられる。塩基物としては、水酸化アンモニ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カル
シウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リ
ン酸ナトリウム等のアルカリ物及びその水和物又はその
水溶液が用いられる。なお、これらの物質は必要に応じ
て希釈し、特定濃度の水溶液として使用することができ
る。
【0095】本発明に使用できるトナーの外添剤として
は、例えば、アルミナ,酸化チタン,シリカ,酸化ジル
コニウム,酸化マグネシウムの如き酸化物の他に、炭化
ケイ素,チッ化ケイ素,チッ化ホウ素,チッ化アルミニ
ウム,炭酸マグネシウム,有機ケイ素化合物等が挙げら
れる。
【0096】さらに、上記微粉体は疎水化処理されてい
ることが、トナーの帯電量の温度や湿度の如き環境依存
性を少なくするため及びトナー表面からの遊離を防止す
るために良い。この疎水化処理剤としては、例えばシラ
ンカップリング剤,チタンカップリング剤,アルミニウ
ムカップリング剤の如きカップリング剤、シリコーンオ
イル,フッ素系オイル,各種変性オイルの如きオイルが
挙げられる。
【0097】これら公知の外添剤の中では、帯電安定
性,現像性,流動性,保存性向上のため、シリカ,アル
ミナ,チタニアあるいはその複酸化物等を選ぶことが好
ましい。なかでも、特にシリカが、出発材料あるいは温
度等の酸化条件により、ある程度任意に、一次粒子の合
一をコントロールできる点でより好ましい。例えば、か
かるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相
酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシ
リカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス
等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能
であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノー
ル基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残滓の少
ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおい
ては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩
化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合
物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物
の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含す
る。
【0098】外添剤の添加量は、トナー100質量部に
対して、トナーの帯電安定化、かさ密度安定化、高湿下
での放置安定性等のために0.1〜3質量部添加するこ
とが好ましく、これら外添剤は複数種組合せて使用する
ことができる。以下に、さらに別個に組合せて使用する
ことが好ましい外添剤について述べる。
【0099】転写性および/またはクリーニング性向上
のために一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が
50m2/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子
をさらに添加することも好ましい形態の一つである。例
えば球状シリカ粒子,球状ポリメチルシルセスキオキサ
ン粒子,球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0100】本発明のトナーにおいては、実質的な悪影
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン
粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉
末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、
チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化
チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などのケーキング防
止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛
粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また、逆極性の
有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用
いることもできる。
【0101】本発明の製造方法によるトナーは、通常一
成分及び二成分系現像剤として、いずれの現像剤にも使
用できる。たとえば、一成分系現像剤として用いる場合
には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブ
にて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せし
めることで搬送せしめる方法がある。
【0102】一方、一般的に利用されている二成分系現
像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キ
ャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用され
るキャリアとしては特に限定されるものではないが、主
として、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガ
ン、クロム元素からなる単独及び複合フェライト状態で
構成される。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロー
ルできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球
状、扁平、不定形などを選択し、更にキャリア表面状態
の微細構造、たとえば表面凸凹性をもコントロールする
ことが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、
造粒することにより、あらかじめ、キャリアコア粒子を
生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられて
いるが、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合い
から、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密
度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化
物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せし
め真球状分散キャリアを得る重合キャリアを得る方法な
ども利用することが可能である。
【0103】上記キャリアの表面を樹脂等で被覆する系
は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被覆材
を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに
付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公
知の方法がいずれも適用できる。
【0104】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
ターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブ
チラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基
性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末
などを単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずし
もこれに制約されない。
【0105】上記化合物の処理量は、一般には総量でキ
ャリア100質量部に対し0.1〜30質量部、好まし
くは0.5〜20質量部である。
【0106】これらキャリアの平均粒径は10〜100
μm、好ましくは20〜50μmを有することが好まし
い。
【0107】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系
樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポ
リフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタクリレート
樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチル
メタクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン系共
重合体;などを90:10〜20:80、好ましくは7
0:30〜30:70の比率の混合物としたもので、
0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%コー
ティングし、250メッシュパス、400メッシュオン
のキャリア粒子が70質量%以上ある上記平均粒径を有
するコートフェライトキャリアであるものが挙げられ
る。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:1
0)が例示され、スチレン系共重合体としてはスチレン
−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜80:
20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メ
タクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10〜5
0)が例示される。
【0108】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0109】本発明におけるトナーと混合して二成分現
像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー
濃度として、2質量%〜15質量%、好ましくは4質量
%〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可と
なり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せ
しめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0110】さらに、該キャリアの磁性特性は以下のも
のが良い。磁気的に飽和させた後の79.58kA/m
(1000エルステッド)における磁化の強さは30乃
至300emu/cm3であることが必要である。さら
に高画質化を達成するために、好ましくは100乃至2
50emu/cm3であることがよい。300emu/
cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が得ら
れにくくなる。30emu/cm3未満であると、磁気
的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやす
い。
【0111】本発明のトナーの製造方法の要旨は以下の
如きである。
【0112】すなわち、重合性単量体中に、C.I.P
igment Yellow 93に分類される顔料と
C.I.Solvent Yellow 162に分類
される染料とを少なくとも両方添加し、カルボキシル基
を有する極性重合体又は極性共重合体,離型剤,荷電制
御剤,重合開始剤,その他の添加剤を加え、メディア型
ミル等によって均一に溶解あるいは分散せしめた単量体
系組成物を準備する。一方で、リン酸塩水溶液とカルシ
ウム塩水溶液とを混合してリン酸カルシウム塩類を生成
するに当り、該リン酸カルシウム塩類を含有する水系媒
体のpHを塩酸,硫酸,硝酸の如き水溶性無機酸の希釈
液にてpHを6.0より大きく8.5以下に調整する。
pH調整では、希釈した酸は二液混合によってリン酸カ
ルシウム塩類が生成した後で添加しても良く、あるいは
二液混合前のリン酸塩水溶液中あるいはカルシウム塩水
溶液中にあらかじめ添加し、その後カルシウム塩水溶液
あるいはリン酸塩水溶液を混合してリン酸カルシウム塩
類を析出させても良い。このリン酸カルシウム塩類の生
成はホモミキサー,ホモジナイザー等の分散造粒機中で
生成せしめることが有利であるが、別に生成せしめてお
いたリン酸カルシウム塩類の水系分散液を分散造粒機へ
投入しても良い。
【0113】この様にしてpH調整したリン酸カルシウ
ム塩類を含有する水系媒体中に、前述の単量体系組成物
を投入し、分散せしめ造粒する。その後はpHと分散安
定剤であるリン酸カルシウム塩類の作用により単量体系
の粒子状態は、特定の異形性・粒子表面性を有したよう
に安定に維持され、且つ単量体系の粒子の沈降が防止さ
れる程度の撹拌を行うことで重合反応の進行に伴っての
粒子凝集・合一もなく、安定して重合される。重合温度
は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定し
て重合を行う。
【0114】また重合反応後半に昇温しても良く、更に
トナー定着時の臭いの原因等となる未反応重合性単量
体,副生物等を除去するために反応の後半又は終了時に
一部、水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成し
たトナー粒子はリン酸カルシウム塩類を除去するため
に、前述の塩酸,硫酸,硝酸の如き水溶性無機酸をさら
に添加してpHを1.0〜3.0として所定時間処理を
し、充分に水洗後トナー粒子を濾別して回収し、乾燥及
び必要に応じて分級することによりイエロートナー粒子
を得る。
【0115】本発明で用いたそれぞれの測定方法につい
て以下に述べる。
【0116】(1)トナー粒子の凝集・合一の判断基準
としての粒度分布の測定 測定装置としてはコールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分
布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−
1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶
液を調製する。
【0117】測定法としては前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに
測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電
解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、
前記コールターカウンターTA−II型により、アパー
チャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40
μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平
均分布を求める。
【0118】これら求めた体積平均分布、個数平均分布
より、重量平均粒径D4及び個数平均粒径D1を得る。
【0119】このD4,D1値より粒度分布幅としてD4
/D1を計算し、生成トナー粒子の凝集・合一の判断基
準とする。すなわち、D4/D1値が大きくなればトナー
粒子は二次凝集体を形成している、又は合一気味であ
り、D4/D1値が1.0に近づけば単分散の粒度分布に
近づくと判断できる。
【0120】(2)トナー粒子の摩擦帯電量 摩擦帯電量は常温/常湿(23℃/60%)の環境条件
下にトナー及びキャリアを一昼夜放置した後、ブローオ
フ法に基づき、次の要領で帯電量を測定した。
【0121】図1はトナーの摩擦電荷量を測定する装置
の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリー
ン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しよ
うとするトナーとキャリアの質量比1:49の混合物を
50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、
5〜10分間手で振盪し、該混合物(現像剤)約0.5
〜1.5gを入れ金属製のフタ4をする。このときの測
定容器2全体の質量を秤りW1(g)とする。次に、吸
引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)
において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して
真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充
分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去す
る。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。
ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とす
る。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW
2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(μC/g)
は下式の如く計算される。
【0122】
【数1】
【0123】(3)フロー式粒子像分析装置(FPI
A)での円形度の測定 本発明における円形度とは、粒子の形状を定量的に表現
する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東
亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−100
0を用いて測定を行い、下式より得られた値を円形度と
定義する。
【0124】具体的な測定方法としては、容器中の予め
不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤
として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォ
ン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.
1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音
波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度
を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナー
の形状を測定する。
【0125】
【数2】
【0126】本発明における円形度はトナー粒子の凹凸
の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.
000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さ
な値となる。
【0127】(4)トナー粒子の製造再現性の評価 同じトナー処方、製造条件の下で5回繰り返してトナー
を作製し、各々の生成トナー粒子について粒度分布幅
(D4/D1),摩擦帯電量,FPIAでの円形度,転写
効率を測定後その標準偏差SDを求め、再現性のパラメ
ーターとした。
【0128】
【数3】
【0129】本パラメーターでは、数値が小さいほど、
粒度分布幅,摩擦帯電量,円形度転写効率のばらつきの
少ない製造再現性の優れたトナーの製造方法であること
を示す。
【0130】(5)紙上及びトランスペアレンシー上画
像の色相再現性の測定 まず、通常環境下において紙上及びトランスペアレンシ
ー用フィルム上それぞれに、トナー乗り量0.6mg/
cm2に調整したベタ画像サンプルを二成分式カラー複
写機(キヤノン製フルカラー複写機 CLC700)を
用いて準備する。
【0131】紙上の色相測定は、CIE LABでの2
度視野、D65光源を使用したColor Reflec
tion Densitometer(X−RITE9
38Spectrodensitometer、X−R
ITE Co.製)にて行った。トランスペアレンシー
フィルム上の透過像の色相測定は、OHTプロジェクタ
ー(3M製Model♯9550)を通した実際の透影
像(OHTプロジェクターと透影スクリーン間距離2
m)を透影スクリーンから2m離したRadiomet
ric Spectrophotometer(PR−
650 Photo Research社製)によって
行った。
【0132】本発明での「色相再現性」とは、紙上(h
1 *)とトランスペアレンシー上(h 2 *)との色相角差を
下式の様に定義することで求め、色相角差(Δh*)が
少ないほど色相再現性“良”と判断した。
【0133】
【数4】
【0134】(6)耐候性の評価 通常環境下においてトナー乗り量0.6mg/cm2
調整したベタ画像サンプル(紙上)を二成分式カラー複
写機(キヤノン製フルカラー複写機 CLC700)を
用いて準備する。
【0135】これらの画像サンプルを以下の機器・条件
下で曝露し、継時的にサンプルの画像濃度をColor
Reflection Densitometer
(X−RITE938 Spectrodensito
meter、X−RITE Co.製)にて測定し、画
像濃度低下の大小にて耐候性を評価した。
【0136】従って画像濃度低下(ΔD)の少ないサン
プル程、耐候性は良好と判断する。
【0137】 測定機器 :Ultraviolet−ray A
uto FadeMeter テストスタイル:FAL−AU(Suga test
InstrumentsCo.Ltd) 光源 :Ultraviolet−ray C
arbon ArcLamp 温度/湿度 :63℃/50% 曝露時間 :160時間
【0138】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、これは本発明をなんら限定するものではない。なお
以下の配合における部数は、特に説明のない場合は質量
部である。
【0139】[実施例1]イオン交換水1000部に、
工業用グレードのリン酸ナトリウムで調製した0.1M
−リン酸ナトリウム水溶液510部、及び塩化カルシウ
ム水溶液添加後のpHが7.2となる様に1M−塩酸水
溶液を適当量投入し、60℃に加温した後、TK式ホモ
ミキサー(特殊機化工業製)を用いて12000rpm
にて撹拌した。これに工業用グレードの塩化カルシウム
にて調製した1.0M−塩化カルシウム水溶液75部を
徐々に添加し、リン酸カルシウム塩類であるヒドロキシ
アパタイトを含むpH=7.2の水系媒体を得た。
【0140】一方、 ・スチレン 80部 ・n−ブチルアクリレート単量体 20部 ・飽和ポリエステル樹脂 15部 ・C.I.Pigment Yellow 93 3部 ・C.I.Solvent Yellow 162 3部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.5部 ・マイクロクリスタリンワックス(s.p.=65℃) 18部 上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊
機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶
解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重
合性単量体組成物を調製した。
【0141】前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物
を投入し、60℃,N2雰囲気下でおいて、TK式ホモ
ミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合
性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹
拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合
反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、
塩酸を加えヒドロキシアパタイトを完全に溶解させ、ろ
過,水洗,乾燥して重合性粒子を得た。
【0142】次いで同処方,同製造条件にてトータルと
して4回繰り返して重合体粒子を得、その都度、粒度分
布幅(D4/D1),摩擦帯電能,FPIAにおける円形
度,転写効率の各項目を測定し、それらの値の平均値及
び標準偏差SD値を求めた。さらに耐候性と色相再現性
についても測定した。この結果、各項目において平均値
が好ましい値を示し、標準偏差が小さい結果が得られ
た。結果を表1に示す。
【0143】更に同処方で、例えば50〜60℃で造粒
後、同温度で3〜7時間重合を行ない、更に70〜90
℃へ昇温して、反応時間が合計10時間になるようにし
て重合を行なう等の種々の反応シーケンス(温度と時間
の組み合わせ)に従って、重合を行ない、トナー粒子の
重合転化率、生成分子量分布などを変化させた場合に
も、粒度分布幅、摩擦帯電能などに関して優れたトナー
が得られた。
【0144】また反応槽汚れに関しては以下のように評
価を行った。
【0145】(反応槽の汚れの評価)同処方、同条件で
4回繰り返して、トナー粒子を製造する際の反応槽の汚
れを調べ、以下の基準で評価した。 A:4回繰り返しの製造において特に問題なし。 B:4回繰り返しの製造において、汚れが発生する。 C:その都度、かなり汚れが発生する。
【0146】さらに、得られた重合体粒子100部に対
して、重量平均粒径0.06μmの疎水性酸化チタン
2.0部を外添して、トナーを得た。このトナー4部に
対し、フッ素−アクリルコートをしたCu−Zn−Fe
フェライトキャリア(平均粒径50μm)95部を混合
し、現像剤とした。この現像剤を用いてクリーニング特
性の評価を以下のようにして行った。
【0147】(クリーニング特性の評価)ブレードクリ
ーニング方式のフルカラーレーザービームプリンター
(LBP2030、キヤノン製)を非接触二成分現像方
式に改造し、単色モードにて連続耐久画出し4万枚を行
い、終了時点で感光体ドラムユニットをはずし、ドラム
上のクリーニング状態および画像を目視観察した。評価
は下記の3段階で行った。 A:耐久画出し終了後、画像上および感光体ドラム上に
汚れは未発生。 B:耐久画出し終了後、画像上には汚れは見られなかっ
たが、感光体ドラム上にごく軽微な汚れが発生した。 C:耐久画出し4万枚未満で画像上に汚れが発生した。
また、感光体ドラム上にも汚れが発生した。
【0148】さらに、前述の方法で耐侯性と色相再現性
についても評価した。
【0149】[実施例2]加える1M−塩酸水溶液の滴
下量を変えて生成するヒドロキシアパタイトを含む水系
媒体のpHが6.3になる様に調整し、イエロー着色剤
としてC.I.Pigment Yellow 93
4.5部、その分散助剤としてC.I.Solvent
Yellow 162 2部を添加したこと以外は全
て実施例1と同様に重合体粒子を得、さらにトータルと
して4回、この製造を繰り返して重合体粒子を得、各項
目での平均値、標準偏差を計算した。
【0150】この結果、各項目において平均値が好まし
い値を示し、標準偏差が小さい結果が得られた。反応槽
汚れの評価、さらに実施例1と同様にして現像剤を調製
して耐侯性、色相再現性、クリーニング特性の評価も行
った。結果を表1に示す。
【0151】[実施例3]加える1M−塩酸水溶液の滴
下量を変えて生成するヒドロキシアパタイトを含む水系
媒体のpHが8.5になる様に調整したこと、及びC.
I.Pigment Yellow 93 2.5部、
及び、C.I.Solvent Yellow 162
5部を添加した以外は全て実施例1と同様に重合体粒
子を得、さらにトータルとして4回、この製造を繰り返
して重合体粒子を得、各項目での平均値、標準偏差を計
算した。
【0152】この結果、各項目において平均値が好まし
い値を示し、標準偏差が小さい結果が得られた。反応槽
汚れの評価、さらに実施例1と同様にして現像剤を調製
して耐侯性、色相再現性、クリーニング特性の評価も行
った。結果を表1に示す。
【0153】[実施例4]1M−塩酸水溶液のかわりに
1M−硝酸水溶液を適当量投入して生成するヒドロキシ
アパタイトを含む水系媒体のpHが6.1になる様に調
整したこと、さらにC.I.Pigment Yell
ow 93 4.5部、C.I.Solvent Ye
llow 162 4部を使用した以外は全て実施例1
と同様に重合体粒子を得、さらにトータルとして4回、
この製造を繰り返して重合体粒子を得、各項目での平均
値、標準偏差を計算した。
【0154】この結果、各項目において平均値が好まし
い値を示し、標準偏差が小さい結果が得られた。反応槽
汚れの評価、さらに実施例1と同様にして現像剤を調製
して耐侯性、色相再現性、クリーニング特性の評価も行
った。結果を表1に示す。
【0155】[比較例1]1M−塩酸水溶液を使用せ
ず、pH調整をしなかったこと、さらにC.I.Pig
ment Yellow 93 7部、C.I.Sol
vent Yellow 162 1部を使用した以外
は全て実施例1と同様に重合体粒子を得た。さらにトー
タルとして4回、同条件にてこの製造を繰り返して重合
体粒子を得たが、この場合の造粒時のpHは9.5であ
った。さらに、各項目での平均値と標準偏差を計算し
た。
【0156】結果は、各項目の標準偏差が大きく、同処
方,同条件で製造を繰り返した場合の生成トナー粒子の
再現性が実施例に比べ良くないことがわかった。
【0157】反応槽汚れの評価、さらに実施例1と同様
にして現像剤を調製して耐侯性、色相再現性、クリーニ
ング特性の評価も行った。結果を表1に示す。
【0158】更に実施例1と同様にして、種々の反応シ
ーケンス(温度と時間の組み合わせ)に従って、重合を
行なった。その結果、特に低重合転化率に比較的高温度
で長時間反応させた場合に、生成粒子の凝集体が発生し
やすく、反応槽内の汚れ・付着なども増加し、粒度分布
幅がかなり大きくなり、摩擦帯電能が不安定なトナーが
得られた。
【0159】[比較例2]生成トナー粒子の酸洗浄時の
pHが4.0であったこと、造粒時のpHを7.8とし
たこと、さらにC.I.Pigment Yellow
93 2部で、C.I.Solvent Yello
w 162 7部を使用したこと以外は全て実施例1と
同様に重合体粒子を得た。さらにトータルとして4回、
この条件にて製造を繰り返して重合体粒子を得、各項目
での平均値と標準偏差を求めた。
【0160】この場合、表1に示すように実施例に比べ
摩擦帯電量が低く、耐侯性も悪く、クリーニング特性も
不十分であった。また、摩擦帯電量の標準偏差が大きい
ため、生成トナー粒子の再現性が悪いことがわかった。
【0161】[比較例3]使用するリン酸ナトリウムを
他社の工業用グレードに変更したこと、1M・塩酸によ
るpH調製をしなかったこと以外は全て実施例1と同様
にして重合体粒子を得た。さらにトータルとして4回こ
の条件にて製造を繰り返し、重合体粒子を得た。
【0162】その結果、色相再現性が悪く、クリーニン
グ特性も不十分であり、粒度分布、摩擦帯電量等のバラ
ツキの大きい、安定性が不十分な結果が得られた。反応
槽汚れの評価も含め、結果を表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
【発明の効果】本発明によれば、イエロー顔料の分散性
及びトランスペアレンシーの透過性に優れ、粒度分布,
摩擦帯電性,その粒子形態及び表面制御,クリーニング
特性の上で安定性及び再現性に優れたイエロートナーを
製造することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦電荷量を測定する装置の説明図で
ある。
【符号の説明】 1 吸引機 2 測定容器 3 導電性スクリーン 4 フタ 5 真空計 6 風量調節弁 7 吸引口 8 コンデンサー 9 電位計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン−アクリル樹脂又はスチレン−
    メタクリル樹脂を主体とするトナー結着樹脂中に、着色
    剤としてC.I.Pigment Yellow 93
    に分類される顔料とC.I.Solvent Yell
    ow 162に分類される染料とを少なくとも含有して
    いるイエロートナーの製造方法において、 リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液とを混合して得ら
    れるリン酸カルシウム塩類を含有する水系媒体のpHを
    6.0より大きく8.5以下に調整し、 該水系媒体中に、少なくとも重合性単量体、着色剤、カ
    ルボキシル基を有する極性重合体又は極性共重合体及び
    重合開始剤を有する重合性単量体組成物を分散させ、重
    合性単量体組成物の粒子を生成し、 該水系媒体中で、該粒子に含まれている重合性単量体を
    重合して、トナー粒子を生成し、 該水系媒体のpHを1.0乃至3.0に調整して、リン
    酸カルシウム塩類を溶解した後にトナー粒子を分離する
    という工程を有し、 得られたイエロートナーのフロー式粒子像分析装置(F
    PIA)で測定される円形度が0.950より大きく
    0.970未満であることを特徴とするイエロートナー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 該トナー結着樹脂100質量部に対し
    て、該顔料と染料の各含有量が下記式を満足しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイエロートナーの製造
    方法。顔料の含有量をA(質量部)、染料の含有量をB
    (質量部)とすると、 A=0.5〜5 B=5〜1.5 A/B=0.5〜3
  3. 【請求項3】混合するとリン酸カルシウム塩類を含有す
    るpH9.0乃至14.0の水系媒体になるリン酸塩水
    溶液とカルシウム塩水溶液を用いることを特徴とする請
    求項1又2に記載のイエロートナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 混合するとリン酸カルシウム塩類を含有
    するpH10.0乃至13.0の水系媒体になるリン酸
    塩水溶液とカルシウム塩水溶液を用いることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のイエロートナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 リン酸カルシウム塩類がヒドロキシアパ
    タイトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載のイエロートナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 該重合性単量体組成物を分散する前の水
    系媒体のpHが6.1乃至7.5であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のイエロートナーの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸よりなるグ
    ループから選択される水溶性無機酸により水系媒体のp
    Hを調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載のイエロートナーの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003075648A (ja) * 2001-09-07 2003-03-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 導光板
JP2004184554A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用イエロー現像剤及び画像形成方法並びに画像形成装置

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