JPH0749586A - 樹脂粒子の製造方法および電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

樹脂粒子の製造方法および電子写真用トナーの製造方法

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JPH0749586A
JPH0749586A JP5196428A JP19642893A JPH0749586A JP H0749586 A JPH0749586 A JP H0749586A JP 5196428 A JP5196428 A JP 5196428A JP 19642893 A JP19642893 A JP 19642893A JP H0749586 A JPH0749586 A JP H0749586A
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JP
Japan
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inorganic salt
oil phase
soluble inorganic
alkaline
fine particles
Prior art date
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Pending
Application number
JP5196428A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Yasui
達也 安井
Nobuhiro Hirano
暢宏 平野
Toshiaki Akiyama
俊明 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
Priority to JP5196428A priority Critical patent/JPH0749586A/ja
Publication of JPH0749586A publication Critical patent/JPH0749586A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒度分布がシャープで、かつ小粒径化されて
おり、しかも形の揃った球状の樹脂粒子と、上記の各特
性にすぐれるとともに、帯電特性にもすぐれた球状の電
子写真用トナーを、懸濁重合法によって製造する方法を
提供する。 【構成】 水性分散媒を酸性またはアルカリ性にして難
水溶性無機塩を溶解し、ついで攪拌下、強アルカリ性ま
たは強酸性にして上記難水溶性無機塩を微粒子状に析出
させ、さらに析出した難水溶性無機塩の微粒子を溶解し
ない範囲の弱アルカリ性ないし弱酸性に調整した状態
で、油相を加えて微小液滴状に懸濁分散させた後、油相
中の重合性単量体を重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる懸濁重合法に
よって樹脂の粒子、とくに電子写真用トナーを製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の電
子写真用トナーは、スチレン−アクリル系共重合体等の
定着用樹脂と、着色剤としてのカーボンブラックその他
の添加剤とを溶融混練し、ついで粉砕し分級することに
より製造される。しかし、かかる粉砕型のトナーは、粒
度分布が広いために帯電を均一にすることが困難であ
り、かつ粒径が大きいために解像度の高い画像を得るの
が困難であった。また得られる粒子の形状が不規則であ
るため、トナーの流動性が概して低く、ブロッキング等
を発生しやすいという問題もあった。
【0003】そこで近時、懸濁重合法による樹脂粒子の
製造を利用したトナーの製造方法が種々提案された。こ
の方法は、上記定着用樹脂の元になる水不溶性のラジカ
ル重合性単量体と、これに可溶な重合開始剤と、カーボ
ンブラックその他の添加剤とを含む液状の油相を作製
し、それを水等の水性分散媒中に液滴状に分散させつつ
加熱して、重合性単量体を重合させる方法である。
【0004】かかる懸濁重合法においては、従来より、
水性分散媒に対する油相液滴の分散性を安定させる目的
で、分散安定剤が使用される。分散安定剤を使用しない
場合は、油相の水性分散媒への投入状況や攪拌状況に影
響されて、製造される樹脂粒子の粒度分布が広くなるお
それがある他、重合の進行に伴って樹脂粒子の粘度が増
して粒子の融合がおこる。
【0005】分散安定剤としては、ポリビニルアルコー
ル等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム〔Ca3(P
4)2 〕等の難水溶性の無機塩が使用されるが、水溶性
高分子は樹脂粒子の表面に取り込まれて当該表面を吸湿
性にするので、とくにトナーの場合は、その耐環境安定
性が劣化し、流動性や帯電特性に影響がでるという問題
がある。
【0006】一方、難水溶性無機塩は、分散された油相
液滴の表面を被覆して、その分散安定性を確保するもの
で、重合終了後、酸またはアルカリで溶解し、水洗すれ
ば比較的容易に除去できるので、水溶性高分子のような
問題を生じないが、あらかじめ製造された微粉末を水性
分散媒中に分散させた場合、上記微粉末は凝集してお
り、粒径が数μm〜数10μmと大きく、かつ粒度分布
のばらつきも大きいため、油相液滴の表面を均一に被覆
することができず、粒度分布のシャープな樹脂粒子は得
られない。
【0007】また、たとえば前記第三リン酸カルシウム
の場合に、水溶性の塩化カルシウムとリン酸ナトリウム
を水性分散媒中で反応させて、第三リン酸カルシウムの
微粒子を発生させることも提案されているが、この場合
には、水溶性で安定効果のない第一リン酸カルシウム
〔Ca(H2 PO4)2 〕や第二リン酸カルシウム〔CaHP
4 〕が反応副生物として発生するため、十分な安定効
果が得られず、やはり粒度分布のシャープな樹脂粒子が
得られないという問題がある。
【0008】そこで、水性分散媒を酸性またはアルカリ
性にして難水溶性無機塩を溶解し、ついでアルカリ性ま
たは酸性にして上記難水溶性無機塩を微粒子状に析出さ
せるトナーの製造方法が提案された(特開昭64−86
160号公報参照)。この技術では、とくに高速攪拌に
よる油相の分散とほぼ同時に難水溶性無機塩を析出させ
ることで、粒径1μm以下のごく微小な難水溶性無機塩
の微粒子を発生させ、発生した微粒子によって油相液滴
の表面を均一に被覆して安定化することで、粒度分布の
シャープなトナーを製造することを可能としている。
【0009】ところが上記の技術では、難水溶性無機塩
の微粒子を、反応副生成物を生じることなく効率よく発
生させて、粒度分布のシャープなトナーを製造するた
め、難水溶性無機塩が溶解した水性分散媒中に多量のア
ルカリまたは酸を添加する必要がある。その結果、強ア
ルカリ性または強酸性下で重合が行われることになるの
で、 とくに着色剤としてカーボンブラックを使用した場
合には、このカーボンブラックの含水量が増加して定着
用樹脂中への分散性が低下し、凝集しやすくなって、ト
ナー中における分散状態が不均一になるため、トナーの
絶縁性が低下して帯電特性が悪化したり、あるいはトナ
ー割れによってカーボンブラックがトナー粒子から脱落
して、画像形成装置内部やキャリヤを汚染したりするお
それがある他、カーボンブラック自体が変質するおそれ
もある、 電荷制御剤が変質し、水性分散媒中に溶出してトナ
ーの帯電特性が悪化するおそれがある、 定着用樹脂が変質し、トナーの定着性、耐環境安定
性等が悪化するおそれがある(たとえばアクリル系の樹
脂は、強アルカリ下で重合すると加水分解により脱エス
テル化して架橋度が激減し、定着性等の特性が変化す
る)、 等の問題を生じる。
【0010】近時、本発明者らのうち平野は、難水溶性
無機塩を、酸で溶解しアルカリで析出する第三リン酸カ
ルシウムに限定した上で、懸濁工程あるいは重合工程に
おける懸濁液のpHを制御することについて検討した。
その結果、下記表1に示すように、いくつかのpH制御
方法を提案した(特開平2−148046号公報、特開
平3−220203号公報等参照)。
【0011】
【表1】
【0012】しかし上記のうちAは、アルカリの添加量
が不十分であるため、反応副生成物が生じて第三リン酸
カルシウムの微粒子の発生効率が低下し、油相液滴の分
散が十分に安定化されなくなって、凝集によりトナーの
粒度分布が広くなってしまうおそれがある。またBの場
合には、懸濁当初に第三リン酸カルシウムの微粒子の発
生効率が低いため、やはり油相液滴の分散の安定化効果
が不十分で、トナーの粒度分布が広くなってしまうとと
もに、途中で加えられたアルカリによって添加剤、とく
に電荷制御剤が変質するおそれがある。
【0013】またCの場合には、途中で加える酸によっ
て、一度発生した第三リン酸カルシウムの微粒子の一部
が溶解して、油相液滴の一部が破壊されるおそれがあ
る。またこれを防止するため、始めに多量の第三リン酸
カルシウムを添加した場合には、反応終了後の第三リン
酸カルシウムの洗浄、除去が困難になるおそれがある。
Dは特開昭64−86160号公報の技術と同じであ
り、多量に添加されたアルカリの影響で、カーボンブラ
ックの凝集による帯電特性の悪化や電荷制御剤の変質、
定着用樹脂の変質等の問題を生じるおそれがある。
【0014】さらにEの場合には、途中で加える酸によ
って、一度発生した第三リン酸カルシウムの微粒子の一
部が溶解して、油相液滴の一部が破壊され、分散が不安
定化して、凝集によりトナーの粒度分布が広くなってし
まう。本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、上記のような種々の問題を生じることなく、粒度分
布がシャープで、かつ小粒径化されており、しかも形の
揃った球状の樹脂粒子を、懸濁重合法によって製造する
方法を提供することを目的としている。また本発明の他
の目的は、粒度分布がシャープで、かつ小粒径化されて
いるとともに、帯電特性等にすぐれ、しかも形の揃った
球状のトナーを、懸濁重合法によって製造する方法を提
供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、pHの制御方法についてさ
らに検討を行った。その結果、酸またはアルカリの添加
によって難水溶性無機塩を溶解した水性分散媒を、一
度、強アルカリ性または強酸性にして、上記難水溶性無
機塩の微粒子を十分に析出させた後、油相添加前の段階
で、難水溶性無機塩の微粒子を溶解しない範囲の弱アル
カリ性ないし弱酸性に調整すればよいことを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0016】すなわち本発明の樹脂粒子の製造方法は、
水性分散媒を酸性またはアルカリ性にして難水溶性無機
塩を溶解し、ついで攪拌下、強アルカリ性または強酸性
にして上記難水溶性無機塩を微粒子状に析出させ、さら
に析出した難水溶性無機塩の微粒子を溶解しない範囲の
弱アルカリ性ないし弱酸性に調整した状態で、少なくと
も重合性単量体を含む油相を加えて微小液滴状に懸濁分
散させた後、油相中の重合性単量体を重合させることを
特徴とし、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上
記製造方法において、少なくとも重合性単量体と着色剤
と電荷制御剤とを含む油相を使用することを特徴とす
る。
【0017】上記構成からなる本発明によれば、酸性ま
たはアルカリ性にした水性分散媒中に溶解した難水溶性
無機塩を、水性分散媒に十分な量のアルカリまたは酸を
加えて、強アルカリ性または強酸性にして析出させてい
るので、難水溶性無機塩の微粒子を、反応副生成物を生
じることなく効率よく発生させることができるととも
に、析出した難水溶性無機塩は、凝集することなく、粒
径1μm以下のごく微小な微粒子状となる。このため、
析出した難水溶性無機塩の微粒子によって、油相液滴の
分散を十分に安定化できる。
【0018】また本発明によれば、難水溶性無機塩を微
粒子状に析出させた後の水性分散媒を、当該難水溶性無
機塩の微粒子を溶解しない範囲の弱アルカリ性ないし弱
酸性に調整した後、油相を加えて攪拌下で微小液滴状に
懸濁分散させた後、重合させるので、難水溶性無機塩の
微粒子による油相液滴の分散安定効果が途中で損なわれ
ることがない上、樹脂粒子の場合には、酸やアルカリに
よる樹脂の変質等の発生を防止することができ、トナー
の場合には、同じく酸やアルカリによる、カーボンブラ
ックの凝集による帯電特性の悪化や電荷制御剤の変質、
定着用樹脂の変質等の発生を防止することができる。
【0019】したがって本発明によれば、粒度分布がシ
ャープで、かつ小粒径化されており、しかも形の揃った
球状の樹脂粒子、ならびに粒度分布がシャープで、かつ
小粒径化されているとともに、帯電特性等にすぐれ、し
かも形の揃った球状のトナーを、懸濁重合法によって製
造することができる。本発明によって製造される樹脂粒
子は、たとえばインクジェットプリンタ等の各種プリン
タ装置用のインクの着色材料、樹脂成形品製造用の成形
材料、等に好適に使用される他、磁性体粉末を添加する
ことで、静電式複写機等の画像形成装置に使用さる2成
分現像剤用の磁性キャリヤや、あるいは磁気ディスプレ
イ等に利用される磁性粒子として使用することもでき
る。また本発明によって製造される電子写真用トナー
は、上記磁性キャリヤと混合して、静電式複写機等の画
像形成装置に使用さる2成分現像剤に使用される他、磁
性キャリヤと混合せずに、そのままで1成分非磁性現像
剤として使用することもできる。また、磁性体粉末を添
加することで、1成分磁性現像剤として使用することも
できる。
【0020】以下に本発明を説明する。一般に難水溶性
無機塩としては、酸で溶解しアルカリで析出するもの
と、逆にアルカリで溶解し酸で析出するものとが知られ
ている。前者の、酸で溶解しアルカリで析出する難水溶
性無機塩を使用する場合には、まず難水溶性無機塩を、
酸性の水性分散媒に溶解させる。難水溶性無機塩を酸性
の水性分散媒に溶解するには種々の方法が考えられる
が、難水溶性無機塩の微粉末を水性分散媒に加え、攪拌
しつつ酸を加えて溶解させるのが、効率的でよい。
【0021】つぎにこの溶液に十分なアルカリを加え
て、たとえばpH12以上、好ましくはpH12〜14
程度の強アルカリ性にして、難水溶性無機塩の微粒子を
析出させる。析出の際には、難水溶性無機塩が塊状に析
出するのを防止するために、溶液を攪拌するのが好まし
い。なお攪拌の速度は、析出する難水溶性無機塩の微粒
子の粒径を左右する重要な因子であるので、使用する難
水溶性無機塩の種類や濃度等を考慮して最適な攪拌速度
を設定する。
【0022】つぎに再び酸を加えて、水性分散媒を、難
水溶性無機塩を溶解しない範囲の弱アルカリ性ないし弱
酸性に調整する。酸で溶解しアルカリで析出する難水溶
性無機塩は、種類にもよるが僅かでも酸性であると溶解
する可能性があるので、できればpH7〜9程度の中性
ないし弱アルカリ性に水性分散媒を調整するのが好まし
い。なお酸を加えた際に、難水溶性無機塩のごく一部が
溶解する可能性があるが、全体からみればごく僅かな量
であるため、差し支えない。
【0023】アルカリで溶解し酸で析出する難水溶性無
機塩を使用する場合には、上記と逆に、まず難水溶性無
機塩の微粉末を水性分散媒に加え、攪拌しつつアルカリ
を加えて溶解させる。つぎにこの溶液に、攪拌下、十分
な酸を加えて、たとえばpH3以下、好ましくはpH1
〜3程度の強酸性にして、難水溶性無機塩の微粒子を析
出させる。そして、再びアルカリを加えて、水性分散媒
を、難水溶性無機塩を溶解しない範囲の弱アルカリ性な
いし弱酸性に調整する。アルカリで溶解し酸で析出する
難水溶性無機塩は、種類にもよるが僅かでもアルカリ性
であると溶解する可能性があるので、できればpH5〜
7程度の弱酸性ないし中性に水性分散媒を調整するのが
好ましい。なおアルカリを加えた際に、やはり難水溶性
無機塩のごく一部が溶解する可能性があるが、全体から
みればごく僅かな量であるため、差し支えない。
【0024】上記難水溶性無機塩の具体的化合物として
は、前記第三リン酸カルシウムが好適に使用される他、
たとえば硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムおよび二酸
化ケイ素等の、従来より難水溶性無機塩として公知の種
々の化合物が、いずれも使用可能である。上記のうち第
三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウムおよび水酸化アルミ
ニウムの各化合物は、酸で溶解しアルカリで析出するも
のであり、二酸化ケイ素は、アルカリで溶解し酸で析出
するものである。
【0025】難水溶性無機塩類は、水性分散媒100重
量部に対して0.01〜10重量部の割合で使用され
る。水性分散媒としては、水、または水を主体とする、
油相と相溶しない混合溶媒があげられ、とくに水が最も
好適に採用される。酸としては、たとえば塩酸、硫酸、
硝酸、酢酸等があげられ、アルカリとしては、たとえば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等があげられる。
【0026】つぎに、前記のようにして難水溶性無機塩
の微粒子が析出され、かつこの難水溶性無機塩の微粒子
を溶解しない範囲の弱アルカリ性ないし弱酸性に調整さ
れた水性分散媒を攪拌しつつ、油相を加えると、この油
相が水性分散媒中に懸濁分散されて球状に造粒される。
なお以上で説明した難水溶性分散媒の溶解から油相の懸
濁までの各工程は、1台のミキサー中で行うのが、生産
性等の点で望ましい。
【0027】このあと、−30〜90℃、特に30〜8
0℃の温度で0.1〜50時間程度の重合を行うと、重
合性単量体が重合して球状の樹脂粒子または電子写真用
トナーが得られる。このとき、酸素による重合の停止反
応を抑制するために反応系内を不活性ガスで置換するこ
とが好ましい。かくして得られる樹脂粒子または電子写
真用トナーの粒径はとくに限定されないが、電子写真用
トナーは、高解像度の画像を得るために、中心粒径が1
0μm前後、粒度分散が1.50以下の範囲内であるの
が望ましい。
【0028】懸濁時の油相の良好な分散状態を得るた
め、水性分散媒には界面活性剤を配合するのが好まし
い。界面活性剤は、泡の噛み込み等を防止するため、油
相添加後に添加するのがよい。界面活性剤としては、ア
ニオン系、カチオン系あるいはノニオン系の従来公知の
種々の界面活性剤が使用できるが、目的とするトナーの
粒径が10μm以下であることを考慮すると、懸濁分散
能力にすぐれている必要があり、また製造後のトナーの
特性に影響を与えないためには、トナーから除去しやす
いことが望ましい。界面活性剤は、油相および水性分散
媒の比率等に応じて適宜の割合で添加される。
【0029】油相は、樹脂粒子の場合、少なくとも重合
性単量体を含んでいればよく、その他の成分については
とくに限定されない。樹脂粒子の用途等に応じて、種々
の添加剤(いうまでもなく油相に可溶で水性分散媒に不
溶のもの)を添加すればよい。一方電子写真用トナーの
場合は、少なくとも重合性単量体と着色剤と電荷制御剤
とを含んでいればよく、その他の成分についてはとくに
限定されない。やはり種々の添加剤を添加することがで
きる。
【0030】油相を構成する重合性単量体としては、ラ
ジカル重合性の種々の重合性単量体を使用することがで
きる。このような重合性単量体としてはたとえばモノビ
ニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル
系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単
量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン
系単量体、ポリビニル系単量体等の従来公知の種々の化
合物を使用することができる。
【0031】モノビニル芳香族単量体としては、下記一
般式(1) :
【0032】
【化1】
【0033】(式中、R1 は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子、R2 は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ
基、ビニル基、スルホ基、ナトリウムスルホナト基、カ
リウムスルホナト基またはカルボキシル基を表す。)で
表されるモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチ
レン、o,m,p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼン
などがあげられる。
【0034】アクリル系単量体としては、下記一般式
(2) :
【0035】
【化2】
【0036】(式中、R3 は水素原子または低級アルキ
ル基、R4 は水素原子、炭素数12までの炭化水素基、
ヒドロキシアルキル基、ビニルエステル基またはアミノ
アルキル基を表す。)で表されるアクリル系単量体、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキ
シアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸ブチ
ル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシ
メタクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、
γ−N,N−ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エチ
レングリコールジメタクリル酸エステル、テトラエチレ
ングリコールジメタクリル酸エステルなどがあげられ
る。
【0037】ビニルエステル系単量体としては、下記一
般式(3) :
【0038】
【化3】
【0039】(式中、R5 は水素原子または低級アルキ
ル基を表す。)で表されるビニルエステル系単量体があ
げられ、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどがあげられる。ビニルエーテル系単量体とし
ては、下記一般式(4) :
【0040】
【化4】
【0041】(式中、R6 は炭素数12までの1価の炭
化水素基を表す。)で表されるビニルエーテル系単量体
があげられ、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェ
ニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテルなどがあ
げられる。ジオレフィン系単量体としては、下記一般式
(5) :
【0042】
【化5】
【0043】(式中、R7 ,R8 およびR9 は同一また
は異なって、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子を表す。)で表されるジオレフィン系単量体があげ
られ、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレンな
どがあげられる。モノオレフィン系単量体としては、下
記一般式(6) :
【0044】
【化6】
【0045】(式中、R10,R11は同一または異なっ
て、水素原子または低級アルキル基を表す。)で表され
るモノオレフィン系単量体があげられ、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1などがあげられる。ハロゲン化オレフィ
ン系単量体としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンなどがあげられる。
【0046】さらにポリビニル単量体としては、たとえ
ばジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリシアヌ
レートなどがあげられる。これらは単独で使用できる
他、2種以上を併用することもできる。たとえば、最も
一般的なスチレン−アクリル系の定着用樹脂を含むトナ
ーを製造する場合には、重合性単量体としてスチレンと
アクリル系単量体とを併用すればよい。
【0047】油相には、上記重合性単量体の重合を開始
させる重合開始剤が添加される。重合開始剤としては、
水性分散媒に不溶で、かつ重合性単量体との相溶性のあ
るものが好ましく、たとえばアゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−
(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2′−
アゾビス−(2−メチルプロピオニトリル)、2,2′
−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、1,1′
−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビス
(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;クメン
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、
過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物が使
用できるほか、紫外線や可視光線の照射による重合を行
う場合には、従来公知の光重合開始剤を使用することも
できる。これらは単独で使用される他、2種以上を併用
することもできる。
【0048】重合開始剤の使用量は、重合性単量体10
0重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは
0.01〜0.5重量部の範囲である。なおγ線、加速
電子線等を用いて重合を開始させることも可能であり、
この場合には重合開始剤を使用しなくてもよい。また、
紫外線と各種光増感剤とを組合せて重合を開始してもよ
い。
【0049】電子写真用トナーを製造する場合に、油相
に含まれる着色剤としては、これに限定されるものでは
ないが、たとえば〈黒色〉カーボンブラック、ニグロシ
ン染料(C.I.No.50415B)、ランプブラック
(C.I.No.77266)、オイルブラック、アゾオ
イルブラック、〈赤色〉デュポンオイルレッド(C.
I.No.26105)、ローズベンガル(C.I.No.4
5435)、オリエントオイルレッド♯330(C.
I.No.60505)、〈黄色〉クロームイエロー
(C.I.No.14090)、キノリンイエロー(C.
I.No.47005)、〈緑色〉マラカイトグリーンオ
クサレート(C.I.No.42000)、〈青色〉カル
コオイルブルー(C.I.No.azoecブルー3)、
アニリンブルー(C.I.No.50405)、メチレン
ブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロ
シアニンブルー(C.I.No.74160)、ウルトラ
マリンブルー(C.I.No.77103)、等があげら
れる。これらは単独で使用される他、2種以上を併用す
ることもできる。着色剤は、重合性単量体100重量部
あたり1〜20重量部の割合で使用するのが好ましい。
【0050】電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電性を制御
するために配合されるもので、正電荷制御用と負電荷制
御用の2種がある。正電荷制御用の電荷制御剤として
は、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性
染料、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミ
ノ化合物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処
理された充填剤等があげられる。
【0051】負電荷制御用の電荷制御剤としては、ニグ
ロシンベース(CI5045)、オイルブラック(CI26150
)、ボントロンS、スピロンブラック等の油溶性染
料;スチレン−スチレンスルホン酸共重合体等の電荷制
御性樹脂;カルボキシ基を含有する化合物(例えばアル
キルサリチル酸金属キレート等)、金属錯塩染料、脂肪
酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、ナフテン酸金属塩等があげら
れる。
【0052】電荷制御剤は、重合性単量体100重量部
に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重
量部の割合で使用される。またトナーにオフセット防止
効果を付与するために、オフセット防止剤を配合するこ
ともできる。オフセット防止剤としては、脂肪族系炭化
水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル
類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種
ワックス等があげられる。中でも、重量平均分子量が1
000〜10000程度の脂肪族系炭化水素が好まし
い。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポ
リエチレン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上の
オレフィン単位からなる低分子量のオレフィン重合体、
シリコーンオイル等の1種または2種以上の組み合わせ
が適当である。
【0053】オフセット防止剤は、重合性単量体100
重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5
〜8重量部の割合で使用される。上記各成分の他に油相
に添加することができる成分としては、たとえば磁性体
粉末や架橋剤等があげられる。磁性体粉末を添加した樹
脂粒子は、電子写真用トナーとともに2成分系の現像剤
を構成する磁性キャリヤや、あるいは磁気ディスプレイ
等に利用される磁性粒子として使用できる。また電子写
真用トナーに磁性体粉末を添加すると、1成分系現像剤
としての磁性トナーが得られる。
【0054】磁性体は、磁場によってその方向に強く磁
化される物質であって、化学的に安定なものが望まし
く、粒径は1μm以下、とくに0.01〜1μm程度の
微粉末であるのがよい。代表的な磁性体としては、コバ
ルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カルシウム、セレン、チタン、タングステン、バナジウ
ムのような金属、またはその化合物(酸化物等)、合
金、あるいは混合物等があげられる。
【0055】磁性体粉末の配合量は用途によって違う
が、たとえば磁性キャリヤや磁性トナーの場合は、重合
性単量体100重量部に対して磁性体粉末を20〜30
0重量部、好ましくは50〜150重量部の割合で使用
するのがよい。架橋剤は、定着用樹脂を架橋させて、樹
脂粒子や電子写真用トナーの機械的あるいは熱的特性を
改善するために配合されるもので、たとえばジビニルベ
ンゼン等のジビニル化合物;ジアリルフタレート、ジア
リルイソフタレート、ジアリルアジペート、ジアリルグ
リコレート、ジアリルマレエート、ジアリルセバケート
等のジアリル化合物;トリアリルホスフェート、トリア
リルアコニテート、トリアリルシアヌレート、トリメリ
ット酸アリルエステル、ピロメリット酸アリルエステル
等のトリアリル化合物;1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ブ
チレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート等のトリアクリレート化合物;1,6−ヘキサン
ジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタク
リレート等のジメタクリレート化合物;トリメチロール
プロパントリメタクリレート等のトリメタクリレート化
合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、N,N,
N′,N′−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチ
レンジアミンのアクリル酸エステル等のポリ(メタ)ア
クリレート化合物;アリルアクリレート、アリルメタク
リレート等のアリル−アクリル系化合物;N,N′−メ
チレンビスアクリルアミド、N,N′−メチレンビスメ
タクリルアミド等のアクリルアミド化合物;ポリウレタ
ンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテル
アクリレート、ポリエステルアクリレート等のプレポリ
マーなどがあげられる。
【0056】架橋剤は、重合性単量体100重量部に対
して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部の割合で使用される。その他、安定剤等の種々の添加
剤を、適宜の割合で配合してもよい。
【0057】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。実施例1 〈油相の作製〉下記に示す各成分を混合して、油相を作
製した。
【0058】 成 分 重量部 ・重合性単量体: スチレン 70 ブチルメタクリレート 30 ・架橋剤: ジビニルベンゼン 0.5 ・電荷制御剤: 油溶性染料(ボントロンS−40、オリエント化学社製) 4 ポリオレフィン系離型剤 2 ・重合開始剤: 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 4 〈水性分散媒の調製〉水性分散媒としての蒸留水400
重量部に、難水溶性無機塩としての第三リン酸カルシウ
ム4.8重量部を添加し、TKホモミキサー(特殊機化
工業社製)を用いて、8000r.p.m.の回転速度で攪拌
しつつ、塩酸を加えて第三リン酸カルシウムを溶解させ
た。
【0059】つぎにこの溶液に、8000r.p.m.の回転
速度で攪拌を続けながら、pHが11になるまで水酸化
ナトリウムを滴下して、第三リン酸カルシウムの微粒子
を析出させた後、再び塩酸を加えて、pHを7に調整し
た。上記の分散媒から第三リン酸カルシウムの微粒子を
分離して電子顕微鏡にて観察したところ、粒径0.3μ
mのごく微細な状態であることが確認された。 〈懸濁操作〉上記分散媒1000重量部を、8000r.
p.m.の回転速度で引続き攪拌しつつ、前記油相の作製で
得た油相350重量部を徐徐に滴下し、全量滴下後、界
面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.038重量部を添加してさらに10分間攪拌して
懸濁させて、油相を液滴化した。
【0060】得られた油相を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、均一な粒子径を有する油相液滴粒子が一様に分散し
ているのが確認された。 〈重合操作〉上記懸濁液をセパラブルフラスコ中に移し
替え、窒素雰囲気下、回転数120r.p.m.で攪拌しつつ
70℃に加熱して、3時間重合反応させた。
【0061】そして重合粒子をろ別し、希酸洗浄、水洗
浄、乾燥して電子写真用トナーを得た。実施例2 前記水性分散媒の調製において、第三リン酸カルシウム
の微粒子を析出させた後のpHを、塩酸を加えて9に調
整したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを得た。
【0062】比較例1 前記水性分散媒の調製において、第三リン酸カルシウム
の微粒子を析出させた後のpHを11のまま調整しなか
ったこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用トナ
ーを得た。比較例2 前記水性分散媒の調製において、第三リン酸カルシウム
の微粒子を析出させた後のpHを、塩酸を加えて6に調
整したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを得た。
【0063】比較例3 前記水性分散媒の調製において、第三リン酸カルシウム
の微粒子を析出させる際のpHを、水酸化ナトリウムを
加えて9に調整したこと以外は、実施例1と同様にして
電子写真用トナーを得た。上記各実施例、比較例の電子
写真用トナーについて、以下の各試験を行った。
【0064】中心粒径および粒度分散の測定 各実施例、比較例の電子写真用トナーの中心粒径と粒度
分散を、コールターカウンターを用いて測定した。電気特性測定 各実施例、比較例の正帯電型非磁性1成分現像剤の導電
率(Ωcm)、誘電率および誘電正接 tanδを、図1に示
す測定装置を用いて測定した。
【0065】図1の測定装置は、円筒状のシールドケー
ス11内に、フランジ付きのシリンダ状電極12,13
と、リング体14とを、それぞれ、絶縁リング15を介
して電気的に独立した状態で保持したもので、上記シリ
ンダ状電極12,13は、電気特性測定器16に接続さ
れ、リング体14は接地されている。この測定装置にお
いては、シリンダ状電極12,13とリング体14とで
構成される空隙内に粉体状の試料Sを充填し、上側のシ
リンダ状電極12を、図中矢印で示すように下方へ押圧
して試料Sを圧縮しつつ、両シリンダ状電極12,13
間に、電気特性測定器16から所定の周波数の交流電圧
を印加して、圧縮状態の試料Sの電気特性(導電率、誘
電率および誘電正接 tanδ)が測定される。なお電気特
性測定器16としては、横河ヒューレットパッカード社
製のインピーダンスアナライザが好適に用いられる。
【0066】上記測定装置によれば、試料Sを予め圧縮
成形する必要がないので、試料を圧縮成形してから、そ
の成形品の電気特性を測定する場合に比べて、より簡便
に、導電性被覆の被覆状態を評価することができる。帯電量測定 各実施例、比較例の電子写真用トナーを、フェライトキ
ャリヤと混合して、トナー濃度3%の2成分現像剤を作
製し、その帯電量を、ブローオフ法により測定した。
【0067】実機試験 上記帯電量測定で作製した2成分現像剤を、静電式複写
機(三田工業(株)製の型番DC−2556)に使用し
て連続複写を行い、1000枚目の形成画像の、黒ベタ
部における画像濃度、ならびに余白部におけるカブリ濃
度を測定した。また目視にて各種画像不良の有無を観察
した。
【0068】以上の結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】上記表の結果より、第三リン酸カルシウム
の微粒子を析出させた後のpHを11のまま調整しなか
った比較例1は画像カブリ等の問題を生じることがわか
った。また連続複写後の複写機内を観察したところ、感
光体ドラムへのトナー付着が発生していた。また第三リ
ン酸カルシウムの微粒子を析出させた後のpHを6に調
整した比較例2は、粗大凝集物発生等の問題を生じるこ
とがわかった。
【0071】さらに第三リン酸カルシウムの微粒子を析
出させる際のpHを9に調整した比較例3は、粒度分布
がブロードになる等の問題を生じることがわかった。こ
れに対し、本発明の構成である実施例1,2の製造方法
で製造された電子写真用トナーはいずれも、上記のよう
な問題を生じることなく、粒度分布がシャープで、かつ
小粒径化されているとともに、帯電特性等にすぐれ、し
かも形の揃った球状のトナーであることが確認された。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、水
性分散媒を酸性またはアルカリ性にして難水溶性無機塩
を溶解し、ついで攪拌下、強アルカリ性または強酸性に
して上記難水溶性無機塩を微粒子状に析出させ、さらに
析出した難水溶性無機塩の微粒子を溶解しない範囲の弱
アルカリ性ないし弱酸性に調整した状態で、油相を加え
て微小液滴状に懸濁分散させた後、油相中の重合性単量
体を重合させるので、粒度分布がシャープで、かつ小粒
径化されており、しかも形の揃った球状の樹脂粒子、お
よび粒度分布がシャープで、かつ小粒径化されていると
ともに、帯電特性等にすぐれ、しかも形の揃った球状の
電子写真用トナーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真用トナーの電気特性を評価するための
測定装置の概略断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性分散媒を酸性またはアルカリ性にして
    難水溶性無機塩を溶解し、ついで攪拌下、強アルカリ性
    または強酸性にして上記難水溶性無機塩を微粒子状に析
    出させ、さらに析出した難水溶性無機塩の微粒子を溶解
    しない範囲の弱アルカリ性ないし弱酸性に調整した状態
    で、少なくとも重合性単量体を含む油相を加えて微小液
    滴状に懸濁分散させた後、油相中の重合性単量体を重合
    させることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】水性分散媒を酸性またはアルカリ性にして
    難水溶性無機塩を溶解し、ついで攪拌下、強アルカリ性
    または強酸性にして上記難水溶性無機塩を微粒子状に析
    出させ、さらに析出した難水溶性無機塩の微粒子を溶解
    しない範囲の弱アルカリ性ないし弱酸性に調整した状態
    で、少なくとも重合性単量体と着色剤と電荷制御剤とを
    含む油相を加えて微小液滴状に懸濁分散させた後、油相
    中の重合性単量体を重合させることを特徴とする電子写
    真用トナーの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081724A (ja) * 1998-07-03 2000-03-21 Canon Inc トナ―の製造方法
JP2000081727A (ja) * 1997-12-26 2000-03-21 Canon Inc トナーの製造方法
US6054244A (en) * 1997-12-26 2000-04-25 Canon Kabushiki Kaisha Process for producing toner
US7153625B2 (en) 2004-03-25 2006-12-26 Canon Kabushiki Kaisha Process for producing toner particles, and toner

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