JP2593468B2 - 電子写真用トナーの製法 - Google Patents

電子写真用トナーの製法

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JP2593468B2
JP2593468B2 JP62043071A JP4307187A JP2593468B2 JP 2593468 B2 JP2593468 B2 JP 2593468B2 JP 62043071 A JP62043071 A JP 62043071A JP 4307187 A JP4307187 A JP 4307187A JP 2593468 B2 JP2593468 B2 JP 2593468B2
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敏郎 得能
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真用トナーの製法に関するものであ
り、より詳細には、電荷制御用染料が微粒化分散され、
この結果としてカブリが減少し、解像力が向上し且つ飛
散が防止されたトナーを懸濁重合法により製造する方法
に関する。
(従来の技術) 電子写真法の分野では、静電像を可視像化する目的で
トナーを使用している。このトナー粒子は、樹脂媒質中
に着色剤、電荷制御剤等の他の配合剤を配合して成る組
成物を一定の粒度範囲、例えば5乃至30μmの粒径範囲
としたものから成っており、樹脂媒質としては所望の検
電性と結着性とを備えた樹脂、例えばスチレン系樹脂等
が使用され、着色剤としてはカーボンブラックや他の有
機系又無機系の着色顔料が使用され、電荷制御用染料と
しては、油溶性染料や含金属錯塩染料等が使用されてい
る。
電子写真用トナーの最も代表的な製法は、前述した樹
脂媒質と着色剤とを溶融混練し、この混練組成物を冷却
粉砕し、粉砕物を分級して一定の粒度範囲に揃える工程
から成る。しかしながら、この粉砕・分級により得られ
るトナーの収率は低く、またこれらの操作のために多大
な設備を必要とし、そのためにトナーの製造コストを極
めて高いものとしている。また、得られる粒子の形状が
不規則であるため、トナーの流動性が概して低く、ブロ
ッキングを発生し易いという欠点も認められる。
従来、トナー用の樹脂の重合工程でトナーを直接製造
することについても、多くの提案が認められている。そ
の代表的なものは、水不溶性単量体に、これに可溶な重
合開始剤を溶解させ更に着色剤等の添加剤を加えて、こ
の組成物を適当な分散剤、例えば水溶性高分子、無機粉
末、界面活性剤等を配合した水溶液中に高速剪断撹拌に
より懸濁させ、これを重合することによって着色重合体
粒子を製造することからなっている。
しかしながら、単量体中にトナー用配合剤を配合する
と、配合剤粒子が凝集しやすいことが知られており、こ
れを防止するものとして、特開昭56−123553号公報に
は、チキソトロピー性を付与し得る物質の存在下に単量
体を重合することが記載され、また特開昭57−37354号
公報にはデキストリン誘導体を配合剤の分散安定剤とし
て重合を行うことが記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上述した従来法は、トナー配合成分粒子、の単量体中
における再凝集を防止しようとするものではあるが、本
発明者の研究によると、電荷制御用染料粒子の単量体中
における凝集を防止するのには殆んど効果がなく、また
一般の電荷制御剤粒子はそれ自身、結晶や凝集によって
大粒子化しており、単量体中に分散させた場合も、大粒
子のまま存在していることがわかった。
しかして、単量体中で電荷制御剤用染料が大粒子であ
ると、或るトナー粒子には制御剤が含有されない等、粒
子相互間における制御剤の含有量に著しいバラツキを生
じたり、またトナー粒子の表面に制御剤を分布させ得な
い等のトラブルを生じることになり、これによりトナー
の帯電量分布に著しいバラツキを生じ、その結果として
カブリの増大、想像力の低下及びトナー飛散等の問題を
発生する。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、単量体への配合に先立って、電荷制御
用染料を乾式で微粉砕すると、この微粉砕によって単量
体液中粉砕では成し得なかった電荷制御用染料の1μm
以下の粒子が得られ微粒化分散状態を維持するのに効果
的に役立つことを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、電荷制御用染料を乾式で1μm以下
の粒径に微粉砕し、微粉砕された電荷制御用染料を直ち
に着色剤と共にラジカル重合性単量体に分散させ、得ら
れる重合性組成物を水性媒体に懸濁させ、この懸濁粒子
をラジカル開始剤の存在下に重合させることから成る電
子写真用トナーの製法が提供される。
かかる方法により得られたトナーは、懸濁重合法によ
り製造されたものであることに関連して、下記式: 式中、rlはトナー粒子の長径を表し、rsはトナー粒子
の短径を表す、 で定義される真円度(D)が0.9乃至1の範囲にあり、
粒径が5乃至30μmの範囲の球状粒子から成っている。
さらに、このトナーでは、ラジカル重合型樹脂の定着用
樹脂媒質中に着色剤と共に分散している電荷制御用染料
粒子の分散粒径が実質上1μm以下となっている。
(作用) 本発明は、既に指摘した通り、単量体への配合に先立
って、電荷制御用染料を乾式で微粉砕すると、単量体中
への電荷制御用染料の微粒化分散が可能となると共に、
この微粒化分散状態が単量体の重合完結迄安定に維持さ
れるとの知見に基づくものである。本発明において、微
粒化分散性及びびその安定性が向上するという作用は、
染料粒子そのものが微粒子化されるという事実以外に、
その電気的性質が改善されるという事実に基づくものと
思われる。即ち、電荷制御用染料は、その分子内に電荷
制御に役立つ極性基を有している。しかして、本発明に
従いこの染料を微粉砕すると、活性の大きい新鮮な表面
が表われ、この表面に存在する極性基の電荷により、微
粒子相互は同極反撥作用により単量体中に微粒化分散
し、この分散状態で安定する。このため、最終トナー粒
子に含まれる電荷制御用染料粒子の分散粒径は、実質上
1μm以下に抑制され、各トナー粒子相互間における制
御剤の含有量も一様となると共に、個々のトナー粒子中
における制御剤の分布も一様となる。その結果として、
本発明のトナーでは、トナーの帯電量分布もシャープで
しかも高いレベルに制御され、カブリの減少、解像力の
向上及びトナー飛散の解消が可能となる。
電荷制御用染料は、それ自体凝集傾向の著しいもので
あり、特にトナー定着樹脂用単量体中ではその傾向が顕
著であり、従来の懸濁重合法トナーでは、一般に5μm
或いはそれ以上の分散粒径で存在する。また、この染料
は、単量体では微粉砕や微粒化分散が困難であり、例え
ば従来微粉砕に広く使用されているボールミルによる湿
式粉砕法では逆に10μm程度の粗大粒径に凝集すること
が認められた。以上の理由から、単量体への添加に先立
って、染料を予じめ乾式粉砕するという本発明による作
用が如何に優れたものであることが了解されよう。
本発明に用いる電荷制御用染料とは、トナー粒子の摩
擦帯電電荷を一定極性に制御するものであるが、それと
同時に懸濁重合に際して水相中に移行せず単量体懸濁粒
子中に残留するもの、即ち親油性のものでなければなら
ない。このような電荷制御用染料としては、正電荷制御
作用のものとして、塩基性窒素原子を有する塩基性染
料、特に油溶性染料と呼ばれているもの、例えばニグロ
シンベース(CI 5045)、オイルブラック(CI26150)ス
ピロブラック等や、負電荷制御作用のものとして、カル
ボキシ基や水酸基等を有する染料や含金属錯塩染料等が
使用される。
電荷制御用染料の乾式粉砕は、ボールミル、チューブ
ミル、振動ミル等の微粉砕機を用いて行なうことがで
き、その粉砕の程度は、ボールミルの場合、1乃至30時
間の粉砕が適当である。粉砕された染料は、直ちに定着
樹脂単量体中に添加し、更に微粉砕操作や剪断撹拌等に
よって単量体中に微粒化分散させるのがよい。電荷制御
用染料は、単量体当り0.1乃至10重量%、特に0.5乃至5
重量%の量で用いるのがよい。
本発明において、使用する単量体はラジカル重合性で
水不溶性のものであり、しかも生成重合体がトナーに要
求される定着性と検電性を有するものであり、エチレン
系不飽和を有する単量体の1種又は2種以上の組合せが
前述した制限のもとに使用される。このような単量体の
適当な例は、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量
体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量
体、ジオレフィン系単量体、モノオレフィン系単量体等
である。
モノビニル芳香族単量体としては、 式 式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子であり、R2は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、ビニル基或い
はカルボキシル基である、 のモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、
o−、m−、p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼン
の単独又は2種以上の組合せを挙げることができ、更に
前述した他の単量体としては以下のものが夫々挙げられ
る。
式中、R3は水素原子又は低級アルキル基、R4は水素原
子、炭素数12迄の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、
ビニルエステル基又はアミノアルキル基である、 のアクリル系単量体、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒ
ドロキシアクリル酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル
酸ブチル、β−ヒドロキシメタクリル酸エチル、γ−ア
ミノアクリル酸ピロピル、γ−N・N−ジエチルアミノ
アクリル酸プロピル、エチレングリコールジメタクリル
酸エステル、テトラエチレングリコールジメチタクリル
酸エステル等。
式中、R5は水素原子又は低級アルキル基である、 のビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等。
式中、R6は炭素数12迄の1価炭化水素基である、 のビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエテール、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニ
ルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル
等。
式中、R7,R8,R9の各々は水素原子、低級アルキル基又
はハロゲン原子である、 のジオレフィン類、特にブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン等。
式、 式中、R10,R11の各々は水素原子又は低級アルキル基
である、 のモノオレフィン類、特にエチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペン
テン−1等。
着色顔料の適当な例は次の通りである。
黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラ
ック、アニリンブラック。
黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンエロー、ネーブ
ルスエロー、ナフトールエローS、ハンザーイエロー
G、ハンザーイエロー10G、ベンジジンエローG、ベン
ジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネント
エローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダ
ンスレンプリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジ
G、インダンスレンプリリアントオレンジGK。
赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミ
ウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、
ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアント
カーミン3B。
紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ。
青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビク
トリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フ
タロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。
緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリ
ーンG。
白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン、タルク、アルミナホワイト。
磁性材料顔料としては、従来例えば四三酸化鉄(Fe3O
4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe
2O4)、酸化鉄イツトリウム(Y3Fe5O12)、酸化カドミ
ニウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリウム(Cd3Fe5O12)、
酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄
ネオジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(BaFe
12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マン
ガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知られ
ているが、本発明においてもこれら公知の磁性材料の微
粉末の任意のものを用いることができる。
本発明においては、上述した必須成分以外にトナーに
含有させることが望ましい添加剤成分を、重合に先立っ
て重合系中に配合しておくことができる。例えば、トナ
ーにオフセット防止効果を付加するために、低分子量ポ
リエチレン、低分子量ポリプロピレン、各種ワックス、
シリコーン油等の離型剤を含有させることができる。
二成分系現像剤用トナー及び一成分系現像剤用トナー
の原料処方の一例を示せば次の通りである。
二成分系現像剤用トナー 単量体 100重量部 着色剤 1乃至30重量部 電荷制御用染料剤 0.1乃至10重量部 離型剤 0乃至10重量部 一成分系現像用トナー 単量体 100重量部 磁性体 10乃至200重量部 (着色剤兼用) 電荷制御用染料 0.1乃至10重量部 離型剤 0乃至10重量部 懸濁重合法 本発明方法では、前述した原料を水中に懸濁させる。
水中での懸濁状態を安定化させるため、有機又は無機の
分散剤を一般に使用する。
有機分散剤としては、ゼラチン、澱粉、水溶性澱粉誘
導体、カルボキシメチルセルロースやエトセル等の水溶
性セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、水溶性ア
クリル樹脂、ビニルエーテル・マレイン酸共重合体等の
水溶性高分子や、アニオン系、ノニオン系、カチオン系
或いは両性系の界面活性剤が挙げられる。
無機系分散剤としては、難溶性の無機微粒子、例えば
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、タルク、ベント
ナイト等の各種クレイ、ケイソウ土等を挙げることがで
きる。
これらの無機或いは有機の分散剤は単独でも或いは2
種以上の組合せでも用いることかできる。本発明の場
合、一般に必要でないが、所望によっては、媒体比重、
表面張力、粘度等の調整の目的で、上記分散剤以外に、
NaCl,KCl,Na2SO4等の水溶性塩類を用いることもでき
る。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物や、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド、過酸化ペンゾイル、過酸化ラウ
ロイル等の過酸化物など単量体に可溶なものが使用され
る。
単量体と水との比は、かなり大幅に変化させ得るが、
一般に1:99乃至50:50、特に5:95乃至30:70の重量比で用
いるのがよい。分散剤の使用量は種類によっても相違す
るが、水溶性高分子分散剤は、水当り0.1乃至10重量
%、特に0.5乃至5重量%で用いるのがよく、また無機
分散剤は単量体当り0.01乃至10重量%、特に0.1乃至5
重量%の量で用いるのがよい。界面活性剤を使用する場
合には、懸濁粒子がエマルジョンサイズになるような量
で使用してはならない。ラジカル重合開始剤は単量体当
り0.1乃至10重量%、特に0.5乃至5重量%の量で用いる
のがよい。
懸濁重合に際して、重合槽の内部を窒素等の不活性ガ
スで置換し、分散剤を含む水を重合槽内に供給し、次い
で原料供給槽から着色剤、電荷制御用染料、単量体、触
媒等を含む原料を供給して重合を行なう。
重合温度は一般に40乃至100℃、特に50乃至90℃の範
囲が適当であり、重合時間は単量体の種類によっても相
違するが、2乃至20時間の範囲から重合が完結する時間
を選ぶのがよい。
本発明によれば、上記条件下で懸濁重合を行うことに
より、前記式で定義される真円度(D)が0.9乃至1、
特に0.95乃至1の範囲にある真球状の球状粒子が得ら
れ、またその粒径は5乃至30μm、特に5乃至10μmの
範囲にあるトナー粒子が得られると共に、トナー粒子中
に含まれる電荷制御染料の分散粒径も1μ以下の微細粒
径に制御される。
生成粒子は反応媒質から分離し必要により洗浄等の精
製操作を行い、乾燥してトナー製品とする。
このトナー用着色粒子には、必要により、カーボンブ
ラック、疎水性シリカ等をまぶして、最終トナーとす
る。
(発明の効果) 本発明によれば、懸濁重合法により得られるトナー粒
子中における電荷制御用染料粒子の分散粒径を実質上1
μm以下に抑制し、各トナー粒子相互間における制御剤
の含有量を一様化すると共に、個々のトナー粒子中にお
ける制御剤の分布も一様なものとすることができる。こ
の結果として本発明によるトナーは、トナーの帯電量分
布もシャープでしかも高いレベルに制御され現像に際し
て、カブリの減少、解像力の向上及びトナー飛散の防止
が可能となる。
実施例−1 電荷制御ボントロンS−34(オリエント化学製)1重
量部とカーボンブラックMA−100(三菱化成製)5重量
部を100℃で3時間乾燥させ、直径2.2mmのステンレスボ
ールを用いたボールミルにて乾式で粉砕を行ない、これ
らのトナー配合剤を1μm以下に微粒子化した。
更にこのスチレン70重量部、n−ブチルメタクリレー
ト30重量部、低分子量ポリプロピレンビスコール55op
(三洋化成工業製)1.85重量部、重合開始剤2,2′−ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬
製)5重量部の溶液を加えて、同じボールミルを用いて
均一に混合分散させて重合組成物を得た。この重合組成
液中での電荷制御剤およびカーボンブラックの粒子径は
1μm以下で、かつ均一に分散していた。この重合組成
物100重量部と1.0重量部のリン酸三カルシウムを含有し
た水400重量部とを混合し、混合液をTK−ホモミキサー
(特殊機化工業製)を用いて6000rpmの撹拌速度で10分
間撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液を窒素雰囲気下70
℃の重合条件で3時間重合させて平均粒径13μmの本発
明のトナーを得た。本発明のトナーをブローオフ法によ
り、帯電量を測定したところ、12.8μC/gであった。ま
た、極性の分布を調べるために、鉛直に配置した高さ20
0mm、幅70mm、電極間5mmの平行電極間に1500Vの直流電
圧を印加し、電極間の上方から鉛直に95cm/secで空気流
を導入しつつ現像剤を落下させ、両電極に吸引されるト
ナーを比較したところ、+側電極のみにトナーは付着
し、一側電極には全く付着せず+帯電のトナー粒子はほ
とんどないことが確められた。
本発明のトナーを電子写真複写機DC−111(三田工業
製)を用いて画像を形成したところ、画像は細線の再現
性も良好で、カブリの発生もなく、トナーの飛散もほと
んどなかった。更に、転写されずに観光体上に残留して
クリーニング部に回収された回収トナーは、回収量もわ
ずかであり、この回収トナーをキャリアと混合してブロ
ーオフ法により帯電量を測定したところ、−12.2μC/g
であり、本発明のトナーの帯電量とほぼ同じ量であっ
た。
実施例−2 実施例−1において電荷制御剤をスピロンブラックTR
H(保土谷化学製)とした外は、実施例−1と同様の方
法で実施して平均粒径15μmの本発明のトナーを得た。
本発明のトナーをブローオフ法により帯電量を測定した
ところ−15.6μG/gであった。又、トナーの極性分布を
調べたところ十帯電のトナー粒子はほとんどないことが
確められた。本発明のトナーを実施例−1と同様の方法
で画像を形成したところ、画像は細線の再現性も良好
で、カブリの発生もなく、トナーの飛散もほとんどなか
った。更に、回収トナーの量も少なく、回数トナーのブ
ローオフ法による帯電量も−14.23μC/gと、本発明のト
ナーの帯電量とほぼ同じ値であった。
比較例−1 実施例−1と同処方の電荷制御剤およびカーボンブラ
ックを乾式でボールミル粉砕せずに、初めから、重要組
成物を、実施例−1と同じボールミルにて液中分散させ
た。この重合組成物液中での電荷制御剤およびカーボン
ブラックの粒子径は、5μm〜10μmあるいはそれ以上
であった。この重合組成物を実施例−1と同様の方法で
懸濁重合し、平均流径13μmのトナーを合成した。この
トナーをブローオフ法により、帯電量を測定したところ
−11.0μC/gであり、又、極性の分布を調べたところ+
帯電のトナー粒子が認められた。このトナーを実施例−
1と同様の方法で画像を形成したところ実施例−1に比
べカブリが発生し、画像濃度も低いものであった。更
に、回収トナーのブローオフ法により帯電量は−7.4μC
/gであり、本発明のトナーに比べ低く、トナー毎の帯電
量にもばらつきがあり、+帯電のものや無帯電のものが
多く含まれていると推察された。
比較例−2 実施例−1と同処方の電荷制御剤およびカーボンブラ
ックを乾式でボールミル粉砕せずに、初めから重合組成
物をTK−ホモミキサー(特殊機化工業製)で液中分散さ
せたところのモノマー液中での電荷制御用染料、カーボ
ンブラックの粒子径は5μ〜10μあるいはそれ以上であ
った。この重合組成物を実施例−1と同様の方法で懸濁
重合し、平均流径14μmのトナーを合成した。このトナ
ーをブローオフ法により帯電量を測定したところ、−8.
9μC/gであり、このトナーの極性分布は多くの+帯電の
ものの存在が認められた。このトナーを実施例−1と同
様の方法で画像形成したところ、実施例−1に比べカブ
リが発生し、画像濃度も低いものであり、複写機内にト
ナーの飛散が発生した。更に、回収トナーのブローオフ
法にする帯電量は−4.3μC/gであった。
比較例−3 実施例−1と同処方の電荷制御剤およびカーボンブラ
ックを、乾式でボールミル粉砕せずに、スチレン2部と
混合し、このペースト状の混合物を実施例1と同じボー
ルミルで混合分散させた。更に、スチレン68部、n−ブ
チルメタクリレート30部、低分子量ポリプロピレン(ビ
スコール55op:三洋化成工業製)1.85部の溶液に重合開
始剤2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)(和光純薬製)5部を加え、同じボールミルで均一
に混合分散させ種合組成物を得た。この重合組成物液中
での電荷制御剤およびカーボンブラックの粒子径は5μ
m〜10μmあるいはそれ以上であった。以下、実施例−
1と同様の方法で、懸濁重合し、平均粒径13μmのトナ
ーを合成した。このトナーをブローオフ法により、帯電
量を測定したところ、−11.2μC/gであり、又このトナ
ーの極性分布測定では+帯電のトナー粒子が認められ
た。このトナーで実施例−1と同様の方法を用いて画像
を形成したところ、実施例−1に比べカブリが発生し、
画像濃度も低いものであつた。更に回収トナーのブロー
オフ法による帯電量は、−7.6μC/gであつた。
尚、前述した各実施例においては、分級されたトナー
粒子を所定の大きさの正方開口のメツシユを用いて篩に
かけ、篩落とされたトナーを更にもう一度同じ正方開口
の篩にかける。これを数回繰り返すことによつて真円度
の高いトナーを得た。
また、比較例のトナーは、通常の分級後のトナーをそ
のまま用いた。
以下に真円度(D)の値を示す。 トナー 真円度(D) 実施例 1 0.92 実施例 2 0.93 比較例 1 0.86 比較例 2 0.88 比較例 3 0.86 真円度の測定は、トナー粒子を電子顕微鏡観察し、そ
の長径と短径を計測し、直径法によつて算出した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−192958(JP,A) 特開 昭59−64854(JP,A) 特開 昭60−45260(JP,A) 特開 昭60−117252(JP,A) 特開 昭60−117253(JP,A) 特開 昭60−117254(JP,A) 特開 昭60−117255(JP,A) 特開 昭60−118851(JP,A) 特開 昭61−205951(JP,A) 特開 昭59−200258(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷制御用染料を乾式で1μm以下の粒径
    に微粉砕し、微粉砕された電荷制御用染料を直ちに着色
    剤と共にラジカル重合性単量体に分散させ、得られる重
    合性組成物を水性媒体に懸濁させ、この懸濁粒子をラジ
    カル開始剤の存在下に重合させることから成る電子写真
    用トナーの製法。
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