JP2594608B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法

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JP2594608B2
JP2594608B2 JP63081792A JP8179288A JP2594608B2 JP 2594608 B2 JP2594608 B2 JP 2594608B2 JP 63081792 A JP63081792 A JP 63081792A JP 8179288 A JP8179288 A JP 8179288A JP 2594608 B2 JP2594608 B2 JP 2594608B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する
もので、より詳細には高いオフセット防止効果を持ち、
実質上球状であるトナーを定着樹脂の重合工程中に収率
良く製造する方法に関する。
(従来技術) 電子写真法において受像シート上に形成されたトナー
画像を、シート上に永久定着する方法として加熱ローラ
ー定着法が広く普及している。この方法は加熱ローラー
表面と被定着シートの画像面とが圧接触するで、トナー
画像を被定着シートに熱溶着する際の効果率に優れ、迅
速定着が行えるので電子写真複写機には極めて好適であ
る。しかしながら、加熱ローラー定着方式は上述した種
々の点で好ましいものであるが、この方式においては、
オフセット現像の発生という重大な問題がある。これ
は、定着時に像を構成するトナーの一部が熱ローラー表
面に付着し、これが次の転写紙上に転移して画像を汚す
という現象である。
オフセット現像を防止する対策として、定着器側から
のアプローチとしては、ローラーの材質を選択する以外
に熱ローラーへ離型剤としてシリコンオイル等を塗布し
たり、又、トナー側からのアプローチとしては、低軟化
点ワックスを離型剤としてトナー中に含有させたり、溶
融トナー間の凝集力を向上させるために分子量分布を広
げるなどの対策が行われている。
前記トナーの一般的な製法としては、従来より定着樹
脂媒質中に着色剤、電荷制御剤、その他のトナー成分と
共にワックスを添加し溶融混練し、得られる塊状体を微
粉砕することにより製造されるが、このような方法にお
いては定着樹脂とワックスとの相溶性が悪いために、ワ
ックスを含有させる割合が制限され、十分な割合で含有
させようとするとトナー粒子中に均一に分散させること
ができず、トナー中のワックスの添加量が異なってワッ
クスの粒径が大きくなり、トナー粒子表面に遊離して存
在するようになり、トナーの定着性及び耐ブロッキング
性等に悪影響を与える。このようにワックスが一様に分
散したトナーを得ることは極めて困難である。
そこで上述する問題点を解決するために、特開昭60−
8309号公報、特開昭60−83040号公報には、ワックスを
重合性単量体に含有させ、該重合性単量体を重合するこ
とによりトナーを得る、所謂重合法によるトナーの製造
方法が提案されている。この場合においてもワックスの
重合性単量体中での分散性、相溶性に問題があり、重合
性単量体中のワックス成分は凝集した状態にあり、生成
された各トナー中のワックス成分量にばらつきを生じた
り、トナー中心部にワックスが凝集したりしてトナー個
々の帯電特性、定着性、流動性及び耐ブロッキング性に
満足できるトナーを得るに到っていない。
そこで、特開昭62−295073号公報においては、一旦ワ
ックスを重合性組成物中で溶解した後に析出させること
で重合性組成物中でワックスを微粒子状に析出させ、そ
の後に懸濁造粒して油滴粒子を得、重合することが提案
されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記公報に記載される方法では、ワッ
クスの分散粒子径を5μm以下にすることは可能である
が、微粒子状に析出したワックス粒子と重合性単量体と
の界面エネルギーが高く相溶性が悪いために、冷却後の
造粒工程においてワックス粒子が再凝集し、懸濁により
生成される各油滴粒子中のワックス成分量には依然とし
てバラツキを生じ、重合後に得られるトナーにはワック
ス粒子を核とした凝集物からなる不良粒子の混入したも
のが得られ、帯電特性にも悪影響を与える。また、トナ
ー個々のワックス成分が均一でないことから満足し得る
オフセット防止効果を得ることが出来ず、未だ耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性及び定着性に優れたトナーを
得るに到っていない。
よって、本発明は上述した問題点を解決するために成
されたものであり、その目的は耐オフセット性、耐ブロ
ッキング性に優れたトナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、ワックスがトナー中に微粒子状
に均一に分散したトナーの製造方法を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、ワックス成分をはじめとする各
添加剤が均一に分散した、粒子個々の特性差の小さいト
ナーの製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、少なくとも重合性単量体、ワックス
及び極性基含有重合体からなるトナー組成物を一旦加熱
してワックス及び極性基含有重合体を重合性単量体に溶
解し、次いで冷却してワックス及び極性基含有重合体を
析出させて、0.1乃至3μmのワックス−極性基含有重
合体複合粒子を形成させ、その後に懸濁重合することに
より、上記目的が達成される。
(作用) 本発明においては、ワックス成分の重合性組成物中で
の溶解・析出工程において、重合性組成物中に極性基含
有重合体成分を溶解させておき、ワックスの析出時に極
性基含有重合体成分をワックスと共に析出させることが
特徴である。
つまり、上記操作を行うことにより、析出したワック
ス成分はワックス−極性基含有重合体複合粒子として0.
1乃至3μmの極微細粒子に析出し、造粒工程及び重合
反応工程において懸濁油滴内にワックス成分が均一且つ
一様に分散した状態で存在することができる。
上記効果が得られる理由は明らかではないが、本発明
者は以下のように考えている。
ワックスの析出時に重合性組成物中に溶解している極
性基含有重合体を共に析出させることにより、析出ワッ
クス粒子表面に極性基含有重合体が付着析出し、結果的
にワックス粒子が極性基含有重合体で被覆された形とな
り、ワックス−極性基含有重合体複合粒子と重合性単量
体との界面エネルギーが小さくなり、ワックス成分が微
細に析出し再凝集することなく安定に存在するものと考
えている。そしてこのようにして得られた重合生成物と
してのトナーは、ワックス成分が各トナー中に均一分散
しており、トナーの耐ブロッキング性、耐オフセット性
及び定着性に優れたトナーを得ることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に使用される定着樹脂を形成し得る重合性単量
体としては、ラジカル重合性のものであり、しかも生成
重合体がトナーの要求される定着性と検電性を有する単
量体の1種又は、2種以上の組み合わせが前述した制限
のもとに使用される。これら単量体の適当な例として
は、ビニル芳香族単量体、アクリル単量体、ビニルエス
テル単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系
単量体、モノオレフィン系単量体等である。
ビニル芳香族単量体としては 式、 式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子であり、R2は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、ニトロ基、或いはビニル基である、 のビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o
−、m−、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、
ジビニルベンゼンの単独または2種以上の組み合わせを
挙げることができ、更に前述した他の単量体としては以
下のものを挙げることができる。
式、 式中、R3は水素原子又は低級アルキル基R4は水素原
子、炭素数12迄の炭化水素基、ヒドロキシルアルキル
基、或いはビニルエステル基である、 のアクリル系単量体、例えばアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシア
クリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピル、
σ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタ
クリル酸エチル、エチレングリコールジメタクリル酸エ
ステル、テトラエチレングリコールジメタクリル酸エス
テル等。
式、 式中、R5は水素原子又は低級アルキル基である、 のビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等。
式、 式中、R6は炭素数12迄の1価炭化水素基である、 のビニルエーテル、例えば、ビニル−n−ブチルエーテ
ル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキサシル
エーテル等。
式、 式中、R7、R8、R9の各々は水素原子、低級アルキル基
又はハロゲン原子である、 のジオレフィン類、特にブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン類。
式、 式中、R10、R11の各々は水素原子又は低級アルキル基
である、 のモノオレフィン類、特にエチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペン
テン−1等。
好適な単量体は、スチレン系単量体、アクリル系単量
体等でありる。
上記単量体中に含有させるワックスとしては、低分子
量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、パラフィン
ワックス等の各種ワックスが使用される。上記ワックス
の分子量は平均分子量が2000乃至15000、特に3000乃至1
0000であることが好ましい。
これら、ワックスは一般に重合性単量体100重量部当
り1乃至5重量部、特に1.5乃至3重量部使用すること
が好ましい。
上記ワックス成分と共に重合性単量体中に含有させる
極性基含有重合体としては、以下に示す極性単量体の単
独重合体か或いは前述した重合性単量体と極性単量体と
の共重合体であってもよい。
アニオン性単量体 本発明に使用されるアニオン性単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、マレイン
酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸等の不飽和二塩基酸の無水物、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−2メチルプロパン
スルホン酸、モノ−(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)アシドホスフェート、2−メタクリルロイルオキシ
エチルコハク酸等を挙げることができる。
カチオン性単量体 ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N−アミノエチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、2−ビニ
ルイミダゾール、2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ
プロピルメチルアンモニウムクロライド等の含窒素単量
体等を使用することができる。
上記極性単量体等からなる極性基含有重合体は、前述
した定着樹脂を形成し得る重合性単量体との溶解性及び
生成されたトナーの帯電特性等を考慮して便宜決定され
るが、一般に重合性単量体100重量部当たり0.5乃至10重
量部、好適には1乃至5重量部使用される。そして、ワ
ックスの融点(析出温度約90℃前後)において析出ワッ
クス量に対して、0.01乃至5倍、特に0.5乃至1倍の極
性基含有重合体が析出することが好ましく、この時に析
出する極性基含有重合体が上記範囲より少ない場合、同
時に析出するワックス粒子表面を充分に被覆することが
できず、ひいてはワックス粒子径の増大及びワックス粒
子のモノマー中での再凝集を招く。また、極性基含有重
合体の析出量が多すぎるとワックス−極性基含有重合体
粒子の粒子径の増大及び重合組成物の粘度の増大によ
り、トナー粒子径のブロード化を招く。但し、ワックス
の析出前に極性基含有重合体が析出していてもよく、ワ
ックスの析出時に共に析出する重合体量が上記範囲であ
れば本発明の効果が得られる。
この条件を満たす極性基含有重合体を得るには、高極
性単量体の重合体を用いるか、或いは低極性単量体と高
極性単量体の共重合体の組成比、重合度を変えることに
より溶解特性を調整する。例えば、定着用樹脂用単量体
としてスチレンを用いる場合は、極性基含有重合体とし
てスチレンと高極性単量体を用いればスチレン中での親
和性が高く、析出するワックス−極性基含有重合体複合
析出粒子も凝集せず、極性基含有重合体の共重合組成比
や重合度を調整することによりスチレン単量体中への溶
解特性を制御することができる。
極性基含有重合体は使用する単量体及び共重合比によ
っても異なるが、一般に重合体の分子量は1000乃至1000
00であり、特に2000内10000であることが好ましい。こ
れら重合体は公知の重合反応、塊状重合、溶液重合、懸
濁重合等によって生成することができるが、重合反応の
制御、操作性、不純物の混入の点で溶液重合が好まし
い。
本発明においては、重合性組成物中に着色剤をはじめ
とする他のトナー特性付与剤を添加することができる。
本発明に使用される着色剤としては、以下に記す種々
の顔料や染料(以下単に着色顔料と呼ぶ)が前記単量体
に含有させて使用できる。
黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラ
ック、アニリンブラック。
黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミ
ネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、
ネーブルスイエロー、テフトールイエローS、ハンザイ
エロー10G、ベンジジンイエローG、キノリンイエロー
レーキ、パーマネンエローNGG、タートラジンレーキ。
橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料 ベンガラ、カドミュウムレッド、鉛丹、硫化水銀カド
ミウム、パーマネントオレンジ4R、リソールレッド、ピ
ラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レ
ーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。
紫色顔料 マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ。
青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビク
トリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フ
タロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスエンブルーB
C。
緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリ
ーンG。
白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料 パライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン、タルク、アルミホワイト。
磁性材料顔料としては、例えば四三酸化鉄(Fe
3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O
4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化カドミウ
ム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(Pb
Fe12O19)、酸化鉄ネオジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリ
ウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、
酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFe
O3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(N
i)等が知られているが、本発明においてもこれら公知
の磁性材料の微粉末の任意のものを用いることができ
る。
前記単量体と着色剤との量比はかなり大幅に変化させ
得るが、一般的に言って、着色剤と単量体とを1:100乃
至20:100、特に3:100乃至10:100の重量比で用いること
ができる。
また、トナーの帯電特性を良好にするために電荷制御
剤を添加することもできる。例えば、ニグロシン、モノ
アゾ染料、亜鉛ヘキサデシルサクシネート、ナフトエ酸
のアルキルエステルまたはアルキルアミド、ニトロフミ
ン酸、N.N′−テトラメチルジアミンベンゾフェノン、
N.N′−テトラメチルベンジジン、トリアジン、サリチ
ル酸金属錯体等のこの分野で電荷制御剤と呼ばれる極性
の強い物質が使用される。これら電荷制御剤は重合性単
量体100重量部当たり0.1乃至3重量部使用される。
上述する各種成分からなる重合性組成物を水媒体中に
懸濁して、油滴粒子として安定化させる分散安定剤とし
ては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の水
溶性高分子やノニオン系或いはイオン系の界面活性剤
等、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム等の難水溶性無機塩微粉末等が使用される。
上記分散安定剤は水当たり1乃至50重量%、特に10乃
至25重量%の量で加えるとよい。懸濁油滴の粒子サイズ
は、5乃至30μm、特に8乃至12μmに調節するのが適
当である。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物や、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t
−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル等の過酸化物等の油溶性の開始剤が使用される。
この他にγ−線、加速電子線のようなイオン化放射線や
各種増感剤との組み合わせも使用される。
アゾ化合物、過酸化物等の重合開始剤の配合量は、所
謂触媒適量でよく、一般に仕込み単量体当たり0.1乃至1
0重量%の量で用いるのがよい。重合開始温度及び時間
は、公知のそれでよく、一般に40乃至100℃の温度で1
時間乃至50時間の重合で充分である。尚、反応系の撹拌
は、全体として均質な反応が生ずるような緩和な撹拌で
よく、又酸素による重合抑制を防止するために、反応系
を窒素等の不活性ガスで置換して重合を行ってもよい。
反応後の重合生成物は前述した粒度範囲で、ワックス
−重合体複合粒子が0.1乃至3μmの微粒子状に一様に
分散した球形の粒状物の形で得られ、この生成粒子を濾
過し、必要により水または適当な溶剤で洗浄し、乾燥し
て、トナー用着色粒子とする。
このトナー用着色粒子には、必要により、カーボンブ
ラック疎水性シリカ等をまぶして、最終トナーとする。
以下に、極性基含有重合体の合成例及び実施例を記載
し、本発明を更に詳細に説明する。
(合成例1) 無水マレイン酸 50重量部 スチレン 50重量部 AIBN(重合開始剤) 20重量部 メタノール 800重量部 から成る重合性反応溶液を調整し、窒素雰囲気下80℃で
通常の溶液重合法により重合体を合成した。減圧乾燥に
よって重量平均分子量が2500である重合体を得た。これ
を重合体−とする。
この重合体−は、90℃においてスチレンモノマー10
0重量部に対して1重量部で飽和溶解する。この重合体
−2重量部、スチレン100重量部、ポリプロピレンワ
ックス:ビスコール550P(山陽化成製)2重量部を混合
して加熱溶解した後、室温まで冷却して析出したワック
ス−重合体複合粒子の分散状態を確認したところ、析出
粒子の最大径は2μmで、スチレン中で析出粒子は再凝
集することなく均一に分散していた。
比較のため、スチレン100重量部、ビスコール550P:2
重量部だけを用いて同様に析出させた粒子は最大径が5
μmで、スチレン中でワックスの析出粒子は再凝集して
おり、底部に沈澱した。
(合成例2) 2−メタクリロイルオキシコハク酸メチル 60重量部 スチレン 40重量部 AIBN(重合開始剤) 15重量部 メタノール 700重量部 からなる重合性反応液を調整し、合成例−1と同様にし
て重量平均分子量が2200の重合体−を得た。この重合
体−は、90℃においてスチレンモノマー100重量部に
対して2重量部で飽和溶解する。
以下、合成例−1において重合体−を2重量部使用
するかわりに重合体−を4重量部使用する他は同様に
してワックス−重合体複合粒子を析出させたところ析出
粒子の最大径は2.5μmであった。
(合成例3) モノ−(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホ
スフェート 60重量部 スチレン 40重量部 AIBN(重合開始剤) 15重量部 メタノール 700重量部 からなる重合性反応液を調整し、合成例−1と同様にし
て重量平均分子量が2400の重合体−を得た。この重合
体−は、90℃においてスチレンモノマー100重量部に
対して1重量部で飽和溶解する。
以下、合成例−1において重合体−を2重量部使用
するかわりに重合体−を2重量部使用する他は同様に
してワックス−重合体複合粒子を析出させたところ析出
粒子の最大径は2μmであった。
(合成例4) テトラヒドロフルフリルフタクリレート 100重量部 AIBN(重合開始剤) 15重量部 メタノール 500重量部 からなる重合性反応液を調整し、合成例−1と同様にし
て重合平均分子量が2700の重合体−を得た。この重合
体−は、90℃においてスチレンモノマー100重量部に
対して3重量部で飽和溶解する。
以下、合成例−1において重合体−を2重量部使用
するかわりに重合体−を5重量部使用する他は同様に
してワックス−重合体複合粒子を析出させたところ析出
粒子の最大径は2.5μmであった。
(実施例1) スチレン 90重量部 n−ブチルメタクリレート 10重量部 重合体− 2重量部 電荷制御剤(ボントロンS−36、オリエント化学社製)
1重量部 グラフト処理カーボンブラック 5重量部 ボリプロピレンワックス 2重量部 からなる組成物を撹拌下で100℃まで加熱し、ポリプロ
ピレンワックスを一旦溶解させた後、室温まで冷却し
た。ここで重合開始剤AIBN4重量部を加え溶解し、重合
性組成物とした。
次に、 水 400重量部 リン酸カルシウム 15重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.01重量部 からなる分散媒に上記重合性組成物を投入して、T.K.−
ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて懸濁分散した
後、窒素雰囲気下80℃で通常の撹拌を行い5時間重合反
応を行い、重合体粒子を含む懸濁液を得た。重合時に副
生したトナー凝集物は1%未満であった。
このトナー懸濁液を塩酸で洗浄することにより、付着
残存しているリン酸三カルシウムを溶解除去した後、水
で洗浄し濾過、乾燥してトナーを得た。このトナーの粒
度分布をコールターカウンターにより測定したところ、
体積平均径は10.4μmで5μm以下の微粉トナーは0.1
%、20μm以上の粗粉トナーは0.2%であった。
更に、このトナーをフェライトキャリアと混合して電
子写真複写機DC−1001(三田工業製)を用いて複写試験
をおこなったところ、熱定着オフセットのない良好な画
像が得られた。
(実施例2) 実施例1において重合体−2重合部を重合体−4
重量部とした以外は同様にして、トナーを合成した。重
合時に副生したトナー凝集物は1%未満であった。
トナーの粒度分布は、体積平均径が10.1μmで5μm
以下の微粉トナーは0.2%、20μm以上の粗粉トナーは
0.5%であった。
更に、同様にして複写試験を行ったところ、熱定着オ
フセットのない良好な画像が得られた。
(実施例3) 実施例1において重合体−2重量部を重合体−2
重量部とした以外は同様にして、トナーを合成した。重
合時に副生したトナー凝集物は1%未満であった。
トナーの粒度分布は、体積平均径が10.3μmで5μm
以下の微粉トナーは0.2%、20μm以上の粗粉トナーは
0.3%であった。
更に、同様にして複写試験を行ったところ、熱定着オ
フセットのない良好な画像が得られた。
(実施例4) 実施例1において重合体−2重量部のかわりに重合
体−5重量部を使用した以外は同様にして、トナーを
合成した。
重合時に副生したトナー凝集物は1%未満であった。
このトナーの粒度分布は体積平均径が9.6μmで5μm
以下の微粉トナーは1.0%で、20μm以上の粗粉トナー
は0.1%であった。
更に、複写試験をおこなったところ熱定着オフセット
をない良好な画像が得られた。
(比較例1) 実施例1において重合体−を添加しない他は同様に
してトナーを合成した。スチレンに対して親和生の低い
ワックスが移行し、懸濁液滴表面に露出し、これを核と
してトナー凝集物が3.2%発生した。
このトナーの粒度分布を測定したところ、体積平均径
が10.5μmで5μm以下の微粉トナーは0.3%で、20μ
m以上の粗粉トナーは1.2%であった。
更に複写試験をおこなったところ、熱定着オフセット
による汚れが発生し、複写紙は定着ローラーによるカー
ルが生じた。
(比較例2) 実施例1において重合体−の添加量を0.5重量部と
した以外は、同様にしてトナーを合成した。
重合時に副生したトナー凝集物は1.8%であった。こ
のトナーの粒度分布を測定したところ、体積平均径が1
0.3μmで5μm以下の微粉トナーは0.1%で、20μm以
上の粗粉トナーは0.8%であった。
更に複写試験をおこなったところ、熱定着オフセット
による汚れが発生し、複写紙は定着ローラーによるカー
ルが生じた。
(比較例3) 実施例1において重合体−の添加量を6重量部とし
た以外は、同様にしてトナーを合成した。
重合時に副生したトナー凝集物は1.%未満であった。
このトナーの粒度分布を測定したところ、体積平均径が
11.5μmで5μm以下の微粉トナーは0.1%で、20μm
以上の粗粉トナーは1.5%であった。
更に複写試験をおこなったところ、熱定着オフセット
による汚れが発生し、複写紙は定着ローラーによるカー
ルが生じた。
以下に、表−1に実施例及び比較例の結果を記す。
表−1より、極性基を含有した重合体と共にワックス
成分を析出させることにより、ワックスが微小粒径で析
出し、トナー合成においても凝集物の発生が少なく粒度
分布のシャープなトナー粒子を生成することがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば、重合性単量体中でワックス成分を極
性基を含有する重合体とともに析出することにより、ワ
ックス−重合体複合粒子の微小粒子として析出し、析出
粒子は懸濁重合時も油敵粒子内に均一に分散した状態に
あり、重合時の不良な凝集体を発生することなく定着性
に良好なトナーを収率よく製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも重合性単量体、ワックス及び極
    性基含有重合体からなるトナー組成物を一旦加熱してワ
    ックス及び極性基含有重合体を重合性単量体に溶解し、
    次いで冷却してワックス及び極性基含有重合体を析出さ
    せて、0.1乃至3μmのワックス−極性基含有重合体複
    合粒子を形成させ、その後に懸濁重合する静電荷像現像
    用トナーの製造方法。
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