JP2702727B2 - 静電荷像現像用トナーの製法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製法

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JP2702727B2
JP2702727B2 JP63017320A JP1732088A JP2702727B2 JP 2702727 B2 JP2702727 B2 JP 2702727B2 JP 63017320 A JP63017320 A JP 63017320A JP 1732088 A JP1732088 A JP 1732088A JP 2702727 B2 JP2702727 B2 JP 2702727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、静電荷像現像用トナーの製法に関するもの
で、より詳細には、電荷制御作用、流動性に優れ、しか
も粒度特性も比較的均質なトナー及びその製法に関す
る。
(従来の技術) 電子写真法の分野では、静電像を可視像化する目的で
トナーを使用している。このトナー粒子は、樹脂媒質中
に着色剤、要すれば電荷制御剤等の他の配合物を配合し
て成る組成物を一定の粒度範囲、例えば5乃至30μmの
粒径範囲としたものから成っており、樹脂媒質として所
望の検電性と結着性とを備えた樹脂、例えばスチレン系
樹脂等が使用され、着色剤としてはカーボンブラックや
他の有機系又は無機系着色顔料が使用される。
電子写真用トナーの最も代表的な製法は、前述した樹
脂媒質と着色剤とを溶融混練し、この混練組成物を冷却
粉砕し、粉砕物を分級して一定の粒度範囲に揃える工程
から成る。しかしながら、この粉砕・分級により得られ
るトナーの収率は極めて低く、またこれらの操作のため
に多大な設備を必要とし、そのためにトナーの製造コス
トを極めて高いものとしている。また、得られる粒子の
形状が不規則であるため、トナーの流動性が概して低
く、ブロッキングを発生し易いという欠点も認められ
る。
一方、粉砕工程を含まずに直接的に着色重合体微粒子
を得る方法として、例えば特公昭36−10231号公報、特
公昭51−14895号公報、特公昭53−17735号公報、特公昭
53−17736号公報、特公昭53−17737号公報及び特公昭47
−51830号公報に記載されているように、重合法による
方法が提案されている。
これらは所謂懸濁重合法によるものであって、重合性
単量体、重合開始剤及び着色剤を成分とする重合組成物
を、水性分散媒中に懸濁し重合して直接的にトナーを製
造するものである。この方法は、生成されるトナーの粒
子が球形であって流動性が優れており、しかも製造工程
が簡略であってコストも低廉となるという長所を有す
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この懸濁重合法によるトナーの製造方
法においては、電荷制御剤が直接寄与する粒子表面近傍
には配位せずに、粒子表面に埋没してしまうため、粉砕
法による製造に比べて、同等の帯電特性を得るには多量
の電荷制御剤を必要とする。
一方、電荷制御剤の中には重合禁止作用をしめすもの
も多く、得られる重合体が低分子量となったり、重合時
間が長びくこと、及び重合反応が完結しないことから使
用量が制限されたりする。更に、重合組成物中に多量の
電荷制御剤を分散乃至溶解させると、重合組成物の粘度
が上昇して、懸濁油滴生成時に粒度分布がブロードにな
るという問題もある。また、特開昭58−144836号公報に
は、アクリロニトリル等の極性基を有する単量体を構成
成分とする共重合体を重合組成物中に添加して、懸濁重
合することが記載されている。しかしながら、この方法
においては、前もって共重合体を合成する設備及び操作
が必要であり、煩雑でコスト高になるという問題があ
る。また、この方法においても十分な帯電量を得るに
は、どうしても共重合体成分を多く添加しなければなら
ず、やはり重合組成物の粘度を上昇させ、懸濁油滴生成
時に粒度分布がブロードになるという問題点を有してい
る。
従って、本発明の目的は、従来の静電荷像現像用トナ
ーにおける前記欠点を解消し、電荷制御作用、トナー流
動性(耐熱性)及び粒度の均一性の組合せに優れたトナ
ーの製法を提供するにある。
本発明の他の目的は、一段の懸濁重合法で、前記特性
を有する静電荷像現像用トナーを効率よく製造し得る方
法を提供するにある。
本発明の更に他の目的は、電荷制御性官能基含有単量
体を従来法のそれに比して著しく少ない量で含有しなが
ら、十分な電荷制御作用が得られるトナーの製法を提供
するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、定着用樹脂を形成し得る水不溶性単
量体を水性媒体中に懸濁分散させた後、この懸濁分散液
に電荷制御性官能基を有する水溶性単量体を添加して水
性媒体中に溶解させ、この懸濁重合系をラジカル重合開
始剤の存在下に重合させて、樹脂粒子の表面に電荷制御
性官能基が存在する懸濁重合粒子を形成させることを特
徴とする静電荷像現像用トナーの製造法が提供される。
(作 用) 本発明に用いる重合系では、水性媒体中に電荷制御性
官能基含有水溶性単量体が溶解されており、定着用樹脂
を形成し得る水不溶性単量体がこの水性媒体中に懸濁さ
れていることが重要な特徴である。懸濁重合法では、ト
ナーに適した比較的粒径の大きい球状粒子が得られると
いう利点があり、この重合法では、ラジカル重合開始剤
が懸濁粒子中にとり込まれていて、油相で重合が開始さ
れる。本発明の重合系でラジカル重合を開始すると、先
ず懸濁粒子中で水不溶性単量体の重合を生じ、その重合
体鎖の(A)が生成する。一方水相に存在する水溶性単
量体は、懸濁粒子表面に存在する高分子ラジカルと反応
し、懸濁粒子表面に取り込まれて、その重合体鎖(B)
を形成する。
このように、本発明によるトナーでは水不溶性単量体
の重合体鎖(A)に対して水溶性単量体の重合体鎖
(B)が共重合していること、及び水不溶性単量体から
成る重合体鎖(B)が最終重合体粒子の表面に偏在して
いることが顕著な特徴である。このため、重合体鎖
(A)と重合体鎖(B)との組成比が、重量比で10,00
0:1乃至100:5、特に10,000:1乃至1,000:5のように、重
合体鎖(B)の含有量が著しく少ない場合にも、十分な
帯電性向上がもたらされるものである。しかも官能基含
有重合体鎖(B)が重合体鎖(B)に共重合しているこ
とから、十分高分子量で耐熱性に優れており、トナーと
しての流動性も満足すべきものとなる。また、得られる
重合体粒子は、懸濁重合粒子としての特性を備えてお
り、トナーに適した粒度特性を有する。
(好適態様) 単量体 定着用樹脂を形成し得る水不溶性単量体としては、定
着性と検電性とを有する熱可塑性樹脂を形成し得るもの
であり、例えばその適当な例はこれに限定されないが、 ビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエス
テル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン
系単量体、モノオレフィン系単量体等である。
ビニル芳香族単量体としては、 式 式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子であり、R2は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、ニトロ基、或いはビニル基である、 のビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o
−,m−,p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、ジビ
ニルベンゼンの単独又は2種以上の組合せを挙げること
ができ、更に前述した他の単量体としては以下のものが
夫々挙げられる。
式、 式中、R3は水素原子又は低級アルキル基、R4は水素原
子、炭素数12迄の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、
或いはビニルエステル基である、 のアクリル系単量体、例えばアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシア
クリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピル、
δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタ
クリル酸エチル、エチレングリコールジメタクリル酸エ
ステル、テトラエチレングリコールジメタクリル酸エス
テル等。
式、 式中、R5は水素原子又は低級アルキル基である、 のビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等。
式、 式中、R6は炭素数12迄の1価炭化水素基である、 のビニルエーテル、例えばビニル−n−ブチルエーテ
ル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエ
ーテル等。
式、 式中、R7、R8、R9の各々は水素原子、低級アルキル基
又はハロゲン原子である、 のジオレフィン類、特にブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン等。
式、 式中、R10、R11の各々は水素原子又は低級アルキル基
である、 のモノオレフィン類、特にエチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペン
テン−1等。
好適な単量体は、スチレン系単量体、アクリル系単量
体、スチレン−アクリル単量体等である。この単量体に
は着色剤を含有させることができ、このような着色剤と
しては、トナーを着色するための種々の顔料や染料(以
下単に着色顔料と呼ぶ)が使用される。
着色顔料の適当な例は次の通りである。
黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラ
ック、アニリンブラック。
黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンエロー、ネーブ
ルスエロー、ナフトールエローS、ハンザーイエロー
G、ハンザーイエロー10G、ベンジジンエローG、ベン
ジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネント
エローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダ
ンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジ
G、インダンスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミ
ウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、
ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアント
カーミン3B。
紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットR、メチルバイオ
レットレーキ。
青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビク
トリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フ
タロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。
緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリ
ーンG。
白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン、タルク、アルミナホワイト。
磁性材料顔料としては、従来例えば四三酸化鉄(Fe3O
4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe
2O4)、酸化鉄イツトリウム(Y3Fe5O12)、酸化カドミ
ウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリウム(Gd3Fe5O12)、酸
化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ネ
オジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、
酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnF
e2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバ
ルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知られているが、
本発明においてもこれら公知の磁性材料の微粉末の任意
のものを用いることができる。
着色剤と水不溶性単量体との量比はかなり大幅に変化
させ得るが、一般的に言って、着色剤と水不溶性単量体
とを1:100乃至20:100、特に3:100乃至10:100の重量比で
用いることができる。
着色樹脂粒子の粒径は、一般に3乃至30μm、特に5
乃至20μmの範囲内にあるのがよく、またその粒子形状
は、球状、不規則形状等の任意の形状であってよい。
一方、電荷制御性官能基含有含有水溶性単量体として
は、スルホン酸、リン酸、カルボン酸型のアニオン性
基、或いは1級−、2級−又は3級−アミノ基や第4級
アンモニウムのようなカチオン性基等の電解性基を有す
るラジカル重合性単量体が挙げられ、その適当な例は、
次の通りである。
スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン
酸、2−アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、
2−アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−
クロロ2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレー
ト、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、クロトン
酸、テトラヒドロテレフタル酸、イタコン酸、アミノス
チレン、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピル
アクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、
γ−N−(N′,N′−ジエチルアミノエチル)アミノプ
ロピルメタクリレート、トリメチルアンモニウムプロピ
ルメタクリレート。
重合法 本発明によれば、水不溶性単量体を水中に懸濁させ
る。この場合、水不溶性単量体の濃度は、一般に1乃至
50重量%、特に5乃至30重量%が適当であり、懸濁粒子
のサイズは、一般に3乃至30μm、特に5乃至20μmに
調節するのが適当である。
水不溶性単量体の懸濁状態を安定化させるために必要
に応じて分散安定剤を用いることもできる。そのような
分散安定剤としては、媒体中に可溶の高分子例えば、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レンオキシド、ポリ(ハイドロオキシステアリン酸−g
−メタクリル酸メチル−co−メタクリル酸)共重合体や
ノニオン性或いはイオン性界面活性剤などが適宜使用さ
れる。分散安定剤は、系中に0.1乃至10重量%、特に0.5
乃至5重量%の量で加えることが好ましい。
水溶性単量体は、水不溶性単量体を水性媒体中に懸濁
分散させた後に、該懸濁分散液に添加して水性媒体中に
溶解させる。水不溶性単量体の懸濁に先立って或いは同
時に水中に溶解させると、懸濁状態での発泡等により、
水不溶性単量体の重合体鎖をトナー表面に偏在させるこ
とが困難となるからである。水中での濃度は一般に0.00
01乃至30重量%、特に0.01乃至1重量%とすることがで
きる。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物や、クメンヒドロペルオキシド、t−
ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ
−t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル等の過酸化物など水不溶性単量体に可溶なも
のが使用される。この他にγ−線、加速電子線のような
イオン化放射線や紫外線と各種光増感剤との組合せも使
用される。
アゾ化合物、過酸化物等の重合開始剤の配合量は、所
謂触媒適量でよく、一般に仕込単量体当たり0.1乃至10
重量%の量で用いるのがよい。重合温度及び時間は、公
知のそれでよく、一般に40乃至100℃の温度で1乃至50
時間の重合で十分である。尚、反応系の撹拌は、全体と
して均質な反応が生ずるような穏和な撹拌でよく、また
酸素による重合抑制を防止するために、反応系を窒素等
の不活性ガスで置換して重合を行ってもよい。
反応後の重合生成物は前述した粒度範囲の粒状物の形
で得られるので、生成粒子を濾過し、必要により水又は
適当な溶剤で洗浄し、乾燥して、トナー用着色粒子とす
る。
このトナー用着色粒子には、必要により、カーボンブ
ラック疎水性シリカ等をまぶして、最終トナーとする。
本発明においては、トナーに含有させることが望まし
い添加剤成分を、重合に先立って重合系中に配合してお
くことができる。例えば、トナー帯電量の安定化のため
に、公知の電荷制御剤を油滴生成時の油滴の粒径がブロ
ードにならない程度に少量使用することもできる。ま
た、トナーにオフセット防止効果を付加するために、低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、各種ワ
ックス、シリコーン油等の離型剤を含有させることがで
きる。
(発明の効果) 本発明によれば水不溶性単量体を懸濁させる水性媒体
中に電荷制御性官能体を含有する水溶性単量体を含有さ
せることにより、一段の懸濁重合で、電荷制御性基を表
面に優先的に有するトナーを効率よく製造することがで
きた。また、高価な電荷制御性官能基含有単量体の使用
量を低くしながら、帯電性を十分に向上させることがで
きた。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1) スチレン 70重量部 n−ブチルメタクリレート 30重量部 電荷制御用染料(ボントロンS−36オリエント化学
製) 1重量部 グラフト処理カーボンブラック(MA−100 三菱化成
製) 5重量部 低分子量ポリプロピレン(ビスコール550P 三洋化成
製) 1.5重量部 重合開始剤 (AIBN) 4重量部 上記混合物を重合性組成物とし、 水 400重量部 ポリビニルアルコール 10重量部 からなる分散媒に重合性組成物を投入して、TK−ホモミ
キサー(特殊機化工業製)を用いて懸濁分散した後、マ
レイン酸1.8重量部を懸濁液に溶解し、窒素雰囲気下80
℃で通常の撹拌を行ない、5時間重合させた。この粒子
を取り出した後、温水で洗浄し、濾過、乾燥して本発明
のトナーを得た。
このトナーの粒度分布をコールターカウンターを用い
て測定したところ、体積平均径は10.8μmで、5μm以
下の微粒トナーは、0.5%であった。
このトナーをフェライトキャリアと混合し、摩擦撹拌
させ、ブローオフ法によりトナー帯電量を測定したとこ
ろ−17.9μc/gであった。また、トナーの帯電極性の分
布を調べるために、幅70mm、ギャップ5mm、印加電圧150
0Vの鉛直に配列した平行電極間に950mm/secで空気流を
導入し、現像剤を落下させたところ、側電極のみにト
ナーが付着し、側電極には全くトナーが付着しなかっ
た。このことより、帯電トナー粒子は殆ど存在しない
ことがわかる。更に、この現像剤を電子写真複写機DC−
1001(三田工業社製)にて複写試験をおこなったとこ
ろ、画像はカブリの発生も無く、細線の再現も良好で、
複写機内でのトナー飛散もなかった。
(実施例2) 実施例1の水溶性単量体をフェニルビニルホスホニッ
クアシッド0.6重量部を用いた以外は、同様の操作でト
ナーを合成した。更に、実施例1と同様にして各試験を
おこなったところ、体積平均径は11.0μmで、微粉トナ
ーは0.3%であり、トナー帯電量が−15.4μc/gで、逆極
性トナーも殆ど無く、帯電性は良好であった。複写試験
においても、同様に良好な結果が得られた。
(実施例3) 実施例1の水溶性単量体をスチレンスルホン酸ソーダ
0.25重量部を用いた以外は、同様の処方及び操作を行っ
た。体積平均径は10.3μmで、微粉トナーは0.6%で、
トナー帯電量は−17.9μc/gであった。
また複写試験においても、カブリがなく、細線の再現
も良好な鮮明な画像が得られた。
(実施例4) 実施例1の水溶性単量体をアクリロニトリル1.0重量
部用いた以外は、同様の処方及び操作を行った。体積平
均径が11.2μmで、微細トナーは0.1%であつた。トナ
ー帯電量は−14.2μc/gであった。
また複写試験においても、カブリがなく、細線の再現
も良好な鮮明な画像が得られた。
(比較例1) 実施例1の水溶性単量体を添加しない以外は、実施例
1と同様の操作でトナーを合成した。更に実施例1と同
様にして各試験をおこなったところ、体積平均径は10.8
μmで、微細トナーは0.5%であり、トナー帯電量が−
8.9μc/gで、わずかながら逆極性のトナーの存在が認め
られた。
(比較例2) スチレン 70重量部 n−ブチルメタクリレート 30重量部 電荷制御用染料(ボントロンS−36オリエント化学
製) 1重量部 グラフト処理カーボンブラック(MA−100 三菱化成
製) 5重量部 低分子量ポリプロピレン(ビスコール550P 三洋化成
製) 1.5重量部 重合開始剤 (AIBN) 4重量部 マレイン酸−スチレン共重合体(組成比4:6分子量250
0) 4.5重量部 上記混合物を重合性組成物とし、 水 400重量部 ポリビニルアルコール 10重量部 からなる分散媒に重合性組成物を投入して、TK−ホモミ
キサー(特殊機化工業製)を用いて懸濁分散した後、窒
素雰囲気下80℃で通常の撹拌を行い、5時間重合させ
た。得られた反応生成物より重合体粒子を濾過し、洗
浄、乾燥してトナーを得た。体積平均径は9.1μmで、
微細トナーは1.9%であり、ブローオフ法によるトナー
帯電量は−9.1μc/gであった。
(比較例3) 比較例2のマレイン酸−スチレン共重合体を12重量部
用いた以外は、比較例2と同様の操作でトナーを合成し
た。体積平均径は7.9μmで、微細トナーは2.4%であ
り、トナー帯電量は−10.5μc/gであった。
(比較例4) 比較例2の水溶性単量体−スチレン共重合体をフェニ
ルビニルホスホニックアシッド−スチレン共重合体(組
成比4:6分子量2000)1.5重量部を用いた以外は、比較例
2と同様の操作でトナーを合成した。体積平均径は9.8
μmで、微粉トナーは3.2%であり、トナー帯電量は−1
0.4μc/gであった。
(比較例5) 比較例4のフェニルビニルホスホニックアシッド−ス
チレン共重合体を6.3重量部用いた以外は、比較例4と
同様の操作でトナーを合成した。体積平均径は9.2μm
で、微粉トナーは3.9%であり、トナーの帯電量は−13.
4μc/gであった。
(比較例6) 比較例2の水溶性単量体−スチレン共重合体をスチレ
ンスルホン酸ソーダースチレン共重合体(組成比4:6分
子量2400)0.63重量部を用いた以外は、比較例2と同様
の操作でトナーを合成した。体積平均径は8.2μmで、
微粉トナーは7.1%であり、トナーの帯電量は−12.8μc
/gであった。
(比較例7) 比較例6のスチレンスルホン酸ソーダスチレン共重合
体を1.3部用いた以外は、比較例6と同様の操作でトナ
ーを合成した。体積平均径は7.7μmで、微粉トナーは1
2.3%であり、トナーの帯電量は−13.3μc/gであった。
(比較例8) 比較例2の水溶性単量体−スチレン共重合体をアクリ
ロニトリル−スチレン共重合体(組成比4:6分子量550
0)2.5重量部を用いた以外は、比較例2と同様の操作で
トナーを合成した。体積平均径は11.4μmで、微粉トナ
ーは6.3%であり、トナー帯電量は−9.1μc/gであっ
た。
(比較例9) 比較例8のアクリロニトリル−スチレン共重合体を5.
0重量部を用いた以外は、比較例8と同様の操作でトナ
ーを合成した。体積平均径は11.9μmで、微粉トナーは
6.0%であり、トナー帯電量は−9.0μc/gであった。
以上、実施例及び比較例より、本発明によるトナー
は、電荷制御性官能基含有単量体を少量使用するだけ
で、高帯電量を有し、しかもトナー粒子径が均一なトナ
ーが得られることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着用樹脂を形成し得る水不溶性単量体を
    水性媒体中に懸濁分散させた後、この懸濁分散液に電荷
    制御性官能基を有する水溶性単量体を添加して水性媒体
    中に溶解させ、この懸濁重合系をラジカル重合開始剤の
    存在下に重合させて、樹脂粒子の表面に電化制御性官能
    基が存在する懸濁重合粒子を形成させることを特徴とす
    る静電荷像現像用トナーの製造法。
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