JPH08190222A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法

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JPH08190222A
JPH08190222A JP7003534A JP353495A JPH08190222A JP H08190222 A JPH08190222 A JP H08190222A JP 7003534 A JP7003534 A JP 7003534A JP 353495 A JP353495 A JP 353495A JP H08190222 A JPH08190222 A JP H08190222A
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JP
Japan
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toner
monomer
droplets
weight
particles
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Application number
JP7003534A
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English (en)
Inventor
Kiyobumi Nakatsu
清文 中津
Toshiaki Akiyama
俊明 秋山
Toshiaki Okae
寿朗 岡江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異形化されているため、クリーニングブレー
ドによるクリーニング性にすぐれた電子写真用トナー
を、懸濁重合法により、より確実に製造する方法を提供
する。 【構成】 重合性単量体を含みモノマー相を、水性分散
媒中に液滴状に懸濁分散させて、懸濁重合によりトナー
粒子を製造する際に、体積基準の平均粒径が、モノマー
相の液滴の平均粒径の60〜300%である難水溶性の
無機粒子を添加して、上記モノマー相の液滴を異形化す
る。無機粒子は、トナー粒子の製造後に化学的に除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、いわゆる懸濁重合法
によって電子写真用トナーを製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真用トナーは、スチレン−
アクリル系共重合体等の定着用樹脂と、着色剤としての
カーボンブラックその他の添加剤とを溶融混練し、つい
で粉砕、分級することにより製造される。しかし、かか
る粉砕型のトナーは粒度分布が広いために、帯電を均一
にすることが困難であり、しかも粒径が大きいために、
解像度の高い画像を得るのが困難であった。また得られ
る粒子の形状が不規則であるため、トナーの流動性が概
して低く、ブロッキング等を発生しやすいという問題も
あった。
【0003】そこで近時、懸濁重合法による樹脂粒子の
製造を利用したトナーの製造方法が提案された。この方
法は、上記定着用樹脂の元になる水不溶性の重合性単量
体と、これに可溶な重合開始剤と、カーボンブラックそ
の他の添加剤とを含む液状のモノマー相(油相)を作製
し、それを水等の水性分散媒中に液滴状に懸濁分散させ
つつ加熱して、重合性単量体を重合させる方法である。
【0004】かかる方法によって製造される電子写真用
トナーは粒度分布が狭く、しかも懸濁条件を変更するこ
とでより小粒径化が可能であるため、帯電特性にすぐれ
るとともに、高品質画像が得られるという利点がある。
しかし、懸濁重合法によって得られる電子写真用トナー
は、その粒子形状がほとんど球形であるため、流動性に
はすぐれるもののクリーニング性が悪いという問題があ
った。つまり、上記のように球形のトナーは、画像形成
後の感光体表面に残留した場合に、当該感光体表面に圧
接させたクリーニングブレードで除去するのが難しいの
である。
【0005】そこで、上記球形のトナー粒子の表面に凹
部を形成して、トナー形状を異形化することで、クリー
ニングブレードによるクリーニング性を向上すべく、モ
ノマー相に難水溶性の無機微粒子を加えて懸濁重合を行
い、得られたトナー粒子の表面に露出した無機微粒子を
酸等で化学的に除去して、当該トナー粒子の表面に凹部
を形成するトナーの製造方法が提案された(特開昭62
−266557号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者ら
が上記方法について追試を行ったところ、トナー粒子の
表面に、凹部を確実に形成できないことが明らかとなっ
た。すなわち上記方法で使用する無機微粒子は、定着用
樹脂の原料である重合性単量体より親水性が高く、かつ
重合性単量体との親和性が低いため、モノマー相に十分
に分散させておいても、懸濁操作によってモノマー相を
水性分散媒中に液滴状に懸濁分散させた際には、当該無
機微粒子は液滴表面に残留せず、水性分散媒中に容易に
移動してしまう。このため、重合後のトナー粒子表面に
は無機微粒子が全く存在しないか、あるいはごく僅かし
か存在せず、したがって、トナー粒子の表面に、確実に
凹部を形成できないのである。
【0007】この発明の目的は、粒度分布が狭くかつ小
粒径化が可能で、しかも流動性にすぐれる、という懸濁
重合法によるトナー粒子の利点はそのまま保持し、しか
も異形化されているため、クリーニングブレードによる
クリーニング性にもすぐれた電子写真用トナーを、より
確実に製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、発明者らは、無機微粒子をモノマー相の液
滴中でなく水性分散媒中に、上記液滴とともに混在させ
て、液滴の無機微粒子への付着や、あるいは両者の接触
によって、当該液滴、ひいてはトナー粒子を異形化する
ことを検討した。
【0009】その結果、従来と同じ小粒径の無機微粒
子、つまりモノマー相の液滴の平均粒径の、約10〜5
0%程度の平均粒径を有する微粒子を水性分散媒中に添
加したのでは異形化の効果は得られないが、当該無機微
粒子よりも平均粒径の大きい無機粒子を使用した場合に
は、上記接触や付着の効果による液滴の異形化が可能で
あることを見出した。そこで、モノマー相の液滴を効率
的かつ確実に異形化できる、無機粒子の粒径範囲につい
てさらに検討した結果、この発明を完成するに至った。
【0010】すなわちこの発明の電子写真用トナーの製
造方法は、重合性単量体を含むモノマー相を、水性分散
媒中に液滴状に懸濁分散させるとともに、当該水性分散
媒中に添加された、体積基準の平均粒径が、モノマー相
の液滴の平均粒径の60〜300%である難水溶性の無
機粒子によって、上記モノマー相の液滴を異形化しつつ
重合させてトナー粒子を得た後、上記無機粒子を化学的
に除去することを特徴とするものである。
【0011】以下にこの発明を説明する。この発明の電
子写真用トナーの製造方法の工程は、水性分散媒に無機
粒子を添加すること以外は、従来と同様である。すなわ
ちまず、モノマー相と水性分散媒と懸濁安定剤とを、た
とえば102 〜108 ダイン/cm程度の剪断力で攪拌
して、水性分散媒中に、モノマー相が球形の液滴状に懸
濁、分散された懸濁液を作製する。
【0012】つぎに上記懸濁液を攪拌しつつ、−30〜
90℃、特に30〜80℃の温度で0.1〜50時間程
度の重合を行うと、重合性単量体が重合してトナー粒子
が得られる。このとき、酸素による重合の停止反応を抑
制するために反応系内を不活性ガスで置換することが好
ましい。無機粒子は、上記工程中、重合が進行して、モ
ノマー相の液滴が流動性を失う以前の任意の段階で、水
性分散媒中に添加することができる。具体的にはたとえ
ば、 懸濁安定剤とともに、モノマー相混合前の水性分散
媒中に分散させる、 水性分散媒とモノマー相とを懸濁させる工程の途中
で添加する、 重合開始後、液滴が流動性を失う以前の段階で添加
する、 等が考えられる。
【0013】また上記無機粒子は、重合が進行して、モ
ノマー相の液滴が流動性を失った後の任意の段階で、化
学的に除去することができるが、とくに、反応液中から
分離したトナー粒子を酸あるいはアルカリで洗浄して懸
濁安定剤を除去する際に、同時に除去するのが、作業能
率上の観点からいって望ましい。かくして得られる電子
写真用トナーの粒径はとくに限定されないが、高解像度
の画像を得るために、中心粒径が10μm前後、粒度分
散が1.50以下の範囲内であるのが望ましい。
【0014】無機粒子としては、難水溶性で、しかも重
合後の化学的処理、すなわち酸あるいはアルカリで容易
に溶解するものが採用される。また上記無機粒子として
は、モノマー相の液滴を異形化させる効果を考慮する
と、形や粒径の揃ったものよりも、不定形でかつ粒径に
ある程度のばらつきのあるものが好ましい。かかる無機
粒子の具体例としては、これに限定されるものではない
が、たとえば大理石粉等の、天然鉱物の粉があげられ
る。大理石粉は酸によって溶解する。
【0015】無機粒子は、その体積基準の平均粒径が、
前記のようにモノマー相の液滴の平均粒径の60〜30
0%である必要がある。無機粒子の平均粒径が上記範囲
未満では、従来の無機微粒子と同様に、モノマー相の液
滴、ひいてはトナー粒子を異形化する効果が得られな
い。また逆に無機粒子の平均粒径が上記範囲を超えた場
合には、液滴の粒径分布が広くなって、トナー粒子の粒
度分布が広くなってしまう他、異形化の度合いが大きす
ぎて、製造されたトナーの流動性が低下してしまう。ま
た、粒径が大きすぎる無機粒子は、水性分散媒中で、モ
ノマー相の液滴と均一に混合しないためにかえって、液
滴を異形化する効果が得られない。
【0016】なお、無機粒子の平均粒径は、モノマー相
の液滴を異形化する効果を考慮すると、上記範囲内でも
とくに、モノマー相の液滴の平均粒径の、100〜26
0%程度が好ましい。無機粒子の添加量は、この発明で
はとくに限定されないが、モノマー相100重量部に対
して、1〜20重量部程度であるのが好ましく、5〜1
0重量部程度であるのがさらに好ましい。無機粒子の添
加量が上記範囲未満では、モノマー相の液滴を十分に異
形化できないおそれがあり、逆に上記範囲を超えた場合
には、異形化の度合いが大きすぎて、製造されたトナー
の流動性が低下してしまうおそれがある。
【0017】水性分散媒としては、水、または水を主体
とする、モノマー相と相溶しない混合溶媒があげられ、
とくに水が最も好適に採用される。上記水性分散媒に
は、モノマー相液滴の分散性を安定させる目的で、懸濁
安定剤を配合するのが好ましい。懸濁安定剤としては、
ポリビニルアルコール等の水溶性高分子や、難水溶性の
無機微粒子があげられるが、トナーの耐環境安定性、流
動性、あるいは帯電特性等を考慮すると、トナー粒子の
表面に取り込まれて当該表面を吸湿性にするおそれのあ
る水溶性高分子よりも、難水溶性の無機微粒子が好適に
採用される。また上記無機微粒子は、前記のように無機
粒子を溶解除去する工程において、同時に溶解除去され
るものであるのが、作業能率上の観点からいって望まし
い。つまり無機粒子が酸で溶解される場合は、懸濁安定
剤としての無機微粒子も、酸で溶解されるのがよい。ア
ルカリの場合も同様である。
【0018】懸濁安定剤としての無機微粒子の添加量
は、従来と同程度でよい。また水性分散媒には、モノマ
ー相の良好な分散状態を得るため、界面活性剤を配合す
るのが好ましい。界面活性剤は、泡の噛み込み等を防止
するため、モノマー相添加後に添加するのがよい。界面
活性剤としては、アニオン系、カチオン系あるいはノニ
オン系の従来公知の種々の界面活性剤が使用できるが、
目的とするトナーの粒径が10μm以下であることを考
慮すると、懸濁分散能力にすぐれている必要があり、ま
た製造後のトナーの特性に影響を与えないためには、ト
ナーから除去しやすいことが望ましい。界面活性剤は、
モノマー相および水性分散媒の比率等に応じて適宜の割
合で添加される。
【0019】モノマー相は従来同様に、重合性単量体中
に、当該重合性単量体を重合させるための重合開始剤、
着色剤等を配合して作製される。また、電荷制御剤その
他各種添加剤(いうまでもなくモノマー相に可溶で水性
分散媒に不溶のもの)を配合することもできる。なお重
合後のトナー粒子を染色することもでき、その場合に
は、モノマー相中に着色剤を配合しなくてもよい。
【0020】上記モノマー相のうち重合性単量体として
は、ラジカル重合性の種々の重合性単量体を使用するこ
とができる。このような重合性単量体としてはたとえば
モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエ
ステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィ
ン系単量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オレ
フィン系単量体等があげられる。
【0021】上記のうちモノビニル芳香族単量体として
は、一般式(1) :
【0022】
【化1】
【0023】(式中、R1 は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子、R2 は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ
基、ビニル基、スルホ基、ナトリウムスルホナト基、カ
リウムスルホナト基またはカルボキシル基を表す。)で
表されるモノビニル芳香族炭化水素、たとえばスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロ
スチレン、o,m,p−クロロスチレン、p−エチルス
チレン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどがあげられ
る。
【0024】アクリル系単量体としては、下記一般式
(2) :
【0025】
【化2】
【0026】(式中、R3 は水素原子または低級アルキ
ル基、R4 は水素原子、炭素数12までの炭化水素基、
ヒドロキシアルキル基、ビニルエステル基またはアミノ
アルキル基を表す。)で表されるアクリル系単量体、た
とえばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2
−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロ
キシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸ブチ
ル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシ
メタクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、
γ−N,N−ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エチ
レングリコールジメタクリル酸エステル、テトラエチレ
ングリコールジメタクリル酸エステルなどがあげられ
る。
【0027】ビニルエステル系単量体としては、下記一
般式(3) :
【0028】
【化3】
【0029】(式中、R5 は水素原子または低級アルキ
ル基を表す。)で表されるビニルエステル系単量体があ
げられ、たとえばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなどがあげられる。ビニルエーテル系単量体と
しては、下記一般式(4) :
【0030】
【化4】
【0031】(式中、R6 は炭素数12までの1価の炭
化水素基を表す。)で表されるビニルエーテル系単量体
があげられ、たとえばビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフ
ェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテルなどが
あげられる。ジオレフィン系単量体としては、下記一般
式(5) :
【0032】
【化5】
【0033】(式中、R7 ,R8 およびR9 は同一また
は異なって、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子を表す。)で表されるジオレフィン系単量体があげ
られ、たとえばブタジエン、イソプレン、クロロプレン
などがあげられる。モノオレフィン系単量体としては、
下記一般式(6) :
【0034】
【化6】
【0035】(式中、R10,R11は同一または異なっ
て、水素原子または低級アルキル基を表す。)で表され
るモノオレフィン系単量体があげられ、たとえばエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1などがあげられる。さらにハロゲン化オ
レフィン系単量体としては、たとえば塩化ビニル、塩化
ビニリデンなどがあげられる。
【0036】これらは単独で使用できる他、2種以上を
併用することもできる。たとえば、最も一般的なスチレ
ン−アクリル系の定着用樹脂を含むトナーを製造する場
合には、重合性単量体としてスチレンとアクリル系単量
体とを併用すればよい。モノマー相には、上記重合性単
量体の重合を開始させる重合開始剤が添加される。
【0037】重合開始剤としては、水性分散媒に不溶
で、かつ重合性単量体と相溶性のあるものが好ましく、
たとえばアゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′
−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−シクロプロピ
ルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−メ
チルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−
メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス−(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジ
メチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)等のアゾ化合物;クメンヒドロペルオキシド、t−
ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ
−t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル等の過酸化物が使用できるほか、紫外線や可
視光線の照射による重合を行う場合には、従来公知の光
重合開始剤を使用することもできる。これらは単独で使
用される他、2種以上を併用することもできる。
【0038】重合開始剤の使用量は、重合性単量体10
0重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは
0.01〜0.5重量部の範囲である。なおγ線、加速
電子線等を用いて重合を開始させることも可能であり、
この場合には重合開始剤を使用しなくてもよい。また、
紫外線と各種光増感剤とを組合せて重合を開始してもよ
い。
【0039】着色剤としては、これに限定されるもので
はないが、たとえばカーボンブラック、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマ
リンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロ
ー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブル
ー、マラカイトグリーン、ローズベンガル等があげられ
る。これらは単独で使用される他、2種以上を併用する
こともできる。着色剤は、重合性単量体100重量部あ
たり1〜20重量部の割合で使用するのが好ましい。
【0040】電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電性を制御
するために配合されるもので、トナーの帯電極性に応じ
て、正電荷制御用または負電荷制御用のいずれかの電荷
制御剤が使用される。正電荷制御用の電荷制御剤として
は、塩基性窒素原子を有する有機化合物、たとえばニグ
ロシンベース(CI5045)、塩基性染料、アミノピリン、
ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラ
ン類等や、上記各化合物で表面処理された充填剤等があ
げられる。
【0041】負電荷制御用の電荷制御剤としては、たと
えばオイルブラック(CI26150 )、ボントロンS、スピ
ロンブラック等の油溶性染料;スチレン−スチレンスル
ホン酸共重合体等の電荷制御性樹脂;カルボキシ基を含
有する化合物(たとえばアルキルサリチル酸金属キレー
ト等)、金属錯塩染料、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、
ナフテン酸金属塩等があげられる。
【0042】電荷制御剤は、重合性単量体100重量部
に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重
量部の割合で使用される。またトナーにオフセット防止
効果を付与するために、オフセット防止剤を配合するこ
ともできる。オフセット防止剤としては、脂肪族系炭化
水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル
類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種
ワックス等があげられる。中でも、重量平均分子量が1
000〜10000程度の脂肪族系炭化水素が好まし
い。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポ
リエチレン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上の
オレフィン単位からなる低分子量のオレフィン重合体、
シリコーンオイル等の1種または2種以上の組み合わせ
が適当である。
【0043】オフセット防止剤は、重合性単量体100
重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5
〜8重量部の割合で使用される。上記各成分の他にモノ
マー相に添加することができる成分としては、たとえば
磁性体粉末や架橋剤等があげられる。磁性体粉末を添加
すると、1成分系現像剤としての磁性トナーが得られ
る。
【0044】磁性体は、磁場によってその方向に強く磁
化される物質であって、化学的に安定なものが望まし
く、粒径は1μm以下、とくに0.01〜1μm程度の
微粉末であるのがよい。代表的な磁性体としては、コバ
ルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カルシウム、セレン、チタン、タングステン、バナジウ
ムのような金属、またはその化合物(酸化物等)、合
金、あるいは混合物等があげられる。
【0045】磁性体粉末の配合量は、重合性単量体10
0重量部に対して20〜300重量部、好ましくは50
〜150重量部の割合で使用するのがよい。架橋剤は、
定着用樹脂を架橋させて、電子写真用トナーの機械的あ
るいは熱的特性を改善するために配合されるもので、た
とえばジビニルベンゼン等のジビニル化合物;ジアリル
フタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルアジペ
ート、ジアリルグリコレート、ジアリルマレエート、ジ
アリルセバケート等のジアリル化合物;トリアリルホス
フェート、トリアリルアコニテート、トリアリルシアヌ
レート、トリメリット酸アリルエステル、ピロメリット
酸アリルエステル等のトリアリル化合物;1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
アクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールジアクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート等のジアクリレート化合物;トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート等のトリアクリレート化合物;
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリ
コールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリメタクリレート等のトリメ
タクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、N,N,N′,N′−テトラキス(β−ヒドロキシ
エチル)エチレンジアミンのアクリル酸エステル等のポ
リ(メタ)アクリレート化合物;アリルアクリレート、
アリルメタクリレート等のアリル−アクリル系化合物;
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−メ
チレンビスメタクリルアミド等のアクリルアミド化合
物;ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート等のプレポリマーなどがあげられる。
【0046】架橋剤は、重合性単量体100重量部に対
して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部の割合で使用される。その他、安定剤等の種々の添加
剤を、適宜の割合で配合してもよい。
【0047】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1 下記の各成分をボールミルで十分に混合した後、重合開
始剤である、2重量部の2,2′−アゾビス(2,4′
−ジメチルバレロニトリル)を添加して懸濁重合用のモ
ノマー相を作製した。
【0048】 成 分 重量部 ・重合性単量体 スチレン 80 2−エチルヘキシルメタクリレート 20 ・着色剤 カーボンブラック 5 ・離型剤 低分子量ポリプロピレン 1 ・架橋剤 ジビニルベンゼン 1 つぎに精製水400重量部に、無機粒子である、体積基
準の平均粒径D50が25.3μm、25%通過径D25
33.0μmで、かつ75%通過径D75が23.2μm
である大理石粉5重量部と、懸濁安定剤である第三リン
酸カルシウム(平均粒径1.5μm)5重量部およびド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部とを
混合した後、ここへ上記モノマー相100重量部を加え
て、特殊機化工業社製のTKホモミキサーを用いて、回
転数7000r.p.m.で20分間攪拌して、液滴の平均粒
径が10μmの懸濁液を作製した。
【0049】つぎにこの懸濁液を、窒素雰囲気下、回転
数100r.p.m.で攪拌しつつ70℃に加熱して10時間
重合反応させた後、得られた重合粒子をろ別した。そし
てこの重合粒子を精製水で数回、予備洗浄し、次いで塩
酸酸性下で洗浄して、大理石粉と第三リン酸カルシウム
を溶解、除去した後、さらに数回、精製水で洗浄し、乾
燥させて、平均粒径10μmの電子写真用トナーを得
た。 実施例2 無機粒子として、体積基準の平均粒径D50が6μmの大
理石粉5重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして電子写真用トナーを製造した。 実施例3 無機粒子として、体積基準の平均粒径D50が30μmの
大理石粉5重量部を使用したこと以外は、実施例1と同
様にして電子写真用トナーを製造した。 実施例4 実施例1と同様にして作製したモノマー相100重量部
と精製水400重量部とを、第三リン酸カルシウム5重
量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
1重量部とともに、特殊機化工業社製のTKホモミキサ
ーを用いて、回転数7000r.p.m.で攪拌し、攪拌開始
から5分経過した時点で、攪拌を続けながら、前記実施
例1で使用したのと同じ、体積基準の平均粒径D50が2
5.3μmの大理石粉5重量部を加えた後、さらに攪拌
し、合計20分間の攪拌により、液滴の平均粒径が10
μmの懸濁液を作製した。
【0050】そしてこの懸濁液を、実施例1と同様に処
理して、平均粒径10μmの電子写真用トナーを得た。 実施例5 無機粒子として、体積基準の平均粒径D50が6μmの大
理石粉5重量部を使用したこと以外は、実施例4と同様
にして電子写真用トナーを製造した。 実施例6 無機粒子として、体積基準の平均粒径D50が30μmの
大理石粉5重量部を使用したこと以外は、実施例4と同
様にして電子写真用トナーを製造した。 実施例7 実施例1と同様にして作製したモノマー相100重量部
と精製水400重量部とを、第三リン酸カルシウム5重
量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
1重量部とともに、特殊機化工業社製のTKホモミキサ
ーを用いて、回転数7000r.p.m.で20分間攪拌し
て、液滴の平均粒径が10μmの懸濁液を作製した。
【0051】つぎにこの懸濁液を、窒素雰囲気下、回転
数100r.p.m.で攪拌しつつ70℃に加熱して重合を開
始し、重合開始から1時間経過した時点で、前記実施例
1で使用したのと同じ、体積基準の平均粒径D50が2
5.3μmの大理石粉5重量部を加えた後、さらに重合
を続けて、合計10時間の重合反応を行った。そしてこ
の反応液から、実施例1と同様の処理によって、平均粒
径10μmの電子写真用トナーを得た。 実施例8 無機粒子として、体積基準の平均粒径D50が6μmの大
理石粉5重量部を使用したこと以外は、実施例7と同様
にして電子写真用トナーを製造した。 実施例9 無機粒子として、体積基準の平均粒径D50が30μmの
大理石粉5重量部を使用したこと以外は、実施例7と同
様にして電子写真用トナーを製造した。 比較例1 実施例1のモノマー相の組成にさらに第三リン酸カルシ
ウム粉末(平均粒径1.5μm)10重量部を加えたモ
ノマー相を作製し、このモノマー相100重量部と精製
水400重量部とを、第三リン酸カルシウム5重量部お
よびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量
部とともに、特殊機化工業社製のTKホモミキサーを用
いて、回転数7000r.p.m.で20分間攪拌して、液滴
の平均粒径が10μmの懸濁液を作製した。
【0052】そしてこの懸濁液を、実施例1と同様に処
理して、平均粒径10μmの電子写真用トナーを得た。
上記各実施例、比較例で作製した電子写真用トナーにつ
いて、以下の各試験を行い、その特性を評価した。 トナークリーニング性試験 実施例、比較例で作製した電子写真用トナーを、それぞ
れフェライトキャリヤと混合して、トナー濃度3重量%
の2成分現像剤を作製し、この2成分現像剤を、静電式
複写機〔三田工業(株)製の型番DC−1205〕に用
いて、下記の試験方法により、電子写真用トナーのクリ
ーニング性を評価した。
【0053】試験方法 図1に示すように、A3版の白紙1に、幅30mm、マン
セル値N2.0の短冊2を貼りつけたものを原稿とし
て、上記静電式複写機に転写用の紙を供給せずに複写操
作を行い、クリーニング工程が終了する前にスイッチを
切って複写機を停止させて、感光体ドラムを取り出し
た。
【0054】つぎに図2に示すように、感光体ドラム3
の表面の、上記原稿に対応するトナー像中、短冊2に対
応する部分4のうち、図中一点鎖線で示すクリーニング
ブレード当接位置より、感光体ドラム3の回転方向(図
中白矢印で示す)の下流側の、クリーニングブレードに
よってクリーニングされた部分4a(破線で示す)の表
面にセロハン粘着テープを貼りつけた。
【0055】つぎに、上記セロハン粘着テープを感光体
ドラム3の表面から剥離して白紙の表面に貼りつけた
後、その濃度を反射濃度計(東京電色社製のTC−6
D)を用いて測定して、クリーニング性を評価した。な
お、感光体ドラムの表面にトナーが全く残留していない
場合の濃度は0.10〜0.14であり、濃度が0.2
以上になるとトナーが残留しているものと判定した。 トナー流動性試験 各サンプルトナーの流動性を、図3に示す装置を用いて
測定した。
【0056】この装置は、サンプルトナーを収容するホ
ッパ5と、このホッパ5の底部開口51に配置されたト
ナー補給ローラ6と、これらの下方に設けられた受皿7
とを有している。また、トナー補給ローラ6は、表面に
凹凸を設けた直径20mmφの金属製の円筒体であり、
回転することで、サンプルトナーをホッパ5から受皿7
に落下させるように構成されている。そして、所定量の
サンプルトナーをホッパ5に収容し、トナー補給ローラ
6を一定速度で回転させて、一定時間の間に受皿7に落
下するトナー量を求め、それによってトナーの流動性を
評価するものである。
【0057】今回の測定では、トナー補給ローラの回転
速度を毎分3回転に設定し、5分間に受皿7に落下する
トナーの量を測定した。結果は、受皿7に落下したトナ
ーの量が多い程、トナーの流動性が高いことを示してお
り、とくに通常の粉砕法によるトナーの場合、受皿7に
落下するトナーの量が4〜6g/5min程度であるこ
とから、これより落下トナーの量が多いものは、流動性
が良好であると判定した。
【0058】以上の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の電子写
真用トナーの製造方法によれば、モノマー相の液滴の平
均粒径の60〜300%という大粒径の無機粒子を、水
性分散媒中に、上記液滴とともに混在させて、液滴の無
機粒子への付着や、あるいは両者の接触によって、当該
液滴、ひいてはトナー粒子を異形化することができる。
よってこの発明によれば、粒度分布が狭くかつ小粒径化
が可能で、しかも流動性にすぐれる、という懸濁重合法
によるトナー粒子の利点はそのまま保持し、しかも異形
化されているためクリーニングブレードによるクリーニ
ング性にもすぐれた電子写真用トナーを、より確実に製
造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例、比較例で作製した電子写真
用トナーのクリーニング性を評価するため、静電式複写
機に使用する原稿像の正面図である。
【図2】上記原稿像を用いて電子写真用トナーのクリー
ニング性を評価すべく、静電式複写機から取り出した感
光体ドラムを示す斜視図である。
【図3】トナーの流動性を評価する装置の概略を説明す
る斜視図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性単量体を含むモノマー相を、水性分
    散媒中に液滴状に懸濁分散させるとともに、当該水性分
    散媒中に添加された、体積基準の平均粒径が、モノマー
    相の液滴の平均粒径の60〜300%である難水溶性の
    無機粒子によって、上記モノマー相の液滴を異形化しつ
    つ重合させてトナー粒子を得た後、上記無機粒子を化学
    的に除去することを特徴とする電子写真用トナーの製造
    方法。
JP7003534A 1995-01-12 1995-01-12 電子写真用トナーの製造方法 Pending JPH08190222A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008542847A (ja) * 2005-06-06 2008-11-27 オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー このプロセスでの使用に適したトナーと組み合わせた両面印刷プロセス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008542847A (ja) * 2005-06-06 2008-11-27 オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー このプロセスでの使用に適したトナーと組み合わせた両面印刷プロセス

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