JPH07128915A - 磁性粒子およびその製造方法 - Google Patents

磁性粒子およびその製造方法

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JPH07128915A
JPH07128915A JP5275541A JP27554193A JPH07128915A JP H07128915 A JPH07128915 A JP H07128915A JP 5275541 A JP5275541 A JP 5275541A JP 27554193 A JP27554193 A JP 27554193A JP H07128915 A JPH07128915 A JP H07128915A
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JP
Japan
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vinyl monomer
monomer
vinyl
amino resin
resin powder
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JP5275541A
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English (en)
Inventor
Masaya Shiozaki
正弥 塩崎
Shinji Kikuta
慎司 菊田
Kazuhisa Edahiro
和久 枝廣
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/10Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure
    • H01F1/11Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure in the form of particles
    • H01F1/113Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure in the form of particles in a bonding agent

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アミノ樹脂粉末の分散性、分散安定性、結着
樹脂との親和性がよく、小粒径でかつ粒度分布の幅が狭
く、しかも耐熱性、耐摩耗性等にすぐれるとともに、硬
くかつ割れにくい、バインダー型の磁性粒子を得る。 【構成】 イソシアネート基含有ビニル単量体で処理し
て表面にビニル基を導入したアミノ樹脂粉末を使用して
磁性粒子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法等を利用した画像形成装置において、帯
電性のトナーとともに2成分系の現像剤を構成するキャ
リヤや、1成分系の現像剤としての磁性トナーとして使
用される他、磁気ディスプレイ等にも利用される磁性粒
子と、その懸濁重合法による製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記磁性粒子としては、フェライ
ト粒子の表面を樹脂コートしたものが一般的に使用され
ている。しかし、上記フェライト粒子を、たとえば2成
分系の現像剤のキャリヤとして画像形成装置に使用した
場合には、昨今の高画質化の要求に十分に対応できなく
なりつつあるのが現状である。
【0003】キャリヤとトナーからなる2成分の現像剤
を使用する画像形成装置の現像部においては、まず現像
剤を攪拌混合してトナーを帯電させて、キャリヤ粒子の
周りに付着させた後、磁石を内蔵した現像スリーブの表
面にキャリヤを磁気付着させて、当該キャリヤからなる
磁気ブラシを形成する。そしてこの磁気ブラシを、表面
に静電潜像が形成された感光体の表面に接近または接触
させると、磁気ブラシ中のトナーが静電潜像に静電付着
して、当該静電潜像がトナー像に顕像化される。
【0004】ところが、上記キャリヤとしてフェライト
粒子を使用した場合には、このフェライト粒子の重量故
に、磁気ブラシが現像スリーブの回転時に生じる遠心力
によって大きく伸び、慣性力によって感光体の表面を傷
つけたり、感光体の表面に静電付着したトナーを掻き取
ったり付着位置をずらしたりして、形成画像の画質を低
下させるのである。
【0005】また、形成画像の画質を低下させる他の原
因として、上記フェライト粒子からなるキャリヤが、フ
ェライト粉を焼結して製造されるため小粒径化が困難で
あることや、完全な球状に形成できないため流動性が悪
いこと等もあげられる。そこで近時、上記フェライト粒
子からなるキャリヤの問題点を解消して、形成画像の高
画質化を図るべく、結着樹脂からなる粒子中に磁性粉を
分散させた軽量なキャリヤ、いわゆるバインダー型のキ
ャリヤについての研究、開発が盛んに行われている。
【0006】このバインダー型のキャリヤは、フェライ
ト粒子より軽量であるため、磁気ブラシが遠心力によっ
て大きく伸びることがない上、慣性力が小さいため感光
体の表面を傷つけたり、感光体の表面に静電付着したト
ナーを掻き取ったり付着位置をずらしたりすることがな
い。上記バインダー型のキャリヤは、スチレン−アクリ
ル系等の結着樹脂、フェライト粉等の磁性粉およびその
他の添加剤を溶融混練し、ついで粉砕し分級する混練粉
砕法で製造される他、懸濁重合法を利用して製造するこ
ともできる。
【0007】懸濁重合法を利用した製造方法は、結着樹
脂の元になるラジカル重合性のビニル単量体と、磁性粉
その他の添加剤とを含む液状のモノマー相を分散媒中に
液滴状に分散させつつ加熱して、ビニル単量体を重合さ
せる方法である。かかる懸濁重合法によって得られるバ
インダー型のキャリヤは、粉砕法によるものに比べて粒
度分布が狭く、かつ小粒径化が可能で、しかも完全な球
状に近いものが得られるため、同じバインダー型のキャ
リヤの中でも、より一層、形成画像の高品質化が可能と
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記バインダー型のキ
ャリヤには、磁性粒子の帯電性を改善するためアミノ樹
脂粉末を分散させるのが好ましい。アミノ樹脂とは、メ
ラミン樹脂、ユリア樹脂、グアナミン樹脂およびこれら
の誘導体等の硬化性樹脂(アミノ樹脂)であって、結着
樹脂の原料であるビニル単量体より親水性が高く、とく
に懸濁重合法でキャリヤを製造する際には、分散媒とし
ての水と接するモノマー相の液滴の表面近傍に集まるの
で、形成されたバインダー型キャリヤに効果的に帯電性
を付与することができる。また、上記アミノ樹脂粉末は
硬度が高いため、バインダー型キャリヤの耐摩耗性を向
上できるという利点もある。
【0009】ところが、アミノ樹脂粉末は親水性が高く
結着樹脂との結着性が悪いため、磁性粒子中で凝集した
り、アミノ樹脂粉末と結着樹脂との界面からキャリヤ割
れが発生したり、アミノ樹脂粉末がキャリヤ粒子から脱
落したりするという問題がある。とくに懸濁重合法で製
造したキャリヤは、上記のように表面近傍にアミノ樹脂
粉末が多く存在するため、アミノ樹脂粉末の脱落が多
い。
【0010】そして、キャリヤ粒子から脱落したアミノ
樹脂粉末は高い帯電性を有するため、このアミノ樹脂粉
末が画像形成装置の現像部内で勝手な挙動をすると、現
像剤の帯電特性や流動性が悪化し、帯電不良のトナーや
キャリヤ割れの際に生じた結着樹脂の破片、あるいはキ
ャリヤ粒子自身が感光体ドラムや形成画像を汚染するお
それがある。
【0011】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、アミノ樹脂粉末の分散性、分散安定性、結
着樹脂との親和性がよく、しかも耐熱性、耐摩耗性等に
すぐれ、硬くかつ割れにくいため、キャリヤ等に好適に
使用できる磁性粒子と、その製造方法とを提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、アミノ樹脂粉末の、ビニル
単量体や結着樹脂との親和性を向上することを検討し、
その結果、アミノ樹脂粉末をイソシアネート基含有ビニ
ル単量体によって処理して、その表面にビニル基を導入
すればよいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明の磁性粒子は、磁性粉と、
イソシアネート基含有ビニル単量体によって処理して表
面にビニル基を導入し、さらにビニル単量体を重合させ
てグラフト化したアミノ樹脂粉末とを含むことを特徴と
する。上記本発明の磁性粒子を製造するための、本発明
の第1の製造方法は、磁性粉と、イソシアネート基含有
ビニル単量体によって処理して表面にビニル基を導入し
たアミノ樹脂粉末と、ビニル単量体とを含むモノマー相
を、分散媒中に液滴状に分散させつつ重合させることを
特徴とする。
【0014】また本発明の第2の製造方法は、磁性粉
と、イソシアネート基含有ビニル単量体によって処理し
て表面にビニル基を導入し、さらにビニル単量体を重合
させてグラフト化したアミノ樹脂粉末と、上記ビニル単
量体と同一または異なるビニル単量体とを含むモノマー
相を、分散媒中に液滴状に分散させつつ重合させること
を特徴とする。
【0015】そして、本発明の第3の製造方法は、磁性
粉と、イソシアネート基含有ビニル単量体によって処理
して表面にビニル基を導入し、さらにビニル単量体を重
合させてグラフト化したアミノ樹脂粉末とを、結着樹脂
とともに溶融混練し、粉砕して分級することを特徴とす
る。上記構成からなる本発明においては、アミノ樹脂粉
末をイソシアネート基含有ビニル単量体で処理すると、
当該アミノ樹脂粉末の表面の親水性基(水酸基、アミノ
基、アルデヒド基等)とイソシアネート基含有ビニル単
量体のイソシアネート基とが反応し、アミノ樹脂粉末の
表面にビニル基が導入されて疎水化されるため、当該ア
ミノ樹脂粉末のモノマー相への分散性、分散安定性が向
上する。
【0016】またアミノ樹脂粉末の表面に導入されたビ
ニル基に、重合性のビニル単量体を重合させ、グラフト
鎖を生成してグラフト化したアミノ樹脂粉末も、モノマ
ー相への分散性、分散安定性がよい上、当該グラフト化
したアミノ樹脂粉末は、結着樹脂との相溶性にもすぐれ
ている。つまり表面にビニル基を導入したアミノ樹脂粉
末や、あるいはさらにグラフト化したアミノ樹脂粉末
は、未処理のものに比べてモノマー相への分散性、分散
安定性ならびに結着樹脂との親和性が向上するので、こ
れらのアミノ樹脂粉末を使用して、懸濁重合法や粉砕法
で製造された磁性粒子は、割れやアミノ樹脂粉末の脱落
が発生することが防止される。
【0017】本発明の第1の製造方法において、アミノ
樹脂粉末の処理に使用したイソシアネート基含有ビニル
単量体にもし余剰分が発生しても、その後の懸濁重合工
程で他のビニル単量体と重合するので、低分子量のまま
で磁性粒子中に存在することはない。したがって上記第
1の製造方法で製造された磁性粒子は、耐熱性、耐摩耗
性等にすぐれるとともに、硬くかつ割れにくいものとな
る。
【0018】また本発明の第2の製造方法において、同
様にイソシアネート基含有ビニル単量体に余剰分が発生
しても、その後、グラフト化および懸濁重合の2度の重
合工程を経るので、低分子量のままで磁性粒子中に存在
することはない。また第2の製造方法において、グラフ
ト化に使用したビニル単量体に余剰分が発生しても、そ
の後の懸濁重合工程で他のビニル単量体と重合するの
で、やはり、低分子量のままで磁性粒子中に存在するこ
とはない。
【0019】したがって上記第2の製造方法で製造され
た磁性粒子も、耐熱性、耐摩耗性等にすぐれるととも
に、硬くかつ割れにくいものとなる。一方、本発明の第
3の製造方法においては、グラフト化処理されたアミノ
樹脂粉末を、固相の混練系に投入すべく、処理に使用し
た溶媒等を除去するので、その際に、余剰のイソシアネ
ート基含有ビニル単量体やグラフト化用のビニル単量体
を除去することができる。
【0020】したがって上記第3の製造方法で製造され
た磁性粒子も、耐熱性、耐摩耗性等にすぐれるととも
に、硬くかつ割れにくいものとなる。上記アミノ樹脂粉
末とイソシアネート基含有ビニル単量体との反応は、室
温程度の比較的低温の条件下で進行するので、この段階
で、他のビニル単量体が系中に存在しても、副生成物と
してのフリーの重合体が発生することは殆どない。
【0021】またグラフト化の反応は、上記の処理によ
って表面にビニル基が導入されたアミノ樹脂粉末と、重
合性のビニル単量体との間で進行し、グラフト化率が著
しく高いので、やはり副生成物としてのフリーの重合体
の生成が著しく抑えられる。したがって、表面にビニル
基を導入したアミノ樹脂粉末や、あるいはさらにグラフ
ト化したアミノ樹脂粉末を懸濁重合法に使用した場合に
は、モノマー相の粘度が低く、分散媒中に液滴状に分散
させるのが容易となるので、上記懸濁重合法を利用した
本発明の第1および第2の製造方法で製造された磁性粒
子は、小粒径でかつ粒径分布が狭く、粒径の揃ったもの
となる。
【0022】以下に本発明を、製造方法の工程にしたが
って説明する。まず、アミノ樹脂粉末をイソシアネート
基含有ビニル単量体で処理して、アミノ樹脂粉末の表面
にビニル基を導入する。アミノ樹脂粉末とイソシアネー
ト基含有ビニル単量体との反応は、前記のように室温程
度の比較的低温で進行するので、上記処理を行うには、
たとえば所定量のアミノ樹脂粉末とイソシアネート基含
有ビニル単量体とを適当な溶媒中に投入して混合するだ
けでよい。なお、イソシアネート基含有ビニル単量体の
イソシアネート基は水分と反応しやすいので、上記処理
は、乾燥雰囲気下で行うのが好ましい。
【0023】アミノ樹脂粉末の処理に使用されるイソシ
アネート基含有ビニル単量体としては、1分子中にイソ
シアネート基とビニル基とを含む種々の化合物を使用す
ることができる。イソシアネート基含有ビニル単量体と
しては、たとえば一般式(1):
【0024】
【化1】
【0025】〔式中R1 は水素原子またはアルキル基を
示す〕で表されるアクリロイルイソシアネート誘導体等
があげられる。このアクリロイルイソシアネート誘導体
の具体的化合物としては、式(1a):
【0026】
【化2】
【0027】で表されるメタクリロイルイソシアネート
が好適に使用される。イソシアネート基含有ビニル単量
体の使用量はとくに限定されないが、アミノ樹脂粉末1
00重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内が好ま
しく、1〜5重量部の範囲内がより好ましい。イソシア
ネート基含有ビニル単量体の使用量が上記範囲を下回っ
た場合には、アミノ樹脂粉末の表面に導入されるビニル
基の量が不足するため、アミノ樹脂粉末が十分に疎水化
されず、分散性、分散安定性が低下するおそれがある
他、グラフト化率が低下するので、結着樹脂との親和性
が悪化して割れやアミノ樹脂粉末の脱落を生じたり、あ
るいはグラフト化率が低下する分、副生成物としてのフ
リーの重合体の生成が増加するので、耐熱性、耐摩耗性
等が悪化したり、磁性粒子が柔らかくかつ割れやすくな
ったりするおそれがある。
【0028】一方、イソシアネート基含有ビニル単量体
の使用量が上記範囲を超えた場合には、当該イソシアネ
ート基含有ビニル単量体が親水性であるため、製造され
る磁性粒子の耐候性とくに耐湿性に悪影響を及ぼすおそ
れがある他、イソシアネート基含有ビニル単量体は他の
ビニル単量体に比べれば重合性がやや劣るので、重合反
応に関与せずに磁性粒子中に残存する低分子量の成分が
増加して、耐熱性、耐摩耗性等が悪化したり、磁性粒子
が柔らかくかつ割れやすくなったりするおそれがある。
【0029】イソシアネート基含有ビニル単量体は1種
を単独で使用できる他、2種以上を併用することもでき
る。イソシアネート基含有ビニル単量体によって処理さ
れるアミノ樹脂粉末としては、たとえばメラミン樹脂、
ユリア樹脂、グアナミン樹脂およびこれらの誘導体等が
あげられる。アミノ樹脂粉末の粒径についてはとくに限
定されないが、0.01〜5μm程度が好ましい。
【0030】アミノ樹脂粉末の粒径が上記範囲を下回る
と、とくに懸濁重合法の場合に、モノマー相の粘度が上
昇するため、モノマー相の懸濁粒径、ひいては磁性粒子
の粒径を小さくできなくなり、また粒度分布が広くなっ
て粒径の揃った磁性粒子が得られなくなったりするおそ
れがある。またアミノ樹脂粉末の粒径が上記範囲を超え
ると、たとえイソシアネート基含有ビニル単量体によっ
て処理しても、分散性、分散安定性が低下するおそれが
ある他、グラフト化率が低下するので、結着樹脂との親
和性が悪化して割れやアミノ樹脂粉末の脱落を生じた
り、あるいはグラフト化率が低下する分、耐熱性、耐摩
耗性等が悪化したり、磁性粒子が柔らかくかつ割れやす
くなったりするおそれがある。
【0031】処理に使用する溶媒としては、非水性の種
々の溶媒を使用できるが、とくに、上記処理が室温程度
の比較的低温条件で行われ、前述したように、他のビニ
ル単量体が系中に存在しても、副生成物としてのフリー
の重合体が発生することがないので、その後の重合工程
で使用されるのと同じビニル単量体を溶媒として使用す
るのが好ましい。この場合には、次工程に移行する際に
溶媒除去の工程を省略できるので、生産効率が向上する
という利点がある。
【0032】上記処理の後、本発明の第1の製造方法に
おいては、処理済みのアミノ樹脂粉末を、ビニル単量
体、磁性粉、重合開始剤等と混合して懸濁重合用のモノ
マー相を作製する。そしてこのモノマー相を、適当な分
散媒中に液滴状に分散させつつ重合させると、本発明の
磁性粒子が製造される。ビニル単量体としては、たとえ
ばモノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニル
エステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフ
ィン系単量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オ
レフィン系単量体、ポリビニル系単量体等の従来公知の
種々の化合物を使用することができる。
【0033】モノビニル芳香族単量体としては、下記一
般式(2) :
【0034】
【化3】
【0035】(式中、R2 は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子、R3 は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ
基、ビニル基、スルホ基、ナトリウムスルホナト基、カ
リウムスルホナト基またはカルボキシル基を表す。)で
表されるモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチ
レン、o,m,p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼン
などがあげられる。
【0036】アクリル系単量体としては、下記一般式
(3) :
【0037】
【化4】
【0038】(式中、R4 は水素原子または低級アルキ
ル基、R5 は水素原子、炭素数12までの炭化水素基、
ヒドロキシアルキル基、ビニルエステル基またはアミノ
アルキル基を表す。)で表されるアクリル系単量体、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキ
シアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸ブチ
ル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシ
メタクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、
γ−N,N−ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エチ
レングリコールジメタクリル酸エステル、テトラエチレ
ングリコールジメタクリル酸エステルなどがあげられ
る。
【0039】ビニルエステル系単量体としては、下記一
般式(4) :
【0040】
【化5】
【0041】(式中、R6 は水素原子または低級アルキ
ル基を表す。)で表されるビニルエステル系単量体があ
げられ、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどがあげられる。ビニルエーテル系単量体とし
ては、下記一般式(5) :
【0042】
【化6】
【0043】(式中、R7 は炭素数12までの1価の炭
化水素基を表す。)で表されるビニルエーテル系単量体
があげられ、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェ
ニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテルなどがあ
げられる。ジオレフィン系単量体としては、下記一般式
(6) :
【0044】
【化7】
【0045】(式中、R8 ,R9 およびR10は同一また
は異なって、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子を表す。)で表されるジオレフィン系単量体があげ
られ、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレンな
どがあげられる。モノオレフィン系単量体としては、下
記一般式(7) :
【0046】
【化8】
【0047】(式中、R11,R12は同一または異なっ
て、水素原子または低級アルキル基を表す。)で表され
るモノオレフィン系単量体があげられ、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1などがあげられる。ハロゲン化オレフィ
ン系単量体としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンなどがあげられる。
【0048】さらにポリビニル単量体としては、たとえ
ばジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリシアヌ
レートなどがあげられる。これらは単独で使用できる
他、2種以上を併用することもできる。たとえば、最も
一般的なスチレン−アクリル系の結着樹脂を含む磁性粒
子を製造する場合には、ビニル単量体としてスチレンと
アクリル系単量体とを併用すればよい。
【0049】上記ビニル単量体と、イソシアネート基含
有ビニル単量体によって処理されたアミノ樹脂粉末の配
合割合は磁性粒子の用途によって異なるが、バインダー
型のキャリヤの場合には、ビニル単量体の総量100重
量部に対して、アミノ樹脂粉末が0.05〜5重量部の
割合で配合されるのが好ましい。アミノ樹脂粉末の配合
量が上記範囲未満では、磁性粒子の帯電特性や耐摩耗性
の改善効果が不十分になるおそれがあり、逆にアミノ樹
脂粉末の配合量が上記範囲を超えた場合には、モノマー
相の粘度が増大して、微小でかつ均一な粒径の磁性粒子
が得られなくなるおそれがある他、均質な帯電特性の磁
性粒子が得られなくなるおそれがある。
【0050】磁性粉としては、強磁性を示す金属やその
合金、各種のフェライト、あるいは強磁性を示す元素を
含有しないが、適当に熱処理することによって強磁性を
示す合金等、現在知られているあらゆる種類の磁性材料
の粉末を使用することができる。強磁性を示す金属とし
ては、鉄、コバルト、ニッケル等があげられ、上記のよ
うにこれらの金属を含有する合金を使用することもでき
る。フェライトとしては、たとえば四三酸化鉄(Fe3
4 )、三二酸化鉄(γ−Fe2 3 )、酸化鉄亜鉛(ZnFe
2 4 )、酸化鉄イットリウム(Y3 Fe5 12)、酸化
鉄カドミウム(CdFe2 4 )、酸化鉄ガドリニウム(Gd
3 Fe5 4 )、酸化鉄銅(CuFe2 4 )、酸化鉄鉛(Pb
Fe1219)、酸化鉄ネオジム(NdFeO3 )、酸化鉄バリ
ウム(BaFe 1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe
2 4 )、酸化鉄マンガン(MnFe2 4 )、酸化鉄ラン
タン(LaFeO3 )等があげられる。また熱処理によって
強磁性を示す合金としては、たとえばマンガン−銅−ア
ルミニウムや、マンガン−銅−錫などの、マンガンと銅
を含有するホイスラー合金等があげられる。これらは単
独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
【0051】磁性粉の粒径についてはとくに限定され
ず、通常のバインダー型キャリヤに使用されるのと同程
度、すなわち0.01〜5μm程度が好ましい。磁性粉
の粒径が上記範囲を下回ると、飽和磁化の低下を招いた
り、モノマー相の粘度が増大して、微小でかつ均一な粒
径の磁性粒子が得られなくなるおそれがある。また磁性
粉の粒径が上記範囲を超えると、均質な磁気特性の磁性
粒子が得られなくなるおそれがある。
【0052】磁性粉の配合割合は、磁性粒子の用途によ
って異なるが、バインダー型のキャリヤの場合には、ビ
ニル単量体の総量100重量部に対して、磁性粉が10
0〜250重量部、好ましくは150〜200重量部の
割合で配合されるのが好ましい。磁性粉は、トナー相へ
の分散性、分散安定性を向上させるとともに、結着樹脂
に対する親和性を向上させるために、チタネートカップ
リング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップ
リング剤等のカップリング剤で処理して表面を疎水化す
るのが好ましい。
【0053】重合開始剤としては、分散媒に不溶で、か
つビニル単量体と相溶性のあるものが好ましく、たとえ
ばアゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−(2−シクロプロピルプロ
ピオニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−メチルプ
ロピオニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−メチル
ブチロニトリル)、1,1′−アゾビス−(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル
−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等
のアゾ化合物;クメンヒドロペルオキシド、t−ブチル
ヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−
ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル等の過酸化物が使用できるほか、紫外線や可視光線
の照射による重合を行う場合には、従来公知の光重合開
始剤を使用することもできる。これらは単独で使用され
る他、2種以上を併用することもできる。
【0054】重合開始剤の使用量は、ビニル単量体10
0重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは
0.01〜6重量部の範囲である。なおγ線、加速電子
線等を用いて重合を開始させることも可能であり、この
場合には重合開始剤を使用しなくてもよい。また、紫外
線と各種光増感剤とを組合せて重合を開始してもよい。
【0055】また必要に応じて、以上の各成分の他に、
種々の添加剤、たとえば電荷制御剤やオフセット防止剤
(離型剤)、架橋剤等を配合することもできる。電荷制
御剤は、磁性粒子を2成分系現像剤のキャリヤや、1成
分系現像剤としての磁性トナーに使用する場合に配合さ
れるもので、帯電極性によって、正電荷制御用と負電荷
制御用の2種の電荷制御剤がある。
【0056】正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基
性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、ア
ミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合
物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理され
た充填剤等があげられる。負電荷制御用の電荷制御剤と
しては、ニグロシンベース(CI5045)、オイルブラック
(CI26150 )、ボントロンS、スピロンブラック等の油
溶性染料;スチレン−スチレンスルホン酸共重合体等の
電荷制御性樹脂;カルボキシ基を含有する化合物(例え
ばアルキルサリチル酸金属キレート等)、金属錯塩染
料、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、ナフテン酸金属塩等
があげられる。
【0057】電荷制御剤は、ビニル単量体100重量部
に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重
量部の割合で使用される。オフセット防止剤は磁性粒子
の凝集を防止するためのもので、脂肪族系炭化水素、脂
肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしく
はその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックス
等があげられる。中でも、重量平均分子量が1000〜
10000程度の脂肪族系炭化水素が好ましい。具体的
には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレ
ン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上のオレフィ
ン単位からなる低分子量のオレフィン重合体、シリコー
ンオイル等の1種または2種以上の組み合わせが適当で
ある。
【0058】オフセット防止剤は、ビニル単量体100
重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5
〜8重量部の割合で使用される。架橋剤は、結着樹脂や
アミノ樹脂粉末のグラフト鎖を架橋させて、磁性粒子の
機械的あるいは熱的特性を改善するとともに、アミノ樹
脂粉末と結着樹脂とをより一層強固に一体化するために
配合されるもので、たとえばジビニルベンゼン等のジビ
ニル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレ
ート、ジアリルアジペート、ジアリルグリコレート、ジ
アリルマレエート、ジアリルセバケート等のジアリル化
合物;トリアリルホスフェート、トリアリルアコニテー
ト、トリアリルシアヌレート、トリメリット酸アリルエ
ステル、ピロメリット酸アリルエステル等のトリアリル
化合物;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート等のジアク
リレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリ
アクリレート化合物;1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタク
リレート、ブチレングリコールジメタクリレート等のジ
メタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメ
タクリレート等のトリメタクリレート化合物;ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロール
メタンテトラアクリレート、N,N,N′,N′−テト
ラキス(β−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンのア
クリル酸エステル等のポリ(メタ)アクリレート化合
物;アリルアクリレート、アリルメタクリレート等のア
リル−アクリル系化合物;N,N′−メチレンビスアク
リルアミド、N,N′−メチレンビスメタクリルアミド
等のアクリルアミド化合物;ポリウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート等のプレポリマーなどが
あげられる。
【0059】架橋剤は、ビニル単量体100重量部に対
して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部の割合で使用される。なお、本発明の磁性粒子をキャ
リヤに使用する場合には、架橋剤をこれ以上の割合で配
合しても差し支えない。本発明の磁性粒子を、磁性トナ
ーとして使用する場合には、さらに、着色剤を配合する
こともできる。着色剤としては、カーボンブラック、ア
ニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、
ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリ
ンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニ
ンブルー、マラカイトグリーン、ローズベンガル等、従
来公知の種々の着色剤を使用することができる。着色剤
は、ビニル単量体100重量部に対して1〜15重量
部、好ましくは5〜10重量部の割合で使用される。
【0060】上記各成分からなるモノマー相が分散され
る分散媒としては、ビニル単量体等の原料成分および重
合後の磁性粒子を全く溶解しないか、あるいは殆ど溶解
せず、しかも不活性な溶媒が使用される。好適な分散媒
としては、たとえば水または水系の溶媒などがあげられ
る。良好な分散状態を得るため、上記分散媒には懸濁安
定剤を配合するのが好ましい。
【0061】懸濁安定剤としては従来公知の種々の懸濁
安定剤が使用できるが、目的とする磁性粒子の粒径が、
キャリヤの場合50〜100μm、磁性トナーの場合5
〜10μmであることを考慮すると、懸濁分散能力にす
ぐれている必要があり、また製造後の磁性粒子の特性に
影響を与えないためには、磁性粒子から除去しやすいも
のである必要がある。上記の要件を満たす、本発明に好
適に使用される懸濁安定剤としては、たとえばリン酸三
カルシウム等のリン酸カルシウム塩と、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムとの組み合わせ等があげられ
る。
【0062】上記分散媒中に、前記の各成分を含有する
モノマー相を加え、たとえば102〜108 ダイン/cm
程度の剪断力で攪拌すると、モノマー相が分散媒中に懸
濁して球状に造粒される。この状態で、−30〜90
℃、特に30〜80℃の温度で0.1〜50時間程度の
重合を行うと、ビニル単量体が重合して球状の磁性粒子
が得られる。このとき、酸素による重合の停止反応を抑
制するために反応系内を不活性ガスで置換することが好
ましい。かくして得られる磁性粒子は、高解像度の画像
を得るためには、体積平均粒径が、前記のようにキャリ
ヤの場合50〜100μm、磁性トナーの場合5〜10
μmが望ましい。
【0063】上記本発明の第1の製造方法によれば、モ
ノマー相中に含まれる各成分はいずれも低分子量である
ためモノマー相は低粘度で、分散媒中に液滴状に分散さ
せるのが容易である。したがって、キャリヤの場合50
〜100μm、磁性トナーの場合5〜10μmでかつ粒
度分布がきわめて狭い、粒径の揃った磁性粒子を製造す
ることができる。
【0064】またアミノ樹脂粉末は、表面にビニル基が
導入されて疎水化されているため、モノマー相中に分散
させた際の分散性、分散安定性にすぐれており、再凝集
することがないので、生成された磁性粒子中にほぼ均一
に分散されており、磁性粒子は磁気特性および帯電特性
にすぐれたものとなる。さらに重合反応時には、上記ア
ミノ樹脂粉末の表面のビニル基にビニル単量体が重合し
て高効率でグラフト化されるため、アミノ樹脂粉末にグ
ラフトした高分子と磁性粒子の結着樹脂とが磁性粒子中
でほぼ均一に混和した状態となって、アミノ樹脂粉末と
結着樹脂とが一体化する。このため、両者の界面から割
れが発生したり、アミノ樹脂粉末が磁性粒子から脱落し
たりするおそれがなく、製造された磁性粒子は、耐久性
にすぐれたものとなる。
【0065】しかも上記反応過程では、磁性粒子の物性
を低下させる低分子量の重合体や未反応の成分などは殆
ど生成しないので、磁性粒子は、耐熱性、耐摩耗性等に
すぐれるとともに、硬くかつ割れにくいものとなる。本
発明の第2の製造方法においては、イソシアネート基含
有ビニル単量体によって処理済みのアミノ樹脂粉末を、
まずビニル単量体と混合して重合させて、グラフト化ア
ミノ樹脂粉末を得る。
【0066】ビニル単量体としては、前記例示の各種ビ
ニル単量体の中から、次工程の懸濁重合工程で、ビニル
単量体の重合により生成される結着樹脂と同じビニル単
量体または同じビニル単量体の組み合わせを使用するの
が最も好ましいが、結着樹脂との相溶性にすぐれたグラ
フト鎖を形成しうるのであれば、結着樹脂を構成するビ
ニル単量体またはその組み合わせとは別種または別の組
み合わせのビニル単量体を使用することもできる。但
し、磁性粒子の物性に悪影響を及ぼすようなビニル単量
体は、たとえ結着樹脂との相溶性にすぐれていても、グ
ラフト化に使用するのは望ましくない。
【0067】たとえば最も一般的なスチレン−アクリル
系の結着樹脂を含む磁性粒子を製造する場合には、グラ
フト化の際のビニル単量体、および懸濁重合の際のビニ
ル単量体として、ともにスチレンとアクリル系単量体と
を併用するのが最も望ましいが、何れか一方の工程でス
チレンのみを使用し、他方の工程でアクリル系単量体の
みを使用すること等も可能である。
【0068】グラフト化処理に用いるビニル単量体の使
用量は、アミノ樹脂粉末100重量部に対し、100〜
400重量部程度が好ましい。ビニル単量体の使用量が
上記範囲未満では、グラフト化された高分子の分子量が
小さすぎるため、製造される磁性粒子が、耐熱性、耐摩
耗性に劣るとともに、硬度が低く柔らかいものとなるお
それがある。
【0069】逆に、ビニル単量体の使用量が上記範囲を
超えた場合には、グラフト化された高分子の分子量が大
きすぎてモノマー相の粘度が高くなり、分散媒中に液滴
状に分散させるのが困難になって、小粒径の磁性粒子が
得られない、磁性粒子の粒度分布が広くなってしまう、
等の問題を生じるおそれがある。また、過剰のビニル単
量体がフリーの重合体を生成して、やはり、製造される
磁性粒子が、耐熱性、耐摩耗性に劣るとともに、硬度が
低く柔らかいものとなるおそれがある。
【0070】上記グラフト化の反応は、加熱だけでも進
行する可能性があるが、やはり、重合開始剤を添加する
のが好ましい。また前記と同様に、γ線、加速電子線等
を用いて重合を開始させたり、紫外線と各種光増感剤と
を組合せて重合を開始させたりすることも可能であり、
この場合には重合開始剤を使用しなくてもよい。グラフ
ト化の反応に使用する重合開始剤は、ビニル単量体への
溶解性にすぐれたものであればよく、懸濁重合に使用す
る重合開始剤のように分散媒との溶解性を考慮する必要
はない。しかし、得られる磁性粒子の耐湿性を考慮する
と、懸濁重合に使用するのと同様に、非水溶性の重合開
始剤を使用するのが好ましい。
【0071】重合開始剤の添加量は、ビニル単量体10
0重量部に対して0.001〜5重量部であるのが好ま
しく、とくに0.01〜1重量部であるのが好ましい。
グラフト化の反応は適当な溶媒中で行ってもよいが、溶
媒除去の工程を省略することを考慮すると、溶媒を使用
せず、グラフト化に使用するビニル単量体に溶媒の役目
を兼ねさせるのが好ましい。
【0072】つぎに、グラフト化が完了した反応液に、
さらにビニル単量体、磁性粉、重合開始剤、架橋剤、そ
の他の添加剤等を添加して懸濁重合用のモノマー相を作
製し、あとは第1の製造方法と同条件で、同様にして、
モノマー相を適当な分散媒中に液滴状に分散させつつ重
合させると、本発明の磁性粒子が製造される。モノマー
相に添加されるビニル単量体は、前記のように結着樹脂
を構成するものであり、アミノ樹脂粉末にグラフト化し
た高分子との相溶性にすぐれた結着樹脂を構成しうるビ
ニル単量体を使用するのが望ましい。その添加量は、た
とえばバインダー型のキャリヤの場合、グラフト化に使
用したビニル単量体との合計量100重量部に対して、
アミノ樹脂粉末が0.05〜5重量部の割合となるよう
に設定すればよい。
【0073】重合開始剤その他の添加剤については、先
の第1の製造方法で使用したのと同様のものを、同量使
用することができる。また分散媒や懸濁安定剤について
も、先の第1の製造方法であげたのと同様のものを使用
できる。上記本発明の第2の製造方法によれば、アミノ
樹脂粉末の表面のビニル基に、ビニル単量体が重合して
高効率でグラフト化されるため、グラフト化率が著しく
高く、副生成物としてのフリーの重合体の生成が著しく
抑えられる。
【0074】また、2度の重合工程を経るので、イソシ
アネート基含有ビニル単量体やビニル単量体が低分子量
で残存することがほとんどなく、カップリング剤等の低
分子量の成分を使用しないことと相俟って、製造される
磁性粒子中には、磁性粒子の物性に影響を及ぼす低分子
量の成分が存在することがない。このため、製造される
磁性粒子は、耐熱性、耐摩耗性等にすぐれるとともに、
硬くかつ割れにくいものとなる。
【0075】また、上記のようにグラフト化の反応はグ
ラフト化率が著しく向上し、副生成物としてのフリーの
重合体の生成が著しく抑えられるので、モノマー相は低
粘度で、分散媒中に液滴状に分散させるのが容易であ
る。したがって、キャリヤの場合50〜100μm、磁
性トナーの場合5〜10μmでかつ粒度分布がきわめて
狭い、粒径の揃った磁性粒子を製造することができる。
【0076】さらに、グラフト化されたアミノ樹脂粉末
は、未処理のものにくらべてモノマー相中への分散性、
分散安定性が向上するとともに、懸濁重合工程で生成す
るビニル単量体の重合物としての結着樹脂と、アミノ樹
脂粉末にグラフトした高分子とが磁性粒子中でほぼ均一
に混和した状態となって、アミノ樹脂粉末と結着樹脂と
が一体化する。このため、両者の界面から割れが発生し
たり、アミノ樹脂粉末が磁性粒子から脱落したりするお
それがなく、製造された磁性粒子は、耐久性にすぐれた
ものとなる。
【0077】本発明の第3の製造方法においては、ま
ず、上記第2の製造方法の場合と同様にして、グラフト
化アミノ樹脂粉末を製造する。グラフト化アミノ樹脂粉
末のグラフト鎖を構成するビニル単量体としては、前記
例示の各種ビニル単量体の中から、結着樹脂との相溶性
にすぐれ、かつ磁性粒子の物性に悪影響を及ぼさないグ
ラフト鎖を形成しうる、各種のビニル単量体またはビニ
ル単量体の組み合わせが採用される。
【0078】たとえば最も一般的なスチレン−アクリル
系の結着樹脂を含む磁性粒子を製造する場合には、グラ
フト鎖を構成するビニル単量体として、スチレンとアク
リル系単量体とを併用するのが最も望ましいが、スチレ
ンのみ、あるいはアクリル系単量体のみを使用すること
等も可能である。グラフト化処理に用いるビニル単量体
の使用量は、アミノ樹脂粉末100重量部に対し、10
0〜400重量部程度が好ましい。
【0079】ビニル単量体の使用量が上記範囲未満で
は、グラフト化された高分子の分子量が小さすぎるた
め、製造される磁性粒子が、耐熱性、耐摩耗性に劣ると
ともに、硬度が低く柔らかいものとなるおそれがある。
逆に、ビニル単量体の使用量が上記範囲を超えた場合に
は、過剰のビニル単量体がフリーの重合体を生成して、
やはり、製造される磁性粒子が、耐熱性、耐摩耗性に劣
るとともに、硬度が低く柔らかいものとなるおそれがあ
る。
【0080】グラフト化の反応に使用する重合開始剤の
種類と添加量は、先の第2の製造方法と同様でよい。グ
ラフト化の反応は適当な溶媒中で行ってもよく、また溶
媒を使用せず、グラフト化に使用するビニル単量体に溶
媒の役目を兼ねさせてもよい。つぎに、グラフト化が完
了した反応液から、グラフト化アミノ樹脂粉末を分離
し、磁性粉、結着樹脂およびその他の添加剤とともに溶
融混練した後、粉砕して分級することで、本発明の磁性
粒子が製造される。
【0081】結着樹脂としては、前記例示の各種ビニル
単量体を重合させたものがいずれも使用できる。結着樹
脂は、重合時に、前記例示の架橋剤で架橋させておいて
もよい。磁性粉やその他の添加剤については、先の製造
方法で使用したのと同様のものを、同量使用することが
できる。
【0082】上記本発明の第3の製造方法によれば、ア
ミノ樹脂粉末の表面のビニル基に、ビニル単量体が重合
して高効率でグラフト化されるため、グラフト化率が著
しく高く、副生成物としてのフリーの重合体の生成が著
しく抑えられる。また、処理済みのグラフト化アミノ樹
脂粉末は、反応液から分離されて結着樹脂その他と比較
的高温で溶融混練されるので、イソシアネート基含有ビ
ニル単量体やビニル単量体が低分子量で残存することが
ほとんどなく、カップリング剤等の低分子量の成分を使
用しないことと相俟って、製造される磁性粒子中には、
磁性粒子の物性に影響を及ぼす低分子量の成分が存在す
ることがない。
【0083】そして、グラフト化されたアミノ樹脂粉末
は、未処理のものにくらべて結着樹脂との相溶性にすぐ
れるため、磁性粒子中で凝集したりせずに、結着樹脂と
ほぼ均一に混和し、一体化した状態となり、両者の界面
から割れが発生したり、アミノ樹脂粉末が磁性粒子から
脱落したりするおそれがない。このため、製造される磁
性粒子は、耐熱性、耐摩耗性等にすぐれるとともに、硬
くかつ割れにくい、耐久性にすぐれたものとなる。
【0084】なお、本発明の磁性粒子は、前記のよう
に、帯電性のトナーとともに2成分系の現像剤を構成す
るキャリヤとして使用できる他、1成分系の現像剤とし
ての磁性トナーや磁気ディスプレイ等の種々の分野に使
用することができる。
【0085】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。実施例1 乾燥した窒素雰囲気下で、ベンゾグアナミン樹脂(日本
触媒化学工業(株)製)の粉砕粉末(体積基準のメジア
ン径3.2μm)20重量部と、イソシアネート基含有
ビニル単量体としてのメタクリロイルイソシアネートの
10重量部とを、ビニル単量体としてのスチレンの60
重量部中に混合し、室温で5分間攪拌して、上記ベンゾ
グアナミン樹脂の粉砕粉末の表面にビニル基を導入し
た。
【0086】つぎにこの処理液に、下記に示す各成分を
混合してペースト状のモノマー相を作製した。 成 分 重量部 ・磁性粉: 四三酸化鉄粉(チタン工業社製の品番BL−100) 100 四三酸化鉄粉(チタン工業社製の品番BL−200) 100 ・チタネートカップリング剤(味の素社製の品番KR−TTS) 0.5 ・ビニル単量体: ブチルメタクリレート 20 ・架橋剤: ジビニルベンゼン 2 ジエチレングリコールジメタクリレート 8 ・重合開始剤: 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 6 つぎに、分散媒としての蒸留水600重量部に、懸濁安
定剤としての第3リン酸カルシウム40重量部およびド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部を溶
解した後、上記モノマー相を加え、TKホモミキサー
〔特殊機化工業社製〕の高粘度用脚部を改造したミキサ
ーを用いて回転数6500r.p.m.で12分間攪拌して懸
濁させて、モノマー相を液滴化した。
【0087】つぎに、この懸濁液をセパラブルフラスコ
中に移し替え、窒素雰囲気下、回転数250r.p.m.で攪
拌しつつ80℃に加熱して、5時間重合反応させた。そ
して、重合粒子をろ別して希酸洗浄、水洗浄、乾燥を行
って、磁性粒子を得た。実施例2 ベンゾグアナミン樹脂の粉砕粉末に代えて、n−ブチル
化メラミン樹脂(三井東圧化学社製の品番21R)の粉
砕粉末(体積基準のメジアン径2.6μm)20重量部
を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして磁性
粒子を得た。
【0088】比較例1 ベンゾグアナミン樹脂の粉砕粉末を処理する際のスチレ
ンの量を70重量部にするとともに、メタクリロイルイ
ソシアネートを配合しなかったこと以外は、上記実施例
1と同様にして磁性粒子を得た。比較例2 メタクリロイルイソシアネートに代えて、シランカップ
リング剤(トーレシリコーン社製の品番SH6026)
の10重量部を使用したこと以外は、上記実施例1と同
様にして磁性粒子を得た。
【0089】実施例3 乾燥した窒素雰囲気下で、ベンゾグアナミン樹脂(日本
触媒化学工業(株)製)の粉砕粉末(体積基準のメジア
ン径3.2μm)20重量部、およびイソシアネート基
含有ビニル単量体としてのメタクリロイルイソシアネー
トの2重量部と、下記に示す各成分とを混合し、60℃
で3時間攪拌して反応させて、ベンゾグアナミン樹脂の
粉砕粉末をグラフト化したスラリーを得た。
【0090】 成 分 重量部 ・ビニル単量体: スチレン 60 ブチルメタクリレート 20 ・重合開始剤: 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.02 つぎにこのスラリーに、下記に示す各成分を混合してペ
ースト状のモノマー相を作製した。
【0091】 成 分 重量部 ・磁性粉: 四三酸化鉄粉(チタン工業社製の品番BL−100) 100 四三酸化鉄粉(チタン工業社製の品番BL−200) 100 ・ビニル単量体: ブチルメタクリレート 3 2−エチルヘキシルメタクリレート 7 ・架橋剤: ジビニルベンゼン 2 ジエチレングリコールジメタクリレート 8 ・重合開始剤: 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 6 つぎに、分散媒としての蒸留水600重量部に、懸濁安
定剤としての第3リン酸カルシウム40重量部およびド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部を溶
解した後、上記モノマー相を加え、TKホモミキサー
〔特殊機化工業社製〕の高粘度用脚部を改造したミキサ
ーを用いて回転数7000r.p.m.で12分間攪拌して懸
濁させて、モノマー相を液滴化した。
【0092】つぎに、この懸濁液をセパラブルフラスコ
中に移し替え、窒素雰囲気下、回転数250r.p.m.で攪
拌しつつ80℃に加熱して、5時間重合反応させた。そ
して、重合粒子をろ別して希酸洗浄、水洗浄、乾燥を行
って、磁性粒子を得た。実施例4 乾燥した窒素雰囲気下で、ベンゾグアナミン樹脂(日本
触媒化学工業(株)製)の粉砕粉末(体積基準のメジア
ン径3.2μm)20重量部、およびイソシアネート基
含有ビニル単量体としてのメタクリロイルイソシアネー
トの2重量部と、下記に示す各成分とを混合し、60℃
で3時間攪拌して反応させてスラリーを得、それを、減
圧下で加熱乾燥して溶媒その他低分子量の成分を除去し
て、グラフト化したベンゾグアナミン樹脂粉末を得た。
【0093】 成 分 重量部 ・ビニル単量体: スチレン 60 ブチルメタクリレート 20 ・重合開始剤: 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.02 ・溶媒 トルエン 50 つぎに、上記グラフト化ベンゾグアナミン樹脂粉末の2
6重量部を、結着樹脂としての、スチレン/ブチルメタ
クリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ジエ
チレングリコールジメタクリレート共重合体〔組成比6
0:28:7:3〕の100重量部、および下記の磁性
粉と予備混練した後、ニーダーを用いて溶融混練して混
練物を得た。
【0094】 成 分 重量部 ・磁性粉: 四三酸化鉄粉(チタン工業社製の品番BL−100) 100 四三酸化鉄粉(チタン工業社製の品番BL−200) 100 そしてこの混練物を、冷却後、粗粉砕し、ついでジェッ
トミルを用いて微粉砕した後、分級して磁性粒子を得
た。
【0095】上記各実施例、比較例について以下の各試
験を行い、特性を評価した。平均粒径測定 各実施例、比較例で製造した磁性粒子の粒度分布のうち
体積基準のメジアン径D50を、レーザー回折式粒子径測
定装置(堀場製作所製の型番LA−700)を用いて測
定して平均粒径とした。また、25%残留径D25と75
%残留径D75との比D25/D75を求めて、粒度分布の幅
を評価した。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】上記表1の結果より、実施例1,2と同じ
製造工程を採用し、ただしベンゾグアナミン樹脂をメタ
クリロイルイソシアネートで処理しなかった比較例1の
磁性粒子は、他の磁性粒子に比べてD50が大きいことか
ら平均粒径が大きく、またD 25/D75が大きいことか
ら、粒度分布の幅が広いことがわかった。とくに粒度分
布の幅は、粉砕法で製造した実施例4よりも広く、粒径
が不揃いであった。この原因を検討したところ、ベンゾ
グアナミン樹脂のビニル単量体とのぬれ性が悪く、モノ
マー相がきわめて高粘度のスラリー状を呈し、実施例1
と同じ懸濁条件では均一かつ小粒径の液滴が得られなか
ったためと判明した。
【0098】これに対し実施例1〜3の磁性粒子はいず
れも、比較例1の磁性粒子に比べてD50が小さいことか
ら平均粒径が小さく、また比較例1,2の磁性粒子に比
べてD25/D75が小さいことから、粒度分布の幅が狭
く、粒径の揃ったものであることがわかった。そしてこ
の事実から、本発明の第1および第2の製造方法によれ
ば、モノマー相の粘度を低くでき、したがって、モノマ
ー相を微小な液滴として分散媒中に分散させるのが容易
になることが確認された。また実施例4の結果から、本
発明の第3の製造方法でも、分級条件を厳密にすること
により、十分に実用可能なレベルの磁性粒子が得られる
ことがわかった。
【0099】実用試験 各実施例、比較例で製造した磁性粒子をキャリヤとし
て、それぞれ、平均粒径10μmのトナー〔三田工業
(株)製のDC2585用〕と、トナー濃度が8%とな
るように配合して2成分系の現像剤を作製し、以下の各
測定を行って、特性を評価した。
【0100】 画像濃度測定 各現像剤を、三田工業(株)製の普通紙複写機(型番D
C2585)にスタート現像剤として使用するととも
に、現像剤に使用したのと同じトナーを補給用トナーと
して使用しつつ、黒白原稿の4万枚の連続複写を行い、
画像形成1枚目(初期)、1千枚目、2万枚目および4
万枚目の形成画像における画像濃度を、反射濃度計(東
京電色社製の型番TC−6D)を用いて測定した。
【0101】 かぶり濃度測定 上記画像形成1枚目(初期)、1千枚目、2万枚目およ
び4万枚目の形成画像の余白部分の濃度を、上記反射濃
度計を用いて測定した。 ブローオフ帯電量測定 上記4万枚の連続複写前(初期)、1千枚複写後、2万
枚複写後および4万枚複写後における現像剤の帯電量
を、東芝ケミカル社製のブローオフ帯電量測定器を用い
て測定した。
【0102】画像濃度の測定結果を表2、かぶり濃度の
測定結果を表3、ブローオフ帯電量の測定結果を表4に
それぞれ示す。
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】上記各表の結果より、実施例1〜4はいず
れも、4万枚の連続複写を行っても、各特性にほとんど
変化がみられず、形成画像も良好であった。そしてこの
ことから、実施例1〜4の磁性粒子は耐久性にすぐれた
ものであることが確認された。一方、比較例1の磁性粒
子をキャリヤとして含有する現像剤は、800枚目の形
成画像の全面にかぶりが発生し、カブリ濃度も著しく上
昇したため連続複写を中止した。そして複写機内の現像
剤を検査したところ、トナー割れやアミノ樹脂粉末の脱
落にともなうとみられる流動性の低下が観察され、ブロ
ーオフ帯電量も低下していた。なお800枚目の形成画
像の画像濃度は1.44、かぶり濃度は0.020、ト
ナーのブローオフ帯電量は−16μC/gであった。
【0107】また比較例2の磁性粒子をキャリヤとして
含有する現像剤は、1000枚目の形成画像の全面にか
ぶりが発生したが、さらに連続複写を続けたところ、2
500枚目の形成画像には全面にかぶりがみられるとと
もに多数の白筋が発生した。また形成画像の画像濃度は
1.45であったが、かぶり濃度は0.023とさらに
上昇し、トナーのブローオフ帯電量は−8.5μC/g
とさらに低下した。そこで連続複写を中止して複写機の
現像部を検査したところ、キャリヤが凝集して、現像部
の穂切り板の部分に詰まっているのが観察された。
【0108】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アミノ樹脂粉末の分散性、分散安定性、結着樹脂との親
和性がよく、小粒径でかつ粒度分布の幅が狭く、しかも
耐熱性、耐摩耗性等にすぐれるとともに硬くかつ割れに
くい、バインダー型の磁性粒子が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/11 G03G 9/10 351 H01F 1/11 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性粉と、イソシアネート基含有ビニル単
    量体によって処理して表面にビニル基を導入し、さらに
    ビニル単量体を重合させてグラフト化したアミノ樹脂粉
    末とを含むことを特徴とする磁性粒子。
  2. 【請求項2】磁性粉と、イソシアネート基含有ビニル単
    量体によって処理して表面にビニル基を導入したアミノ
    樹脂粉末と、ビニル単量体とを含むモノマー相を、分散
    媒中に液滴状に分散させつつ重合させることを特徴とす
    る磁性粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】磁性粉と、イソシアネート基含有ビニル単
    量体によって処理して表面にビニル基を導入し、さらに
    ビニル単量体を重合させてグラフト化したアミノ樹脂粉
    末と、上記ビニル単量体と同一または異なるビニル単量
    体とを含むモノマー相を、分散媒中に液滴状に分散させ
    つつ重合させることを特徴とする磁性粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】磁性粉と、イソシアネート基含有ビニル単
    量体によって処理して表面にビニル基を導入し、さらに
    ビニル単量体を重合させてグラフト化したアミノ樹脂粉
    末とを、結着樹脂とともに溶融混練し、粉砕して分級す
    ることを特徴とする磁性粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115836106A (zh) * 2020-07-07 2023-03-21 弗瑞兹艾格有限及两合公司 能够上漆和已上漆的、具有结构化表面的材料

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