JP4159070B2 - 静電荷像現像用トナーおよび現像剤並びに画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナーおよびこの静電荷像現像用トナーを含有してなる現像剤並びにこの現像剤を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機などによる画像形成に利用されている電子写真法においては、一般に、光導電性材料よりなる感光層を有する感光体の表面に、一様に静電荷が付与された後、像露光によって当該感光体の表面に形成すべき画像に対応した静電荷像が形成され、この静電荷像が現像剤により現像されてトナー像が形成され、さらにこのトナー像が紙等の記録媒体に転写された後、当該トナー像が定着される。
【0003】
このような電子写真法に用いられる現像剤には、多くの性能が要求される。例えば、現像剤中のトナーには、着色力をはじめとし、静電的、熱的、強度的な物性、化学特性、あるいは流動性、ブロッキング、粒度分布に関わる粉体特性などの性能が要求される。これらの性能を満足させるため、トナーは、結着樹脂中に着色剤およびその他の種々の材料を複合化させた複合微粒子により構成されている。
而して、このようなトナーを含む現像剤を使用して画像形成を繰り返し行った場合には、トナーを構成する一部の物質によって、帯電付与部材例えばキャリアや薄層形成ブレードが汚染され、これにより、トナーの帯電性に変化が生じる結果、形成される画像に悪影響を及ぼす、という現象がしばしばみられる。然るに、トナーは複合材料により構成されていることから、帯電付与部材を汚染する物質は様々であるため、汚染物質の量と帯電性の変化量との間には、単純な相関が認められず、その結果、有効な対策を講ずることができないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものである。
本発明の第1の目的は、長時間にわたり連続して画像を形成した場合でも、帯電付与部材の汚染による帯電性の変化が抑制され、多数回にわたり安定した画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の第2の目的は、長時間にわたり連続して画像を形成した場合でも、帯電付与部材の汚染による帯電性の変化が抑制され、多数回にわたり安定した画像が得られる現像剤を提供することにある。
本発明の第3の目的は、長時間にわたり連続して画像を形成した場合でも、帯電付与部材の汚染による帯電性の変化が抑制され、多数回にわたり安定した画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の重合法により製造された静電荷像現像用トナーは、銅、クロム、鉄、亜鉛、モリブテンから選ばれる少なくとも1種の特定の元素を0.1質量%以上含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記特定の元素を含有して炭素と同期して発光する同期発光粒子及び特定の元素を含有し炭素と同期せず発光する非同期発光粒子の合計に対する非同期発光粒子の個数の割合(以下、便宜上、「遊離率」とも呼ぶ)が0.1個数%以上2.5個数%以下であることを特徴とする。
【0006】
本発明の一成分現像剤は、上記の静電荷像現像用トナーを含有してなることを特徴とする。
また、本発明の二成分現像剤は、上記の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有してなることを特徴とする。
【0007】
本発明の画像形成方法は、感光体の表面上に静電荷像を形成する工程、形成された前記静電荷像を現像剤によりトナー像として顕像化する工程、顕像化されたトナー像を記録媒体に転写する工程、および転写されたトナー像を定着する工程を有する画像形成方法において、上記の現像剤を用いることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈静電荷像現像用トナー〉本発明の重合法により製造された静電荷像現像用トナーは、基本的には結着樹脂と着色剤とを含有する着色粒子を有し、銅、クロム、鉄、亜鉛、モリブテンから選ばれる少なくとも1種の元素(以下、「特定の元素」ともいう。)を0.1質量%以上の割合で含有してなるものである。この理由としては明確ではないが、これらの元素自体が保有する原子構造により、大きな帯電付与能を保有することができるものである。その結果、特定元素が少量でも遊離した状態でトナー中に存在することにより、大きな摩擦帯電付与能が発揮され、この特定元素の遊離状態が現像剤の帯電性を長期に渡り安定させることに大きく寄与するものと推定される。
【0009】
この特定の元素のトナー中への含有方法は、元素単体金属として含有させる方法もあるが、例えば顔料や磁性粉あるいは荷電制御剤に金属酸化物の形で添加させてトナー中へ含有させることができる。具体的には、顔料としては銅フタロシアニン顔料、磁性粉としてはマグネタイトやフェライトなど、荷電制御剤としては、アゾ系クロム錯体、サリチル酸クロム錯体、サリチル酸亜鉛錯体、4級アンモニウム塩モリブデン錯体などが挙げられ、これらのトナー構成成分中に添加することにより、トナー中に含有させることができる。
【0010】
トナー中における特定の元素の含有割合は、通常の元素分析法により測定することができるが、蛍光X線分析法により測定することが好ましい。具体的には、蛍光X線を用いてトナー中の元素の定性分析を行うと共に、検出された特定の元素について検量線を作成し、この検量線から特定の元素の定量分析を行うことにより、トナー中の特定の元素の含有割合を求める。
【0011】
そして、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、特定の元素の遊離率が2.5個数%以下とされる。
このような条件を満足することにより、長時間にわたり連続して画像を形成した場合であっても、帯電付与部材に移行する特定の元素を含有する物質の量が低減され、これにより、トナーの帯電性の変化が抑制される結果、多数回にわたって安定した画像を形成することができる。
特定の元素の遊離率が10個数%を超える場合には、当該トナーを含有してなる現像剤を用いて長期間にわたり画像形成を繰り返し行うと、トナーの帯電性の変化が相当に大きくなり、種々の問題が生じる。また、特定の元素の遊離率の下限は0.1個数%である。この個数%未満であると特定の元素による帯電付与能が低下し、全体の帯電性が低下する問題がある。
【0012】
ここで、特定の元素の「遊離率」とは、前記特定の元素を含有して炭素と同期して発光する同期発光粒子及び特定の元素を含有し炭素と同期せず発光する非同期発光粒子の合計に対する非同期発光粒子の個数の割合(個数%)をいう。
この割合は、以下の方法により測定することができる。
先ず、トナーをローボリュームサンプラにより、フィルター上に採取する。このトナーをアスピレーターにより高速で吸引し、個々の粒子に分離した後、これらの粒子をHeマイクロ波プラズマ中に導入し、当該粒子の発光分析を行う。この発光分析においては、複数の分光器を用い、蛍光X線分析により炭素および0.1質量%以上含有されている特定の元素を検出することができるようにする。
次いで、粒子1個ごとに発光分析のデータを採取し、炭素による発光と特定の元素による発光との同期、非同期を調べる。すなわち、粒子1個が発光したときに、炭素による発光および特定の元素による発光が同時に観測されれば同期、同時に観測されなければ非同期である。
そして、炭素による発光と同期して発光する特定の元素を含有する粒子(以下、「同期発光粒子」という。)の個数と、炭素による発光と同期せずに発光する特定の元素を含有する粒子(以下、「非同期発光粒子」という。)の個数を測定し、同期発光粒子および非同期発光粒子の合計に対する非同期発光粒子の個数の割合を、特定の元素の遊離率(個数%)とする。
以上において、トナーを構成する粒子の蛍光分析を行うための装置としては、「パーティクルアナライザーPT−1000」(横川電機(株)製)を用いることができる。
【0013】
本発明の静電荷像現像用トナーは、重合法によって得られるもの(以下、この方法によって得られるトナーを、「トナー(B)」ともいう。)である。
なお、結着樹脂、着色剤および必要に応じて用いられる内部添加剤を溶融混練した後、この混練物を粉砕、分級する方法によって得られるもの(以下、この方法によって得られるトナーを、「トナー(A)」ともいう。)においても本発明の考え方を適用してもよい。
【0014】
《トナー(A)》
トナー(A)を得るために用いられる結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の樹脂、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を使用することができる。
【0015】
トナー(A)を得るために用いられる着色剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の材料、例えばカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を使用することができる。
【0016】
ここに、着色剤として使用されるカーボンブラックとしては、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が挙げられる。
【0017】
磁性体としては、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等が挙げられる。
【0018】
染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物を用いることもできる。
顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
着色剤の数平均一次粒子径は、その種類によって異なるが、概ね10〜200nm程度であることが好ましい。
着色剤は、画像を形成し得る量が含有されていれば、その割合は特に限定されるものではないが、トナー(A)中の1〜10質量%であることが好ましい。
【0020】
内部添加剤としては、離型剤、荷電制御剤などを用いることができる。
離型剤の具体例としては、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)、低分子量ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン類、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス、アミドワックスなどが挙げられる。
荷電制御剤の具体例としては、アゾ系クロム錯体等のアゾ系金属錯体、サリチル酸クロム錯体、サリチル酸亜鉛塩等のサリチル酸誘導体、カリックスアレン系化合物などの負帯電性荷電制御剤、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物などの正帯電性荷電制御剤が挙げられる。
【0021】
このようなトナー(A)においては、粉砕条件または分級条件を変更することにより、特定の元素の遊離率を制御することができる。すなわち、遊離している特定の元素を有する物質と樹脂との界面での破砕を抑制するようなマイルドな条件とすることで遊離を抑制することができる。特に気流式粉砕方法に比較して機械式粉砕方法では界面での破砕が進行しにくく、遊離物を抑制することができ、好ましい。このための粉砕装置としては、ターボミル(ターボ工業社製)やクリプトロン(川崎重工社製)を挙げることができる。更に分級工程では最終の遊離元素をモニターし、その結果をフィードバックしながら必要に応じて分級を繰り返し行うことで本発明の範囲内とすることができる。
【0022】
《トナー(B)》
トナー(B)を得るための重合法としては、種々の方法を利用することができるが、乳化重合法が好ましく、特に、下記の(1)または(2)の方法が好ましい。
(1)着色剤および必要に応じて用いられる添加剤が乳化分散されている水系分散媒中において、結着樹脂を構成する単量体を乳化重合することにより、着色剤を含有する重合体粒子を調製し、得られた分散液に、臨界凝集濃度以上の凝集剤と、水に無限溶解する有機溶媒とを添加して重合体粒子を会合させて凝集粒子を形成し、この系を重合体のガラス転移点以上の温度で加熱処理する方法。
この方法において、着色剤によりラジカル重合性が阻害されないように、当該着色剤の表面をカップリング剤等によって処理することが好ましい。
(2)必要に応じて用いられる添加剤が乳化分散されている水系分散媒中において、結着樹脂を構成する単量体を乳化重合することにより、重合体粒子を調製し、得られた分散液に、臨界凝集濃度以上の凝集剤と、水に無限溶解する有機溶媒とを添加し、着色剤の存在下で重合体粒子を会合させて凝集粒子を形成し、この系を重合体のガラス転移点以上の温度で加熱処理する方法。
これらの中では、上記(1)の方法が好ましい。
【0023】
結着樹脂を構成する単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン・イソブチレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類;アクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸誘導体;メタクリロニトリル、メタクリルアミド等のメタクリル酸誘導体を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
また、結着樹脂を構成する単量体として、イオン性解離基を有するものが併用されていてもよい。ここに「イオン性解離基」としては、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等を例示することができ、「イオン性解離基を有する単量体」としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
【0025】
さらに、結着樹脂を構成する単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用することにより、結着樹脂中に架橋構造を導入することもできる。
【0026】
単量体を乳化重合するための重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスシアノ吉草酸塩、過酸化水素等の水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。
【0027】
着色剤としては特に限定されるものではなく、従来公知の種々の材料、例えばカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を使用することができる。
【0028】
ここに、着色剤として使用されるカーボンブラックとしては、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック・ランプブラック等が挙げられる。
【0029】
磁性体としては、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等が挙げられる。
【0030】
染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物を用いることもできる。
顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0031】
着色剤の数平均一次粒子径は、その種類によって異なるが、概ね10〜200nm程度であることが好ましい。
着色剤は、画像を形成し得る量が含有されていれば、その割合は特に限定されるものではないが、トナー(B)中の1〜10質量%であることが好ましい。
【0032】
内部添加剤としては、離型剤、荷電制御剤などを用いることができる。
離型剤の具体例としては、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)、低分子量ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン類、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス、アミドワックスなどが挙げられる。
荷電制御剤の具体例としては、アゾ系クロム錯体等のアゾ系金属錯体、サリチル酸クロム錯体、サリチル酸亜鉛塩等のサリチル酸誘導体、カリックスアレン系化合物などの負帯電性荷電制御剤、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物などの正帯電性荷電制御剤が挙げられる。
【0033】
また、着色剤を含有する重合体粒子の分散液に添加される「凝集剤」としては、特に限定されるものではないが、金属塩を使用することが好ましい。かかる金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等を挙げることができ、これらのうち、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が好ましい。これらの金属塩は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上とされ、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上とされる。この臨界凝集濃度は、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤の種類によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。
また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0035】
着色剤を含有する重合体粒子の分散液に添加される「水に無限溶解する有機溶媒」としては、形成される樹脂(重合体粒子・凝集粒子・着色粒子)を溶解しない溶媒の中から選択される。かかる有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができ、これらのうち、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールを使用することが好ましい。有機溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体粒子の分散液に対して1〜300体積%であることが好ましい。
【0036】
このような方法においては、各材料の添加順序、添加時期、単量体の重合条件、重合体粒子の会合条件および反応後の洗浄条件を調製することにより、特定の元素の遊離率を制御することができる。
【0037】
トナー(B)を得るための重合法としては、特定の元素の遊離率が10個数%以下に制御することができるのであれば、乳化重合法に限定されるものではなく、例えば懸濁重合法や溶液重合法を採用してもよい。
【0038】
ここで、「懸濁重合法」とは、着色剤や荷電制御剤あるいは磁性粉などの特定の元素を含有する化合物と重合開始剤および重合性単量体とを混合、分散した重合性単量体組成物を水系媒体中に懸濁したあとに重合をおこなう方法である。この場合、水系媒体中には分散安定剤が添加され、分散安定剤としてはリン酸三カルシウム、コロイダルシリカ等の無機分散安定剤、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の高分子分散安定剤、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等の界面活性剤が挙げられる。
【0039】
また、「溶液重合法」とは、単量体および重合開始剤と着色剤、荷電制御剤あるいは磁性粉などの特定の元素を含有する化合物を溶媒へ溶解、あるいは分散させて、この溶液を加熱して重合反応させるものである。この場合、溶媒としては、単量体および得られる重合体(樹脂)を溶解できるものであれば特に制限されるものではなく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、THF等が挙げられる。
懸濁重合法および溶液重合法において使用する重合開始剤としては、アゾイソブチロニトリル、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の油溶性ラジカル重合開始剤を挙げることができる。
【0040】
以上の様に、種々の重合法を使用することができるが、本発明ではいわゆる乳化重合法で調整することが好ましい。この理由は明確ではないが、特定の元素を含有する化合物を水系媒体中で樹脂粒子と凝集させてトナー化させる方法であることから、ごく微量の遊離物を発生させることができ、重合法トナーの製造方法として本発明ではより好ましい製造方法である。
【0041】
本発明の静電像現像用トナーにおいては、示差熱量分析方法で測定される結着樹脂のガラス転移点は20〜90℃であることが好ましい。
また、高化式フローテスターで測定される結着樹脂の軟化点は80〜220℃であることが好ましい。
さらに、GPCにより測定される結着樹脂の分子量が、数平均分子量(Mn)で1,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)で2,000〜1,000,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜100、特に1.8〜70であることが好ましい。
【0042】
また、本発明の静電像現像用トナーには、必要に応じて種々の外部添加剤が含有されていてもよい。
外部添加剤としては、従来公知の無機微粒子および有機微粒子を使用することができるが、当該着色粒子に流動性を付与する観点から無機微粒子を使用することが好ましい。
【0043】
かかる無機微粒子を構成する化合物としては、各種の種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等を挙げることができ、その具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。
外部添加剤として使用される無機微粒子の数平均一次粒子径は10〜500nmであることが好ましい。ここで、無機微粒子の数平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡観察によって観察し、画像解析により測定されたものを示す。
【0044】
これらの無機微粒子の表面は、各種のチタンカップリング剤、シランカップリング剤等のいわゆるカップリング剤、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩などによって疎水化処理されていることが好ましい。
【0045】
<現像剤>
本発明の現像剤は、上記のトナーを含有してなるものであり、磁性体を含有する磁性トナーまたは磁性体を含有しない非磁性トナーよりなる一成分現像剤であってもよく、また、トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤であってもよい。
【0046】
二成分現像剤を構成する場合において、キャリアとしては、▲1▼ 磁性材料粒子のみで構成されるキャリア、▲2▼ 磁性材料よりなる芯材粒子の表面が樹脂により被覆されてなる樹脂被覆キャリアの何れであってもよい。
キャリアの粒子径としては、体積平均粒径で20〜150μm、好ましくは20〜100μmである。
磁性材料粒子および芯材粒子を構成する材料としては、鉄、フェライト、マグネタイトなどを用いることができる。
樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては特に限定されるものではなく、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、含フッ素アクリル酸エステル系樹脂などを用いることができる。
【0047】
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、感光体の表面上に静電荷像を形成する工程、形成された静電荷像を現像剤によって現像することより、感光体の表面上にトナー像を形成する工程、形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程、および記録媒体に転写されたトナー像を定着する工程を有する方法であり、上記の現像剤が用いられる。
静電荷像を現像する方法としては、接触現像方法(現像剤搬送担持体上に形成された現像剤層と感光体とが接触する方法)および非接触現像方法(前記現像剤層と感光体とが接触しない方法)のいずれの方法も採用することができる。
【0048】
(1)接触現像方法:
接触現像方法を採用する場合において、現像剤搬送担持体上に形成される現像剤層の厚みは、現像領域において0.2〜8mm、特に、0.4〜5mmであることが好ましい。
また、感光体と現像剤搬送担持体との間隙は、0.25〜7mm、特に0.3〜4mmであることが好ましい。
【0049】
(2)非接触現像方法:
図1は、本発明の画像形成方法に好適に使用できる非接触現像方法の現像部の一例における概略図であり、1は感光体、2は現像剤搬送担持体、3は本発明の二成分現像剤、4は現像剤量規制体、5は現像領域、6は現像剤層(薄層)、7は交番電界を形成するための電源である。
【0050】
現像剤搬送担持体2は、現像スリーブ2Aと磁石2Bとを備えた現像器であり、現像剤搬送担持体2の表面は、アルミニウム、酸化処理されたアルミニウム、ステンレスなどから構成されている。
現像剤搬送担持体2の直径は10〜40mmであることが好ましい。この直径が過小である場合には、トナーに対して帯電付与を行うために十分な接触を確保することが困難となり、直径が過大である場合には、トナーに対する遠心力が大きくなり、トナーの飛散の問題を発生する。
【0051】
二成分現像剤3は、磁石2Bを内部に有する現像剤搬送担持体2上において、磁気力により担持され、現像スリーブ2Aの移動により現像領域5に搬送される。
現像領域5に搬送された現像剤層6(薄層)は、現像剤量規制体4の押圧力により、感光体1と接触することがないようにその厚さが規制されている。
現像領域5における現像剤層6の厚さは、20〜500μmであることが好ましい。
【0052】
現像剤量規制体4の押圧力としては、9.8×10― 3 〜14.7×10― 2N/mm(1〜15gf/mm)であることが好ましく、更に好ましくは2.94×10-2〜9.8×10-2N/mm(3〜10gf/mm)である。この押圧力が過小である場合には規制力が不足するために搬送が不安定になりやすく、一方、押圧力が過大である場合には現像剤に対するストレスが大きくなるため、現像剤の耐久性が低下しやすい。
なお、現像剤量規制体として、ウレタンブレードやリン青銅板等を採用することもできる。
【0053】
一方、現像領域5の最小間隙(Dsd)は、当該現像領域5に搬送された現像剤層6の厚さ(好ましくは20〜500μm)より大きく、例えば100〜1000μm程度である。
交番電界を形成するための電源7は、周波数1〜10kHz、電圧1〜3kVp-p の交流が好ましい。電源7には必要に応じて直流を交流に直列に加えた構成であってもよい。直流電圧としては300〜800Vが好ましい。
なお、現像バイアスを付加する場合、直流成分のみを付加する方式、交流バイアスを印加する方式のいずれであってもよい。
【0054】
本発明の画像形成方法をカラー画像形成方法に適用する場合には、▲1▼ 感光体上へ単色の画像を形成しつつ逐次画像支持体へ転写する逐次転写方法、▲2▼ 感光体上に複数回単色画像を現像しカラー画像を形成した後に一括して画像支持体へ転写する一括転写方法のいずれであってもよいが、転写時の色ずれを解消する観点から上記▲2▼の方法が好ましい。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
(1)トナーの調製:
〈参考例1〜16および比較例1〜2〉
下記表1に示す処方に従って、結着樹脂、着色剤、離型剤および荷電制御剤を予備混合し、得られた混合物を溶融混練した後、粉砕、分級することにより、着色粒子を得た。以上において、粉砕および分級の条件は、特定の元素の遊離率を測定しながら調整した。そして、得られた着色粒子に、表1に示す処方に従って外部添加剤を加えて混合することにより、本発明のトナーおよび比較用のトナーを調製した。
なお、外部添加剤として使用したシリカおよび酸化チタンは、いずれも疎水化処理が施されたものである。
【0057】
【表1】
【0058】
〈実施例17〉
純水270ml中にノニオン乳化剤3g、アニオン乳化剤4.5gおよび、過硫酸カリウム6gが含有されてなる溶液中に、スチレンモノマー220g、アクリル酸ブチル40gおよびアクリル酸12gを添加し、撹拌下に70℃で8時間重合させることにより、重合体粒子のエマルジョンを得た。このエマルジョンに銅フタロシアニン系シアン顔料11g、固形分濃度が30質量%のポリプロピレンエマルジョン60gおよび純水1620mlを加え、スラッシャーにより分散撹拌しながら約30℃に2時間保持し、その後、さらに撹拌しながら70℃に加温して3時間保持した。次いで、このエマルジョンを冷却して濾過し、得られた固形物を水洗、乾燥、解砕することにより着色粒子を得た。
この着色粒子100質量部に、外部添加剤としてシリカ2.5質量部および酸化チタン0.5質量部を加えて混合することにより、本発明のトナーを調製した。 なお、外部添加剤として使用したシリカおよび酸化チタンは、いずれも疎水化処理が施されたものである。
【0059】
〈実施例18〉
アルミニウムカップリング剤によって処理された銅フタロシアニン系シアン顔料11gを、純水600ml中にドデシル硫酸ナトリウム5.0gが溶解されてなる溶液中に添加し、これを超音波をかけながら撹拌し、銅フタロシアニン系シアン顔料を十分に分散させて分散液を調製した。
一方、界面活性剤によって低分子量ポリプロピレンを加熱しながら水中に乳化させた乳化分散液(固形分濃度30質量%)を調製した。
上記の銅フタロシアニン系シアン顔料を含有する分散液と、上記の低分子量ポリプロピレンを含有する乳化分散液とを混合し、この混合分散液に、スチレンモノマー220g、n−ブチルアクリレートモノマー40g、メタクリル酸モノマー12g、t−ドデシルメルカプタン5.4g、脱気処理された純水1620mlを添加し、その後、窒素気流下に撹拌しながら70℃まで加温した。次いで、過硫酸カリウム4.3gを純水440ml中に溶解させた溶液を加え、70℃で3時間保持することにより、乳化重合を行った。
【0060】
得られた重合液1000mlに対して水酸化ナトリウムを加えて重合液のpHを9.5に調整した後、これに2.2モル%塩化カリウム水溶液270mlを添加し、更にイソプロピルアルコール160mlおよびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの平均重合度が10のもの)9.0gが純水67ml中に溶解されてなる溶液を添加し、75℃に保持して6時間撹拌することにより反応させた。
得られた反応液を濾過した後、固形物を、メタノールおよび水の混合液(混合比1:1)により3回洗浄した後、乾燥、解砕することにより、着色粒子を得た。
この着色粒子100質量部に、外部添加剤としてシリカ2.5重量部および酸化チタン0.5質量部を加えて混合することにより、本発明のトナーを調製した。 なお、外部添加剤として使用したシリカおよび酸化チタンは、いずれも疎水化処理が施されたものである。
【0061】
〈比較例3〉
スチレンモノマー220g、アクリル酸ブチル40gおよびアクリル酸12gを、純水270ml中にノニオン乳化剤3g、アニオン乳化剤4.5gおよび過硫酸カリウム6gが含有されてなる水溶液混合物に添加し、これを撹拌しながら70℃で8時間重合させることにより、エマルジョンを得た。このエマルジョンに銅フタロシアニン系シアン顔料11g、固形分濃度30質量%のポリプロピレンエマルジョン60gおよび純水1620mlを加え、スラッシャーにより分散攪枠しながら約30℃に0.5時間保持した後、さらに撹拌しながら70℃に加温して3時問保持した。その後、エマルジョンを冷却して濾過し、固形物を水洗、乾燥、解砕することにより着色粒子を得た。
この着色粒子100質量部に、外部添加剤としてシリカ2.5質量部および酸化チタン0.5質量部を加えて混合することにより、比較用のトナーを調製した。 なお、外部添加剤として使用したシリカおよび酸化チタンは、いずれも疎水化処理が施されたものである。
【0062】
参考例1〜17、実施例18および比較例1〜3に係るトナーに含有される特定の元素の種類、含有割合および遊離率を後記表2に示す。
尚、遊離率の測定は、横河電機(株)社製パーティクルアナライザーPT−1000を使用し下記条件にて測定した。
C検出数:約1500
ノイズカットレベル:1.5以下
ソート時間:20digits
ガス:オゾン0.1%、ヘリウムガス
以上の測定条件で炭素起因の発光電圧を横軸とし、縦軸に特定の元素起因の発光電圧としたプロットを全測定粒子について行う。次いで、炭素の発光電圧=0の部分にプロットされた粒子の個数をカウントし、全測定粒子数の個数%を算出した。
【0063】
(2)現像剤の調製:
参考例1〜4および比較例1に係るトナーをそのまま一成分現像剤とした。
また、後記表2に従って、参考例5〜17、実施例18および比較例2〜3に係るトナーと、平均粒子径45μmの芯粒子にスチレン−アクリル系樹脂が被覆されてなるキャリア1およびキャリア2、並びに平均粒子径45μmの芯粒子にシリコーン樹脂が被覆されてなるキャリア3とを用い、トナー濃度が8%の二成分現像剤を調製した。
【0064】
(3)画像形成:
参考例1〜4および比較例1に係る一成分現像剤を用い、現像器を一成分現像剤用に改造したプリンター「KL2010(コニカ社製)」により、画像面積率5%の画像情報で1万プリントの実写テストを行い、初期のトナーの帯電量および実写テスト後の帯電量を測定すると共に、1万プリント後の画像を目視で観察し、カブリの有無を調べた。
また、参考例5〜17、実施例18および比較例2〜3に係る二成分現像剤を用い、プリンター「KL2010(コニカ社製)」により、画像面積率5%の画像情報で1万回の実写テストを行い、初期のトナーの帯電量および1万プリント後のトナーの帯電量を測定すると共に、1万プリント後の画像を目視で観察し、画像の背景におけるカブリの有無を調べた。
以上、結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2の結果から明らかなように、参考例1〜17、実施例18に係るトナーは、特定の元素の遊離率が10個数%以下であるため、長時間にわたって連続して画像を形成した後においても、トナーの帯電量の低下が少なく、優れた特性を有し、安定した画像を形成し得るものであることが確認された。
【0067】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、長時間にわたり連続して画像を形成した場合でも、帯電付与部材の汚染による現像剤の帯電性の変化が抑制され、多数回にわたって安定した画像を形成することができる。
本発明の現像剤によれば、長時間にわたり連続して画像を形成した場合でも、帯電付与部材の汚染による現像剤の帯電性の変化が抑制され、多数回にわたって安定した画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法によれば、長時間にわたり連続して画像を形成した場合でも、帯電付与部材の汚染による現像剤の帯電性の変化が抑制され、多数回にわたって安定した画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触現像方法による現像部の概略図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像剤搬送担持体
3 二成分現像剤
4 現像剤量規制体
5 現像領域
6 現像剤層
7 電源
Claims (4)
- 銅、クロム、鉄、亜鉛、モリブデンから選ばれる少なくとも1種の特定の元素を含有して炭素と同期して発光する同期発光粒子及び特定の元素を含有し炭素と同期せず発光する非同期発光粒子の合計に対する非同期発光粒子の個数の割合が0.1個数%以上2.5個数%以下であり、且つ重合法により得られたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを含有してなることを特徴とする一成分現像剤。
- 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有してなることを特徴とする二成分現像剤。
- 感光体の表面上に静電荷像を形成する工程、形成された前記静電荷像を現像剤によりトナー像として顕像化する工程、顕像化されたトナー像を記録媒体に転写する工程、および記録媒体に転写されたトナー像を定着する工程を有する画像形成方法において、
請求項2または請求項3に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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