JP2002148846A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2002148846A
JP2002148846A JP2000348993A JP2000348993A JP2002148846A JP 2002148846 A JP2002148846 A JP 2002148846A JP 2000348993 A JP2000348993 A JP 2000348993A JP 2000348993 A JP2000348993 A JP 2000348993A JP 2002148846 A JP2002148846 A JP 2002148846A
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toner
titanium oxide
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fine particles
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JP2000348993A
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English (en)
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Naotaka Ikeda
池田  直隆
Yuji Mikuriya
裕司 御厨
Ryoichi Fujita
亮一 藤田
Yasushi Katsuta
恭史 勝田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境の変動に影響されず、長期にわたり、安
定した画像濃度・高画質の画像の得られるトナーを提供
することにある。 【解決手段】 少なくともバインダー樹脂及び着色剤を
含有するトナー粒子と、該トナー粒子に外添混合される
無機微粒子とを有し、該無機微粒子が荷電制御樹脂によ
って表面処理されていることを特徴とするトナーであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等における静電像を現像するための乾式ト
ナー、とりわけ画質を著しく向上させたカラートナーに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては数多くの方法
が知られているが、一般的には光導電性物質を利用し種
々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで
該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転
写材にトナー画像を転写した後、加熱或いは溶剤蒸気等
により定着し、複写物を得るものである。この場合、転
写材上に転写されなかった感光体上の残留トナーは、規
制ブレード或いはファーブラシ状のものから構成される
クリーニング機構により取り除かれるのが一般的であ
る。
【0003】電気的潜像をトナーを用いて可視化する現
像方法は、例えば米国特許第2,221,776号公報
に記載されている粉末雲法、同第2,618,552号
公報に記載されているカスケード現像法、同第2,87
4,063号公報に記載されている磁気ブラシ法、及び
同第3,909,258号公報に記載されている導電性
磁性トナーを用いる方法、その他、現像剤担持体(現像
スリーブ)と光導電層の間に交流成分と直接成分からな
るバイアス電界を印加し現像を行う特開昭62−639
70号公報に開示されている、いわゆるJ/B現像法等
がある。
【0004】この様な電子写真法には多数の現像方法が
知られているが、特にトナー及びキャリアを主体とする
二成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が
幅広く実用化されている。これらの方法は、いずれも比
較的安定的に良画像の得られる優れた方法であり、鮮明
且つ原稿に忠実な色再現性が要求されるフルカラートナ
ー等において構成される場合が多いが、反面キャリア表
面へのトナースペントや、トナーとキャリアの混合比変
動に伴う帯電特性の変動等といった二成分現像剤のまつ
わる特有の欠点を有する。
【0005】帯電特性の変動といった点では、トナーと
キャリアの混合性を良好にし、安定な帯電特性を得るた
めにトナーに所望の流動性を持たせることも一つの重要
な要素であるが、従来より耐熱性、耐衝撃性に優れるシ
リカ微粒子や、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微
粒子等に代表される無機微粒子等を流動性付与剤として
トナーに外添するといった手段が公知の技術として行わ
れている。しかしながら、より高画質な複写物を得る今
日ではトナーやキャリアの更なる微粒子化技術が進歩し
たため、若干の温湿度変化に対応して帯電量変動が生じ
たり、トナー表面からの流動性付与剤の遊離による不均
一な混合性が生じることで混合性の低下やトナー塊等を
生じ易くなり、所望の帯電量を付与することが困難にな
るといった問題を生じる。
【0006】また、トナー表面から流動性付与剤が遊離
することで流動性付与剤自身からトナーに電荷を付与さ
せる機能が損なわれることにより帯電量変動を生ずると
いった問題もある。
【0007】温湿度に対する帯電量変動に関しては、表
面を疎水化処理された無機微粒子が用いられる場合が多
々あるが、確かに帯電量の環境較差を縮める効果はある
ものの、シリカ微粒子を用いると経時によるトナーの帯
電量が変動し易く、長期間保存した場合にトナーが凝集
し易いといった問題が生じたりする。また、特開昭59
−52255号公報、特開昭60−238849号公報
等に示される疎水性酸化チタンを用いる場合や、特開昭
60−238849号公報に示される疎水性の酸化アル
ミニウム/酸化チタン、特開昭61−275860号公
報に示されるアミノ変性シリコーンオイル処理を施した
酸化アルミニウムを用いることが提示されているが、い
ずれの場合においても絶対帯電量がシリカ微粒子よりも
低いために低湿環境下におけるトナー飛散等の問題や、
トナー表面に保持される帯電量が低いが故にトナー表面
からの遊離が生じやすく、流動性が損なわれることで現
像剤の混合性低下による帯電量変動が懸念され、各々単
独では十分に満足される性能が導き出されていないのが
現状である。
【0008】トナー表面に外添された無機微粒子の遊離
を抑制する手段としては、特開平2−61649号公報
や特開平2−77756号公報に示される無機微粒子を
メカノケミカル反応(機械的衝撃)によりトナー表面に
固着させる手段が知られているが、この場合においては
確かに無機微粒子が固着されるものの、所望の流動性を
得られず、結果的に現像剤の混合性低下から安定な帯電
特性を望むことは困難である。
【0009】この様なトナー表面での帯電特性を改良す
る一方、電気的潜像を現像するためのトナーにおいて
は、耐久性向上の面からも、外添剤を用いた場合の帯電
付与への不安定要素である、付着,偏析,遊離を払拭
し、特に帯電特性の安定化を達成するために、トナー中
に種々の荷電制御剤等が使われている。
【0010】現在、市場におけるフルカラー複写機等で
は負の帯電特性を有するカラートナーを用いるのが主流
ではあるが、一般に荷電制御剤を用いてトナーへ負電荷
を付与させる場合は、含金属染料を用いる場合が多い。
これらの含金属染料を用いてトナーを製造する際は、ト
ナー中での均一分散を得るために、非常に高温で溶融混
練を行わなければならず、この時に染料が熱分解を起こ
したりして色調が変化したりする場合が多々ある。ま
た、現像器内でキャリアとトナーが混合される際に機械
的摩擦及び衝撃によって付与される電荷が不均一にな
り、画像濃度ムラやカブリ現象を起こし、画質低下を招
く結果となる。
【0011】これらの問題を解決する手段としては、既
に特開昭57−167033号公報に開示の如く、金属
化可能なアゾ化合物を公知の方法によって金属付与剤で
処理した後、酸性又は鉱酸等を含む水で希釈して沈殿さ
せ、濾過することにより得られるアゾ系金属錯体を使用
することにより、帯電特性が安定した負帯電性トナーを
得ることが可能とされた。
【0012】しかしながら、トナー製造の溶融混練過程
で前述の様な有機金属錯体を主とした荷電制御剤は一次
粒子径が0.01〜0.05μmと微小のものが多く、
更に乾燥粉体として非常に凝集性が高いことから、分散
性を高めるには限界があり、それのみで所望の帯電量を
維持させるには困難な場合が多い。
【0013】そこで、特開昭64−72168号公報や
特開平2−308262号公報に見られる様な荷電制御
剤をトナー表面ヘコーティングしたり、前述の特開平2
−61649号公報や特開平2−77756号公報に見
られる様なメカノケミカルにより、トナー表面へ荷電制
御剤を強固の固着させるといった手段が開示されてい
る。しかしながら、これらの手段で得られるトナーは初
期的には安定した帯電特性を有するものの、二成分現像
剤の構成では、長期に渡る連続複写の過程でトナー表面
に付着又は固着している荷電制御剤がキャリア表面へ移
行してしまい、最終的にはキャリアからの帯電付与能力
が低下しトナーの帯電量が著しく低下することでトナー
飛散や複写機本体への部材汚染等といった弊害を生ずる
可能性が高い。
【0014】また、表面の荷電制御剤が何らかの衝撃に
より欠落し、感光体上に残った場合には、感光体上の微
小な傷や、転写しきれない残留トナー等の核が存在した
りすると、この核部に荷電制御剤がトラップされ易くな
り、クリーニングブレードからのトナーすり抜けや、ト
ナーフィルミングの発生といった弊害を生ずる恐れもあ
る。
【0015】また、通常トナーに添加されている荷電制
御剤は、トナーに正の電荷を付与する荷電制御剤として
はニグロシン染料、含金アゾ染料等が、負の電荷を付与
する荷電制御剤としては重金属を含有する合金の化合
物、例えばクロムを含む錯体または塩が使用されてい
る。特に負電荷制御剤は、例えば、クロムの様な金属を
含有する含金属染料タイプが、付与する帯電レベルが高
いということで、ほとんどを占めている。ところが、ト
ナーという極めて人体に近い場所で使用される物質の成
分として、クロムの様に安全性に疑問のある金属は、で
きるだけ使用しないことが好ましい。特に近年、こうし
た安全性を重視する声は高まりつつあり、トナーにおい
ても、なるべくクロムなどの金属を含有しないで、しか
も帯電性は従来以上に良好で、他のトナー要求特性にも
優れた荷電制御剤の開発が望まれている。
【0016】この問題を解決するために、トナーの荷電
性を向上させる目的で荷電制御樹脂をトナー中に添加す
る技術が従来より知られている(例えば特開平2−16
7565号公報、特開平6−178354号公報、特開
平8−44114号公報)。
【0017】しかし、荷電制御樹脂は、上記の荷電制御
剤に対する帯電性向上の機能が不十分である。また、ト
ナー中に荷電制御樹脂を内添する場合、均一化が容易で
ないこと、また実質的に帯電性に寄与するのは、トナー
粒子表面近傍のものであり、粒子内部に存在する荷電制
御樹脂は帯電性に寄与しないため、荷電制御剤の添加量
や表面への分散量等のコントロールが容易ではない。ま
たこの様な手法で得られたトナーにおいてもトナーの摩
擦帯電量が不安定であり、前途の如く現像剤特性を満足
するものを容易に得ることはできないなど、帯電補助剤
を使用するだけでは十分満足な品質のものが得られてい
ない。
【0018】この問題を解決するために荷電制御樹脂を
直接トナー粒子に外添する方法が従来より知られている
が(例えば特開平5−119535号公報)、連続複写
・連続印字を行ううちに荷電制御樹脂がトナーから遊離
し、感光体に付着しフィルミング現象を生じたり、また
キャリアに付着するなどにより、十分な環境安定性が得
られず満足な品質のものが得られない。また、アナター
ゼ型酸化チタンを疎水化剤及び荷電制御剤で表面処理し
た外添剤をトナー粒子に外添混合する方法が従来より知
られている(例えば特開平9−43892号公報)。し
かし、荷電制御剤として、サリチル酸誘導体の亜鉛錯体
等のサリチル酸金属錯体、ホウ素化合物、金属錯塩型ア
ゾ染料、含フッ素四級アンモニウム塩系化合物、四級ア
ンモニウム塩系化合物、アジン系化合物等を使用してい
るため、酸化チタン表面に対する固着力が弱く、連続複
写・連続印字を行ううちに荷電制御剤が外添剤表面から
遊離し、また遊離した荷電制御剤がキャリア等に付着す
ることにより、帯電量において十分な環境安定が得られ
ず満足な品質のものが得られていないのが実情である。
【0019】また、近年、市場において複写機やプリン
ターの高精細,高画質化の要求もさることながら、より
高速化による高生産性といった面での要求も高まりつつ
ある。この様な要求に対し、二成分現像剤を用い電子複
写装置により多数枚連続複写を行うと、初期には鮮明で
良好であった画像が、数万枚複写後はカブリが著しく増
加し、階調性及び鮮明性に乏しい画像となる。
【0020】この様に多数枚の連続複写を行うと、通
常、初期は高画像濃度の複写物が得られるが、次第に二
成分現像剤へのトナー補給が間に合わなくなり、濃度低
下が生じたり、帯電不十分の状態で、補給トナーとキャ
リアとの混合がなされ、カブリの原因となったり、現像
スリーブ上での部分的なトナー濃度の増減が生じ、画像
のカスレや画像濃度の一様性が得られなくなる傾向があ
る。
【0021】この様にトナーに安定な帯電特性を付与す
る手段として外添剤や荷電制御剤からの電荷付与が一般
的ではあるが、いずれの場合においてもそれらが欠落、
脱離、移行等を生じた場合、帯電特性に様々な障害を与
え最終的な画像品質の低下を招くことになる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したトナーを提供することにある。
【0023】即ち本発明の目的は、含金属でなくとも帯
電安定性に優れている荷電制御樹脂を使用し、温湿度等
の環境に左右されにくく、かつ十分な荷電性が得られ、
安定した帯電性、流動性、現像性等の特性を有するトナ
ーを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くともバインダー樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
と、該トナー粒子に外添混合される無機微粒子とを有
し、該無機微粒子が荷電制御樹脂により表面処理されて
いることを特徴とするトナーに関する。
【0025】本発明のトナーにおいては、トナー粒子に
外添混合して用いる外添剤として、荷電制御樹脂により
表面処理された無機微粒子を使用することにより、現像
剤の荷電性の向上および環境安定性(特に、湿度変化に
対するトナー帯電量の安定性)の向上を達成することが
でき、さらには流動性や現像性等の特性の向上も図るこ
とができる。
【0026】また、荷電制御樹脂にて無機微粒子を表面
処理しているため、無機微粒子に対する荷電制御樹脂の
固着力が強い。そのため、連続複写・連続印字を行って
も荷電制御樹脂が無機微粒子表面から遊離することがな
く、トナーは安定した荷電性を発揮することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明において、無機微粒子とし
ては、特に限定されるものではないが、以下のような無
機微粒子が例示できる。本発明でいう無機微粒子として
は、酸化チタン(メタチタン酸含む)、シリカ、アルミ
ナ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭
化チタン、炭化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコ
ニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸亜鉛等が例示できる。これらの無機微粒子は、単独
あるいは組み合わせて用いることができる。
【0028】本発明でいう無機微粒子としては、湿度変
化に対するトナー帯電量の安定性をより向上させる目的
で、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタンには、アナ
ターゼ型、ルチル型、ブカレスト型の結晶形態がある
が、本発明ではいずれの結晶形態のものでも使用でき、
トナーへの無機微粒子の埋め込み及び遊離を抑制する点
で、ルチル型を採用する方が好ましい。
【0029】荷電制御樹脂により表面処理された無機微
粒子の個数平均粒径は、トナーへの流動性付与や研磨性
の点から10〜100nmであることが好ましい。個数
平均粒径が10nmより小さい場合には、トナー粒子表
面に埋め込まれ易いためトナー劣化が早期に生じやす
く、耐久性が低下し、また荷電制御樹脂により表面処理
された無機微粒子の研磨性が低い。
【0030】個数平均粒径が100nmより大きい場合
には、トナーの流動性が低下するために帯電が不均一と
なりやすく、その結果として画質の劣化、トナー飛散、
カブリが生じやすい。また、感光体表面に大きな傷を付
けやすく、画像欠陥を生じやすく、またクリーニングブ
レードの如きクリーニング部材を変形又は損傷するとい
う問題が生じやすい。
【0031】次に本発明に用いられる荷電制御樹脂につ
いて説明する。
【0032】トナーの荷電性は、トナー粒子表面の荷電
性が重要となる。このため荷電性の制御を行う場合に、
トナー粒子中の荷電制御剤の含有量を調整するよりもト
ナーの外添剤の荷電量を調節する方がより効果的であ
る。そのため荷電制御樹脂で処理した無機微粒子をトナ
ー粒子に外添することにより、荷電制御樹脂をトナー粒
子中に内添するよりも、効果的に荷電制御できる。
【0033】本発明に用いられる荷電制御樹脂として
は、負電荷制御剤の作用をする極性基を有する共重合体
であれば、特に指定されるものではないが、以下のよう
な共重合体が例示できる。
【0034】本発明でいう極性基を有する共重合体を製
造するための単量体としては、スルホン酸基、カルボン
酸基、りん酸基を置換基として有するビニル系重合体が
例示できる。特にスルホン酸基、カルボン酸基を置換基
として有するビニル系重合体を使用することが好まし
い。
【0035】スルホン酸基を置換基として有するビニル
系重合体を構成する単量体としては、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸(AMPS)、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホ
ン酸あるいは、下記式のマレイン酸アミド誘導体、マレ
イミド誘導体、スチレン誘導体が例示でき、特にAMP
Sが好ましい。
【0036】
【化1】
【0037】
【化2】
【0038】
【化3】
【0039】カルボン酸基を置換基として有するビニル
系重合体を構成する単量体としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノエス
テル、ビニル安息香酸あるいは(メタ)アクリル酸のヒド
ロキシルカルボン酸エステル類が例示できる。
【0040】これらの単量体は、荷電制御樹脂の構成成
分として一部もしくはすべてとして、用いることができ
る。また、これらの単量体は、1種または2種以上組み
合わせて用いることができる。
【0041】上記単量体と共重合体をなす単量体として
は、特に指定されるものではないが、ビニル系重合性単
量体が例示でき、単官能性重合性単量体或いは多官能性
重合性単量体を使用することができる。これらの単量体
は、1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0042】単官能性重合性単量体としては、スチレ
ン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso
−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォス
フェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェート
エチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルア
クリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート
の如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert
−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、
n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニー
ルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタ
クリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレ
ートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族
モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如き
ビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエー
テル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビ
ニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられ
る。
【0043】多官能性重合性単量体としては、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリルレー
ト、エチレングリコールジメタクリルレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ
クリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられ
る。
【0044】本発明におけるビニル系重合体の単量体の
好ましい組み合わせは、AMPSとスチレン及び/また
はα−メチルスチレンとの組み合わせである。
【0045】共重合させるに際して用いることのできる
重合開始剤としては、特別な制限はなく、ラジカル重合
反応において、通常使用される公知の過酸化物開始剤ま
たはアゾ系開始剤等が使用できる。
【0046】本発明における該共重合体の製造方法とし
ては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等いずれの常法を
用いてもよく、操作性などの面から有機溶剤中で、単量
体混合物を共重合させる溶液重合法を採用するのが好ま
しい。
【0047】該荷電制御樹脂の単量体の混合割合及び無
機微粒子への表面処理量は、特に制限するものではない
が、無機微粒子100質量部に対して、50質量部以下
であることが好ましい。また無機微粒子100質量部に
対して、共重合体中の極性基を有する共重合体を製造す
るための単量体相当部は、0.001〜30質量部とな
る単量体の混合比及び表面処理量であることが好まし
い。0.001質量部より少ないと目的とする荷電制御
の効果がなく、30質量部より多いと無機微粒子同士が
凝集し易くなり、またトナーの環境安定性が悪くなる。
【0048】上記共重合体の分子量については特別な制
限はないが、重量平均分子量(以下「Mw」という)が
1000〜100000の範囲にすることが好ましい。
1000より小さいと目的とする荷電制御性が得られな
い。100000より大きいと無機微粒子を表面処理す
るときに、該共重合体が溶媒に溶解しにくい、あるいは
溶かした際の溶融粘度が高くなり、無機微粒子に均一処
理しにくくなる。
【0049】また上記共重合体のガラス転移温度(以下
「Tg」という)については特別な制限はないが、長期
にわたってトナー粒子に安定的に付着維持させることが
できる点で、30〜100℃の範囲とすることが好まし
い。
【0050】本発明の無機微粒子の表明処理は、上記共
重合体の1種または2以上の共重合体を用いることがで
きる。
【0051】次に本発明に用いられる疎水化剤について
説明する。
【0052】本発明において、疎水化剤による無機微粒
子の表面処理は必須ではないが、環境安定性、特に湿度
の影響によるトナー荷電量の変化を抑制するのに無機微
粒子の表面を疎水化剤により疎水化処理することが好ま
しい。
【0053】疎水化剤としては一般的に公知の処理剤で
あれば特に制約されるものではないが、例えば、シラン
カップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコー
ンオイル、シリコーンワニス等が使用可能であるが、本
発明においてはシラン系有機化合物が好ましい。シラン
系有機化合物としては、表面改質の目的(例えば帯電特
性のコントロール、更には高湿下での帯電の安定化)及
びシラン系有機化合物の反応性に応じて適宜選択すれば
良い。例えばアルコキシシラン、アルキルアルコキシシ
ラン、シロキサン、シラン、シリコーンオイル等のシラ
ン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が
熱分解しないものが良い。
【0054】特に好ましいものとしては、カップリング
剤の如く、揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ
結合基の双方を有しているアルコキシシランを用いるの
が良い。
【0055】具体的に例えばシランカップリング剤とし
ては、一般式 RmSiYn R:アルコキシ基 m:1〜3の整数 Y:アルキル基、ビニル基、フェニル基、メタクリル
基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はこれらの
誘導体 n:1〜3の整数 で表されるものが好ましく、例えばビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキ
シプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができ
る。
【0056】その処理量は、酸化チタン100質量部に
対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3
〜50質量部である。
【0057】本発明にて特に好適なのは、一般式 Cn2n+1−Si−(OCm2m+13 n=4〜12 m=1〜3 で示されるカップリング剤である。ここで、一般式にお
けるnが4より小さいと、処理は容易となるが疎水化度
が充分に達成出来ない。またnが12より大きいと、疎
水性が十分になるが、酸化チタン同士の合一が多くな
り、流動性付与能が低下してしまう。
【0058】また、mは3より大きいと、反応性が低下
して疎水化が十分に行われなくなってしまう。従って、
本発明において、nは4〜12、好ましくは4〜8、m
は1〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0059】その処理量は、無機微粒子100質量部に
対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは3
〜40質量部が良い。
【0060】本発明において、疎水化剤及び荷電制御樹
脂により表面処理された無機微粒子の疎水化度は、40
〜90%の範囲であり、50〜80%であることが好ま
しい。
【0061】疎水化度が40%より小さい場合には、ト
ナーの摩擦帯電量が低下しやすく、特に高湿環境下で帯
電量が低下して、トナー飛散、カブリ、画質劣化が生じ
やすい。また、疎水化度が90%より大きい場合には、
疎水化剤及び荷電制御樹脂により表面処理された無機微
粒子自身の好適な帯電コントロールが困難となり、特
に、低湿環境下でトナーがチャージアップしやすい。
【0062】また、疎水化処理は疎水化剤単独で行って
も良いし、2種類以上の疎水化剤を使用しても良い。例
えば1種類のカップリング剤単独で疎水化処理を行って
も良いし、2種類のカップリング剤で同時に、またはカ
ップリング剤での疎水化処理を行った後、別のカップリ
ング剤で更に疎水化処理を行っても良い。尚、疎水化剤
の使用方法や疎水化剤の添加方法に特に制約はない。
【0063】疎水化剤による表面処理はトナーの環境安
定性、特に湿度の影響によるトナー荷電量の変化を抑制
するために行うものであり、一方で、荷電制御樹脂によ
る表面処理はトナーの荷電性を向上させ、画像カブリを
防止するために行う。
【0064】本発明のトナーは、上記荷電制御樹脂及び
疎水化剤で無機微粒子を表面処理しトナー粒子に外添混
合したものである。これらの表面処理の順序はどちらを
先に行ってもよいが、これらの処理剤を混合し一括して
表面処理することもできる。
【0065】疎水化剤で表面処理するには、例えば、疎
水化剤を溶剤で希釈し、未処理無機微粒子に該希釈液を
滴下または噴霧により添加して混合し、この混合物を加
熱し、乾燥させた後、解砕する乾式法や、該無機微粒子
を水系中に分散させてスラリー状にした上で疎水化剤を
添加混合し、これを加熱し乾燥させた後、解砕する湿式
法等により行うことができる。荷電制御樹脂で表面処理
するには、例えば、荷電制御樹脂を溶剤に溶解し、無機
微粒子に該溶液を滴下または噴霧により添加して混合
し、この混合物を乾燥させた後、解砕する方法や、スプ
レードライによる造粒法等により行うことができる。特
に、無機微粒子に対する疎水化剤による表面処理の均一
性、無機微粒子の凝集防止性等の観点から、水系中で無
機微粒子の疎水化処理を行い、この後、該疎水化無機微
粒子を溶剤中で荷電制御樹脂により表面処理することが
好ましい。
【0066】上記疎水化剤及び荷電制御樹脂により表面
処理された無機微粒子は、トナー100質量部に対し
て、0.01〜10質量部が外添剤として用いられ、好
ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。該無機微
粒子は単独、または2種以上で用いても、また、他の微
粒子を複数併用しても良い。
【0067】本発明に係る他の微粒子としては、従来の
如くシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、フッ化マ
グネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭
化ジルコニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸亜鉛、酸化錫等の各種無機微粒子;ポリテ
トラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーンの如
き有機微粒子を単独あるいは組み合わせてもよい。
【0068】トナー粒子に対して上述した微粉末を外添
することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー
粒子相互の間に微粉末が存在することになり、現像剤の
流動性が向上され、さらに現像剤の寿命も向上する。し
かしながら、本発明において、トナー粒子にこれらの微
粒子の外添は必須ではない。上述した微粉末の平均粒子
径は、0.2μm以下であることが好ましい。平均粒径
が0.2μmをこえると流動性向上の効果が少なくな
り、現像時、転写時の不良などにより画質を低下させて
しまう場合がある。これらの微粉末の平均粒径の測定は
後述する。
【0069】これらの微粒子の表面積としては、BET
法による窒素吸着によって比表面積が30m2/g以
上、特に30〜400m2/gの範囲のものが良好であ
る。微粒子の添加量は、トナー100質量部に対して
0.01〜10質量部で使用することが好適である。
【0070】また、該無機微粒子は、高湿下での帯電性
を維持するために、疎水化処理することが好ましい。疎
水化剤としては、一般的に公知の処理剤であれば特に制
約されるものではないが、本発明の無機微粒子の表面処
理において例示した有機系シラン化合物が使用できる。
その処理量は、無機微粒子100質量部に対して、好ま
しくは1〜100質量部、より好ましくは3〜60質量
部である。
【0071】次に本発明に用いられるトナーについて説
明する。
【0072】本発明は上記表面処理された無機微粒子が
外添されている形態のトナーであればいかなるトナー粒
子、例えば、高速システム用トナー、オイルレス定着用
トナー、磁性トナーあるいはフルカラートナー用のトナ
ー粒子に適用可能である。また、一成分現像剤として、
あるいはキャリアとともに二成分現像剤として使用され
るトナーでもよい。
【0073】本発明に係るトナーは重量平均粒径が3.
0〜10.5μmであり、4.5〜9.5μmであるこ
とが好ましい。
【0074】トナーの重量平均粒径(D4)が10.5
μmを超えると、静電荷像を現像するトナー粒子が大き
くなるために、静電荷像に忠実な現像が行われにくく、
また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすくな
る。また、重量平均粒径が3μm未満のトナーは粉体と
してのハンドリング性が低下する。
【0075】トナーの粒度分布の測定には、例えばコー
ルターカウンターを使用する方法を挙げることができ
る。
【0076】トナーに使用される結着樹脂としては、下
記の結着樹脂の使用が可能である。
【0077】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹
脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹
脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル
樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エ
ポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テ
ルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用
できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合
体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。
【0078】また、架橋されたスチレン系樹脂も好まし
い結着樹脂である。
【0079】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂
と架橋されていない樹脂との混合樹脂でも良い。
【0080】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの
ような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重
結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリ
ン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニル
スルホンの如きジビニル化合物;および3個以上のビニ
ル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしく
は混合物として用いられる。
【0081】架橋剤の添加量としては、重合性単量体1
00質量部に対して0.001〜10質量部が好まし
い。
【0082】トナーは荷電制御剤を含有しても良い。
【0083】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0084】例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルア
セトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳
香族ダイカルボン酸系の金属化合物が好ましく用いられ
る。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モ
ノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無
水物、それらのエステル類、ビスフェノールの如きそれ
らのフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル
酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;
4級アンモニウム塩;カリックスアレーン;ケイ素化合
物;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−メタク
リル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重
合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物が挙げられ
る。
【0085】これらの荷電制御剤は、トナーの樹脂成分
100質量部に対して、0.01〜20質量部、好まし
くは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜4質
量部使用するのが良い。
【0086】本発明に用いられるトナーの着色剤は、黒
色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示す
イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色さ
れたものが利用される。
【0087】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168又は180が
好適に用いられる。さらにC.I.ソルベントイエロー
93、162、163等の染料を併用しても良い。
【0088】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221又は254が好適
に用いられる。
【0089】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利
用できる。
【0090】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤
は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナ
ー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量
は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用
いられる。
【0091】また、ワックスは、トナーの結着樹脂10
0質量部に対して1乃至40の質量部、好ましくは2〜
30質量部配合しても良い。
【0092】結着樹脂、着色剤およびワックスを有する
混合物を溶融混練後、冷却し粉砕後分級してトナー粒子
を得る粉砕トナー製造においては、ワックスの添加量
は、結着樹脂100質量部に対し1〜10質量部、より
好ましくは2〜7質量部使用するのが好ましい。
【0093】重合性単量体と着色剤及びワックスを有す
る混合物を重合せしめることにより、直接的にトナー粒
子を得る重合トナー製法においては、ワックスの添加量
は、重合性単量体又は、重合性単量体の重合によって合
成された樹脂100質量部に対し2〜40質量部、より
好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは10〜2
0質量部使用するのが好ましい。
【0094】粉砕トナー製法に比べ重合トナー製法にお
いては、用いるワックスがバインダー樹脂より極性が低
いため、水系媒体中での重合方法ではトナー粒子内部に
多量のワックスを内包化させ易いため、粉砕トナー製法
と比較し、多量のワックスを用いることが可能となり、
定着時のオフセット防止効果には、特に有効となる。
【0095】ワックスの配合量が下限より少ないとオフ
セット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合、耐
ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響
を与えやすく、ドラム融着、スリーブ融着を起こしやす
く、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナ
ーが生成する傾向にある。
【0096】次に本発明に用いられるトナーを製造する
ための方法について説明する。本発明に用いられるトナ
ーは、公知の粉砕トナー製法及び重合トナー製法を用い
て製造することが可能である。
【0097】本発明において、粉砕トナーの製造方法
は、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料又
は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤
を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機によ
り充分混合し;得られた混合物を加熱ロール、ニーダ
ー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練
し、樹脂成分を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔
料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ;得られた混練
物を冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ること
ができる。
【0098】さらに必要に応じてトナーと所望の添加剤
をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、
本発明に用いられるトナーを得ることができる。
【0099】重合トナーの製造法は、特公昭56−13
945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用
い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法
や、特公昭36−10231号公報,特開昭59−53
856号公報,特開昭59−61842号公報に述べら
れている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法
や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機
溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合法又は水溶性
極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソ
ープフリー重合法に代表される乳化重合法や、予め一次
極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒
子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナーを製造
することが可能である。
【0100】この中でも、重合性モノマー、着色剤及び
ワックスを少なくとも含むモノマー組成物を直接重合し
てトナー粒子を生成する方法が好ましい。
【0101】また、一旦得られた重合粒子に更に単量体
を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる所謂
シード重合方法も本発明に好適に利用することができ
る。
【0102】本発明に係るトナーは、キャリアと称する
現像用磁性粒子(以降キャリア粒子と表記)と混合調製
し二成分現像剤として用いる。この場合、使用されるキ
ャリア粒子としては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、
ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希
土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及びフェライ
ト、更には結着樹脂中に磁性酸化物、金属磁性酸化物等
が分散し構成される樹脂キャリアの如く形態のものも使
用できる。また、それらの製造方法として特別な制約は
ない。
【0103】更にまた、帯電調整等の目的で上記キャリ
ア粒子の表面を樹脂等で被覆しても何ら構わず、その方
法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸
濁せしめて塗布しキャリア粒子に付着せしめる方法、単
に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適
用できるが、被覆層の安定のためには、被覆材が溶剤中
に溶解する方が好ましい。
【0104】上記キャリア粒子の表面への被覆物質とし
ては、トナー材料により異なるが、例えば、アミノアク
リレート樹脂、アクリル樹脂、或いはそれらの樹脂とス
チレン系樹脂との共重合体等が好適である。負帯電する
樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロト
リフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ブニリデン等が
帯電系列において負側に位置し、好適であるが、必ずし
もこれに制約されない。これら化合物の被覆量は、キャ
リア粒子の帯電付与特性が満足する様に適宜決定すれば
良いが、一般には総量でキャリア粒子に対し0.1〜3
0質量%(好ましくは0.3〜20質量%)である。
【0105】本発明に用いられるキャリア粒子の材質と
しては、強磁性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子とを
フェノール樹脂をバインダーとして結合してなる球状複
合体芯粒子の表面に、フェノール樹脂からなる被覆層を
形成してなる平均粒子径1〜1000μmの球状複合体
粒子からなる樹脂キャリア等が代表的なものとして挙げ
られるが、その性能を損なうものでなければ何ら制約の
あるものではなく、98%以上のCu−Zn−Fe(組
成比[5〜20]:[5〜20]:[30〜80])の
組成からなるフェライト粒子等の如く形態のキャリアで
あっても何ら構わない。
【0106】これらキャリア粒子の体積平均粒径は35
〜65μm、好ましくは40〜60μmを有することが
好ましい。更に、体積分布26μm以下が2〜6%であ
り、且つ体積分布35〜43μm間が5%以上25%以
下であり、且つ74μm以上が2%以下である時に良好
な画像を維持できる。
【0107】キャリア粒子の体積平均粒径は、光学顕微
鏡又は走査型電子顕微鏡により、ランダムに100個以
上を抽出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を
算出し、その50%平均粒径をもって平均粒径としても
よいし、また、レーザー回折式粒度分布測定装置HER
OS(日本電子製)を用いて、0.05〜200μmの
範囲を32対数分割して測定し、50%平均粒径をもっ
て平均粒径としてもよい。
【0108】上述のキャリア粒子とトナー粒子の混合比
率は、現像剤中のトナー濃度として2〜9質量%、好ま
しくは3〜8質量%にすると通常良好な結果が得られ
る。トナー濃度が2%未満では画像濃度が低く実用不可
となり、9%超ではカブリや機内飛散を増加せしめ、現
像剤の耐用寿命を短める。
【0109】本発明のキャリアを使用する現像方法とし
ては、例えば図1に示すような現像手段を用い現像を行
うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁
気ブラシが潜像担持体、例えば、感光ドラム1に接触し
ている状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体
(現像スリーブ)11と感光ドラム1の距離(S−D間
距離)Bは、100〜1000μmであることがキャリ
ア付着防止及びドット再現性の向上において良好であ
る。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になり
やすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると
磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低く
なり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力
が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0110】交番電界のビーク間の電圧は300〜30
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプ
ロセスにより適宜選択して用いることができる。この場
合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはD
uty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等、種々
選択して用いることができる。印加電圧が300Vより
低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部の
カブリトナーを良好に回収することができない場合があ
る。また、5000Vを超える場合には磁気ブラシを介
して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合があ
る。
【0111】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが200V以下、より好ま
しくは150V以下が良い。
【0112】コントラスト電位としては、十分画像濃度
が出るように100V〜400Vが好ましく用いられ
る。
【0113】周波数が500Hzより低いと、プロセス
スピードにも関係するが、静電荷像担持体に接触したト
ナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与え
られずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超え
ると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招き
やすい。
【0114】本発明の画像形成方法は、特にハーフトー
ンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マ
ゼンタ用、シアン用及びイエロー用の3個以上の現像器
が使用され、本発明の現像剤および現像方法を用い、特
にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせる
ことで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないため
にドット潜像に対して忠実に現像することが可能とな
る。転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャ
ープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、した
がって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成でき
る。
【0115】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
二成分系現像剤を用いることで現像器内での現像剤にか
かるシェアが小さく、多数枚の複写においても画質低下
のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0116】より引き締まった画像を得るためには、好
ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラッ
ク用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われる
ことで引き締まった画像を呈することができる。
【0117】添付図面を参照しながら本発明の画像形成
方法について説明する。
【0118】図1において、マグネットローラ21の有
する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子
23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを静
電荷像担持体(感光ドラム)1の表面に接触させ、感光
ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示され
ないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されて
いる。帯電された感光ドラム1に、図示されない露光装
置によりレーザー光24を照射することにより、デジタ
ルな静電荷像を形成する。感光ドラム1上に形成された
静電荷像は、マグネットローラ12を内包しており、図
示されないバイアス印加装置によって現像バイアスを印
加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19
中のトナー19aによって、現像される。
【0119】現像装置4は、隔壁17により現像剤室R
1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュ
ー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方には
補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設置さ
れ、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられてい
る。
【0120】現像剤搬送スクリュー13は回転すること
によって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像
スリーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔
壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けら
れており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方
に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を
通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー
14に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスク
リュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1
から受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給
されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13と
は逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開
口を通って現像剤室R1に送り込む。
【0121】感光ドラム1上に形成された静電荷像を現
像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネット
ローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ1
1の表面に担持される。現像スリーブ1上に担持された
現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブレ
ード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に
規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが対
向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像領
域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置され
ており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、こ
の現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像
剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光
ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付
着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付着
しているトナーが、感光ドラム1上の静電荷像の領域に
転移して付着し、静電荷像が現像されトナー像が形成さ
れる。
【0122】現像領域を通過した現像剤は、現像スリー
ブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S
1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取
られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回収さ
れる。
【0123】上記の現像により現像装置4内の現像剤1
9のT/C比(トナーとキャリアの混合比、即ち現像剤
中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3からト
ナー18を現像で消費された量に見あった量で撹拌室R
2に補給し、現像剤19のT/Cが所定量に保たれる。
その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイ
ルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を
測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該トナー
濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に有し
ている。
【0124】現像スリーブ11の下方に配置され、現像
スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレ
ード15は、アルミニウム又はSUS316の如き非磁
性材料で作製される非磁性ブレード15である。その端
部と現像スリーブ11面との距離は300〜1000μ
m、好ましくは400〜900μmである。この距離が
300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰ま
り現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行
うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの
多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在してい
る不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづま
り)を防止するためにはこの距離は400μm以上が好
ましい。1000μmより大きいと、現像スリーブ11
上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規
制が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の
付着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15
による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリ
やすくなる。
【0125】この磁性キャリア粒子層は、現像スリーブ
11が矢印方向に回転駆動されても磁気力,重力に基づ
く拘束力と現像スリーブ11の移動方向への搬送力との
釣合いによってスリーブ表面から離れるに従って動きが
遅くなる。重力の影響により落下するものもある。
【0126】従って、磁極NとNの配設位置と磁性キャ
リア粒子の流動性及び磁気特性を適宜選択することによ
り、磁性キャリア粒子層はスリーブに近いほど磁極N1
方向に搬送し移動層を形成する。この磁性キャリア粒子
の移動により、現像スリーブ11の回転に伴って現像領
域へ現像剤は搬送され現像に供される。
【0127】また、現像されたトナー画像は、搬送され
てくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段2
6により転写バイアス印加されている転写手段である転
写ブレード27により転写され、転写材上に転写された
トナー画像は、図示されていない定着装置により転写材
に定着される。転写工程において、転写材に転写されず
に感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程に
おいて、帯電を調整され、現像時に回収される。
【0128】図3は、本発明の画像形成方法をクリーナ
レス方式を採用したフルカラー画像形成装置に適用した
概略図を示す。
【0129】フルカラー画像形成装置本体には、第1画
像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3
画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが
併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転
写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0130】画像形成装置に併設される各画像形成ユニ
ットの構成について、第1の画像形成ユニットPaを例
に挙げて説明する。
【0131】第1の画像形成ユニットPaは、静電荷像
担持体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム6
1aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ
回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器
であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁
気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配
置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面
が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電荷像
を形成するためのレーザー光であり、図示されていない
露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム6
1a上に担持されている静電荷像を現像してカラートナ
ー画像を形成するための現像手段としての現像装置であ
りカラートナーを保持している。64aは感光体ドラム
61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状
の転写材担持体68によって搬送されてくる転写材(記
録材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブ
レードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持
体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るもの
である。
【0132】第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電
器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電
した後、露光装置67aにより感光体に静電荷像を形成
し、現像装置63aで静電荷像をカラートナーを用いて
現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感
光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベル
ト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレー
ド64aから転写バイアスを印加することによって転写
材の表面に転写する。
【0133】現像によりトナーが消費され、T/C比が
低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用
して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知セ
ンサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給
用トナー65を補給する。なお、トナー濃度検知センサ
ー85は図示されないコイルを内部に有している。
【0134】本画像形成装置は、第1の画像形成ユニッ
トPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラート
ナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の
画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの
4つの画像形成ユニットを併設するものである。例え
ば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第
2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画
像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形
成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画
像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上へ
の転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーシ
ョンを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動
で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯
電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離
され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器70に
送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像
が得られる。
【0135】定着器70は、一対の直径40mmの定着
ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定
着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有して
いる。
【0136】転写材上に転写された未定着のカラートナ
ー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ロー
ラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の
作用により転写材上に定着される。
【0137】図3において、転写材担持体68は、無端
のべルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆
動ローラによって矢印e方向に移動するものである。7
9は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベル
ト従動ローラであり、82は、べルト除電器である。8
3は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬
送するための一対のレジストローラである。
【0138】転写手段としては、転写材担持体の裏面側
に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ロー
ラの如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアス
を直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能であ
る。
【0139】さらに、上記の接触転写手段に代えて、一
般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で
配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加し
て転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能であ
る。
【0140】しかしながら、転写バイアス印加時のオゾ
ンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いること
が、より好ましい。
【0141】本発明の画像形成方法においては、潜像担
持体に形成された静電荷像を現像したトナー像を中間転
写体を介して記録材に転写することも可能である。
【0142】次に、本発明のトナーに係る各種特性値の
測定方法を列記する。
【0143】(トナー粒子径の測定方法)トナーの平均
粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II
型、或いはコールターマルチサイザー(コールター社
製)等種々の方法で測定可能である。本発明においては
コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、
個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科
機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(N
EC社製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用
いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOT
ON R−II(コールターサイエンティフィックジャ
パン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水
溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、
好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5
ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を
懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理
を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチ
ャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以
上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布
とを算出した。それから、本発明の体積分布から求めた
体積基準の体積平均径(D4:各チャンネルの中央値を
チャンネルの代表値とする。)を求めた。
【0144】(無機微粒子の個数平均粒径の測定方法)
本発明において、無機微粒子は透過型電子顕微鏡にて写
真を撮影し、写真から直接、粒子の径を測定する方法を
用いる。
【0145】粒子の形は比較的解析が容易であるが、複
数の粒子の重なりが1つの影を形成している場合には、
これを単位粒子に分割して測定する。また、この粒子の
粒度分布を統計的に処理するためには、約300個以上
の粒子個数を計測する必要がある。
【0146】(分子量分布の測定方法)本発明におい
て、樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のTH
Fを溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィ)によるクロマトグラムの分子量分布は以下の
様にして測定される。
【0147】測定試料は以下の様にして測定される。
【0148】試料とTHFとを約0.5〜5mg/ml
(例えば5mg/ml)の濃度で混合し、室温にて数時
間(例えば5〜6時間)放置した後、充分に振とうし、
THFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるま
で)、更に室温にて12時間以上(例えば24時間)静
置する。このとき試料とTHFの混合開始時点から、静
置終了の時点までの時間が24時間以上となる様にす
る。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4
〜0.5μm、例えばマイショリディスクh−25−2
東ソー社製、液クロディスク25CR ゲルマンサイ
エンスジャパン社製等が好ましく利用できる。)を通過
させたものをGPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成
分が0.5〜5mg/mlとなる様に調製する。
【0149】GPC測定装置において、40℃のヒート
チャンバーカラム中でカラムを安定化させ、この温度に
おけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で
流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成
された検量線の対数値とカウント数との関係から算出す
る。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば東ソー社製、或いは昭和電工社製の分子量が102
〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標
準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器に
はRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市
販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるの
が良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC
KF−801,802,803,804,805,80
6,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のT
SKgel G1000H(Hxl),G2000H
(Hxl),G3000H(Hxl),G4000H
(Hxl),G5000H(Hxl),G6000H
(Hxl),G7000H(Hxl),TSKguar
dcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0150】(摩擦帯電量の測定方法)摩擦帯電量は測
定環境条件下にトナー及びキャリアを一昼夜放置した
後、以下の方法により測定する。
【0151】例えば、23℃/60%(N/N),23
℃/5%(N/L),32.5℃/90%(H/H)の
環境下でブローオフ法に基づき、トナーの摩擦帯電量を
測定する。
【0152】図4はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリ
ーン123のある金属製の測定容器122に摩擦帯電量
を測定しようとするトナーとキャリアの質量比1:19
の混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製のビ
ンに入れ、5〜10分間手で浸盪し、該混合物(現像
剤)約0.5〜15gを入れ金属製のフタ124をす
る。このときの測定容器122全体の質量を秤りW1
(g)とする。次に、吸引機121(測定容器122と
接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口12
7から吸引し風景調節弁126を調整して真空計25の
圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好まし
くは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このとき
の電位計129の電位をV(ボルト)とする。ここで1
28はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸
引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。こ
のトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く計算
される。
【0153】トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=C×
V/(W1−W2)
【0154】(疎水化度の測定方法)メタノール滴定試
験は、疎水化された表面を有する無機微粉体の疎水化度
を確認する実験的試験である。
【0155】疎水化された表面を有する無機微粉体の疎
水化度を評価するためのメタノールを用いた疎水化度測
定は、次のように行う。供試酸化チタン微粒子0.2g
を三角フラスコの水50mlに添加する。メタノールを
ビュレットから滴定する。この際、フラスコ内の溶液は
マグネチックスターラーで常時撹拌する。酸化チタン微
粒子の沈降終了は、全量が液体中に懸濁することによっ
て確認され、疎水化度は、沈降終了時点に達した際のメ
タノール及び水の液状混合物中のメタノールの百分率と
して表される。
【0156】(ガラスの転移温度Tgの測定)本発明に
おいては、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、D
SC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。
【0157】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0158】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、先ず前履歴を消去する目
的で、次の操作を行う。N2雰囲気下で室温から200
℃まで10℃/minで昇温させ、200℃で10分間
保つ。その後急冷し、10℃まで温度を下げ、10℃で
10分間保つ。その後、昇温速度10℃/minで、2
00℃まで昇温する。この昇温過程で、温度40〜10
0℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られ
る。
【0159】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0160】(無機微粒子の個数遊離率)トナーからの
無機微粒子の個数遊離率は、パーティクルアナライザー
(PT1000:横河電機(株)製)により測定を行っ
た。パーティクルアナライザーはJapan Hard
copy97論文集の65〜68ページに記載の原理で
測定を行う。具体的には、該装置はトナー等の微粒子を
一個づつプラズマへ導入し、微粒子の発光スペクトルか
ら発光物の元素、粒子数、粒子の粒径を知ることができ
る。
【0161】具体的な測定方法としては、無機微粒子が
有する金属元素(測定波長は金属元素の種類により異な
る。例えば酸化チタンを用いた場合、測定波長は23
2.232nm、Kファクターは推奨値を使用)を測定
し、次式により無機微粒子の個数遊離率を求める。 酸化チタンの遊離率(%)=100×(けい素原子のみ
の発光回数/炭素原子と同時に発光したチタン原子の発
光回数+チタン原子のみの発光回数)
【0162】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれらに制約されるものではない。
【0163】トナー粒子1の製造例 イオン交換水710質量部に、0.1M−Na3PO4
溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、1300
rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶
液68質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む
pH6の水系媒体を得た。
【0164】 ・スチレン 160質量部 ・n−ブチルアクリレート 34質量部 ・銅フタロシアニン顔料 12質量部 ・ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物 2質量部 ・飽和ポリエステル 10質量部 (酸価10mgKOH/g、ピーク分子量8500) ・モノエステルワックス 20質量部 (Mw:500、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融点:69℃、 粘度65mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8.6) 上記材科を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊
機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶
解、分散した。これに、重合開始剤2.2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、
重合性単量体組成物を調製した。
【0165】前記水系媒体中に重合性単量体組成物を投
入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミキサー
(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分
間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水
系媒体をパドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で昇温し、
pHを6に維持しながら10時間の重合反応を行った。
【0166】重合反応終了後、冷却し、pH2となるよ
うに塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ
過、水洗、乾燥をして、重合粒子(トナー粒子1)を得
た。
【0167】得られた重合粒子は、結着樹脂100質量
部当りモノエステルワックスを8.4質量部含有し、透
過電子顕微鏡(TEM)を用いた重合粒子の断層面測定
法により、ワックスを外殻樹脂層で内包化したコア−シ
ェル構造が確認された。
【0168】さらに得られた重合粒子の結着樹脂は、S
P値が19であり、Tgが60℃であった。得られたシ
アントナー粒子の重量平均粒子は7.3μmであった。
【0169】トナー粒子2の製造例 銅フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料を使
用することを除いてトナー粒子1の製造例と同様にして
マゼンタ色の重合粒子(トナー粒子2)を得た。得られた
トナー粒子2は、重量平均粒径7.3μmであった。
【0170】トナー粒子3の製造例 銅フタロシアニン顔料の代わりにC.I.ピグメントイ
エロー180及びソルベントイエロー163を使用する
ことを除いてトナー粒子1の製造例と同様にしてイエロ
ー色の重合粒子(トナー粒子3)を得た。得られたトナ
ー粒子3は、重量平均粒径7.2μmであった。
【0171】トナー粒子4の製造例 銅フタロシアニン顔料の代わりにカーボンブラックを使
用することを除いてトナー粒子1の製造例と同様にして
ブラック色の重合粒子(トナー粒子4)を得た。得られ
たトナー粒子4は、重量平均粒径7.4μmであった。
【0172】トナー粒子5の製造例 ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物を2質量部
の代わりに0.5質量部にすることを除いて、トナー粒
子1の製造例と同様にしてシアン色の重合粒子(トナー
粒子5)を得た。得られたトナー粒子5は、重量平均粒
径7.1μmであった。
【0173】 「荷電制御樹脂の製造例(CCR1)」 ・スチレン 1425質量部 ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)75質量部 ・ラウロイルパーオキサイド 30質量部 ・メタノール 750質量部 ・トルエン 250質量部 以上の材料を還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管およ
び滴下装置を備えた反応容器に仕込み、撹拌、窒素導入
下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから
取り出し、減圧乾燥し、重合体を製造した(重合体のM
w=3,000、ガラス転移点(Tg)=60℃)。本
製造例で得られた荷電制御樹脂をCCR1とする。
【0174】 「荷電制御樹脂の製造例(CCR2)」 ・スチレン 900質量部 ・AMPS 100質量部 ・2−2’−アゾビスイソブチロニトリル 60質量部 ・キシレン 1000質量部 ・メタノール 50質量部 以上の材料を還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管およ
び滴下装置を備えた反応容器に入れ、窒素を導入した
後、80℃に昇温し5時間反応を進める。次に100℃
に昇温し、反応を完了させた後、減圧加熱炉に入れキシ
レンおよびメタノールを脱溶剤し、重合体を製造した
(重合体のMw=7,100、Tg=92℃)。本製造
例で得られた荷電制御樹脂をCCR2とする。
【0175】 「荷電制御樹脂の製造例(CCR3)」 ・スチレン 165質量部 ・アクリル酸ブチル 60質量部 ・マレイン酸モノプロピル 25質量部 ・1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン 15質量部 ・キシレン 1000質量部 以上の材料を還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管およ
び滴下装置を備えた反応容器に入れ、窒素を導入した
後、107℃に昇温し8時間反応を進める。反応を完了
させた後、減圧加熱炉に入れキシレンを脱溶剤し、重合
体を製造した(重合体のMw=13,000、Tg=6
1℃)。本製造例で得られた荷電制御樹脂をCCR3と
する。
【0176】(表面処理酸化チタンAの製造例)ステン
レス容器中に、重量平均粒径35nmのルチル型酸化チ
タン100質量部をイオン交換水に分散し、pH7に調
整したスラリー(酸化チタン約6質量%含有)を得た。そ
の後スラリー中に、疎水化剤i−C49−Si−(OC
33を固形分で20質量部を、粒子の合一が生じない
ように十分撹拌しながら滴下混合し反応させた。さら
に、十分に撹拌しながらスラリーのpHを6.5に調整
し、さらに2時間反応させた。これをろ過、乾燥した
後、170℃で2時間加熱処理し、その後凝集体が無く
なるまでジェットミルにより解砕処理を行い、疎水化処
理された酸化チタンを得た。
【0177】こうして疎水化処理した酸化チタンを室温
まで冷却し、ついでCCR1の荷電制御樹脂5質量部を
含むトルエン溶液を上記酸化チタンに室温で噴霧した。
その後、窒素気流下60℃,39.9kPa(300t
orr)で2時間撹拌して荷電制御樹脂の固定化を行
い、次いで120℃に昇温してさらに2時間撹拌しなが
ら撹拌処理し、その後凝集体が無くなるまでジェットミ
ルにより解砕処理を行い、疎水化剤及び荷電制御樹脂に
より表面処理された表面処理酸化チタンAを得た。表面
処理酸化チタンAの疎水化度は、65%であった。
【0178】(表面処理酸化チタンBの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、ルチル型酸化チタン
が重量平均粒径9nmである他は同様の製造を行い、疎
水化剤及び荷電制御樹脂により表面処理された表面処理
酸化チタンBを得た。表面処理酸化チタンBの疎水化度
は、62%であった。
【0179】(表面処理酸化チタンCの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、ルチル型酸化チタン
が重量平均粒径110nmである他は同様の製造を行
い、疎水化剤及び荷電制御樹脂により表面処理された表
面処理酸化チタンCを得た。表面処理酸化チタンCの疎
水化度は、66%であった。
【0180】(表面処理酸化チタンDの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、ルチル型酸化チタン
がアナターゼ型酸化チタンである他は同様の製造を行
い、疎水化剤及び荷電制御樹脂により表面処理された表
面処理酸化チタンDを得た。表面処理酸化チタンDの疎
水化度は、64%であった。
【0181】(表面処理酸化チタンEの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、疎水化剤i−C49
−Si−(OCH33に代えてジメチルジメトキシシラ
ンを用いる他は同様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制
御樹脂により表面処理された表面処理酸化チタンEを得
た。表面処理酸化チタンEの疎水化度は、70%であっ
た。
【0182】(表面処理酸化チタンFの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、疎水化剤i−C49
−Si−(OCH33に代えてジメチルジメトキシシラ
ン及びジメチルポリシロキサンをルチル型酸化チタン1
00質量部に対して固形分でそれぞれ10質量部となる
よう滴下混合する以外は同様の製造を行い、疎水化剤及
び荷電制御樹脂により表面処理された表面処理酸化チタ
ンFを得た。表面処理酸化チタンFの疎水化度は、57
%であった。
【0183】(表面処理酸化チタンGの製造例)重量平
均粒径35nmのルチル型酸化チタン100質量部に疎
水化剤i−C49−Si−(OCH33を20質量部及
びCCR1を5質量部含むトルエン溶液を上記酸化チタ
ンに室温で噴霧した。その後窒素気流下60℃,39.
9kPa(300torr)で2時間撹拌して荷電制御
樹脂の固定化を行い、次いで120℃に昇温してさらに
2時間撹拌しながら撹拌処理し、その後凝集体が無くな
るまでジェットミルにより解砕処理を行い、疎水化剤及
び荷電制御樹脂により同時表面処理された表面処理酸化
チタンGを得た。表面処理酸化チタンGの疎水化度は6
0%であった。
【0184】(表面処理酸化チタンHの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、疎水化剤i−C49
−Si−(OCH33の固形分が5質量部である他は同
様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制御樹脂により表面
処理された表面処理酸化チタンHを得た。表面処理酸化
チタンHの疎水化度は、41%であった。
【0185】(表面処理酸化チタンIの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、疎水化剤i−C49
−Si−(OCH33の固形分が50質量部である他は
同様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制御樹脂により表
面処理された表面処理酸化チタンIを得た。表面処理酸
化チタンIの疎水化度は、78%であった。
【0186】(表面処理酸化チタンJの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、疎水化剤i−C49
−Si−(OCH33の固形分が0.5質量部である他
は同様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制御樹脂により
表面処理された表面処理酸化チタンJを得た。表面処理
酸化チタンJの疎水化度は、25%であった。
【0187】(表面処理酸化チタンKの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、疎水化剤i−C49
−Si−(OCH33の固形分が65質量部である他は
同様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制御樹脂により表
面処理された表面処理酸化チタンKを得た。表面処理酸
化チタンKの疎水化度は、81%であった。
【0188】(表面処理酸化チタンLの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、荷電制御樹脂がCC
R2である他は同様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制
御樹脂により表面処理された表面処理酸化チタンLを得
た。表面処理酸化チタンLの疎水化度は、63%であっ
た。
【0189】(表面処理酸化チタンMの製造例)表面処
理酸化チタンAの製造例において、荷電制御樹脂がCC
R3である他は同様の製造を行い、疎水化剤及び荷電制
御樹脂により表面処理された表面処理酸化チタンMを得
た。表面処理酸化チタンMの疎水化度は、63%であっ
た。
【0190】(表面処理酸化チタンNの製造例)ステン
レス容器中に重量平均粒径35nmのルチル型酸化チタ
ン100質量部をイオン交換水に分散し、pH7に調整
したスラリー(酸化チタン約6質量%含有)を得た。そ
の後スラリー中に疎水化剤i−C49−Si−(OCH
33を固形分で20質量部を、粒子の合一が生じないよ
うに十分撹拌しながら滴下混合し反応させた。さらに、
十分に撹拌しながらスラリーのpHを6.5に調整し
た。これをろ過、乾燥した後、170℃で2時間加熱処
理し、その後凝集体が無くなるまでジェットミルにより
解砕処理を行い、疎水化剤により表面処理された表面処
理酸化チタンNを得た。表面処理酸化チタンNの疎水化
度は、68%であった。
【0191】(表面処理酸化チタンOの製造例)重量平
均粒径35nmのルチル型酸化チタン100質量部に、
CCR1の荷電制御樹脂5質量部を含むトルエン溶液を
室温で噴霧し、粒子の合一が生じないように十分撹拌し
ながら行った。その後窒素気流下60℃,39.9kP
a(300torr)で2時間撹拌して荷電制御樹脂の
固定化を行い、次いで120℃に昇温してさらに2時間
撹拌しながら撹拌処理し、その後凝集体が無くなるまで
ジェットミルにより解砕処理を行い、荷電制御樹脂によ
り表面処理された表面処理酸化チタンOを得た。表面処
理酸化チタンOの疎水化度は、3%であった。
【0192】(表面処理酸化チタンPの製造例)ステン
レス容器中に重量平均粒径35nmのアナターゼ型酸化
チタン100質量部をイオン交換水に分散し、pH7に
調整したスラリー(酸化チタン約6質量%含有)を得
た。その後スラリー中に疎水化剤i−C49−Si−
(OCH33を固形分で20質量部を、粒子の合一が生
じないように十分撹拌しながら滴下混合し反応させた。
さらに、十分に撹拌しながらスラリーのpHを6.5に
調整した。これをろ過、乾燥した後、170℃で2時間
加熱処理し、その後凝集体が無くなるまでジェットミル
により解砕処理を行い、疎水化処理された酸化チタンを
得た。
【0193】こうして疎水化処理した酸化チタンを室温
まで冷却し、ついで負荷電制御剤(サリチル酸クロム錯
体:E−81、オリエント化学社製)1質量部を溶解し
たトルエン溶液をアセトン中で0.5時間撹拌、混合
し、アセトンを揮発させ、ワーリングブレンダー(ワー
リング社製)により解砕して表面処理酸化チタンPを得
た。表面処理酸化チタンPの疎水化度は、60%であっ
た。
【0194】(表面処理酸化チタンQの製造例)ステン
レス容器中に重量平均粒径35nmのルチル型酸化チタ
ン100質量部をイオン交換水に分散し、pH7に調整
したスラリー(酸化チタン約6質量%含有)を得た。そ
の後スラリー中に疎水化剤i−C49−Si−(OCH
33を固形分で20質量部を、粒子の合一が生じないよ
うに十分撹拌しながら滴下混合し反応させた。さらに、
十分に撹拌しながらスラリーのpHを6.5に調整し
た。これをろ過、乾燥した後、170℃で2時間加熱処
理し、その後凝集体が無くなるまでジェットミルにより
解砕処理を行い、疎水化処理された酸化チタンを得た。
【0195】こうして疎水化処理した酸化チタンを室温
まで冷却し、ついで負荷電制御剤(ホウ素化合物:LR
147、1日本カーリット社製)1質量部を溶解したト
ルエン溶液をアセトン中で0.5時間撹拌、混合し、ア
セトンを揮発させ、ワーリングブレンダー(ワーリング
社製)により解砕して表面処理酸化チタンQを得た。表
面処理酸化チタンQの疎水化度は、61%であった。
【0196】(表面処理γ−アルミナの製造例)ステン
レス容器中に重量平均粒径20nmのγ-アルミナ10
0質量部をイオン交換水に分散し、pH7に調整したス
ラリー(酸化チタン約6質量%含有)を得た。その後ス
ラリー中に疎水化剤i−C49−Si−(OCH33
固形分で20質量部を、粒子の合一が生じないように十
分撹拌しながら滴下混合し反応させた。さらに、十分に
撹拌しながらスラリーのpHを6.5に調整した。これ
をろ過、乾燥した後、170℃で2時間加熱処理し、そ
の後凝集体が無くなるまでジェットミルにより解砕処理
を行い、疎水化処理されたγ−アルミナを得た。
【0197】こうして疎水化処理した酸化チタンを室温
まで冷却し、ついでCCR1の荷電制御樹脂5質量部を
含むトルエン溶液を上記γ−アルミナに室温で噴霧し
た。その後窒素気流下60℃,39.9kPa(300
torr)で2時間撹拌して荷電制御樹脂の固定化を行
い、次いで120℃に昇温してさらに2時間撹拌しなが
ら撹拌処理し、その後凝集体が無くなるまでジェットミ
ルにより解砕処理を行い、疎水化剤及び荷電制御樹脂に
より表面処理された表面処理γ−アルミナを得た。表面
処理γ−アルミナの疎水化度は、70%であった。
【0198】<実施例1> トナー粒子1:98.6質量部に表面処理酸化チタン
A:1.4質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合
し、シアントナー粒子表面に無機微粒子を有するトナー
を得た。
【0199】上記トナー7質量部と、フェノール樹脂中
にマグネタイト粒子を分散してなる磁性微粒子分散型樹
脂キャリア93質量部とを混合し二成分現像剤とし、画
像形成装置として、市販のデジタル複写機GP55(キ
ヤノン製)を図1の現像装置が入れるよう改造し、図2
の現像バイアスを使用したものを用い、定着ローラ、加
圧ローラともに表層をPFAで1.2μm被覆したロー
ラに変更しオイル塗布機構を除去した構成に改造し、画
像面積50%のオリジナル原稿を使用して、23℃/6
0%(N/N),23℃/5%(N/L),32.5℃
/90%(H/H)の各環境でそれぞれ1万枚の通紙試
験を行い、以下の評価法に基づいて評価した。結果を表
1、2、3及び4に示すが、表から分かるように良好な
結果が得られた。
【0200】〔評価方法・基準〕 ・画像濃度及びカブリ値の測定方法 画像濃度は(5mm角、5mm丸、ベタ)をX−Rit
e404Aカラー反射濃度計(X−Rite Inco
rporated製)にて測定した数値である。測定時
は机上に白色の複写用紙を3〜5枚置いて下地の影響を
拾わない様にして測定を行う。
【0201】本発明では、非画像部におけるカブリ量を
反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO,
LTD社製REFLECTOMETER MODEL
TC−6DS)を用いて測定(プリント後の白地部反射
濃度最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値
をDrとした時のDs−Drをカブリ量とした)した。
カブリ量2%以下は実質的にカブリの無い良好な画像で
あり、5%を超えるとカブリの目立つ不鮮明な画像であ
る。尚、画像濃度測定時と同様に、机上に白色の複写用
紙を3〜5枚置いて下地の影響を拾わない様にして測定
を行う。
【0202】・ハイライト部の画質評価 ハイライト部の標準サンプルとの対比により目視で4段
階に評価した。 ◎…優 ○…良 △…普通 ×…悪い
【0203】・トナー飛散の評価基準 現像器からのトナー飛散の度合いを目視で3段階に評価
した。 ○…トナー飛散は実質的に無い。 △…トナー飛散が少しあるが、影響はない。 ×…トナーの飛散がある。
【0204】・フィルミングの評価基準 感光体上に付着している固着物の数を目視で評価した。 ○…感光体上に実質的に無い。 △…個数で5個以下、画質品質に影響はない。 ×…10個以上、複写物上で確認できる範囲のもの。
【0205】<実施例2>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンBである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように耐久後において画質及び帯電量
がわずかに低下し、カブリ、トナー飛散、フィルミング
ともに若干悪化したものの良好な結果が得られた。これ
は、表面処理酸化チタンの重量平均粒径が小さいため
に、若干表面処理酸化チタンがトナー粒子表面に埋め込
まれ、トナーの劣化が若干早期に起きたためと考えられ
る。
【0206】<実施例3>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンCである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるようにハイライト部の画質がわずかに
低下し、フィルミングが若干悪化したものの良好な結果
が得られた。これは、表面処理酸化チタンの重量平均粒
径が大きいために、トナーの流動性が低下して帯電が不
均一となったためと考えられる。
【0207】<実施例4>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンDである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0208】<実施例5>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンEである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0209】<実施例6>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンFである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0210】<実施例7>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンGである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0211】<実施例8>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンHである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0212】<実施例9>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンIである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0213】<実施例10>実施例1において表面処理
酸化チタンが表面処理酸化チタンJである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるようにH/Hでの耐久において、トナ
ー飛散、カブリがわずかに悪化し、帯電量が若干低下し
たものの良好な結果が得られた。これは、表面処理酸化
チタンの疎水化度が低く、吸湿したために、トナーの摩
擦帯電量が低下しやすくなったためと考えられる。
【0214】<実施例11>実施例1において表面処理
酸化チタンが表面処理酸化チタンKである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるようにN/Lでの耐久において、画像
濃度及びハイライト部の画質が若干低下したものの良好
な結果が得られた。これは、表面処理酸化チタンの疎水
化度が高く、表面処理酸化チタン自身が好適な帯電コン
トロールが悪化し、トナーの帯電量アップが生じたため
と考えられる。
【0215】<実施例12>実施例1において表面処理
酸化チタンが表面処理酸化チタンLである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0216】<実施例13>実施例1において表面処理
酸化チタンが表面処理酸化チタンMである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0217】<比較例1>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンNである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように各環境下(特にH/H環境下)
で、カブリ、トナー飛散が若干悪化し、画像濃度、ハイ
ライト部の画質が低下した。これは、表面処理酸化チタ
ンの好適な帯電制御が得られず、各環境下において帯電
量の変化が大きいためと考えられる。
【0218】<実施例14> トナー粒子1:98.2質量部に、表面処理酸化チタン
A0.7質量部、疎水性シリカ0.5質量部をヘンシェ
ルミキサーにて外添混合し、シアントナー粒子表面に無
機微粒子を有するトナーを得た。上記トナー7質量部
と、フェノール樹脂中にマグネタイト粒子を分散してな
る磁性微粒子分散型樹脂キャリア93質量部とを混合し
二成分現像剤とした。画像評価は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1、2、3及び4に示すが、表から分かる
ように良好な結果が得られた。
【0219】<実施例15>実施例1において表面処理
酸化チタンが表面処理酸化チタンOである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるようにH/Hでの耐久において、トナ
ー飛散、カブリがわずかに悪化し、帯電量が若干低下し
たものの良好な結果が得られた。これは、表面処理酸化
チタンが疎水化剤により表面処理されていないため、疎
水化度が低く、吸湿したために、トナーの摩擦帯電量が
低下しやすくなったためと考えられる。
【0220】<実施例16>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子5である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0221】<実施例17>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子2である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0222】<実施例18>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子3である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0223】<実施例19>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子4である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0224】<実施例20>実施例1において表面処理
酸化チタンが表面処理γ−アルミナである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0225】<比較例2>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンPである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表からわかるように各環境下てカブリ、トナー飛散
が悪化し、画像濃度、ハイライト部の画質が低下した。
これは、表面処理酸化チタンのサリチル酸クロム錯体の
酸化チタンに対する固着力が弱いため、錯体が酸化チタ
ン表面から遊離しドラムに固着したため、あるいは/及
び表面処理酸化チタンがトナー表面から遊離し、画像不
良が生じ、またトナーの好適な帯電コントロールが困難
となったためと考えられる。
【0226】<比較例3>実施例1において表面処理酸
化チタンが表面処理酸化チタンQである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表1、2、3及び4に示す
が、表から分かるように各環境下で、カブリ、トナー飛
散が悪化し、画像濃度、ハイライト部の画質が低下し
た。これは、表面処理酸化チタンのホウ素化合物の酸化
チタンに対する固着力が弱いため、錯体が酸化チタン表
面から遊離しドラムに固着したため、あるいは/及び表
面処理酸化チタンがトナー表面から遊離し、トナーの好
適な帯電コントロールが困難となり、またトナー及び/
又は現像剤の流動性が悪化したためと考えられる。
【0227】
【表1】
【0228】
【表2】
【0229】
【表3】
【0230】
【表4】
【0231】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ト
ナーにおいて、荷電制御剤により表面処理された無機微
粒子を外添混合することによって、外添剤粒子のトナー
表面からの遊離を低減でき、それにより現像剤自身の耐
久寿命を高めることが可能となる。さらに、本発明のト
ナーは、良好な帯電性、流動性、転写性を有し、各環境
下で高精細且つ高品位な画像を安定して提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の好適な一例を表す模式
図である。
【図2】実施例1で用いた交番電界を示す図である。
【図3】フルカラー画像形成方法の例を示す概略説明図
である。
【図4】本発明のトナーの帯電量を測定する装置の概略
図である。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体(感光ドラム) 4 現像装置 11 現像剤担持体(現像スリーブ) 12 マグネットローラ 13,14 現像剤搬送スクリュー 15 規制ブレード 17 隔壁 18 補給用トナー 19 現像剤 19a トナー 19b キャリア 20 補給口 21 マグネットローラ 22 搬送スリーブ 23 磁性粒子 24 レーザー光 25 転写材(記録材) 26 バイアス印加手段 27 転写ブレード 28 トナー濃度検知センサー 61a 感光ドラム 62a 一次帯電器 63a 現像器 64a 転写ブレード 65a 補給用トナー 67a レーザー光 68 転写材担持体 69 分離帯電器 70 定着器 71 定着ローラ 72 加圧ローラ 73 ウェッブ 75,76 加熱手段 79 転写ベルトクリーニング装置 80 駆動ローラ 81 ベルト従動ローラ 82 ベルト除電器 83 レジストローラ 85 トナー濃度検知センサー 121 吸引機 122 測定容器 123 導電性スクリーン(500メッシュ) 124 蓋 125 真空計 126 風量調節弁 127 吸引口 128 コンデンサ 129 電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 亮一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 勝田 恭史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA03 CA26 CB07 DA01 EA05 EA07 EA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバインダー樹脂及び着色剤を
    含有するトナー粒子と、該トナー粒子に外添混合される
    無機微粒子を有し、該無機微粒子が荷電制御樹脂により
    表面処理されていることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該荷電制御樹脂が、スルホン酸基、カル
    ボン酸基、りん酸基を置換基として少なくとも1種以上
    を有するビニル系重合体であることを特徴とする請求項
    1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 該無機微粒子が酸化チタンであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 荷電制御樹脂により表面処理されている
    該無機微粒子の個数平均粒径が10〜100nmである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のト
    ナー。
  5. 【請求項5】 該荷電制御樹脂が、スチレン及び/また
    はα−メチルスチレンと2−アクリルアミド−2−メチ
    ルプロパンスルホン酸との共重合体であることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該酸化チタンのトナー粒子表面における
    個数遊離率が1.00〜40.00%であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 荷電制御樹脂により表面処理されている
    該無機微粒子が、疎水化剤により表面処理してなること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナ
    ー。
  8. 【請求項8】 疎水化剤及び荷電制御樹脂により表面処
    理されている該無機微粒子の疎水化度が、40〜90%
    であることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
  9. 【請求項9】 該疎水化剤が、下記式 Rm SiYn (式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
    示し、Yはアルキル基、ビニル基、フェニル基、メタク
    リル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はこれ
    らの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。)で示さ
    れるアルコキシシランであることを特徴とする請求項7
    又は8に記載のトナー。
  10. 【請求項10】 該疎水化剤が、下記式 Cn2n+1−Si−(−OCm2m+13 (式中、nは4〜12の整数を示し、mは1〜3の整数
    を示す。)で示されるアルキルアルコキシシランである
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該無機微粒子がルチル型の結晶を有す
    る酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至9の
    いずれかに記載のトナー。
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