JP4174394B2 - 2成分系現像剤及び現像装置 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の現像装置及びこの現像装置に用いる2成分系現像剤に関するものである。
従来、トナーとキャリアを用いた2成分現像剤を用いて現像を行う現像装置において、トナー濃度検知手段を必要とせず、現像剤の動きによってその現像剤中にトナーを取り込む現像装置が知られている。しかし、この現像装置においては、現像剤の動きが活発な箇所とそうでない箇所、あるいは現像剤の多い箇所と少ない箇所との間でトナーの取り込み量が異なり、部分的にトナー濃度が不安定となって、その結果画像濃度ムラやかぶりが発生しやすかった。
この不具合を解消する方法としては、内部に磁界発生手段を有し、トナーと磁性キャリアとを含む2成分系現像剤を担持して搬送する現像スリーブと、該現像スリーブに担持されて搬送される現像剤の量を規制する第1の規制部材と、該第1の規制部材により掻き落とされた現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部に隣接し、上記現像スリーブ上にトナーを供給するトナー収容部とを備え、上記現像スリーブ上の現像剤のトナー濃度の変化により、該現像剤とトナーとの接触状態を変化させて、該現像スリーブ上の現像剤のトナー取り込み状態を変化させる現像装置でが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記現像装置において生じる、2成分系現像剤の早期劣化を防止する手段として、現像スリーブ上の現像剤と現像剤収容部の現像剤の入れ替えを促進する現像装置も提案されている(例えば、特許文献2参照、非特許文献1参照)。
しかしながら、上記装置においては、現像剤量を多くして更なる長寿命化を達成しようとすると、現像剤既成部材と現像スリーブとの間隙を通過するものを除き、残りの現像剤の動きが急激に低下して、現像に寄与する現像剤への新たなトナー補給が困難になってしまう。このように現像剤量を多くすることができないので、画像形成速度の速い高速機や画像面積比率の高い印字を連続して行った場合など、補給されたトナーを十分に帯電することができず、トナー飛散やかぶりが発生する場合があった。
特開平9−22178号公報(第25頁、第1―第5図) 特開2001−166580号公報(第6−11頁) Ricoh Technical Repot No27 November、2001 第2−3頁
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、高速の画像形成装置に用いた場合でも現像剤のトナーを十分に帯電することができる2成分系現像剤および現像装置を提供することである。
また、その第2の目的は、画像面積比率の高い印字画像を連続して行った場合でも現像剤のトナーを十分に帯電することができる2成分系現像剤および現像装置を提供することである。
また、その第3の目的は、現像剤収容部の現像剤の容量の最適化を図ることにより、画像濃度の低下や、トナー帯電不足による画像濃度の上昇、地汚れ及びトナー飛散の発生を未然に防止できる2成分系現像剤および現像装置を提供することである。
また、その第4の目的は、環境に影響されずに現像剤のトナー濃度を自己制御できるとともに現像剤の長寿命化を図ることができる2成分系現像剤および現像装置を提供することである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1の2成分系現像剤においては、内部に磁界発生手段を有する現像スリーブを回転させながら、現像剤収容部内にある、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を、現像剤収容部の現像剤搬送方向下流側にある現像剤規制部材で現像領域に向けての搬送量を規制して搬送するとともに、該現像剤規制部材で阻止された現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬送方向上流側から隣接する位置で該現像スリーブ表面に臨むトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該現像スリーブ上での現像剤搬送に伴う現像剤の移動により、該現像剤収容部の現像剤の容量に応じて該トナー収容部内のトナーを現像剤収容部に取り込む現像装置であり、
該現像剤収容部のトナー補給用開口の近傍には、現像スリーブに担持される現像剤量を規制する第2の規制部材が現像スリーブに対向して設けられており、該トナー補給用開口の下面は、該現像スリーブ側に向けて下向きに傾斜するように形成されており、該現像剤収容部におけるトナー濃度が高い場合には現像剤がトナー補給用開口部に溢れ、該現像剤収容部におけるトナー濃度が低い場合にはトナー補給用開口からトナーが該現像剤収容部に補給される現像装置に用いる2成分系現像剤において、
該磁性キャリアは、少なくとも無機化合物粒子とバインダー樹脂とを有する磁性芯材とコート樹脂とを少なくとも含有する磁性微粒子分散型樹脂キャリアであり、該コート樹脂と該バインダー樹脂の合計である樹脂含有量が5から25質量%であり、見掛け密度が1.2から2.3g/cmであり、平均粒径が25から55μmであり、21μm以下が0.01から12体積%であり、72μm以上が1.0体積%以下である2成分系現像剤であることを特徴とするものであり、
請求項6の現像装置においては、内部に磁界発生手段を有する現像スリーブを回転させながら、現像剤収容部内にある、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を、現像剤収容部の現像剤搬送方向下流側にある現像剤規制部材で現像領域に向けての搬送量を規制して搬送するとともに、該現像剤規制部材で阻止された現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬送方向上流側から隣接する位置で該現像スリーブ表面に臨むトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該現像スリーブ上での現像剤搬送に伴う現像剤の移動により、該現像剤収容部の現像剤の容量に応じて該トナー収容部内のトナーを現像剤収容部に取り込む現像装置であり、
該現像剤収容部のトナー補給用開口の近傍には、現像スリーブに担持される現像剤量を規制する第2の規制部材が現像スリーブに対向して設けられており、該トナー補給用開口の下面は、該現像スリーブ側に向けて下向きに傾斜するように形成されており、該現像剤収容部におけるトナー濃度が高い場合には現像剤がトナー補給用開口部に溢れ、該現像剤収容部におけるトナー濃度が低い場合にはトナー補給用開口からトナーが該現像剤収容部に補給される現像装置であって、
該現像剤を構成する磁性キャリアが、少なくとも無機化合物粒子とバインダー樹脂とを有する磁性芯材とコート樹脂とを少なくとも含有する磁性微粒子分散型樹脂キャリアであり、該コート樹脂と該バインダー樹脂の合計である樹脂含有量が5から25質量%であり、見掛け密度が1.2から2.3g/cmであり、平均粒径が25から55μmであり、21μm以下が0.01から12体積%であり、72μm以上が1.0体積%以下である磁性キャリアを用いた現像装置であることを特徴とするものである。
本発明によれば、樹脂含有量が5〜25質量%の低密度なコートキャリアの粒度分布を特定範囲内に制御することで、トナー濃度検知手段を用いない簡易な現像方法に適用しても、長期にわたるトナー劣化およびトナースペントを抑制でき、画像安定性を達し得ることができる。
以下、本発明を、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの画像形成装置の現像装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンターの主要部概略構成図である。図1において、潜像担持体である感光体ドラム1の側方に配設された現像装置2は、支持ケース10、現像スリーブ4、現像剤収容部材11、第1の現像剤規制部材としての第1ドクターブレード6等から主に構成されている。
感光体ドラム1側に開口を有する支持ケース10は、内部にトナー3aを収容するトナー収容部としてのトナーホッパー8を形成している。トナーホッパー8の感光体ドラム1側寄りには、トナー3aとキャリア3bとからなる2成分系現像剤3を収容する現像剤収容部材11が、支持ケース10と一体的に設けられている。また、現像剤収容部材11の下方に位置する支持ケース10には、対向面10bを有する突出部10aが形成されており、現像剤収容部材11の下部と対向面10bとの間の空間によって、トナー3aを供給するためのトナー供給開口部20が形成されている。
トナーホッパー8の内部には、図示しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段としてのトナーアジテータ9が配設されている。トナーアジテータ9は、トナーホッパー8内のトナー3aをトナー供給開口部20に向けて攪拌しながら送り出す。また、トナーホッパー8の、感光体ドラム1と対向する側には、トナーホッパー8内のトナー3aの量が少なくなったときにこれを検知するトナーエンド検知手段10cが配設されている。
感光体ドラム1とトナーホッパー8との間の空間には、現像スリーブ4が配設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ4は、その内部に、現像装置2に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としてのマグネットローラ5を有している。
現像剤収容部材11の、支持ケース10に取り付けられた側と対向する側には、第1ドクターブレード6が一体的に取り付けられている。第1ドクターブレード6は、その先端と現像スリーブ4の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
現像剤収容部材11の、トナー供給開口部20の近傍に位置する部位には、第2の規制部材としての第2ドクターブレード7が配設されている。第2ドクターブレード7は、その自由端が現像スリーブ4の外周面に対して一定の隙間を保つべく、現像スリーブ4の表面に形成される現像剤3の層の流れを妨げる方向、すなわち、自由端を現像スリーブ4の中心に向けて、基端を現像剤収容部材11に一体的に取り付けられている。
現像剤収容部Aは、現像スリーブ4内のマグネットローラ5の磁力が及ぶ範囲で、現像剤3を循環移動させるに十分な空間を有するように構成されている。
なお、対向面10bは、トナーホッパー8側から現像スリーブ4側に向けて下向きに傾斜するよう、所定の長さにわたって形成されている。これにより、振動、現像スリーブ4の内部に設けられたマグネットローラ5の磁力分布のむら、現像剤3中の部分的なトナー濃度の上昇等が発生した際に、第2ドクターブレード7と現像スリーブ4の周面との間から現像剤収容部A内のキャリア3bが落下しても、落下したキャリア3bは対向面10bで受けられて現像スリーブ4側に移動し、磁力で現像スリーブ4に磁着されて再び現像剤収容部A内に供給される。これにより現像剤収容部A内のキャリア3b量の減少を防止することができ、画像形成時における、現像スリーブ4の軸方向での画像濃度むらの発生を防止することができる。
上記構成により、トナーホッパー8の内部からトナーアジテータ9によって送り出されたトナー3aは、トナー供給開口部20を通って現像スリーブ4に担持された現像剤3に供給され、現像剤収容部Aへ運ばれる。そして、現像剤収容部A内の現像剤3は、現像スリーブ4に担持されて感光体ドラム1の外周面と対向する位置まで搬送され、トナー3aのみが感光体ドラム1上に形成された静電潜像と静電的に結合することにより、感光体ドラム1上にトナー像が形成される。
次に、トナーホッパー8にトナー3aがセットされると、トナー供給開口部20より現像スリーブ4に担持された磁性キャリア3bにトナー3aが供給される。従って、現像スリーブ4は、トナー3aと磁性キャリア3bとの混合物である現像剤3を担持することとなる。
現像剤収容部A内では、トナー濃度に応じて収容されている現像剤3の容量が増減して、トナー濃度が低下する(画像濃度が低下する)と現像剤収容部A内の現像剤容量が減少して、トナー供給開口部20を通ってトナー3aが現像剤収容部により多く送られるようになり、トナー濃度は上昇する。一方、トナー濃度が上昇する(画像濃度が高くなる)と現像剤収容部A内の現像剤容量が増加して、トナー供給開口部20にまで現像剤が溢れるようになり、トナー3aが現像剤収容部に送られるのが阻止されるのでトナー濃度は低下する。
このようにトナー濃度に応じて現像剤収容部へのトナー取り込みが変化することにより、現像剤収容部のトナー濃度を一定範囲内に保つことができる。このように、本実施形態の現像装置によれば、従来のようなトナー補給機構及びトナー濃度センサを必要としないで現像剤のトナー濃度の自己制御を行うことができる。
次に、本実施形態の現像装置で使用する現像剤を構成するキャリアおよびトナーについて説明する。
われわれは、少量の現像剤量で、耐久におけるキャリアへのトナー及び外添剤のスペント性について検討を行ったところ、キャリア物性としては、粒径が大きく、見掛け密度の大きいものの方がトナーや外添剤のスペント性が高いということを見出した。この理由としては、見掛け密度が大きい場合、現像器内での現像剤の圧縮が強くなり、スペント性が増し、粒径が大きい場合、現像器内でのトナーとの接触機会が増大するためにスペント性が増すものと考えられる。
一方、潜像を忠実に再現させるためには、より小粒径のトナーを均一に帯電させなければならないため、トナーとキャリアの接触機会は増えスペント性が増すことになる。つまり上記相反するキャリアの特性を満足させることが、高画質でありかつ耐久性に優れた2成分系現像剤を提供し得ることとなる。
この観点に立ち、我々は鋭意検討したところ、キャリアの粒度分布と見掛け密度を良好にコントロールすることによって、上記課題を解決しうることを見出した。つまり、用いる樹脂コートキャリアは、樹脂含有量が5から25質量%であり、見掛け密度が1.2から2.3g/cm、好ましくは1.6から2.0g/cmであり、平均粒径が25から55μm、好ましくは30から50μmであり、21μm以下が0.01から12体積%、好ましくは0.03から6.0%であり、72μm以上が1.0体積%以下、好ましくは0.5体積%以下を満たす構成とすることである。
樹脂コートキャリアは、平均粒径として25から55μmが本発明を好適に発現せしめる構成である。55μmより大きい場合、少量の現像剤量でトナーに均一かつ良好な帯電を与えることが不充分となり、カブリやトナー飛散の原因となる。逆に25μmより小さい場合、現像剤の流動性が悪化しやすくなり、トナー濃度に応じて現像剤容量が期待遠りの変動を示さなくなり、結果として、トナー濃度の自己制御性が損なわれやすくなる。
また、微粒子側の存在量が多い場合は、現像剤の流動性が悪化してコートが不均一になりやすく、画像濃度ムラが生じやすくなるばかりでなく、キャリアを介して、静電潜像を乱しやすくなる。逆に、微粒子側の存在量が少ない場合は、現像剤の流動性は良好であるが、トナーに均一かつ良好な帯電を与えることが不充分となり、潜像を忠実に再現させることが困難となるばかりか、カブリやトナー飛散の原因となる。
本発明におけるキャリアの強磁性体は、前述した様に鉄粉、フェライト、マグネタイトが用いられるが、フェライトあるいはマグネタイトが好ましい。鉄粉キャリアは飽和磁化が大きいため、トナースペントしやすくなるので、特に本発明においてはあまり好ましく無い。
本発明のひとつの目的である耐久でのトナー劣化を抑制するためには、見掛け密度が1.2から2.3g/cmが必要であり、さらに感光体へのキャリア付着を抑制するためには、見掛け密度が1.5から2.0g/cmが好ましい。
本発明において、好適に使用できる強磁性体としては、下記式(1)又は(2)で表される磁性を有するマグネタイト及びフェライトが挙げられる。
MO・Fe ・・・(1)
M・Fe ・・・(2)
(式中、Mは3価、2価又は1価の金属イオンを示す。)
Mとしては、Be,Mg、Ca、Rb,Sr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Pb及びLiが挙げられ、これらは、単独あるいは複数で用いることができる。
本発明において特に好ましくはLi,Be,Mg,K.Ca、Sr及びRbからなる軽金属が挙げられ、これらは、単独あるいは複数で用いることが比重並びに密度を制御しやすく好ましいが、Mn、Kをはじめとするその他の金属と併用して用いて、樹脂含有量で調整しても良い。
上記の磁性を有する金属化合物粒子の具体的化合物としては、例えば、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Ca−Be−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト、Li−Mg−Fe系フェライト及びLi−Rb−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物が挙げられる。
特に、フェライト成分のうち、Li,Be,Mg,Ca及びSrの群から選ばれる1種以上の酸化物と、Feとの比率はモル%で5:95〜55:45、好ましくは35:65〜55:45の範囲にあるのが適している。上記比率が範囲を外れると、後述するように表面状態を制御しにくくなり、5から25質量%の樹脂を担持しにくくなるおそれがある。
芯材用のフェライト粒子は、粒子表面の結晶成長度や凹凸の制御又は粒子密度の制御のために他の金属酸化物を少量添加することが望ましい。他の金属酸化物とは、周期律表のIA,IIA,IIIA,IVA,VA,IIIB及びVB族に属する元素1種以上の酸化物、例えば、BaO,Al,TiO,SiO,SnO及びBiなどを挙げることができる。
さらに、帯電促進剤として、Cu0,Zn0等の従来公知の重金属の酸化物を添加しても良い。
他の金属酸化物添加量は、フェライト成分100質量部に対し、総量で0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5部の範囲にあることが好ましい。上記添加量が0.01質量部を下回ると、結晶成長が低くなり易く、粒子強度が低下しやすくなる。他方、10質量部を越えると、組成の均一性が失われ、フェライト組成物以外の酸化物の生成や、酸化物とヘマタイトとの反応による非磁性体又は弱磁性体の生成物が生じ易くなり、結果として、感光体へのキャリア付着が発生するといった欠点を生ずる。
本発明において、前述見掛け密度を満足させるためには、樹脂含有量が、5から25質量%、好ましくは8から17質量%であることが望ましい。
次に、本発明で特に好適に用いられる球状磁性微粒子分散型樹脂キャリア(以下、「樹脂キャリア」と称す)について詳細に述べる。
本発明の樹脂キャリアは、無機化合物粒子をバインダ樹脂に分散させたキャリアコアで形成されており、該キャリアコアは粒子表面が処理されていることも好ましい。
本発明におけるキャリアコアを構成する無機化合物粒子は、水に溶解せず又は水によって変質・変性しないものであればよく磁性無機化合物粒子および非磁性無機化合物粒子を混合したものが挙げられる。
磁性無機化合物粒子としては、マグネタイト粒子、マグへマイト粒子、これらにコバルトを被着させ又は含有させた粒子、バリウム、ストロンチウム又はバリウム−ストロンチウムを含むマグネトプランバイト型フェライト粒子、マンガン、ニッケル、亜鉛、リチウム及びマグネシウム等から選ばれた1種又は2種以上を含むスピネル型フェライト粒子等の各種磁性粒子が使用できる。
非磁性無機化合物粒子としては、ヘマタイト粒子、含水酸化第二鉄粒子、酸化チタン粒子、シリカ粒子、タルク粒子、アルミナ粒子、硫酸バリウム粒子、炭酸バリウム粒子、カドミウムイエロー粒子、炭酸カルシウム粒子、亜鉛華粒子等が使用できる。
無機化合物粒子の粒子形態は、立方体状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒子をも使用することができる。無機化合物粒子の50%粒径は、磁性キャリアの50%粒径よりも小さい粒子であればよく、0.02〜5.0μmが好ましく、特に磁性無機化合物粒子の50%粒径を(a)とし、非磁性無機化合物粒子の50%粒径を(b)とすると、(a)が0.02〜2μmであり、(b)が0.05〜5μmであり、さらに1.5(a)<(b)であることがより好ましい。
さらに、非磁性無機化合物粒子は、磁性無機化合物粒子よりも体積抵抗値が大きく、非磁性無機化合物粒子の50%粒径は磁性無機化合物粒子の50%粒径よりも大きい方が、キャリアの体積抵抗値を高め、キャリアの真比重を小さくする上で好ましい。特に非磁性無機化合物粒子は10Ωcm以上、好ましくは10〜1014Ωcmであることが磁性キャリアの抵抗調整できる点で好ましい。
磁性無機化合物粒子及び非磁性無機化合物粒子の総量に対して、磁性無機化合物粒子は30〜95質量%含まれていることが、キャリアの磁気力を調整してキャリア付着を防止し、さらに、キャリアの体積抵抗値を調整する上で好ましい。
無機化合物粒子は、その全部又は一部が親油化処理剤で処理されていることも好ましい。親油化処理剤としては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、有機酸基、エステル基、ケトン基、ハロゲン化アルキル基及びアルデヒド基から選ばれた1種又は2種以上の官能基を有する有機化合物やそれらの混合物が使用でき、いずれも本発明の目的を達成することができる。これらのうち、上記官能基を有するカップリング剤が好ましく、特にシラン系カップリング剤が好ましい。さらに、好ましい官能基としては、エポキシ基、アミノ基及びメルカプト基が、キャリアの粒度分布がシャープになる点で好ましく、さらには、エポキシ基が、無機化合物粒子の分散状態が均一になり、温湿度の影響を受けにくく、キャリアの帯電付与能が安定する点で好ましい。
本発明におけるキャリアコアを構成するバインダ樹脂としては、特に熱硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フラン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂等があり、これらの樹脂は単独でも2種以上を混合しても構わないが、少なくともフェノール樹脂を含有していることが好ましい。
本発明の磁性キャリアに用いられるキャリアコアは、必要によりその表面をカップリング剤あるいは樹脂で被覆しても良い。
被覆するのに用いられる樹脂は、公和の樹脂であればいずれでも良く、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。モノマーから重合して得られる重合体でもかまわない。耐久性や耐汚染性を考慮すればシリコーン樹脂が好ましい。
キャリアコアを被覆する樹脂の被覆量は、キャリアコアに対して0.05質量%以上が好ましい。0.05質量%未満の場合には、不十分かつ不均一な被膜となりやすく、帯電量を自由に制御することが困難となる。また、被覆量が多すぎると磁性キャリアの電気抵抗が高くなりすぎ画像上の問題が発生する傾向がある。より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは樹脂被覆時の粒子同士の合一化を防止するために0.2〜5質量%である。
キャリアコアを被覆する樹脂中には、必要によりカップリング剤を樹脂固形分に対し0.1〜20.0質量%含んでいてもよい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤が好ましい。さらに好ましくはカップリング剤の自己縮合による強度低下を防止するために0.1〜10.0質量%である。
また、キャリアコアをカップリング剤で被覆する場合には、キャリアコアに対して0.001〜0.5質量%が好ましい。その場合のカップリング剤としては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、有機酸基、エステル基、ケトン基、ハロゲン基、アルキル基及びアルデヒド基から選ばれた1種または2種以上の官能基を有するカップリング剤、特に好ましくはシランカップリング剤等が使用できる。
樹脂キャリアのより好ましい形態としては、キャリアコアのバインダ樹脂としてフェノール樹脂を用い、無機化合物粒子の表面処理剤としてエポキシ基含有シランカップリング剤を用い、キャリアコアを被覆するシリコーンコート樹脂中に含有するものとして、またはキャリアコアの前処理材として、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いるものが挙げられる。そうすることで、結着樹脂中に適度に吸着している水分により、アミノ基を含有するシランカップリング剤が加水分解して、フェノール樹脂の水酸基と水素結合をしつつ、自己縮合し、あるいはシリコーン樹脂中の残存シラノール基と縮合し強固な被覆を形成すると同時に、アミノ基と無機化合物粒子の表面処理剤のエポキシ基とが反応し、シリコーン樹脂の密着性が向上し、被覆樹脂の欠落等が抑制される。
樹脂キャリアの物性を所定の範囲に入るようにするために、キャリアコア中には磁性無機化合物粒子に加えて非磁性無機化合物粒子を配合することが好ましい。磁性無機化合物粒子と非磁性無機化合物粒子は、合計量で磁性キャリア中の70〜99質量%であり、より好ましくは80〜99質量%の割合で含有されていることが、キャリアの比重の調整と、キャリアの粒度分布の調整と、キャリアコアの機械的強度との関係で好ましい。
樹脂キャリアは、適宜所定のシステムに都合の良いようにその形状が選択される。しかしながら、樹脂キャリアは、球形状がより好ましい。樹脂緒キャリアは、球形状でないと、現像剤としての流動性が劣るようになり、少量の現像剤ではトナーへの摩擦帯電付与能力の低下や現像極において磁気ブラシの形状が不均一になるために高画質な画像が得られにくくなる。
次に、本発明に係る樹脂キャリアの好適な製造方法について述べる。
無機化合物粒子の親油化処理剤による処理は、無機化合物粒子にカップリング剤や有機化合物の溶液を添加混合して被覆処理すればよい。
キャリアコアは、溶媒中に分散させた無機化合物粒子を、バインダ樹脂を構成するモノマーに分散させ、開始剤或いは触媒を添加して重合する、所謂、重合法や、無機化合物粒子を含有したバインダ樹脂を粉砕する、所謂、混練粉砕法等によって製造することが出来るが、樹脂キャリアの粒径を容易に制御し、シャープな粒度分布にするために重合法が好ましい。即ち、重合法によって製造されるキャリアコアは、重合時の反応条件、例えば、触媒の添加条件、重合温度条件と、溶媒分散液の攪拌条件等によって任意にコントロール可能であり、混練粉砕法によって製造する場合と違って分級工程を経なくても、25〜55μmと微粒径で微粉のないシャープな粒度分布が達成できるので好ましい。
本発明に好適に使用されるバインダー樹脂としてフェノール樹脂を用いた重合法によるキャリアコアの製造は、例えば、水性媒体中にフェノール類とアルデヒド類と親油化処理を行った無機化合物粒子を分散させ、塩基性触媒を添加して重合反応させる方法が挙げられる。フェノール類とともにロジン等の天然樹脂や、桐油、亜麻仁油等の乾性油を混合して反応させる、所謂、変性フェノール樹脂を形成させる方法も挙げられる。
バインダ樹脂が特にフェノール樹脂である場合には、適度な吸着水を保持しているので、カップリング剤の加水分解を促進し、強固な被覆を形成するために好ましい。
別の条件として、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用いたキャリアコアの製造は、例えば、水性媒体中にビスフェノール類とエピハロヒドリンと親油化処理を行った無機化合物粒子を分散させ、アルカリ水性媒体中で重合反応させる方法が挙げられる。
さらに別の条件として、バインダー樹脂としてメラミン樹脂を用いたキャリアコアの製造は、例えば、水性媒体中にメラミン類とアルデヒド類と、親油化処理を行った無機化合物粒子を分散させ、弱酸性触媒の存在下で重合反応させる方法が挙げられる。
その他のバインダー樹脂を用いたキャリアコアの製造方法としては、例えば、親油化処理を行った無機化合物粒子を種々の樹脂と混練した後、粉砕し、必要に応じて分級し、さらには球形化処理を行う方法等が挙げられる。
親油化処理を行った無機化合物粒子とバインダー樹脂とからなるキャリアコアは、樹脂をより硬化させるために必要により熱処理を施すことも行なわれる。特に減圧下あるいは不活性雰囲気下で行うことが無機化合物粒子等の酸化防止のために好ましい。
キャリアコアのカップリング剤による被覆処理は、常法によりカップリング剤を水や溶剤に溶解したものに、キャリアコアを浸漬した後、濾過及び乾燥する方法や、キャリアコアを撹拌しながらカップリング剤の水溶液や溶媒液をスプレーし、乾燥する方法等が用いられる。特にキャリアコアの合一化を防止し、均一な被覆層を形成するために、撹拌しながら処理する方法が好ましい。
樹脂の被覆は、周知の方法によって行えばよく、例えば、ヘルシェルミキサーや、ハイスピードミキサー等を用いてキャリアコアと樹脂とを乾式混合する方法、樹脂を含む溶剤中へキャリアコアを含浸する方法、スプレードライヤーを用いてキャリアコアに樹脂を吹きつける方法等のいずれであってもよい。
また、キャリアコアとフェノール類、アルデヒド類、或いはメラミン類及びアルデヒド類とを水性媒体中で反応させフェノール樹脂やメラミン樹脂を被覆する方法や、アクリロニトリルと他のビニル系モノマーとの混合物を水性媒体中で重合させアクリロニトリル系重合体を被覆する方法や、ラクタム類のアニオン重合によりポリアミド樹脂を被覆する方法等でもかまわない。
(キャリアの特性値の測定方法)
ここで、本発明のキャリアに係る用いる特性値の測定方法について述べる。なお、後述される実施例においても同様に測定した。
(1)キャリア、キャリアコア、無機化合物粒子の50%粒径は、レーザ回折式粒度分布計(堀場製作所株式会社製)により計測した値で示したものである。具体的な測定方法は、以下の通りである。
マイクロトラック粒度分析計(日機装(株)製)を使用し、キャリア、キャリアコアは、7〜700μmのレンジ設定で測定を行い、無機化合物粒子は、0.0032〜6.5406μmのレンジ設定で測定を行い、50%粒径を求める。
(2)見掛密度の測定:パウダーテスター(細川ミクロン製)を用い、見掛密度を測定する。測定としては、振動台に100メッシュ(目開き140μm)フルイをセットし、その真下にあらかじめ重量を測定した見掛密度測定用カップ(内容量100cc)を置く。
次にレオスタット目盛を2.0に合わせ振動を開始する。この振動している100メッシュフルイ上部から静かに測定試料を、前記測定用カップに入るように流出させる。
カップに山盛り試料が充填されたら、振動を停止し、山盛のカップ上面をブレードによりすり切り、天秤により正確に秤量する。
測定用カップは100ccの内容量となっているため見掛密度(g/cm)=試料の重量÷100より求めることができる。
試料は23℃、60%RHの環境下で約12時間放置したものを用い、測定環境は23℃、60%RHである。
現像剤からキャリア物性を測定する場合は、コンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて現像剤を洗浄しトナーとキャリアを分離した後、上記測定を行う。
<2>本発明における現像剤
次に本発明の現像剤に用いられるトナーの好ましい態様について説明する。
本発明に係るトナーは重量平均粒径が3.0〜10.0μmが好適であり、特に4.5〜9.5μmであることが好ましい。
トナーの重量平均粒径(D4)が10.0μmを超えると、静電潜像を現像するトナー粒子が大きくなるために、キャリアの磁気力を下げても静電潜像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすくなる。また、重量平均粒径が3.0μm未満のトナーは粉体としてのハンドリング性が低下すると同時に、キャリアとの混合性が不均一となり、トナー帯電付与が良好に行えず、トナーのトリボ分布が広くなり、帯電不良(反転成分生成)や現像したトナーの粒径偏在化により耐久での粒径変化という問題を生じやすい。
また、本発明に用いられるトナーは、フロー式粒子分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.945〜0.995の平均円形度を有することが好ましい。より好ましい平均円形度は、0.955〜0.995である。
平均円形度が0.945未満であると、転写効率が低下し、0.995を越えると感光ドラム、中間転写部材あるいは転写搬送ベルト上のトナーをクリーニングするのが困難となる傾向があることから好ましくない。
本発明における平均円形度とは、粒子の形状を定量的表現する指標として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度(ai)を下記式(2)により求め、さらに下記式(3)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(am)と定義する。
円形度(ai)=L0/L 式(2)
(式中、L0はトナー粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を示し、Lはトナー粒子の投影像の周囲長を示す。)
Figure 0004174394
なお、本発明で用いる測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度のものであり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
測定手順としては、以下の通りである。
界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlに、磁性トナー約5mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群の平均円形度及びモード円形度を求める。
本発明における平均円形度とは、トナーの凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、トナーの表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
トナーに使用される結着樹脂としては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂と架橋されていない樹脂との混合樹脂でも良い。
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
架橋剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましい。
また、トナーは荷電制御剤を含有しても良い。
トナーを負帯電性に制御するものとして下記物質がある。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物が好ましく用いられる。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノールの如きそれらのフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;4級アンモニウム塩;カリックスアーレン;ケイ素化合物;スチレンーアクリル酸共重合体;スチレンーメタクリル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこららのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は、トナーの樹脂成分100質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜4質量部使用するのが良い。
本発明に用いられるトナーの着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調合されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ビグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168又は180が好適に用いられる。さらにC.I.ソルベントイエロー93、162等の染料を併用しても良い。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ビグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221又は254が好適に用いられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ビグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用できる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更に固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
トナー粒子には、固体ワックスが1〜40質量%、好ましくは2〜20質量%含有されることが好適である。ワックスが1質量%未満であるとオフセット抑制効果が小さく、40質量%を超えるとトナー表面にも偏在するようになり、スリーブ汚染等が生じやすくなることで現像スリーブ上現像剤量が不均一となりやすく、画像濃度変化が大きくなりやすい。好ましいワックスとして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.45以下のワックスを用いることにより、トナーは流動性に優れ、光沢ムラのない均一な定着画像が得られ、さらに定着装置の加熱部材に対する汚染や保存性の低下が生じ難く、かつ定着性及び定着画像の光透過性に優れ、トナーを溶融させて透明性に優れたフルカラーOHPを作成する際に、ワックスの一部または全部が適度に加熱部材を被覆し、トナーがオフセットすることなく、フルカラーOHPが作成でき、かつ良好な低温定着性が発現できることに加えて、圧接部材の長寿命化を達成できる。
本発明で用いられるトナーに含有されるワックスは、ダブルカラムを用いたGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.45以下、好ましくは1.30以下であることが、定着画像の均一性の点及びトナーの良好な転写性及び感光体に接触して帯電するための接触帯電手段に対する汚染の防止の点で、より好ましい。
ワックスのMw/Mnの値が1.45を超える場合には、トナーの流動性が低下することにより、定着画像の光沢ムラが生じ易く、さらにトナーの転写性の低下及び接触帯電手段への汚染が生じ易い。
本発明においてワックスの分子量分布は、ダブルカラムを用いたGPCにより次の条件で測定される。
(GPC測定条件)
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :濃度0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリウレタン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって、重量平均分子量および数平均分子量を算出する。
本発明に用いられるワックスの融点は、40〜150℃であることが好ましく、より好ましくは50〜120℃が特に好ましい。ワックスの融点が40℃より低い場合はトナーの耐ブロッキング性、多数枚の複写時でのスリーブ汚染しやすくなり、画像形成スピードを変えた際に現像剤のコートが不均一となり画像濃度ムラが生じやすい。ワックスの融点が150℃を超える場合は、粉砕法によるトナーの製法において結着樹脂との均一混合に過大のエネルギーが必要になり、重合法によるトナーの製法においても結着樹脂への均一化のために、粘度を高めることによる装置の大型化あるいは相溶する量に限界があるため、多量に含有されることが難しくなるなど好ましくない。
ワックスの融点は、ASTM D3418−8に準じて測定される吸熱曲線における主体極大ピーク(main peak)値の温度とする。
ASTM D3418−8に準ずる測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い行う。装置検出部の温度補正はインジウム亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで温度20〜200℃の範囲で測定を行う。
さらに、本発明に用いられるワックスは、GPCにより測定される分子量分布が、2つ以上のピーク又は1つ以上のピークと1つ以上のショルダーとを有し、かつ分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が200〜2000、数平均分子量(Mn)が150〜2000であることが好ましい。上述の分子量分布は、単一のワックス又は複数のワックスのいずれで達成しても良く、結果として結晶性が阻害でき、透明性が一層向上することを見い出した。2種以上のワックスをブレンドする方法としては特に制約を受けるものではないが、例えばブレンドするワックスの融点以上においてメディア式分散機(ボールミル、サンドミル、アトライター、アペックスミル、コボールミル、ハンディミル)を用いて溶融ブレンドすることや、ブレンドするワックスを重合性単量体中へ溶解させ、メディア式分散機にてブレンドすることも可能である。このとき添加物として、顔料、荷電制御剤、重合開始剤を使用しても構わない。
ワックスの重量平均分子量(Mw)は200〜2000、数平均分子量(Mn)は150〜200であることが好ましい。より好ましくはMwが200〜1500、さらに好ましくは300〜1000、Mnは200〜1500、さらに好ましくは250〜1000であることが良い。ワックスのMwが200未満、Mnが150未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下することがある。ワックスのMwが2000超、Mnが2000超の場合には、ワックス自体の結晶性が発現し、透明性が低下することがある。
本発明に用いることが可能なワックスとしては、例えばパラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、これらの変性物(例えば、酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪酸、およびその金属塩、アミドワックス、及びエステル系ワックスなどが挙げられる。
その中でも、より高品位なフルカラーOHP画像が得られる点でエステルワックスが特に好ましい。
本発明に好ましく用いられるエステルワックスの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付加反応に代表されるエステル基導入反応が用いられる。
次に本発明に用いられるトナーを製造するための方法について説明する。本発明に用いられるトナーは、粉砕トナー製法及び重合トナー製法を用いて製造することが可能である。
重合トナーの製造法は、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は他流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法や、予め一次極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナーを製造することが可能である。
この中でも、重合性単量体、着色剤及びワックスを少なくとも含む単量体組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法で得られる重合トナー粒子が好ましい。
本発明においては比較的容易に粒度分布がシャープな微粒子トナーが得られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合法が特に好ましい。一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる所謂シード重合法も本発明に好適に利用することができる。
本発明に用いられるトナーの好ましい形態としては、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面測定法でワックスが、外殻樹脂層で内包化されたものである。定着性の観点から多量のワックスをトナーに含有せしめる必要性から、ワックスを外殻樹脂層で内包化せしめることがトナーの保存性や流動性の点で好ましい。内包化せしめない場合のトナーは、ワックスの分散が均一にできず結果的に粒度分布が広くなり、かつ装着へのトナー融着も発生しやすい。
ワックスを内包化せしめる具体的な方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体よりワックスの方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることでワックスを外殻樹脂で被覆した所謂コア−シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件、例えばローターの周速・バス回数・撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定の本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナー製造方法に直接重合方法を用いる場合においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。単量体中にワックス、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーの如き撹拌機により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈殿が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
重合法を用い直接トナーを得る際の重合性単量体としては、スチレン、o(m−,p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きジエン系単量体が好ましく用いられる。
トナーの重合法に用いられる極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系単量体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。より好ましいものとして、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マイレン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヒキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクシルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンの如き過酸化物系開始剤;過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤;過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムの如き過硫酸塩;過酸化水素などが使用される。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部の添加量が好ましい。
分子量をコントロールするために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良く、好ましい添加量としては重合性単量体100質量部に対して0.001〜15質量部である。
乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合、ヘテロ凝集法を用いる重合法によって、重合法トナーを製造する際に用いられる分散媒には、適当な無機化合物又は有機化合物の安定化剤を使用することが好ましい。無機化合物の安定化剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機化合物の安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ハイドロオキシステアリン酸−g−メタクリル酸メチル−eu−メタクリル酸)共重合体やノニオン系或いはイオン系界面活性剤が挙げられる。
乳化重合法及びヘテロ凝集法を用いる場合には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が使用される。これらの安定剤は重合性単量体100質量部に対して0.2〜30質量部を使用することが好ましい。
これら安定化剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成させても良い。
これら安定化剤の微細な分散の為に、重合性単量体100質量部に対して0001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。この界面活性剤は上記分散安定化剤の安定化作用を促進する為のものである。その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明において重合法トナーに用いられる着色剤としては、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、前記着色剤を好ましくは表面改質、たとえば重合阻害のない疎水化処理を施したほうが良い。特に染料系やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染料系を表面処理する好ましい方法としては、これら染料の存在下に重合性単量体をあらかじめ重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理のほか、ポリオルガノシロキサンの如きカーボンブラックの表面官能基と反応する物質で処理を行っても良い。
結着樹脂のガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存性が低下し、かつ流動性が悪化し、良好な画像が得られない傾向がある。結着樹脂のガラス転移温度が90℃を超える場合には、低温定着性が劣るのに加え、フルカラートランスペアレンシーの透過性が悪化してしまう。とりわけ、ハーフトーン部がくすみ、彩度のない投影画像になりやすい。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTM D3418−8に準ずる測定によって行う。例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いて行う。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで温度20〜200℃の範囲で測定を行う。
次に、トナー粒子に外添される外添剤について説明する。
本発明に使用されるトナーにはシリカ、アルミナ、酸化チタンの如き無機微粒子;ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーンの如き有機微粒子の微粉末が外添されていることが好適である。トナー粒子に上述した微粉末を外添することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー粒子相互の間に微粉末が存在することになり、現像剤の流動性が向上され、さらに現像剤の寿命も向上する。上述した微粉末の平均粒径は0.2μm以下であることが好ましい。個数平均粒径が0.2μmを超えると流動性向上の効果が少なくなり、現像時、転写時の不良等により画質低下させてしまう場合がある。これら微粉末の個数平均粒径の測定は後述する。
これらの微粉末の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m/g以上、特に5〜400m/gの範囲のものが良好である。微粉末の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜20質量部で使用することが好適である。
トナーが負帯電性トナーであるので、少なくとも1種類は疎水化処理されたシリカを用いることが、帯電性の点から好ましい。つまり、シリカの方がアルミナや酸化チタン等の流動化剤より負帯電性が高いため、トナー粒子との密着性が高く、遊離した外添剤が少なくなる。そのため、静電潜像担持体上のフィルミングや、帯電部材の汚染を抑制することができる。しかしながら、負帯電性が高まると、一部遊離した外添剤がキャリアへ移行してしまう傾向にある。その場合でも、本発明の重合法キャリアは、その表面形状故に流動化剤の付着を抑制可能である。
また、該無機微粒子は高湿下での帯電性を維持するために、疎水化処理されることが好ましい。その疎水化処理の例を下記に示す。
疎水化処理剤の一つとして、シランカップリング剤が挙げられ、その量は、無機微粒子100質量部に対して、1〜40質量部、好ましくは2〜35質量部を用いるのが良い。1〜40質量部であると耐湿性が向上し凝集体が発生しにくい。
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、下記一般式(3)で示されるものが挙げられる。
SiY 式(3)
〔式中、Rはアルコキシ基又は塩素原子を示し、mは1〜3の整数であり、Yは、炭化水素基(例えば、アルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基が挙げられる)を示し、nは3〜1の整数である。〕
具体的には例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルコロルシラン等を挙げることができる。
上記無機微粒子のシランカップリング剤処理は、無機微粒子を撹拌によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理、又は、無機微粒子を溶媒中に分散させシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法の如き一般に知られた方法で処理することができる。上述の疎水化処理は適宜併用可能である。
また、別の疎水化処理剤の一つとしてシリコーンオイルが挙げられる。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が5〜2000mm/sのものが好ましく用いられる。分子量が低すぎて低粘度のシリコーンオイルは加熱処理により、揮発分が発生することがあり好ましくなく、一方、分子量が高すぎて高粘度のシリコーンオイルは表面処理操作がしにくくなる。シリコーンオイルとしては、メチルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキル変性シリコーンオイルが好ましい。
上述のシリコーンオイルは、トナーの帯電性を高めるため、トナー粒子と同極性の負帯電性のものを用いることが好ましい。
無機微粒子をシリコーンオイル処理する方法としては、公知の技術が用いられる。例えば無機微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合しても良いし、無機微粒子へシリコーンオイルを噴霧する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、無機微粒子と混合し、その後、溶剤を除去して作製しても良い。
シリコーンオイルは、処理を施す無機微粒子100質量部に対して、1.5〜60質量部、好ましくは3.5〜40質量部用いるのが良い。1.5〜60質量部であると、シリコーンオイルによる表面処理が均一に行え、好適にフィルミング及び中抜けを防止でき、高湿下での吸湿によるトナーの帯電性の低下を防止し、耐久における画像濃度の低下を防止し得る。
各種トナー特性付与を目的とした添加剤は、トナー中に、あるいはトナーに添加した時の耐久性の点から、平均粒径が0.005〜0.2μmであることが好ましい。この添加剤の平均粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその個数平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば以下のようなものが用いられる。
上述した無機微粒子、有機微粒子以外に他の流動性付与剤として、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンの如き金属酸化物;カーボンブラック;及びフッ化カーボンが挙げられる。これらはそれぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
研磨剤としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化クロムなどの如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化ケイ素などの炭化物;及び硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムの如き金属塩が挙げられる。
滑剤としては、例えばフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉末;及びステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩が挙げられる。
荷電制御性粒子あるいは導電性付与粒子としては、例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの如き金属酸化物;及びカーボンブラックが挙げられる。
これら添加剤は、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましく0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用いても、また複数併用しても良い。
本発明に用いる現像剤は、上述した磁性キャリアとトナーとを混合して2成分系現像剤として用いる。
トナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調整する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、3〜30質量%、好ましくは4〜20質量%にすると良好な結果が得られる。トナー濃度が3質量%未満の場合には、画像濃度が低くなりやすく、30質量%を超える場合にはカブリや機内飛散を生じやすく、現像剤の耐用寿命も低下しやすいことから好ましくない。
トナーの重量平均粒径(A)と磁性キャリアの50%粒径(B)との比(A/B)は、0.1〜0.3であることが好ましい。0.1未満であるとトナーを良好に帯電付与することができずらくなり、カブリや高湿環境下でのトナー飛散が起こりやすくなる。また0.3を超えると、特に低湿下でのトナーの帯電量が高くなりすぎ、トナー濃度の自己制御安定性が低下して、画像濃度の変動が大きくなりやすくまたカブリを引き起こしやすくなる。
以下に、トナーの平均粒径及び粒度分布の測定の具体例を示す。
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添付し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μm〜100μmの間で適宜トナーサイズに合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求めた。
本発明の二成分系現像剤を用いることで現像装置内での現像剤にかかるシェアが小さく、多数枚の複写においても画質低下のない画像が達成できる。
より引き締まった画像を得るためには、好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像装置を有し、ブラックの現像が最後に行われることで引き締まった画像を呈することができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<1>磁性キャリアの製造
<磁性キャリア1の製造>
・フェノール(ヒドロキシベンゼン) 50質量部
・37wt%のホルマリン水溶液 80質量部
・水 50質量部
・エポキシ基含有シラン系カップリング剤で表面処理された
マグネタイト微粒子 280質量部
(50%粒径0.21μm)
・エポキシ基含有シラン系カップリング剤で表面処理された
α−Fe微粒子 120質量部
(50%粒径0.35μm)
・25wt%のアンモニア水 15質量部
上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら60分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応、硬化させた。その後28℃まで冷却し500質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれを減圧下(665Pa=5mmHg)180℃で24時間乾燥して、フェノール樹脂をバインダ樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得た。
得られた磁性キャリアコア(A)の表面にγ−アミノプロピルトリメトキシシランの5質量%メタノール溶液を塗布した。
塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断応力を連続して印加しながら、塗布しつつメタノールを揮発させた。
上記処理機内のシランカップリング剤で処理された磁性キャリアコア(A)を70℃で撹拌しながら、シリコーン樹脂SR2411(東レダウコーニング(株)製)を、シリコーン樹脂固形分として10%になるようトルエンで希釈した後、減圧下で添加して、0.5質量%の樹脂被覆を行った。
以後、窒素ガスの雰囲気下で2時間撹拌しつつ、トルエンを揮発させた後、窒素ガスによる雰囲気下で140℃,2時間熱処理を行い、凝集をほぐした後、200メッシュ(75μmの目開き)以上の粗粒を除去し、磁性キャリア1を得た。
得られた磁性キャリア1の樹脂含有量は10質量%、50%粒径は35μm、21μm以下が0.1体積%、72μm以上が0.1体積%、見掛密度は1.85g/cmであった。
<磁性キャリア2、3の製造>
磁性キャリア1の製造例において、個液比を変えることにより、樹脂含有量は10質量%、50%粒径は23μm、21μm以下が55.3体積%、72μm以上が0体積%、見掛密度は1.82g/cmの磁性キャリア2及び樹脂含有量は10質量%、50%粒径は58μm、21μm以下が0体積%、72μm以上が16体積%、見掛密度は1.87g/cmの磁性キャリア3を得た。
<磁性キャリア4の製造>
フェライト成分(Fe:56.3モル%、MgO:23.0モル%、SrO:20.7モル%)
上記組成に配合したフェライト原材料の酸化物をボールミルで湿式混合し、乾燥・粉砕した後、750℃で2時間仮焼し、クラッシャー0.1〜1.0mm程度に粉砕した。さらに、ボールミルで湿式粉砕してスラリー化し、バインダーとしてポリビニルアルコールを1.0%、空孔調整剤としてCaCO3を4%加え、スプレードライヤー法で球状粒子に造粒し、酸素ガス濃度0.5%の窒素ガス雰囲気下980℃で焼成し、目開き200μmの篩で篩分して粗大粒子の除去を行い、次いで風力分級機(エルボウジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級して粒度調整を行ない、芯材粒子を得た。
次に、
トルエンとメチルエチルケトン(4:1)混合溶剤 1000部
スチレン・メチルメタクリレート共重合体(4:6,Mw=5万) 70部
メチルメタクリレート・パーフルオロプロピルエチルメタクリレート共重合体(80:20,Mw=1.8万) 30部
上記成分を混合して被覆用液体を調製した。次いで、上記芯材粒子に対し、被覆樹脂固形分が10.0wt%となるように溶液の配合を調整し、減圧ニーダーで攪拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去し、140℃で2時間焼き付けを行い、目開き74μmの篩で篩分して50%粒径が35μm、21μm以下が3.8体積%、72μm以上が1.3体積%、見掛密度1.83g/cmの磁性キャリア4を得た。
<磁性キャリア5,6の製造>
製造例4において、空孔調整剤としてCaCOを2%、7%に変えて、被覆樹脂固形分が4.0wt%、350wt%とする以外は同様にして、50%粒径が35μm、21μm以下が2.7体積%、72μm以上が1.1体積%、見掛密度2.4g/cmの磁性キャリア5および50%粒径が35μm、21μm以下が5.8体積%、72μm以上が2.7体積%、見掛密度1.1g/cmの磁性キャリア6を得た。
<磁性キャリア7の製造>
フェライト成分(Fe:58モル%、NiO:21.0モル%、ZnO:21.0モル%)に変える以外は製造例4と同様にして、50%粒径が35μm、21μm以下が2.5体積%、72μm以上が2.8体積%、見掛密度2.2g/cmの磁性キャリア7を得た。
<1>トナーの製造
<トナー1の製造>
イオン交換水710質量部に、0.1M−NaPO水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、14000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl水溶液68質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム化合物を含むpH5.8の水系媒体を得た。
・スチレン 160質量部
・n−ブチルアクリレート 34質量部
・銅フタロシアニン顔料 10質量部
・ジ−t−ブチルサリチル酸アルミ化合物 0.8質量部
・飽和ポリエステル 10質量部
・エステルワックス(Mw:500、Mn:400,Mw/Mn:1.25) 20質量部
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、13000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調整した。前記水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2雰囲気下において、クレアミキサー(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水系媒体をパドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、pHを6に維持しながら8時間の重合反応を行った。
重合反応終了後、冷却し、pH1.5となるように塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥、分級をして、重合粒子(トナー粒子1)を得た。
得られた重合粒子(トナー粒子1)100質量部に対して、下記の外添剤2種を外添し、外添後に300メッシュ(目開き53μm)の篩で粗粒を除去し、負帯電性のシアントナー1を得た。シアントナー1の重量平均粒径は7.1μmであり、平均円形度0.977であった。
(1)第1の外添剤(疎水性シリカ微粉体0.7質量部)
シリカ微粉体100質量部に対して気相中でヘキサメチルジシラザン10質量部で疎水化処理したものであり、BET比表面積が37m/gであり、個数平均粒径30nmである。
(2)第2の外添剤(疎水性酸化チタン微粉体0.5質量部)
酸化チタン微粉体100質量部に対して水媒体中でn−ヘキラルトリメトキシシラン10質量部で疎水化処理したものであり、BET比表面積が90m/gであり、個数平均粒径35nmである。
<トナー2の製造>
・テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸/ビスフェノールAの誘導体からなるポリエステル樹脂 100質量部
・銅フタロシアニン顔料 4質量部
・ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミ化合物 1質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級した後球形化処理を行い、重量平均粒径が7.3μmである負摩擦帯電性のシアントナー粒子2を得た。
得られたシアントナー粒子にシアントナー1の製造と同様に2種の外添剤を外添して負帯電性のシアントナー2を調整した。シアントナー2は、重量平均粒径7.3μm、平均円形度0.951であった。
<トナー3乃至4の製造>
トナー粒子2の分級条件を変えてトナー粒子3乃至4を得た後、トナー2の製造と同様に2種の外添剤を外添し、重量平均粒径11.0μm、平均円形度0.949であるシアントナー3及び重量平均粒径2.8μm、平均円形度0.957であるシアントナー4を得た。
<トナー5の製造>
銅フタロシアニン顔料のかわりにキナクリドン顔料10質量部を使用すること以外は、トナー1の製造と同様にしてマゼンタ色の重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合粒子にトナー1の製造と同様にして外添剤2種を外添して負帯電性のマゼンタトナー5を調整した。マゼンタトナー5は、重量平均粒径7.4μm、平均円形度0.971であった。
<トナー6の製造>
銅フタロシアニン顔料のかわりにC.I.ピグメントイエロー93を5質量部およびソルベントイエロー93を6質量部使用すること以外は、トナー1の製造と同様にしてイエローの重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合粒子にトナー1の製造と同様にして外添剤を外添して負帯電性のイエロートナー5を調整した。イエロートナー5は、重量平均粒径7.3μm、平均円形度が0.968であった。
<トナー7の製造>
銅フタロシアニン顔料のかわりにカーボンブラック10質量部を使用すること以外は、トナー1の製造と同様にしてブラック色の重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合粒子にトナー1の製造と同様にして外添剤を外添して負帯電性のブラックトナー6を調整した。ブラックトナーは、重量平均粒径7.7μm、平均円形度が0.977であった。
上記で得られたキャリア1(92質量部)とシアントナー1(8質量部)をV型混合機で混合し、スタート用シアン現像剤1とした。
次に、市販のカラー複写機CP2150(キヤノン製)の現像装置を図1に示す如く改造し、100gの現像剤を投入した。
画像面積5%のオリジナル原稿を使用し、23℃/60%の環境で、それぞれCLC80g紙(キヤノン販売社製)を用いて、シアントナー1を補給しながら1万枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて評価した。
結果を表1に示すが、表1からわかるように良好な結果が得られた。
[評価方法・基準]
(1)画像濃度
画像濃度は、SPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスデンシトメータRD918タイプ(Macbeth Densitometer RD918manufactured by Mcbeth Co.)を使用して、オリジナル画像濃度1.5で普通紙上に形成された画像の4隅、中央の5点平均の相対濃度として測定した。
(2)ハーフトーン再現性
オリジナル画像濃度0.3を用いて(1)同様相対濃度として測定した。
◎:0.3〜0.4
○:0.25〜0.3未満、0.4超〜0.45
△:0.20〜0.25未満、0.45超〜0.5
×:0.2未満、0.5超
(3)カブリ
画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式から算出する。
Fog(%)=Dr(%)−Ds(%)
◎:0.4%未満
○:0.4〜0.8%未満
△:0.8〜1.2%未満
×:1.2%以上
(4)ベタ均一性
オリジナル画像濃度1.5を用いて(1)同様5点の相対濃度を測定し、最大濃度差として測定した。
◎:0.0〜0.05未満
○:0.05〜0.15未満
△:0.15〜0.25未満
×:0.25以上
(比較例1)
キャリア2に代える以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を製造し、画出しを行ない評価したところ、初期は良好だったものの、耐久によりハーフトーン均一性、べた均一性が悪化した。評価結果を表1に示す。これは、キャリアの粒径が小さいために、トナーとの混合性が悪化したからと推察される。
(比較例2)
キャリア3に代える以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を製造し、画出しを行ない評価したところ、耐久により、カブリ、ベタ均一性が悪化した。評価結果を表1に示す。これは、キャリアの粒径が大きいために、トナーへの帯電付与能の悪化を生じて、帯電が不均一になったからと推察される。
(比較例A)
キャリア4に代える以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を製造し、画出しを行ない評価したところ、耐久により、カブリ、ハーフトーン均一性が若干悪化したものの、実用上問題の無い結果が得られた。評価結果を表1に示す。これは、キャリア芯材がフェライトであるために、トナーへのストレスが大きくなり、キャリアの帯電付与能が不均一になったからと推察される。
(比較例3)
キャリア5に代える以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を製造し、画出しを行ない評価したところ、耐久により、カブリが悪化し、ハーフトーン均一性も悪化した。評価結果を表1に示す。これは、キャリアの樹脂量が少なく、見掛け密度が大きいために、トナーがキャリアからダメージを受けやすく、トナースペントが多くなり、トナーの帯電が不均一なったためと推測される。
(比較例4)
キャリア6に代える以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を製造し、画出しを行ない評価したところ、耐久により、カブリが悪化し、ベタ均一性も悪化した。評価結果を表1に示す。これは、キャリアの樹脂量が多く、抵抗が高いために、キャリア上に電荷が蓄積され、トナーに均一に帯電付与できなくなったからと推察される。
(比較例B)
キャリア7に代える以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を製造し、画出しを行ない評価したところ、カブリが若干悪化たものの、実用上問題の無い結果が得られた。評価結果を表1に示す。これは、重金属が含有されているので、トナースペントが起こりやすくなり、トナーの帯電が不均一なったためと推測される。
実施例1において、シアントナー2を使用する以外は同様にして行ったところ、表1に示すように若干カブリが悪化したものの実用上問題無い結果が得られた。これは、トナーが非コア/シェル構造になったために、ワックスがキャリア表面に移行したためと推測される。
実施例1において、シアントナー3を使用する以外は同様にして行ったところ、表1に示すようにハーフトーン再現性、Dmaxが若干悪化したものの実用上問題無い結果が得られた。これは、トナー粒径が大きくなったために、現像均一性が若干悪化したためと推測される。
実施例1において、シアントナー4を使用する以外は同様にして行ったところ、表1に示すようかぶり、Dmaxが若干悪化したものの実用上問題無い結果が得られた。これは、トナー粒径が小さくなったために、帯電が若干不均一になったためと推測される。
(実施例7〜9)
イエロートナー6、マゼンタトナー5、シアントナー1、ブラックトナー7を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行ない評価したところ、実施例1同様、良好な結果が得られた。
Figure 0004174394
本発明の画像形成装置の一つの実施の形態である図を示す。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 現像装置
3 現像剤
3a 磁性キャリア
3b トナー
4 現像スリーブ
5 マグネットローラ
6 第1ドクターブレード
7 第2ドクターブレード
8 トナーホッパ
11 現像剤収容部材
20 トナー供給開口部
A 現像剤収容部A

Claims (6)

  1. 内部に磁界発生手段を有する現像スリーブを回転させながら、現像剤収容部内にある、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を、現像剤収容部の現像剤搬送方向下流側にある現像剤規制部材で現像領域に向けての搬送量を規制して搬送するとともに、該現像剤規制部材で阻止された現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬送方向上流側から隣接する位置で該現像スリーブ表面に臨むトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該現像スリーブ上での現像剤搬送に伴う現像剤の移動により、該現像剤収容部の現像剤の容量に応じて該トナー収容部内のトナーを現像剤収容部に取り込む現像装置であり、
    該現像剤収容部のトナー補給用開口の近傍には、現像スリーブに担持される現像剤量を規制する第2の規制部材が現像スリーブに対向して設けられており、該トナー補給用開口の下面は、該現像スリーブ側に向けて下向きに傾斜するように形成されており、該現像剤収容部におけるトナー濃度が高い場合には現像剤がトナー補給用開口部に溢れ、該現像剤収容部におけるトナー濃度が低い場合にはトナー補給用開口からトナーが該現像剤収容部に補給される現像装置に用いる2成分系現像剤において、
    該磁性キャリアは、少なくとも無機化合物粒子とバインダー樹脂とを有する磁性芯材とコート樹脂とを少なくとも含有する磁性微粒子分散型樹脂キャリアであり、該コート樹脂と該バインダー樹脂の合計である樹脂含有量が5から25質量%であり、見掛け密度が1.2から2.3g/cmであり、平均粒径が25から55μmであり、21μm以下が0.01から12体積%であり、72μm以上が1.0体積%以下である2成分系現像剤。
  2. 該磁性芯材は、マグネタイトまたはFe,Li,Be,Mg,Ca、Srおよび、Rbからなる軽金属グループから選択される元素の磁性酸化物を少なくとも1種含有するフェライトまたは少なくとも無機化合物粒子とバインダー樹脂とを有する磁性微粒子分散型樹脂キャリアである、請求項1に記載の2成分系現像剤。
  3. 該磁性微粒子分散型樹脂キャリアのバインダー樹脂が熱硬化性フェノール樹脂を有する磁性微粒子分散型樹脂キャリアである、請求項2に記載の2成分系現像剤。
  4. 該トナーが、重量平均粒径3.0乃至10.0μmであり、固体ワックスを1乃至40質量%含有している請求項1乃至3のいずれかに記載の2成分系現像剤。
  5. 該トナーが重合トナーである請求項1乃至4のいずれかに記載の2成分系現像剤。
  6. 内部に磁界発生手段を有する現像スリーブを回転させながら、現像剤収容部内にある、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を、現像剤収容部の現像剤搬送方向下流側にある現像剤規制部材で現像領域に向けての搬送量を規制して搬送するとともに、該現像剤規制部材で阻止された現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬送方向上流側から隣接する位置で該現像スリーブ表面に臨むトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該現像スリーブ上での現像剤搬送に伴う現像剤の移動により、該現像剤収容部の現像剤の容量に応じて該トナー収容部内のトナーを現像剤収容部に取り込む現像装置であり、
    該現像剤収容部のトナー補給用開口の近傍には、現像スリーブに担持される現像剤量を規制する第2の規制部材が現像スリーブに対向して設けられており、該トナー補給用開口の下面は、該現像スリーブ側に向けて下向きに傾斜するように形成されており、該現像剤収容部におけるトナー濃度が高い場合には現像剤がトナー補給用開口部に溢れ、該現像剤収容部におけるトナー濃度が低い場合にはトナー補給用開口からトナーが該現像剤収容部に補給される現像装置であって、
    該現像剤を構成する磁性キャリアが、少なくとも無機化合物粒子とバインダー樹脂とを有する磁性芯材とコート樹脂とを少なくとも含有する磁性微粒子分散型樹脂キャリアであり、該コート樹脂と該バインダー樹脂の合計である樹脂含有量が5から25質量%であり、見掛け密度が1.2から2.3g/cmであり、平均粒径が25から55μmであり、21μm以下が0.01から12体積%であり、72μm以上が1.0体積%以下である磁性キャリアを用いた現像装置。
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