JP4057747B2 - 回路形成用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式に応用することができるコア/シェル構造の回路形成用トナーの製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いてセラミックシート上に均一な画像パターンを形成し固定(定着)でき、且つ高温焼成後にはシェルとなっている樹脂層が分解して導電性回路が形成できる回路形成トナーの製造方法については種々提案されている。例えば、金属粒子と熱溶融性樹脂を溶融混練した後に粉砕する方法や、特開平4−78191号公報で提案されているように、金属粒子と熱溶融性樹脂の微粒子を静電力により付着させ、機械的衝撃力を加えて前記熱溶融性樹脂の微粒子を変形させ、熱溶融性樹脂の外壁を有する金属粒子を形成する方法が提案されている。
しかし、これらの方法では、金属粒子の周りに均一な樹脂層を形成することが困難であり、各粒子に均一な帯電性を与えることが難しかった。そして、該粒子を用いて電子写真方式にて導電性回路を形成させた場合、帯電性の低い粒子がカブリを起こし、望まれた導電層を得ることができない、トナー消費量が多いなどの問題を有するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子写真方式を採用した画像形成装置に適用してセラミックシート等に回路画像を形成することができ、カブリや飛散が少なく、個々のトナー粒子が均一な帯電性を有するコア/シェル構造を有する回路形成用トナーの製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の課題について本発明者らが鋭意検討した結果、
樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液を調製する工程と、
前記分散液を塩析又はpH調整することにより、樹脂粒子が金属粒子の表面に付着した複合粒子を得る工程と、
前記複合粒子を樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)から±10℃の温度範囲内に加熱処理する工程と、
前記加熱処理した複合粒子を乾燥する工程と、
前記複合粒子の表面を平滑化処理する工程
とを有することを特徴とする回路形成用トナーの製造方法により得られたコア/シェル型のトナーが前記問題について解決することができることを見出し本発明に至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回路形成用トナーの製造方法について詳しく説明する。
本発明の回路形成用トナーの製造方法は、まず樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液を調製する。
樹脂粒子は、回路形成用トナーのうちのシェルを構成するものであって、特に限定されるものではないが、種々の樹脂、例えばスチレン、アクリル、フェノール、ポリエステル、ウレタン、エポキシ等の樹脂及びこれらの誘導体が含まれる。その中でも特にラジカル反応で重合される単量体からなる重合体が好適である。このラジカル反応に使用可能な単量体の具体例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、及びp−n−デシルスチレン等のスチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、及びフッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びベンゾエ酸ビニル等の有機酸ビニルエステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、及びメタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸及びその誘導体、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸及びその誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、及びビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、及びN−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びアクリルアミド等の重合性単量体を挙げることができる。これらの単量体は、目的に応じて単量体単独または混合物として使用することができる。また、必要に応じて、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸等の酸類を共重合することもできる。
【0006】
また、上記単量体には必要に応じて、二塩基酸、無水二塩基酸等の硬化剤、クロム錯塩、アジン化合物、第4級アンモニウム塩、亜鉛塩、トリフェニルメタン系化合物等の帯電制御剤、シラン系、チタネート系、アルミニウム系等のカップリング剤等の各種添加剤を加えることもできる。
【0007】
上記単量体を使用して重合反応を行う際の重合開始剤としては、水溶性重合開始剤が好ましい。このような重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルフェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤等が挙げられる。これらは単独で用いられる他、二種以上の重合開始剤を併用することができる。また、上記重合開始剤の他に2,2’−アゾビスイソブチルバレロニトリル等の油溶性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系油溶性重合開始剤を併用しても良い。
【0008】
上記重合反応には界面活性剤を用いてもよく、該界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪属アミン塩、脂肪属4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、カルボキシメタイン、アミノカルボン酸塩等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0009】
本発明を構成する樹脂粒子は、上記の単量体、重合開始剤、並びに適宜添加剤及び界面活性剤を加えたものを混合して乳化重合反応することにより得ることができる。この乳化重合反応の条件は、使用する単量体や重合開始剤の種類等に応じて、当業者が適宜決定しうるものであり、当該技術分野で知られている方法に準じて行えばよい。この乳化重合反応により、樹脂粒子が分散された分散液を得ることができる。
しかしながら、本発明の樹脂粒子を作製するための重合法は、上記の乳化重合法以外にも、ソープフリー乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、分散重合法等を用いることもでき、これらに限定されるものではない。
【0010】
樹脂粒子は、体積平均粒子径が1μm以下であり、ガラス転移温度(以下、Tgと略す)は50〜85℃、軟化点は200℃以下であることが好適である。
樹脂粒子が1μmより大きいと比表面積の低下により金属粒子を完全に被覆するために添加割合を多くすることが必要となり、その結果、トナーを高温焼成した後に形成される導電層で金属粒子同士の接点が減少するため導電性が低下するため好ましくない。したがって、樹脂粒子の体積平均粒子径としてはより好ましくは0.8μm以下であり、最も好ましくは0.5μm以下である。
なお、本発明における体積平均粒子径はレーザー回析粒度分布測定機(日機装社製:マイクロトラック)により測定することができる。
【0011】
また、樹脂粒子のTgが50℃より低いと乾燥工程後の樹脂粒子が半固体状となり、ハンドリングが難しい。一方、85℃より高くなると金属粒子表面にコーティングするためのエネルギーコストが高くなり好ましくない。軟化点が200℃より高いとセラミックシートへの定着が困難となりやすく好ましくない。そのため、樹脂粒子の軟化点としてはより好ましくは80〜180℃であり、最も好ましくは100〜160℃である。
樹脂粒子の軟化点は単量体の組成や平均分子量および分子量分布により調整することができる。樹脂粒子の数平均分子量は2000以上であることが好ましく、これ以下であると電子写真装置の中で受ける機械的ストレスにより、金属粒子表面から脱離するなどの問題が生じやすい。
【0012】
尚、本発明における軟化点とは、フローテスタ(島津製作所社製 商品名:CFT−500)により、1.000cm2のプランジャー、直径0.99mmで長さ1.00mmのダイを用い、20Kgfの加重をかけ、6.0℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。
また、本発明におけるTgとは、DSC:示差走査熱量計(SEIKO社製 商品名:SSC−5200)により、以下の方法により測定を行い、2nd runの吸熱開始温度とピークの温度との中間温度とする。
すなわち、Tgの測定にあたっては、測定する試料を0℃に4分保持し、0℃〜110℃まで10℃/分の速度で昇温し、4分保持し、それを1st runとした。再び0度まで冷却し、5分保持し、0℃〜110℃まで10℃/分の速度で昇温し、4分保持し、それを2nd runとした。
【0013】
次に、コアとなる金属粒子を液中に分散させる。
複合粒子のコアとなる金属粒子の材質としては、アルミニウム、真鍮、チタン、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、錫、モリブデン、タングステン、鉄等の金属およびその酸化物、合金やステンレスを単独または2種以上を混合して使用することができる。
金属粒子の粒子径としては、体積平均粒子径が1〜100μm程度のものを使用することができるが、均一な導電性を有する導電層を形成するには1〜20μmが好適である。また、金属粒子の形状としては、球状、不定形、楕円形等のどようなものでもかまわない。
【0014】
上記金属粒子を液中に分散させるには、例えば、超音波をかけながら撹拌翼で撹拌する事により分散させることができる。
この時の液中とは、上述の樹脂粒子が分散された分散液中でも良いし、別途水または樹脂粒子が溶解しない溶剤中に分散させてもかまわない。水または溶剤中に金属粒子を分散させた場合は、該金属粒子が分散された液を前記樹脂粒子が分散された液に十分に混合すればよい。
【0015】
このとき、樹脂粒子の重量割合は、金属粒子の粒径分布、樹脂粒子の粒子径分布等によっても比表面積が変化するため、一概には規定できないが、例えば、金属粒子の体積平均粒子径が6μm、樹脂粒子の体積平均粒子径が0.1μmの場合、金属粒子100重量部に対して樹脂粒子が3〜30重量部であることが好適である。更に好ましくは5〜20重量部である。樹脂粒子の添加割合が3重量部より少ない場合では、金属粒子の表面を完全に被覆することができないため複合粒子の帯電性が悪くなり、均一な画像が形成できにくく、またはセラミックシート上に定着しにくいなどの問題が生じやすく好ましくない。また、樹脂粒子が30重量部より多い場合では、セラミックシート上のトナーを高温焼成した後に形成される導電層で金属粒子同士の接点が減少するため導電性が低下するので好ましくない。
【0016】
次に、金属粒子表面に樹脂粒子を付着させて複合粒子を得る工程について説明する。
本発明においては、前記樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液を塩析またはpH調整することにより金属粒子の表面に樹脂粒子を付着させ複合粒子を得る。塩析により複合粒子を得る場合には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩類を上記樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液に加えて、金属粒子表面上に樹脂粒子を付着せしめる。加える塩類の量は、その塩類の種類や、樹脂粒子の種類等に応じて適宜調節すればよい。
一方、pH調整により複合粒子を得る場合には、硫酸等の酸または水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて分散液のpHを制御することにより、金属粒子表面上に樹脂粒子を付着せしめる。すなわち、酸を用いた場合はpHを1〜4に制御し、アルカリを用いた場合はpHを9〜11に制御するのが好適である。なお、酸を用いるかまたはアルカリを用いるかは選択した樹脂粒子の種類などに応じて当業者が適宜決定すればよい。
【0017】
次に前記複合粒子を樹脂粒子のTgから±10℃の温度範囲内、好ましくは±5℃の温度範囲内に加熱処理する。
このような加熱処理を行うことによって後工程である複合粒子の表面を平滑化処理する工程、すなわち樹脂粒子を金属粒子表面にコーティングする工程に際し、金属粒子表面から樹脂粒子が分離しにくくなり、その結果、金属粒子表面に樹脂が均一且つ平滑に形成することができる。
複合粒子を樹脂粒子のTgから±10℃の温度範囲内に加熱処理するためには、複合粒子が分散された分散液の温度を樹脂粒子のTg±10℃の温度に昇温すればよく、その結果樹脂粒子が軟化して金属粒子を被覆する。
この加熱処理の時間は樹脂粒子の種類によってTgが異なるため、一概には決められないが5〜30分程度が好ましい。
加熱処理温度が樹脂粒子のTg±10℃の範囲でない場合では、平滑化処理において金属粒子と樹脂粒子との分離が起こりやすく、遊離した樹脂粒子が感光体や現像機を汚染するなどの問題が生じる。
【0018】
次に加熱処理した複合粒子を乾燥する。
複合粒子を乾燥させる前には、濾過等により複合粒子を分散液中から分離し、脱イオン水またはアルコール等の溶媒で洗浄することが好ましい。そして、複合粒子を常温で自然乾燥させるか、または真空振動乾燥機等で強制乾燥させる。
【0019】
次に、複合粒子の表面を平滑化処理する工程について説明する。
複合粒子の流動性は電子写真方式の現像性に必要不可欠な特性である。該流動性は、主として金属粒子の形状や粒子径に大きく影響されるものであるが、上記工程を経て得られた複合粒子の表面には、1μm以下の樹脂粒子が付着しているため微細な凹凸が存在しているので、この凹凸によっても複合粒子の流動性の低下が生ずる。したがって、樹脂粒子の凹凸に起因する流動性の低下を防止するために、本発明の製造方法では複合粒子の表面を平滑化する工程を要する。
平滑化処理する方法としては、複合粒子に対して熱、衝撃力、摩擦力を付与する手法が挙げられる。
熱を付与し平滑化する方法としては、熱気流中に複合粒子を分散、流動させる熱流動槽や、日本ニューマチック社のサーフュージングシステムなどを用いることができる。
また、衝撃力を付与し平滑化処理する方法としては、回転ローターを有する表面改質機であるナラ・ハイブリダイゼーション・システムなどが使用できる。
さらに、摩擦力を付与し平滑化処理する方法としては、ローター/ステータ間で粒子を圧縮・摩擦する構造の表面改質機であるホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステムなどが使用できる。
これら平滑化処理装置および処理条件は、コアの金属粒子の形状や粒子径により使い分けることが好ましい。
【0020】
更に流動性を向上させるため前記全ての工程を経て得られた複合粒子の表面に平均粒径が1μm以下のシリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機超微粒子やメチルメタクリレート等の樹脂超微粒子等の流動性付与剤を付着させてもよい。
流動性付与剤を複合粒子の表面に付着させるには、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速ミキサーにて両者を乾式混合すればよい。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
<樹脂粒子の製造>
スチレン850g、n−ブチルアクリレート150g及びクロム系電荷制御剤(オリエント化学工業社製 商品名:ボントロンE−81)20gを混合して単量体混合物を得た。
一方、脱イオン水3000g、過硫酸カリウム30g及びドデシル硫酸ナトリウム6gを撹拌、混合して水系媒体を得た。
上記単量体混合物及び水系媒体を混合して高速撹拌機で5000rpmで3分間撹拌して乳化させた後、80℃で10時間加温して重合を行い、体積平均粒子径が0.1μmの乳化重合粒子の乳化液を作製し、室温まで冷却した。この乳化重合粒子のTgは80℃、軟化点は140℃であった。
【0022】
<金属粒子の分散>
メタノール1500g中に体積平均粒子径が6μmの球形ニッケル粒子(INCO社製:商品名ニッケルパウダーCNS−10ミクロン)500gを投入し、超音波をかけた状態で撹拌機で150rpmで30分撹拌し、ニッケル粒子の分散を行った。
【0023】
<回路形成用トナーの製造>
前記分散状態のニッケル粒子100重量部に対して固形分として10重量部の乳化液を添加し、撹拌、混合して樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液を調製した。
更に、塩化ナトリウム10%溶液 400重量部を添加、撹拌して塩析を行い、金属粒子の表面に樹脂粒子を付着させ複合粒子を得た。
その後、上記複合粒子が分散された分散液を有する容器の外側を温浴槽に浸して、分散液を撹拌機で150rpmで30分撹拌しながら70℃の温度で加熱を行った。
加熱終了後、常温で15分冷却を行った後、脱イオン水を用いて洗浄を行い、濾過、乾燥を行い、樹脂粒子固着後の複合粒子を得た。
次に、該複合粒子表面に下記の平滑化処理を行い回路形成用トナーを得た。
すなわち、該複合粒子500gをハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所 商品名:NHS−1)で回転数6400rpmで5分間表面改質を行い、平滑化処理して本発明による回路形成用トナーを得た。
該回路形成用トナーの表面を電子顕微鏡で観察したところ、該回路形成用トナーはコアであるニッケル粒子表面に樹脂粒子が溶融してなる表面が平滑な球状粒子であり、更に、ニッケル粒子から遊離した樹脂粒子が殆どない状態であることが確認された。
【0024】
(実施例2)
塩析後の加熱処理を90℃で30分間実施した以外は実施例1と同様の方法で本発明による回路形成用トナーを得た。
該回路形成用トナーの表面を電子顕微鏡で観察したところ、該回路形成用トナーはコアであるニッケル粒子表面に樹脂粒子が溶融してなる表面が平滑な球状粒子であり、更に、ニッケル粒子から遊離した樹脂粒子が殆どない状態であることが確認された。
【0025】
(実施例3)
塩析後の加熱処理を75℃で30分間実施した以外は実施例1と同様の方法で本発明による回路形成用トナーを得た。
該回路形成用トナーの表面を電子顕微鏡で観察したところ、該回路形成用トナーはコアであるニッケル粒子表面に樹脂粒子が溶融してなる表面が平滑な球状粒子であり、更に、ニッケル粒子から遊離した樹脂粒子が殆どない状態であることが確認された。
【0026】
(実施例4)
塩析後の加熱処理を85℃で30分間実施した以外は実施例1と同様の方法で本発明による回路形成用トナーを得た。
該回路形成用トナーの表面を電子顕微鏡で観察したところ、該回路形成用トナーはコアであるニッケル粒子表面に樹脂粒子が溶融してなる表面が平滑な球状粒子であり、更に、ニッケル粒子から遊離した樹脂粒子が殆どない状態であることが確認された。
【0027】
(実施例5)
樹脂粒子の分散液及び金属粒子の分散液は、実施例1と同様な方法で得た。
次にメタノール中に分散状態にあるニッケル粒子100重量部に対して、上記樹脂粒子の乳化液を固形分として10重量部添加し、撹拌、混合して樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液を調製した。
更に、硝酸50重量部(試薬1級)を添加、撹拌してpHを2に調整し、金属粒子の表面に樹脂粒子を付着させ複合粒子を得た。
その後、上記複合粒子が分散された分散液を有する容器の外側を温浴槽に浸して、分散液を撹拌機で150rpmで30分撹拌しながら70℃の温度で加熱を行った。
加熱終了後、常温で15分冷却を行った後、脱イオン水を用いて洗浄を行い、濾過、乾燥を行い、樹脂粒子固着後の複合粒子を得た。
次に、該複合粒子表面に下記の平滑化処理を行い回路形成用トナーを得た。
すなわち、該複合粒子500gをハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所 商品名:NHS−1)で回転数6400rpmで5分間表面改質を行い、平滑化処理して本発明による回路形成用トナーを得た。
該回路形成用トナーの表面を電子顕微鏡で観察したところ、該回路形成用トナーはコアであるニッケル粒子表面に樹脂粒子が溶融してなる表面が平滑な球状粒子であり、更に、ニッケル粒子から遊離した樹脂粒子が殆どない状態であることが確認された。
【0028】
(比較例1)
塩析後の加熱温度を95℃で行う以外は実施例1と同様の方法で回路形成用トナーを得た。
【0029】
(比較例2)
塩析後の加熱温度を62℃で行う以外は実施例1と同様の方法で回路形成用トナーを得た。
【0030】
(比較例3)
<加熱処理のない回路形成用トナーの製造>
樹脂粒子の製造から塩析による金属粒子の表面に樹脂粒子を付着させる工程までは実施例1と同様の方法で行った。次に塩析後の粒子を温浴槽で加熱を行わずにそのまま濾過、乾燥を行い複合粒子を得た。
尚、塩析前後の液相の温度はおよそ22℃であった。
次に、該複合粒子表面の平滑化処理を実施例1と同様の方法で行い回路形成用トナーを得た。
得られた回路形成用トナーの表面を電子顕微鏡で観察したところ、コアであるニッケル粒子表面に樹脂粒子が溶融してなる球状粒子と、ニッケル粒子から遊離した樹脂粒子が混在していることが確認された。
【0031】
<電子写真方式による初期印字特性>
前記実施例および比較例の回路形成用トナー15gをアクリル樹脂をコートしたフェライトキャリア(平均径60μm)135gと混合し、容量150ccのポリエチレン容器内に投入し、手振りで100回混合することにより現像剤を作製した。
該現像剤を用いて市販の二成分反転現像方式の複写機により、線幅150μm、線間200μmのスリットを5本有する原稿をA4紙上にコピーし、初期画像を印字した時のトナーの摩擦帯電量(東芝ケミカル社製のブローオフ摩擦帯電量測定機使用)、感光体上のカブリの評価及び連続印字を行った場合の感光体のクリーニング不良の有無の評価を行った。
尚、上記市販複写機は樹脂ブレードによる感光体クリーニング方式が採用されているものである。現像条件は感光体表面電位−600V、同残留電位−65V、現像バイアス−460Vに設定した。
感光体上のカブリの評価は、原稿を5枚印字し、その現像途中の複写機の電源を切り、感光体上に現像され、且つ転写前の状態にある感光体面にメンディングテープを貼り付け、非画像部にカブリとなったトナーを採取し、その量をマクベス濃度計により測定し数値化した。この数値が大きいものほど感光体上のカブリが多いものである。
感光体のクリーニング不良の評価は、100枚コピーする過程でトナーのクリーニング不良が発生するか否かを目視にて確認することで評価した。
上記評価結果を表1にまとめた。
【0032】
【表1】
【0033】
表1の評価結果から明らかなように、トナーの摩擦帯電量については実施例1〜5及び比較例1〜3ともに十分な帯電量を維持し、且つ初期画像についても実施例1〜5及び比較例1〜3ともに線幅150μmの細線画像は鮮明に確認できた。しかし、比較例1〜3においては、感光体上のカブリが多いことが確認された。これは、紙に転写しないトナー粒子が多く発生し、導電性回路を形成させた場合に導電層としての十分な絶縁性を得ることができにくく、トナー消費量が多いなどの問題となる。
また、比較例1〜3では通紙の11〜18枚目でトナー成分のクリーニング不良が発生し、現像剤としての耐久性に劣ることが確認された。
比較例1〜3に認められたカブリやクリーニング不良は、トナー中に遊離状態で存在している樹脂粒子によるものと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
本発明にかかる回路形成用トナーの製造方法では、金属粒子の表面に均一な樹脂層を形成することができ、金属粒子の表面から遊離した樹脂粒子が少ないため、個々のトナー粒子が均一な帯電性を有する回路形成用トナーを得ることができる。
そして、該トナーを用いて電子写真方式にて導電性回路を形成させた場合、カブリやトナー飛散が少なく、所望する導電層を得ることができ、トナー消費量が少ない等の作用効果を奏する。
Claims (3)
- 樹脂粒子と金属粒子とが分散した分散液を調製する工程と、
前記分散液を塩析又はpH調整することにより、樹脂粒子が金属粒子の表面に付着した複合粒子を得る工程と、
前記複合粒子を樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)から±10℃の温度範囲内に加熱処理する工程と、
前記加熱処理した複合粒子を乾燥する工程と、
前記複合粒子の表面を平滑化処理する工程
とを有することを特徴とする回路形成用トナーの製造方法。 - 前記樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が、50〜85℃であることを特徴とする請求項1記載の回路形成用トナーの製造方法。
- 前記加熱処理する工程における温度範囲が、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)から±5℃であることを特徴とする請求項1記載の回路形成用トナーの製造方法。
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