JP2002006560A - 電子写真用キャリア及びその製造方法並びに電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真用キャリア及びその製造方法並びに電子写真現像剤

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JP2002006560A JP2000185672A JP2000185672A JP2002006560A JP 2002006560 A JP2002006560 A JP 2002006560A JP 2000185672 A JP2000185672 A JP 2000185672A JP 2000185672 A JP2000185672 A JP 2000185672A JP 2002006560 A JP2002006560 A JP 2002006560A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー粒子に十分な電荷量を付与しつつ、機
械的耐久性を保持し、しかもトナー粒子のキャリア粒子
上への固着を防止することができる電子写真用キャリア
を提供する。 【解決手段】 少なくとも磁性体よりなるコア材料の表
面に2種類以上の樹脂相を含むコート層を設けた電子写
真用キャリアの、前記樹脂相が相互侵入高分子網目構造
を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー粒子と共に
撹拌することによりトナー粒子に電荷を付与する電荷付
与部材である、いわゆるキャリア粒子及びその製造方法
並びに該トナー粒子及びキャリア粒子を少なくとも含有
する二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式による画像形成で
は、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を
形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を
付着させ可視像を形成している。トナーにより形成され
た可視像は、最終的に紙等の転写媒体に転写後、熱、圧
力、溶剤気体等によって転写媒体に定着され、出力画像
となる。
【0003】これらの画像形成方法は、可視像化のため
のトナー粒子を帯電させる方法により、トナー粒子とキ
ャリア粒子の攪拌・混合による摩擦帯電を用いる、いわ
ゆる二成分現像方式と、キャリア粒子を用いずにトナー
粒子への電荷付与を行う、いわゆる一成分現像方式とに
大別される。また、一成分現像方式では、現像ローラー
へのトナー粒子の保持に磁気力を使用するか否かによ
り、磁性一成分現像方式と非磁性一成分現像方式に分類
される。
【0004】これまで、高速性、画像再現性を要求され
る複写機やこれをベースとした複合機等では、トナー粒
子帯電の安定性、立上がり性、画像品質の長期的安定性
等の要求から、二成分現像方式が多く採用され、省スペ
ース性、低コスト化等の要求が大きい、小型のプリンタ
ー、ファクシミリ等には、一成分現像方式が多く採用さ
れてきていた。
【0005】近年、環境に対する影響への配慮から、主
に一成分現像方式で採用されているユニットのリサイク
ル、リユースが実現されつつあるのと同時に、二成分現
像方式においても、更なる現像剤の高寿命化の要求が高
まってきている。一方、消費エネルギー低減の観点か
ら、トナー像を定着する際の温度は更に低くなりつつあ
り、より低エネルギーで定着できる様にするため、トナ
ー粒子はより低い温度で変形・固着し易くなってきてい
る。
【0006】二成分系現像剤の劣化の要因としては、
(1)キャリア粒子表面の摩耗、(2)キャリア表面コ
ート層の剥離、(3)キャリア粒子の破砕、(4)トナ
ー粒子成分のキャリア粒子上への固着に伴う帯電性能の
低下、所望の電気抵抗からの変移や、破片・摩耗粉とい
った異物の発生が挙げられ、これらの要因が元となり、
画像濃度の低下、地肌カブリの発生、解像力の低下等と
いった画像品質の劣化や、像担持体の物理的又は電気的
傷の発生、帯電部材汚染等の画像形成系の劣化を引き起
こす。
【0007】上述の様な課題を解消するために、これま
でにもある程度の効果を持った、多くの提案がなされて
きている。このうちキャリア粒子、中でも磁性粒子表面
にコート層を設けた、いわゆるコートキャリア粒子のコ
ート層に着目した提案としては、特開平8−6308号
公報では、特定のビスマレイミドを含有するポリイミド
ワニスを硬化させた被覆層を形成し、環境安定性の向
上、地肌カブリの抑制、被覆層剥離の防止を図る、特開
平9−269614号公報では、マトリックス樹脂中に
樹脂粒子及び導電性微粉末とを分散含有した樹脂被覆層
を設け、トナーによるスペントを長期に防止する、特開
平9−311504号公報では、酸化鉄粒子粉末と硬化
したフェノール樹脂とからなる球状複合体芯粒子の表面
に硬化したアミノ基を含むフェノール樹脂からなる被覆
層を有すると共に酸化鉄粒子含有率及びアミノ基含有率
を規定することにより、安定した摩擦帯電と耐久性を得
る、特開平9−311505号公報では、酸化鉄粒子粉
末と硬化したフェノール樹脂とからなる球状複合体芯粒
子の表面にメラミン樹脂、アニリン樹脂及び尿素樹脂か
ら選ばれる1種又は2種以上とフェノール樹脂の硬化し
た被覆層からなり、安定した摩擦帯電と耐久性を得る、
特開平10−198078号公報では、キャリア粒子被
覆層のマトリックス樹脂に樹脂微粒子及び導電性微粒子
を分散し、かつ、マトリックス樹脂がトナーの結着樹脂
を構成する樹脂成分と同じものを10%以上含有するこ
とにより、帯電性能に対するトナースペントの影響を受
け難くする、特開平10−239913号公報では、ジ
オルガノシロキシ基を含有する繰り返し基を有するポリ
イミド樹脂と、1分子中にエポキシ基を2個以上含有す
る化合物よりなるコート層を形成し、安定した帯電量の
キャリア粒子を得る、等が挙げられる。
【0008】しかしながら、上述の様な提案では、定着
温度が更に低くなりながら、これまで以上にキャリア粒
子の高寿命化が期待されている中で、未だ十分な効果が
得られないことがあった。例えば、特開平8−630
8、特開平9−269614、特開平9−31150
4、特開平10−239913号公報等では、マトリッ
クス樹脂が単独でキャリア粒子表面の大部分を占めるた
め、トナー粒子成分の固着防止性の良否は、主としてマ
トリックス樹脂の表面状態によることとなり、スペント
防止の機能が十分に発現するとは限らない。また、定着
温度を低くし得るようなトナー粒子を用いると、特開平
10−198078号公報のような方法では、キャリア
表面のトナーの結着樹脂成分と同じ成分の部分がトナー
粒子成分の固着の基点となり易く、撹拌の初期から、ト
ナー帯電量が低い不安定な状態となる場合がある。
【0009】一方、特開平9−311505号公報で
は、記載されている表面コート層樹脂の組み合わせ方及
びその複合の状態を適正にすることにより、ある程度の
トナー粒子への電荷付与能力と摩擦に対するキャリア粒
子耐久性の両立を期待できるが、該提案におけるキャリ
ア粒子表面は均一な硬化樹脂組成となるため、しなやか
さに欠け、撹拌機構による強制的な現像剤の圧縮や、キ
ャリア粒子同士の衝突といった衝撃に対する抗力が十分
に発現されるとは限らない。また、この他にも、シリコ
ーン樹脂によりコート層を形成した提案も、これまで数
多くなされているが、これらも未だ十分な耐久性を得る
には至っていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様に、二成分現像
剤において、トナー粒子とキャリア粒子を撹拌して、剥
離帯電又は摩擦帯電させ、トナー粒子に十分な電荷量を
付与しつつ、機械的耐久性を保持し、更にトナー粒子成
分の固着を長期にわたって防止するという高機能な電子
写真用キャリア粒子を得るためには、これまでのキャリ
ア粒子表面コート層の構成では、未だ不十分であり、安
定したトナー電荷量の付与とキャリア粒子の更なる長寿
命化を両立させることは非常に困難な課題として残され
ていた。
【0011】本発明は、上記の様な現状の問題点に鑑
み、トナー粒子成分の固着を引き起こすことなく、ま
た、コート層の摩耗が極めて少なく、キャリア粒子の高
寿命化を計るために、特に必要なキャリア粒子表面層の
形態を明らかにし、極めて長期にわたりキャリア粒子の
特性が保持された、非常に高機能なキャリア粒子、これ
を用いた二成分現像剤を提供することを目的とする。更
には、該キャリア粒子表面層の形態を得るために有用な
コート層の組成及びコート層の形成方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】トナー粒子へ十分な電荷
を付与しつつ、トナー粒子成分のキャリア粒子上への固
着をなくし、キャリア粒子の摩耗を防止するには、トナ
ー粒子とキャリア粒子が接触や摩擦をする際の、個々の
微小な接触部分における、組成・付着性・摩擦性・粘弾
性等からなる表面物性が適正な範囲を取り、各表面物性
を持つ領域が適切に複合されている様に制御することが
重要となる。
【0013】本発明者らは鋭意研究の結果、キャリアコ
ート層の持つ複合構造が、トナー粒子とキャリア粒子の
撹拌・摩擦時に発生する局所的な衝撃力・摩擦力や、キ
ャリア粒子同士の衝突・摩擦による衝撃に対する耐久性
に寄与し、トナー粒子成分のキャリア粒子への固着発生
や、キャリアコート層の摩耗・剥離の増減として現れ、
現像剤寿命(耐久性)を大幅に変動させることを確認し
た。従って、キャリア粒子コート層の複合構造を特定す
ることによって、トナー粒子とキャリア粒子の接触・剥
離・摩擦といった、現像剤撹拌時に発生する状態を高度
に制御でき、前述の様々な課題を解決し得ることを見出
し、この時に必要なキャリア粒子コート層の構造を特定
するに至り、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明の構成は、特許請求の範
囲記載の通りであり、第1の構成としては、少なくとも
磁性体よりなるコア材表面に、2種類以上の樹脂相を含
むコート層を設けた電子写真用キャリアにおいて、該樹
脂相が相互侵入高分子網目構造を形成していることを特
徴とする電子写真用キャリアである。上記のごとくキャ
リア粒子コート層の樹脂相が相互侵入高分子網目構造を
形成していることにより、キャリア粒子とトナー粒子の
摩擦又は剥離帯電によるトナー粒子電荷量の付与と、キ
ャリア粒子へのトナー粒子成分の固着及びキャリア粒子
表面のコート層摩耗の抑制を独立して制御し、高度に両
立させることができる。
【0015】トナー粒子とキャリア粒子を混合・撹拌す
ることにより、摩擦又は剥離帯電を行うには、トナー粒
子表面又は表面近傍のトナー極性に見合った電荷を受容
し得る部位と、キャリア粒子表面又は表面近傍のトナー
極性に見合った電荷を供与し得る部位との間で、接触・
摩擦・剥離等の力学的作用が必要となる。この様な方式
で、大きな電荷の授受を速やかに行う場合、トナー粒子
とキャリア粒子の摩擦・接離時等に生じる応力(以下、
相互作用力)を大きくするという方法があるが、キャリ
ア粒子表面全面で均等に相互作用力が大きい形態の場合
には、トナー粒子とキャリア粒子が離れ易い部分が無い
ため、摩擦・剥離に必要以上の力がかかり、トナー粒子
成分の固着やキャリア表面コート層の摩耗・剥離を引き
起こす。逆に、均等に相互作用力が小さな形態では、ト
ナー粒子成分の固着やキャリア表面コート層の摩耗・剥
離は生じ難いものの、トナー粒子が安定した電荷を持つ
までに長時間を要することとなる。
【0016】本発明におけるキャリア粒子コート層の樹
脂相は相互侵入高分子網目構造を形成し、従ってトナー
粒子とキャリア粒子の相互作用力の異なる樹脂相を任意
に選択できるため、相互作用力の大きな樹脂相で発生す
る大きな保持力の作用による、迅速かつ十分な摩擦又は
剥離帯電と、相互作用力の小さな樹脂相での比較的小さ
な保持力による、トナー粒子のキャリア粒子表面特定箇
所への滞留防止による固着抑制を両立させることができ
る。
【0017】ここで、相互侵入高分子網目構造について
説明を加える。相互侵入高分子網目構造は、高分子網目
の人為的な重なり合いを利用し、各々の樹脂相成分ポリ
マーが形成する三次元網目が、互いに絡み合った構造を
している。この時、樹脂相間では架橋構造や共有結合等
の化学結合を形成せず、従って、各樹脂相が単独で持つ
特性を、ほぼそのまま発現させることができる。更に、
各樹脂相を形成する高分子は大局的な網目構造を形成し
ているため、各々の樹脂相の持つ特質を維持しつつ、特
定の樹脂相が単独で脱離、遊離や剥離することなく、網
目構造が保持されるものである。
【0018】更に、該構造を形成する樹脂相として、電
荷付与部分を含む樹脂相と、摩耗量を制御する樹脂相を
併用することにより、キャリア表面をリフレッシュしつ
つ、任意の帯電量を安定して付与し続けることもでき
る。
【0019】また、上述の様に、該構造では樹脂相間に
化学結合を形成しないため、各樹脂相成分の高分子ポリ
マー間では、外力の印加に対して大きな歪みをとること
ができる。従って、全ての樹脂相に塑性変形し難い、硬
化性樹脂を用いた場合でも、衝突等の衝撃力を樹脂相間
の歪みによって一時的に吸収し、各樹脂相内での分子切
断を抑制させられるため、実質的に単一の樹脂相や単な
るポリマーブレンドによるコート層の場合と比較して、
機械的耐久性を大幅に向上させることができる。
【0020】本発明の第2の構成としては、上記第1の
構成において、相互侵入高分子網目構造を形成する樹脂
成分の内、最も少ない樹脂成分の含有率が、相互侵入高
分子網目構造を形成する樹脂成分全体の15重量%以上
であることを特徴とする電子写真用キャリアである。上
記のごとく規定することにより均質な相互侵入高分子網
目構造を形成することができ、本発明によって得られる
効果を安定して得ることができる。
【0021】本発明の第3の構成としては、上記第1又
は第2の構成において、樹脂成分としてシリコーン樹脂
を含むことを特徴とする電子写真用キャリアである。該
相互侵入高分子網目構造を形成する樹脂組成としては、
シリコーン樹脂又はその変成品がより好ましく、これら
によれば十分な電荷付与及びトナー成分の固着防止を発
現することができる。
【0022】本発明の第4の構成としては、上記第1、
第2又は第3の構成において、樹脂成分として少なくと
も2個以上のアルケニル基を持つアルケニル置換ナジイ
ミドを熱重合した樹脂を含むことを特徴とする電子写真
用キャリアである。更に樹脂成分としてイミド系樹脂が
好ましく、中でもナジック酸型イミド系樹脂、特に2個
以上のアルケニル基を持つアルケニル置換ナジイミド樹
脂が好ましく、この様な樹脂組成を使用することによ
り、耐摩耗性や耐衝撃性に優れた相互侵入高分子網目構
造を容易に形成することができる。
【0023】本発明の第5の構成としては、少なくとも
磁性体よりなるコア材表面に、共重合しない2種類以上
の熱反応性組成物を含むコート層形成液を塗布し、各熱
反応性組成物を反応させることにより、2種類以上の樹
脂相よりなる相互侵入高分子網目構造を持つコート層を
形成することを特徴とする電子写真用キャリアの製造方
法である。コート層の形成方法としては、コア材粒子の
表面に上記コート層形成液を噴霧法又は浸漬法等の手段
で塗布し、次にコート層を形成したキャリア粒子を加熱
しコート層の重合反応を促進させることにより相互侵入
高分子網目構造を制御性良く形成することができる。
【0024】本発明の第6の構成としては、電子写真用
キャリア粒子と、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含む
トナー粒子を混合してなる電子写真用現像剤において、
該キャリア粒子が、上記第1〜第4に記載したいずれか
の電子写真用キャリアであることを特徴とする電子写真
用現像剤である。上記本発明のキャリアを用いトナー粒
子と混合して得られる現像剤によれば、キャリア粒子表
面のコート層の摩耗やキャリア粒子表面へのトナー粒子
の固着が少なく、それらに伴う画像濃度の低下や地肌か
ぶり等の劣化のない安定した画像を長期間にわたり得る
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず、相互侵入高分子網目構造を形成するには、
各樹脂相が網目構造を形成するに十分な量である必要が
あり、上記第2の構成における規定量を下回るような場
合には、樹脂相の網目構造が局所的に形成されたり、十
分に均質な高分子網目構造にならないことがある。この
様な場合には、本発明の効果の発現が不均一になること
があり、本発明の効果を安定させるには、上記規定量は
15重量%以上であることが好ましく、上記規定量が3
0重量%以上であることがより好ましい。
【0026】また、各樹脂相に使用する組成成分は、本
発明の要件を満たす限りにおいて、任意に使用すること
ができるが、安定した相互侵入高分子網目構造を形成す
るには、その一組成として縮合反応型の熱硬化樹脂及び
/又は熱ラジカル反応型の熱硬化樹脂を使用することが
好ましい。
【0027】これらの樹脂の具体的な例としては、アル
キレン、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、
ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビ
ニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重
合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂
又はその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);
ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボ
ネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン
樹脂;エポキシ樹脂;ポリイミド樹脂や、これらの誘導
体等が挙げられる。
【0028】中でも本発明の構成要件を満たすために好
ましいコート層材料としては、縮合反応型の樹脂では、
シリコーン樹脂又はその変成品、ペルヒドロポリシラザ
ン又はその変成品が好ましく、特に、十分な電荷付与及
びトナー成分の固着防止を発現させるための樹脂組成と
しては、シリコーン樹脂又はその変成品がより好まし
い。
【0029】シリコーン樹脂は、従来から知られている
いずれかのシリコーン樹脂のうち、三次元網目構造を取
り得る熱硬化型シリコーン樹脂を使用でき、例えば、下
記化学式(I)で示されるオルガノシロキサン結合のみ
からなるストレートシリコーン及びアルキド、ポリエス
テル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹
脂が挙げられる。
【化1】 (上記式中R1は水素原子、炭素原子1〜4のアルキル
基又はフェニル基、R2及びR3は水素原子、炭素原子数
1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭
素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数2〜4のア
ルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エ
チレンオキシド基、グリシジル基又は下記化学式(II)
で示される基である。)
【化2】 (上式中R4、R5はヒドロキシ基、カルボキシル基、炭
素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアル
コキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子
数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキ
シ基、k、l、m、n、o、pは1以上の整数を示
す。) 上記各置換基は未置換のもののほか、例えばヒドロキシ
基、カルボキシル基、アルキル基、フェニル基、ハロゲ
ン原子のような置換基を有してもよい。
【0030】一方、本発明に好適な、熱ラジカル反応型
樹脂としては、その強度及び電気的な安定性の面から、
イミド系樹脂が好ましく、中でもナジック酸型イミド系
樹脂、特に2個以上のアルケニル基を持つアルケニル置
換ナジイミド樹脂が好ましい。この様な、樹脂組成を使
用することにより、耐摩耗性や耐衝撃性に優れた、本発
明規定の相互侵入高分子網目構造を容易に形成すること
ができる。これらのアルケニル置換ナジイミドポリマー
となる単量体の具体的構造としては、下記化学式(II
I)の構造が挙げられるが、これに限られるものではな
い。また、これらのイミド系組成物と他のラジカル反応
性単量体を共重合体として用いても良い。
【化3】 (式中、R6及びR7はそれぞれ独立の水素又はメチル基
を表し、Eは炭素数6以上の2価の炭化水素基を表す)
【0031】本発明においては、第1の構成の範囲を取
る限り、他の材料を限定するものではなく、従来公知の
ものが使用でき、例えば、キャリア粒子のコア材に使用
できる無機/金属の磁性粒子の例としては、鉄、コバル
ト、ニッケル等の金属;マグネタイト、ヘマタイト、フ
ェライトなどの合金や化合物等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。これら磁性粒子は、単結晶
/アモルファスの粒子、単独/複合の焼結体、単独/複
合の粒子を樹脂等の高分子中に分散させた粒子等の、い
ずれのコア材形態で使用しても良い。また、磁性粒子を
高分子中に分散させた粒子で、キャリア粒子の磁気特性
と磁性粒子の分散性を両立させるには、これらの磁性粒
子は0.5〜10μm程度の大きさの粒子を含むことが
好ましい。磁性粉末を分散した樹脂粒子を用いる場合
の、キャリア粒子のコア材粒子を形成する樹脂として
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレ
フィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメ
チルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビ
ニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブ
チラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、
ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル
及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン等のフッ素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポ
リウレタン;ポリカーボネート等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0032】また、キャリアコア材粒子及び/又はコー
ト層の電気抵抗を低抵抗材料粒子の分散により制御する
場合に用いられる材料も、従来公知の物で良く、その例
としては、鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタ
イト等の酸化鉄;カーボンブラック等の顔料が挙げられ
る。この中でも特にカーボンブラックの一つであるファ
ーネスブラックとアセチレンブラックの混合物を用いる
ことにより、少量の低抵抗微粉末の添加で効果的に導電
性の調整が可能であり、好ましく用いられる。これらの
低抵抗微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが
好ましく、コア材粒子又はコート層樹脂100重量部に
対して2〜30重量部添加されることが好ましく、さら
には5〜20重量部が好ましい。
【0033】磁性体分散タイプのコア材粒子には、これ
らの密着性を向上させたり抵抗制御材の分散性を向上さ
せる目的でシランカップリング剤、チタンカップリング
剤等のカップリング剤を助剤として添加しても良い。本
発明で用いられるシランカップリング剤の例としては、
下記一般式で示される化合物が挙げられる。
【化4】 (但し、Xはケイ素原子に結合している加水分解基でク
ロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ
基、プロペノキシ基などがある。Yは有機マトリックス
と反応する有機官能基でビニル基、メタクリル基、エポ
キシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基など
がある。Rは炭素数1〜20のアルキル基又はアルキレ
ン基である。)
【0034】コート層の形成法としては、従来公知の方
法が使用でき、コア材粒子の表面にコート層形成液を噴
霧法、浸漬法等の手段で塗布すればよい。また、コート
層の厚さは0.01〜20μmが好ましく、0.3〜1
0μm程度であれば更に好ましい。更に、この様にして
コート層を形成したキャリア粒子を加熱することにより
コート層の重合反応を促進させることが好ましい。特
に、相互侵入高分子網目構造を制御性良く形成するため
には、各樹脂相の反応温度に見合った温度にてコート層
形成キャリア粒子を加熱保持し、三次元網目構造形成反
応の度合を制御しつつ各樹脂相の重合を行えばよい。
【0035】これらのキャリア粒子の加熱保持は、コー
ト層形成後これに引き続きコート装置内で行っても良
く、また、コート層形成後、通常の電気炉や焼成キルン
等、別の加熱手段により行っても良い。また、加熱保持
温度は、使用する樹脂相用材料により異なるため、一概
に決められるものではないが、前述のシリコーン樹脂や
アルケニル置換ナジイミド樹脂等では、150〜400
℃程度の温度が好ましく用いられる。一方、相互侵入網
目構造を形成させるには、各樹脂相を形成する組成成分
の相溶性が良い方が好ましいが、同一の溶媒中に溶解し
た際に、目視にて無色又は有色の透明で有れば、実質的
に好ましく使用できる。
【0036】本発明に使用するトナー粒子は、通常、電
子写真用トナーとして使用されるものを、特に制限無
く、使用することができる。以下材料について例示す
る。トナー粒子に使用される結着剤樹脂の例としては、
ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルト
ルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレ
ン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレ
ン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチ
レン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル
酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合
体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/
アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合
体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン
/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/
アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケ
トン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレ
ン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポ
リアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体や
その共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポ
リビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン
系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、
ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重
合体、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹
脂などが挙げられ、単独であるいは混合して使用できる
が特にこれらに限定するものではない。中でも、スチレ
ン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
オール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であるこ
とが、電気特性、コスト面等から、より好ましいもので
ある。更には、良好な定着特性を有するものとして、ポ
リエステル系樹脂及び/又はポリオール系樹脂の使用
が、一層好ましい。
【0037】また、トナー粒子に使用される着色剤とし
ては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔
料及び染料が使用でき、具体的には、カーボンブラッ
ク、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、ア
ニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、
カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレ
ッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独で
あるいは混合して用いることができる。
【0038】また、必要により、トナー粒子自身に磁気
特性を持たせるには、フェライト、マグネタイト、マグ
ヘマタイト等の酸化鉄類、鉄、コバルト、ニッケル等の
金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分
を単独で又は混合して、トナー粒子へ含有させればよ
い。また、これらの成分は、着色剤成分として使用/併
用することもできる。
【0039】更に、トナー定着時にオイル等の離型剤を
用いない、いわゆるオイルレス定着方式を使用するに
は、トナー粒子中に、ポリエチレンワックス、プロピレ
ンワックス、カルナウバワックス等のワックス類を含有
させることにより実現できる。これらの使用量として
は、用いる材料の種類や定着の方法にもよるが、およそ
0.5〜10.0重量%程度の使用が好ましく、3.0
〜8.0重量%程度の使用が更に好ましい。
【0040】この他、帯電の立ち上がりをより良くする
ための電荷制御剤としては、一般に知られているものが
使用でき、例えば、アミノ基含有ビニル系コポリマー、
四級アンモニウム塩化合物、ニグロシン染料、ポリアミ
ン樹脂、イミダゾール化合物、アジン系染料、トリフェ
ニルメタン系染料、グアニジン化合物、レーキ顔料等の
正帯電性電荷制御剤や、カルボン酸誘導体及びこの金属
塩、アルコキシレート、有機金属錯体、キレート化合物
等の負帯電性電荷制御剤を、単独で又は混合して、トナ
ー粒子中への混練物及び/又は添加物とすることができ
る。これら電荷制御剤を分散状態で用いる場合、キャリ
ア粒子表面との相互作用が略均等に生じるためには、そ
の分散径は、2.0μm以下であることが好ましく、
1.0μm以下であることが更に好ましいものである。
【0041】トナー流動性や環境依存性改良のための添
加剤としても、一般に公知のものが使用でき、例えば、
酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸
化珪素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、
チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジル
コン酸カルシウム、チタン酸ランタン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、マイカ、ドロマイト等の無機粉
末や、これらの疎水化物が単独又は混合して使用でき
る。この他の添加剤として、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン
共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂微粒子
をトナー表面改質剤として使用しても良い。これらは、
添加する材料の種類にもよるが、トナー母体粒子100
重量部に対して、およそ0.1〜10重量部程度を外添
し、必要であれば適当な混合機により混合してトナー粒
子表面に付着、凝着、或いはトナー粒子間隙で遊離した
状態になるよう調整し、用いることができる。
【0042】本発明の現像剤中のトナー粒子製造方法と
しては、上述のような原材料を、二本ロール、二軸押出
し混練機、一軸押出し混練機等の公知の方法で混練し、
これを機械式や気流式等の公知の粉砕、分級を行いトナ
ー母体粒子を作製することできる。また混練時に、着色
剤や磁性体の分散状態を制御するための分散剤等を併用
しても良い。更に、このトナー母体粒子は、前述の添加
剤を添加し、混合機等により混合・表面改質を行っても
良い。また、これらのトナー粒子の帯電電荷量は、実使
用プロセスにより異なるため一概に決定できるものでは
ないが、おおよそ、本発明の構成によるキャリア粒子と
の組み合わせにおいて、絶対値で3〜40μC/g程度
の飽和電荷量であることが好ましく、更には5〜30μ
C/g程度の飽和電荷量であることが、より好ましい。
また、トナー粒子の粒径としては、重量平均径D4=4
〜10μm程度であることが好ましく、トナー粒子の個
数基準10%径は、2.5μm以上であることが、より
安定した画質を得るためには好ましい。
【0043】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量
部を表わす。
【0044】 実施例1 (キャリア粒子製造例1) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 250部 ビスアリルナジイミド(式(III)において、R6、R7が 共に水素原子、Eがジメチレンフェニル基) 25部 カーボンブラック 5部 トルエン 20部 上記処方をホモミキサーで30分間分散してコート層形
成用の塗工液を調製した。これを重量平均粒径50μm
の球形フェライト粒子5000部の表面へ流動床型スプ
レーコート装置によりコートした後、300℃/1時間
加熱して各樹脂相組成を反応させ、表面にコート層を持
つ、キャリア粒子1を得た。 (トナー粒子製造例) ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのエチレンオキサイド 付加アルコール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド 付加アルコール、テレフタル酸,トリメリット酸の縮合重合物、 Mw=12000、ガラス転移点=61℃) 79部 カーボンブラック(三菱カーボン社製 #44) 15部 電荷制御剤(クロム含金属染料、 保土谷化学工業社製、AIZON SPILON BLACK TRH ) 1部 カルナウバワックス(野田ワックス社製) 5部 上記組成の混合物を、二本ロール混練機にて30分間混
練後、機械式粉砕機・気流式分級機により粉砕・分級条
件を調整し、トナー母体粒子を得た。更に、各トナー母
体粒子100部に対して、1部の割合で表面をジメチル
シラン処理した疎水性シリカ微粒子を加えて、ヘンシェ
ルミキサーにより、トータル2分間混合しトナー粒子を
得た。トナー粒子の粒度分布をコールターカウンターT
A2にて測定したところ、重量平均径D4=6.3μ
m、累積個数分布から算出した個数基準10%径=2.
7μmであった。
【0045】キャリア粒子の電荷付与特性を評価するた
めに、該キャリア粒子及びトナー粒子を用いて、撹拌に
よるトナー粒子帯電量の立ち上がり試験を行った。キャ
リア粒子とトナー粒子の混合比は、重量基準で95:5
とし、撹拌時間は10秒、60秒、600秒とした。ト
ナー帯電量の測定は、エレクトロメーター(ケスレー社
製610C)を用い、気流によりトナー粒子とキャリア
粒子を分離しつつ帯電電荷量を測定する、いわゆるブロ
ーオフ法によって行った。
【0046】更に、このキャリア粒子及びトナー粒子を
用いて、上述の混合比の電子写真用現像剤を調製し、リ
コー製複写機imagio MF−6550の改造機を
用い、A4版,画像面積率6%原稿30万枚の連続画像
出図試験を行い、初期及び連続出図後の文字画像及びベ
タ画像を出力し画質評価を行った。画質評価としては、
文字部分での地肌カブリ,ベタ画像での画像濃度の安定
性及び各画像でのその他不具合の有無を評価した。画像
濃度については、マクベス濃度計(RD−914)を用
いて計測し、その他の項目については、目視により評価
した。画像出力時の像担持体上静電荷像は、地肌部=−
700V,画像部=−200Vとした。また、現像スリ
ーブには、直流の現像バイアス電位を印加した。
【0047】30万枚の連続画像出図試験終了後の各現
像剤を採取し、エアーブローにより表面に付着している
トナー粒子を除去後、残ったキャリア粒子の一定量をト
ルエン中に分散して、上澄みを採取し、溶出したトナー
粒子成分固着物の量を評価した。固着物量の評価には、
対比として未使用のキャリア粒子を用い、同様の方法に
より採取した上澄み液における、白色可視光透過率と、
試験サンプルの白色可視光透過率の差を表面固着成分量
の差と捉え、各サンプルを相対評価した。透過率の測定
には、分光光度計TC−1800(東京電色社製)を用
い、C50光源を用いて行った。同様に30万枚連続画
像出図試験終了後の各現像剤より得たキャリア粒子表面
コート層の削れ度合をSEMにより目視観察した。削れ
の程度は初期のキャリア表面SEM画像との比較によ
り、その程度を判定した。初期及び30万枚後の、各評
価結果について、表1−1及び1−2に示す。
【0048】 実施例2 (キャリア粒子製造例2) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 350部 ビスアリルナジイミド(化学式(III)において、 R6、R7が共に水素原子、Eがジメチレンフェニル基) 15部 カーボンブラック 5部 トルエン 130部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は
キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子2を得
た。キャリア粒子2を用いた以外は、実施例1と同様に
して、各評価を行った。評価結果を表1−1及び表1−
2に示す。
【0049】 実施例3 (キャリア粒子製造例3) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 450部 ビスアリルナジイミド(化学式(III)において、 R6、R7が共に水素原子、Eがジメチレンフェニル基) 5部 カーボンブラック 5部 トルエン 40部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は
キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子3を得
た。キャリア粒子3を用いた以外は、実施例1と同様に
して、各評価を行った。評価結果を表1−1及び表1−
2に示す。
【0050】 実施例4 (キャリア粒子製造例4) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 50部 ビスアリルナジイミド(化学式(III)において、 R6、R7が共に水素原子、Eがジメチレンフェニル基) 45部 カーボンブラック 5部 トルエン 400部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は
キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子4を得
た。キャリア粒子4を用いた以外は、実施例1と同様に
して、各評価を行った。評価結果を表1−1及び表1−
2に示す。
【0051】 実施例5 (キャリア粒子製造例5) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 250部 アリルアクリレート/メチルアクリレート三次元 共重合物溶液(共重合比=1/9、固形分=20%) 125部 カーボンブラック 5部 トルエン 120部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用い、加熱条
件として200℃/3時間とした以外はキャリア粒子製
造例1と同様にしてキャリア粒子5を得た。キャリア粒
子5を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を
行った。評価結果を表1−1及び表1−2に示す。
【0052】 実施例6 (キャリア粒子製造例6) ビスフェノールA型樹脂ポリエステル樹脂のエポキシ付加物 48部 フェニレンジアミン 2部 アリルアクリレート/メチルアクリレート三次元 共重合物溶液(共重合比=1/9、固形分=20%) 125部 カーボンブラック 5部 トルエン 320部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用い、加熱条
件として150℃/4時間とした以外はキャリア粒子製
造例1と同様にしてキャリア粒子6を得た。キャリア粒
子6を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を
行った。評価結果を表1−1及び表1−2に示す。
【0053】 比較例1 (キャリア粒子製造例7:比較用) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 500部 カーボンブラック 5部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は
キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子7を得
た。キャリア粒子7を用いた以外は、実施例1と同様に
して、各評価を行った。評価結果を表1−1及び表1−
2に示す。
【0054】 比較例2 (キャリア粒子製造例8:比較用) ビスアリルナジイミド(化学式(III)において、 R6、R7が共に水素原子、Eがジメチレンフェニル基) 25部 カーボンブラック 5部 トルエン 470部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は
キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子8を得
た。キャリア粒子8を用いた以外は、実施例1と同様に
して、各評価を行った。評価結果を表1−1及び表1−
2に示す。
【0055】 比較例3 (キャリア粒子製造例9:比較用) アクリル変性シリコーン樹脂(固形分=20%) 250部 カーボンブラック 5部 トルエン 245部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用い、加熱条
件として200℃/1時間とした以外はキャリア粒子製
造例1と同様にしてキャリア粒子9を得た。キャリア粒
子9を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を
行った。評価結果を表1−1及び表1−2に示す。
【0056】 比較例4 (キャリア粒子製造例10:比較用) シリコーン樹脂溶液(固形分=10%相当) 350部 ポリイミド樹脂粒子 15部 カーボンブラック 5部 トルエン 130部 コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は
キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子10を
得た。キャリア粒子10を用いた以外は、実施例1と同
様にして、各評価を行った。評価結果を表1−1及び表
1−2に示す。
【0057】また、各キャリア粒子コート層及びこの樹
脂相に使用した樹脂組成物について赤外分光分析(I
R)を行い、各樹脂相間に新たな化学結合が形成されて
いるかどうかを確認し、更に、各キャリア粒子コート層
のTEMによる構造観察を行い、相互侵入高分子網目構
造形成の有無を確認した。表1−1に相互侵入高分子網
目構造形成の有無について併記して示す。更に、この内
アクリル系樹脂相又はビスアリルナジイミド系樹脂相を
持つキャリアコート層の各樹脂相内での架橋構造形成の
有無を確認するため、トルエン溶媒中にコートキャリア
粒子を浸漬し、溶出分の有無を確認したところ、明確な
溶出分は認められなかった。最後に、実施例1の現像剤
について、引き続き、100万枚連続画像出図試験を行
ったところ、初期画像と比較して全く遜色のない高精細
・高解像度の画像が得られた。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、コア
材表面に、2種類以上の樹脂相を含むコート層を設けた
電子写真用キャリアの、該樹脂相が相互侵入高分子網目
構造を形成しているものであり、この電子写真用キャリ
アによれば、トナー粒子成分のキャリア粒子表面への固
着を長期にわたって引き起こさず、しかもコート層の摩
耗が極めて少ない、キャリア粒子を得ることができる。
【0061】請求項2の発明は、上記構成において、相
互侵入高分子網目構造を形成する樹脂成分の内、最も少
ない樹脂成分の含有率が、相互侵入高分子網目構造を形
成する樹脂成分全体の15重量%以上とするものであ
り、このように規定することによって均質な相互侵入高
分子網目構造を形成することができ、本発明の効果を安
定して得ることができる。
【0062】請求項3の発明は、上記構成における樹脂
成分としてシリコーン樹脂を含有させるもので、上記高
分子網目構造を形成する樹脂成分としてシリコーン樹脂
が好ましく、トナー粒子に対する十分な電荷付与とトナ
ー成分のキャリア粒子表面への固着防止を十分に発現す
ることができる。
【0063】請求項4の発明は、上記構成における樹脂
成分として、2個以上のアルケニル基を持つアルケニル
置換ナジイミド樹脂を含有させるものである。ナジック
酸型イミド系樹脂、特に2個以上のアルケニル基を持つ
アルケニル置換ナジイミド樹脂が好ましく、この様な樹
脂成分を使用することにより、耐摩耗性や耐衝撃性に優
れた相互侵入高分子網目構造を容易に形成することがで
きる。
【0064】請求項5の発明は、上記キャリア粒子の製
造方法として、コア材表面に、共重合しない2種類以上
の熱反応性組成物を含むコート層形成液を塗布し、該各
熱反応性組成物を反応させることにより、2種類以上の
樹脂相よりなる相互侵入高分子網目構造を持つコート層
を形成するものであり、これによりキャリア粒子表面の
コート層に相互侵入高分子網目構造を制御性良く形成す
ることができる。
【0065】請求項6の発明は、上記本発明のキャリア
を用いトナー粒子と混合して得られる電子写真用現像剤
であり、この現像剤によれば、キャリア粒子表面のコー
ト層の摩耗やキャリア粒子表面へのトナー粒子の固着が
少なく、それらに伴う画像濃度の低下や地肌かぶり等の
劣化のない安定した画像を長期にわたって得ることがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 陽一郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡辺 和人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 白石 桂子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 光輝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 BA06 CA02 CA12 EA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性体よりなるコア材の表面
    に、2種類以上の樹脂相を含むコート層を設けた電子写
    真用キャリアにおいて、前記樹脂相が相互侵入高分子網
    目構造を形成していることを特徴とする電子写真用キャ
    リア。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真用キャリアにお
    いて、前記相互侵入高分子網目構造を形成する樹脂成分
    のうち最も少ない樹脂成分の含有率が、該相互侵入高分
    子網目構造を形成する樹脂成分全体の15重量%以上で
    あることを特徴とする電子写真用キャリア。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子写真用キャリ
    アにおいて、前記相互侵入高分子網目構造を形成する樹
    脂成分としてシリコーン樹脂を含むことを特徴とする電
    子写真用キャリア。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電子写真用キ
    ャリアにおいて、前記相互侵入高分子網目構造を形成す
    る樹脂成分として少なくとも2個以上のアルケニル基を
    持つアルケニル置換ナジイミドを熱重合した樹脂を含む
    ことを特徴とする電子写真用キャリア。
  5. 【請求項5】 少なくとも磁性体よりなるコア材の表面
    に、共重合しない2種類以上の熱反応性組成物を含むコ
    ート層形成液を塗布し、該各熱反応性組成物を反応させ
    ることによりコア材表面に2種類以上の樹脂相よりなる
    相互侵入高分子網目構造を有するコート層を形成するこ
    とを特徴とする電子写真用キャリアの製造方法。
  6. 【請求項6】 電子写真用キャリア粒子と少なくとも結
    着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子を混合してなる電子
    写真用現像剤において、前記キャリア粒子が請求項1〜
    4記載のいずれかの電子写真用キャリアであることを特
    徴とする電子写真用現像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012058448A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び静電潜像現像剤
JP2015084118A (ja) * 2014-12-26 2015-04-30 戸田工業株式会社 電子写真現像剤用磁性キャリア及びその製造方法、二成分系現像剤

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