JP4639712B2 - 導電性ロールおよびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる導電性ロールおよびこれを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成は、像担持体(感光体)上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー等により静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。次に、前記トナー像を、中間転写体を介して、或いは、直接記録材媒体に静電的に転写することにより、所望の転写画像を形成することにより行われる。
上述のように、電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体上に一様な電荷を形成する帯電処理が行われる。このような帯電処理を行う方法の一つとして、接触式帯電方式がある。接触帯電方式に用いられる帯電部材としては帯電ロールが一般的に用いられる。前記した帯電ロールによる、感光体ドラム表面への帯電メカニズムは、帯電ロールと感光体ドラムとの微小空間におけるパッシェンの法則に従った放電によることが知られている。接触型の帯電ロールは金属基体からなる感光体ドラムに所定の押圧力で当接され、感光体ドラムの回転に伴い接触回転するため、帯電ロールが充分な柔軟性を持っておらず、表面にわずかなくぼみがある場合、感光体ドラムとの間に浮きが発生し、帯電ロールと感光体ドラムとの間の微小な間隔がばらつくことから、帯電不良を生じることになる。
従って、感光体ドラムに対する浮きを防ぐため、帯電ロールは、導電性支持体の外周面上に導電性弾性層を設けた構成を有している。この導電性弾性層には、エチレンプロピレン−ジエンゴム(EPDM)やウレタンゴム、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の加硫ゴム材料が一般的に用いられる。
また、電子写真方式を利用した画像形成装置には、前記の帯電ロール以外に、現像ロール,転写ロール,クリーニングロール等多数の導電性ロールが用いられている。これらの導電性ロールは、円柱状軸体の外周面に、導電性の弾性体層が形成され、この弾性体層の外周面に保護層が形成されたものがある。
前記導電性ロールは、半導電性領域(体積抵抗率:105〜1011Ωcm程度の範囲内)に抵抗値を制御して用いられる。また、導電性ロール内の抵抗のバラツキが小さく、高温高湿環境(28℃、85%RH)と低温低湿環境(10℃、15%RH)とにおける抵抗値の変動が少ないことが、高品質の転写画質を得るために必要である。しかし、半導電性領域で弾性材料の抵抗値を制御することは非常に難しく、通常の弾性材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安定して得ることはほとんどできない。従って、通常の弾性材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して導電性ロールを作製する場合、導電性ロール全数の抵抗値を計測して、選別する必要があるために、コストが高くなる。
このような問題は、カーボンブッラクを弾性材料中に均一に分散させることが難しく、分散不良が生じることにより引き起こされるためである。これは、樹脂材料などの高分子の中にカーボンブラックを添加していくと、カーボンブラックの添加が少量である場合は導電率が小さく、特定のしきい値からカーボンブラックが導体回路を形成し、導電性が急激に向上するために中抵抗値を得ることができないからである(例えば、非特許文献1参照)。
前記半導電性領域での抵抗値を制御する方法として、導電剤として、抵抗値のバラツキの少ないイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)を用いる方法がある。例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)にイオン導電剤を配合する方法が挙げられる。この場合、イオン導電剤によるイオン伝導により導電性ロールの抵抗値を所定の抵抗領域(約106Ω・cm)に制御できる。しかしながら、導電剤としてイオン導電剤のみを用いた場合には、温度や湿度の変化によって電気抵抗が変動しやすいといった問題がある。
また、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)自体は、電気抵抗が高いため、イオン導電剤のみに依存して抵抗値を調整する場合、イオン導電剤の添加量が過大となり、ブルーミング(滲出)等の問題が生じる。
また、他の方法としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)よりもイオン導電性の高エチレンオキサイド基を有するエピクロルヒドリンゴムを2層構成からなる導電性ロールの抵抗調整層として用いることが挙げられる。このようなエピクロルヒドリンゴムを用いた導電性ロールは、前記したアクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いた導電性ロールよりも温湿度の変化に対する電気抵抗の変化は抑制できるものの、満足できるレベルではなかった。
あるいは、エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)を配合させた方法も挙げられる。この場合、イオン導電性が高いエピクロルヒドリンゴムの性質に加え、イオン導電剤の効果により、抵抗値を所定の抵抗領域(105〜1011Ωcm程度)に制御することができる。エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤を配合させた導電性ロールは、エピクロルヒドリンゴム自体のイオン導電性が高いため、個々の導電性ロール間での電気抵抗のばらつきや電圧依存性といった問題はおこらない。しかしながら、このような構成からなる導電性ロールにおいても、温度や湿度の変化によって電気抵抗が変動しやすいといった問題がある。
また、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムにイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)とカーボンブラックを配合させた導電性ロールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、イオン導電性が高いエピクロルヒドリンゴムおよびイオン導電性が低いアクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる弾性材料にイオン導電剤およびカーボンブラックを組み合わせて添加することで、所望の電気抵抗値に調整することが提案されている。
しかし、カーボンブッラクにより発現する導電性は、前記したようなカーボンブッラクの分散不良の問題があり、抵抗値のバラツキを低減することはできない。また、このイオン導電剤は、分子量が小さい為、添加量が微量であっても、感光体ドラムへの押圧、長期の放置により帯電ロールの表面上へイオン導電剤がブリードするなどの問題が発生する場合がある。このブリードは感光体ドラムを汚染し、感光体ドラムの変質、画像不良を引き起こす。また、帯電ロールの表面にもトナーが付着してしまうので、そのトナーの堆積による帯電不良も引き起こすなども問題が生じる場合がある。
また、ロールの端部を抵抗値が1013Ωcm以上の環状シール材で被覆して、イオン導電剤を含む発泡層(1)とその外周に電子導電剤を含む発泡層(2)を設け、更に、トナー汚染防止層(3)を設け、各層の抵抗が、R1>R2>R3(但し、R1、R2、R3は、それぞれ発泡層(1)、発泡層(2)、トナー汚染防止層(3)の抵抗値を表す)となるように調整された3層構成からなる導電性ロールが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この導電性ロールは、トナー汚染防止層(3)の表面抵抗が低くなるため、この導電性ロールを転写ロールとして用い、幅の狭い用紙(葉書など)にトナー像を転写させると、必要な転写電流を用紙部に印加できないために転写不良が発生する場合がある。また、イオン導電剤を含む発泡層(1)の導電性は、温度により移動速度が支配されるイオン導電剤により決定されるものであるため、その外周に電子導電剤を含む発泡層(2)を設けても、抵抗値の環境変動を低減する効果が少ない。また、このような導電性ロールは、3層構成である上に、製造に際してはロール端部をシール材で被覆するなど工程が複雑であり高コストになるという問題がある。
また、導電性ロールを転写ロールとして用いる場合には、用紙が導電性ロールを通過してから次の用紙が導電性ロールに搬送される間に、中間転写体に残留したトナーが導電性ロールに転移して、導電性ロールを汚し、さらに、次の用紙の裏面に転移して、用紙の裏面を汚すなどの問題がある。
この問題を解消するために、例えば、a)非転写時に、トナーが像坦持体または中間転写体に転移する方向の電界を導電性ロールと像坦持体または中間転写体との間に形成する方法、b)クリーニングブレード等により導電性ロールをクリーニングする方法、などが提案されている。
しかし、前記a)の方法は、導電性ロール表面にトナー凝集塊が存在している場合には、充分なクリーニング効果を発揮することができない。また、導電性ロール表面にトナー凝集塊が存在していない場合でも、充分にクリーニングするには導電性ロールに高い電界を印加することが必要となるので好ましくない。
一方、前記b)の方法は、導電性ロールがEPDMやウレタンゴム等の摩擦係数の大きいゴム材料で構成される場合(例えば、特許文献3参照)には、ブレードの摺擦によって、導電性ロールを損傷させたり、回転トルクが増大する等などの理由により実用的ではない。
用紙の裏面汚れの防止対策として、EPDMや、ウレタンゴム等の弾性体にフッ素系樹脂をコーテイングする方法がある。このような例としては、シリコンゴムやウレタンゴムなどの発泡弾性体表面がフッ素樹脂またはシリコン樹脂により、微細な斑状に部分的なコーテイングされた導電性ロールが挙げられる(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、前記発泡弾性体は、いずれも表面に発泡セルの凹凸が残存しているために、表面層の表面エネルギーが低くなり、トナー付着が少ない、フッ素系の樹脂をコーテイングしてもクリーニングブレードによるスクレーブ作用を充分に発揮することができないといった問題があった。
前記対策として、導電性発泡層の外周側に弾性体層を設け、更に表面層に、フッ素系の樹脂またはフッ素樹脂粒子を分散してなる樹脂組成物をコーテイングしてなる導電性ロールが提案されている。しかし、前記導電性ロールは、3層構成となるために工数がかかり高価になる。安価に作製するために、導電性発泡層と弾性層とを同時押出成型法で加工する方法を利用することもできるが、この方法を用いて導電性ロールを作製する場合には、加工を容易とするために、弾性体層の厚みを0.1mm以上とする必要がある。この場合、弾性層の厚みが厚くなるために、均一なニップ幅を得るために圧接力を強くすると、感光ドラムと転写ロールとの間の機械的な相互作用が無視できなくなり、摩耗や同期ずれ並びに感光ドラム上の傷等の問題が生じてしまうなどの問題がある。更に、弾性層の厚みを研磨するなどによって、薄くした場合には、弾性層の強度不足により、ブレードめくれなどの問題が発生する場合がある。
また、導電性ロールのクリーニング方式として、クリーニングブレード方式によるクリーニング方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。近年の高品質の転写画質を得るために、トナーは、小径の球形トナーを用いる傾向にあり、トナーが、小径化、球形化されることで、当該方法に使用されるウレタンブレードでは、クリーニング性能を確保することが困難であり、さらに、濃度制御用のパッチを導電性ロール上に形成して、濃度検出可能としたシステムに対しては、充分対応できないなどの問題が発生する場合がある。
これに対して、硬質で平滑な転写ロール表面のクリーニング方法として、金属ブレードを用いることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、このようなクリーニング方法に好適な転写ロールに関しては具体的に検討されていない。
また、従来の転写ロールとしては、例えば、弾性体からなる第一の層と、この層より高抵抗の樹脂からなる第二層と、を形成した構成のものが知られている(例えば、特許文献7参照)。このような転写ロールの表面層の材料としては、ポリカーボネイト、ポリエステル、ナイロン樹脂をベースにしているが、このような樹脂材料に対して、特許文献7等に記載の金属ブレードを適用すると、非常に短期間で表面層に傷が発生し、クリーニング不良や濃度制御用パッチの検出不良に至る問題がある。
前記したように、従来の導電性ロールにおいては、抵抗値の環境変動が少なく、導電性ロール内の抵抗バラツキが少なく、球形の重合トナーを使用した場合でもクリーニング性能を確保することができ、また、経時での良質な画質を安定して得ることができなかった。
特開2001−214925号公報 特開2000−176539号公報 特開平6−124049号公報 特開平6−149097号公報 特開平10−111628号公報 特開平6−324583号公報 特開平3−202885号公報 高分子加工、43巻、4号、1977年、住田等
本発明は、前記したような従来における諸問題を解決することを課題とする。即ち、本発明は、環境変動による抵抗値の変動、及び電圧の印加による経時での抵抗変化が少なく、かつ抵抗バラツキが抑制でき、クリーニング適性に優れる導電性ロール、及びこれを備えた転写性に優れ、得られる画質の濃度ムラが少ない画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の本発明により解決された。
即ち、本発明は、
<1> 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、
前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
前記下地弾性層は、22℃55%RHの環境下での体積抵抗値(Rv1)が107〜109Ωの範囲内であり、
前記導電性表面層が、ポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする導電性ロール。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
<2> 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、
前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
前記下地弾性層は、22℃55%RHの環境下での体積抵抗値(Rv1)が10 7 〜10 9 Ωの範囲内であり、
前記導電性表面層が、電子伝導性の導電剤を分散してなる導電性樹脂チューブからなり、前記導電性樹脂チューブに分散している電子伝導性の導電剤が、酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする導電性ロール。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
> 前記(C)成分を、前記(A)成分と前記(B)成分との合計量100質量部に対して、5〜40質量部の範囲で含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の導電性ロールである。
> 前記(A)成分が、エチレンオキサイド含有量が35〜50モル%の範囲のエピクロルヒドリンゴムであり、前記(B)成分が、アクリロニトリル含有量が10〜35質量%の範囲のアクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電性ロールである。
> 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)成分/(B)成分=80/20〜20/80の範囲であることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載の導電性ロールである。
> 前記(C)成分が、DBP吸油量の異なる2種以上のカーボンブラックを含有することを特徴とする<>〜<>の何れか1つに記載の導電性ロールである。
> 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、22℃55%RHの環境下での前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)が107〜109Ωの範囲内であり、
前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
前記導電性表面層が、ポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする導電性ロール。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
<8> 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、22℃55%RHの環境下での前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)が10 7 〜10 9 Ωの範囲内であり、
前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
前記導電性表面層が、電子伝導性の導電剤を分散してなる導電性樹脂チューブからなり、前記導電性樹脂チューブに分散している電子伝導性の導電剤が、酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする導電性ロール。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
> 前記導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)が、1×107〜1×1013Ω/□の範囲内であることを特徴とする<1>〜<>の何れか1つに記載の導電性ロールである。
10> 前記導電性表面層の厚みが、0.02〜0.08mmの範囲内であることを特徴とする<1>〜<>の何れか1つに記載の導電性ロールである。
11> 少なくとも1つの導電性ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、
前記導電性ロールが、<1>〜<10>の何れか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする画像形成装置である。
12> 少なくとも1つの転写ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、
前記転写ロールが、<1>〜<10>の何れか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする画像形成装置である。
13> 前記トナーが、下記式(1)で規定される形状係数SFが100〜140である球形トナーであることを特徴とする<11>又は<12>に記載の画像形成装置である。
式(1)
SF =
(トナー粒子の最大長)2/(トナー粒子の投影面積)]×π×(1/4)×100
本発明は、環境変動による抵抗値の変動、及び電圧の印加による経時での抵抗変化が少なく、かつ抵抗バラツキが抑制でき、クリーニング適性に優れる導電性ロール、及びこれを備えた転写性に優れ、得られる画質の濃度ムラが少ない画像形成装置を提供することができる。
<導電性ロール>
第一の本発明の導電性ロールは、導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、前記下地弾性層が下記(1)の条件を満たし、(2)(3)も満たすことが望ましい。
(1)22℃55%RHの環境下での体積抵抗値(Rv1)が107〜109Ωの範囲内である。
(2)28℃85%RHと10℃15%RHとにおける体積抵抗値(Rv1)の常用対数値の差が0.5以下である。
(3)10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1)の変化量が、常用対数値で0.5以下である。
尚、本発明において、28℃85%RHと10℃15%RHとにおける体積抵抗値(Rv1)の常用対数値の差とは、2つの値の常用対数値を求め、これら2つの値の差の絶対値を意味する。
前記下地弾性層の22℃55%RHの環境下での体積抵抗値(Rv1)は、107〜109Ωの範囲であることを必須とし、転写手段として用いる場合107.5〜108.5Ωの範囲であることが好ましく、107.6〜108.4Ωの範囲であることがより好ましい。107Ω未満の場合には、導電性ロールの抵抗値が低くなるために転写不良が発生する場合があり、109Ωを超える場合には、これに対応した容量の大きい電源が必要となり,M/Cサイズが大きくなる等の問題が発生する場合がある。
従来から、主に使用されている導電性ロールは、イオン導電剤を添加してなる導電性支持体上に発泡弾性層(本発明の下地弾性層に相当する層)のみを設けた構成である。このような導電性ロールの体積抵抗値の28℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差は、1.5〜2程度であり、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きいため、これに対応した容量の大きい電源が必要であった。このため、導電性ロールへの電圧印加に用いる電源の小型化、低コスト化が困難であることに加え、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構の簡素化も困難であった。
しかしながら、第一の本発明の導電性ロールは、環境変動による抵抗値の変化が、導電性ロール全体として見た場合、従来と比べて約1/10以下であるため従来よりも電源が小型化・低コスト化でき、抵抗値を制御するための制御機構を簡素化することも容易となる。
第一の本発明の導電性ロールにおいて、前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の28℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差は、0.5以下であることが望ましく、0.3以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。前記28℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が0.5を超えると、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きいため、これに対応した容量の大きい電源が必要となると共に、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構が必要となる。
また、従来から、主に使用されている導電性ロールは、トナー画像を転写材に転写するために1kVから5KVの転写電圧を印加するが、この印加電圧によって、導電性ロールの抵抗値が変化してしまうという問題があり、この抵抗の変化量が大きい場合には、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きい場合と同様に、これに対応した容量の大きい電源が必要であった。このため、導電性ロールへの電圧印加に用いる電源の小型化、低コスト化が困難であることに加え、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構の簡素化も困難であった。
しかしながら、第一の本発明の導電性ロールは、印加電圧による抵抗値の変化が、導電性ロール全体として見た場合、従来と比べて少ないあるため従来よりも電源が小型化・低コスト化でき、抵抗値を制御するための制御機構を簡素化することも容易となる。
第一の本発明の導電性ロールは、前記下地弾性層の10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1)の変化量が常用対数値で0.5以下であることが望ましく、0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。前記20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1)の変化量が常用対数値で0.5を超えると、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きい場合と同様に、容量の大きい電源が必要となると共に、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構が必要となる。
尚、本発明において、前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)、また、後述する導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)及び導電性表面層の体積抵抗値(Rv3)、更には後述する導電性表面層の表面抵抗値(ρs2)等は、これらの値が測定された温湿度について言及されていない場合には、常温常湿環境(22℃55%RH)において測定されたものとする。つまり前記(3)及び後記(6)における10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1又はRv2)の変化量は、10℃15%RHの環境下での20μAの電流の連続25時間印加前後の体積抵抗値を、22℃55%RHで測定し、その差を求めたものである。
前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)は、以下の手順で測定した値である。
前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)は、図1に示すように、導電性支持体10及び下地弾性層20からなるローラ状の導電性部材(導電性ロール)100を金属板40などの上において、導電性部材100の両端部に各500gの荷重をかけて、導電性支持体10と金属板40との間に1kV(V)の電圧を印加して、10秒後の電流値I(A)を読み取り、以下の式により計算することにより求められる。尚、以下の図面において、同様の機能を有するものは、全図面を通じて同一の符合を付し、その説明を省略する場合がある。
体積抵抗値(R)=電圧(V)/電流(I)
また、本発明において、下地弾性層の連続通電試験(10℃15%RHの環境下で下地弾性層へ20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1)の変化量)は、図2に示す計測装置を用いておこなった。図2は導電性ロールに連続通電した際の電圧変化を測定する方法について示した模式断面図である。図2において、500は導電性支持体10及び下地弾性層20からなる導電性ロール、502は金属ロールを表し、導電性ロール500は、金属ロール502が回転した際に従動回転可能なように、金属ロール502と圧接している。また、導電性ロール500と、金属ロール502との間には電圧計が接続されている。測定に際しては、これら2つのロールを回転させながら測定を行った。
実際の測定は、10℃15%RHの環境において、導電性ロールの両端に500gの荷重を加えながら、金属ロール(外径30mm)に圧接させた状態で、金属ロールを30rpmで回転させながら、導電性ロールと金属ロールとの間で、20μAの電流を連続25時間印加して行った。
下地弾性層の連続通電試験(10℃15%RHの環境下で下地弾性層へ20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1)の変化量)は、上述の図2に示すような計測装置を用いる方法により、20μAの電流を連続25時間印加する前と後の下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)をそれぞれ測定することにより求めたものであり、それぞれの体積抵抗値(Rv1)の差の絶対値を、10℃15%RHの環境下で下地弾性層へ20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv1)の変化量とした。
前記(1)の条件を満たし、望ましくは(2)(3)を満たす第一の本発明の導電性ロールは、以下に説明する導電性ロールの要件を満たすことにより好ましく得られる。
の本発明の導電性ロールは、導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、前記下地弾性層が、下記の(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されていることを特徴とする。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
このように、第の本発明の導電性ロールにおける下地弾性層は、前記(A)〜(C)成分を含有することを必須とする。第の本発明の導電性ロールのように、イオン伝導性が高いエピクロルヒドリンゴム((A)成分)と、イオン伝導性の低いアクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)と、を組み合わせて用いたゴム組成物で導電性弾性体層を形成することにより、導電性弾性体層の導電性は、イオン伝導に支配されており、電気抵抗の電圧依存性が低くなる。そして、このゴム組成物に、電子伝導性の導電剤((C)成分)を所定量配合することにより、低温低湿下における電気抵抗が低くなって高温高湿下における電気抵抗に近くなる。その結果、高温高湿下でも低温低湿下でも電気抵抗値が大きく変動しないようになり、温度や湿度等の環境の影響を受けにくくなる、つまり、電気抵抗の環境依存性が小さくなる。また、低分子のイオン導電剤を添加していないので、ブルーミングも生じる問題がなく、結果的に、導電性部材表面や感光体表面の汚染を防止することができる。
本発明における下地弾性層のゴム組成物に用いられるゴム成分は、エピクロルヒドリンゴム((A)成分)と、アクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)とを含有するものである。アクリロニトリル−ブタジエンゴムとエピクロルヒドリンゴムとは相溶性が高く、ブレンドした場合均一に分散する。その結果、抵抗ばらつきの小さいゴム材料となる。
本発明において、前記エピクロルヒドリンゴム((A)成分)としては、エチレンオキサイド含有量が35〜50モル%の範囲のものであることが好ましく、40〜48モル%の範囲のものであることがより好ましい。このエチレンオキサイド含有量は、単独のエピクロルヒドリンゴム中のエチレンオキサイド含有量が前記範囲にあってもよいし、エチレンオキサイド含有量の違う複数のエピクロルヒドリンゴムをブレンドすることによって調整されてもよい。
エピクロルヒドリンゴムの電気抵抗(抵抗値)は、エチレンオキサイド含有量が大きくなるに従って低くなる。したがって、エチレンオキサイド含有量が35モル%未満のものを使用した場合、所定の抵抗を得るためのアクリロニトリルブタジエンゴムにブレンドするエピクロルヒドリンゴムの量が多くなってしまい、電気抵抗の環境依存性を大きくしてしまう場合がある。また、所定の抵抗値を得るためにカーボンブラックの添加量を多くする必要があり、ロール硬度が硬くなるなどの問題が生じる場合がある。
また、エチレンオキサイド含有量が50モル%を超える場合(特に、65モル%超える場合)には、所定の抵抗値を得るための電子伝導性の導電剤(例えばカーボンブラック)の添加量が少なくなり、該電子伝導性の導電剤による低温低湿下における電気抵抗を下げる効果が発現され難くなるため、電気抵抗の環境依存性が大きくなり易くなる場合がある。
アクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)としては、アクリロニトリル含有量が10〜35質量%の範囲のものが好ましく、15〜25質量%の範囲のものがより好ましい。前記アクリロニトリル含有量が35質量%よりも多いと、電気抵抗の環境依存性が大きくなってしまう場合がある。また、10質量%に満たないと、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの抵抗値が高くなり易い場合がある。このため、所定の抵抗を得るためのカーボンブラックの添加量を多くする必要があり、最終的なロール硬度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
エピクロルヒドリンゴム((A)成分)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)として、前記組成のものを併用することにより、使用目的に応じて抵抗値や硬度等を容易に調整することができる。
また、本発明のように、前記下地弾性層を形成するゴム組成物として、エピクロルヒドリンゴム((A)成分)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)とを併用すると、(B)成分によりゴム成分を低粘度ポリマー化できるため、押出成形等において、押出圧力低減、押出肌の改良効果が得られるようになる。
前記エピクロルヒドリンゴム((A)成分)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)との配合比は、質量比で、(A)成分/(B)成分=80/20〜20/80の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、(A)成分/(B)成分=75/25〜40/60の範囲であり、更に好ましくは、(A)成分/(B)成分=70/30〜50/50の範囲である。
すなわち、前記配合比(配合割合)において、前記エピクロルヒドリンゴム((A)成分)が20未満〔アクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)が80を超える〕の場合では、得られた導電性部材の初期の電気抵抗が高くなる場合があり、また前記エピクロルヒドリンゴム((A)成分)が80を超える〔アクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)が20未満の〕場合では、得られた導電性部材に直流電圧を印加した後の電気抵抗の上昇度合いが大きくなる場合がある。
本発明においては、下地弾性層を形成するゴム組成物として、前記エピクロルヒドリンゴム((A)成分)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム((B)成分)に加えて、他のゴム成分を含ませることができる。該他のゴム成分としては、クロロピレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができ、その含有量は、前記(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましい。
前記下地弾性層の形成材料としては、先に述べたように、エピクロルヒドリンゴム(A)成分、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(B)成分、及び電子伝導性の導電剤(C)成分を必須成分とし、かつ、ゴム成分である前記(A)成分と(B)成分との合計量100質量部(以下、適宜、「部」と略す。)に対して、前記(C)成分の含有量が5〜80部の範囲に設定されたゴム組成物が用いられる。
前記(A)成分と(B)成分との合計量100部に対する(C)成分の含有量としては、5〜60部の範囲が好ましく、5〜45部の範囲がより好ましく、5〜40部の範囲が更に好ましく、10〜35部の範囲が特に好ましく、15〜30部の範囲であることが最も好ましい。前記(A)成分と(B)成分との合計量100部に対する(C)成分の含有量が5〜80部の範囲内であると、得られた導電性部材の、環境変化及び電圧の変化等に起因する電気抵抗の変動幅を効果的に小さくすることができる。
すなわち、前記(A)成分と(B)成分との合計量100部に対する(C)成分の含有量が5部未満では、前記変動幅に影響を与えるような電子伝導の効果がみられない場合があり、80部を超えると、導電性ロールの硬度が高くなり、導電性ロールと接触する部材との間で形成されるニップ部でのニップ圧が大きくなる等の問題が生じる場合がある。
前記電子伝導性の導電剤((C)成分)としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などが挙げられるが、これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。また、前記(C)成分としては、前記の中から1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
電子伝導性の導電剤((C)成分)として好適なカーボンブラックは、これを添加したゴム組成物中において連鎖状に結合する性質があり、かかる連鎖結合の長さに応じてゴム組成物の抵抗値が異なったものになる。この連鎖結合が長ければ、下地弾性層の導電性は向上しその抵抗値は低下する。一方、連鎖結合が短ければ、下地弾性層の導電性は低下しその抵抗値は高くなる。すなわち、長い連鎖結合を形成するカーボンブラックを添加した場合は、所望の抵抗値を発現させるためのカーボンブラックの添加量は、短い連鎖結合を形成するカーボンブラックに比べて少なくすることができるが、添加量の変化により抵抗値が大きく変動することになるので、前述した下地弾性層内の抵抗値のバラツキを低減することができない。
また、本発明における電子伝導性の導電剤((C)成分)としては、表面特性等の特性が異なる2種以上のカーボンブラックを併用することも好ましい。
前述のカーボンブラックの連鎖結合の長さは、カーボンブラックの個々の粒子の粒径や表面活性度に依存しているが、これを示す指標の1つとして、ASTM D2414−6TTに定義されたDBP(ジブチルフタレート)吸油性がある。このDBP吸油性は、カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(ml)が多いか少ないかで表される。このDBP吸油性の高い、すなわち吸油量の多いカーボンブラックほど、長い連鎖結合を形成するものとされている。
かかるDBP吸油性の高いカーボンブラックのみをゴム組成物に添加して、弾性層の抵抗値を調整しようとすると、添加量の僅かな増減でも抵抗値が大きく変化することになる。そのため、カーボンブラックの添加量及び分散状態を厳密に規定しなくては、所定の抵抗値を弾性層に付与することができない。一方、DBP吸油性の低いカーボンブラックのみを添加して、弾性層の抵抗値を調整しようすれば、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添加した場合よりも、カーボンブラックがゴム組成物中に略均一に分散するので、添加量の増減に伴う抵抗値の変化の割合は小さくなる。しかし、所定の抵抗値を弾性層に付与するためには、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添加する場合よりも、多量のカーボンブラックを添加する必要がある。その結果、ゴム組成物中のカーボンブラックの配合割合が高まることから、ゴム組成物をバンバリーミキサー、ニーダー等で混練する際に高粘度となるため加工が困難になる。また、得られた弾性層が高硬度になる問題が発生する場合がある。
したがって、DBP吸油性の高いカーボンブラックとDBP吸油性の低いカーボンブラックのDBP吸油性の異なる2種以上を併用することが好ましい。
前記弾性層を形成材料に添加される2種以上のカーボンブラックは、DBP吸油性に差があるものであればよいが、この差があまりに小さいと、1種類のカーボンブラックを添加した場合と同じような結果を生じることになる場合がある。したがって、カーボンブラックとしては、ある程度DBP吸油量に差のあるものが好ましく、前記DBP吸油量の異なるカーボンブラックのうち、少なくとも、1種がDBP吸油量が250ml/100g以上のカーボンブラック(DBP吸油性の高いカーボンブラック)であり、他の1種が吸油量が150ml/100g以下のカーボンブラック(DBP吸油性の低いカーボンブラック)であることが好ましい。
また、前記DBP吸油性の高いカーボンブラックのDBP吸油量は280ml/100g以上であり、DBP吸油性の低いカーボンブラックのDBP吸油量は110ml/100g以下であることがより好ましい。
なお、本発明においては、DBP吸油性の異なる2種以上のカーボンブラックとして、少なくとも前記DBP吸油性の高いカーボンブラックとDBP吸油性の低いカーボンブラックとが用いられていればよく、これらとDBP吸油量が異なるカーボンブラックがさらに含まれていてもよい。
具体的には、前記DBP吸油性の高いカーボンブラックとしては、例えば、DBP吸油量447ml/100gのHS−500(旭カーボン(株)製)、DBP吸油量360ml/100gのケッチェンブラック(ライオンアグゾ(株)製)、DBP吸油量288ml/100gの粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製)、DBP吸油量265ml/100gのバルカンXC−72(キャボット社製)等のカーボンブラックなどが挙げられる。また、DBP吸油性の低いカーボンブラックとしては、例えば、DBP吸油量28ml/100gのアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製)、DBP吸油量35ml/100gのアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製)等のサーマルブラックなどが挙げられる。
また、一般にDBP吸油量が高いカーボンブラックほど1次粒径が小さくなる傾向があり、前記DBP吸油性の高いカーボンブラックとしては、1次粒径が5〜50nmの範囲のものを、前記DBP吸油性の低いカーボンブラックとしては、1次粒径が20〜100nmの範囲のものを用いることが好ましい。
具体例として、DBP吸油性の高いカーボンブラック(アセチレンブラックなど)とDBP吸油性の低いカーボンブラック(サーマルブラックなど)との混合物を用いて、下地弾性層の抵抗値を調整する場合、その混合割合は質量比(DBP吸油性の高いカーボンブラックの質量:DBP吸油性の低いカーボンブラックの質量)で1:1〜1:8の範囲にあることが好ましく、1:2〜1:6の範囲にあることがより好ましく、1:2〜1:5の範囲であることが更に好ましい。
前記DBP吸油性の高いカーボンブラックの質量を1としたときの、DBP吸油性の低いカーボンブラックの質量が1より小さいと、抵抗値のバラツキが大きいだけでなく、前者の添加量の増減により、弾性層の抵抗値が大きく変化する場合がある。これに対して、8より大きいと、前述のように、混練時のゴム組成物が高粘度となるため弾性層の成形加工が困難となるだけでなく、弾性層の硬度も高くなる場合がある。このように、DBP吸油性の異なるカーボンブラックの混合割合とゴム材料に対する配合量を調整することによって、弾性層の抵抗値の急激な変化を抑制することができる。同時に、DBP吸油性の低いカーボンブラック単独の場合と比較して、少量の添加量で抵抗値のバラツキの小さい弾性層を形成することが可能となる。
前記下地弾性層には、前記(A)〜(C)成分以外に、架橋剤、充填剤、発泡剤等が、必要に応じて、適宜、配合される。但し、本発明における下地弾性層を構成する成分としては、イオン伝導性の導電剤は含まれないことが好ましい。
前記架橋剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア、トリアジン、イオウ等が挙げられる。前記充填剤としては、シリカ、タルク、クレー、酸化チタン等の絶縁性の充填剤が挙げられ、これらは単独で若しくは併せて用いられる。また、発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤、有機系発泡剤のいずれを用いてもよく、これらを単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
前記下地弾性層は、前記(A)〜(C)成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の如き混合機により混合して製造することができる。本発明における下地弾性層の製造においては、各成分の混合方法、混合の順序は特に限定されることはない。一般的な方法としては、全成分をあらかじめタンブラー、Vブレンダーなどで混合し、押出機によって均一に溶融混合する方法であるが、成分の形状に応じてこれらの成分中の2種以上の溶融混合物に残りの成分を溶融混合する方法を用いることもできる。
の本発明の導電性ロールは、導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、下記(4)の条件を満たし、更に望ましくは(5)(6)の条件を満たすことを特徴とする。第の本発明の導電性ロールは、既述の第の本発明の導電性ロールにおける下地弾性層と同様の下地弾性層有し、更に、以下に説明する特性を有する導電性表面層を設けることにより好ましく得られる。
(4)22℃55%RHの環境下での、前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)が107〜109Ωの範囲内である。
(5)28℃85%RHと10℃15%RHとにおける前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)の常用対数値の差が0.5以下である。
(6)10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)の変化量が、常用対数値で0.5以下である。
前記下地弾性層と導電性表面層とを少なくとも設けた導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)は、107〜109Ωの範囲であることを必須とし、転写手段として用いる場合107.5〜108.5Ωの範囲であることが好ましく、107.6〜108.4Ωの範囲であることがより好ましい。前記Rv2が107Ω未満の場合には、ロールの抵抗値が低いために転写不良が発生する場合があり、109Ωを超える場合には、これに対応した容量の大きい電源が必要となり、M/Cサイズが大きくなる等の問題が発生する場合がある。
の本発明の導電性ロールにおいて、前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)の28℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差は、0.5以下であることが望ましく、0.3以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。前記28℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が0.5を超えると、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きいため、これに対応した容量の大きい電源が必要となると共に、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構が必要となる。
尚、前記導電性ロールの各体積抵抗値(Rv2)は、図3に示すように、図1における導電性支持体10及び下地弾性層20からなるローラ状の導電性部材(導電性ロール)100を、導電性支持体10及び下地弾性層20を有し、導電性支持体10の外面に更に導電性表面層30が形成されているローラ状の導電性部材(導電性ロール)100’に変更したこと以外、前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の測定と同様にして求めることができる。
の本発明の導電性ロールは、前記導電性ロールの10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv2)の変化量が常用対数値で0.5以下であることが望ましく、0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。前記20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv2)の変化量が常用対数値で0.5を超えると、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きい場合と同様に、容量の大きい電源が必要となると共に、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構が必要となる。
尚、本発明において、導電性ロールの連続通電試験(10℃15%RHの環境下で下地弾性層へ20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値(Rv2)の変化量)は、既述の下地弾性層の連続通電試験における導電性支持体10及び下地弾性層20からなる導電性ロール500を、導電性支持体10及び下地弾性層20を有し、導電性支持体10の外面に更に導電性表面層30が形成されている導電性ロールに変更したこと以外、前記下地弾性層の連続通電試験と同様にして求めることができる。
前記導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)は、107〜1013Ω/□の範囲内であることが好ましく、108〜1012Ω/□の範囲であることがより好ましい。
前記導電性表面層の表面抵抗率が107Ω/□より低い場合には、10℃15%RHの低温低湿環境において、葉書きなどのロール幅より幅の狭い用紙を転写する場合に、用紙の抵抗が高くなり、用紙端部で用紙外部に電流が流れ易いために、用紙端部で必要な転写電流が得られず、用紙端部が白く抜ける画質欠陥(用紙部端部不良)が発生する場合がある。
また、前記導電性表面層の表面抵抗率が1013Ω/□を超える場合には、導電性表面層に電荷が溜まり易く、チャージアップするために導電性ロール表面にロール周方向で電位差が生じ、ロール径ピッチでの帯状に濃度が濃くなる画質欠陥が発生する場合がある。
なお、本発明において、表面抵抗率は、円形電極(例えば、ダイヤインスツルメント(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6991に基いて測定することができる。この表面抵抗率の測定方法を図4を用いて具体的に以下に説明する。図4は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
図4に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。
表面抵抗率の測定は、第一電圧印加電極Aの円柱状電極部C及びリング状電極部Dと、板状絶縁体Bと、の間にシート状に切り出した(幅63.4mm、長さ230mm)サンプルS(本発明では導電性表面層)を挟持した状態で、第一電圧印加電極Aの円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定することにより行う。
なお、サンプルSの表面抵抗率を測定する場合には、その外周面が円柱状電極部C及びリング状電極部Dに接するように導電性表面層を配置する。
この際、導電性表面層の外周面の表面抵抗率ρs(Ω/□)は、下記式により算出することができる。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
・式 ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
前記導電性表面層の厚みは、特に限定されるものではないが、下地弾性層の変形に低い圧力で追随するために、0.02〜0.08mmの範囲内であることが好ましく、0.03〜0.06mmの範囲内であることがより好ましい。
前記導電性表面層の厚みが0.02未満の場合には、厚みが薄過ぎるために導電性表面層の強度が不足し、導電性ロール表面にブレードを当接させて用いた場合にはブレードめくれなどの問題が発生する場合がある。また、0.08mmを超える場合には、下地弾性層の変形に追随させるために必要な圧力が大きくなるなどの問題が生じる場合がある。
なお、導電性表面層の膜厚の測定は、渦電流式の膜厚計(フィッシヤー社製MP30)を用いて行った。
また、前記導電性表面層の導電性表面層のヤング率は、2000Mpa以上が好ましく、3000Mpa以上であることがより好ましい。
導電性表面層のヤング率が2000Mpa未満の場合には、導電性ロール表面にブレードを当接させて用いた場合には、厚みが0.02mm以上であったとしてもブレードとの圧接により、導電性表面層の強度不足により、導電性表面層が変形して、しわなどが発生して、ブレードめくれなどの問題が発生する場合がある。
前記導電性表面層は、次のいずれかを満たす。
(1)ポリイミド樹脂を主成分とする。
(2)電子伝導性の導電剤を分散してなる導電性樹脂チューブからなり、前記導電性樹脂チューブに分散している電子伝導性の導電剤が、酸化処理カーボンブラックである。
前記(1)の態様の場合には、前記導電性表面層の主成分となる材料としては、強度、耐熱性、寸法安定性の観点からポリイミド樹脂であるが、(2)の態様の場合には、例えば、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、などの樹脂材料を用いることができる。これらの中でも、強度、耐熱性、寸法安定性の観点からポリイミド樹脂が特に好ましい。
より具体的なポリイミド樹脂としては、例えば、ポリピロメリット酸イミド系のポリイミド樹脂材料、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料などの熱硬化性樹脂。ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド酸系樹脂材料、ポリエーテルイミド樹脂などの熱可塑性ポリイミド樹脂をあげることができる。
尚、本発明において、主成分とは、全材料中の50質量%以上を占めることをいう。つまり、前記導電性表面層の全材料中の50質量%以上がポリイミド樹脂であることが好ましい。更に、本発明においては、前記導電性表面層の全材料中の70質量%以上がポリイミド樹脂であることがより好ましく、90質量%以上がポリイミド樹脂であることが更に好ましい。
また、前記導電性表面層には、例えば、前記ヤング率を満足させるために、無機系の充填材を添加してなる樹脂組成物を用いることができる。より具体的には、耐摩耗性に向上効果のある無機系の充填材として、層状構造をもつ二硫化モリブデン、マイカ。板状形態をもつグラファイト、窒化ホウ素、チタン酸カリウム繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化けい素繊維などの繊維形状の充填材料、などをあげることができる。
前記、無機系の充填材を添加する樹脂材料としては、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂。ポリエチレンテレフタレート、ポチブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂をあげることができる。
前記導電性表面層には、所望の導電性を得るために導電剤を添加することができる。導電剤としては、公知の材料を用いることができるが、環境変動に対する抵抗バラツキを効果的に抑制できる点で電子導電性の導電剤を用いることが好ましい。前記(2)の態様の場合には、前記導電性表面層は、電子導電性の導電剤が分散されている導電性樹脂チューブである。
前記(2)の態様において導電性表面層に添加する電子伝導性の導電剤は、酸化処理したカーボンブッラク(以下、「酸性カーボンブラック」と略す場合がある。)である。酸性カーボンブラックは、表面にカルボキシル基などの官能基があり、樹脂成分との相溶性があることで、均一に分散することができる。このため、既述したような抵抗値のバラツキを低減することができる。なお、酸性カーボンブラックのpHは5以下である。酸性カーボンブラックのpHを5以下とすることにより、導電性ロールに対して繰り返し電圧印加した際に、一部に過剰な電流が流れることにより、酸性カーボンブラックの表面が更に表面酸化されることによって、酸性カーボンブラック特性が大きく変り、導電性ロールの抵抗が変化するという問題の発生を防ぐことができる。
導電性表面層に添加する電子導電性の導電剤として、pH5以下の酸性カーボンブラックを用いることで、一部に過剰な電流が流れたり、繰り返しの電圧印加による酸化の影響を受けにくくなる。さらに、酸性カーボンブラックの表面に付着する酸素含有官能基の効果によって、基材への分散性が高く、抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、通電による電界集中がおきなくなる。その結果、通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化が少なく、より優れた均一帯電性や転写性を得ることが可能である。
このため、従来のようなカーボンブラックの大きな凝集体の発生に起因する電場集中、絶縁破壊によって発生すると考えられるピンホールリーク等のリーク放電を防止することができ、トナーの固着をも防止しすることができる。さらに抵抗変化や抵抗のバラツキによる帯電ムラやリーク放電に起因する画質欠陥、環境変動による画像濃度の変動が少なくなり、長期に渡り高画質画像を得ることができる。また、酸性カーボンブラックは、分散性を向上させるためのカップリング処理や、絶縁粒子や金属酸化物等の添加等を行う必要性がなく、製造工程が簡易となる。
酸性カーボンブラックのpHは前記したように5以下であれば特に限定されないが、好ましくはpH4.5以下であり、より好ましくはpH4.0以下である。なお、酸性カーボンブラックのpHは以下のように定義される(詳しくはJIS K6221−1982に準ずる)。酸性カーボンブラックの「pH」とは、カーボンブラックを水で煮沸し、冷却後上澄みを除去して得た泥状物に対して測定したpH(水素イオン濃度の対数値)をいう。カーボンブラック表面の酸素含有官能基(カルボン酸、水酸、ラクトン、キノイドなどの各官能基)の量と関連があり、pHが低いほど酸性表面官能基が多いと考えられている(カーボンブラック協会編集・発行「カーボンブラック便覧」、1995年、参照)。なお、カーボンブラック表面の酸素含有官能基の量を表す物性値として揮発分もある。この揮発分とは、カーボンブラックを950±25℃の雰囲気に7分間保持したときの減量割合をパーセントとして表したものである。
酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸性カーボンブラックは、ガスまたはオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このためファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、本発明においては好適に用いることができる。
酸性カーボンブラックの具体例としては、デグサジャパン社製の「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20%)、同「FW2」(pH2.5、揮発分16.5%)、同「FW2V」(pH2.5、揮発分16.5%)、「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18%)、同「5」(pH3、揮発分15%)、同「4」(pH3、揮発分14%)、同「4A」(pH3、揮発分14%))、「プリンテックス150T」(pH4、揮発分10%)、「プリンテックス140U」(pH4.5、揮発分5%)、キャボット社の「REGAL 400R」(pH4.0、揮発分3.5%)、同「MONARCH 1000」(pH2.5、揮発分9.5%)、同「MONARCH 1300」(pH2.5、揮発分9.5%);等が挙げられる。
酸性カーボンブラックは、単独で導電性表面層を構成する樹脂組成物中に配合してもかまわないが、酸性カーボンブラックの中から任意の2種以上を配合して、力学強度や硬度、弾性率など、システム全体からの要求に合致するように配合することもできる。樹脂組成物ヘの配合量は、通常の導電性カーボンブラックよりは高濃度にしなければ、好適な抵抗領域に入らないが、おおむね5〜40質量部(樹脂組成物100質量部に対する質量部数)が好ましい。この配合量が、5質量部未満では抵抗が高すぎて、所望の抵抗が得られない。一方40質量部を超えると抵抗が低すぎて、白抜けなどの画質欠陥が発生することがある。
(導電性ロールの層構成)
以上説明した第一〜第の本発明の導電性ロール(以下、併せて「本発明の導電性ロール」という場合がある。)の層構成は、導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けたものであれば特に限定されない。
具体例を挙げれば、例えば、図5に示すような層構成が挙げられる。図5は、本発明の導電性ロールの一例を示す模式断面図である。
以下、図5を参照し、本発明の導電性ロールの例示的一態様を示し、詳細に説明する。 図5に示すように、本発明の例示的一態様としての導電性ロール100は、少なくとも、導電性支持体10と、下地弾性層20と、導電性表面層30とを備えるロール状の構造を有している。このように、本発明の導電ロール100がロール形状であることにより、帯電手段や転写手段として用いる場合に、感光体等の耐久性維持や均一帯電等の点で優れる。
導電性支持体10は、例えば、SUS、SUM等の金属からなる。図4に示すようなロール状の構造を有する導電性ロール100において、導電性支持体10は導電性ロール100の軸方向を貫くように配され、導電性部材100の回転軸として機能することも可能である。また、図示されないが、導電性支持体10には、外部電源が接続され、所望のバイアスが印加されるため、外部電源と共に導電性ロール100への電圧印加手段としても機能する。
下地弾性層20は、導電性支持体10表面に形成され、既述のように前記(A)〜(C)成分を含む特定ゴム組成物からなり、導電性部材100の用途に合わせて、硬度、表面特性(表面粗さ、硬度、摩擦係数)や電気特性(電気抵抗)等が調整される。かかる下地弾性層20の電気特性や表面特性等の諸条件を、適宜、調整することで、帯電手段、転写手段(中間転写方式における1次、2次の双方の転写手段も含む)、更には、除電手段等にも好適に用いることができる。
下地弾性層20の硬度は、JISK−7312に記載されているアスカC硬度で、10°〜70°の範囲に調整されることが好ましく、より好ましくは、20°〜50°の範囲である。70°を超える場合には、ロール硬度が硬くなり、ニップ部でのニップ圧での変形が少ないために、ニップの安定した形成ができないなどの問題が発生することがある。10°未満の場合には、ロール硬度が軟らかくなり、ロール形状に研磨するのが難しくなり、ロール外形がばらつくなどの問題が発生する場合がある。
下地弾性層20の厚みは、特に限定されないが1〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。下地弾性層20の厚みが1mm未満であるとニップ部での変形が少ないために、ニップの安定した形成ができないなどの問題が発生することがある。また、下地弾性層20の厚みが20mmを超える場合には、導電性ロールの外径が40mmより大きくなるために、M/Cサイズがおおきくなり、コストアップになるなどの問題が生じる場合がある。
本発明の導電性ロールは、下地弾性層20の外周面に、表面性導電層30として導電性の樹脂チューブを被覆・固定することにより作製されることが好ましい。該導電性の樹脂チューブとしては、電子伝導性の導電剤が分散していることが好ましい。また、該電子伝導性の導電剤としては、酸化処理カーボンブラックが好ましい。
以下に下地弾性層20の外周面に導電性樹脂チューブを被覆・固定する方法について詳細に説明する。
下地弾性層20の外周面に導電性樹脂チューブを被覆・固定する方法としては、特に限定されないが、導電性樹脂チューブの内周面に空気などの流体を圧入して含まらせ、この状態で導電性樹脂チューブ内周側に下地弾性層20が導電性支持体上に形成されたロール(以下、「下地ロール」という場合がある。)を挿入し、その後、前記流体の圧入を停止させて導電性樹脂チューブを収縮させることで、挿入・固定する方法が挙げられる。
また、他の方法としては、下地層を冷却することにより下地ロールの直径を、導電性樹脂チューブ内径よりも一時的に小さくした状態とし、この状態で下地ロールを導電性樹脂チューブの内周面に圧入する方法を適用することができる。
<画像形成装置>
次に、本発明の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、少なくとも1つの導電性ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記導電性ロールが、既述の本発明の導電性ロールを用いたものであれば特に限定されない。また、本発明の導電性ロールの用途は特に限定されるものではないが、画像形成装置内において転写ロールや帯電ロールとして用いられることが好ましく、転写ロールとして用いられることがより好ましい。
このような場合、画像形成装置は、少なくとも本発明の導電性ロールと、該導電性ロール表面に当接する金属ブレードを有するクリーニング装置と、を備えていることがより好ましい。
特に、金属ブレードを用いたクリーニングに対しても十分な耐磨耗性を確保するためには、前記導電性ロールの外周面がポリイミド樹脂等の表面微小硬度が18以上の材料から構成されることが好ましい。
また、クリーニング装置として、金属ブレードを適用することにより、トナーとして球形トナーを用いた場合においても、導電性ロール表面に付着した球形トナーを効果的にクリーニングすることができる。
ただし、当該球形トナーとは、その形状係数SFが、100〜140(好ましくは100〜130)であることを意味し、ここで、前記形状係数SFは、下記式(1)で規定される係数である。
式(1)
SF =
[(トナー粒子の最大長)2/(トナー粒子の投影面積)]×π×(1/4)×100
なお、トナー粒子の絶対最大長、および、トナー粒子の投影面積の測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
前記したような本発明の画像形成装置のその他の部分は、その他公知の装置を任意に組み合わせて構成することができるが、少なくとも、像坦持体表面を均一に帯電する帯電装置と、その表面が均一に帯電された像坦持対上に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記像坦持対に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像坦体上に形成されたトナー像を一旦中間転写体に転写し、さらに前記中間転写対上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を含んだ構成であることが好ましい
この場合、前記転写装置に用いられる転写ロールや、前記像坦持体に当接する帯電ロールとして、本発明の導電性ロールを用いることができ、この導電性ロール表面に当接するように金属ブレードを配置してもよい。
以下、本発明の画像形成装置について、本発明の導電性ロールを転写ロールとして用いた場合について説明する。但し、本発明の画像形成装置は、以下に説明する構成のみに限定されるものではない。以下に、本発明の画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であり、1は感光体ドラム(像担持体)、2は中間転写ベルト(中間転写体)、3はバイアスロール(第二転写手段)、4は用紙トレー、5はブラック現像器、6はイエロー現像器、7はマゼンタ現像器、8はシアン現像器、9は中間転写体クリーナ、13は剥離爪、21はベルトロール、22はバックアップロール、23はベルトロール、24はベルトロール、25は転写ロール(第一転写手段)、26は電極ロール、31はクリーニングブレード、41は用紙、42はピックアップロール、43はフィードロールを表す。
次に、図6に示す画像形成装置の構成について説明する。感光体ドラム1の周囲には、これに近接し矢印A方向に沿って、ブラック現像器5、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8が順次配置されている。また、感光体ドラム1に対して、これら4色の現像器が配置された側と反対側に、中間転写ベルト2を挟んで転写ロール25(本発明の導電性ロール)が、感光体ドラム1と圧接するように配置されている。
中間転写ベルト2は、その内周面に接して矢印B方向に順次配置された導電性ロール25、ベルトロール21、ベルトロール23、バックアップロール22、ベルトロール24により張架されており、中間転写ベルト2を挟んで、ベルトロール24の反対側には中間転写体クリーナ9が配置されている。また、中間転写ベルト2の、バックアップロール22とベルトロール24とにより張架された部分の外周面に接触するように剥離爪13が配置されている。
バックアップロール22は、中間転写ベルト2を介して、バイアスロール3と圧接しており、用紙41が、バックアップロール22(に押圧された中間転写ベルト2)とバイアスロール3との間を挿通可能である。バイアスロール3の周囲には、この表面に接触するようにクリーニングブレード31が設けられている。また、バックアップロール22のバイアスロール3が配置された側のほぼ反対側に、バックアップロール22と接して電極ロール26が配置されている。
バックアップロール22とバイアスロール3との間を用紙41が通過する方向には、一対のお互いに接触したフィードロール43が配置され、2つのフィードロール43の間を用紙41が挿通可能である。また、一対のフィードロール43の、バックアップロール22およびバイアスロール3が設けられた側の反対側には、用紙41をストックした用紙トレー4と、用紙トレー4から用紙41を一対のフィードロール43の接触部に供給するピックアップロールが配置されている。
次に、図6に示す画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、感光体ドラム1が矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書込み装置等の画像書き込み手段(不図示)により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。
この静電潜像はブラック現像器5によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは、感光体ドラム1の回転で転写ロール25(第一転写手段)が配置された一次転写部に到り、転写ロール25からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより、前記トナー像Tは、静電的に中間転写ベルト2外周面に吸着されつつ中間転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され、各色のトナー像が、中間転写ベルト2外周面において画像情報と対応するように重ね合わされ、多重トナー像が形成される。中間転写ベルト2に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスロール3(第二転写手段)が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は、中間転写ベルト2のトナー像を担持する外周面側に接して配置されたバイアスロール3と、中間転写ベルト2の内周面側からバイアスロール3に対向するように配置されたバックアップロール22と、このバックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26と、から構成される。
記録紙41は、用紙トレー4に収容された記録紙束からピックアップロール42で一枚ずつ取り出され、フィードロール43を経て二次転写部の中間転写ベルト2とバイアスロール3との圧接部に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙41は、バイアスロール3及びバックアップロール22による圧接搬送と中間転写ベルト2の回転により、中間転写ベルト2外周面に担持された多重トナー像が転写される。
多重トナー像が転写された記録紙41は、最終トナー像の二次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより中間転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送される。次に、記録紙41が定着装置により加圧/加熱処理されることにより、その表面に多重トナー像が定着されることによって画像が形成される。尚、多重トナー像の記録紙41への転写の終了した中間転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けた中間転写体クリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、転写ロール3は、金属からなるクリーニングブレード31が常時当接するように取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
前記二次転写部では、転写ロール3と中間転写ベルト2を介して対向配置したバックアップロール22に圧接した電極ロール26に、トナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、該トナー像を記録紙41に静電反発で転写する。
図7は、本発明の画像形成装置の他の例を示す概略図である。図7において画像形成装置は、像担持体101、帯電器102、静電潜像形成用の書込装置103、ブラック(K)、イエロー(Y),マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤を収容した現像器104a、104b、104c、104d、除電ランプ105、クリーニング装置106、中間転写体107、および、本発明の半導電性ロールである転写ロール108からなる。
像担持体101の周囲には、像担持体101の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、像担持体101表面を均一に帯電させる非接触型の帯電器102、画像情報に応じた矢印Lで示される走査露光を像担持体101表面に照射することにより、像担持体101表面に静電潜像を形成させる書込装置103、前記静電潜像に各色のトナーを供給する現像器104a、104b、104c、104d、像担持体101表面に当接し像担持体101の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の中間転写体107、像担持体101表面を除電する除電ランプ105、および、像担持体101表面に当接するクリーニング装置106、が配置されている。なお、中間転写体107は無端ベルト状であってもよい。
また、中間転写体107に対して像担持体101の反対側に、中間転写体107表面に当接/非当接の制御が可能な転写ロール(本発明の導電性ロール)108が配置されており、当接時には転写ロール108は、中間転写体107の矢印B方向への回転に伴い、矢印C方向に従動回転することができる。
次に、図7に示す画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、像担持体101の矢印A’方向への回転に伴い、非接触型の帯電器102により像担持体101表面を均一に帯電し、書込装置103により均一に帯電された像担持体101表面に各色の画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された像担持体101表面に、前記静電潜像の色情報に応じて現像器104a、104b、104c、104dからトナーを供給することによりトナー像を形成する。
次に、像担持体101表面に形成されたトナー像は、不図示の電源により、像担持体101と中間転写体107との間に電圧が印加されることより、像担持体101と中間転写体107との接触部にて、中間転写体107表面に転写される。
トナー像を転写体107に転写した像担持体101の表面は、除電ランプ108から光が照射されることにより除電され、さらに前記表面に残留しているトナーはクリーニング装置106クリーニングブレードによって除去される。
前述の工程を各色毎に繰り返すことにより、中間転写体107の表面に各色のトナー像を、画像情報に対応するように積層形成する。
尚、前述の工程時には転写ロール108は前記中間転写体107と非当接の状態となっており、中間転写体107表面上に全色のトナー像が積層形成された後の記録媒体109への転写時には当接される。
このようにして中間転写体107表面に積層形成されたトナー像は、中間転写体107の矢印B’方向への回転(及び転写ロール108C方向への回転)に伴い、中間転写体107と転写ロール108との接触部(ニップ部)に移動する。この際、ニップ部を、記録媒体109が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印N方向に挿通され、中間転写体107と転写ロール108との間に印加された電圧により、中間転写体107表面に積層形成されたトナー像がニップ部にて記録媒体109表面に一括して転写される。
トナー像がその表面に形成された記録媒体109は、不図示の定着装置へ搬送され、前記定着装置により、トナー像が記録媒体109表面に定着されることにより画像が形成される。
以上の画像形成において、図7に示す画像形成装置における転写ロール25、及び図6に示す画像形成装置における転写ロール108として、本発明の導電性ロールを用いているため、得られた画像は、転写性に優れ、また、得られる画像の濃度ムラも小さくすることができる。
更に、既述のように、本発明の本発明の導電性ロールを画像形成装置内の帯電ロールや転写ロールとして組み込んで利用する場合には、トナーとして球形トナーを用いることが好ましい。トナーとして球形トナーを用いることにより、転写面を構成する材料が、表面硬度が低く、かつ高体積抵抗であることによって、画質欠陥(ホロキャラクター、ブラー、カラーレジ)ない高品質の転写画質を得ることができる。
前記球形トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる。この球形トナーは、好ましくは2〜12μmの粒子、より好ましくは3〜9μmの粒子を用いることができる。
前記結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
前記着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
前記球形トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
前記帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
前記他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機あるいは有機微粒子を併用してもよい。これらの他の無機微粒子は公知のものを使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
前記球形トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。具体的には、例えば結着樹脂及び着色剤と、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、球形トナーを得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂及び着色剤と必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。また前記方法で得られた球形トナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、球形トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球形トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<実施例1>
(下地弾性層の形成)
先ず、導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性弾性層)で被覆した(以下、下地弾性層と導電性支持体とからなるロールを「下地ロール」と略す)。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及びアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:28ml/100g)20質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
得られた下地ロールについて、(1)下地弾性層のみの体積抵抗値(22℃55RH%、Rv1)、(2)下地弾性層のみの体積抵抗値(Rv1)の環境変動幅(低温低湿環境(10℃15RH%)と高温高湿環境(28℃85RH%)での抵抗値の常用対数値の差)、(3)下地弾性層のみの25時間連続通電試験(10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値の変化量)、(4)下地弾性層のみのロール硬度(アスカC)を測定した。その結果を表1に示す。
(導電性表面層の形成)
次に、導電性表面層として、導電性樹脂チューブを以下のようにして準備した。この導電性樹脂チューブは、宇部興産(株)製の耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに酸性カーボンブラック(デグサジャパン(株)製/Special Black 4;pH3.5)を体積抵抗値(Ω)が、常用対数値で6.5になるように分散させて濃度調整をした塗液を、なお、円筒形金型の外側に塗布してチューブ状に作製したものである。
(導電性ロールの作製)
次に、導電性樹脂チューブ(導電性表面層)の内周側に、下地ロール(導電性支持体及び下地弾性層)を挿入・固定することにより実施例1の導電性ロールを得た。
なお、挿入方法としては、予め所定の形状に加工した導電性樹脂チューブの内部に空気等の流体を注入した状態とし、導電性樹脂チューブ内部に、下地ロールの芯金先端を挿入する事で、下地ロールを流体と共に導電性樹脂チューブに挿入し、図4に示す構成と同じ実施例1の導電性ロールを得た。
得られた導電性ロ−ルについて、(5)導電性表面層の体積抵抗値(Rv3)、(6)導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)、(7)導電性表面層の厚み、(8)導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)、(9)導電性ロールの体積抵抗値の環境変動幅(低温低湿環境(10℃15RH%)と高温高湿環境(28℃85RH%)での抵抗値の常用対数値の差)、(10)導電性ロールのロール硬度(アスカC)、(11)導電性ロール表面の面内抵抗バラツキ(最大値と最小値の常用対数値の差)、(12)導電性ロールの25時間連続通電試験(10℃15%RHの環境下で20μAの電流を連続25時間印加することによる体積抵抗値の変化量)、(13)初期のクリーニング性、(14)30KPV相当ランニング後のクリーニング性、(15)転写性(転写ラチュチュード)、(16)転写画質の濃度むらを評価した。その結果を表1に示す。
なお、前記したそれぞれの評価方法を、既述したものを除き、以下に詳細に説明する。
−(5)導電性表面層の体積抵抗値(Rv3)−
図4に示す円形電極を用い、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に、サンプルSとして導電性表面層を挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、導電性表面層の体積抵抗値(Rv3)の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式中、tは、サンプルSの厚さを示す。
式 ρv=πd2/4t×(V/I)
―(11)導電性ロール表面の面内抵抗バラツキ―
導電性ロール表面の面内抵抗バラツキは、図8に示す抵抗計測装置を用いた。なお、図8は、導電性ロール表面の面内抵抗バラツキを測定するための抵抗計測装置の概略斜視図である。図7において、シャフト401を中心軸に持つ導電性ロール401の外周面は、リング状の電極402と圧接しており、導電性ロール401の回転に伴い、電極402が従動回転可能である。また、電極402と、シャフト401との間は、電流計および電圧計が直列に接続されている。
測定は、導電性ロール400の外周面にリング状の電極402を圧接させた状態で、導電性ロール400を回転させることにより円周方向のロール抵抗を測定し、電極402を導電性ロール400の軸方向に移動させることにより軸方向のロール抵抗を行うことができる。
実際の測定に際しては、導電性ロールと、電極(幅3.5mm、外径10mm)との間に荷重を50gかけて圧接させた状態で、導電性ロールを30rpmで回転させながら、導電性ロールのシャフトと電極との間に電圧500V(V)を印加しながら、電流値(I)を読み取り、導電性ロール表面の各点における抵抗値(R)を、R=V/Iの関係より求めた。
なお、測定に際しては、導電性ロールを周方向に60分割、軸方向に10分割することにより、導電性ロール表面の計600ポイントの抵抗値を求め、これら600ポイントの最大値と最小値との常用対数値の差を導電性ロール表面の面内抵抗バラツキとした。
−(13)及び(14)クリーニング性評価−
クリーニング性評価は、導電性ロール表面に金属ブレード(SUS304、厚み:0.1mm)を角度25°、食込み量0.6mmで当て付けたユニットを使用しておこなった。このユニットを形状係数SFが125、体積平均粒子径が5.5μmであるトナーを用いた画像形成装置に取り付け、(13)初期、及び(14)30K枚の画像サンプルを出力したときの、クリーニング性を下記規準で目視評価した。
○:クリーニング性に問題が無い。
×:クリーニング性に問題が有る。
―(15)転写性―
転写性は、図6に示す構造を有する画像形成装置を使用し、画像形成を行って評価した。なお、得られた導電性ロールは、図6に示す画像形成装置の転写ロール25として使用し、トナーは形状係数(SF)が125、体積平均粒子径が5.5μmであるトナーを用いた。また、転写性の評価は、高温高湿環境(28℃85RH%)および低温低湿環境(10℃15RH%)の両方で実施した。
転写性の評価はPK色(プロセスブラック)の転写性が得られる転写電流(下限の電流値)と、K色(ブラック)のリトランスファーに問題がない転写電流(上限の電流値)と、の範囲が2μA以上である場合を転写性ありと判定した。評価指標は以下の通りである。
○:高温高湿環境および低温低湿環境において、転写電流の範囲が2μA以上である。
×:高温高湿環境および/または低温低湿環境において、転写電流の範囲が2μA未満である。
−(16)転写画質の濃度むら−
転写画質は、図6に示す構造を有する画像形成装置を使用し、画像形成を行って評価した。なお、得られた導電性ロールは、図6に示す構造を有する画像形成装置の転写ロール25として使用し、トナーは形状係数(SF)125、体積平均粒子径5.5μmの球形トナーを使用した。また、転写画質の評価は、高温高湿環境(28℃85RH%)および低温低湿環境(10℃15RH%)の両方で実施した。
転写画質の評価は、PK色の濃度30%の画質の濃度むらによって判定した。評価指標は以下の通りである。
○:高温高湿環境および低温低湿環境において、画質のむら無し
×:高温高湿環境および/または低温低湿環境において、画質のむら有り
<実施例2>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)11質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)25質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
(導電性表面層の形成)
次に、導電性表面層として、導電性樹脂チューブを以下のようにして準備した。この導電性樹脂チューブは、宇部興産(株)製の耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに酸性カーボンブラック(デグサジャパン(株)製/プリンテックス140U:pH4.5)を体積抵抗値(Ω)が、常用対数値で6.0になるように分散させて濃度調整をした塗液を、なお、円筒形金型の外側に塗布してチューブ状に作製したものである。得られた導電性樹脂チューブの膜厚は40μmであり、表面抵抗率は、1×1011Ω/□であった。
(導電性ロールの作製)
次に、実施例1と同じ様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例2の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで68であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で7.5であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<実施例3>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及び、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)25質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
次に、実施例1と同じ導電性樹脂チューブを用いて、実施例1と同様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例3の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで64であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.2であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<実施例4>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポールDN−219、アクリロニトリロ含有量:33.5質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及び、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)30質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径は20mmの下地ロールを得た。
次に、実施例1と同じ導電性樹脂チューブを用いて、実施例1と同様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例4の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで68であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.3であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<実施例5>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN401、アクリロニトリル含有量:18質量%))50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)7質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)65質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
次に、実施例2と同じ導電性樹脂チューブを用いて、実施例1と同様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例5の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで70であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.1であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<実施例6>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、CG−105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及びアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:28ml/100g)35質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
次に、実施例2と同じ導電性樹脂チューブを用いて、実施例1と同様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例6の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで67であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.5であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<実施例7>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)50質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(JSR株式会社製、N260S、アクリロニトリル含有量:22質量%)50質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)11質量部、及びアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)38質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
(導電性表面層の形成)/(導電性ロールの作製)
次に、実施例2と同じ導電性樹脂チューブを用いて、実施例1と同様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例7の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで68であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.1であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<実施例8>
導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ12mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した。
具体的には、エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン株式会社製、Gechron3105、エチレンオキサイド含有量:38モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、DN202H、アクリロニトリロ含有量:31質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、DBP吸油量:288ml/100g)10質量部、及び、アサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製、DBP吸油量:35ml/100g)22質量部を併用し、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを得た。
次に、実施例2と同じ導電性樹脂チューブを用いて、実施例1と様に導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例7の導電性ロールを得た。この導電性ロールのロール硬度はアスカCで64であり、この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.2であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<比較例1>
導電性表面層として、実施例1と同じ導電性樹脂チューブを用い、下地弾性層としてイオン伝導剤(過塩素酸塩)を添加したウレタンゴムスポンジロールを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の導電性ロールを作製した。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<比較例2>
導電性表面層を構成する導電性樹脂チューブとして下記の導電性樹脂チューブを用いたこと以外、比較例1と同様にして比較例2の導電性ロールを作製した。
なお、用いた導電性樹脂チューブは、カーボンブラックとして粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製:吸油量288ml/100g)を用い、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で6.5に調整し、膜厚が100μm、表面抵抗率が、3×106Ω/□である導電性ナイロンチューブを用いた。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<比較例3>
比較例3の導電性ロールを、導電性表面層および下地弾性層を構成する材料を変えた以外は、実施例1と同様にして作製した。
なお、導電性表面層を構成する導電性樹脂チューブは、カーボンブラックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学工業(株)製:吸油量288ml/100g)を用いた、導電性オレフィン系チューブを用いた。この導電性オレフィン系チューブの体積抵抗値(Ω)を常用対数値で10となるように調整したものであり、膜厚は100μm、表面抵抗率は、3×1010Ω/□である。
また、下地弾性層としては、NBRポリマー(日本合成ゴム(株)製 N230SV)100質量部にpH7.5カーボンブラック(旭カーボン社製 アサヒサーマルFT)28質量部、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1質量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラーCZ)1質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ10mmの芯金に巻き付け、170℃で15分間プレス加硫し、5mm厚の成型物を用いた。なお、この体積抵抗値(Ω)は、常用対数値で8.0であった。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<比較例4>
導電性表面層を構成する導電性樹脂チューブを除いては、比較例1と同様にして比較例4の導電性ロールを作製した。
なお、導電性樹脂チューブとしては、PVDF樹脂100質量部にイオン導電性ポリマーとして、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型ポリマーである三洋化成工業(株)製のペレスタット6321(商品名)を用い、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で8に調整し、厚みが0.15mm、表面抵抗率が1×109Ω/□のものを用いた。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
<比較例5>
導電性表面層として、実施例1と同じ導電性樹脂チューブを用い、下地弾性層として
エピクロルヒドリンゴム(日本ゼオン社製、Gechron3103、エチレンオキサイド含有量:35モル%)70質量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、ニポールDN−219、アクリロニトリル含有量:33.5質量%)30質量部とを混合し、これに電子伝導性の導電剤として、ケッチェンブラック(ライオンアグゾ(株)製:360ml/100g)4.5質量部、更に、加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製、200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラ−M)1.5質量部と、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部と、を加え、オープンロールで混練した。その混練した混合物(ゴム組成物)を実施例1と同様の芯軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、4mm厚の下地弾性層を形成し、外径が20mmのロール形状の下地ロールを作製した。更に実施例1と同様に導電性ロールを作製した。
(評価)
得られた下地ロール及び導電性ロールについて、実施例1と同様の測定及び評価を、実施例1と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
Figure 0004639712
表1からわかるように実施例1〜8は、高温高湿環境および低温低湿環境のいずれにおいても転写性および転写画質に優れており、また面内の抵抗バラツキも0.5以下と良好であり、環境変動による抵抗値のバラツキが小さく、また、導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制されていることがわかる。
また、連続通電試験、初期および30kpv相当ランニング後のクリーニング性も良好であった。
これに対して、比較例1〜3及び5においては、高温高湿環境および/または低温低湿環境における転写性および転写画質に劣っており、比較例4では、高温高湿環境および/または低温低湿環境における転写性に劣っていた。すなわち、比較例1〜5の導電性ロールは、環境変動による抵抗値の変動が大きいことがわかる。
また、比較例2および3は、面内の抵抗バラツキが1.2と大きく導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制されていないことがわかる。比較例5は、導電性ロールとして体積抵抗値が高すぎることがわかる。
また、比較例2〜比較例4は、初期及び30kpv相当ランニング後のクリーニング性に劣り、また、通電による抵抗変化も大きかった。
下地弾性層の体積抵抗値の計測方法を示す概略模式図である。 下地弾性層に連続通電した際の電圧変化を測定する方法について示した模式断面図である。 導電性ロールの体積抵抗値の計測方法を示す概略模式図である。 円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。 本発明の導電性ロールの一例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す概略図である。 導電性ロール表面の面内抵抗バラツキを測定するための抵抗計測装置の概略斜視図である。
符号の説明
1・・・感光体ドラム(像担持体)、
2・・・中間転写ベルト(中間転写体)、
3・・・バイアスロール(第二転写手段)、
4・・・用紙トレー、
5・・・ブラック現像器、
6・・・イエロー現像器、
7・・・マゼンタ現像器、
8・・・シアン現像器、
9・・・中間転写体クリーナ、
10・・・導電性支持体、
13・・・剥離爪、
20・・・下地弾性層、
21・・・ベルトロール、
22・・・バックアップロール、
23・・・ベルトロール、
24・・・ベルトロール、
25・・・転写ロール(第一転写手段)、
26・・・電極ロール、
30・・・導電性表面層、
31・・・クリーニングブレード、
40・・・金属板、
41・・・用紙、
42・・・ピックアップロール、
43・・・フィードロール、
100,100’・・・ローラ状の導電性部材、
101・・・像担持体、
102・・・帯電器、
103・・・書込装置、
104a,104b,104c,104d・・・現像器、
106・・・クリーニング装置、
107・・・中間転写体、
108・・・転写ロール、
109・・・記録媒体、
400・・・導電性ロール、
401・・・シャフト、
402・・・電極、
500・・・導電性ロール、
502・・・金属ロール、

Claims (13)

  1. 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、
    前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
    前記下地弾性層は、22℃55%RHの環境下での体積抵抗値(Rv1)が107〜109Ωの範囲内であり、
    前記導電性表面層が、ポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする導電性ロール。
    (A)エピクロルヒドリンゴム
    (B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
    (C)電子伝導性の導電剤
  2. 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、
    前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
    前記下地弾性層は、22℃55%RHの環境下での体積抵抗値(Rv1)が107〜109Ωの範囲内であり、
    前記導電性表面層が、電子伝導性の導電剤を分散してなる導電性樹脂チューブからなり、前記導電性樹脂チューブに分散している電子伝導性の導電剤が、酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする導電性ロール。
    (A)エピクロルヒドリンゴム
    (B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
    (C)電子伝導性の導電剤
  3. 前記(C)成分を、前記(A)成分と前記(B)成分との合計量100質量部に対して、5〜40質量部の範囲で含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性ロール。
  4. 前記(A)成分が、エチレンオキサイド含有量が35〜50モル%の範囲のエピクロルヒドリンゴムであり、前記(B)成分が、アクリロニトリル含有量が10〜35質量%の範囲のアクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電性ロール。
  5. 前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、質量比で、(A)成分/(B)成分=80/20〜20/80の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の導電性ロール。
  6. 前記(C)成分が、DBP吸油量の異なる2種以上のカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の導電性ロール。
  7. 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、22℃55%RHの環境下での前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)が107〜109Ωの範囲内であり、
    前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
    前記導電性表面層が、ポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする導電性ロール。
    (A)エピクロルヒドリンゴム
    (B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
    (C)電子伝導性の導電剤
  8. 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールであって、22℃55%RHの環境下での前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv2)が107〜109Ωの範囲内であり、
    前記下地弾性層が、下記(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(C)成分を、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して5〜80質量部の範囲で含有するゴム組成物によって形成されてなり、
    前記導電性表面層が、電子伝導性の導電剤を分散してなる導電性樹脂チューブからなり、前記導電性樹脂チューブに分散している電子伝導性の導電剤が、酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする導電性ロール。
    (A)エピクロルヒドリンゴム
    (B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム
    (C)電子伝導性の導電剤
  9. 前記導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)が、1×107〜1×1013Ω/□の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の導電性ロール。
  10. 前記導電性表面層の厚みが、0.02〜0.08mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の導電性ロール。
  11. 少なくとも1つの導電性ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、
    前記導電性ロールが、請求項1〜10の何れか1項に記載の導電性ロールであることを特徴とする画像形成装置。
  12. 少なくとも1つの転写ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置であって、
    前記転写ロールが、請求項1〜10の何れか1項に記載の導電性ロールであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記トナーが、下記式(1)で規定される形状係数SFが100〜140である球形トナーであることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
    式(1)
    SF =
    [(トナー粒子の最大長)2/(トナー粒子の投影面積)]×π×(1/4)×100
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